JP2016084441A - 熱伝導性樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

熱伝導性樹脂組成物およびそれからなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的特性および耐衝撃性に優れた熱伝導性樹脂組成物を提供することができる。
【解決手段】ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と、熱伝導性充填材(B)と、アラミド繊維(C)とを含有し、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との質量比(A/B)が15/85〜80/20であり、アラミド繊維(C)の含有量が、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100質量部に対して、3〜30質量部であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐衝撃性の改良された熱伝導性樹脂組成物に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、耐湿熱性に優れ、電気電子部品や自動車部品などの成形材料として幅広く用いられている。これらの分野においては、高性能化、小型化および軽量化に伴い、各種の電子部品で発生する熱を効果的に外部へ放散させる熱対策が非常に重要な課題になっており、その構成材料である樹脂成形材料の放熱性改良を求める声が大きくなってきている。従来から、樹脂成形材料の放熱性を改良する手段としては、熱伝導率の高い充填材(窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、黒鉛など)を配合することが知られており、例えば、特許文献1には、ポリフェニレンスルフィド樹脂と、熱伝導性充填材である黒鉛粒子からなる樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1の樹脂組成物は、充填材を多量に配合するため、耐衝撃性の低下が顕著であった。
樹脂組成物の耐衝撃性を改善する手法としては、一般的に、ガラス繊維、カーボン繊維などの繊維状強化材の添加やエラストマー成分の添加が知られており、例えば、特許文献2には、熱可塑性樹脂と、熱伝導性充填材である黒鉛粒子と、耐衝撃性改良剤としての特定エラストマーからなる樹脂組成物が開示されている。しかしながら、充填材が多量に含まれている場合には、耐衝撃性の改善効果が不十分であったり、エラストマー成分を添加する場合は耐熱性が低下したりするという問題があった。
特開2003−041119号公報 特開2007−238917号公報
本発明は、かかる従来技術に鑑み、機械的特性および耐衝撃性に優れた熱伝導性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリフェニレンスルフィド樹脂と熱伝導性充填材からなる樹脂組成物に、さらに耐衝撃改良剤としてアラミド繊維を特定量用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と、熱伝導性充填材(B)と、アラミド繊維(C)とを含有し、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との質量比(A/B)が15/85〜80/20であり、アラミド繊維(C)の含有量が、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100質量部に対して、3〜30質量部であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
(2)熱伝導性充填材(B)が、鱗片状黒鉛、六方晶系結晶構造を有する鱗片状窒化ホウ素、鱗片状タルクからなる群より選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする(1)に記載の熱伝導性樹脂組成物。
(3)アラミド繊維(C)が、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、機械的特性および耐衝撃性に優れた熱伝導性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)、熱伝導性充填材(B)およびアラミド繊維(C)から構成される。
本発明に用いるポリフェニレンスルフィド樹脂(A)とは、化学式(1)で示される繰り返し単位を70モル%以上、好ましくは90モル%以上を含む樹脂である。ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)中の前記繰り返し単位が70モル%より少ない場合、結晶性が低下し、十分な耐熱性や機械的物性が得られない場合がある。ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)には、前記繰り返し単位の他の繰り返し単位を含んでいてもよい。かかる繰り返し単位としては、例えば、化学式(2)〜(5)で示される繰り返し単位が挙げられる。ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)は、直鎖状、分岐状、架橋構造いずれであってもよく、これらの混合物であってもよい。中でも、直鎖状のものが耐衝撃性と機械的物性に優れているので好ましい。ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)の合成法としては、例えば、p−ジハロベンゼンと、硫化アルカリまたは硫化アルカリ土類金属とを極性有機溶媒中で反応させる方法が挙げられる。重合温度としては200〜350℃が好ましく、重合系内の圧力および重合時間は、用いる触媒の種類や所望する重合度によって適宜決定することができる。
Figure 2016084441
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本発明に用いる熱伝導性充填材(B)としては、熱伝導性を向上させることができれば特に限定されないが、例えば(括弧内に熱伝導率の代表値(単位:W/(m・K))を記す。)、タルク(5〜10)、酸化アルミニウム(36)、酸化マグネシウム(60)、酸化亜鉛(25)、炭酸マグネシウム(15)、炭化ケイ素(160)、窒化アルミニウム(170)、窒化ホウ素(80〜200)、窒化ケイ素(40)、カーボン(10〜数百)、黒鉛(10〜数百)などの無機系充填材、銀(427)、銅(398)、アルミニウム(237)、チタン(22)、ニッケル(90)、錫(68)、鉄(84)、ステンレス(15)などの金属系充填材が挙げられる。これらは上記のうち1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。なかでも、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)に配合した際の熱伝導率が高いことから、黒鉛、窒化ホウ素が好ましい。また、経済性の点では、タルク、酸化マグネシウムが好ましい。
黒鉛の形態としては、例えば、球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状、ウィスカ状、マイクロコイル状、ナノチューブ状が挙げられる。なかでも鱗片状黒鉛は、熱伝導率を高くすることができるため、より好ましい。
タルクの形態としては、例えば、板状、鱗状、鱗片状、薄片状が挙げられる。なかでも鱗片状タルク、薄片状タルクは、成形体としたときに、面方向に配向しやすく、その結果、熱伝導率を高くすることができるため、より好ましい。
窒化ホウ素の形態としては、例えば、板状、鱗片状、薄片状が挙げられる。なかでも鱗片状窒化ホウ素は成形体としたときに、面方向に配向しやすく、その結果、熱伝導率を高くすることができるため、より好ましい。窒化ホウ素の結晶系は、特に限定されるものではなく、六方晶系、立方晶系、その他いずれの結晶構造の窒化ホウ素であっても適用可能である。なかでも、六方晶系結晶構造を有する窒化ホウ素は、熱伝導率を高くすることができるので好ましい。
酸化マグネシウムの形態としては、例えば、球状、繊維状、紡錘状、棒状、針状、筒状、柱状が挙げられる。なかでも球状酸化マグネシウムは、流動性を向上させることができるため、より好ましい。
熱伝導性充填材(B)の平均粒径は、1〜200μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。平均粒径が1μm未満では分散不良により凝集塊が生じやすくなり、均一な成形品が得られなかったり、機械的特性が低下したり、熱伝導性にバラツキが生じたりすることがある。平均粒径が200μmを超える場合、樹脂組成物中に高濃度に充填することが困難になり、成形品表面の外観が不良になる場合がある。
熱伝導性充填材(B)はポリフェニレンスルフィド樹脂(A)との密着性を向上させるため、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤などのカップリング剤で表面処理を施していることが好ましい。シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルジメトキシメチルシランなどのアミノシラン系カップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリリシドキシプロピルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系カップリング剤が挙げられる。チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートが挙げられる。これらは上記のうち1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との質量比(A/B)は、15/85〜80/20であることが必要であり、20/80〜75/25であることが好ましく、30/70〜75/25であることがより好ましい。熱伝導性充填材(B)の配合量が、(A)と(B)の合計に対して20質量%未満の場合、十分な熱伝導性を得ることができないので好ましくなく、85質量%を超える場合、流動性が低下し、成形加工時の負荷が高くなりすぎ、ストランドが引けなかったり、操業性が低下したりするので好ましくない。
本発明に用いるアラミド繊維(C)とは、全芳香族ポリアミド繊維のことであり、一般に、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維が知られている。本発明においては、加熱収縮が少なく、高耐熱性、高強度であるパラ系アラミド繊維が好ましい。パラ系アラミド繊維の市販品としては、例えば、東レ・デュポン社製「ケブラー」、帝人テクノプロダクツ社製「トワロン」(以上、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維)、帝人テクノプロダクツ社製「テクノーラ」(以上、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維)が挙げられる。メタ系アラミド繊維の市販品としては、例えば、米国デュポン社製「ノーメックス」、帝人テクノプロダクツ社製「コーネックス」(以上、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊推)が挙げられる。アラミド樹脂は、上記の1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
アラミド繊維(C)の平均繊維長は、1〜15mmであることが好ましく、2〜10mmであることがより好ましい。平均繊維長が1mm未満では、十分な耐衝撃性改善効果が得られない場合があり、一方、平均繊維長が15mmを超える場合、耐衝撃性改善効果が大きくなるが、流動性の低下が大きく、成形加工性などの点で好ましくない場合がある。
アラミド繊維(C)の平均繊維径は、1〜50μmであることが好ましく、3〜25μmであることがより好ましい。繊維径が1μm未満では、十分な耐衝撃性改善効果が得られない場合があり、一方、繊維径が50μmを超える場合、成形加工性が低下する場合がある。
アラミド繊維(C)の含有量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100質量部に対して、3〜30質量部であることが必要であり、3〜15質量部であることが好ましい。アラミド繊維(C)の含有量が3質量部未満では十分な衝撃強度が得られないので好ましくない。アラミド繊維(C)の配合量が30質量部を超えると、流動性が低下するため、押出しができなかったり、成形加工性が悪化したり、成形加工時に繊維が表面に浮き外観が不良となったりするので好ましくない。
本発明の樹脂組成物には、機械的特性、耐熱性などの諸特性をさらに向上させるため、アラミド繊維(C)以外の繊維状充填材を配合することも可能である。アラミド繊維(C)以外の繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛化炭素繊維、金属繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、ケナフに代表される天然繊維が挙げられる。なかでも、ガラス繊維、炭素繊維が好ましい。ガラス繊維は機械的特性、耐熱性、コスト面で優れている。炭素繊維は機械的特性、耐熱性に加え樹脂組成物の熱伝導性に優れている。アラミド繊維(C)以外の繊維状充填材は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限り、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材、結晶核材、高分子化合物などを添加してもよい。熱安定剤や酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物が挙げられる。難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤が好ましく、環境面から、非ハロゲン系難燃剤がより好ましい。非ハロゲン系難燃剤としては、リン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水和金属化合物、メラミン系、グアニジン系などの窒素含有化合物、硼酸塩、モリブデン化合物などの無機系化合物が挙げられる。充填材としては、無機充填材、有機充填材いずれもでもよい。無機充填材としては、例えば、層状珪酸塩、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイトが挙げられる。有機充填材としては、例えば、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマなどの天然に存在するポリマーやこれらの変性品が挙げられる。結晶核材としては、無機結晶核材、有機結晶核剤いずれでもよい。無機結晶核材としては、例えば、カオリンが挙げられる。有機結晶核材としては、例えば、ソルビトール化合物、安息香酸およびその化合物の金属塩、燐酸エステル金属塩、ロジン化合物が挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリル酸エステル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸エステル)、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートおよびこれらの混合物ないし共重合体が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と、熱伝導性充填材(B)と、アラミド繊維(C)とを、さらには必要に応じて各種添加物を、一般的な押出機、例えば一軸押出機、二軸押出機、ロール混錬機、ブラベンダーなどを用いて溶融混練することにより製造することができる。このとき、混練状態を良好とするため、二軸押出機を用いることが好ましい。また、スタティックミキサーやダイナミックミキサーを併用することも好ましい。原料は、ぞれぞれ、ホッパーから、または、サイドフィーダーから添加してもよい。また、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)とアラミド繊維(C)などからそれぞれマスターバッチを作製し、それらを成形加工時にポリフェニレンスルフィド樹脂(A)で希釈して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形、シート成形などの通常公知の溶融成形法を用いて所望の形状に成形して成形体とすることができる。
本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と、熱伝導性充填材(B)と、アラミド繊維(C)とを特定の質量比率で含有するものである。その曲げ強度は、50MPa以上、さらには75MPa以上とすることができ、ノッチ付Izod衝撃強度は、50J/m以上、さらには60J/m以上とすることができ、荷重1.8MPa下での荷重たわみ温度は、150℃以上、さらには170℃以上とすることができる。また、その熱伝導率は、目的とする最終製品の要求性能によって適宜設計すればよいが、1W/(m・K)以上、さらには2W/(m・K)以上とすることができる。
本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体の具体例としては、例えば、半導体素子、抵抗などの封止材料、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、コンピュータ関連部品などの電気・電子部品、VTR、テレビ、アイロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、照明器具などの家庭電気製品部品、放熱シートやヒートシンク、ファンなどの電子部品からの熱を外部に逃すための放熱部材、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジングなどの照明器具部品、コンパクトディスク、レーザーディスク(登録商標)、スピーカーなどの音響製品部品、光ケーブル用フェルール、携帯電話機、固定電話機、ファクシミリ、モデムなどの通信機器部品、分離爪、ヒータホルダーなどの複写機、印刷機関連部品、インペラー、ファン歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品およびケースなどの機械部品、自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品などの自動車部品、マイクロ波調理用鍋、耐熱食器などの調理用器具、航空機、宇宙機、宇宙機器用部品、センサー類部品が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。実施例および比較例の樹脂組成物の評価に用いた測定法は次のとおりである。
(1)密度
電子比重計(京都電子工業社製)を用いて、温度20℃で測定した。
(2)曲げ強さ、曲げ弾性率
ISO178規格(ASTM−D−790)規格に準拠して、変形速度2mm/分で測定した。
(3)シャルピー衝撃強度
ISO179−1規格(ASTM−D−256)規格に準拠して、ノッチ付試験片を用いて測定した。
(4)荷重たわみ温度(DTUL)
ISO75−1規格(ASTM−D−648)規格に準拠し、荷重1.8MPaで測定した。
(5)熱伝導率
熱伝導率λは、熱拡散率α、密度ρおよび比熱Cpを下記方法により求め、その積として次式で算出した。
λ=αρCp
λ:熱伝導率(W/m・K)
α:熱拡散率(m2/sec)
ρ:密度(g/m3
Cp:比熱(J/g・K)
熱拡散率αは評価用の成形体の樹脂の流れ方向について、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置TC−7000(アルバック理工社製)を用いレーザーフラッシュ法にて測定した。
密度ρは電子比重計ED−120T(ミラージュ貿易社製)を用いて測定した。
比熱Cpは示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
本発明の実施例と比較例で用いた原料を以下に示す。
(1)ポリフェニレンスルフィド樹脂
・PPS1:ポリフェニレンスルフィド(INITZ社製Ecotran0102、密度1.35g/cm3
・PPS2:ポリフェニレンスルフィド(INITZ社製Ecotran0502、密度1.35g/cm3
・PPS3:ポリフェニレンスルフィド(ポリプラスチックス社製フォートロン0220A9、密度1.35g/cm3
(2)熱伝導性充填材
・Gr1:鱗片状黒鉛(日本黒鉛工業社製、平均粒径40μm、熱伝導率100W/(m・K)、密度2.25g/cm3
・Gr2:鱗片状黒鉛(日本黒鉛工業社製、平均粒径130μm、熱伝導率100W/(m・K)、密度2.25g/cm3
・Tc1:鱗片状タルク(日本タルク社製、平均粒径23μm、熱伝導率5〜10W/(m・K)、密度2.70g/cm3
・Tc2:鱗片状タルク(日本タルク社製、平均粒径5μm、熱伝導率5〜10W/(m・K)、密度2.70g/cm3
・BN:六方晶系鱗片状窒化ホウ素(電気化学社製SGP、平均粒径15μm、熱伝導率80W/(m・K)、密度2.26g/cm3
(3)アラミド繊維
・AR1:コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ社製テクノーラ、平均繊維径12μm、平均繊維長3mm)
・AR2:ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ社製トワロン、平均繊維径12μm、平均繊維長3mm)
・AR3:ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ社製コーネックス、平均繊維径12μm、平均繊維長1mm)
(4)アラミド繊維以外の繊維状充填材
・GF:ガラス繊維(オーウェンスコーニング社製JAFT692、平均繊維径10μm、平均繊維長3mm)
実施例1
二軸押出機(東芝機械製:TEM26SS、スクリュ径26mm)の主ホッパーに、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS1)80質量部とタルク(Tc1)20質量部とをドライブレンドした物を供給し、290℃で溶融した。途中サイドフィーダーよりアラミド繊維(AR1)3質量部を供給し、十分に溶融混練しストランド状に押出して冷却固化した後、それをペレタイザーでカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。
得られた樹脂組成物のペレットを十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製:EC−100型)を用いてシリンダ温度290℃、金型温度80℃、射出時間20秒、冷却時間10秒で射出成形し評価用の成形体を得た。
実施例2〜15、比較例1、2、4、6
樹脂組成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の操作をおこなって、樹脂組成物のペレットを得た。なお、ガラス繊維はアラミド繊維と同様にサイドフィーダーにより途中から供給し、それ以外の原料はドライブレンドして主ホッパーより供給した。
得られた樹脂組成物のペレットを十分に乾燥した後、実施例1と同様の操作をおこなって、評価用の成形体を得た。
比較例3、5
樹脂組成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の操作をおこなって、樹脂組成物のペレットを得ようとしたが、ストランド化することができず、ペレットを得ることができなかった。
Figure 2016084441
実施例1〜15の樹脂組成物は、本発明の要件を満たしていたため、機械的特性、耐衝撃性、熱伝導性いずれにも優れていた。
比較例1,2の樹脂組成物は、アラミド繊維が配合されていないか、その含有量が少なかったため、シャルピー衝撃強度が低かった。
比較例4の樹脂組成物は、熱伝導性充填材の含有量が少なかったため、熱伝導率が低かった。
比較例6の樹脂組成物は、アラミド繊維(C)の代わりにガラス繊維を配合したため、シャルピー衝撃強度が低かった。

Claims (4)

  1. ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と、熱伝導性充填材(B)と、アラミド繊維(C)とを含有し、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との質量比(A/B)が15/85〜80/20であり、アラミド繊維(C)の含有量が、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100質量部に対して、3〜30質量部であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
  2. 熱伝導性充填材(B)が、鱗片状黒鉛、六方晶系結晶構造を有する鱗片状窒化ホウ素、鱗片状タルクからなる群より選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  3. アラミド繊維(C)が、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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