JP2016084022A - 車両の後部車体構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フロアパネル1と、左右1対のサイドパネル2と、リヤエンドパネル3と、左右1対のリヤサイドフレーム4と、これら1対のリヤサイドフレームと1対のサイドパネル2との間に夫々設けられた左右1対のリヤホイールハウス5を備え、ジャッキJが、その長手方向Dが前側程車幅方向外側に移行するように且つジャッキJの長手方向Dの前端部がリヤホイールハウス5の後側壁部とそのフランジ部5bとによって形成された角部Cに対向するように配設され、リヤホイールハウス5よりも後側のフロアパネル1上にジャッキブラケット30を介して固定された。
【選択図】 図3
Description
通常、ジャッキは、車体後部のフロアパネル上に収納位置が設定され、この収納位置において車体に支持するためのジャッキブラケットを介して固定されている。
一方、車体後部のフロアパネル上には、スペアタイヤを収容するためのスペアタイヤパンが形成されていることから、ジャッキの収納位置は、主に、スペアタイヤの前方又は後方又は側方等に設定されている。
スポーツ用多目的乗用車、所謂SUV(Sport Utility Vehicle)では、乗員が着座するシートが前後に2列以上(例えば3列)並設されているため、最後列のシートの一部がスペアタイヤパンの上方に配設されることがあるため、スペアタイヤ前方のジャッキ収納位置は取出性の面でも問題がある。
しかも、ジャッキが、その長手方向の前端部がリヤホイールハウスの後側壁部とそのフランジ部とによって形成された角部に対向するように配設されたため、後突時のジャッキの移動を角部を用いて規制することができる。
これにより、後突荷重によるリヤサイドフレーム又はリヤエンドパネルの変形を利用してジャッキの長手方向の前端部を角部へ誘導することができる。
この構成により、後突時における脚部のジャッキ長手方向の変形抵抗を低減でき、ジャッキの角部への移動を促進することができる。
以下の説明は、本発明を車両に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。また、図中、矢印F方向を、前方とし、矢印L方向を、左方として説明する。
図1〜図3に示すように、車両Vは、フロアパネル1と、左右1対のサイドパネル2と、リヤエンドパネル3と、左右1対のリヤサイドフレーム4と、左右1対のリヤホイールハウス5と、ジャッキJ等を備えたスポーツ用多目的乗用車(Sport Utility Vehicle)である。車両Vの車体後部には、リフトゲート(図示略)によって開閉される開口部が形成されている。この開口部内には車体後部の荷室Lが形成され、リフトゲートの開閉により外部から荷室L内にアクセス可能に構成されている。
通常、見栄え向上のため、スペアタイヤパン1aは、トランクボード6によって上方が覆われている。
サイドパネルインナ2bには、キックアップ部の頂部相当部分から後端側部分に亙って車幅方向外側に膨出した膨出部2cが形成されている。この膨出部2cの下端部は、サイドパネルアウタ2aの下端部と連結されている。
サイドパネルインナ2bの後端側部分には、フロアパネル1近傍の高さ位置に複数の孔部を備えたエキストラクタ13が形成されている。
図2,図3に示すように、フロアパネル1の車幅方向外側端部寄り部分の下面側に、前後方向に延びる左右1対のリヤサイドフレーム4が配設されている。
1対のリヤサイドフレーム4は、高張力鋼板で形成され、フロアパネル1と協働して前後方向に延びる閉断面を構成している。これら1対のリヤサイドフレーム4の途中部には、後突時、屈曲部4aよりも後側部分を積極的に上方に折れ変形(屈曲変形)させて衝突エネルギを吸収可能な衝突エネルギ吸収機構(図示略)が設けられている。
リヤエンドパネル3は、フロアパネル1の後端部に設けられ、車体の後壁部を形成している。1対のリヤサイドフレーム4の後端部に、リヤエンドパネル3を介して左右1対のクラッシュカン9が装着されている。これら1対のクラッシュカン9の後端部にはバンパフェイシャ(図示略)を取り付けるためのバンパレインフォースメント10が接合されている。
ホイールハウスインナ5aは、車幅方向内側に膨出した本体壁部全域から角部Cを境界にして屈曲状に立ち上がった半環状のフランジ部5bを有している。
フランジ部5bが膨出部2cの外周縁部に溶接にて接合され、本体壁部の下端部がフロアパネル1に接合されている。本体壁部の車幅方向内側端部分はリヤサイドフレーム4に連結されている。
図2〜図5に示すように、ジャッキJは、ジャッキヘッド20と、リフトアップしたときに下端部になるジャッキベース21と、1対の上側リンク部材22と、1対の下側リンク部材23と、1対の上側リンク部材22をジャッキヘッド20に夫々枢支する1対の枢軸24と、1対の下側リンク部材23をジャッキベース21に夫々枢支する1対の枢軸25と、上側リンク部材22と下側リンク部材23を夫々枢着する1対のピン軸26と、ねじ棒27を回転させてジャッキJをリフトアップ・リフトダウンさせるためのハンドルジョイント28等を備えている。このジャッキJは、ハンドルジョイント28を一方に回転させることによりリンク部材22,23を広げてリフトアップし、ハンドルジョイント28を他方に回転させることによりリンク部材22,23を狭めてリフトダウンする。
以下、最大限リフトダウンさせたときの1対のピン軸26を結ぶ延長線方向をジャッキJの長手方向Dとして説明する。
図2,図3に示すように、ジャッキJは、その長手方向Dが前側程右側に移行するように且つジャッキJの長手方向Dの前端部がホイールハウスインナ5aの後側壁部とそのフランジ部5bとによって形成された角部Cに対向するようにリフトダウン状態で配設されている。平面視にて、上側右リンク部材22及び下側右リンク部材23の右端部が角部Cよりも僅かに後方に位置し、上側左リンク部材22及び下側左リンク部材23の左端部が屈曲部4aよりも僅かに後方に位置している。
側面視にて、上側右リンク部材22及び下側右リンク部材23の右端部がエキストラクタ2dの下端部近傍の高さ位置に位置し、上側左リンク部材22及び下側左リンク部材23の左端部が右側リヤサイドフレーム4の上端部近傍の高さ位置に位置している。
ジャッキJは、収納部1bにおいて、屈曲部4aよりも前方位置に溶接にて接合されたジャッキブラケット30に固定具29によって着脱自在に固定されている。
図6(a)〜図6(c)に示すように、ジャッキブラケット30は、ジャッキJを載置可能な略台形状の本体部31と、この本体部31の前辺及び左右両辺から下方へ延びる前脚部32及び左右脚部33,34と、本体部31の後辺から上方へ張り出した案内部35とを備え、プレス加工により単一の鋼板から一体成形される。
前脚部32の下端側部分には、収納部1b上に接合される接合フランジ部32aが形成されている。接合フランジ部32aの長手方向は、前後方向に略直交するように設けられている。
左脚部33の下端側部分には、収納部1b上に接合される接合フランジ部33aが形成されている。接合フランジ部33aの長手方向は、接合フランジ部34aよりも後側においてジャッキJの長手方向Dに略直交するように設けられている。
案内部35は、ジャッキヘッド20が前側に向かうようにジャッキJを倒伏姿勢で本体部31上に配設したとき、ジャッキベース21の中間部と面接触することによりジャッキJを固定位置に位置決め可能に構成されている。
また、重衝突時、リヤエンドパネル3やリヤサイドフレーム4の変形に伴って上側左リンク部材22及び下側左リンク部材23の左端部が前方に押圧されても、剛性の高い角部Cが上側右リンク部材22及び下側右リンク部材23の右端部に当接してジャッキJの前方移動を規制している。しかも、上側左リンク部材22及び下側左リンク部材23の左端部が前方に押圧されたとき、接合フランジ部32a,33a,34aの長手方向が何れもジャッキJの長手方向Dに沿っていないため、角部CまでのジャッキJの前方移動を阻害しない。しかも、接合フランジ部33a,34aの長手方向はジャッキJの長手方向Dに略直交しているため、ジャッキブラケット30(左右脚部33,34)が長手方向Dに倒伏し易く、ジャッキJを積極的に角部Cに誘導している。
車両Vの後部車体構造によれば、ジャッキJが、ホイールハウスインナ5aよりも後側のフロアパネル1上にジャッキブラケット30を介して固定されているため、後突時、ジャッキJの車室内への侵入を防止することができる。また、ジャッキJが、その長手方向Dが前側程車幅方向外側に移行するように配設されたため、ホイールハウスインナ5a後方の前後左右方向のスペースを対角線状に利用でき、配置スペースと荷室スペースを確保することができる。しかも、ジャッキJが、その長手方向Dの前端部がホイールハウスインナ5aの後側壁部とそのフランジ部5bとによって形成された角部Cに対向するように配設されたため、後突時のジャッキJの移動を角部Cを用いて規制することができる。
1〕前記実施形態においては、右リヤホイールハウス後方にジャッキを収納した例を説明したが、左リヤホイールハウス後方にジャッキを収納しても良い。また、ジャッキを倒伏状態で収納した例を説明したが、少なくともリフトダウン状態であれば良く、起立状態や倒立状態であっても良い。
1 フロアパネル
2 サイドパネル
3 リヤエンドパネル
4 リヤサイドフレーム
4a 屈曲部
5 リヤホイールハウス
5a ホイールハウスインナ
5b フランジ部
22 上側リンク部材
23 下側リンク部材
26 ピン軸
30 ジャッキブラケット
32 前脚部
32a 接合フランジ部
33 左脚部
33a 接合フランジ部
34 右脚部
34a 接合フランジ部
J ジャッキ
C 角部
D 長手方向
Claims (3)
- フロアパネルと、このフロアパネルの左右両端側に設けられた左右1対のサイドパネルと、前記フロアパネルの後端側に設けられたリヤエンドパネルと、前記フロアパネルの下面側において前後方向に延びる左右1対のリヤサイドフレームと、これら1対のリヤサイドフレームと前記1対のサイドパネルとの間に夫々設けられた左右1対のリヤホイールハウスを備えた車両の後部車体構造において、
ジャッキが、その長手方向が前側程車幅方向外側に移行するように且つ前記ジャッキの長手方向の前端部が前記リヤホイールハウスの後側壁部とそのフランジ部とによって形成された角部に対向するように配設され、前記リヤホイールハウスよりも後側のフロアパネル上にジャッキブラケットを介して固定されたことを特徴とする車両の後部車体構造。 - 前記1対のリヤサイドフレームが後突荷重により上方に屈曲する屈曲部を有し、
前記ジャッキブラケットが前記屈曲部よりも前側に取り付けられ、
前記ジャッキの長手方向の後端部が前記屈曲部近傍位置に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。 - 前記ジャッキブラケットが前記フロアパネルに取り付けるための複数の脚部を有し、
前記複数の脚部の接合フランジ部が平面視にて前記長手方向に交差するように配設されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の後部車体構造。
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