JP2016083791A - 水性インキ組成物および水性ワニス組成物を用いた印刷方法及びその方法によって得られる印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材上に水性インキ組成物を用いて水なし平版印刷方法で印刷層を形成する印刷工程と、印刷層上に水性ワニス組成物を用いてオーバーコート層を形成する被覆工程と、を備える印刷方法。
【選択図】 なし
Description
本適用例に係る水性インキ組成物および水性ワニス組成物を用いた印刷方法は、基材上に水性インキ組成物を用いて水なし平版印刷方法で印刷層を形成する印刷工程と、印刷層上に水性ワニス組成物を用いてオーバーコート層を形成する被覆工程と、を備えることを特徴とする。
(適用例2)
上記適用例に係る印刷方法において、水性インキ組成物は、顔料と、水分散性樹脂と、沸点が140℃以上の水溶性有機溶媒と、水とを含み、水性インキ組成物中における水分散性樹脂の質量を(A)、水溶性有機溶媒の質量を(B)、水の質量を(C)としたときに、〔(A)/(B)〕が0.8〜2.2であり、〔(B)/(C)〕が0.8〜2.5であることが好ましい。
上記適用例に係る印刷方法において、水性インキ組成物は、20℃において水の溶解度が5質量%以上80質量%以下である有機溶媒を含むことが好ましい。
(適用例4)
上記適用例に係る印刷方法において、水性ワニス組成物が、ガラス転移温度が−10℃以上120℃以下の水性アクリル樹脂を含むことが好ましい。
(適用例5)
上記適用例に係る印刷方法において、水分散性樹脂が、アクリル樹脂またはスチレンアクリル樹脂を含むことが好ましい。
上記適用例に係る印刷方法において、オーバーコート層を乾燥する乾燥工程をさらに備えることが好ましい。
(適用例7)
上記適用例に係る印刷方法において、乾燥工程は、近赤外線方式、遠赤外線方式、熱風方式のいずれかの方式の乾燥ユニットにより行われることが好ましい。
(適用例8)
上記適用例に係る印刷方法において、乾燥工程は、前記被覆工程の後に行われることが好ましい。
(適用例9)
上記適用例に係る印刷方法において、乾燥工程は、さらに前記印刷工程と前記被覆工程との間に行われることが好ましい。
上記適用例に係る印刷方法において、被覆工程は、平版印刷ユニットを用いる方式、ロール式、チャンバー式、グラビア式、フレキソ式のいずれかにより行われることが好ましい。
(適用例11)
上記適用例に係る印刷方法において、印刷工程と被覆工程とは、インラインで行われることが好ましい。
(適用例12)
上記適用例に係る印刷方法において、印刷工程と被覆工程とは、オフラインで行われることが好ましい。
上記適用例に係る印刷方法において、印刷工程は、相対湿度70%以上の環境下で行われることが好ましい。
(適用例14)
上記適用例に係る印刷方法において、被覆工程は平版印刷ユニットを用いて、相対湿度70%以上の環境下で行われることが好ましい。
(適用例15)
本適用例に係る印刷物は、上記適用例のいずれかに記載の印刷方法によって印刷されたことを特徴とする。
本発明の印刷方法の説明に先立ち、本発明の印刷方法に用いられる組成物について説明する。
本発明の印刷方法に用いられる水性インキ組成物は、顔料と、水分散性樹脂と、水とを含む水性インキ組成物であれば特に限定されないが、以下のいずれかの水性インキ組成物を用いることが好ましい。
(1)顔料と、水分散性樹脂と、水溶性有機溶媒と、水とを含む水性インキ組成物
(2)顔料と、水分散性樹脂と、有機溶媒と、水とを含む水性インキ組成物
(3)顔料と、水分散性樹脂と、水溶性有機溶媒と、有機溶媒と、水とを含む水性インキ組成物
顔料としては特に限定されず、種々の無機顔料及び有機顔料を用いることができる。
無機顔料としては硫酸バリウム、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉等が用いられる。
水分散性の樹脂としては水分散性、或いは水溶性の合成樹脂であれは特に限定されないが、水分散性或いは水溶性のアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂(アルキド樹脂も含む)、ポリウレタン樹脂が好ましく用いられ、これらの樹脂からなる群から任意に選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下に挙げる樹脂についても、同様の手法で水溶化又は水分散化することができる。
水溶性有機溶媒としては、2価以上のポリオール化合物が好ましく用いられる。沸点が140℃以上であるものがより好ましく、20℃において水に任意の割合で溶解するものがさらに好ましい。このような水溶性有機溶媒は、良好な樹脂溶解性を有する。
水としては、水道水、イオン交換水、純水等を用いることができる。水性インキ組成物中に含まれる水の質量を(C)としたとき、水溶性有機溶媒の質量との関係〔(B)/(C)〕が、0.8以上2.5以下であることが好ましく、1.0以上2.5以下であることがより好ましい。水溶性有機溶媒と水との質量比〔(B)/(C)〕が0.8未満の場合、水性インキ組成物中の水分含有量が多く、また樹脂含有量が少なすぎるため、インキ粘度及びタックが低すぎて、版の非画線部からインキが剥がれにくくなり、安定な印刷物が得られない。さらに後述する印刷方法において水性ワニス組成物を塗布した際に、滲みが発生するおそれがある。〔(B)/(C)〕が2.5を超える場合、インキ中の水分含有量が少なすぎるため、印刷中にインキ中の水分含有量が蒸発等により減少した場合にインキ粘度及びタックが増大し、安定な印刷物が得られない。
有機溶媒としては、20℃において水の溶解度が5質量%以上80質量%以下であるものが好ましい。このような有機溶媒としては、下記式(1)〜(4)に示すような化合物が好ましく用いられ、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記式(1)〜(4)中、Xtは炭素数3〜18の飽和もしくは不飽和炭化水素基、フェニル基又はベンジル基であり、Ytは水素原子又はメチル基であり、Ztは水素原子又はメチル基であり、muは0〜15の整数であり、nvは0〜15の整数であり、mu+nvは1以上である。また、上記式(1)〜(4)中、t、u及びvは1以上4以下の任意の整数である。
本発明の印刷方法に用いられる水性インキ組成物は、必要に応じて界面活性剤を添加してもよい。カチオン系、アニオン系、ノニオン系の界面活性剤を用いることができる。
本明細書において水性ワニス組成物とは、水や、水及び水と混じり合う有機溶剤の混合溶媒、混合分散媒に、水性の樹脂を溶解又は分散させたものを主成分としたものをいう。本発明の印刷方法に用いられる水性ワニス組成物は任意のものを用いることができるが、ガラス転移温度が−10℃以上120℃以下の水性アクリル樹脂を必須成分として含むものが好ましい。さらに、シリコーン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド及びリン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
水性アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、これと、カルボキシル基含有ビニルモノマーと、これらのモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとを含むモノマー成分を共重合させて得られる共重合体を使用することができる。共重合体は、エマルション型樹脂、自己分散型樹脂、アルカリ可溶型樹脂及びヒドロゾル型樹脂のいずれであってもよい。
水性ワニス組成物は、シリコーン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド及びリン酸エステルの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
水性ワニス組成物に用いられる溶媒、分散媒としては、水;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールモノエーテル等或いはそのエステル類;及びグリコールジエーテル類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。
次に、本発明の印刷方法について説明する。本発明の印刷方法は、上記したような水性インキ組成物により基材上に印刷層を設ける印刷工程と、水性ワニス組成物により印刷層上にオーバーコート層を設ける被覆工程と、を少なくとも含む。
印刷工程では、基材上に上述したような水性インキ組成物を用いて印刷層を形成する。基材としては、オフセット印刷に用いられる各種原反が挙げられる。
第1乾燥工程では、50〜120℃に保たれた第1乾燥ユニットが、印刷用紙を搬送しながら印刷層を乾燥又は半乾燥の状態にする。第1乾燥ユニットを通過した印刷用紙は、コーターユニットに送られる。
被覆工程では上述したような水性ワニス組成物を用いてオーバーコート層を形成する。具体的には、印刷機の下流側に付設されたコーターを用いて、水性ワニス組成物を印刷層上に塗布していく。このとき、1回の塗布で形成されるオーバーコート層の膜厚が1〜10μm程度になるよう調整することが好ましい。オーバーコート層の膜厚が1〜4μmで形成した場合は、乾燥性と耐摩擦性とを両立させることができる。4〜10μmとした場合は、1〜4μmとした場合よりも乾燥性は劣るが実用上は問題なく、耐摩擦性をさらに向上させることができる。よりオーバーコート層の膜厚を厚くしたい場合は、印刷機にコーターユニットを複数設けるなどして被覆工程を複数回(例えば2回)繰り返してもよい。オーバーコート層が形成された印刷用紙は、第2乾燥ユニットに送られる。
第2乾燥工程では、50〜120℃に保たれた第2乾燥ユニットが、印刷用紙を搬送しながらオーバーコート層を乾燥させる。また、第1乾燥工程において印刷層が半乾燥であった場合、第2乾燥工程でオーバーコート層とともに乾燥される。第2乾燥ユニットを通過した印刷用紙は排紙部に排紙される。以上の工程により、印刷物が得られる。
以下、本発明の印刷方法の変形例について説明する。
上記実施形態では、平版印刷機とコーターとが一体となったインライン方式を例に挙げて説明したが、本発明の印刷方法はこれに限定されない。印刷機とは別にコーティング作業を行うオフラインコーターで被覆工程を行ってもよい。このとき、コーターの種類はロール式やチャンバー式、グラビア式、フレキソ式等いずれの方式であってもよい。コーターに換えて平版印刷機で水性ワニス組成物を塗布してもよい。
上記の実施形態では、第1乾燥工程と第2乾燥工程とを含む印刷方法について説明したが、本発明の印刷方法はこれに限定されない。第1乾燥ユニットを備えない印刷機を用いるなどして、第1乾燥工程を省略してもよい。本発明の印刷方法においては、印刷インキ組成物、ワニス組成物のいずれも水性であるので、第2乾燥工程のみを実施した場合であっても先に印刷された印刷層の乾燥が妨げられることなく、印刷層とオーバーコート層の乾燥を行うことができる。第2乾燥工程のみを備える場合、第2乾燥ユニットは印刷装置と一体となっていてもよいし、別の装置で第2乾燥工程を実施してもよい。また、第1乾燥工程を省略した場合であっても、自然乾燥などにより印刷物を乾燥させてから被覆工程に移ってもよい。
本発明の印刷方法は、被覆工程の後に、プレス板を加熱圧着してオーバーコート層の表面の平滑度を高める加熱圧着工程を有していてもよい。これにより、より高光沢な印刷物とすることができる。
本発明の印刷方法は、70%RH(相対湿度)以上に維持された状態で印刷工程を行うことが好ましく、80〜100%RHに維持された状態で行うことがより好ましい。これにより、印刷過程における印刷インキ組成物の物性の変動を抑制することができ、安定して高品質の印刷を行うことができる。また、上記のような条件で印刷工程を行うために、印刷機は、被覆部材と加湿部材とを備えていることが好ましい。被覆部材は印刷機を完全に密閉していなくてもよく、具体例としてビニールシートやプラスチックケース等が挙げられる。加湿部材は少なくとも水供給部、加湿器及び加湿センサーを備えることが好ましい。加湿部材が備える加湿器としては、水を加熱せずに加湿するものが好ましく用いられ、気化式加湿器や超音波加湿器等が例示される。なかでも超音波加湿器であることが好ましい。
本発明の印刷方法において、平版印刷ユニットで被覆工程を行う場合には、相対湿度が70%RH以上に維持された状態で被覆工程を行うことが好ましく、80〜100%RHに維持された状態で行うことがより好ましい。これにより、被覆工程における水性ワニス組成物の物性に変動を抑制することができ、安定して高品質の印刷を行うことができる。このような条件で被覆工程を行うための印刷機は、変形例4と同様のものを用いることができる。
本発明の印刷方法によって得られた印刷物は、耐摩擦性に優れた高光沢な印刷物とすることができる。
1.1 水分散性樹脂の合成
還流冷却器、攪拌機、温度計、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、イソプロピルアルコール500部を仕込んで撹拌を開始し、80℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン100部、メチルメタクリレート160部、ブチルアクリレート140部、アクリル酸100部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート30部を5時間かけて連続滴下した。80℃で2時間攪拌後、イソプロピルアルコールを減圧脱溶剤にて留去することにより固形アクリル樹脂を得た。この固形アクリル樹脂の酸価は156mgKOH/gであった。
1.1で調整した固形アクリル樹脂を用い、表1に示す組成でワニス1−3を調整した。なお、表中のDMEAはジメチルメタノールアミンを表す。
1.2で調整したワニスを用い、表2に示す組成で水性インキ組成物1−5を調整した。なお、顔料はFASTOGEN BLUE FDB15(DIC株式会社製)を用い、有機溶媒はトリプロピレングリコールモノブチルエーテルを用いた。
2.1 水性ワニス組成物の調整
表3に示す組成で水性ワニス組成物1−3を調整した。なお、表3の水性アクリル樹脂A−Cの組成は以下の通りである。
アクリル酸、α−メチルスチレン、スチレン、アクリル酸2−エチルヘキシルをモノマー成分とするコアシェル型水性アクリル樹脂エマルションであり、その不揮発分は45%、酸価は51、ガラス転移温度は56℃、重量平均分子量はシェル部が10,000、コア部が200,000である。
(水性アクリル樹脂B)
アクリル酸、α−メチルスチレン、スチレン、アクリル酸エチルカルビトール、アクリル酸ヘキシルをモノマー成分とするコアシェル型水性アクリル樹脂エマルションであり、その不揮発分は45%、酸価は82、ガラス転移温度は25℃、重量平均分子量はシェル部が8,000、コア部が400,000である。
(水性アクリル樹脂C)
アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレンをモノマー成分とする水溶性アクリル樹脂であり、不揮発分33%、酸価150、ガラス転移温度76℃、重量平均分子量は10,000である。
ロジン変性フェノール樹脂36部、大豆油17部、石油系溶剤44部、固形パラフィン2部、四フッ化エチレン樹脂1部を用いて、油性ワニス組成物を調整した。
上記1、2で調整した水性インキ組成物、ワニス組成物を用いて印刷し、実施例1−7、比較例1、2の印刷物を得た。
印刷版を水なし版TAC(東レ(株)製)、印刷機をローランドR704(ローランド社製)、用紙をOKトップコート+(王子製紙(株)製)とし、調整した水性インキ組成物1を用い、印刷速度1万枚/時にて印刷を行った。引き続いて、水性ワニス組成物1をバーコーター#6にて塗布し、60℃に設定した熱風方式の乾燥機で20秒間乾燥してオーバーコート層を形成し、実施例1の印刷物を得た。
水性インキ組成物1に換えて、水性インキ組成物2を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2の印刷物を得た。
(実施例3)
水性インキ組成物1に換えて、水性インキ組成物3を用いた以外は実施例1と同様にして実施例3の印刷物を得た。
(実施例4)
水性インキ組成物1に換えて、水性インキ組成物4を用いた以外は実施例1と同様にして実施例4の印刷物を得た。
(実施例5)
水性インキ組成物1に換えて、水性インキ組成物5を用いた以外は実施例1と同様にして実施例5の印刷物を得た。
水性ワニス組成物1に換えて、水性ワニス組成物2を用いた以外は実施例1と同様にして実施例6の印刷物を得た。
(実施例7)
水性ワニス組成物1に換えて、水性ワニス組成物3を用いた以外は実施例1と同様にして実施例7の印刷物を得た。
水性ワニス組成物の塗布を省略した以外は実施例1と同様にして比較例1の印刷物を得た。
(比較例2)
水性ワニス組成物1に換えて、油性ワニス組成物を用いた以外は実施例1と同様にして比較例2の印刷物を得た。
実施例1−7、比較例1、2の印刷物について、以下の方法で評価を行い、評価結果を表4、5にまとめた。
印刷物を触診にて判定した。オーバーコート層または印刷層に触れた際にベタつきがなく、指で表面を擦っても抵抗感がないレベルを5、指で表面を擦ると若干の抵抗感があるがベタつきはないレベルを4、指で表面を擦ると抵抗感があるがベタつきはなく実用上問題ないレベルを3、ベタつきがあり、指で擦ると跡が残るレベルを2、ベタつきがあり、指で擦ると塗膜が付着するレベルを1として、5段階で評価した。
印刷物の光沢値を、BYK Gardner社製micro−TRI−gloss光沢計(入射/反射=60°/60°)を用いて測定した。
得られた印刷物を完全に乾燥させた後、学振型摩擦試験機を用い、あて紙を上質紙、荷重を500g、摩擦回数500回にて試験を行い、オーバーコート層または印刷層の状態を判定することで印刷物の耐摩擦性を評価した。オーバーコート層に全く傷がないレベルを5、オーバーコート層に若干の傷があるレベルを4、オーバーコート層に傷はあるが、印刷層に到達しない程度であるレベルを3、印刷層に到達する程度の傷があるが、実用上問題ないレベルを2、印刷層の大部分に傷があり、実用レベルにないものを1として、5段階で評価した。
4.4 密着性
得られた印刷物を完全に乾燥させた後、下地に画線部がある部分にセロハンテープを貼り、剥がした際のオーバーコート層の剥離の程度を目視にて観察し、印刷層とオーバーコート層の密着性を評価した。剥離が全くないレベルを5、剥離がほぼないレベルを4、部分的な剥離はあるが実用上問題ないレベルを3、大部分が剥離し実用レベルにないものを2、完全に剥離するレベルを1として、5段階で評価した。
Claims (15)
- 基材上に水性インキ組成物を用いて水なし平版印刷方法で印刷層を形成する印刷工程と、
前記印刷層上に水性ワニス組成物を用いてオーバーコート層を形成する被覆工程と、を備えることを特徴とする印刷方法。 - 前記水性インキ組成物は、顔料と、水分散性樹脂と、沸点が140℃以上の水溶性有機溶媒と、水とを含み、
前記水性インキ組成物中における前記水分散性樹脂の質量を(A)、前記水溶性有機溶媒の質量を(B)、前記水の質量を(C)としたときに、〔(A)/(B)〕が0.8〜2.2であり、〔(B)/(C)〕が0.8〜2.5であることを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。 - 前記水性インキ組成物は、20℃において水の溶解度が5質量%以上80質量%以下である有機溶媒を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷方法。
- 前記水性ワニス組成物が、ガラス転移温度が−10℃以上120℃以下の水性アクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記水分散性樹脂が、アクリル樹脂またはスチレンアクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記オーバーコート層を乾燥する乾燥工程をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記乾燥工程は、近赤外線方式、遠赤外線方式、熱風方式のいずれかの方式の乾燥ユニットにより行われることを特徴とする請求項6に記載の印刷方法。
- 前記乾燥工程は、前記被覆工程の後に行われることを特徴とする請求項6または7に記載の印刷方法。
- 前記乾燥工程は、さらに前記印刷工程と前記被覆工程との間に行われることを特徴とする請求項8に記載の印刷方法。
- 前記被覆工程は、平版印刷ユニットを用いる方式、ロール式、チャンバー式、グラビア式、フレキソ式のいずれかにより行われることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記印刷工程と前記被覆工程とは、インラインで行われることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記印刷工程と前記被覆工程とは、オフラインで行われることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記印刷工程は、相対湿度70%以上の環境下で行われることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記被覆工程は、平版印刷ユニットを用いて、相対湿度70%以上の環境下で行われることを特徴とする請求項1乃至9、11乃至13のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の印刷方法によって得られたことを特徴とする印刷物。
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