JP2016082778A - 埋込磁石型ロータユニット、および埋込磁石型ロータユニットの製造方法 - Google Patents

埋込磁石型ロータユニット、および埋込磁石型ロータユニットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータユニット20に埋め込まれた永久磁石の着磁率が不均一となることを抑制すること。【解決手段】ロータユニット20のコア22の挿入孔24には、永久磁石の材料(磁石材料26a)が充填されている。そして、ロータユニット20の軸方向Daの両端面のそれぞれには、軸方向着磁部40,50のそれぞれが対向して配置され、磁石材料26aが着磁される。具体的には、軸方向着磁部40の永久磁石42のN極からコア22を介して磁石材料26aを横切った磁束は、コア22を介して永久磁石42のS極に入ることで、磁石材料26aが着磁される。ロータユニット20の周方向Dcにおける磁石材料26aの厚さは、軸方向Daの中央部が薄くなっており、これにより、中央部を通過する磁路の磁気抵抗の増加を抑制する。【選択図】図3

Description

本発明は、埋込磁石型ロータユニット、および埋込磁石型ロータユニットの製造方法に関する。
たとえば、特許文献1には、単一または複数個が軸方向において連結されてロータを構成する埋込磁石型ロータユニット(コアモジュール)の軸方向の端面に磁場の発生源である着磁部を対向させるように配置することで、ロータに埋め込まれた磁石用磁性部材(磁石材料)を着磁することが提案されている。ここで、着磁部からの磁束は、ロータの軸方向からコアに入り、磁石材料を横切って着磁部に戻る。これにより、磁石材料が着磁される。
特開2014−121116号公報
ところで、特許文献1記載の着磁手法の場合、着磁部からコアを介して磁石材料のうち軸方向端部側を横切って着磁部へと戻る磁路の磁気抵抗と比較して、着磁部からコアを介して磁石材料のうち軸方向中央部側を横切って着磁部へと戻る磁路の磁気抵抗の方が大きくなる。このため、磁石材料を着磁する工程において軸方向中央部の磁束密度が小さくなる。これにより、ロータに埋め込まれた永久磁石の着磁率が不均一となる虞がある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロータユニットに埋め込まれた永久磁石の着磁率が不均一となることを抑制することのできる埋込磁石型ロータユニット、およびその製造方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.埋込磁石型ロータユニットは、コアと、該コアに埋め込まれた複数の永久磁石とを備え、単一または複数個が軸方向において連結されてロータを構成する埋込磁石型ロータユニットにおいて、当該ロータユニットの周方向に前記永久磁石を1度横切る区間の該永久磁石の磁気抵抗が当該ロータユニットの軸方向において不均一化されている。
上記埋込磁石型ロータユニットは、軸方向端面に対向して軸方向着磁部を配置し、軸方向着磁部からの磁束が軸方向からコアに入り、永久磁石の材料(磁石材料)を横切ってコアを介して着磁部に戻る磁路を用いて磁石材料を着磁する場合、着磁率が不均一となることを抑制することができる。すなわち、この場合、上記横切る区間の磁気抵抗がコアの軸方向において互いに等しいなら、軸方向着磁部から軸方向の距離が遠い部分を有する磁路ほど、その磁気抵抗が大きくなり、ひいては磁束密度が低下する。このため、この場合には、永久磁石の着磁率が不均一化しやすい。これに対し、上記のように、軸方向において磁気抵抗を不均一化させることで、上記磁路の磁気抵抗のばらつきを低減することができ、ひいては永久磁石の着磁率が不均一になることを抑制することができる。
2.上記1記載の埋込磁石型ロータユニットにおいて、前記横切る区間の永久磁石の磁気抵抗が、当該ロータユニットの軸方向端部よりも当該ロータユニットの軸方向中央部の方が小さい。
上記埋込磁石型ロータユニットは、軸方向の両端面のそれぞれに対向して軸方向着磁部を配置し、軸方向着磁部からの磁束が軸方向からコアに入り、磁石材料を横切ってコアを介して着磁部に戻る磁路を用いて磁石材料を着磁する場合、着磁率が不均一となることを抑制することができる。すなわち、この場合、上記磁気抵抗が軸方向において均一であるなら、軸方向中央部を横切る磁路の磁気抵抗が大きくなり、ひいては中央部の磁束密度が低下する。このため、この場合には、永久磁石の着磁率が不均一化しやすい。これに対し、上記のように、軸方向端部よりも軸方向中央部の方が磁気抵抗を小さくすることで、上記磁路の磁気抵抗のばらつきを低減することができ、ひいては永久磁石の着磁率が不均一になることを抑制することができる。
3.上記2記載の埋込磁石型ロータユニットにおいて、当該ロータユニットの周方向における前記永久磁石の厚さは、当該ロータユニットの軸方向端部よりも当該ロータユニットの軸方向中央部の方が薄い。
埋込磁石型ロータにおいては、コアの透磁率は永久磁石の透磁率よりも高いものが用いられる傾向がある。そしてこの場合、上記厚さの設定によって、ロータユニットの周方向に永久磁石を1度横切る所定の長さの区間の磁気抵抗は、軸方向中央部の方が軸方向端部よりも小さくなる。一方、軸方向着磁部から「コア→磁石材料→コア」を通過して軸方向着磁部に戻る磁路のうち、軸方向中央部において磁石材料を横切る磁路は、軸方向端部において磁石材料を横切る磁路よりも、磁路の軸方向における長さが長くなる。ここで、上記厚さの設定によれば、軸方向中央部において磁石材料を横切る磁路の方が磁路の軸方向における長さが長くなることに起因して磁気抵抗が増大することを補償することができる。したがって、上記磁路の磁気抵抗のばらつきを低減することができ、ひいては永久磁石の着磁率が不均一になることを抑制することができる。
4.上記1記載の埋込磁石型ロータユニットにおいて、前記横切る区間の永久磁石の磁気抵抗が、当該ロータユニットの軸方向両端のうちの一方の方が他方よりも大きい。
上記埋込磁石型ロータユニットは、軸方向の両端面のうちの一方に対向して軸方向着磁部を配置し、軸方向着磁部からの磁束が軸方向からコアに入り、永久磁石の材料(磁石材料)を横切ってコアを介して着磁部に戻る磁路を用いて磁石材料を着磁する場合、着磁率が不均一となることを抑制することができる。すなわち、この場合、上記他方の端部側を横切る磁路の方が軸方向における長さが長くなることなどに起因して磁気抵抗が大きくなる。これに対し、永久磁石の磁気抵抗を一方の端部側の方が他方の端部側よりも大きくすることで、磁路の軸方向における長さが長くなることなどに起因した磁気抵抗のばらつきを補償することができる。したがって、上記磁路の磁気抵抗のばらつきを低減することができ、ひいては永久磁石の着磁率が不均一になることを抑制することができる。
5.上記4記載の埋込磁石型ロータユニットにおいて、前記永久磁石は、磁粉と樹脂との混合物であって、当該ロータユニットの軸方向両端のうちの前記一方の方が前記他方よりも前記樹脂の混合割合が高い。
樹脂の混合割合が高い部分は低い部分よりも透磁率が低く磁気抵抗が大きくなる。このため、上記4記載の埋込磁石型ロータユニットを、混合割合の調整によって実現することができる。
なお、樹脂の混合割合が高い方が低いものより射出成形時の抵抗が小さく、コアに充填することが容易である。このため、射出成形の初めに混合割合が高いものを充填するなら、製造が容易となる。
6.埋込磁石型ロータユニットの製造方法は、コアと、該コアに埋め込まれた複数の永久磁石とを備え、単一または複数個が軸方向において連結されてロータを構成する埋込磁石型ロータユニットの製造方法において、コアの軸方向の端面に対向するように軸方向着磁部を配置する配置工程と、前記埋込磁石型ロータユニットのコアに充填された磁石材料を前記軸方向着磁部によって着磁する着磁工程と、を有し、当該ロータユニットの周方向に前記コアに充填された磁石材料を1度横切る区間における当該磁石材料の磁気抵抗を、該ロータユニットの軸方向における前記軸方向着磁部からの距離が短い場所における値よりも長い場所における値を小さく設定したことを特徴とする。
上記横切る区間の磁気抵抗がコアの軸方向で互いに等しいなら、軸方向着磁部から軸方向の距離が遠い部分を有する磁路ほど、軸方向の磁路の磁気抵抗が大きくなり、ひいては磁束密度が低下する。このため、この場合には、永久磁石の着磁率が不均一化しやすい。これに対し、上記のように、軸方向着磁部からの距離が短い場所よりも長い場所において、上記横切る区間の磁気抵抗を小さく設定することで、上記磁気抵抗のばらつきを低減することができ、ひいては永久磁石の着磁率が不均一になることを抑制することができる。
7.上記6記載の埋込磁石型ロータユニットの製造方法において、前記横切る区間における前記磁石材料の磁気抵抗を、当該ロータユニットの軸方向における前記軸方向着磁部からの距離が長くなるほど徐々に小さく設定した。
磁路中の磁石材料と軸方向着磁部との距離が長ければ長いほど、磁路の軸方向における長さが長くなることなどに起因して磁気抵抗が大きくなる。この点、上記横切る区間における磁気抵抗を、コアの軸方向における前記軸方向着磁部からの距離が長くなるほど徐々に小さくすることで、磁路の軸方向における長さの違いなどに起因した磁気抵抗のばらつきをよりきめ細かに補償することができる。
8.上記6または7記載の埋込磁石型ロータユニットの製造方法において、当該ロータユニットの周方向における前記磁石材料の厚さを、当該ロータユニットの軸方向における前記軸方向着磁部からの距離が短い場所の厚さよりも、長い場所の厚さの方を薄く設定した。
埋込磁石型ロータにおいては、コアの透磁率は永久磁石の透磁率よりも高いものが用いられる傾向がある。そしてこの場合、上記厚さの設定によって、ロータユニットの周方向に永久磁石を1度横切る所定の長さの区間の磁気抵抗は、軸方向着磁部からの距離が短い場所よりも長い場所の方が小さくなる。一方、軸方向着磁部から「コア→磁石材料→コア」を通過して軸方向着磁部に戻る磁路のうち、軸方向着磁部からの距離が長い場所において磁石材料を横切る磁路は、短い場所において磁石材料を横切る磁路よりも、磁路の軸方向における長さが長くなる。ここで、上記厚さの設定によれば、磁路の軸方向における長さの違いなどに起因した磁気抵抗のばらつきを、磁路中の磁石材料の長さで低減することができる。したがって、永久磁石の着磁率が不均一になることを抑制することができる。
9.上記8記載の埋込磁石型ロータユニットの製造方法において、前記軸方向着磁部は、当該ロータユニットの軸方向の両端面のそれぞれに対向するようにして設けられ、当該ロータユニットの周方向における前記磁石材料の厚さを、当該ロータユニットの軸方向両端部と比較して、当該ロータユニットの軸方向中央部の方を薄く設定した。
上記の場合、磁石材料のうち、軸方向着磁部との軸方向における距離が最も長くなるのは、軸方向中央部に位置する部分となる。このため、軸方向中央部と両端部とで上記横切る長さを変えることで、磁路の磁気抵抗のばらつきを低減することができる。
10.上記6または7記載の埋込磁石型ロータユニットの製造方法において、前記磁石材料は、磁粉と樹脂との混合物であって、前記コアに充填された前記混合物のうち前記樹脂の割合を、当該ロータユニットの軸方向両端部のうち前記軸方向着磁部に対向する側と比較して、前記両端部のうち前記軸方向着磁部に対向しない側の方を低く設定した。
樹脂の混合割合が高い部分は低い部分よりも透磁率が低く磁気抵抗が大きくなる。このため、上記6または7記載の埋込磁石型ロータユニットを、混合割合の調整によって実現することができる。
なお、樹脂の混合割合が高い方が低いものより射出成形時の抵抗が小さく、コアに充填することが容易である。このため、射出成形の初めに樹脂の混合割合が高いものを充填するなら、製造が容易となる。
第1の実施形態にかかるロータの構成を示す斜視図。 同実施形態にかかるロータユニットの平面構造を示す平面図。 同実施形態にかかる着磁装置の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態にかかる径方向着磁部による着磁処理を示す図。 同実施形態にかかる軸方向着磁部およびロータユニットの一部を平面に展開した展開図。 同実施形態にかかる軸方向着磁部による着磁処理を示す断面図。 第2の実施形態にかかるロータユニットの構成を示す斜視図。 同実施形態にかかる永久磁石の形状を示す斜視図。 同実施形態にかかる軸方向着磁部による着磁処理を示す断面図。 上記各実施形態の変形例にかかるロータユニットの構成を示す断面図。 上記各実施形態の変形例にかかるロータユニットの構成を示す断面図。 上記各実施形態の変形例にかかるロータユニットの構成を示す断面図。 上記各実施形態の変形例にかかるロータユニットの構成を示す断面図。 上記各実施形態の変形例にかかるロータユニットの構成を示す断面図。
<第1の実施形態>
以下、埋込磁石型ロータユニット、およびその製造方法の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すロータ10は、埋込磁石同期機(IPMSM)を構成する。このIPMSMは、電動パワーステアリング装置(EPS)に内蔵されるものである。ロータ10は、円筒状をなしている。本実施形態にかかるロータ10は、3個の埋込磁石型ロータユニット(ロータユニット20)を軸方向に連結することで構成されている。
ロータユニット20は、コア22と永久磁石26とを備えている。コア22は、電磁鋼板を複数積層して形成されている。コア22は、ロータユニット20の軸方向Daに貫通する挿入孔24を、10個備えている。これらは、軸方向Daに直交する断面形状が略U字状の形状を2分した形状であり、隣接する一対の挿入孔24の断面形状を合わせると、略U字状となっている。挿入孔24には、永久磁石26が埋め込まれている。永久磁石は、磁粉と樹脂との混合物であるボンド磁石を磁石材料とし、これを着磁することで生成されたものである。
永久磁石26は、ロータユニット20の周方向Dcにおける永久磁石26の厚さが、軸方向Daにおいて不均一化されている。詳しくは、軸方向Daの端部における厚さL1,L2よりも、軸方向Daの中央部における厚さL3の方が薄くなっている。ここで、軸方向Daの互いに相違する部分同士の長さの比較は、ロータ10の回転中心に対する距離が同一の部分で行うものとする。すなわち、図2に示すロータユニット20の平面図において、ロータの回転中心Oに対する距離Lnを一定とする。また、永久磁石26の厚さを定める方向である周方向Dcは、回転中心Oを中心とし半径が距離Lnの円の、永久磁石26の厚さを定める対象となる位置(点P)における接線方向とする。すなわち、図2の場合、点Pにおける接線方向Dtである。なお、接線方向Dt、すなわち周方向Dcは、点Pがロータ10の回転角度のいかなる値に対応する点かに応じて変化する。このため、以下では、区間や長さ、厚さを定めるうえで周方向Dcを用いる場合、その区間の中央における接線方向Dtを、周方向Dcと定義する。すなわち、図2に示す例では、接線方向Dtを定める点Pを、永久磁石26内において点Pを通り接線方向Dtに平行な線分の中央となる位置とする。
次に、ロータユニット20の製造方法について説明する。
本実施形態では、ロータユニット20の径方向および軸方向Daのそれぞれに磁場の発生源を配置して、径方向および軸方向の双方からコア22に磁束を入れることで磁石材料を着磁する。これは、径方向のみから磁束を入れる場合には、ロータユニット20の性能を十分に高めることができないからである。ここで、ロータユニット20の性能を十分に高めることができない理由として考えられる理由をいくつか説明する。
第1に、径方向のみに磁場の発生源を配置して着磁を行う場合、コア22のうち外周付近が磁気飽和し、コア22のうち回転中心O側の磁束密度が低くなり、ひいては磁石材料を十分に着磁できないからである。第2に、本実施形態のように、コア22の外周側から回転中心O側へと永久磁石26を延ばすことで永久磁石26の面積を拡大した構成の場合、コア22に磁束が入る際の面積Saよりも磁束を入れたい磁石材料の面積Sbの方が大きくなるために、磁束線の連続性から、コア22に入る磁束密度よりも磁石材料に入る磁束密度の方が低くなるからである。ちなみに、磁場の発生源から出る磁束の磁束密度は、永久磁石26に関して理想とされる磁束密度よりも十分に大きいが、残留磁化よりも飽和磁化の方が大きくなることに加えて、面積Saよりも面積Sbの方がある程度大きい場合には、磁石材料に入れる磁束の磁束密度が不十分となる。第3に、径方向からコア22に入り磁石材料を周方向Dcに横切った後径方向にコア22から出る磁路の磁気抵抗は、磁石材料を外周側で横切ったものよりも回転中心O側で横切ったものの方が大きくなるためである。
磁石材料に入る磁束の磁束密度が不足すると、着磁によって生成される永久磁石26の配向率や着磁率が低くなり、ロータユニット20の性能が低下する。ここで、配向率は、磁化容易方向が永久磁石26の表面に垂直な方向に揃っている度合いのこととする。配向率が低い場合、着磁によって最終的にN極からでてS極に入る磁束の磁束密度が低下する。本実施形態では、挿入孔24から流動性を有する磁石材料を充填する充填工程の期間が着磁工程の期間と重複することもあって、着磁工程において磁石材料に入る磁束の磁束密度を高めることで配向率を向上させやすい。一方、着磁率は、永久磁石26を構成する磁粉内の局所的な領域の磁気モーメント(着磁方向)が磁化容易方向のうちの一方の方向に揃っている度合いのこととする。すなわち、配向率が高くても、一対の磁化容易方向のいずれか一方に着磁方向が揃っている度合いが低ければ、永久磁石26のN極からでてS極に入る磁束の磁束密度が低下する。本実施形態では、着磁工程の終了後の残留磁化を、配向率を高く保った状態で磁石材料全体を磁気飽和させた後の残留磁化に近づけることを試みる。これにより、IPMSMの速度起電力係数を大きくすることができ、ひいては所定の大きさの電流を流した際のIPMSMの発生トルクを大きくすることができる。本実施形態では、ロータユニット20の性能を、所定の電流を流した際のIPMSMの発生トルクの大きさによって定義する。すなわち、性能が高いほど発生トルクが大きいとする。
図3に、本実施形態にかかる着磁装置およびロータユニット20を示す。なお、図3においては、コア22の挿入孔24に磁石材料26aが充填された状態を示している。
図3に示す径方向着磁部30は、ロータユニット20の周方向Dcに交互に配置された永久磁石32および着磁ヨーク34をそれぞれ10個ずつ備えており、それらが図示しない非磁性部材により円環状に一体的に組み付けられている。径方向着磁部30は、コア22の外周面と所定の隙間を隔ててこれを囲むように対向配置される。
永久磁石32は、コア22の挿入孔24に充填されている磁石材料26aに対してコア22の径方向外側に位置するように配置されている。各永久磁石32は、そのロータユニット20の周方向Dcの幅がコア22の径方向外側に向かうほど大きくなるように形成されている。各永久磁石32は、図3に示すようにロータユニット20の周方向Dcの両側部が異なる磁極になっている。また各永久磁石32は、ロータユニット20の周方向Dcに隣り合うもの同士が同じ磁極で対向するように配置されている。そして各永久磁石32の同じ磁極同士で対向した部分に挟み込まれるようにして着磁ヨーク34が配置されている。
図4に、径方向着磁部30による磁石材料26aの着磁処理を示す。径方向着磁部30の永久磁石32のN極から出た磁束は、「永久磁石32のN極に隣接する着磁ヨーク34→コア22→磁石材料26a→コア22→永久磁石32のS極に隣接する着磁ヨーク34」を介して、永久磁石32のS極に入る。
図3に示すように、軸方向着磁部40は、ロータユニット20の周方向Dcに交互に配置された永久磁石42および着磁ヨーク44をそれぞれ10個ずつ備えており、これらが図示しない非磁性部材により円環状に一体的に組み付けられている。軸方向着磁部40は、ロータユニット20の軸方向Daの一端面と所定の隙間を隔てて対向配置される。図5は、軸方向着磁部40を構成する永久磁石42および着磁ヨーク44のうち、1個の永久磁石42、およびそれを挟み込むように配置される一対の着磁ヨーク44、並びにロータユニット20のそれぞれの外周部分を平面上に展開したものである。
図5に示すように、一対の着磁ヨーク44は、ロータユニット20の軸方向Daの一端面において各挿入孔24で区画された領域A1,A2のそれぞれと密着して対向配置される。また各着磁ヨーク44は、コア22の径方向に直交する断面形状が台形状をなしており、その底面から上面に向かうほど、ロータユニット20の周方向Dcの幅が狭くなるように形成されている。これにより着磁ヨーク44の上記周方向Dcにおける両側面44a,44bは、ロータユニット20の軸方向Daと鋭角をなす傾斜面となっている。そして一対の着磁ヨーク44のそれぞれの側面44a,44bが上記周方向Dcにおいて互いに対向しており、それらに挟み込まれるように永久磁石42が配置されている。
図5に示すように、永久磁石42も、コア22の径方向に直交する断面形状が台形状をなしている。より詳細には、永久磁石42は、磁石材料26aの軸方向Da端面を覆うサイズの矩形の底面を有するとともに、その底面から上面に向かうほど、上記周方向Dcにおける幅が広くなるように形成されている。これにより永久磁石42の上記周方向Dcにおける両側面42a,42bは、ロータユニット20の軸方向Da端面に向くようにロータユニット20の軸方向Daに対して傾斜する傾斜面となっている。そして永久磁石42の両側面42a,42bと一対の着磁ヨーク44のそれぞれの側面44a,44bとが接触している。
図3に示す軸方向着磁部50も軸方向着磁部40と同様に構成されている。これらの軸方向着磁部40,50のそれぞれの永久磁石42,52は図3に示すように着磁されている。すなわち、永久磁石42は、図5に示した一対の着磁ヨーク44のそれぞれと隣接する一対の側面42a,42bが互いに異なる磁極になっている。永久磁石52も、一対の着磁ヨーク54のそれぞれと隣接する一対の側面が互いに相違する磁極となっている。そして、永久磁石42,52は、上記周方向Dcにおいて隣り合うもの同士が同じ磁極で対向するように配置されている。
次に本実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、径方向着磁部30をロータユニット20の径方向に対向させて且つ軸方向着磁部50をロータユニット20の軸方向Daの端面に対向させた状態で、ロータユニット20の端面のうち軸方向着磁部50が対向していない側から、流動性を有する磁石材料26aを挿入孔24に充填する充填工程を実行する。そして、充填工程の完了後、直ちに軸方向着磁部40をロータユニット20の軸方向Daの端面のうち軸方向着磁部50が対向していない側に対向して配置する。このため、径方向着磁部30および軸方向着磁部50による着磁工程の実行期間は、充填工程の実行期間に重複する。一方、軸方向着磁部40が対向配置された状態で軸方向着磁部40による着磁工程がスタートする。なお、本実施形態における着磁装置の配置工程は、径方向着磁部30および軸方向着磁部50をロータユニット20に対向して配置する工程と、軸方向着磁部40をロータユニット20に対向して配置する工程との2つの工程となる。
径方向着磁部30や、軸方向着磁部40,50による着磁工程においては、径方向着磁部30によって軸方向Daに直交する面に形成される磁路による着磁(図4)に加えて、図6に示すように、軸方向着磁部40,50による着磁がなされる。
図6は、ロータユニット20、および軸方向着磁部40,50に関する、コア22の径方向に直交する断面図である。なお、図6においては、永久磁石42,52から出る磁束を、磁力線Lmfにて表現している。図6に示すように、1個の永久磁石42のN極から出た磁束は、「隣接する着磁ヨーク44→コア22→磁石材料26a→コア22→永久磁石42のS極に隣接する着磁ヨーク44」を介して永久磁石42のS極に入る。また、1個の永久磁石52のN極から出た磁束は、「隣接する着磁ヨーク54→コア22→磁石材料26a→コア22→永久磁石52のS極に隣接する着磁ヨーク54」を介して永久磁石52のS極に入る。
ここで、本実施形態では、磁石材料26aを上記周方向Dcに横切る磁束の磁束密度が、軸方向Daにおける磁石材料26aの相違する部分でばらつくことを、上記磁石材料26aの厚さの設定によって抑制している。すなわち、永久磁石42,52のN極から出てS極に入る上記磁路が一対の電磁鋼板同士の接触面を横切る回数は、磁石材料26aを横切る際の永久磁石42,52と軸方向着磁部40(50)との軸方向Daにおける距離が長いほど多くなる。そして一対の電磁鋼板同士の接触面を横切る回数が多いほど、その磁路の磁気抵抗が大きくなり、磁束密度が低下しやすい。これは、一対の電磁鋼板同士が接触する面には絶縁層が形成され、絶縁層は電磁鋼板自体と比較して透磁率が低いためである。
以上により、周方向Dcにおける磁石材料26aの厚さが、軸方向Daのどの部分でも同一であるなら、磁石材料26aのうち軸方向Daの中央部を横切る磁路の磁気抵抗が最も大きくなる。そしてこの場合、永久磁石26の配向率や着磁率は、永久磁石26のうち軸方向Daの両端部と比較して軸方向Daの中央部において低くなる。そしてこれは、永久磁石26の配向率や着磁率を均一に高めた場合と比較して、ロータユニット20の性能の低下を招く。
これに対し、本実施形態では、上記周方向Dcにおける磁石材料26aの厚さを軸方向Daの両端部から離れるほど薄くした。したがって、周方向Dcに磁石材料26aを横切る区間における磁石材料26aの磁気抵抗は、軸方向Daの両端部と比較して軸方向Daの中央部において小さくなる。一方、磁石材料26aの透磁率は、コア22の透磁率よりも低い。このため、同一長さ且つ同一断面積の磁路を、磁石材料26aによって形成する場合と比較してコア22によって形成する場合の方が、その磁気抵抗を低下させることができる。以上より、図6に示す磁石材料26aを周方向Dcに1度横切る区間Seの磁気抵抗は、軸方向Daの両端部と比較して軸方向Daの中央部において小さくなる。このため、軸方向Daの端部から遠い部分で磁石材料26aを横切る経路の磁気抵抗が、近い経路の磁気抵抗と比較して、一対の電磁鋼板同士の接触面を横切る回数が多いことに起因して大きくなることは、上記区間Seの磁気抵抗が軸方向Daの端部から遠いほど小さくなることによって補償される。したがって、磁石材料26aを横切る磁束密度が軸方向Daにおいてばらつくことを抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、上述したものに加えて、さらに以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)上記のように、磁束密度のばらつきを抑制することで、着磁率や配向率が軸方向Daの相違する場所同士で不均一化することを抑制することができる。
(2)上記周方向Dcにおける永久磁石26の厚さを、軸方向Daの端部から離れるに従って徐々に薄くした。これにより、着磁工程において軸方向Daの様々な場所で磁石材料26aを横切る磁路の磁気抵抗のばらつきを好適に抑制することができる。
(3)流動性を持たせた磁石材料26aを挿入孔24に充填しつつ径方向着磁部30や軸方向着磁部50による着磁工程を実行し、充填完了後ただちに軸方向着磁部40による着磁工程を実行したため、着磁工程によって配向率を高めることもできる。
(4)薄板状の磁性体である電磁鋼板を複数積層してコア22を形成した。この場合、コア22を積層構造体としない場合と比較して、軸方向Daの磁路の長さが長いことに起因して磁気抵抗が大きくなる度合いが大きくなる。このため、周方向Dcにおける磁石材料26aの厚さを調整することの利用価値が特に大きい。
(5)ロータユニット20を、EPS内蔵のIPMSMに適用した。EPS内蔵のIPMSMは、極対数が多くなる傾向にあることから、図2に示した面積Saを広くすることが難しく、径方向着磁部30のみを用いた着磁処理では着磁率が低下しやすい。このため、軸方向着磁部40,50を備えることのメリットが特に大きい。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図7に、本実施形態にかかるロータ10を示す。図示されるように、本実施形態では、ロータユニット20の周方向Dcにおける永久磁石26の厚さを、ロータユニット20の軸方向Daにおけるいずれの位置においても等しくする。そして、本実施形態では、図8に示すように、上記軸方向Daの両端のうちの一方から他方にいくにつれて、永久磁石26中の樹脂の濃度を高くした。
また、本実施形態の着磁工程は、径方向着磁部30および軸方向着磁部50を用いて行うものの、軸方向着磁部40についてはこれを用いない。
図9に、本実施形態にかかる着磁工程について、特に軸方向着磁部50による着磁処理を示す。なお、軸方向着磁部50による着磁と径方向着磁部30による着磁とは実際には同時に行われている。また、本実施形態では、径方向着磁部30や軸方向着磁部50がロータユニット20に対向して配置された状態で、軸方向着磁部50とは逆側からコア22の挿入孔24に磁石材料26aを充填する。図示されるように、本実施形態では、磁石材料26aの一対の軸方向Daの端部のうち、樹脂の混合割合が高い側を軸方向着磁部50に対向させて着磁処理を行う。
ここで、本実施形態の作用について説明する。
上述したように、磁石材料26aの上記混合割合を均一としないために、磁石材料26aの透磁率は、軸方向Daにおける位置に応じて相違したものとなっている。具体的には、樹脂の混合割合が高い部分の透磁率が低くなっている。このため、上記周方向Dcに磁石材料26aを1度横切る区間Seにおける磁石材料26a部分の磁気抵抗は、軸方向着磁部50に近いほど徐々に高く設定されていることとなる。一方、軸方向着磁部50の永久磁石52のN極から「コア22→磁石材料26a→コア22」へと進んでS極に入る磁路が一対の電磁鋼板の接触面を横切る回数は、磁石材料26aを横切る部分が軸方向着磁部50から離れているほど多くなる。したがって、上記横切る部分が軸方向着磁部50から離れている磁路は、離れていない磁路との比較で、上記接触面を横切る回数が多くなることに起因して磁気抵抗が増加するものの、この増加分は、磁石材料26aの磁気抵抗が低いことによって補償される。したがって、軸方向Daの様々な位置で磁石材料26aを横切る磁路の磁気抵抗のばらつきは、上記のように樹脂の混合割合を設定することで抑制されている。
このため、本実施形態では、軸方向着磁部50から磁石材料26aに入る磁束の磁束密度が、軸方向Daにおける位置の相違によって不均一化することを抑制することができる。このため、永久磁石26の配向率や着磁率が軸方向Daにおいて不均一となることを抑制することができる。このため、ロータユニット20の性能を高めることができる。ちなみに、永久磁石26は、上記混合割合が不均一であるため、混合割合を均一化したものよりも磁粉の量が少なくなる部分があることなどに起因して、均一化したものに十分な磁束を与えることができたと仮定した場合と比較すると、若干、ロータユニット20の性能を低下させる可能性は否定できない。しかし、本実施形態では、混合割合を均一化すると、磁石材料26aに到達する磁束の磁束密度が軸方向Daにおいて不均一となることに起因したロータユニット20の性能低下が問題となる。そして、混合割合を上記のように調整することによる磁粉の量の減少のデメリットは、上記磁束密度が不均一となることを抑制するメリットによって補ってあまりあるものである。
さらに、本実施形態では、軸方向着磁部50とは逆側から、磁石材料26aを挿入孔24に充填するため、挿入孔24に磁石材料26aを充填する充填工程を円滑に行うことができる。これは、樹脂の混合割合が高い場合には低い場合よりも流動性が高いためである。すなわち、樹脂と磁粉との混合物に流動性を持たせて挿入孔24に充填する充填工程においては、混合物に圧力を印加する必要が生じうる。そして、この際に必要となる圧力は、混合物の流動性が高いほど低くなる。また、通常、充填工程における磁石材料26aの流動性はさほど高くないため、挿入孔24のうち軸方向着磁部50とは逆側から順に磁石材料26aで埋められていき、埋められた磁石材料26aが押し出されることで徐々に軸方向着磁部50側が充填される。このため、充填工程の初期よりも充填工程の後期の方が軸方向着磁部50側に磁石材料26aを押し出すうえで要求される力が大きくなることから、より高い圧力を印加することが要求される傾向にある。ここで、本実施形態によれば、充填工程の初期において流動性が高い混合物を充填することとなるため、上記押し出すうえで要求される力を軽減することができる。そしてこれにより、充填工程において混合物を挿入孔24に充填する際の混合物の圧力を低減することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「磁粉と樹脂との混合割合について」
上記第2の実施形態において、軸方向着磁部50に加えて軸方向着磁部40を用いることとし、樹脂の混合割合を軸方向Daの両端部側で高くしてもよい。
・「ロータユニットについて」
永久磁石26の数としては、10個に限らない。9個以下でもよく、11個以上であってもよい。
また、永久磁石26の形状としては、上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、図10に示すように、周方向Dcにおける永久磁石26の厚さを、軸方向端部側から軸方向中央部側へと移行するにつれて非線形に薄くしてもよい。これによれば、軸方向端部側から軸方向中央部までの任意の位置において磁石材料26aを横切る磁路の磁気抵抗をより均一化することも可能となる。また、たとえば図11に示すように、周方向Dcにおける永久磁石26の重心が軸方向Daの一方の端部から他方の端部へと移行するにつれて周方向Dcの一方側から他方側へとずれることで、軸方向Daに対し斜めにスキューがかけられている形状であってもよい。
また、図12に示すように、周方向Dcにおける永久磁石26の厚さが、軸方向Daの中央部のみ、他と比較して薄いものであってもよい。この場合、コア22を電磁鋼板を複数積層して形成する場合、挿入孔24の形状が相違する2種類の電磁鋼板を用意するのみでよいため、量産しやすい。
また、図13に示すように、周方向Dcにおける永久磁石26の厚さが、軸方向Daの両端部の一方から他方へといくにつれて薄くなるものであってもよい。これは、上記第2の実施形態のように、軸方向着磁部50を用いることなく軸方向着磁部40のみを用いて着磁を行う場合に有効である。
また、図14に示すように、軸方向Daに直交する永久磁石26の断面形状を、U字状としてもよい。さらに、U字状に代えて、V字状であってもよい。さらに、回転中心から径方向に延びる板状のもの(スポーク形状)であってもよい。
なお、図1や図10〜図13に例示した永久磁石26の軸方向Daの形状や、図8に示した軸方向Daの濃度分布は、図14に例示したU字状の永久磁石26や、V字状の永久磁石、さらにはスポーク形状の永久磁石等に適用することもできる。
・「ロータについて」
図1においては、それぞれのロータユニット20に内蔵された永久磁石26を、ロータユニット20の周方向Dcの同一の位相に配置したがこれに限らない。たとえば図1において、図中最上部のロータユニット20の永久磁石26に対して、図中中央のロータユニット20の永久磁石26を周方向Dcにおいて図中わずかに左側にずらし、同中央のロータユニット20の永久磁石26に対して、図中最下部のロータユニット20の永久磁石26を図中わずかに左側にずらしてもよい。
ロータ10を構成するロータユニット20の数としては、3個に限らず、たとえば2個でもよく、4個以上であってもよい。さらに、単一のロータユニット20によってロータ10を構成してもよい。
・「コアについて」
コア22を構成する薄板状の磁性体の積層体としては、電磁鋼板の積層構造体に限らない。また、薄板状の磁性体の積層体にも限らない。たとえば、単一のフェライトやパーマロイによってコア22を構成してもよい。また、たとえば、圧粉磁心からなるものであってもよい。このように、積層体としない場合、軸方向Daにおける距離に応じて一対の板状部材の接触面を通過する回数が増加する現象は生じない。しかし、軸方向着磁部40(50)からの軸方向Daにおける距離が長い部分で磁石材料26aを横切る磁路ほど、磁路の長さが長くなることに起因して磁気抵抗が大きくなる。このため、ロータユニット20の軸方向Daの長さや、軸方向着磁部の磁場の強さ、コアの材質、さらには、着磁率の要求等によっては、周方向Dcにおける磁石材料26aの厚さを調整するなどの設定が有効となりうる。
・「軸方向着磁部について」
たとえば永久磁石42,52のうち磁石材料26aに対向する面の形状を、磁石材料26a(挿入孔24)のうち軸方向Daの端面の形状に一致させる等、同形状に沿ったものとしてもよい。また、たとえば、永久磁石42,52の周方向Dcの長さを、軸方向Daの位置にかかわらず一定としてもよい。
永久磁石42を備えるものに限らず、電磁石を備えるものであってもよい。
さらに、磁場の発生源を備えるものにも限らない。たとえば、径方向着磁部30の軸方向Daの長さをロータユニット20の軸方向Daの長さと軸方向着磁部40,50の軸方向Daの長さとの和以上とし、径方向着磁部30のうちロータユニット20に対向しない部分からの磁束をコア22を介して磁石材料26aに案内する部材であってもよい。これは、たとえば、軸方向着磁部40,50を上記実施形態のものと同様の外径形状とし、磁石材料26aに重ねられる部分を低透磁率部材にて構成し、それ以外の部分を高透磁率部材にて構成することで実現できる。この場合、高透磁率部材の透磁率がコア22よりも高く、低透磁率部材の透磁率が磁石材料26aよりもわずかに低いものが望ましい。また、軸方向着磁部40に、流動性を有する磁石材料26aを挿入孔24へと導入するための流通経路(スプール)を形成してもよい。
・「そのほか」
径方向着磁部30を用いることなく、軸方向着磁部40,50のみによって着磁処理を実行し、ロータユニット20を製造してもよい。
磁石材料26aとしては、ボンド磁石に限らない。たとえば、焼結磁石であってもよい。この場合、コア22に焼結磁石が充填された段階で、各磁区の磁化容易方向が平行に揃っており配向率は高い状態にある。そして、径方向着磁部30や軸方向着磁部40,50を用いた着磁工程において、配向率はほとんど変化しない。しかし、この場合であっても、着磁率を高める上では、上記実施形態のように永久磁石26の形状や混合割合を調整することは有効である。
IPMSMとしては、EPS内蔵のものに限らない。たとえば、可変ギアステアリングシステム(VGRS)内蔵のものであってもよい。もっとも、操舵輪を転舵するためのアクチュエータに内蔵されるものにも限らない。それ以外のものであっても、径方向着磁部30のみを用いた着磁処理では着磁率や配向率を十分に高めることができないのであれば、軸方向着磁部40や軸方向着磁部50を用いることは有効である。もっとも、径方向着磁部30のみを用いた着磁処理では着磁率や配向率を十分に高めることができないことも必須ではなく、何らかの事情で軸方向着磁部40や軸方向着磁部50のみを用いて着磁処理を行う場合にも、周方向Dcにおける永久磁石26の厚さを上述した要領で調整することなどが有効である。
O…回転中心、P…点、r…半径、A1,A2…領域、Da…軸方向、Dc…周方向、Dt…接線方向、L1,L2,L3…厚さ、Ln…距離、Sa,Sb…面積、Se…区間、Lmf…磁力線、10…ロータ、20…ロータユニット、22…コア、24…挿入孔、26…永久磁石、26a…磁石材料、30…径方向着磁部、32…永久磁石、34…着磁ヨーク、40…軸方向着磁部、42…永久磁石、42a,42b…側面、44…着磁ヨーク、44a,44b…側面、50…軸方向着磁部、52…永久磁石、54…着磁ヨーク、60a,60b…側面。

Claims (10)

  1. コアと、該コアに埋め込まれた複数の永久磁石とを備え、単一または複数個が軸方向において連結されてロータを構成する埋込磁石型ロータユニットにおいて、
    当該ロータユニットの周方向に前記永久磁石を1度横切る区間の該永久磁石の磁気抵抗が当該ロータユニットの軸方向において不均一化されている埋込磁石型ロータユニット。
  2. 前記横切る区間の永久磁石の磁気抵抗が、当該ロータユニットの軸方向端部よりも当該ロータユニットの軸方向中央部の方が小さい請求項1記載の埋込磁石型ロータユニット。
  3. 当該ロータユニットの周方向における前記永久磁石の厚さは、当該ロータユニットの軸方向端部よりも当該ロータユニットの軸方向中央部の方が薄い請求項2記載の埋込磁石型ロータユニット。
  4. 前記横切る区間の永久磁石の磁気抵抗が、当該ロータユニットの軸方向両端のうちの一方の方が他方よりも大きい請求項1記載の埋込磁石型ロータユニット。
  5. 前記永久磁石は、磁粉と樹脂との混合物であって、当該ロータユニットの軸方向両端のうちの前記一方の方が前記他方よりも前記樹脂の混合割合が高い請求項4記載の埋込磁石型ロータユニット。
  6. コアと、該コアに埋め込まれた複数の永久磁石とを備え、単一または複数個が軸方向において連結されてロータを構成する埋込磁石型ロータユニットの製造方法において、
    コアの軸方向の端面に対向するように軸方向着磁部を配置する配置工程と、
    前記埋込磁石型ロータユニットのコアに充填された磁石材料を前記軸方向着磁部によって着磁する着磁工程と、を有し、
    当該ロータユニットの周方向に前記コアに充填された磁石材料を1度横切る区間における当該磁石材料の磁気抵抗を、該ロータユニットの軸方向における前記軸方向着磁部からの距離が短い場所における値よりも長い場所における値を小さく設定した埋込磁石型ロータユニットの製造方法。
  7. 前記横切る区間における前記磁石材料の磁気抵抗を、当該ロータユニットの軸方向における前記軸方向着磁部からの距離が長くなるほど徐々に小さく設定した請求項6記載の埋込磁石型ロータユニットの製造方法。
  8. 当該ロータユニットの周方向における前記磁石材料の厚さを、当該ロータユニットの軸方向における前記軸方向着磁部からの距離が短い場所の厚さよりも、長い場所の厚さの方を薄く設定した請求項6または7記載の埋込磁石型ロータユニットの製造方法。
  9. 前記軸方向着磁部は、当該ロータユニットの軸方向の両端面のそれぞれに対向するようにして設けられ、
    当該ロータユニットの周方向における前記磁石材料の厚さを、当該ロータユニットの軸方向両端部と比較して、当該ロータユニットの軸方向中央部の方を薄く設定した請求項8記載の埋込磁石型ロータユニットの製造方法。
  10. 前記磁石材料は、磁粉と樹脂との混合物であって、
    前記コアに充填された前記混合物のうち前記樹脂の割合を、当該ロータユニットの軸方向両端部のうち前記軸方向着磁部に対向する側と比較して、前記両端部のうち前記軸方向着磁部に対向しない側の方を低く設定した請求項6または7記載の埋込磁石型ロータユニットの製造方法。
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