JP2016082490A - Scカット水晶振動子及びその製造方法及びこのscカット水晶振動子を用いた圧電センサ及びその製造方法。 - Google Patents

Scカット水晶振動子及びその製造方法及びこのscカット水晶振動子を用いた圧電センサ及びその製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】 液相中でも発振するSCカット水晶振動子及びその製造方法とこの振動子を用いた圧電センサ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 SCカットした水晶片を片面コンベックスレンズ形状に研磨し、平面側の角部を面取り(ベベリング)し、全表面を鏡面仕上げして、等価抵抗値を可能な限り小さくした後、電極を固定してSCカット水晶振動子4とする。このSCカット水晶振動子4の一端部を、導電性接着剤15により基板5に固定するとともに、外周部を防水性部材17で被覆して、一方の電極面を気密に封止して乾燥状態とする。防水性部材17に貫通孔18を設けて、他方の電極面(測定面)を露出させ、この測定面に貫通孔18から測定試料の液滴を滴下して圧電センサとして利用出来るようにする。
【選択図】 図5b

Description

この発明は、SCカット水晶振動子及びその製造方法及びこのSCカット水晶振動子を用いた圧電センサ及びその製造方法に関するものである。
一般に、水晶の圧電効果による歪みは、結晶の対称性、印加される電場の方向性、結晶軸に対する結晶基板の切り出し角度に依存するため、結晶軸に対して適当な角度で切り出された結晶だけが結晶表面に平行方向に振動する振動が発生する。非特許文献1に記載されているように、水晶は三方晶系に属する結晶である。図11a〜図11bに示すように、水晶の六角プリズムの中心軸をz軸として、z軸に垂直な成分のうち、六角形の対角線方向をx軸、これらx軸、z軸に垂直な成分をy軸とする。このように、3軸を定義した場合、y軸に垂直に切り出した水晶片はYカットと呼ばれ、このYカットをx軸周りに回転し、z軸とのなす角度を35°15′とした水晶片はATカットと呼ばれる。ATカットの水晶振動子の温度に対する変異点は、25℃と常温付近であり、発振させるためには、この温度を一定にするための温度センサや恒温槽等が必要である。
このATカットの水晶振動子は、振動数の温度依存性が極めて小さく、安定な振動数が得られることから、時計、携帯電話等の通信機器における基準周波数素子として、また、コンピュータ等の高速信号処理する分野の同期信号の発振素子として広く汎用されている。
一方、水晶の結晶から特定の角度で切り出した水晶片の両側に、金属薄膜の電極を取り付け、この2つの電極に交流電圧を印加すると、水晶振動子は一定の振動数で発振する。この時、金属薄膜の電極上に存在する物質の質量により振動数が変化する。そして、この振動数の変化量と附着物質の質量との関係は、下記(1)式に示すSauerbrey式により理論的に報告されている。
ΔF=−2Δmnf /(Aμ 1/2ρ 1/2)・・・・・(1)
(1)式において、ΔFは水晶振動子の振動数変化量(Hz)、fは基本振動数(Hz)、nは倍音数、Aは水晶板に取り付けた金属薄膜電極の面積、μ(=2.947×1013gm−1−2)は水晶の弾性率、ρ(=2.648g cm−3)は水晶の密度であり、Δmは電極単位面積当たりに付着した物質の質量をそれぞれ表している。
そこで、(1)式において、Δm以外の各項は定数項であり、この定数項をKとした場合、(1)式は下記(2)式で表される。
ΔF=−KΔm・・・・・(2)
上記(2)式より、振動数の変化は、金属薄膜の電極上に存在する物質の質量に比例することがわかる。
このような方法論は、水晶振動子マイクロバランス(Quartz Crystal Microbalance:以下、単にQCMと記す)と称され、微量天秤として化学分野、生化学分野、微生物分野、医療分野等にまで広く利用されている(非特許文献1参照)。
このように、水晶振動子は多くの分野で利用されており、例えば、QCMで用いられる水晶振動子は、常温付近で温度変化による振動数変化の比較的少ないATカットの水晶振動子が利用されている。
当初、ATカットの水晶振動子は、基本的には気相中で使用することが前提であった。その理由としては、液相中では、水晶片の振動が強く減衰されて発振することが出来ず、また、液相中では両電極が短絡してしまう等の問題があったためである。しかしながら、ATカット水晶振動子は、近年、発振回路の改良、水晶振動子の片面(非測定面)を液に触れないようにする等の工夫が施された。その結果、液相中でも発振可能となり、液相中におけるQCMとしての利用が広まり、化学、生化学、微生物学等の分野で広く利用されている。
一方、応力感度、熱衝撃特性、位相雑音性能、使用可能温度が高い等について優れた性能を有するSCカットの水晶振動子がある。このSCカット水晶振動子には、Aモード、Bモード、Cモードの3つの振動モードがある。CモードはATカットと同じ振動である厚みすべり振動、Bモードは厚みねじれ振動、Aモードは厚みたて振動である。
これは、図12に示すように、特許文献1にも記載されているように、2回回転の水晶振動子(θ、φ)として、水晶の結晶のy軸に直行する面を、x軸を中心にして約33°回転し、さらに、この回転した位置からz軸を中心にして約22°回転した面から切り出した水晶片に電極を形成したものである。このようなSCカットの水晶振動子の振動数・温度特性は、95℃付近に変極点を有する概略3次曲線状となる。即ち、95℃付近では、SCカット水晶振動子の周波数偏差は最小となる。
一方、ATカット水晶振動子を用いた高安定度の水晶発振器として、一定温度に加熱して動作させる恒温槽型の水晶発振器があるが、このような発振器は、加熱用のヒータと温度センサを用いた温度制御回路とによりヒータの発熱量を制御して一定温度を維持している。しかしながら、SCカットの水晶振動子は、95℃付近に変極点を有するため、0℃〜95℃の温度範囲迄は、温度変化に対して発振周波数偏差も少なく、安定した発振周波数が得られる。従って、SCカットの水晶振動子は、0℃〜95℃と使用可能温度範囲が広く、又、温度を一定に保持するための温度センサを用いた温度制御回路や恒温槽等は必要ない等の利点がある。
又、特許文献2に記載されているように、SCカットの水晶振動子は、図13に示すように、主振動であるCモードの共振の近傍で、Bモード及びAモードの副振動が発生する。Aモードの振動に対する水晶振動子の等価抵抗値は、Cモードの振動に対する水晶振動子の等価抵抗値より大であるため、発振器としてはほぼ信号が出力されないので、Cモードの振動が問題となることはない。
又、Bモードの振動に対する水晶振動子の等価抵抗値は、Cモードの振動に対する水晶振動子の等価抵抗値に等しいかあるいは小さいこともあり、又、振動数もCモードの振動の約1.09倍に位置している。そのため、実際に発振器を製作した場合、副振動であるBモードで発振してしまう場合がある。従って、Cモードで確実に発振させるために、水晶振動子の外形形状を、特殊な形状にカットし、加工することにより確実にBモードの振動を抑圧することができるようにしたSCカット水晶振動子が提案されている。
これは、水晶片の外形形状を所定の形状に加工することによって、確実に、且つ再現性良くBモードの共振を抑圧することのできるSCカットの水晶振動子である。このBモード振動を抑圧可能なSCカット水晶振動子では、水晶の結晶のy軸に直行する面を、x軸を中心にして33°〜35°回転し、この回転した位置からz軸を中心にして22°〜24°回転した面から切り出してx軸方向に細長い短冊状の水晶片を形成し、この水晶片のz軸に直交する端面を、x軸を中心にして+7°〜+13°または-7°〜-13°回転した方向へ傾けて切り出している(特許文献2参照)。
このように、SCカット水晶振動子では、Cモード振動の場合には、温度と発振周波数偏差(変化量)の特性が一致するとともに、Bモード振動の場合には、温度と発振周波数偏差(変化量)の特性が直線関係になるという利点がある。そのため、SCカット水晶振動子は、測定装置等に使用する場合、1個のSCカット水晶振動子で、温度と被測定物体が付着した時の周波数変化量とを同時に測定することが出来ので、温度を検知するための温度センサを必要としない。なお、ATカット水晶振動子の場合には、温度と発振周波数偏差(変化量)の特性が直線関係ではないので、温度センサが必要である。
又、水晶振動子の電極面の濡れを防止することにより、気相中では勿論の事、液相中でも発振させることの出来る水晶振動子としては、例えば、特許文献3〜特許文献6に記載されているものがある。いずれも水晶振動子を液相中に浸した時、電極面の濡れを防止するための各種の手段が施されている。
例えば、特許文献3に記載のものは、基板上又は圧電振動子上に凸部又は凹部を設けておくことにより、圧電振動子の外周部分に封止剤を塗布した際に、封止剤が圧電振動子と基板との間隙に流れ込む領域を制限するようにしている。しかしながら、液相の粘性が低い場合には、自然に濡れが拡散し、資料の塗布領域が圧電振動子の中心部へと浸透する。そのため、電気的特性のバラツキが発生し、安定した性能を得ることが出来ないという問題がある。
又、特許文献4に記載のものは、水晶振動子実装基板を作用極とし、アルカリ溶液中にて特定電位を印加した後、酸処理を含む洗浄工程を行ったQCMセンサーチップを用い、測定対象物質と反応性を有する機能膜や生体物質にて電極を修飾している。しかしながら、洗浄工程で、界面活性剤や塩酸、硫酸、ビランハ等の薬品を用いて処理を実施するため、金の下地としてニッケル(Ni)を使用した場合、そのNiが侵される。その結果、水晶振動子としての周波数安定性が低下するという問題がある。
特許文献5に記載のものは、圧電振動子の電極センサ基板側接続電極との電気的接続に通常用いる導電性接着剤を用いずに、両電極間に微小な隙間を設けてコンデンサを形成して交流的に電気的接続を保った状態で、やわらかい接着剤だけを用いて圧電振動子をセンサ基板上に固定及び防水している。しかしながら、周波数ドリフトが発生する等の問題がある。
特許文献6に記載のものは、基板に設けられた圧電板の片面側を溶液に接するようにし、反対面側を溶液から隔離するようにしたセンサで、圧電板は両側に電極を備え、この電極が導電性接着剤を介して基板に設けられた配線と接続され、圧電板の溶液に接する側の面の外周縁部から基板に粘着テープを貼着することにより、圧電板を基板に固定するようにしたものである。しかしながら、圧電振動子の片面と資料溶液とを隔離する方法として、Oリングを使用する方法では、水晶板に加わる圧力の制御が困難であるとともに、Oリングの位置によって圧電振動子への圧力が異なる等の理由により、ノイズ発生の原因となっている。又、メンテナンス時に、Oリングをはずして再組み立てを行うと、組み立て前と性能が異なり、再現性がない。又、シリコン等で隔離する方法では、加工費がOリングに比べ高くなる。又、粘性の低い封止剤を用いて隔離する場合には、液の浸透により電気的特性が悪化する等の問題がある。
特開平11−177376号公報 特許第4516021号公報 特開2005121632号公報 特開2007−85977号公報 特開2088−241539号公報 特開2013−36877号公報
電気学会論文集 「水晶発振子マイクロバランス法を用いたバイオセンサ」、第123巻 2003年 タイトル「水晶発振子マイクロバランス法を用いたバイオセンサ」岡畑恵雄、古沢宏幸著
以上述べたように、従来、特許文献1〜特許文献6及び非特許文献1に記載の水晶振動子としては、いずれもATカット水晶振動子が用いられており、SCカット水晶振動子は一部提案されてはいるものの、ほとんど実用化されていない。そのため、使用可能温度が高く、応力感度、熱衝撃特性、位相雑音性能に優れ、ATカット水晶振動子のように温度センサや恒温槽等の必要がない等、ATカット水晶振動子に比べ、多くの優れた性能を有するSCカット水晶振動子を利用したいとの要望が多かった。
又、液相中で発振させる事例としては、上記特許文献3〜特許文献5に記載のように、QCMへの適用があるが、この場合の水晶振動子としては、上記したように、ATカット水晶振動子が用いられているのみである。
一方、発明者等は、SCカット水晶振動子の発振回路として、従来のATカット水晶振動子の発振回路を用いて発振するか否かの実験をしたが、液相中では、全く発振させることが出来なかった。その原因として考えられることは、このATカット水晶振動子の発振回路の等価抵抗値が高すぎるためではとの推量の下、多くの実験を試みた。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、気相中は勿論のこと、液相中でも発振させることが出来るとともに、液相中の物質の質量及び温度を単一の水晶振動子で測定することの出来るSCカット水晶振動子及びその製造方法を提供することを第1の目的とし、さらに、このSCカット水晶振動子を用いた圧電センサ及びその製造方法を提供することを第2の目的とするものである。
請求項1に係る発明は、水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出し、この水晶片の一方の面を研磨して片面コンベックスレンズ形状に形成し、この片面コンベックスレンズ形状の水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング)するとともに、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片を形成し、この片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、複数の電極を固定して片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を形成し、このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成した片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子の製造方法である。
請求項2に係る発明は、水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出し、この水晶片の両面を研磨して両面コンベックスレンズ形状に形成し、この両面コンベックスレンズ形状の水晶片の全表面を鏡面仕上げして両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片を形成し、この両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、複数の電極を固定して両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を形成し、このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成したことを特徴とするSCカット水晶振動子の製造方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1〜請求項2の何れかに記載の発明において、SCカット水晶振動子の等価抵抗値は、液相中で150Ω以下としたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の発明において、SCカット水晶片の電極面積と水晶片の表面積との関係(「電極面積」/「水晶片面積」)は、40%以上としたものである。
請求項5に係る発明は、水晶の結晶からSCカットした水晶片と、この水晶片の一方の面を研磨して片面コンベックスレンズ形状に形成され、この水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング)するとともに、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして形成した片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片と、この片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、固定された複数の電極を有する片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を備え、このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成したことを特徴とするSCカット水晶振動子である。
請求項6に係る発明は、水晶の結晶からSCカットした水晶片と、この水晶片の両面を研磨して両面コンベックスレンズ形状に形成され、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして形成した両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片と、この両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、固定された複数の電極を有する両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を備え、このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成したことを特徴とするSCカット水晶振動子である。
請求項7に係る発明は、請求項5〜請求項6の何れかに記載の発明において、SCカット水晶振動子の等価抵抗値は、液相中で150Ω以下としたものである。
請求項8に係る発明は、請求項5〜請求項7の何れかに記載の発明において、SCカット水晶片の電極面積と水晶片の表面積との関係(「電極面積」/「水晶片面積」)は、40%以上としたものである。
請求項9に係る発明は、SCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法において、水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出し、この水晶片の一方の面を研磨して片面コンベックスレンズ形状に形成し、この片面コンベックスレンズ形状の水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング)するとともに、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片を形成し、この片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、複数の電極を固定して片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を形成し、このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成し、基板の厚み方向に、SCカット水晶振動子を固定するための凹部を形成し、この凹部に、導電性接着剤によりSCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、基板に固定し、少なくとも基板から突出するSCカット水晶振動子の外周部を防水性部材で被覆することにより、SCカット水晶振動子の一方の電極面の防水処理を行い、次いで、基板から突出するSCカット水晶振動子の他方の電極面のみが測定面として露出するように、防水性部材に貫通孔を設けるとともに、この貫通孔の大きさを、SCカット水晶振動子の等価抵抗値及び測定試料に基づいて調整することを特徴とするSCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法である。
請求項10に係る発明は、SCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法において、水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出し、この水晶片の両面を研磨して両面コンベックスレンズ形状に形成し、この両面コンベックスレンズ形状の水晶片の全表面を鏡面仕上げして両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片を形成し、この両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、複数の電極を固定して両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を形成し、このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成し、基板の厚み方向に、SCカット水晶振動子を固定するための凹部を形成し、この凹部に、導電性接着剤によりSCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、基板に固定し、少なくとも基板から突出するSCカット水晶振動子の外周部を防水性部材で被覆することにより、SCカット水晶振動子の一方の電極面の防水処理を行い、次いで、基板から突出するSCカット水晶振動子の他方の電極面のみが測定面として露出するように、防水性部材に貫通孔を設けるとともに、この貫通孔の大きさを、SCカット水晶振動子の等価抵抗値及び測定試料に基づいて調整することを特徴とするSCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法である。
請求項11に係る発明は、請求項9〜請求項10の何れかに記載の発明において、SCカット水晶振動子の等価抵抗値は、液相中で150Ω以下としたものである。
請求項12に係る発明は、請求項9〜請求項11の何れかに記載の発明において、SCカット水晶片の電極面積と水晶片の表面積との関係(「電極面積」/「水晶片面積」)は、40%以上としたものである。
請求項13に係る発明は、請求項9〜請求項12の何れかに記載の発明において、SCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法において、基板の凹部底面に、封じ板を配設するとともに、この封じ板の上面に、導電性接着剤によりSCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、封じ板に固定したものである。
請求項14に係る発明は、SCカット水晶振動子を用いた圧電センサにおいて、水晶の結晶からSCカットした水晶片と、この水晶片の一方の面を研磨して片面コンベックスレンズ形状に形成され、この水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング)するとともに、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして形成した片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片と、この片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、固定された複数の電極を有する片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を備え、このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成し、厚み方向に、SCカット水晶振動子を固定するための凹部を形成した基板と、凹部に、SCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、基板に固定するための導電性接着剤と、少なくとも基板から突出するSCカット水晶振動子の外周部を被覆することにより、SCカット水晶振動子の一方の電極面の防水処理を行う防水性部材と、基板から突出するSCカット水晶振動子の他方の電極面のみを測定面として露出させるために、防水性部材に設けた貫通孔と備え、この貫通孔の大きさを、SCカット水晶振動子の等価抵抗値及び測定試料に基づいて調整可能としたことを特徴とするSCカット水晶振動子を用いた圧電センサである。
請求項15に係る発明は、SCカット水晶振動子を用いた圧電センサにおいて、水晶の結晶からSCカットした水晶片と、この水晶片の両面を研磨して両面コンベックスレンズ形状に形成され、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして形成した両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片と、この両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、固定された複数の電極を有する両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を備え、このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成し、厚み方向に、SCカット水晶振動子を固定するための凹部を形成した基板と、凹部に、SCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、基板に固定するための導電性接着剤と、少なくとも基板から突出するSCカット水晶振動子の外周部を被覆することにより、SCカット水晶振動子の一方の電極面の防水処理を行う防水性部材と、基板から突出するSCカット水晶振動子の他方の電極面のみを測定面として露出させるために、防水性部材に設けた貫通孔と備え、この貫通孔の大きさを、SCカット水晶振動子の等価抵抗値及び測定試料に基づいて調整可能としたことを特徴とするSCカット水晶振動子を用いた圧電センサである。
請求項16に係る発明は、請求項14〜請求項15の何れかに記載の発明において、SCカット水晶振動子の等価抵抗値は、液相中で150Ω以下としたものである。
請求項17に係る発明は、請求項14〜請求項16の何れかに記載の発明において、SCカット水晶片の電極面積と水晶片の表面積との関係(「電極面積」/「水晶片面積」)は、40%以上としたものである。
請求項18に係る発明は、請求項14〜請求項17の何れかに記載の発明において、SCカット水晶振動子を用いた圧電センサにおいて、基板の凹部に配設し、上面に導電性接着剤によりSCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、固定するための封じ板を設けたものである。
請求項1及び請求項5に係る発明は、上記のように構成したので、気相中では勿論の事、液相中でも発振させることが出来るので、今までほとんど利用されていなかったSCカットした水晶振動子を利用することが出来る。
又、従来、液相中の物質重量の測定する場合、物質重量の測定用センサのほかに、測定環境における温度を測定するための温度センサが必要であったが、この発明によるSCカット水晶振動子は、従来品よりも高温度領域での使用・測定が可能となり、温度センサを必要としない。そのため、液相中の物質重量及び温度を、ひとつのSCカット水晶振動子で測定することができる。
請求項2及び請求項6に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1及び請求項5に係る発明と同様な効果がある。その上、請求項1及び請求項5に係る発明に比べて、ベベリング工程を省略できるので、その分、製造コストが安くなる。その上、請求項1及び請求項5に係る発明と同様な効果がある。
請求項3〜請求項4及び請求項7〜請求項8に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1〜請求項2及び請求項5〜請求項6に係る発明と同様な効果がある。その上、気相中は勿論の事、液相中においてもより確実な発振波形が得られる。
請求項9〜請求項10及び請求項14〜請求項15に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1、請求項2に記載の発明と同様な効果が得られるとともに、圧電センサとして物質質量等の測定に広く利用することが出来る。その上、導電性接着剤により、SCカット水晶振動子の一端部を、基板に気密に封止するとともに、この基板に固定したので、遮蔽用のパッキング等は必要なくなり、部品点数を削減出来るので、全体としてコスト削減出来る。
さらに、基板の表面から突出しているSCカット水晶振動子の外周部は、防水性部材で被覆されているので、SCカット水晶振動子を保護するための保護用の容器等は必要なくなり、さらに部品点数を削減することが出来る。
又、防水性部材に貫通孔を設けることにより、SCカット水晶振動子の測定面側の電極面を露出するように構成されているので、測定用の試料を測定面に誘導するための特別な容器等は必要なくなり、それだけ部品点数を削減することが出来る。
又、貫通孔の大きさにより、等価抵抗値R1(Ω)が150(Ω)以下となるように調整することが出来るので、測定する試料に応じて調整することにより、常に理想的な発振波形が得られる。
請求項11〜請求項12及び請求項16〜請求項17に係る発明は、上記のように構成したので、請求項9〜請求項10及び請求項14〜請求項15に係る発明と同様な効果がある。その上、気相中は勿論の事、液相中おいてもより確実な発振波形が得られる。
請求項13及び請求項18に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1、請求項2に記載の発明と同様な効果が得られるとともに、圧電センサとして物質質量等の測定に広く利用することが出来る。その上、凹部に封じ板を配設することにより、この封じ板14の上面とSCカット水晶振動子4の一端部との間隙19に、配線16を配設する際の製造工程が容易になる効果がある。
この発明の実施例を示すもので、発明者等が水晶の結晶から切り出した2回回転の場合のSCカット水晶片(θ、φ)の切り出し角度を示す説明図である。 この発明の実施例を示すもので、発明者等が製造した片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片1の側面図である。 この発明の実施例を示すもので、この発明によるSCカット水晶振動子4の発振状態を測定するための減衰法を利用した測定装置2を示す概略図である。 この発明の実施例を示すもので、この発明によるSCカット水晶振動子4の発振状態を測定するためのアドミッタンス法を利用した測定装置3を示す概略図である。 この発明の実施例を示すもので、図3に示すリレー9をOFFにした場合の波形図である。 この発明の実施例を示すもので、この発明によるSCカット水晶振動子4を用いた圧電センサ6の平面図である。 この発明の実施例を示すもので、図5aに示すA−A線断面図である。 この発明の実施例を示すもので、この発明による製造方法で製造したSCカット水晶振動子4の等価抵抗値R1(Ω)と「電極面積」/「水晶片面積」(%)との関係を示す図である。 この発明の実施例を示すもので、この発明による製造方法で製造したSCカット水晶振動子4の等価抵抗値R1(Ω)と発振強度(dBm)との関係を示す図である。 この発明の実施例を示すもので、圧電センサ6のSCカット水晶振動子4の一方の電極4aの電極面4aaへの液滴の量を調整した状態を示す図である。 この発明の実施例を示すもので、防水性部材17により防水処理をした状態を示す図である。 この発明の実施例を示すもので、この発明によるSCカット水晶振動子4の気相中における発振波形図である。 この発明の実施例を示すもので、この発明によるSCカット水晶振動子4の電極面4aaに載せた液滴が大の場合の発振波形である。 この発明の実施例を示すもので、この発明によるSCカット水晶振動子4の電極面4aaに載せた液滴が中の場合の発振波形である。 この発明の実施例を示すもので、この発明によるSCカット水晶振動子4の電極面4aaに載せた液滴が小の場合の発振波形である。 この発明の実施例を示すもので、液滴の体積(m)と等価抵抗値R1(Ω)との関係を示すグラフである。 この発明の第2の実施例を示すもので、発明者等が製造した両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片21の側面図である。 三方晶系に属する水晶の結晶で、ATカットする場合の結晶軸の取り方を説明する図である。 三方晶系に属する水晶の結晶で、ATカットする場合の結晶軸の取り方を説明する図である。 2回回転水晶振動子として、SCカットの切り出し角度を説明するための図である。 SCカットの水晶振動子の振動モードを示す波形図である。
水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出し、この水晶片の一方の面を研磨して片面コンベックスレンズ形状に形成するとともに、水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング)した後、この水晶片の全表面を鏡面仕上げした片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片1の表面に、複数の電極4a、4b・・・を固定して片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子4を形成する。又、このSCカット水晶振動子4の等価抵抗値R1(Ω)を、150(Ω)以下として、その等価抵抗値R1(Ω)を可能な限り小さくし、又、「電極面積」/「水晶片面積」を、40(%)以上として、液相中でも発振可能となるように片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子4を形成する。さらに、このSCカット水晶振動子4を用いて圧電センサ6を製造する。
圧電センサ6は、基板5の厚み方向に、SCカット水晶振動子4を固定するための凹部13を形成し、この凹部13に封じ板14を配設する。次いで、封じ板14の上面に、導電性接着剤15によりSCカット水晶振動子4の一端部を、封じ板14に気密に封止するとともに、この一端部を固定する。さらに、防水性部材17により、少なくとも基板5から突出しているSCカット水晶振動子4の外周部を被覆することにより、SCカット水晶振動子4の一方の電極面4aaの防水処理を行う。次いで、防水性部材17に貫通孔18を設けて、基板5の表面から突出するSCカット水晶振動子4の他方の電極面4bbのみを測定面として露出させる。この際、貫通孔18の大きさは、等価抵抗値R1(Ω)が150(Ω)以下となるように、及び測定試料の種類により調整する。このようにして、SCカット水晶振動子4を用いた圧電センサ6として用いる。
この発明の第1の実施例を、図1〜図8に基づいて詳細に説明する。
図1は、発明者等が水晶の結晶から切り出した2回回転の場合のSCカット水晶片(θ、φ)の切り出し角度を示す説明図で、θ及びφを、30°≦θ≦40°、0°<φ≦30°の範囲内とした場合には、θは約33°、φは約22°となる。
図2は、発明者等が製造した片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片1の側面図、図3aは、この発明によるSCカット水晶振動子の発振状態を測定するための減衰法による測定装置2を示す概略図、図3bは、アドミッタンス法による測定装置3を示す概略図である。図4は、図3aに示すリレー9をOFFにした場合の発振波形図である。
図5aは、この発明によるSCカット水晶振動子4を用いた圧電センサ6の平面図である。図5bは、図5aに示すA−A線断面図で、この発明によるSCカット水晶振動子4を、基板5に固定した状態を示す要部断面図である。
図6aは、この発明による製造方法で製造したSCカット水晶振動子4の等価抵抗値R1(Ω)と「電極面積」/「水晶片面積」(%)との関係を示す図である。図6bは、等価抵抗値R1(Ω)と発振強度(dBm)との関係を示す図である。
図7aは、この発明の圧電センサ6のSCカット水晶振動子4の一方の電極4aの電極面4aaへの液滴の量を調整した状態を示す図である。図7bは、防水性部材17により防水処理をした状態を示す図である。
図8aは、この発明によるSCカット水晶振動子4の気相中(大気中)の発振波形図である。
図8b、図8c、図8dは、この発明によるSCカット水晶振動子4の液相中の発振波形図で、図8bは、SCカット水晶振動子4の電極面4aaに載せた液滴が大の場合、図8cは、SCカット水晶振動子4の電極面4aaに載せた液滴が中の場合、図8dは、SCカット水晶振動子4の電極面4aaに載せた液滴が小の場合を示している。
図8a〜図8dの発振波形図において、αは信号強度、βは位相を示している。
図9は等価抵抗値(Ω)と液滴体積(mm)との関係を示す図である。
発明者等は、まず、表1に示すように、SCカット水晶振動子4の試作品(A1〜A4)及び試作品B(B1〜B3)を、下記の製造方法で製造した。
Figure 2016082490
図1、表1に示すように、水晶の結晶から外径φが8.7mmのSCカットした円盤型の水晶片を4個(試作品A1〜A4)、外径φが14.0mmの円盤型の水晶片を3個(試作品B1〜B3)それぞれ切り出した。いずれの試作品(A1〜A4、B1〜B3)も2回回転の水晶片(θ、φ)で、上記したように、θは約33°、φは約22°となる。従って、発明者等は、この条件の下で水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出した。
次に、このSCカットした水晶片の一方の面(凸面となる側)を研磨して、曲率半径100R〜200Rの範囲内の片側コンベックスレンズ形状(一方の面は凸面、他方の面は平面となっている凸レンズの形状)に形成した。
次いで、この片面コンベックスレンズ形状の水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング:Beveling)した後、この水晶片の全表面を鏡面仕上げ(ポリッシュ仕上げ)して片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片1を形成した。
なお、この実施例1の場合には、単に、研磨装置に研磨剤を入れて回転させてベベリングしたが、ボールベアリングを用いた方法であってもよい。又、ベベリングするための研磨装置は、内壁の曲率半径が例えば、20R、30R、100R、200R等と各種あり、必要に応じて選択する。
このようにして形成した片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片1の表面に、2つの電極4a、4bを固定して片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子4を形成した。電極4a、4bの材料としては、金、プラチナが主として用いられ、下地としては、クロムCr、チタンTi、マンガンMn等が用いられる。
なお、この際、表1に示すように、片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子4の試作品A(A1〜A3)について、試作品A1には、電極径が6.0mmの電極を、試作品A2には、電極径が4.5mmの電極を、試作品A3には、電極径3が.6mmの電極をそれぞれ固定した。又、試作品B1〜試作品B3には、すべて電極径が8.7mmの電極を固定した。
又、各SCカット水晶振動子4の試作品A(A1〜A3)、試作品B(B1〜B3)に取り付けた「電極面積」と「水晶片面積」との比率を表1に示す。等価抵抗値(Ω)と「電極面積」/「水晶片面積」(%)との関係は、表1及び後述する図6aに示す。
このようにして形成した多くの試作品(片面及び両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子)について、気相中及び液相中で発振するか否かの実験を行った。この実験手法としては、図3aに示す減衰法による測定装置2、あるいは、図3bに示すアドミッタンス法による測定装置3が用いられるが、発明者等は、通常、水晶振動子の性能測定に用いられるアドミッタンス法により行った。
減衰法では、図3aに示すように、片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子4(試作品A、B)は、駆動用のシグナルジェネレータ8により駆動し、SCカット水晶振動子4の共振周波数で発振させた後、リレー9をオフにしてSCカット水晶振動子4をシグナルジェネレータ8から切り離す。このリレー9を切り離すことにより、図4に示すように、時間(横軸)の経過とともに、減衰する発振波形の振幅(縦軸)を、オシロスコープ10で測定し、下記式(1)により減衰カーブを非線形回帰分析(カーブフィッティング)することにより、減衰率ρを算出する。
K(t)=Kexp(−ρt)sin(ωt+φ)+定数・・・・・(3)
ここで、FをSCカット水晶振動子の振動数(周波数)とすると、角周波数ω=2πFである。Kは発振の最大振幅であり、発振エネルギーのパラメータDは、減衰率ρと共振角周波数ω(あるいは共振周波数F)を用いて、下記式(4)により算出することが出来る。
D=2ρ/ω=ρ/πF・・・・・(4)
一方、アドミッタンス法では、SCカット水晶振動子の発振周波数は、ネットワークアナライザ11を介してパソコン12に入力すれば、時間(横軸)の経過に対する発振周波数(縦軸)の変化測定することが出来る。
そこで、多くの試作品について、発明者等は、図3bに示すアドミッタンス法による測定装置3を用いて、気相中(大気中)及び液相中(純水中)における発振の有無を測定した。代表的な試作品(SCカット水晶振動子4)として、水晶片面積の外径(直径)が14mmで、負荷時の等価抵抗値が70Ωの素子を使用した。ネットワークアナライザ11を用いて発振周波数を測定するとともに、発振波形(共振波形)を観測した。
まず、SCカット水晶振動子4をπ冶具に固定した。気相中(大気中)の場合には、SCカット水晶振動子4の両電極4a、4bのそれぞれ電極面4aa、電極面4bbは、いずれも乾燥状態となっている。
なお、SCカット水晶振動子4の一方の電極面4aaのみが乾燥した状態の場合、片側コンベックスレンズ形状に形成したもの、あるいは、ベベリングを行ったもの等、発明者等の製造したすべてのSCカット水晶振動子4が発振することが観測された。なお、この時の等価抵抗値R1は54Ωであった。
次いで、液相中(この実施例では純水中で行った)で発振するか否かの実験を行った。SCカット水晶振動子4全体を液相中に浸した場合、すなわち、両電極面4aa、4bbが完全に濡れた状態となった場合には、発振波形は全く観測出来なかった。又、SCカット水晶振動子4の一部分、あるいは、1/2部分が液相中にある場合も、発振波形は全く観測出来なかった。
そこで、SCカット水晶振動子4の2つの電極面4aa、4bbを一旦完全に乾燥させた後、SCカット水晶振動子4をπ冶具に固定し、次いで、他方の電極面4bbのみに純水の液滴20を載せた状態で発振波形を観測した。その結果を図8b〜図8dに示す。
ここで、測定に使用したSCカット水晶振動子4としては、水晶面の直径φ(mm)=14(mm)、電極面の直径φ(mm)=8.7(mm)のものを使用したので、このSCカット水晶振動子4の「電極面積」/「水晶片面積」)(%)≒40(%)である。
又、電極面4bbに滴下する液滴20が大の場合、液滴直径D(mm)=5.2(mm)、液滴体積V(mm)=73.6(mm)である。液滴20が中の場合、液滴直径D(mm)=3.2(mm)、液滴体積V(mm)=17.1(mm)である。液滴20が小の場合、液滴直径D(mm)=1.9(mm)、液滴体積V(mm)=3.6(mm)である。
又、図9に示すように、発明者等は、さらに、等価抵抗値R1(Ω)と液滴20の体積(mm)との関係を測定した。この結果、液滴20が大きくなるほど、等価抵抗値R1(Ω)は大となる比例関係にあることが判明した。等価抵抗値R1(Ω)は、液滴大の場合、等価抵抗値R1(Ω)=5000(Ω)、液滴中の場合、等価抵抗値R1(Ω)=1700(Ω)、液滴小の場合、等価抵抗値R1(Ω)=900(Ω)であった。
図8b、図8c、図8dは、この発明によるSCカット水晶振動子4の発振波形図で、図8bは、SCカット水晶振動子4の電極面4bbに載せた液滴20が大の場合、図8cは、SCカット水晶振動子4の電極面4bbに載せた液滴20が中の場合、図8dは、SCカット水晶振動子4の電極面4bbに載せた液滴20が小の場合を示している。
図8b、図8cから明らかであるように、液滴20が大の場合と中の場合には、発振しなかったが、図8dに示すように、液滴20が小の場合には、シャープな状態ではないが、なんとか発振波形が得られた。
以上のことから、発明者等は、液滴20の大きさ、即ち、その液滴体積は、液滴小の場合よりさらに小さくするとともに、等価抵抗値R1(Ω)を900(Ω)よりさらに小さくすれば、シャープな発振波形が得られるのではないかと推量した。
そこで、発明者等は、図6aに示すように、この発明による製造方法で製造したSCカット水晶振動子4の等価抵抗値R1(Ω)と「電極面積」/「水晶片面積」(%)との関係を測定した。図中、■は水晶片の外径(水晶面の直径)φ(mm)=14.0(mm)の試作品Bの場合を示し、◆は水晶片の外径(水晶面の直径)φ(mm)=8.7(mm)の試作品Aの場合を示している。なお、図6aに示すように、試作品A(A1〜A3)の測定結果を示す相関式は、Y=46.355X1.151となった。
又、発明者等は、図8aに示すように、この発明によるSCカット水晶振動子4の気相中における発振波形から発振強度(dBm)としては、15(dBm)程度の強度があれば、振動子として十分使用可能であると判断した。そこで、発明者等は、図6bに示すように、等価抵抗値(Ω)と発振強度(dBm)との関係を測定した。図中、◆は試作品Aの場合を示す。なお、相関式はY=4584ε-0.239xとなった。
この図から明らかなように、発振強度(dBm)が15(dBm)の時、等価抵抗値R1(Ω)は150(Ω)となった。一方、等価抵抗値R1(Ω)が150(Ω)の時、図6aに示すように、「電極面積」/「水晶片面積」(%)は、約40%であった。従って、等価抵抗値R1(Ω)≒150(Ω)以下、「電極面積」/「水晶片面積」(%)=40(%)以上であれば、理想的な発振波形が得られると推量した。
なお、ベベリングした面の曲率半径20Rである試作品B2(水晶片の外径φ=14.0(mm))の場合、図6a中に▲印で示すように、理想的な発振状態は、「電極面積」/「水晶片面積」(%)=40(%)、等価抵抗値R1(Ω)=50(Ω)となっている。
このように、発明者等は、多くの試作品について施行錯誤を行った結果、以下のような結論に達した。
SCカット水晶振動子4の両電極面4aa、4bbが濡れた状態(液相中)では、SCカット水晶振動子4は全く発振しないが、一方の電極面4aaが乾燥した状態の場合には発振する事。又、「表1」に示すように、発振回路の負荷時の等価抵抗値R1(Ω)が大きい場合にも十分発振させることは出来ないが、図6aに示すように、「電極面積」/「水晶片面積」(%)が40(%)以上であって、その時の等価抵抗値R1(Ω)≒150(Ω)以下の場合には、気相中の場合は勿論の事、液相中の場合でもこの発明によるSCカット水晶振動子4を確実に発振させることが出来るとの結論に達した。
なお、気相中では、等価抵抗値R1(Ω)が、200〜300(Ω)未満の場合に良好な発振波形が得られるとの結論にも達した。
上記結論に基づいて、図5a〜図5bに示すように、例えば、QCMのセンサ(圧電センサ)として使用するために、発明者等は、この発明によるSCカット水晶振動子4を用いた圧電センサ6を試作した。
図5aは、この発明によるSCカット水晶振動子4を用いた圧電センサ6の平面図である。図5bは、図5aに示すA−A線断面図であり、この発明によるSCカット水晶振動子4を用いた圧電センサ6の要部断面図で、SCカット水晶振動子4を基板5に固定するとともに、一方の電極面4bbが防水処理された状態を示している。
図5a〜図5bにおいて、基板5の上面には、SCカット水晶振動子4を搭載するための凹部13が形成されている。凹部13の内部には、封じ板14が配設されており、この封じ板14の上面には、導電性接着剤15によりSCカット水晶振動子4の一端部が気密に封止されているとともに、封じ板14に固定される。この状態で、SCカット水晶振動子4は、基板5の上面から突出した状態となっている。16は配線で、この配線16の一端部は、導電性接着剤15によりSCカット水晶振動子4の電極4a、4bに電気的及び機械的に接続され、配線16の他端部は、外部装置(図示せず)への出力端となっている。
なお、凹部13に封じ板14を配設した場合、この封じ板14の上面とSCカット水晶振動子4の一端部との間隙19に、配線16を配設する際、製造工程が容易になる効果がある。しかしながら、この実施例では、封じ板14を設けているが、封じ板14は必ずしも必要ではない。従って、封じ板14を用いない場合には、基板5の凹部13の深さ方向を浅く形成するとともに、SCカット水晶振動子4を基板5の凹部13の底面に、導電性接着剤15により直接固定される。
次に、図7aに示すように、少なくとも基板5から突出しているSCカット水晶振動子4の外周部と導電性接着剤15で基板5に固定されている固定箇所を、例えば、防水効果のあるシリコン系樹脂等の防水性部材17で被覆することにより、SCカット水晶振動子4の一方の電極4aの電極面4aaの防水処理を行っている。なお、図7bに示すように、防水性部材17により、SCカット水晶振動子4及び基板5迄も含んで全体的に被覆してもよい。
次いで、基板5から突出しているSCカット水晶振動子4の他方の電極4bの電極面4bb(測定面)が、一部分露出するように、防水性部材17に貫通孔18を設ける。従って、一方の電極面4aaは完全に乾燥した状態に保持され、他方の電極面4bbの一部分は、貫通孔18を介して露出した状態となり、この露出した部分が、測定面として利用される。なお、貫通孔18の大きさは、等価抵抗値R1(Ω)が150(Ω)となるように測定試料の種類により調整することが出来る。即ち、測定面に滴下される液滴20の大小(体積の大小)を調整することが出来る。このようにして、SCカット水晶振動子4を用いた圧電センサ6を形成することが出来る。
なお、導電性接着剤15及び防水性部材17としては、粘度40Pa・S以上のものが適している。又、導電性接着剤15としては、導電性が良く、表面張力の大きな材料が適している。
このように構成されているので、SCカット水晶振動子4の一端部は、導電性接着剤15により、封じ板14に気密に封止されているとともに、この封じ板14に固定されている。従って、気密に取り付けるための遮蔽用のパッキング等は不必要となり、そのぶん部品点数及び製造工程数を削減することが出来る。
又、基板5の上面から突出しているSCカット水晶振動子4の外周部は、防水性部材17で被覆されているので、この防水性部材17がSCカット水晶振動子4を保護するための容器としての役割を果たすので、保護容器等は不必要である。その上、防水性部材17に貫通孔18を設けることにより、SCカット水晶振動子4の測定面となる電極面4bbを露出させる構成となっているので、測定試料等を測定面に導くための特別な容器等も不必要である。又、貫通孔18の大きさを調整することにより、等価抵抗値R1(Ω)が150(Ω)以下となるように調整することが出来る。従って、測定試料の性質に応じて貫通孔18の大きさを調整することが出来るので、常に理想的な発振波形が得られる。
次いで、発明者等は、図5a及び図5bに示す構造のSCカット水晶振動子4を用いた圧電センサ6を用いて、気相中及び液相中における発振波形を観測した。その結果を図8a〜図8dに示す。
図8aは、大気中(気相中)における測定結果を示す発振波形図である。使用したSCカット水晶振動子4は、水晶片の外径14.0(mm)、等価抵抗値R1(Ω)は54(Ω)で、一方の電極面4aa及び他方の電極面4bb(測定面)は、いずれも完全に乾燥した状態となっている。図8aから明らかであるように、気相中では、完全な発振波形が得られた。
図8bは、液相中における発振波形を示すもので、貫通孔18から液滴20として液滴大(体積73.6mm、直径5.2mm)を測定面に滴下した場合を示す。この時の等価抵抗値R1(Ω)は5000(Ω)で、一方の電極面4aaは、完全に乾燥した状態となっているが、他方の電極面4bb(測定面)は、液滴大により完全に濡れた状態となっている。この場合には、図8bに示すように、液相中では、全く発振していない。
図8cは、液相中における発振波形を示すもので、貫通孔18から液滴20として液滴中(体積17.1mm、直径3.2mm)を測定面に滴下した場合を示す。この時の等価抵抗値R1(Ω)は1700(Ω)であり、一方の電極面4aaは、完全に乾燥した状態となっているが、他方の電極面4bb(測定面)は、液滴中により完全に濡れた状態となっている。この場合には、図8cに示すように、液相中では、全く発振していない。
図8dは、液相中における発振波形を示すもので、貫通孔18から液滴20として液滴小(体積3.6m、直径1.9mm)を測定面に滴下した場合を示す。この時の等価抵抗値R1(Ω)は900(Ω)であり、一方の電極面4aaは、完全に乾燥した状態となっているが、他方の電極面4bb(測定面)は、液滴小により濡れた状態となっている。図8dに示すように、液相中で発振することが判明した。なお、液滴20の量を調整して等価抵抗値R1(Ω)を150(Ω)とすると、発振波形は、気相中の場合と同様に、シャープになった。
図8a〜図8d及び図9に示す測定結果から、発明者等は、液相中で発振させるためには、等価抵抗値R1(Ω)は150(Ω)以下であることが望ましく、又、SCカット水晶片の電極面積と水晶片の表面積との関係(「電極面積」/「水晶片面積」)(%)は、40(%)以上であることが望ましとの結論に達した。
この発明の第2の実施例を、図10に基づいて説明する。
実施例1では、片面コンベックレンズ形状のSCカット水晶振動子4であるが、この実施例2の場合には、SCカット水晶振動子24は両面コンベックスレンズ形状である。
まず、発明者等は、上記実施例1の場合と同様に、水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出した。次いで、この切り出したSCカットした水晶片の両面を研磨して両面コンベックスレンズ形状に形成した。
次いで、図10に示すように、両面コンベックスレンズ形状の水晶片の全表面を鏡面仕上げして両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片21を形成した。このようにして形成した両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片21の表面に、2つの電極(図示せず)を固定して両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子24を形成した。
次に、両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片21の表面に、2つの電極を固定して両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子24を形成した。なお、電極等の材料等については、実施例1と同様である。又、SCカット水晶振動子24の等価抵抗値は、実施例1の場合と同様に、可能な限り小さくした。このようにすることにより、液相中でも発振可能な両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子24を形成した。
発明者等は、このようにして形成した両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子24の試作品について、実施例1と同様に、発振波形の観測を行った結果、ほぼ実施例1と同様な結果が得られた。
この発明による水晶振動子4は、水晶発振回路として時計、通信機器、コンピュータなどに広く利用することが出来るとともに、液相中でも発振するので、バイオセンサーとしても有用である。従って、医療診断システムを構築する際、電解質分析装置や血液ガス分析装置等に用いることが出来る。又、水晶振動子マイクロバランサ(QCM)として、さらに、酵素センサーシステム、微生物センサーシステム、免疫センサーシステム等を構築する際、水晶振動子をトランスジューサとしてQCM法に用いることが出来る等幅広い利用分野がある。
1、21 SCカット水晶片
4、24 SCカット水晶振動子
4a、4b SCカット水晶振動子4の電極
4aa、4bb 電極4a、4bの電極面
5 基板
6 圧電センサ
13 基板5の凹部
14 封じ板
15 導電性接着剤
17 防水性部材
18 貫通孔

Claims (18)

  1. 水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出し、
    この水晶片の一方の面を研磨して片面コンベックスレンズ形状に形成し、
    この片面コンベックスレンズ形状の水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング)するとともに、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片を形成し、
    この片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、複数の電極を固定して片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を形成し、
    このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成したこと
    を特徴とするSCカット水晶振動子の製造方法。
  2. 水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出し、
    この水晶片の両面を研磨して両面コンベックスレンズ形状に形成し、
    この両面コンベックスレンズ形状の前記水晶片の全表面を鏡面仕上げして両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片を形成し、
    この両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、複数の電極を固定して両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を形成し、
    このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成したこと
    を特徴とするSCカット水晶振動子の製造方法。
  3. 前記SCカット水晶振動子の等価抵抗値は、液相中で150(Ω)以下としたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項2の何れかに記載のSCカット水晶振動子の製造方法。
  4. 前記SCカット水晶片の電極面積と水晶片の表面積との関係(「電極面積」/「水晶片面積」)は、40(%)以上としたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のSCカット水晶振動子の製造方法。
  5. 水晶の結晶からSCカットした水晶片と、
    この水晶片の一方の面を研磨して片面コンベックスレンズ形状に形成され、この水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング)するとともに、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして形成した片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片と、
    この片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、固定された複数の電極を有する片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を備え、
    このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成したこと
    を特徴とするSCカット水晶振動子。
  6. 水晶の結晶からSCカットした水晶片と、
    この水晶片の両面を研磨して両面コンベックスレンズ形状に形成され、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして形成した両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片と、
    この両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、固定された複数の電極を有する両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を備え、
    このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成したこと
    を特徴とするSCカット水晶振動子。
  7. 前記SCカット水晶振動子の等価抵抗値は、液相中で150(Ω)以下としたこと
    を特徴とする請求項5〜請求項6の何れかに記載のSCカット水晶振動子。
  8. 前記SCカット水晶片の電極面積と水晶片の表面積との関係(「電極面積」/「水晶片面積」)は、40(%)以上としたこと
    を特徴とする請求項5〜請求項7の何れかに記載のSCカット水晶振動子。
  9. SCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法において、
    水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出し、
    この水晶片の一方の面を研磨して片面コンベックスレンズ形状に形成し、
    この片面コンベックスレンズ形状の水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング)するとともに、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片を形成し、
    この片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、複数の電極を固定して片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を形成し、
    このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成し、
    基板の厚み方向に、SCカット水晶振動子を固定するための凹部を形成し、
    この凹部に、導電性接着剤により前記SCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、前記基板に固定し、
    少なくとも前記基板から突出する前記SCカット水晶振動子の外周部を防水性部材で被覆することにより、SCカット水晶振動子の一方の電極面の防水処理を行い、
    次いで、前記基板から突出する前記SCカット水晶振動子の他方の電極面のみが測定面として露出するように、前記防水性部材に貫通孔を設けるとともに、この貫通孔の大きさを、前記SCカット水晶振動子の等価抵抗値及び測定試料に基づいて調整すること
    を特徴とするSCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法。
  10. SCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法において、
    水晶の結晶からSCカットした水晶片を切り出し、
    この水晶片の両面を研磨して両面コンベックスレンズ形状に形成し、
    この両面コンベックスレンズ形状の前記水晶片の全表面を鏡面仕上げして両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片を形成し、
    この両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、複数の電極を固定して両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を形成し、
    このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成し、
    基板の厚み方向に、SCカット水晶振動子を固定するための凹部を形成し、
    この凹部に、導電性接着剤により前記SCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、前記基板に固定し、
    少なくとも前記基板から突出する前記SCカット水晶振動子の外周部を防水性部材で被覆することにより、SCカット水晶振動子の一方の電極面の防水処理を行い、
    次いで、前記基板から突出する前記SCカット水晶振動子の他方の電極面のみが測定面として露出するように、前記防水性部材に貫通孔を設けるとともに、この貫通孔の大きさを、前記SCカット水晶振動子の等価抵抗値及び測定試料に基づいて調整すること
    を特徴とするSCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法。
  11. 前記SCカット水晶振動子の等価抵抗値は、液相中で150(Ω)以下としたこと
    を特徴とする請求項9〜請求項10の何れかに記載のSCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法。
  12. 前記SCカット水晶片の電極面積と水晶片の表面積との関係(「電極面積」/「水晶片面積」)は、40(%)以上としたこと
    を特徴とする請求項9〜請求項11の何れかに記載のSCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法。
  13. SCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法において、
    前記基板の凹部底面に、封じ板を配設するとともに、この封じ板の上面に、前記導電性接着剤により前記SCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、前記封じ板に固定したこと
    を特徴とする請求項9〜請求項12の何れかに記載のSCカット水晶振動子を用いた圧電センサの製造方法。
  14. SCカット水晶振動子を用いた圧電センサにおいて、
    水晶の結晶からSCカットした水晶片と、
    この水晶片の一方の面を研磨して片面コンベックスレンズ形状に形成され、この水晶片の他方の面(平面側)の角部を面取り(ベベリング)するとともに、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして形成した片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片と、
    この片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、固定された複数の電極を有する片面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を備え、
    このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成し、
    厚み方向に、SCカット水晶振動子を固定するための凹部を形成した基板と、
    前記凹部に、前記SCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、前記基板に固定するための導電性接着剤と、
    少なくとも前記基板から突出する前記SCカット水晶振動子の外周部を被覆することにより、前記SCカット水晶振動子の一方の電極面の防水処理を行う防水性部材と、
    前記基板から突出する前記SCカット水晶振動子の他方の電極面のみを測定面として露出させるために、前記防水性部材に設けた貫通孔と備え、
    この貫通孔の大きさを、前記SCカット水晶振動子の等価抵抗値及び測定試料に基づいて調整可能としたこと
    を特徴とするSCカット水晶振動子を用いた圧電センサ。
  15. SCカット水晶振動子を用いた圧電センサにおいて、
    水晶の結晶からSCカットした水晶片と、
    この水晶片の両面を研磨して両面コンベックスレンズ形状に形成され、この水晶片の全表面を鏡面仕上げして形成した両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片と、
    この両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶片の表面に、固定された複数の電極を有する両面コンベックスレンズ形状のSCカット水晶振動子を備え、
    このSCカット水晶振動子の等価抵抗値を、液相中でも発振可能となるように形成し、
    厚み方向に、SCカット水晶振動子を固定するための凹部を形成した基板と、
    前記凹部に、前記SCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、前記基板に固定するための導電性接着剤と、
    少なくとも前記基板から突出する前記SCカット水晶振動子の外周部を被覆することにより、前記SCカット水晶振動子の一方の電極面の防水処理を行う防水性部材と、
    前記基板から突出する前記SCカット水晶振動子の他方の電極面のみを測定面として露出させるために、前記防水性部材に設けた貫通孔と備え、
    この貫通孔の大きさを、前記SCカット水晶振動子の等価抵抗値及び測定試料に基づいて調整可能としたこと
    を特徴とするSCカット水晶振動子を用いた圧電センサ。
  16. 前記SCカット水晶振動子の等価抵抗値は、液相中で150(Ω)以下としたこと
    を特徴とする請求項14〜請求項15の何れかに記載のSCカット水晶振動子を用いた圧電センサ。
  17. 前記SCカット水晶片の電極面積と水晶片の表面積との関係(「電極面積」/「水晶片面積」)は、40(%)以上としたこと
    を特徴とする請求項14〜請求項16の何れかに記載のSCカット水晶振動子を用いた圧電センサ。
  18. SCカット水晶振動子を用いた圧電センサにおいて、
    前記基板の凹部に配設し、上面に前記導電性接着剤により前記SCカット水晶振動子の一端を気密に封止するとともに、固定するための封じ板を設けたこと
    を特徴とする請求項14〜請求項17の何れかに記載のSCカット水晶振動子を用いた圧電センサ。
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