JP2016081937A - 積層型電子部品およびその実装構造体 - Google Patents

積層型電子部品およびその実装構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】基板上に実装した際に音鳴りを低減できる積層型電子部品およびその実装構造体を提供する。
【解決手段】誘電体層4と内部電極層5とが交互に積層された有効層6を有する積層体2と、積層体2の外表面に設けられ、内部電極層5と電気的に接続された外部電極3と、により構成される積層型電子部品の、誘電体層4と内部電極層5の積層方向に位置する一対の主面のうちいずれか一方を第1の主面7としたとき、積層体2が、有効層6よりも第1の主面7側に、有効層6よりも低いヤング率を有する低ヤング率層8を備える。このような積層型電子部品を、第1の主面7と基板12の実装面とが対向するように基板12に実装する。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型電子部品およびその実装構造体に関する。
誘電体層と内部電極層とが積層されてなる積層型の電子部品では、電子部品に直流電圧と交流電圧が同時に印加されると、電圧による電歪効果から誘電体層に歪みが発生し、電子部品自体が振動する。この電子部品の振動により、電子部品が半田等により実装されている基板が振動し、基板が可聴域の共振周波数で共振した際に「音鳴り」と呼ばれる振動音が発生する。
このような「音鳴り」を低減するため、電子部品自体の歪みを抑制し振動を低減する方法(たとえば電歪効果の小さい低誘電率材料を用いる、内部電極パターンにより電歪効果を抑えるなど)や、電子部品の振動を吸収し基板への伝達を抑制する方法(たとえば金属端子、リードにより振動を吸収する、半田フィレットの高さを規定するなど)が提案されている。たとえば、特許文献1では、コンデンサの振動の伝搬媒体である導電性材料が、コンデンサの最も振動する部分から離れた実装構造とすることにより、振動が回路基板に伝搬されにくくなることが開示されている。
特開2013−065820号公報
しかしながら、電子部品自体の歪みを抑制する場合は、材料の誘電率が低い、容量発現領域が小さくなるなどの理由から、たとえばコンデンサなどの場合は容量が確保できないという課題があった。また、金属端子やリードにより振動を吸収する場合や、特許文献1に記載されたような実装構造でも、製造工程や実装工程が複雑化する割に充分な振動の減衰効果が得られないという課題があった。
本発明は上記の課題に鑑みなされたもので、基板上に実装した際に音鳴りを低減できる積層型電子部品およびその実装構造体を提供することを目的とする。
本発明の積層型電子部品は、誘電体層と内部電極層とが交互に積層された有効層を備える積層体と、該積層体の外表面に設けられ、前記内部電極と電気的に接続された外部電極と、を備える積層型電子部品であって、前記誘電体層と前記内部電極層の積層方向に位置する、前記積層型電子部品の一対の主面のうちいずれか一方を第1の主面としたとき、前記積層体が、前記有効層よりも前記第1の主面側に、前記有効層よりも低いヤング率を有する低ヤング率層を備えることを特徴とする。
本発明の積層型電子部品の実装構造体は、基板の実装面に上述の積層型電子部品を接合してなり、該積層型電子部品の前記第1の主面側が、前記実装面に対向していることを特徴とする。
本発明によれば、基板上に実装した際に音鳴りを低減できる積層型電子部品およびその
実装構造体を提供することができる。
本発明の第1の実施形態における積層型電子部品を示す、(a)は斜視図、(b)は第1の主面側からみた平面図、(c)は(b)のA1−A1線断面図である。 本発明の第1の実施形態における積層型電子部品を基板実装した実装構造体を示す、図1(b)のA1−A1線断面図である。 本発明の第1の実施形態の積層型電子部品単体の、振動モード解析に使用した有限要素法のモデルの模式図である。 本発明の第1の実施形態の積層型電子部品単体の、10kHzにおける振動モードの計算結果を示す斜視図であって、(a)は対称面側からみた図、(b)は表面側からみた図である。 本発明の第1の実施形態の積層型電子部品単体における振動モードの節状部を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態における積層型電子部品を示す、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図、(c)は第1の主面側からみた平面図である。 本発明の第2の実施形態における積層型電子部品の各部の寸法を示す、第1の主面側からみた平面図である。 本発明の第2の実施形態における積層型電子部品を基板実装した実装構造体を示す、図6(c)のA2−A2線断面図である。 本発明の第3の実施形態における積層型電子部品を示す、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図、(c)は第1の主面側からみた平面図である。 本発明の第3の実施形態における積層型電子部品を基板実装した実装構造体を示す、(a)は図9(c)のA3−A3線断面図、(b)は図9(c)のB3−B3線断面図である。 本発明の第3の実施形態における積層型電子部品の各部の寸法を示す、第1の主面側からみた平面図である。 従来の積層型電子部品を示す(a)は斜視図、(b)は座標軸のz軸方向からみた平面図、(c)は積層型電子部品を基板に実装した従来の実装構造体を示す、(b)のA4−A4線断面図である。 音圧レベルの測定装置の概略図である。 従来の実装構造体における積層セラミックコンデンサの音鳴りの(a)実測した音圧レベルを示すグラフ、および(b)シミュレーションにより得られた音圧レベル示すグラフである。 従来の積層セラミックコンデンサ単体に4VのDCバイアスを印加した場合のインピーダンス測定結果を示すグラフである。 従来の積層セラミックコンデンサ単体の、インピーダンスのシミュレーションおよび振動モード解析に使用した有限要素法のモデルの模式図である。 従来の積層セラミックコンデンサ単体の、10kHzにおける振動モードの計算結果を示す斜視図であって、(a)は対称面側からみた図、(b)は表面側からみた図である。
本発明の積層型電子部品およびその実装構造体について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図面においては、同じ部材、部分に関しては共通の符号を用い、重複する説明は省略する。図面によっては、一部の符号を省略したものもある。また、各図面には、説明を容易にするためにxyzの座標軸を付した。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態である積層型電子部品は、図1(a)〜(c)に示すように積
層体2と、その両端部の外表面に設けられた外部電極3とを備えている。
積層体2は、図1(c)に示すように、複数の誘電体層4と複数の内部電極層5とが交互に積層された有効層6を有し、内部電極層5は、積層体2の両端部のいずれか一方において外部電極3と電気的に接続している。なお、図1(c)に示した誘電体層4および内部電極層5の構造は模式的なものであり、実際には数層〜数百層の誘電体層4と内部電極層5とが積層されたものが多く用いられる。これは、後述する他の形態についても同様である。なお、誘電体層4と内部電極層5の積層方向は座標軸のz軸方向と一致するものとする。
本実施形態の積層型電子部品においては、積層方向(z軸方向)に位置する、前記積層型電子部品の一対の主面のうちいずれか一方を第1の主面7としたとき、積層体2が、有効層6よりも第1の主面7側に、有効層6よりも低いヤング率を有する低ヤング率層8を備えている。換言すれば、積層体2は、有効層6の第1の主面7側に低ヤング率層8を積層して構成されている。
図1では、さらに有効層6の、第1の主面7とは反対側の主面にカバー層が積層されている。また、低ヤング率層8は、第1の主面7側に積層されたカバー層のうちの一層であってもよく、複数の層であってもよい。
なお、ヤング率は材料毎に固有の値を有していると考えてよく、有効層6および低ヤング率層8のヤング率の大小関係はそれぞれ有効層6および低ヤング率層8を構成する材料を確認することで判断できる。また、有効層6および低ヤング率層8のヤング率を、ナノインデンテーション法などにより直接測定してもよい。
さらに、必要に応じ、有効層6を構成する材料を用いて作製したバルク体、および低ヤング率層8を構成する材料を用いて作製したバルク体のヤング率を、引張り試験による応力−歪み測定等によりそれぞれ計測してもよい。
なお、一般的に、有効層6のヤング率は内部電極層5の影響により異方性を有する、ここでいう有効層6のヤング率とは、積層面方向の引張りや圧縮に対するヤング率を意味するものとする。
また、積層型電子部品のインピーダンスを測定するととともに、積層型電子部品の各構成要素(誘電体層4、低ヤング率層8などのカバー層、内部電極層5、外部電極3など)の材料組成や結晶構造を分析し、得られた材料情報を基に、各材料のバルク体における材料パラメータを用いて、後述するような方法でシミュレーションを行い、インピーダンスの共振周波数、帯域をフィッティングすることで、各構成要素のヤング率をさらに精度よく評価することもできる。
本実施形態の積層型電子部品の実装構造体について説明する。本実施形態の積層型電子部品の実装構造体においては、図2に示すように、積層型電子部品と、基板12上のランドパターン13とが、第1の主面7と基板12の実装面とが対向するように接合されている。なお、基板12の実装面に垂直な方向(z軸方向)から平面視したとき、積層型電子部品の輪郭とランドパターン13とが重ならない、すなわち積層型電子部品の輪郭の外側にランドパターン13が位置するように配置することが好ましい。
一方、従来の積層型電子部品は、図12(a)に示すように直方体状の積層体102と、その両端部の外表面に設けられた外部電極103と、を備えている。図12(b)は、図12(a)のz軸方向から見た平面図であり、図12(c)は、基板12に実装した積
層型電子部品の従来の実装構造体を示す、図12(b)のA4−A4線断面図である。
積層体102は、図12(c)に示すように誘電体層104と内部電極層105とが交互に積層されたものであって、内部電極層105は、積層体102の両端部のいずれか一方において外部電極103と電気的に接続している。
例えば積層型電子部品の一つである積層セラミックコンデンサは、誘電体層104としてチタン酸バリウムなどの強誘電性を有する材料を用い、内部電極層105としてNiなどの金属材料を用いている。また、外部電極103は、通常、下地電極としてCuペーストを焼き付け、その表面にNiおよびSnめっきを施したものを用いている。
従来の積層型電子部品においては、図12(c)に示すように外部電極103と、基板12上のランドパターン13とが、半田114を介して電気的に接続された状態で固定される。半田114は、外部電極103とランドパターン13の間の隙間を埋めるとともに、積層体102の端面と、側面および上下面の一部を被覆する外部電極103をさらに被覆している。
このような状態で実装された積層セラミックコンデンサに、直流電圧(DCバイアス)とともに交流電圧が印加されると、直流電圧による電歪効果のため誘電体層104に圧電的な性質が生じ、交流電圧により圧電振動が発生する。さらに、積層セラミックコンデンサの圧電振動が半田114を介して基板12に伝わって基板12が振動し、基板12が可聴域の共振周波数で共振した際に「音鳴り」と呼ばれる振動音が発生する。
一例として、従来の積層型電子部品である積層セラミックコンデンサを基板12に実装した、従来の実装構造体の場合の音鳴りを測定した。測定には、積層セラミックコンデンサとして1005型の積層セラミックコンデンサ(容量10μF、定格電圧4V、以下、評価部品ともいう)、基板12としては100×40mm、厚さ0.8mmのFR材からなるものを用いた。基板12のランドパターン13は、対向するパッドの間隔を0.7mmとした。
積層セラミックコンデンサは、Sn−Ag−Cu(SAC)系の半田を用いて基板12の中央に実装した。評価部品を基板12に実装した後、実装状態をマイクロスコープにて観察し、半田114のフィレット高さが460μm、基板12と評価部品との間隔Cが45μmであることを確認した。
測定は、図13に示すような音圧レベルの測定装置を用いて行った。評価部品を基板12に実装した実装基板21(以下、単に実装基板ともいう)を無響箱22(内寸600×700mm、高さ600mm)内に設置し、基板12の中央から基板12に垂直な方向に3mm離間した位置に設置した集音マイク23により音鳴りを集音し、アンプ24およびFETアナライザ25(小野測器製 DS2100)で、集音された音の音圧レベルを測定した。積層セラミックコンデンサに対して4Vの直流電圧(DCバイアス)および20Hz〜20kHz、1Vp−pの交流電圧を印加した際の音鳴り測定結果を図14(a)に示す。
なお、図14(a)においては、音圧レベルをA特性音圧レベル(dBA)で示しており、0dBAは人間が音として聞こえる最低の音圧レベルに相当する。これは人間の聴覚に近くなるように周波数毎に重み付けされた音圧レベルであり、サウンドレベルメータ(騒音計)の規格(JISC1509−1:2005)に記載されている。
次に、積層セラミックコンデンサ単体の圧電振動についてシミュレーションを行った。
まず、評価部品に、4Vの直流電圧(DCバイアス)を印加した状態でインピーダンスを測定した。測定結果を図15に示す。
また、評価部品に基くモデル(誘電体材料:チタン酸バリウム系材料、内部電極:Ni、外部電極:Cu、積層体寸法:1100×620×620μm、外部電極厚み20μm)を用いてインピーダンスのシミュレーションを行った。2GHz以上の周波数領域に存在する圧電共振ピークについて、測定した実測値に合致するように、評価部品の材料パラメータのフィッティングを行った。図16はインピーダンスのシミュレーションに使用した有限要素法のモデルを模式的に示したものである。これは、対称性を考慮した1/8モデルであり、図16の前面に現れている2つの断面、および下側の断面は対称面である。
フィッティングにより得られた誘電体層104のパラメータ(弾性スティフネスcijおよび圧電定数eij)を表1に示す。表1より、評価部品の誘電体層104の材料特性には異方性(c11>c33、c22>c33)があることがわかる。これは、内部電極層105による圧縮応力に起因するものと考えられる。
得られた誘電体層104のパラメータと、測定に用いた実装基板21(フィレット高さ460μm、基板と評価部品との間隔45μm)に基いて、実装構造体のモデルを作成し、シミュレーションを行った。図14(b)は、シミュレーションによって得られた実装基板21の振動振幅を、A特性音圧レベルに換算した結果を示すグラフである。音鳴りの周波数特性は、評価部品の振動特性と実装基板21の共振モードに依存することから、図14(b)に示すシミュレーションの結果は、図14(a)に示す実測値と、特に音圧の高い10kHz以下の低周波数領域において、音圧レベル、周波数特性のいずれもよく一致していた。したがって、このパラメータを用いてシミュレーションを行うことで、実装
構造体や評価部品自体の構造を変化させたときの音鳴りに対する影響が確認できる。
また、得られたパラメータを用いて、評価部品の可聴周波数領域(20Hz〜20kHz)における振動モードを、上述の1/8モデルを用いて計算した。10kHzにおける計算結果を図17に示す。なお、図17(a)は、1/8モデルの内部側(対称面側)からみたものであり、図17(b)は、図17(a)の反対側、すなわち1/8モデルの外部側(表面側)からみたものである。ここで、破線は交流電圧を印加していない状態の評価部品の形状を示し、実線は交流電圧により最大に変位した状態の評価部品の形状を示している。この結果から、可聴周波数領域において評価部品は、積層面方向には拡がり振動を、厚み方向(積層方向)には伸縮振動をしていることがわかる。
したがって、積層型電子部品において、積層面方向における拡がり振動を抑制できる構造とすることで、積層型電子部品を基板12に実装した際、基板12への積層型電子部品の圧電振動の伝播が抑制され、音鳴りを低減できると考えられる。
積層面方向における拡がり振動を抑制するには、本実施形態のように積層体2の有効層6よりも第1の主面7側(基板12に近い側の主面)に、有効層6よりも低いヤング率を有する低ヤング率層8を設けた積層型電子部品を、当該積層型電子部品の第1の主面7側が、基板12の実装面に対向するように、基板12に実装すればよい。低ヤング率層8により、基板12に固定される第1の主面7側における積層型電子部品の拡がり振動が抑制され、音鳴りを低減できる。
この時、積層方向に位置する積層型電子部品の他方の主面(第1の主面7の反対側に位置する主面、以下、第2の主面という)においては、有効層6よりも第2の主面側に、有効層6と同等なヤング率、または有効層6よりも高いヤング率を有する層を備えることが好ましい。積層型電子部品において、基板12に固定される側と反対側である第2の主面側に位置する層を、有効層6と同等またはそれよりも高いヤング率を有する層とすることで、積層型電子部品の第2の主面側に振動エネルギーが集中しやすくなり、第1の主面7側における積層型電子部品の拡がり振動をよりいっそう抑制することができる。
低ヤング率層8を設けた本実施形態の積層型電子部品をモデル化し、従来の積層型電子部品の場合と同様、振動モードの計算を行った。材料、外形寸法等は、従来の積層型電子部品の場合と同様(誘電体材料:チタン酸バリウム系材料、内部電極:Ni、外部電極:Cu、積層体寸法:1100×620×620μm、外部電極厚み20μm)とし、上述の1/8モデルにかえて、有効層6の第1の主面7側の一部を低ヤング率層8に置き換えた構造で対称性を考慮した1/4モデル(図3)を用いた。
10kHzにおける振動モードのシミュレーション結果を図4に示す。図4(a)は、1/4モデルの内部側(対称面側)からみたものであり、図4(b)は、図4(a)の反対側、すなわち1/4モデルの外部側(表面側)からみたものである。破線は交流電圧を印加していない状態の積層型電子部品の形状を示し、実線は交流電圧により最大に変異した状態の積層型電子部品の形状を示している。
ここで、積層型電子部品の第1の主面7において、積層体2および外部電極3により構成され、互いに対向する二対の辺部のうち、いずれか一方を第1の辺部10、他方を第2の辺部11とし、第1の辺部10の長さをL1、第2の辺部11の長さをL2としたとき、L1≦L2が成立するものとする。
また、第1の主面7に隣接する積層型電子部品の側面のうち、第1の辺部10と接する一対の側面を第1の側面、第2の辺部11と接する一対の側面を第2の側面と称する。
図4によれば、本実施形態においては、第1の側面(長手方向の両端部に位置する側面)の第1の主面側、すなわち低ヤング率層8により構成される部位に、振動振幅が小さい領域(振動の節、以下、節状部という)15が存在し、さらにその領域が評価部品の場合と比較して大きいことがわかる。また、第2の側面の第1の主面側の両端部、および第1の主面側の頂点部およびその周囲にも節状部が存在する。図5に本実施形態における節状部15の位置関係を模式的に示す。
このような積層型電子部品の節状部15を介して、積層型電子部品を基板12に固定することで、基板12への積層型電子部品自体の圧電振動の伝播が抑制され、音鳴りを低減できる。
本実施形態の以下のようなモデルを用いて、音鳴りのシミュレーションを行った。積層体2の外形および外部電極3に関わる条件は、前述の評価部品の音鳴りのシミュレーションと同様(誘電体材料:チタン酸バリウム系材料、内部電極:Ni、外部電極:Cu、積層体寸法:1115×625×823μm、外部電極厚み25μm)とした。低ヤング率層8の材料はチタン酸バリウム系の低密度材料(気孔率1%、ヤング率90GPa)とし、低ヤング率層8の厚さT1を228μmとした。また、第1の主面7の長さ675μmの一対の辺部を第1の辺部10、長さ1165μmの一対の辺部を第2の辺部11とした。また、基板12は、ランドパターン13の対向するパッドの間隔を1.2mmとした。
本実施形態の積層型電子部品は、Sn−Ag−Cu(SAC)系の半田を用いて基板12の中央に実装した。積層型電子部品を基板12に実装した後、実装状態をマイクロスコープにて観察し、半田14のフィレット高さが370μm、基板12と積層型電子部品との間隔Cが45μmであることを確認した。
得られた結果を5Hz〜20kHzの周波数領域にわたって平均すると、本実施形態における音圧レベルの平均値は、前述の評価部品の場合、すなわち従来の実装構造体に対して17dBA低減された結果となった。
低ヤング率層8は、積層体2の第1の主面7側の最外層であってもよいが、低ヤング率層8のさらに外側に他の層が存在しても構わない。また、図1(c)に示すように、積層体2の積層方向において、積層体2の厚さをT0、低ヤング率層8の厚さをT1としたとき、T1のT0に対する比率(T1/T0)は0.2以上とすることが好ましい。T1/T0を0.2以上とすることで、低ヤング率層8の剛性を効果的に低くすることができ、第1の主面7側の振動を抑制することができる。なお、低ヤング率層8を含む積層体2全体を同時焼成により製造する場合、T1/T0を1/3以下とすることが、焼成収縮や熱膨張係数の差異によるクラック発生等の不具合を低減できるとともに、第2の主面7側に振動エネルギーを集中させるという点から好ましい。
また、有効層6のヤング率をE0、低ヤング率層8のヤング率をE1としたとき、E1のE0に対する比率(E1/E0)は0.7以下とすることが好ましい。E1/E0を0.7以下とすることで、さらに積層型電子部品の第1の主面7側における振動を抑制することができる。なお、E1/E0は0.35以上とすることが、低ヤング率層8を含む積層体2全体を同時焼成により作製する上で、クラック等の不具合の発生を抑制するという点から好ましい。
本発明は、たとえばチタン酸バリウム系などの強誘電体材料を誘電体層4に用い、Ni、Cu、Ag、Ag−Pdなどの金属材料を内部電極層5に用いた積層セラミックコンデンサに特に好適に用いられるが、他の積層型電子部品においても積層型電子部品自体の圧
電振動による、積層型電子部品が実装されている基板12等の励振を抑制する必要がある場合などに適用できる。本発明は、特に、1005型以上の型式の積層型電子部品において顕著な効果を発揮できる。
このような積層型電子部品は、例えば以下のような方法で作成することができる。まず、チタン酸バリウム等の強誘電体材料の原料粉末に、バインダおよび有機溶剤を加えて混合し、得られたスラリーを周知のシート成形法などにより誘電体層4となるグリーンシートを作製する。一方で、誘電体層4となるグリーンシートの原料粉末よりも平均粒径が大きい原料粉末を用いて、低ヤング率層8となるグリーンシートを同様に作製する。なお、原料粉末には所望により焼結助剤や、電気的特性・機械的特性の調整、または焼結時における誘電体材料と内部電極(導電性)材料との反応制御を目的とした無機化合物が添加されていてもよい。
作製した誘電体層4となるグリーンシート上に、導電性材料からなるペーストをスクリーン印刷などにより塗布し、内部電極層5となる内部電極パターンを形成する。内部電極パターンを形成したグリーンシートを積層することにより、有効層6となる焼成前の積層体が得られる。この有効層6となる焼成前の積層体の積層方向の両主面に、さらにカバーシートを積層する。このとき、一方のカバーシートを、低ヤング率層8となるグリーンシートとし、プレスにより一体化する。プレスにより一体化した焼成前の積層体を、所定寸法に切断し、焼成することにより、本発明の積層型電子部品の積層体2が得られる。なお、所望により焼成前または焼成後にバレル研磨加工等を行ってもよい。焼成温度は、特に限定するものではないが、例えば1000〜1300℃とすればよい。
次に、積層体2に後述のような外部電極3を形成することにより、本実施形態の積層型電子部品が得られる。
低ヤング率層8としては、誘電体層4に用いる材料と同程度の熱膨張係数を有する絶縁性の材料を用いればよい。たとえば、低ヤング率層8に用いる原料として、誘電体層4と同種の材料で、上述のような粒径の大きい原料粉末や焼結助剤の少ない原料粉末、すなわち誘電体層4に用いた原料粉末よりも焼結性の低い原料を用い、有効層6と同時焼成することで、誘電体層4よりも低密度でヤング率の低い低ヤング率層を形成できる。
なお、低ヤング率層として誘電体層4と同じ材料を用いることもできる。有効層6では誘電体層4と内部電極層5とが交互に積層されているため、有効層6のヤング率は誘電体層4自体のヤング率よりも高くなる。したがって、誘電体層4に用いた材料を有効層6の第1の主面側に配置することで、有効層6のヤング率よりも低い低ヤング率層8を構成できる場合がある。また、低ヤング率層8のうち有効層6側に位置する層に誘電体層4と同じ材料を配置し、第1の主面7側に位置する層に低密度の材料を配置してもよい。
なお、有効層6となる焼成前の積層体(必要に応じ、さらに積層方向の両主面にカバーシートを積層したもの)を焼成したのち、第1の主面7側に、有効層6よりヤング率の低い例えば樹脂等の材料からなる層を設け、低ヤング率層8としてもよい。
低ヤング率層8は、単一の材料であってもよいし、その構成材料が複数の材料の混合物であってもよい。また、低ヤング率層8は、単一層であってもよいし、材料が同じまたは異なる複数の層により構成されるものであってもよい。いずれの場合であっても、積層体2において有効層6よりも第1の主面7側に位置する部位のヤング率が、有効層6のヤング率よりも小さければよい。
本実施形態の積層型電子部品は、その外形において従来の積層型電子部品と同等であり
、実装形態を含めて大きく設計を変える必要がないため、既存の種々の積層型電子部品に本発明を適用可能である。また、基板に実装するために特別なジグを必要としないという利点もある。
なお、本実施形態の積層型電子部品ではその一例として、長手方向の両端に外部電極3を有する一般的な構造の積層セラミックコンデンサを用いて説明したが、それ以外に薄型のものや、いわゆるLW逆転型、多端子型等、種々の構造を有する積層型電子部品に適用可能である。また、積層セラミックコンデンサ以外の積層型電子部品であっても、積層型電子部品自体の圧電振動による、積層型電子部品が実装されている基板12等の励振を抑制する必要がある場合などに適用できる。
さらに、例えば、多くの積層セラミックコンデンサには外部電極3として、Cuからなる下地電極にNiおよびSnめっきを施したものが用いられているが、下地電極を用いずめっき電極のみで構成された外部電極3を有するものにも好適に適用できる。Cuからなる下地電極は比較的柔らかいため、積層体2の圧電振動をある程度吸収して減衰させるが、めっき電極のみの場合、積層体2の圧電振動が外部電極3で減衰されず、音鳴りが顕著になるため、本発明を適用することでより大きな音鳴り抑制効果が得られる。また、外部電極3として導電性接着剤などの導電性樹脂を用いてもよい。
また、内部電極層2が露出した側面のみに外部電極3を形成し、積層体2の第1の主面7側には外部電極3を設けないことで、積層型電子部品を基板12に実装した際の音鳴りをより低減できる。第1の主面7では、低ヤング率層8の側面に比して変形量が比較的大きいことから、積層型電子部品をその側面を介してランドパターン13に接合し、第1の主面7を介した基板12への圧電振動の伝播を抑制することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、特に明記した場合を除き、以下の実施形態における図面の各符号は、第1の実施形態における符号と同じものを用いた。
本発明の第2の実施形態においては、図6(a)〜(c)に示すように、上述した第1の実施形態における、第1の主面7に隣接する外部電極3の側面に、さらに接合部材9を備えている。なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、積層体2は有効層6よりも第1の主面7側に、有効層6よりも低いヤング率を有する低ヤング率層8を備えている。
積層型電子部品は、矩形状の第1の主面7において、積層体2および外部電極3により構成され、互いに対向する二対の辺部(第1の辺部10、第2の辺部11)および頂点部Vを備えている。換言すれば、互いに対向する二対の辺部および頂点部Vは、積層型電子部品を第2の主面7側からみた平面図において、積層型電子部品の積層体2および外部電極3により形成される輪郭を構成している。
図7は、本実施形態の積層型電子部品の各部の寸法を示したものである。第1の辺部10の長さL1および第2の辺部11の長さL2は、L1<L2を満足することが好ましい。なお、L1およびL2はいずれも、第1の主面7側からみた平面図において、積層体2と外部電極3とを含み接合部材9を含まない積層型電子部品の長さであり、換言すれば接合部材9を除いた積層型電子部品の長さである。
そして、本実施形態の積層型電子部品では、第1の主面7に隣接する側面のうち、第1の辺部10を介して第1の主面に隣接する一対の側面(第1の側面)に、一対の接合部材
9が設けられている。また、第2の側面には接合部材9を備えていない。
接合部材9は、図6(b)、(c)に示すように、第1の側面における第1の辺部の周囲であって、第1の辺部10の長さを二等分する二等分線10cの一部を含み、頂点部Vを含まない部位に位置していることが好ましい。なお、図6(c)では二等分線10cを便宜的に第1の主面8上に示したが、第1の側面上においても同様であることは言うまでもない。
本実施形態においては、図6(c)に示すように、第1の側面における第1の辺部の周囲であって、二等分線10cを含み、頂点部Vを含まない部位に設けた接合部材9を介して積層型電子部品を基板12に実装することにより、音鳴り低減効果が得られる。
なお、図7に示すように、M1は、第1の辺部10の長さ方向における接合部材9の長さである。また、図8に示すように、H0は積層方向における積層体2と外部電極3とを含む積層型電子部品の高さ、H1は、第1の主面7に隣接する積層型電子部品の側面上における、接合部材9の積層方向の長さ、Cは、基板12の実装面と、積層型電子部品との間隔である。
このように、本実施形態における一対の接合部材9は、それぞれ異なる外部電極3の表面に形成されており、電気伝導性を有する。接合部材9の材料としては、たとえば共晶半田、鉛フリー半田(Sn−Ag−Cu)などのろう材、導電性接着剤などを用いることができる。
第1の側面に接合部材9を備える積層型電子部品を得るには、たとえば半田ペーストを外部電極3の第1の側面の所定の部分に印刷し、半田の溶融温度で熱処理した後冷却すればよい。また、半田ボールを外部電極3の第1の側面の所定の部分にフラックスや低融点半田などを用いて接着してもよい。なお、接合部材9として用いる半田ボールは、必ずしも球状である必要はなく、板状、棒状および線状など他の形状であってもよい。また、球状等の半田ボールを複数配列したものを接合部材9としてもよい。本明細書では、接合部材9として外部電極3に接着する固形の半田を、その形状に関わらず便宜的に半田ボールという。導電性ペーストを用いる場合は、スクリーン印刷などにより外部電極3の第1の側面の所定の部分に印刷し、乾燥することで、接合部材9を形成することができる。なお、接合部材9は、第1の側面の外部電極3上だけでなく、積層体2上に設けられていてもよく、外部電極3および積層体2の両方にまたがって設けられていてもよい。
本実施形態の積層型電子部品の実装構造体について説明する。本実施形態の積層型電子部品の実装構造体においては、図8に示すように、積層型電子部品の第1の主面7と基板12の実装面とが対向するように配置され、積層型電子部品の外部電極3と、基板12上のランドパターン13とが、接合部材9を介して接合されている。なお、本実施形態における接合部材9は、積層型電子部品を基板12に接合する役割とともに、積層型電子部品の外部電極3と基板12の回路(図示せず)とを電気的に接続する役割も担っている。
なお、積層型電子部品を基板12に実装する際には、接合部材9により基板12のランドパターン13に直接接合してもよいが、基板12のランドパターン13上に半田等の導電性材料を塗布し、それを介して積層型電子部品を基板12に実装してもよい。この場合、接合部材9と、ランドパターン13との間には、ランドパターン13上に塗布した半田等の導電層14が形成される。このように基板12に導電性材料を塗布して積層型電子部品を実装する場合、使用する導電性材料は、接合部材9と同種の材料であることが好ましいが、接合部材9との濡れ性のよいものであれば特に制限はない。
本実施形態の以下のようなモデルを用いて、音鳴りのシミュレーションを行った。積層体2および外部電極3に関わる条件は、前述の第1の実施形態の音鳴りのシミュレーションと同様とした。また、第1の主面7の長さ675μmの一対の辺部を第1の辺部10、長さ1165μmの一対の辺部を第2の辺部11とした。
接合部材9は、M1を580μm、H1を280μmとした。また、本実施形態の実装構造体におけるCは120μmとした。得られた結果を5Hz〜20kHzの周波数領域にわたって平均すると、本実施形態における音圧レベルの平均値は、前述の評価部品の場合、すなわち従来の実装構造体に対して17dBA低減された結果となった。
なお、このシミュレーションではM1(580μm)をL1(675μm)に対する比(M1/L1)にして0.86としたが、これを0.5とし、第1の側面の節状部15を含む領域に接合部材9を設けると、音圧レベルは従来よりも22dBA低減することができる。実装性の点から、M1/L1は0.4以上とすることが好ましい。
また、このシミュレーションではH1(280μm)をH0(873μm)に対する比(H1/H0)にして0.13としたが、これを0.5としても音圧レベルは従来よりも10dBA低減することができる。
さらに、前述の第1の実施形態の振動モード解析の結果によれば、積層型電子部品を構成する各表面の中央及びその周囲では振動振幅が大きいことから、H0に対するH1の比(H1/H0)は、0.4以下であることが好ましい。
なお、本実施形態の実装構造体においては、積層型電子部品の積層体2および外部電極3は基板12の実装面に直接接触していない。積層型電子部品と基板12の実装面との間隔であるCのH0に対する比(C/H0)は、0.1以上であることが好ましい。なお、通常であれば、積層型電子部品と基板12の実装面のとの間隔とは、積層型電子部品の外部電極3と実装面との間隔と考えればよい。
本実施形態を適用可能な積層体2および外部電極3の形状、材料については、第1の実施形態と同様であることから、さらなる説明は省略する。ただし、LW逆転型、多端子型等の形態を有する積層型電子部品においては、絶縁性を有する接合部材9を用いることが好ましい。また、接合部材9の形成部位も外部電極3上だけでなく、積層体2上や、外部電極3および積層体2の両方にまたがっていてもよい。絶縁性を有する接合部材9を用いる場合、外部電極3はワイヤーボンディング等により基板12の電気回路に電気的に接続すればよい。絶縁性の材料としては、たとえばエチレン酢酸ビニル(EVA)やポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂が好適である。
また、外部電極3のSnめっきは、積層型電子部品を基板12に実装する時に、外部電極3と半田との濡れ性を向上させる役割を持つが、本実施形態においては積層型電子部品が一対の接合部材9を介して基板12のランドパターン13と接合されるため、外部電極3としてSnめっきのないものを用いることもできる。また、接合部材9を形成した後、外部電極3の露出部にたとえば酸化膜を形成するなどして、外部電極3の露出部を半田に濡れにくくする処理を行ってもよい。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態も、第2の実施形態と同様、上述した第1の実施形態における外部電極3の第1の主面7側に、さらに接合部材9を備えている。
本実施形態では、図9(a)〜(c)に示すように、接合部材9が、積層体2および外
部電極3の第1の主面7側において、その頂点部Vを含み、積層体2および外部電極3により構成される辺部10、11の長さを二等分する二等分線10c、11cを含まない部位に設けられている。換言すれば、本実施形態においては、矩形状の第1の主面7の四隅にそれぞれ接合部材9が設けられている。また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、積層体2は有効層6よりも第1の主面7側に、有効層6よりも低いヤング率を有する低ヤング率層8を備えている。
このように、本実施形態においては、積層体2および外部電極3の第2の主面7側、すなわち低ヤング率層8を有する側の四隅(一対の外部電極3の両端)に、接合部材9が設けられている。また、外部電極3の両端に設けられた接合部材9のうち少なくともいずれか一方が、電気伝導性を有している。
接合部材9の材料としては、第2の実施形態と同様、たとえば共晶半田、鉛フリー半田(Sn−Ag−Cu)などのろう材、導電性接着剤などを用いることができる。
本実施形態の積層型電子部品の実装構造体について説明する。図10(a)は、基板に実装した本実施形態の積層型電子部品の、図9(c)のA3−A3線断面図、図10(b)は図9(c)のB3−B3線断面図である。
本実施形態の積層型電子部品の実装構造体においては、第2の実施形態と同様、図10(a)、(b)に示すように、積層型電子部品と、基板12上のランドパターン13とが、接合部材9を介して第1の主面7と基板12の実装面とが対向するように接合されている。なお、本実施形態における接合部材9は、外部電極3の両端に設けられた接合部材9のうち少なくともいずれか一方が、積層型電子部品を基板12に接合する役割とともに、積層型電子部品の外部電極3と基板12の回路(図示せず)とを電気的に接続する役割も担っている。なお、図10(b)では、外部電極3の両端に設けられた接合部材9の両方が、積層型電子部品の外部電極3と基板12の回路(図示せず)とを電気的に接続している。
ここで、図9(c)に示すように、積層体2および外部電極3の第1の主面7側において互いに対向する二対の辺部のうち、長さが短い方の一対の辺部を第1の辺部10、長さが長い方の一対の辺部を第2の辺部11とする。したがって、図11において、L1は第1の辺部10の長さであり、L2は第2の辺部11の長さである。なお、L1およびL2はいずれも積層体2と外部電極3とを含み接合部材9を含まない積層型電子部品の長さ、換言すれば接合部材9を除いた積層型電子部品の長さである。
また、P1は、第1の辺部10から第1の主面7の中央側に延設された接合部材9の第1の辺部10に垂直な方向の長さ、P2は、第2の辺部11から第1の主面7の中央側に延設された接合部材9の第2の辺部11に垂直な方向の長さである。また、図10(a)、(b)に示すように、H1は第1の主面7に隣接する積層型電子部品本体1の側面上における、接合部材9の積層方向の長さ、Cは、基板12の実装面と、積層型電子部品の外部電極3との間隔である。
本実施形態の以下のようなモデルを用いて、音鳴りのシミュレーションを行った。接合部材9は、P1を160μm、P2を155μm、H1を160μmとした。また、本実施形態の実装構造体におけるCは120μmとした。積層体2および外部電極3に関わる他の条件は、第1、第2の実施形態における音鳴りのシミュレーションと同様とした。
得られた結果を5Hz〜20kHzの周波数領域にわたって平均すると、本実施形態における音圧レベルの平均値は、従来の実装構造体に対して20dBA低減された結果とな
った。
なお、このシミュレーションではP2(155μm)をL1(675μm)に対する比(P2/L1)にして0.23としたが、0.2〜0.4とすることが、実装性という点からも好ましい。P1、H1およびCについては、第2の実施形態と同様な範囲とすることが好ましい。
本実施形態を適用可能な積層体2および外部電極3の形状、材料については、第1および第2の実施形態と同様であることから、さらなる説明は省略する。また、本実施形態においても、接合部材9として、前述のような絶縁性を有する材料を用いてもよい。その場合、外部電極3はワイヤーボンディング等により基板12の電気回路に電気的に接続すればよい。
また、外部電極3の両端に設けられた接合部材9のうちいずれか一方のみを導電性を有するものとし、他方は絶縁性を有するものとすることもできる。
なお、第2の実施形態および第3の実施形態では、接合部材9の形状を主として矩形状のものとし、その形状に基いて寸法や比率の好ましい範囲について述べてきたが、これは、接合部材9の形状を矩形状に限定するものではなく、他の様々な形状や不定形であっても構わない。また、上述のシミュレーションにより確認された、積層型電子部品の振動モードや節状部15に関する説明に基き、特許請求の範囲に記載された本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の変更、変形が可能である。
2、102 積層体
3、103 外部電極
4、104 誘電体層
5、105 内部電極層
6 有効層
7 第1の主面
8 低ヤング率層
9 第1の接合部材
10 第1の辺部
10c 第1の辺部の二等分線
11 第2の辺部
11c 第2の辺部の二等分線
12 基板
13 ランドパターン
14 半田層
15 節状部
21 実装基板
22 無響箱
23 集音マイク
24 アンプ
25 FETアナライザ
114 半田

Claims (9)

  1. 誘電体層と内部電極層とが交互に積層された有効層を有する積層体と、
    該積層体の外表面に設けられ、前記内部電極と電気的に接続された外部電極と、を備える積層型電子部品であって、
    前記誘電体層と前記内部電極層の積層方向に位置する、前記積層型電子部品の一対の主面のうちいずれか一方を第1の主面としたとき、前記積層体が、前記有効層よりも前記第1の主面側に、前記有効層よりも低いヤング率を有する低ヤング率層を備えることを特徴とする積層型電子部品。
  2. 前記積層体の前記積層方向における厚さをT0とし、前記低ヤング率層の前記積層方向における厚さをT1としたとき、T1のT0に対する比率T1/T0が0.2以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品。
  3. 前記有効層のヤング率をE0とし、前記低ヤング率層のヤング率をE1としたとき、E1のE0に対する比率E1/E0が0.7以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型電子部品。
  4. 前記第1の主面が矩形状であり、該第1の主面の互いに対向する二対の辺部のうち、いずれか一対の辺部を第1の辺部とし、
    前記第1の主面に前記第1の辺部を介して隣接する前記積層型電子部品の側面をそれぞれ第1の側面としたとき、
    該第1の側面における前記第1の辺部の周囲に、接合部材がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層型電子部品。
  5. 前記第1の辺部の長さをL1とし、前記二対の辺部の他方である第2の辺部の長さをL2としたとき、L1<L2であることを特徴とする請求項4に記載の積層型電子部品。
  6. 前記第1の主面が頂点部および二対の辺部を備える矩形状であり、
    前記頂点部に接合部材を備えるとともに、
    該接合部材は、前記第1の主面及び該第1の主面に前記辺部を介して隣接する前記積層型電子部品の側面のうち少なくともいずれかの部位であって、前記辺部のの長さを二等分する二等分線を含まない部位に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層型電子部品。
  7. 基板の実装面に請求項1乃至6のいずれかに記載の積層型電子部品を接合してなり、該積層型電子部品の前記第1の主面側が、前記実装面に対向していることを特徴とする積層型電子部品の実装構造体。
  8. 前記積層型電子部品が、前記第1の主面に隣接する側面を介して、前記基板と接合されていることを特徴とする請求項7に記載の積層型電子部品の実装構造体。
  9. 前記実装面に垂直な方向から平面視した時、前記積層型電子部品の輪郭の外側に前記実装面のランドパターンが位置することを特徴とする請求項7または8に記載の積層型電子部品の実装構造体。
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