JP2016081829A - リチウムイオン二次電池用電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上記の従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、造粒粉末を使用して強度の高い活物質層を形成することが可能なリチウムイオン二次電池用電極の製造方法を提供することである。
a.活物質粒子と第1バインダとを含む造粒粉末を用意すること。
b.集電体を用意すること。
c.第2バインダと分散媒とを含むバインダ液を用意すること。
d.上記集電体上に上記バインダ液を供給してバインダ液層を形成すること。
e.未乾燥状態にある上記バインダ液層の上に、上記造粒粉末を供給すること。
f.上記バインダ液層上に供給された上記造粒粉末を圧延することで、活物質層を形成すること。
図1は、一実施形態に係る電極の製造工程を示す概略図である。この図1に示されるように、ここに開示される電極10の製造方法は、以下のa〜fの工程を含んでいる。
a)造粒粉末の用意工程
b)集電体の用意工程
c)バインダ液の用意工程
d)バインダ液供給工程
e)造粒粉末供給工程
f)圧延工程
工程aでは、造粒粉末(造粒粒子の集合からなる粉体)を用意する。造粒粉末を構成する各々の造粒粒子は、少なくとも一つの活物質粒子と第1バインダとを含んでいる。
図2は、一実施形態に係る造粒粒子1の構成を示す模式図である。ここに示すように、造粒粒子1は典型的には複数の活物質粒子2を含んでいる。かかる造粒粒子1は、個々の活物質粒子2の表面に第1バインダ4が付着し、さらにその活物質粒子2が第1バインダ4によって互いに結合された態様であり得る。好適な一態様では、第1バインダ4が造粒粒子1の内部および外表面に局所的に偏在することなく略均一に分散され配置されている。なお、この造粒粒子1は、活物質粒子2と第1バインダ4に加えて、さらに他の材料(例えば導電材6)を含んでいても良い。導電材6を含む態様では、この導電材6が主として第1バインダ4中に分散されていることが好ましい。
なお、本明細書において、「用意する」とは、例えば原料等から調製することでも良いし、材料メーカー等から製品を購入するなどして入手することでもよい。
一好適例では、スプレードライ法を採用して、活物質粒子2と第1バインダ4とを溶媒中で混ぜ合わせた合剤(懸濁液)を乾燥雰囲気中に噴霧し乾燥させることで造粒粒子1を造粒(成形)する。この手法では、噴霧される液滴中に含まれる粒子が概ね1つの塊になって造粒されるため、液滴の大きさによって造粒粒子1の大きさや質量等を容易に調整することができる。なお、噴霧される液滴には活物質粒子2と第1バインダ4以外の材料、例えば導電材6をも含み得る。
工程bでは、集電体12を用意する。集電体としては、電子伝導性に優れ、使用する活物質や電解液およびそれらに拠る電気化学反応系を考慮して、電池系内で安定に存在する材料からなるものを好ましく用いることができる。また、軽量化や機械強度、加工のし易さ等を考慮して決定するとよい。例えば、リチウムイオン二次電池の正極を製造する場合には、集電体12としてアルミニウム箔(例えば、厚み12〜15μm)が好適である。また、リチウムイオン二次電池の負極を製造する場合には、集電体12として銅箔(例えば、厚み10〜15μm)が好適である。集電体12の形状はリチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、箔(シート)状、網状等の種々の形態を考慮し得る。なかでも、車載用として用いられるような高容量タイプのリチウムイオン二次電池用電極では、長尺シート状(例えば、幅に対して長さが100倍以上)のものが好適である。長尺シート状の集電体を用いたリチウムイオン二次電池用電極は、インライン方式により好適に製造することができる。例えば、後述の工程d〜fは、長尺シート状の集電体を用いてインライン方式により好適に実施することができる。
工程cでは、第2バインダと分散媒とを含むバインダ液を用意する。具体的には、バインダ液は、分散媒中に第2のバインダを分散または溶解させた溶液である。
第2バインダは、上記の造粒粉末の形成に使用し得る各種の材料のなかから、特に制限なく選択して使用することができる。ここで、第1バインダと第2バインダは、同一の化合物からなる(すなわち同種の)ものであっても良いし、異なる化合物からなる(すなわち、異種の)ものであっても良い。好ましくは、第1バインダと第2バインダとが同種とすることである。
一例として、例えば第2バインダとして上記ゴム類やセルロース系ポリマー、アクリル樹脂等を用いる場合には、水系溶媒を好ましく用いることができる。また、第2バインダとして上記ハロゲン化ビニル樹脂を用いる場合には、有機溶剤を好ましく用いることができる。特に限定されるものではないが、例えば、リチウムイオン二次電池の正極を製造する場合には、溶媒としての水に第2のバインダとしてのアクリル系樹脂を混ぜるとよい。また、例えば、リチウムイオン二次電池の負極を製造する場合は、溶媒としての水に第2のバインダとしてのゴム類を混ぜるとよい。
次いで、上記で用意したバインダ液を集電体上に供給(典型的には塗布)してバインダ液層を形成するする。図1に示す実施形態では、帯状の集電体12がコンベア等の搬送手段によって所定の速度で予め設定された搬送経路に沿って搬送されている。また、バインダ供給装置Bには、バインダ液が収容されており、上記帯状の集電体12が搬送されるのにあわせて、グラビアコーターにより所定の量が所定の幅およびパターンで集電体12上に連続的に供給されるようになっている。バインダ供給装置Bとしては、例えば、グラビアコーターの他に、スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター、ディップコーター等の塗布装置を使用することができる。なお、バインダ液は、集電体12上にベタ塗りしてもよく、あるいは所定のパターン(例えば、縦・斜め等の縞状、波線状、ドット状等)に供給することもできる。
好適な一態様では、集電体12表面の一部の領域にのみバインダ液を供給してバインダ液層16を形成する。また、この一部の領域においても、所定のパターンによりパターン塗工(例えば、複数の波線状)することが好ましい。一例として、帯状の電極を作製する場合には、長手方向に直交する幅方向において、集電体12の全幅よりも狭い幅にバインダ液層16を形成するとよい。換言すれば、集電体12の幅方向の端部に、バインダ液層16を形成しない集電体12の露出部を設けることが好ましい。例えば、一の電極を2条にスリットして2本の帯状電極を作製する場合は、集電体12の幅方向の両端に集電体露出部を設け、スリットせずに1本の帯状電極を作製する場合は、集電体12の幅方向の一方の端部に集電体露出部を設けるのが好ましい。このような集電体露出部は、電池の構築に際して、いわゆる集電部として利用され得る。例えば集電体12の幅方向の両端部に集電体露出部を設ける場合においては、集電体12の全幅にも拠るため一概には言えないが、おおよその目安として、集電体露出部(集電部)の幅長を、正極の場合は13.5±1mm程度、負極の場合は11±1mm程度とすることが例示される。
工程eでは、工程dで形成したバインダ液層16が未乾燥状態にある間に、バインダ液層16の上に造粒粉末(造粒粒子1の集合,群)を供給する。図1に示す実施形態では、予めバインダ液層16が形成された集電体12が搬送され、供給装置Fにより、造粒粉末を集電体12上(バインダ液層16上)に供給している。供給装置Fには造粒粉末が収容されており、集電体12が搬送されるのにあわせて所定の量が所定の幅で集電体12上に連続的に供給されるようになっている。この実施形態では、供給装置Fから篩い(網目状の部材)を通じて予め定められた粒径の造粒粒子1のみを集電体12上に篩い落とすようにしている。
(正極)
正極活物質は、正極活物質層全体に占める割合が約50質量%以上、典型的には70質量%以上99質量%以下となるように構成することが適当であり、通常はおよそ87質量%以上95質量%以下であることが好ましい。導電材6を用いる場合は、正極活物質層全体に占める割合が、例えば約1質量%〜15質量%とすることができ、例えば2質量%以上10質量%以下、典型的には3質量%以上8質量%以下とすることが好ましい。バインダは、造粒粉末に含まれる第1バインダ4とバインダ液層16に含まれる第2バインダの合計として考慮することができる。このようなバインダは、正極活物質層全体に占める割合が、例えば約0.5質量%以上15質量%以下とすることができ、例えば1質量%以上10質量%以下、典型的には2質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
なお、第1バインダ4と第2バインダとは、その割合が、第1バインダ:第2バインダとして、質量比で、0.05:4.95〜0.5:1.5程度、好ましくは0.1:4.9〜1:1程度の割合となるよう、調整するのが好ましい。換言すると、リチウムイオン二次電池用の電極形成に適したバインダ量を、第1バインダ4と第2バインダとに分けて配合しているとも理解できる。
負極活物質は、負極活物質層全体に占める割合が約70質量%以上、典型的には90質量%以上99質量%以下とすることが適当であり、通常はおよそ95質量%以上99質量%以下であることが好ましい。バインダは、造粒粉末に含まれる第1バインダ4とバインダ液層16に含まれる第2バインダの合計として考慮することができる。このようなバインダは、負極活物質層全体に占める割合が、例えば0.01質量%以上10質量%以下とすることができ、通常はおよそ0.1質量%以上7質量%以下程度、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。なお、第1バインダ4と第2バインダとは、その割合が、第1バインダ:第2バインダとして、質量比で、0.05:4.95〜0.1:0.4程度、好ましくは0.1:4.9〜0.2:0.3程度の割合となるよう、調整するのが好ましい。換言すると、リチウムイオン二次電池用の電極形成に適したバインダ量を、第1バインダ4と第2バインダとに分けて配合しているとも理解できる。
ここに開示される電極の製造方法では、必須ではないが、上記の工程eの後であって次工程fの前に、集電体12に供給された造粒粉末(造粒粒子1)を、スキージSで均すスキージング工程を含んでも良い。スキージの形状や材質は特に制限されず、例えば、ゴム製やポリウレタン製の、棒状(板状)のものやロール状のもの等を使用することができる。
図1に示す実施形態では、電極体12が搬送される進行方向において、供給装置Fの下流側に、集電体12の表面から垂直方向で所定の間隔を空けて、スキージS(典型的にはロールスキージ)が配置されている。そして、集電体12上に供給された造粒粉末は、集電体12とロールスキージSとの隙間に向けて案内され、このロールスキージSで平坦化されるように構成されている。これにより、集電体12上への造粒粉末の供給量をより均質化することができる。また、過剰に供給された造粒粉末を、供給量の少ない部位へと均すことができ、集電体12上に略均質な目付量(単位面積当たりの造粒粉末の質量)の活物質層14を安定的に形成することができる。
なお、スキージSと搬送される集電体12との間隙(垂直方向のギャップ、換言すれば造粒粉末の供給厚み)は、例えば造粒粉末の平均粒子径や形成する活物質層の厚みや目付量(設計目付量)等によって決定すればよい。一例として、高エネルギー密度や高出力密度の要求され得る電池用の正極を作製する場合には、約90〜200μm程度、例えば、約100〜150μm程度に、同負極を作製する場合には約100〜300μm程度、例えば、約150〜250μm程度に調整することが好適な例として示される。
工程eでは、バインダ液層16上に供給された造粒粉末を圧延することで、この集電体12上に活物質層14を形成する。そして少なくともこの圧延工程を、溶媒の除去が可能なドライ環境Dで実施する。
図1に示されるように、集電体12上に供給された造粒粉末は、所定の間隔で平衡に配置された一対の圧延ロールRの隙間に向けて案内される。圧延ロールRはそれぞれ反対方向に一定の速度で回転しており、造粒粉末がかかる圧延ロールRの隙間を通過する際に適当な強さで集電体12に押し付けられ(プレスされ)集電体12上に固着される。同時に、造粒粉末1中でバインダ4の接触箇所が増え、造粒粒子1同士が相互に密着される。これにより、集電体12の表面に活物質粒子2を含む造粒粉末の層(活物質層14)が略一定の厚みで成形される。
したがって、活物質層の一体性が高められて、膜強度の高い活物質層を形成することができる。なお、特許文献2には、湿潤状態にある活物質層形成用組成物において正極活物質層の表面にマイグレーションによって無機酸化物粒子を偏在させることが開示されている。しかしながら、本発明は、乾燥状態にある造粒粉末(活物質粒子)の層にバインダ液が浸透してゆく点で、このような従来技術とは完全に区別される。
また、圧延の際には適宜加熱等の成形促進手段を併用することもできる。加熱状態で圧延を行うことにより、造粒粉末に含まれるバインダを軟化あるいは溶融させることができ、造粒粒子1同士をより強固に結着させることができる。
(正極)
圧延ロールRの間隔:正極の厚みと同等(例えば50〜120μm)
ロール線圧 :1〜2t/cm
圧延温度 :25℃(例えば60〜180℃程度まで加熱しても良い)
正極活物質層密度:1.5g/cm3以上(2g/cm3以上)で4.5g/cm3以下(典型的には4.0g/cm3以下)
圧延ロールRの間隔:負極の厚みと同等(例えば60〜130μm)
ロール線圧 :1〜2t/cm
圧延温度 :25℃(例えば60〜180℃程度まで加熱しても良い)
負極活物質層密度:1.0g/cm3以上(2g/cm3以上)で3.5g/cm3以下(典型的には3.0g/cm3以下)
また、図1に示す態様では、製造工程に一対の圧延ロールRを配置してロール圧延を1回だけ行う1段圧延法を採用しているが、このような態様には限定されず、例えばロール圧延を2回以上(典型的には2回)行う多段圧延法を採用することもできる。また、図1に示すように、集電体12の搬送経路の取り方によっては、圧延ロールRの上流側に補助ロールrを備え、造粒粉末の滑落を防止するようにしても良い。また、帯状の電極10を作製する図1の態様においては、生産効率の観点からインライン方式でロール圧延を実施するようにしているが、電極の製造はバッチ方式で行うこともでき、その他の各種の圧延方法(例えば一対の平板で挟み込んで圧延する平板圧延方法など)を採用することもできる。
ここでは、以下に説明する例1または例2の手順で2通りのリチウムイオン二次電池用の正極を作製し、この正極を備えるリチウムイオン二次電池のIV抵抗を測定した。
(例1)
例1の正極は、ここに開示される電極製造方法により作製した。まず、正極活物質として平均粒子径が4.5μmのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を用意した。また、導電材としてアセチレンブラック(AB)を用意した。また、バインダとしてアクリル系バインダを、増粘剤としカルボキシメチルセルロース(CMC)を用意した。そして、これらの正極活物質、導電材、バインダおよび増粘剤を、質量比が93.5:4:1.5:1となるようにそれぞれ秤量した。次に、プラネタリーディスパーに導電材およびバインダ投入して混合した後、正極活物質と溶媒としてのイオン交換水を加えて更に均一に混合することで、造粒粉末形成用の調製液を用意した。そしてこの調製液を大川原化工機(株)製のスプレードライヤにて噴霧し、液滴状態で溶媒を除去し、乾燥させることで、平均粒子径が約40μmの造粒粉末(造粒粒子からなる集合体)を得た。
圧延ロールの間隔 :110μm
ロール線圧 :1.35t/cm
圧延温度 :25℃
また、集電体の他方の面にも上記と同様の条件にて正極活物質層を形成した。この様にして形成した正極活物質層の幅方向の中央で電極を半裁することで、2枚の例1の正極を得た。
例1の正極は、従来の電極製造方法により作製した。すなわち、例1の正極の製造において、バインダ液層が形成された集電体を、簡易乾燥機を通過させることでバインダ液を乾燥させた。これにより、集電体の両面には、バインダ層が形成された。また、造粒粉末の供給から正極活物質層の形成までを、−27.5℃のドライ環境ではなく、通常の管理環境下(露点:−10℃〜10℃)で行った。そしてその他は、例1と同様の条件で、例2の正極を得た。
なお、用意した例1および例2の正極について、活物質層の強度(切削強度)をSAICAS法により評価した。SAICAS法では、試料(被着体)の表面から基材との接着界面に向けて、鋭利な切刃を用いて超低速度で切削を実施する。この時、被着体を基材から連続して分離する状態への水平力と切刃の刃幅とから、切削強度を算出している。切削強度の測定には、ダイプラ・ウィンテス株式会社製のSAICAS(Surface And Interface Cutting Analysis System),DN−GSを用い、試験条件は以下のとおりとした。
・切刃:ボラゾン(幅500μm)
・水平速度:2.0μm/sec
・測定深さ:10μm
例1の正極については、長手方向に直交する幅方向の中心(端部から4000μm)を測定点とし、試験を行った。また、例2の正極については、活物質層が比較的脆かったため、同中心から片方の端部に向かって測定点を6点設けて試験を行った。切削強度の測定はN=3で行い、その結果を図5に示した。なお、図5の横軸は、測定位置を端部からの距離として示した。
[負極の用意]
負極活物質としての黒鉛(C、平均粒径25μm、比表面積2.5m2/g)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの質量比がC:SBR:CMC=98:1:1となるように秤量し、イオン交換水を加えて混練することで、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体としての厚み10μmの長尺の銅箔の両面で、長手方向の一方の端部から幅100mmの領域に、片面当たりの目付量が7.3mg/cm2となるよう帯状に塗布し、乾燥(乾燥温度100℃、5分間)することにより、負極活物質層を備える負極シートを作製した。なお、負極シートの長手方向の他方の端部には、負極活物質層の形成されていない集電体露出部が設定されている。そして、これを圧延プレスして、負極活物質層の密度が約1.1g/cm3となるように調整した。なお、圧延プレス後の負極活物質層の厚みは片面当たり約60μm(負極全体で130μm)であった。
セパレータとしては、幅が105mmで、総厚みが平均25μmの、ポリエチレン(PE)の両面をポリプロピレン(PP)で挟んだ形態の3層構造(PP/PE/PP)の長尺の微多孔質シートを用いた。
上記で用意した例1および例2の正極と、負極とを、セパレータを介して重ね合わせ、断面楕円形状に捲回した。この時、負極活物質層が幅方向で正極活物質層を覆うとともに、正極集電体の露出部と負極集電体の露出部とが幅方向で異なる側で突出するように、正極と負極とを配置させた。また、セパレータは、HRLを正極側に向けて、正負の活物質層を絶縁するように配置した。捲回体は、常温(25℃)にて4kN/cm2の圧力で2分間平板プレスし、扁平形状に成形することで、捲回電極体とした。
(例1)上記のように作製した例1のリチウムイオン二次電池について、温度25℃で、正負極の端子間電圧が4.1Vとなるまで0.1Cの充電レートでCC充電し、10分間休止した後、0.1Cの放電レートで3.0VまでCV放電させる操作を3回繰り返すコンディショニング処理を施した。
次に、温度−30℃で、SOCが20%の状態までCC充電を行った。SOC20%に調整した各電池に対し、10Cの放電レートで3VまでCC放電を行い、放電から10秒間の電圧降下を測定した。測定された電圧降下の値(V)を電流値で除することでIV抵抗(Ω)を算出し、その平均値をIV抵抗とした。結果を、電池15個の平均値として、図6に示した。
2 活物質粒子
4 バインダ
6 導電材
10 電極
12 集電体
14 活物質層
16 バインダ液層
B バインダ液供給装置
F 粉体供給装置
S スキージ
R 圧延ロール
Claims (6)
- a.活物質粒子と第1バインダとを含む造粒粉末を用意すること、
b.集電体を用意すること、
c.第2バインダと分散媒とを含むバインダ液を用意すること、
d.前記集電体上に前記バインダ液を供給してバインダ液層を形成すること、
e.未乾燥状態にある前記バインダ液層の上に、前記造粒粉末を供給すること、および、
f.前記バインダ液層上に供給された前記造粒粉末を圧延することで、活物質層を形成すること、
を含み、
少なくとも前記工程fを、前記分散媒の除去が可能なドライ環境で実施する、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法。 - 前記活物質がリチウム遷移金属複合酸化物であるとき、
前記工程fは、露点が−27.5℃以下のドライ環境で実施する、請求項1に記載の製造方法。 - 前記第1バインダと前記第2バインダとは同一の化合物からなる、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記集電体は幅に対して長さが100倍以上の長尺形状であって、
前記工程d〜fをインライン方式で実施する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記工程d〜fを10秒以内に実施する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程dは、前記バインダ液を所定のパターンで供給するパターン塗工により実施する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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