JP2016081180A - 電子ペン用シート、電子ペン用表示装置 - Google Patents

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紘一 木下
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Takeshi Matsuhashi
岳 松橋
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Abstract

【課題】電子ペンによるドットパターンの読み取り特性の低下を抑制することができる電子ペン用シート、電子ペン用表示装置を提供する。【解決手段】電子ペン用シート10は、表示装置20の表示部21上に配置され、電子ペン30により読み取り可能な複数のドット部13aから構成されるドットパターンが設けられたシートであり、ドットパターンが設けられるドットパターン層13を備え、ドットパターンの各ドット部13aは、厚み方向に直交する観察者側の表面に交差する側面sの少なくとも一部が、表示装置側に向かうにつれて、前記観察者側の面におけるドット部13aの中心c側へ傾斜していることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、電子ペンにより筆記された軌跡を読み取ることができる電子ペン用シート、電子ペン用表示装置に関するものである。
近年、使用者によって描かれた文字や画像などの情報を電子情報化する電子ペンが提案されている(例えば、Anoto社製、アノトペン(Anoto pen))。このような電子ペンは、複数のドット部から構成されるドットパターンを撮影するための小型カメラや、撮影したドットパターンから電子ペンの位置座標を演算するペン制御部、演算された位置座標等を外部機器へ送信する通信部等を備えている。使用者が、ドットパターンが形成された専用シートの上に、電子ペンを用いて文字や画像などを描いた場合、電子ペンの小型カメラが専用シート上のドットパターンを撮影する。そして、撮影結果に基づいて、専用シート上で移動していた電子ペンの軌跡が算出され、この結果、使用者の描いた文字や画像が座標データとして認識される。
また、このようなドットパターンを有した専用シートをLCDや有機ELなどの表示部に配置した表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
このような専用シートに設けられたドットパターンは、主にフォトリソグラフィ方式により形成されているため、各ドット部のシートの厚み方向における断面形状が略矩形状に形成されている。そのため、電子ペンを厚み方向に対して傾けた状態で専用シート上に筆記した場合、電子ペンによって撮影されるドットパターンは、各ドット部の表面形状だけでなく、各ドット部の側面の一部も含んだ状態で撮影されることとなる。従って、撮影されたドット部の形状は、見かけ上、その表面形状よりも大きくなってしまい、隣接するドット部との距離が近くなり、ドット部のある部分と無い部分とのコントラストが付きにくくなり、ドットパターンの読み取り特性が低下してしまう場合があった。
特開2012−27958号公報
本発明の課題は、電子ペンによるドットパターンの読み取り特性の低下を抑制することができる電子ペン用シート、電子ペン用表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、表示装置(20)の表示部(21)上に配置され、電子ペン(30)により読み取り可能な複数のドット部(13a)から構成されるドットパターンが設けられた電子ペン用シート(10)であって、前記ドットパターンが設けられるドットパターン層(13)を備え、前記ドットパターンの各ドット部は、厚み方向に直交する観察者側の表面に交差する側面(s)の少なくとも一部が、前記表示装置側に向かうにつれて、前記観察者側の面における前記ドット部の中心(c)側へ傾斜していること、を特徴とする電子ペン用シートである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電子ペン用シート(10)において、前記ドットパターンの各ドット部(13a)は、前記ドットパターン層の厚み方向に垂直な断面の面積が、前記表示装置側に向かうにつれて小さくなること、を特徴とする電子ペン用シートである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電子ペン用シート(10)において、前記ドットパターン層(13)の表示装置側に、赤外光を拡散反射させる赤外光拡散反射層を備えること、を特徴とする電子ペン用シートである。
請求項4の発明は、表示部(21)に画像を表示する表示装置(20)と、前記表示部上に配置される請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電子ペン用シート(10)と、を備える電子ペン用表示装置(2)である。
本発明によれば、電子ペンによるドットパターンの読み取り特性の低下を抑制することができる電子ペン用シート、電子ペン用表示装置を提供することができる。
実施形態の電子ペンシステムの概要を説明する図である。 実施形態の電子ペン用シートの詳細を示す図である。 本実施形態の電子ペンの構成を示す図である。 本実施形態のドットパターン層の詳細を示す図である。 電子ペン用シートに設けられたドット部のデータ変換則の一例を示す図である。 電子ペンのカメラ部で撮影したドットパターンの変換例を示す図である。 比較例のドットパターン層の詳細を示す図である。 実施例及び比較例の電子ペン用シートのドット部の断面形状の測定結果を示す図である。 ドットパターン層のドット部の他の例を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
(実施形態)
図1は、本実施形態の電子ペンシステムの概要を説明する図である。
図2は、本実施形態の電子ペン用シートの詳細を示す図である。図2は、電子ペン用シートの厚み方向に平行であって、画面左右方向に平行な断面における断面図である。
図3は、本実施形態の電子ペンの構成を示す図である。
図4は、本実施形態のドットパターン層の詳細を示す図である。図4は、図2に示す断面をさらに拡大して示している。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この電子ペン用表示装置の使用状態における表示部の上下方向、左右方向、厚み方向であるとする。また、厚み方向における映像光が出射される側を観察者側(表面側)とし、その反対側を表示装置側(裏面側)とする。
電子ペンシステム1は、図1に示すように、電子ペン用表示装置2と、電子ペン30等を備えている。この電子ペンシステム1は、電子ペン30によって、電子ペン用表示装置2に筆記された軌跡を、電子情報化するシステムであり、電子情報化した筆跡を電子ペン用表示装置2に表示したり、記憶部に保存したりすることができる。
電子ペン用表示装置2は、電子ペン用シート10、表示装置20を備えており、電子ペン30による筆跡を表示部21(後述する)に表示することができる表示装置である。電子ペン用表示装置2は、表示装置20の表示部21上に接合層14(図2参照)によって電子ペン用シート10が貼付されている。
電子ペン用シート10は、電子ペン30により読み取り可能なドットパターンが設けられた透明シートである。電子ペン用シート10は、図2に示すように、表面側から順に、表面層11、透明基材層12、ドットパターン層13、枠印刷層15、接合層14が積層されている。
表面層11は、透明基材層12の表面側(観察者側)に設けられる層である。本実施形態の表面層11は、電子ペン用シート10の観察者側の最表面を形成している。
本実施形態の表面層11は、ハードコート機能を有しており、透明基材層12の観察者側の面(表面)に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート)等の電離放射線硬化型樹脂を塗膜の膜厚約2〜8μmとなるように塗布して硬化させることによって形成されている。
透明基材層12は、電子ペン用シート10を形成する基材となるシート状の部材である。この透明基材層12の観察者側(表面側)には、表面層11が形成され、表示装置側(裏面側)には、ドットパターン層13が形成されている。
本実施形態の透明基材層12は、光透過性を有する透明樹脂から形成されており、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂により形成されている。透明基材層12は、この他、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂や、アクリル系樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂等を使用することも可能である。
透明基材層12の厚さは、表示装置20の表示部21のサイズ等にも依るが、約25〜200μmとすることが好ましく、本実施形態では125μmに形成されている。
ドットパターン層13は、ドット部13a及び成形樹脂部13bから構成されており、複数のドット部13aから構成されるドットパターンが形成された層である。
ドット部13aは、赤外光を吸収する点状の樹脂部である。ドット部13aは、透明基材層12の表示装置側(裏面側)の面に樹脂をスクリーン印刷することによって形成される。ドット部13aは、ドットパターン層13に複数設けられており、厚み方向から見て画面上下方向及び画面左右方向にほぼ等間隔に配置されている(図6(a)参照)。また、本実施形態では、このドット部13aの厚み方向から見た形状は、円形状に形成されている。
ドットパターン層13に設けられる各ドット部13aは、図4に示すように、その側面sが、表示装置側(裏面側)に向かうにつれて、観察者側の面(表面)におけるドット部の中心線c側へ傾斜するように形成されている。ここで、ドット部13aの側面とは、厚み方向に直交するドット部13aの表面(観察者側の面)と交差する面をいう。また、側面sが中心線c側へ傾斜するとは、平坦な面が中心線c側に傾斜している状態だけでなく、側面sが湾曲して中心線側に傾斜している状態、すなわち中心線側に湾曲する曲面を含むものをいう。
本実施形態では、ドット部13aは、球面が表示装置側に向き、平坦な面が観察者側に向くようにした半球状の楕円体に形成されている。すなわち、ドット部13aは、ドットパターン層13の厚み方向に直交する断面の面積が、表示装置側(裏面側)に向かうにつれて小さくなる。
ドット部13aを形成する樹脂の母材は、紫外線硬化型樹脂や、熱硬化型樹脂を使用することができる。また、ドット部13aの樹脂に含有される色素は、ジイモニウム系や、フタロシアニン系、シアニン系、セシウムタングステン系等の色素を用いることができる。本実施形態では、ドット部13aは、エポキシアクリレートにジイモイウム色素と光開始剤とを含有させた樹脂により形成されている。
成形樹脂部13bは、光透過性を有する透明樹脂の層であり、ドット部13a及び透明基材層12の表示装置側(裏面側)の面を覆うようにして形成されている。この成形樹脂部13bは、その表示装置側の面が略平坦に形成される。
成形樹脂部13bを形成する樹脂は、紫外線硬化型樹脂や、熱硬化型樹脂を使用することができる。本実施形態では、成形樹脂部13bは、エポキシアクリレートに光開始剤を含有させた樹脂により形成されている。
ドット部13aは、その屈折率が、成形樹脂部13bの屈折率と同等に形成されていることが望ましい。ここで、屈折率が同等であるとは、ドット部13aの屈折率と成形樹脂部13bの屈折率とが等しい場合だけでなく、両者の屈折率の差が0.004以内である場合も含むものをいう。これにより、ドットパターン層によって表示装置に表示される映像等にぎらつきが生じてしまうのを防ぐことができる。
本実施形態では、上述したように、ドット部13a及び成形樹脂部13bが共にエポキシアクリレートに光開始剤を含有させた樹脂から構成されているので、両者の屈折率は同等である。なお、ドット部13a及び成形樹脂部13bの各屈折率は、それぞれ、1.48〜1.61が望ましく、また、1.49〜1.56であることが更に望ましい。
接合層14は、ドットパターン層13と表示装置20の表示部21とを接合する層である。本実施形態では、接合層14は、アクリル系粘着剤を使用しており、その厚みは約25μmに形成されている。
枠印刷層15は、電子ペン用シート10の外周縁に形成された枠状の層であり、表示装置20の表示部21の枠体に対応して設けられている。枠印刷層15は、ドットパターン層13の表示装置側の面に印刷等によって形成される。
表示装置20は、図1に示すように、表示部21、通信部22、記憶部23、制御部24等を備えた情報通信端末であり、例えば、タブレット型の携帯端末である。
表示部21は、画像を表示するモニタであり、例えば、LCD(液晶)モニタや、有機ELモニタである。なお、本実施形態の表示部21には、赤外光を拡散反射する特性を有するITO(Indium−tin−oxide)膜(透明導電膜)を有している。
通信部22は、外部機器と無線通信する通信モジュールであり、本実施形態では、電子ペン30の通信部34(後述する)と通信する。
記憶部23は、表示装置20の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。また、記憶部23は、通信部22を介して電子ペン30から受信した情報を保存する。
制御部24は、表示装置20の各部を統括制御する制御回路であり、例えばCPU等から構成される。制御部24は、記憶部23に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、後述の電子ペン30と協働し、本発明に係る各種機能を実現する。
電子ペン30は、使用者の描いた文字や、図形等の筆跡を電子情報として読み取ることができるペン型の装置である。
電子ペン30は、図3に示すように、赤外光照射部31、カメラ部32、ペン制御部33、通信部34、電源部35、記憶部36等を備えている。また、電子ペン30の先端には、ペン先30aが形成されている。
電子ペン30は、電子ペン用表示装置2に設けられる電子ペン用シート10上において使用者が描いた文字や、記号、図形等の筆跡をカメラ部32で撮影し、撮影した画像データに基づいてペン先30aの軌跡の座標データを演算し、電子情報として表示装置20側に送信する。
なお、ペン先30aには不図示の圧力センサ等設けられており、電子ペン30の制御部24は、このペン先30aに所定値以上の筆圧が加わった場合に、筆記が開始されたものと判定し、電子ペン30の各部を作動させている。
赤外光照射部31は、電子ペン30のペン先30aの周囲に赤外光を照射する光源である。赤外光照射部31は、電子ペン30のペン先30aが、電子ペン用シート10の表面に接触した場合に、赤外光を電子ペン用シート10の表面に照射する。
カメラ部32は、赤外光照射部31から照射された赤外光の戻り光を受光するCCDカメラ又はCMOSカメラである。これにより、カメラ部32は、ペン先30aが電子ペン用シート10に接触した場合に、ペン先30a近傍の電子ペン用シート10に設けられたドットパターンを撮影し、その画像データをペン制御部33に出力する。
ペン制御部33は、電子ペン30の各部を統括して制御する制御部であり、例えばCPU等から構成される。ペン制御部33は、カメラ部32によって撮影された画像データをカメラ部32から入力し、その画像データに基づいて、電子ペン30のペン先30aの座標データを作成する。また、ペン制御部33は、作成した座標データを、通信部34を介して表示装置20へ送信する。
通信部34は、外部機器と無線通信する通信モジュールであり、本実施形態では、表示装置20の通信部22と通信する。
電源部35は、電子ペン30の各部に電力を供給するバッテリーである。
記憶部36は、電子ペン30の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。また、記憶部36は、カメラ部32で撮影した画像データを所定値(後述する)に変換するプログラムや、変換した所定値の配列からペン先30aの座標データを演算するプログラムが記憶されている。さらに、記憶部36は、カメラ部32で撮影した画像データや、ペン制御部33で作成した座標データ等を保存する。
次に、電子ペンシステム1の使用方法について説明する。
図5は、電子ペン用シートに設けられたドット部のデータ変換則の一例を示す図である。
図6は、電子ペンのカメラ部で撮影したドットパターンの変換例を示す図である。図6(a)は、電子ペンが読み取ったドットパターンの画像データの例を示す図であり、図6(b)は、図6(a)の画像データから変換された所定値の配列を示す図である。
図5に示すように、ドットパターン層13の各ドット部13aは、仮想の格子状の基準線(図5中の破線)の交点に対する位置に応じて、所定値(0〜3)が対応付けられている。具体的には、仮想の格子状の基準線の交点に対して右側にずれているドット部13aは「0」が、上側にずれているドット部13aは「1」が、左側にずれているドット部13aは「2」が、下側にずれているドット部13aは「3」が、それぞれ対応付けられている。
例えば、図6(a)に示すようなドットパターンを電子ペン30が読み取った場合、ペン制御部33は、上記変換則に基づいて、図6(b)に示すように、ドットパターンの各ドット部13aを所定値に変換する。本実施形態では、カメラ部32は、約2mm×約2mmの領域を撮影し、6×6のドット部13aから構成されるドットパターンを撮影する(図6(a)参照)。
電子ペン30の記憶部36には、この所定値の配列に対応した座標情報が予め記憶されており、ペン制御部33は、変換したドット部の所定値の配列に基づいて、ペン先30aの座標データを演算する。
電子ペン30のペン制御部33は、ペン先30aに筆圧が加わった場合に、内蔵されている赤外光照射部31によって電子ペン用シート10のドットパターン層13に赤外光を照射し、その戻り光をカメラ部32により撮影し、画像データを取得する。ここで、赤外光照射部31から照射される赤外光は、電子ペン用表示装置2の表示部21によって電子ペン30側に拡散反射することとなるが、ドットパターン層13のドット部13aは、赤外光を吸収する材料により形成されているため、カメラ部32は、ドット部13aの部分のみ赤外光が吸収された状態のドットパターンを撮影することとなる。
電子ペン30のペン制御部33は、カメラ部32で撮影された撮影データを上述の図5に示す変換則によって、撮影したドットパターンの各ドット部の位置を所定値に変換し、更にその所定値の配列に基づいて座標データに変換する。
ここで、カメラ部32は、ペン先30aに筆圧が加わっている間、例えば、毎秒50〜100回のサンプリングで継続して撮影しており、撮影した画像データを、サンプリング毎にペン制御部33に順次出力している。ペン制御部33は、カメラ部32から順次出力される画像データを座標データに変換し、通信部34を介して表示装置20の通信部22に順次送信する。
電子ペン用表示装置2の制御部24は、電子ペン30から座標データを受信したら、その座標データに基づいて表示部21に、電子ペン30による筆跡を表示する。
次に、本実施形態の電子ペン用シート10へ入射する電子ペンの赤外光の様子を説明する。
図7は、比較例の電子ペン用シートのドットパターン層を示す図である。
比較例の電子ペン用シートは、図7に示すように、厚み方向に平行な断面におけるドット部の形状が略矩形状に形成されており、このドット部の側面は、ドット部の表面(観察者側の面)に対して略垂直に形成されている。なお、図4及び図7は、厚み方向に平行であって画面左右方向に平行な断面について記載しているが、厚み方向に平行であって画面上下方向に平行な断面についても同様である。
ここで、電子ペンから照射される赤外光のうちドット部に吸収される赤外光は、厚み方向に対して電子ペンが少しでも傾斜している場合、図7に示すように、ドット部の表面(観察者側の面)の一端部から他端部に入射する赤外光L4、L5だけでなく、ドット部の側面に入射する赤外光L6も含まれる。そのため、図7に示す断面において、画面左右方向におけるドット部により吸収される赤外光の幅d4は、厚み方向から見たドット部の幅d3よりも大きくなってしまう(d4>d3)。
したがって、電子ペンのカメラ部により撮影されるドット部は、見かけ上、ドット部よりも大きくなってしまい、隣接するドット部との距離が近くなり、ドット部のある部分と無い部分とのコントラストが付きにくくなり、ドットパターンの読み取り特性が低下してしまう場合があった。
これに対して、本実施形態の電子ペン用シートのドット部13aは、図4に示すように、その側面sが、表示装置側(裏面側)に向かうにつれて、観察者側の面(表面)におけるドット部の中心線c側へ傾斜するように形成されている。そのため、電子ペン30が厚み方向に対して傾いている場合であっても、ドット部13aによって主に吸収される赤外光は、ドット部13aの表面(観察者側の面)の一端部から他端部に入射する赤外光L1、L2となり、図4に示す断面において、画面左右方向におけるドット部13aにより吸収される赤外光の幅d2は、ドット部の幅d1とほぼ等しくなる(d2≒d1)。したがって、各ドット部間に入射する赤外光(例えばL3)は、ドット部13aの側面sに入射して吸収されてしまうのを極力回避することができる。
これにより、電子ペン30のカメラ部32によって撮影されるドット部13aは、上述の比較例の場合のように、見かけ上大きく撮影されてしまうのを抑制することができ、隣接するドット部との距離が近くなってドット部のある部分と無い部分とのコントラストが付きにくくなるのを抑制し、ドットパターンの読み取り特性が低下してしまうのを回避することができる。
(電子ペンの読み取り特性の評価)
次に、実施例及び比較例の電子ペン用シートを準備し、両者の電子ペンの読み取り特性の評価を行った。
実施例及び比較例の電子ペン用シートは、表示装置の表示部上に、接合層、枠印刷層、ドットパターン層、透明基材層、表面層が順次積層された構成である。
実施例の電子ペン用シートは、上述の実施形態に基づく電子ペン用シートであり、図2に示すドットパターン層13を有している。
比較例の電子ペン用シートは、上述の比較例に基づく電子ペン用シートであり、図7に示すドットパターン層を有している。
実施例及び比較例の電子ペン用シートを構成する各層の詳細は以下の通りである。
実施例及び比較例の電子ペン用シートの外形は、それぞれ320mm×460mmである。
実施例及び比較例の電子ペン用シートの透明基材層は、PET樹脂(東洋紡績社製、A4300)、厚さ125μmのシートである。
実施例及び比較例の電子ペン用シートのドットパターン層は、ドット部が、ジイモイウム色素を重量比で12.5%、光開始剤を重量比で3%それぞれ含有させたエポキシアクリレート系樹脂により形成されている。
また、実施例及び比較例の成形樹脂部は、光開始剤を3%(重量比)含有させたエポキシアクリレート系樹脂に形成されており、その厚さは125μmである。
実施例のドット部は、厚み方向から見た形状が直径160μmの円形であり、厚さが17μmであり、隣り合うドット部との間隔が約300μmになるように、透明基材層の表示装置側の面に上述の樹脂をスクリーン印刷することによって形成されている。
これに対し、比較例のドット部は、厚み方向からみた形状が直径130μmの円形であり、厚さが8μmであり、隣り合うドット部との間隔が約300μmになるように、透明基材層の表示装置側の面に上述の樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ方式によって光を70mJ/cm(波長365nm換算)で露光した後、現像液(KOH濃度約0.04%)により60秒間現像することによって形成されている。
実施例及び比較例の成形樹脂部は、透明基材層及びドット部上に成形樹脂部を形成する上記樹脂を塗布し、紫外線光源(Fusion社製、Dバルブ)を用いて、紫外線を1000mJ/cm露光することによって形成される。
実施例及び比較例の電子ペン用シートは、表示装置(パナソニック製、タフパッド4K UT−MB5)の表示部に粘着層によって貼付される。
図8は、実施例及び比較例の電子ペン用シートのドット部の断面形状の測定結果を示す図である。図8(a)は、実施例のドット部の断面形状を示す図であり、図8(b)は、比較例のドット部の断面形状を示す図である。ここで、図8に示す実施例及び比較例のドット部の各断面形状は、非接触表面・層断面形状計測システム(菱化システム社製、VertScan)によって計測されたものである。なお、図8の各図は、縦軸及び横軸の単位は、いずれも[μm]である。
比較例の電子ペン用シートのドット部は、図8(b)に示すように、その断面形状が略矩形状に形成されている。この比較例の電子ペン用シートを表示装置上に配置して電子ペンで筆記した場合、電子ペンのカメラ部は、厚み方向に対する電子ペンの傾ける角度が平均25°までであれば、筆跡を適正に読み取ることができた。
これに対して、実施例の電子ペン用シートは、図8(a)に示すように、その断面形状が略半楕円状に形成されており、ドット部の側面が、表示装置側(裏面側)に向かうにつれて、観察者側の面(表面)におけるドット部の中心側へ傾斜するように形成されている。この実施例の電子ペン用シートを表示装置上に配置して電子ペンで筆記した場合、電子ペンのカメラ部は、厚み方向に対する電子ペンの傾ける角度を47°まで傾けても筆跡を適正に読み取ることができ、比較例の電子ペン用シートに比してより大きく電子ペンを傾けても筆跡を適正に読み取ることができることが確認された。
これは、比較例の電子ペン用シートは、上述のように電子ペンの傾ける角度を大きくすることにより、撮影されるドット部の見かけ上の大きさが大きくなってしまうため、隣接するドット部との距離が近くなり、ドット部のある部分と無い部分とのコントラストが付きにくくなり、ドットパターンの読み取り特性が低下してしまったことが要因と考えられる。
これに対して、実施例の電子ペン用シートは、電子ペンの傾ける角度を大きくしても、撮影されるドット部の見かけ上の大きさが比較例ほど大きくならないため、隣接するドット部との距離が近くなり、ドット部のある部分と無い部分とのコントラストが付きにくくなるのを抑制し、ドットパターンの読み取り特性が低下してしまうのを回避することができることが確認された。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
図9は、ドットパターン層のドット部の他の例を説明する図である。
(1)上述の実施形態において、ドットパターン層13のドット部13aは、球面が表示装置側に向くようにした半球状の楕円体に形成される例を説明したが、これに限定されるものでない。例えば、ドット部13aは、半球状に形成されるようにしたり、図9(a)に示すように、半球状の縁部が外側に広がった形状に形成されたり、図9(b)に示すように、頂点が表示装置側に向いた三角錐状に形成されたり、図9(c)に示すように、半球状の長円体に形成されるようにしてもよい。
また、ドット部13aは、図9(d)及び図9(e)に示すように、厚み方向に平行な断面が平行四辺形になるような円柱状に形成されたりしてもよい。なお、図9(d)や図9(e)に示すドット部の形態は、例えば、右利きの使用者が電子ペンを握る場合は、電子ペンが画面左右方向の右側に傾く傾向があるので、図9(d)に示す形態とし、また、左利きの使用者が電子ペンを握る場合は、電子ペンが画面左右方向の左側に傾く傾向があるので、図9(e)に示す形態とすることができる。
(2)上述の各実施形態において、電子ペンから照射される赤外光は、表示装置20の表示部21に設けられたITO膜(透明導電膜)によって拡散反射し、電子ペン側に戻り光として戻される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、赤外光を拡散反射させる赤外光拡散反射層をドットパターン層の表示装置側(裏面側)に設け、電子ペンから照射される赤外光が赤外光拡散反射層によって拡散反射するようにしてもよい。このように赤外光拡散反射層を電子ペン用シートに設けることによって、電子ペン側により近い位置で赤外光を拡散反射させることができるので、電子ペンにより撮影されるドットパターンの撮影データをより鮮明にすることができる。また、このような電子ペン用シートは、表示装置側に赤外光を拡散反射させる層が存在しない場合に特に有効である。
赤外光拡散反射層は、例えば、粒径の揃った平板上の銀ナノ粒子(銀ナノ平板粒子)を高密度で分散させた構造を有するシートを用いることができ、銀ナノ粒子のプラズモン共鳴現象を利用して赤外光を反射することができる。
(3)上述の実施形態において、ドットパターン層13のドット部13aは、厚み方向から見た形状が円形状に形成される例を示したが、これに限定されるものでなく、例えば、楕円状や、矩形状に形成されるようにしてもよい。
(4)ドットパターン層13は、透明基材層12の表示装置側の面にドット部13aが形成され、ドット部13a及び透明基材層12の表示装置側の面に成形樹脂部13bが形成される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、ドットパターン層13は、透明基材層12の表示装置側の面に、ドット部13aに対応する窪みを表示装置側の面に設けられた成形樹脂部13bが形成され、その窪みにドット部13aが形成されるようにしてもよい。この場合、成形樹脂部13bは、例えば、ドット部13aに対応する窪みを賦形する成形型に樹脂を押圧し、硬化されることによって形成され、また、ドット部13aは、例えば、成形樹脂部13bの前記窪みに樹脂を充填しワイピングすることによって形成される。
また、この場合、ドット部及び成形樹脂部の表示装置側の面に第2樹脂成形層を設けるようにしてもよい。成形樹脂部13bとドット部13aとから構成されるドットパターン層13の表示装置側(裏面側)の面が平坦に形成できない場合に、第2成形樹脂部を形成することによって、ドットパターン層13の表示装置側の面を平坦にすることができる。なお、第2成形樹脂部は、例えば、ドット部13a及び成形樹脂部13bの表示装置側の面に樹脂を充填し、平坦面を有する金型を押し付ける等によって形成される。
1 電子ペン用システム
2 電子ペン用表示装置
10 電子ペン用シート
11 表面層
12 透明基材層
13 ドットパターン層
13a ドット部
13b 成形樹脂部
14 接合層
20 表示装置
21 表示部
22 通信部
23 記憶部
24 制御部
30 電子ペン
31 赤外光照射部
32 カメラ部
33 ペン制御部

Claims (4)

  1. 表示装置の表示部上に配置され、電子ペンにより読み取り可能な複数のドット部から構成されるドットパターンが設けられた電子ペン用シートであって、
    前記ドットパターンが設けられるドットパターン層を備え、
    前記ドットパターンの各ドット部は、厚み方向に直交する観察者側の面に交差する側面の少なくとも一部が、前記表示装置側に向かうにつれて、前記観察者側の面における前記ドット部の中心側へ傾斜していること、
    を特徴とする電子ペン用シート。
  2. 請求項1に記載の電子ペン用シートにおいて、
    前記ドットパターンの各ドット部は、前記ドットパターン層の厚み方向に垂直な断面の面積が、前記表示装置側に向かうにつれて小さくなること、
    を特徴とする電子ペン用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子ペン用シートにおいて、
    前記ドットパターン層の表示装置側に、赤外光を拡散反射させる赤外光拡散反射層を備えること、
    を特徴とする電子ペン用シート。
  4. 表示部に画像を表示する表示装置と、
    前記表示部上に配置される請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電子ペン用シートと、
    を備える電子ペン用表示装置。
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KR102212049B1 (ko) * 2020-08-27 2021-02-05 딥스원테크(주) 적외선 흡수잉크가 인쇄된 전자펜 필기용 도트패턴 시트 및 전자칠판 시스템

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