JP2016080829A - 光学反射フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】初期の赤みの呈色が抑制されると共に、強い太陽光に長時間曝されても色調変動が生じにくい光学反射フィルムを提供する。
【解決手段】基材上に、低屈折率層と高屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムであって、前記高屈折率層が、樹脂と、酸化チタン粒子と、酸化剤とを含み、前記酸化剤は、N−オキシド化合物、N−オキシル化合物および有機過酸化物からなる群から選択された少なくとも一種を含む、光学反射フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学反射フィルムに関する。より詳細には、本発明は、初期の赤みが低減され、かつ色調変動抑制効果の高い光学反射フィルムに関する。
近年、省エネルギー対策への関心が高まり、建築用ガラスや車両用ガラスにおいて、室内あるいは車内に入る太陽輻射エネルギーを遮蔽し、温度上昇、冷房負荷を低減する目的で、赤外線の遮蔽性を有する断熱ガラスが採用されている。一方、従来より屈折率の異なる層を積層して形成した赤外遮蔽フィルムが知られており、この赤外遮蔽フィルムをガラスに貼付することにより、太陽光の中、熱線の透過を遮断する方法が、より簡便な方法として注目されている。
赤外遮蔽フィルムとしては、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた積層膜を蒸着法、スパッタなどの気相成膜法で作製する方法がある。しかしながら、気相成膜法は製造コストが高く、大面積化が困難であり、耐熱性素材に限定される等の課題がある。
したがって、赤外遮蔽フィルムの製造の際には、製造コストが安く、大面積化が可能であり、基材の選択幅が広いといった観点から液相成膜法(ウェット)を用いるほうが有利である。液相成膜法を用いた技術として、たとえば、特許文献1には、水溶性高分子および金属酸化物微粒子の混合物を含む塗布液を、湿式塗布方式により塗布して積層することにより製造される光学反射フィルム(近赤外反射フィルム)が開示されている。
しかしながら、上記のように、金属酸化物微粒子(主として酸化チタン)を含む塗布液により形成された光学反射フィルムは、太陽光に長時間曝されると、変色する(色調が変動する)ことがあるという問題点が判明した。かような問題点に対し、種々の検討が行われており、その中の一つとして、特許文献2では、酸化チタン含有粒子と共にコバルト錯体を含む分散液が提案されており、当該分散液およびマトリックス形成成分としての樹脂を含むコーティング組成物を用いて透明膜付基材(フィルム)を製造する技術が提案されている。
国際公開第2012/014607号 特開2014−38293号公報
特許文献2の技術によれば、酸化チタン含有粒子を含むコーティング組成物中、コバルト錯体を共存させる。そして、当該コーティング組成物を用いて形成された塗膜においては、紫外線による酸化チタンの励起が抑制され、酸化チタンの青色化に伴う色調の変化や、クラック(膜割れ)の発生が防止される。しかしながら、本発明者は、特許文献2の技術を用いて製造される光学反射フィルムは、初期(製造直後)であっても赤みを呈し、光学反射フィルムの用途が制限されてしまうという問題点があることを見出した。また、本発明者は、特許文献2の技術を以ってしても、強い太陽光に長時間曝されると、光学反射フィルムの色調が変動するという問題点があることを見出した。さらに、特許文献2の技術を用いて製造される光学反射フィルムが強い太陽光に長時間曝されると、クラックが生じるという問題点があることが判明した。
したがって、本発明の目的は、上記事情を鑑みてなされたものであり、初期の赤みの呈色が抑制されると共に、強い太陽光に長時間曝されても色調変動が生じにくい光学反射フィルムを提供することにある。また、本発明の他の目的は、クラックの発生が抑制され、耐久性の高い光学反射フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、低屈折率層および高屈折率層を積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムにおいて、高屈折率層に樹脂と、酸化チタン粒子と特定の酸化剤とを含む構成を採ることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記目的は、基材上に、低屈折率層と高屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムであって、前記高屈折率層が、樹脂と、酸化チタン粒子と、酸化剤とを含み、前記酸化剤は、N−オキシド化合物、N−オキシル化合物および有機過酸化物からなる群から選択された少なくとも一種を含む、光学反射フィルムによって達成される。
本発明の光学反射フィルムにおいて、酸化チタン粒子と共に特定の酸化剤を高屈折率層中に含むことにより、当該フィルムの初期の赤みの呈色が抑制され、かつ、強い太陽光に長時間曝されても色調変動が抑制される。さらに、本発明の光学反射フィルムは、上記構成を採ることによりクラックの発生が抑制され、耐久性にも優れる。
本発明の第一の形態によれば、基材上に、低屈折率層と高屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムであって、前記高屈折率層が、樹脂と、酸化チタン粒子と、酸化剤とを含み、前記酸化剤は、N−オキシド化合物、N−オキシル化合物および有機過酸化物からなる群から選択された少なくとも一種を含む、光学反射フィルムが提供される。なお、本明細書中、上記酸化剤を「有機系酸化剤」とも略称することがある。ここで、「有機系」とは、金属を含まず、主に炭素からなる化合物であることを示すものである。
本発明に係る光学反射フィルムは、低屈折率層と高屈折率層とが積層された構造を有する。ここで、特許文献2のような、酸化チタン(二酸化チタン粒子)含有粒子とコバルト錯体を樹脂と共に塗布して得られる光学反射フィルムは、初期の段階においても赤みを呈し、さらに、強い太陽光に長時間曝されると、光学反射フィルムの色調が変動するという問題があることが判明した。
そこで、本発明者は、光学反射フィルムの初期の赤みを抑制し、かつ、強い太陽光に長時間曝された際の色調変動を抑制する目的で、高屈折率層中に含まれる酸化チタン粒子と、これと共存する化合物について、種々検討を行った。その結果、驚くべきことに、特定の有機系酸化剤(具体的には、N−オキシド化合物、N−オキシル化合物および有機過酸化物からなる群から選択された少なくとも一種の化合物)を添加することにより、上記目的が達成されることが見いだされた。そのメカニズムは、以下のように推測される。
本発明者は、まず、強い太陽光に長時間曝された際に光学反射フィルムの色調が変動する原因として、高屈折率層に含まれる酸化チタン自体の着色に着目した。そして、酸化チタン(特にルチル型酸化チタン)は、紫外線に曝されることにより、酸化チタン粒子自身が青色化するが、これを抑制するという観点から以下のように考察した。
まず、酸化チタン粒子の表面に紫外線が照射されると、還元反応により酸素原子が脱離し、酸化チタン中のチタンが「Ti4+(すなわち、4価の状態であり、無色の状態)」から「Ti3+(すなわち、3価の状態であり、青色を呈する状態)」となる。このように、酸化チタン粒子の着色は、紫外線照射によりチタンの電子状態が変化することにあると考えられている。
ここで、特許文献2によれば、酸化チタン含有粒子と共にコバルト錯体が共存するため、当該コバルト錯体が酸化チタンに含まれるチタンの酸化還元に寄与する。その結果、チタンを初期の(すなわち、無色の)状態に戻す、あるいは、そもそものチタンの変色を抑制することができ、その結果、酸化チタン含有粒子の着色(青色化)をある程度抑制することが可能であると考えられる。しかしながら、本発明者は、光学反射フィルムが強い太陽光に長時間曝されると、特許文献2の技術による光学反射フィルムの色調が変化してしまうことから、コバルト錯体を添加しても、上記の酸化チタン粒子の着色(青色化)が十分に抑制されず、結果としてフィルムの色調変動が生じているのではないかと考えた。
これに対し、本発明は、特定の有機系酸化剤を酸化チタン粒子と共に高屈折率層中に含む構成をとる。そして、上記特定の有機系酸化剤は、コバルトよりもチタンの酸化還元に寄与しやすいため、酸化チタン粒子の着色を抑制する効果を極めて向上させることができると考えられる。より具体的には、酸化チタンの青色の抑制には、青色を呈する「Ti3+」の状態から、無色である「Ti4+」の状態に戻すこと(すなわち、チタンから電子を放出させること)が必要であると推測されるが、本発明における特定の有機系酸化剤は、「Ti3+」の状態にあるチタンから、電子を受け取りやすいと考えられる。したがって、チタンを青色である「Ti3+」の状態から、無色の「Ti4+」の状態に戻す過程を容易に進行させることができるため、効果的に酸化チタン粒子の着色を抑制することができると推測される。
また、上述の通り、特許文献2の技術によれば、得られる光学反射フィルムの色調について、初期(製造直後)の段階であっても赤みを呈するという問題点があった。このように、赤みを帯びた光学反射フィルムは、その用途が制限されてしまい、たとえば、窓ガラスといった透明性を求められる用途では不適当である。
特許文献2の技術による上記問題点(赤みの呈色)について、本発明者は、コバルト錯体、より具体的にはコバルト自身の着色に着目した。そこで、このような着色が問題となる金属を含まない、有機系酸化剤を用いることにより、上記赤みの問題が解決されるのではないかと推測し、種々の化合物について検討を行った。そして、上記特定の有機系酸化剤を用いることにより、上述した酸化チタン粒子の着色だけでなく、初期段階の赤みもまた抑制されることが判明した。したがって、本発明の光学反射フィルムによれば、酸化チタン粒子の青色化が効果的に抑制されるばかりか、有機系酸化剤自身の着色もまた問題とならないという優れた効果が奏される。
さらに、本発明の光学反射フィルムは、耐久性の点でも優れる。本発明に係る光学反射フィルムは、高屈折率層が樹脂を含むが、当該樹脂は、共に含まれる酸化チタン粒子の光触媒作用により、分解反応が促進されやすい環境にある。これに対し、特定の有機系酸化剤を添加することで、酸化チタンの光触媒作用もまた抑制される結果、樹脂の分解が抑制されると考えられる。
さらに、本発明では、上述のように、酸化チタン粒子の着色が抑制されているため、これによってもまた耐久性が向上する効果が得られていると推測される。
ここで、樹脂の分解抑制により耐久性が向上することは言うまでもないが、酸化チタン粒子の着色抑制と耐久性の向上効果との関係について概説する。酸化チタンが青色化(着色)している状態とは、すなわち近赤外領域の光を吸収している状態である(補色の関係)。このような状態では、酸化チタンを含む高屈折率層が蓄熱して高温となってしまい、その結果、樹脂が劣化してしまう。しかしながら、本発明では、上記のように、酸化チタン粒子の青色化が抑制されているため、このような高屈折率層の温度上昇を抑制・防止して、樹脂の劣化を効果的に抑制することができると考えられる。
このように、本発明の光学反射フィルムは、上記のメカニズムにより、初期の赤みが極めて低減されると共に、色調の変動が小さいだけでなく、耐久性にも優れるという効果を発揮すると考えられる。また、高屈折率層および低屈折率層を積層したユニットは、後述するように、光学特性(主として光線反射率)の制御のために、多くの層を積層することがあり、このような場合には、特に色調の問題が生じやすくなる。しかしながら、本発明によれば、上記の通り色調の問題が解消されるため、良好な光学特性を達成しつつ、さらに色調の問題も解消される。なお、上述した本発明の構成による作用効果の発揮のメカニズムは推測であり、本発明は、上記推測によって限定されない。
以下、本発明の光学反射フィルムの構成要素について、詳細に説明する。なお、以下では、低屈折率層および高屈折率層を区別しない場合は、両者を含む概念として「屈折率層」と称する。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
〔光学反射フィルム〕
本発明に係る光学反射フィルムは、基材上に、低屈折率層と高屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む。なお、本明細書において、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、隣接した2層の屈折率差を比較した場合に、屈折率が高い方の屈折率層を高屈折率層とし、低い方の屈折率層を低屈折率層とすることを意味する。したがって、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、光学反射フィルムを構成する各屈折率層において、隣接する2つの屈折率層に着目した場合に、各屈折率層が同じ屈折率を有する形態以外のあらゆる形態を含むものである。また、本明細書中、低屈折率層と高屈折率層とを積層したユニットが複数積層された部分を単に「光学反射層」または「反射層」と称することがある。
光学反射フィルムは、基材、光学反射層をこの順に有し、光学反射層は、光が入射する面に配置されると好ましい。さらに、光学反射層は、基材と隣接して配置されてもよいし、基材と光学反射層との間に他の層が介在していてもよい。
本発明の光学反射フィルムは、光学反射層を構成する高屈折率層が、樹脂と、酸化チタン粒子と、特定の有機系酸化剤(N−オキシド化合物、N−オキシル化合物および有機過酸化物からなる群から選択された少なくとも一種の化合物)とを含むことを特徴の一つとしている。以下では、まず、高屈折率層に含まれる各成分について詳述する。
(有機系酸化剤)
本発明に係る光学反射フィルムにおいて、高屈折率層は、酸化チタン粒子の青色化(着色)や、共に高屈折率層中に含まれる樹脂の変色を抑制するため、特定の有機系酸化剤を含む。本発明において、用いられる有機系酸化剤は、N−オキシド化合物、N−オキシル化合物および有機過酸化物からなる群から選択された少なくとも一種の化合物を含む。上記特定の有機系酸化剤は一種単独で用いられてもよいし、2種以上が混合されて用いられてもよい。
上記特定の有機系酸化剤は、高屈折率層中に含まれる酸化チタン粒子のチタン、より具体的には、青色を呈する3価のチタンである「Ti3+」から電子を受け取りやすい。よって、上記特定の有機系酸化剤を添加することにより、「Ti3+」から無色の「Ti4+」への酸化反応(Ti4+に戻す反応)が起こりやすくなり、酸化チタン粒子の着色を効果的に抑制することができる。その結果、強い太陽光(主に紫外線)に曝されても、酸化チタン粒子の着色に起因する色調変動が効果的に抑制される。さらに、これら有機系酸化剤の添加により、酸化チタン粒子の光触媒作用が抑制され、また、酸化チタンの青色化が抑制されるため、高屈折率層に含まれる樹脂の分解・劣化もまた抑制される。その結果、さらに色調変動を抑制する効果が向上する。
本発明において用いられる有機系酸化剤は、活性な酸素ラジカルまたは酸素アニオンを有する(またはこれらを発生させることができる)化合物である。したがって、上記有機系酸化剤に含まれる(または由来する)活性な酸素ラジカルや酸素アニオンが、酸化チタンのチタンに対して酸化剤として作用し、青色を呈する「Ti3+」から無色の「Ti4+」への酸化反応(チタンから電子を放出させ、Ti4+に戻す反応)を促進する。その結果、上記の通り、酸化チタン粒子の着色に起因する色調変動が効果的に抑制されると推測される。
以下、本発明において用いられる有機系酸化剤としての、N−オキシド化合物、N−オキシル化合物および有機過酸化物について、それぞれ詳説する。
N−オキシド化合物
本発明において、有機系酸化剤として用いられる「N−オキシド化合物」は、含窒素化合物の窒素原子が酸化されたものを表し、具体的には、「N−O」構造(異なる記載として、「N→O」と記載することもある)を有する化合物である。なお、N−オキシド化合物は、「N−O」構造を複数有していてもよいが、化合物の入手容易性等の観点からは、「N−O」構造を1つ有しているものが好ましい。
また、本発明において用いられるN−オキシド化合物は、「N−O」構造を有していれば、如何なる構造を有していてもよく、窒素原子上の置換基は特に制限されない。
ここで、N−オキシド化合物は、下記一般式(I)または一般式(II)で表される化合物であると好ましい。
まず、一般式(I)について説明する。
式中、Rは、互いに独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルキニル基、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリールオキシ基または炭素原子数1〜20のヘテロアリール基を表し、Rのうち、少なくとも1つは水素原子以外の上記置換基である。
上記炭素原子数1〜20のアルキル基としては、特に制限はないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、2−テトラオクチル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ヘプタデシル基、1−オクチルノニル基などの直鎖または分岐鎖のアルキル基が挙げられる。ここで、光学反射フィルムの各層は、後述するように、生産性の向上等の観点から、水系溶剤を用いて塗布することにより形成されると好ましい。したがって、高屈折率層に含まれる有機系酸化剤の水溶性を向上させ、水系溶媒に溶解させることにより、光学反射フィルムの生産性を向上させることができる。よって、有機系酸化剤の水溶性を向上させるという観点から、炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
上記炭素原子数3〜20のシクロアルキル基としては、特に制限はないが、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などが挙げられる。このうち、上記と同様に、水溶性を向上させるという観点から、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基であることが好ましい。
上記炭素原子数2〜20のアルケニル基としては、特に制限はないが、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、1−オクテニル基、3−オクテニル基、5−オクテニル基などが挙げられる。上記と同様に、水溶性を向上させるという観点から、炭素原子数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
上記炭素原子数2〜20のアルキニル基としては、特に制限はないが、例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、1−ヘプチニル基、2−ヘプチニル基、5−ヘプチニル基、1−オクチニル基、3−オクチニル基、5−オクチニル基などが挙げられる。上記と同様に、水溶性を向上させるという観点から、炭素原子数2〜10のアルキニル基であることが好ましい。
上記炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、特に制限はないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−デシルテトラデシルオキシ基などが挙げられる。上記と同様に、水溶性を向上させるという観点から、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であることが好ましい。
上記炭素原子数6〜30のアリール基としては、特に制限はないが、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの非縮合炭化水素基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基などの縮合多環炭化水素基が挙げられる。上記と同様に、水溶性を向上させるという観点から、炭素原子数6〜10のアリール基であることが好ましい。
上記炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。上記と同様に、水溶性を向上させるという観点から、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基であることが好ましい。
上記炭素原子数1〜20のヘテロアリール基としては、特に制限はないが、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、フラニル基、ピロリル基、チオフェニル基(チエニル基)、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、クマリニル基、シラフルオレニル基、ベンゾフラニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾチオフェニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリダジニル基などが挙げられる。上記と同様に、水溶性を向上させるという観点から、炭素原子数1〜10のヘテロアリール基であることが好ましい。
なお、上記一般式(I)において、Rにおいて場合によって存在する置換基は、特に制限はないが、例えば、置換または非置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基などを挙げることができる。なお、上記において、同一の置換基で置換されることはない。すなわち、置換のアルキル基は、アルキル基で置換されることはない。
N−オキシド化合物は、水溶性や入手容易性等の観点から、含窒素複素環骨格を含んでいると好ましい。さらに上記観点に加え、電子受容性の観点から、下記一般式(II)で表される化合物であるとより好ましい。
式中、Arは、置換基を有していてもよい有機残基である。なお、上記一般式(II)において、Arは、4級化された窒素を含む、含窒素複素環骨格を構成するための有機残基を表す。
Arは、電子受容性や水溶性の観点から、3〜10の炭素原子を含む炭化水素基であると好ましく、4〜7の炭素原子を含む炭化水素基であるとより好ましい。さらに、電子受容性、水溶性や入手容易性を考慮すると、Arは、窒素原子と共に5〜8員環を形成しているとより好ましい。
Arおよび4級化された窒素によって構成される、一般式(II)の基本骨格としては、ピリジン、ピロールおよび3,4,5,6−テトラヒドロピリジンにそれぞれ由来する骨格が挙げられるが、これらに制限されない。
また、Ar上に置換していてもよい置換基は、特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルキニル基、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20のヘテロアリール基、ヒドロキシル基(−OH)、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基置換アミノ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアシル基置換アミノ基、または置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアシルオキシ基などが挙げられる。
なお、Ar上の置換基としての、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基およびヘテロアリール基については、上記Rについて説明したものと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
上記一般式(II)において、炭素原子数1〜20の炭化水素基置換アミノ基としては、特に制限はないが、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのモノ又はジ炭化水素基置換アミノ基が挙げられる。このうち、水溶性を向上させるという観点からは、炭化水素基置換アミノ基における窒素原子上の置換基(炭化水素基)は、炭素原子数1〜10のアルキル基であると好ましい。
上記炭素原子数1〜20のアシル基置換アミノ基としては、特に制限はないが、例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。このうち、水溶性を向上させるという観点からは、アシル基置換アミノ基における窒素原子上の置換基(アシル基)は、炭素原子数1〜10のアシル基であると好ましい。
炭素原子数1〜20のアシルオキシ基としては、特に制限はないが、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。このうち、水溶性を向上させるという観点からは、炭素原子数1〜10のアシルオキシ基であると好ましい。
さらに、上記一般式(II)において、Arは、Nと共に、含窒素複素芳香環骨格を構成すると好ましい。このように、N−オキシド化合物が複素芳香環骨格を有することで、電子は共鳴安定化されやすく、その結果、N−オキシド化合物は電子受容性が向上する。よって、N−オキシド化合物が酸化チタン中のチタンから電子を受け取りやすく、酸化剤としてより活性が高くなるため、チタンの青色化を抑制する効果が向上する。
有機系酸化剤として用いられるN−オキシド化合物は、上記含窒素複素芳香環骨格を有するN−オキシド化合物の中でも、ピリジン−N−オキシド骨格を含む化合物であると好ましい。ピリジン環を含むN−オキシド化合物は一般に水溶性が高いため、水系溶剤を用いた高屈折率層の形成に特に適している。また、ピリジン環を含むN−オキシド化合物は、入手容易性の観点からも好ましい。
さらに、ピリジン−N−オキシド骨格を含む化合物は、下記一般式(II−1)で表される化合物であると好ましい。
式中、mは0〜5の整数であり、R11は、互いに独立して、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルキニル基、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20のヘテロアリール基、ヒドロキシル基(−OH)、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基置換アミノ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアシル基置換アミノ基、または置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアシルオキシ基を表す。
なお、R11としての、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基およびヘテロアリール基、炭化水素基置換アミノ基、アシル基置換アミノ基およびアシルオキシ基については、上記一般式(II)おける、Ar上の置換基として説明したものと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
上記一般式(II−1)において、mは、ピリジン環上の置換基(R11)の数を表す。電子の受容性や水溶性の観点から、mは0〜3の整数であると好ましく、0〜2の整数であるとより好ましい。
また、電子の受容性や水溶性、入手容易性の観点から、R11によって表される置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基(−OH)、アミノ基(−NH)または置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基置換アミノ基であるとより好ましく、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素原子数1〜10の炭化水素基置換アミノ基であると特に好ましい。
本発明において、有機系酸化剤として用いられるピリジンN−オキシド化合物としては、特に制限されないが、ピリジンN−オキシド、2−メチルピリジンN−オキシド、3−メチルピリジンN−オキシド、4−メチルピリジンN−オキシド、4−アミノピリジンN−オキシド、4−(ジメチルアミノ)ピリジンN−オキシド、2,6−ジメチルアミノピリジンN−オキシド、2,6−ジクロロピリジンN−オキシドなどが好ましい。
さらに、上記一般式(II−1)中、R11によって表される置換基としては、電子供与性基であると好ましい。電子供与性基とは、ハメットのσp値が負の値を示す置換基のことであり、そのような置換基は水素原子と比べて結合原子側に電子を与えやすい特性を有する。そのメカニズムは明確ではないが、電子供与性基がピリジン環上に置換することにより、N−オキシド化合物が酸化チタンに含まれるチタンから電子を受け取りやすくなっていると考えられる。その結果、酸化剤としてより活性が高くなるため、チタンの青色化を抑制する効果が高くなる。
電子供与性を示す置換基の具体例としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、t−ブトキシ基等)、アセチルオキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アセチルアミノ基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、メシチル基等)が挙げられる。またハメットのσp値については、例えば、下記文献等が参照できる。
上記において、ハメットのσp値とはハメットの置換基定数σpを指す。ハメットのσpの値は、Hammett等によって安息香酸エチルの加水分解に及ぼす置換基の電子的効果から求められた置換基定数であり、『薬物の構造活性相関』(南江堂:1979年)、『Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology』(C.Hansch and A.Leo,John Wiley&Sons,New York,1979年)等に記載の基を引用することができる。
上記N−オキシド化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
N−オキシル化合物
本発明において、有機系酸化剤として用いられる「N−オキシル化合物」は、「N−O・(ラジカル)」構造を有する化合物である。なお、N−オキシル化合物は、「N−O・(ラジカル)」構造を複数有していてもよいが、化合物の入手容易性等の観点からは、「N−O・(ラジカル)」構造を1つ有しているものが好ましい。
また、本発明において用いられるN−オキシル化合物は、「N−O・(ラジカル)」構造を有していれば、如何なる構造を有していてもよく、窒素原子上の置換基は特に制限されない。
ここで、N−オキシル化合物は、下記一般式(III)で表される化合物であると好ましい。
式中、Rは、互いに独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルキニル基、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリールオキシ基または炭素原子数1〜20のヘテロアリール基を表し、2つのRは互いに結合して環を形成してもよい。なお、Rのうち、少なくとも1つは水素原子以外の上記置換基である。
なお、Rとしての、上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基およびヘテロアリール基の説明は、上記一般式(I)におけるRと同様であるため、その説明を省略する。
また、上記一般式(III)において、「2つのRは互いに結合して環を形成してもよい」とは、2つのRが結合して環を形成している形態であり、炭素原子をさらに含み、4〜12員環を形成していると好ましい。さらに、水溶性の向上や入手容易性等の観点からは、2つのRは、窒素原子と共に5〜10員環を形成しているとより好ましい。
このように、上記一般式(III)において、2つのRが互いに結合して環を形成し、2つのRおよび窒素原子により、含窒素複素環骨格が構成されていると好ましい。すなわち、有機系酸化剤は、含窒素複素環骨格を含んでいると好ましい。
有機系酸化剤として用いられるN−オキシル化合物は、上記含窒素複素環骨格を有するN−オキシル化合物の中でも、ピペリジン−N−オキシル骨格を含む化合物であると好ましい。かようなN−オキシル化合物は、入手容易性の観点からも好ましい。
さらに、ピペリジン−N−オキシル骨格を含む化合物は、下記一般式(III−1)で表される化合物であると好ましい。
式中、nは0〜10の整数であり、R21は、互いに独立して、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2〜20のアルキニル基、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20のヘテロアリール基、ヒドロキシル基(−OH)、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基置換アミノ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアシル基置換アミノ基、または置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアシルオキシ基を表す。
なお、R21としての、上記ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、炭化水素基置換アミノ基、アシル基置換アミノ基およびアシルオキシ基の説明は、上記一般式(II−1)におけるR11と同様であるため、その説明を省略する。
上記一般式(III−1)において、nは、ピペリジン環上の置換基(R21)の数を表す。電子の受容性や水溶性の観点から、nは0〜8の整数であると好ましく、2〜6の整数であるとより好ましい。
また、電子の受容性や水溶性の観点から、R21によって表される置換基は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基(−OH)、アミノ基(−NH)、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基置換アミノ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアシル基置換アミノ基、または置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20のアシルオキシ基であるとより好ましく、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜10のアシル基置換アミノ基、または置換もしくは非置換の炭素原子数1〜10のアシルオキシ基であると特に好ましい。
本発明において、有機系酸化剤として用いられるピペリジンN−オキシル化合物としては、特に制限されないが、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(略称:TEMPO)をその基本骨格として有していると好ましい。さらに、ピペリジンN−オキシル化合物としては、特に制限されないが、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(TEMPOフリーラジカル)、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(4−アセトアミド−TEMPOフリーラジカル)、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(4−ベンゾイルオキシ−TEMPOフリーラジカル)、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(4−メトキシ−TEMPOフリーラジカル)、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(4−アミノ−TEMPOフリーラジカル)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(4−ヒドロキシ−TEMPOフリーラジカル)などが好ましい。
上記N−オキシル化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機過酸化物
本発明において、有機系酸化剤として用いられる「有機過酸化物」は、ペルオキシ基(−O−O−)を有する化合物である。かような化合物は、結合エネルギーが比較的小さい酸素−酸素間の結合が開裂し、酸素ラジカルを生成しやすい。よって、上記開裂反応により生じた酸素ラジカルが酸化チタン中のチタンの酸化反応を促進することができる。なお、有機過酸化物は、ペルオキシ基を複数有していてもよいが、化合物の入手容易性等の観点からは、ペルオキシ基を1つ有しているものが好ましい。
有機過酸化物の構造は、ペルオキシ基を有するものであれば特に制限されないが、例えば、ケトンペルオキシド化合物、ペルオキシケタール化合物、ヒドロペルオキシド化合物、ジアルキルペルオキシド化合物、ジアシルペルオキシド化合物、ペルオキシエステル化合物、ペルオキシジカーボネート化合物等が挙げられる。
上記酸素ラジカルの生成のしやすさや、有機過酸化物の入手容易性等の観点から、有機過酸化物は、ヒドロペルオキシド化合物(「−O−O−H」構造を有する化合物)であると好ましい。
ヒドロペルオキシド化合物としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、メチルシクロヘキシルヒドロペルオキシド、テトラリンヒドロペルオキシド、エチルナフタレンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、過ギ酸、過酢酸、過プロピオン酸、過安息香酸、2−メチル過安息香酸、3−クロロ過安息香酸、モノ過フタル酸等が好適に挙げられるが、これらに限定されない。
上記有機過酸化物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
以上、本発明において用いられる有機系酸化剤として好ましい形態を説明したが、本発明において、特に好ましく用いられる有機系酸化剤は、例えば、4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド(下記化学式1で示す化合物)、ピリジン N−オキシド(下記化学式2で示す化合物)、2,6−ジメチルピリジン N−オキシド(下記化学式3で示す化合物)、2,6−ジクロロピリジン N−オキシド(下記化学式4で示す化合物)、トリメチルアミンオキシド(下記化学式5で示す化合物)、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(下記化学式6で示す化合物)、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(下記化学式7で示す化合物)、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(下記化学式8で示す化合物)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(下記化学式9で示す化合物)、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(下記化学式10で示す化合物)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(下記化学式11で示す化合物)、tert-ブチルヒドロペルオキシド(下記化学式12で示す化合物)、3−クロロ過安息香酸(下記化学式13で示す化合物)などが挙げられる。
上記有機系酸化剤(N−オキシド化合物、N−オキシル化合物および有機過酸化物)の中でも、特に色調変動の抑制効果が高いという観点からは、N−オキシド化合物またはN−オキシル化合物を用いると好ましい。N−オキシド化合物やN−オキシル化合物は、有機過酸化物と比較して、熱や光に対する安定性が高いため、色調変動の抑制効果を持続的に得やすい。さらに、N−オキシド化合物やN−オキシル化合物は、比較的膜割れを抑制する効果も高く、したがって、耐久性に優れた光学反射フィルムを得ることができる。
また、有機系酸化剤は、上述したように、N−オキシド化合物およびN−オキシル化合物の中でも、含窒素複素環骨格を含む化合物であると好ましい。かような構造を有する化合物は、酸化チタンに含まれるチタンから電子を受け取りやすい傾向にあるため、酸化チタンの青色化による色調変動を抑制する効果が高くなる。
さらに有機系酸化剤は、含窒素複素芳香環骨格を含む化合物であると好ましい。このように、芳香環骨格を含むことにより、電子が共鳴安定化され、有機系酸化剤が電子を受け取りやすくなる。その結果、酸化チタンの青色化による色調変動を抑制することができる。
本発明において好適に用いられる有機系酸化剤の具体例としては上記の化学式1〜13の化合物が挙げられるが、入手容易性や色調変動の抑制効果、さらには水溶性等の観点からは、特に、化学式1〜4および化学式6〜11の化合物であると好ましい。すなわち、有機系酸化剤は、ピリジン−N−オキシド骨格またはピペリジン−N−オキシル骨格を含む化合物であると好適である。
なお、上記化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記有機系酸化剤の含有量は、本発明の効果が発揮される限り特に制限されないが、酸化チタン粒子の着色を効果的に抑制するという目的から、酸化チタン粒子中に含まれるチタンの含有量に対して、所定の量比とすることが好ましい。より具体的には、酸化チタン粒子中に含まれるチタンと、有機系酸化剤とのモル比が所定の範囲内にあると好ましい。
高屈折率層中の酸化チタン粒子に含まれるチタン(Ti)に対する有機系酸化剤(Ox)のモル比(Ox/Ti)は、特に制限されないが、酸化チタン粒子の着色を効果的に抑制するため、1×10−6〜1×10であると好ましく、1×10−5〜1×10であるとより好ましく、5×10−5〜5×10であるとさらにより好ましく、5×10−5〜3×10であると特に好ましい。上記モル比を1×10−6以上とすることにより、酸化チタン粒子の着色を抑制する効果が向上する。このように、着色を抑制するという観点からは、上記モル比は大きい方が好ましい。
一方、本発明の光学反射フィルムは、高屈折率層においてさらに樹脂を含むが、上記モル比(Ox/Ti)を1×10以下とすることにより、樹脂中に分散された有機系酸化剤が樹脂と相互作用することに起因する、色調の変化を効果的に抑制することができる。また、上記モル比(Ox/Ti)を1×10以下とすることにより、高屈折率層が過剰量の有機系酸化剤を含むことによるヘイズの悪化もまた抑制される。その結果、高屈折率層、ひいては光学反射層において、良好な光学特性を得ることができる。
ここで、高屈折率層中の上記有機系酸化剤の含有量、さらには、当該有機系酸化剤(Ox)のチタン(Ti)に対するモル比(Ox/Ti)は、高屈折率層について、下記の分析を行うことにより測定される。
まず、高屈折率層中の有機系酸化剤(Ox)の含有量(モル数)は、光学反射フィルムのFT−IR(フーリエ変換赤外分光法)を用いて分析することにより、測定することができる。このときの測定は、水分子の吸光による影響を減らすため、基材の溶融温度以下の温度で、1〜60分間乾燥させた後に行うことが好ましい。
次に、高屈折率層中のチタン(Ti)の含有量(モル数)は、以下のように測定される。すなわち、本発明においては、粒子サイズに基づき、走査透過型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分光分析を組み合わせた方法(STEM−EDX)により、高屈折率層中のチタン量を求めることができる。STEM−EDXを用いた粒子間の組成分布測定は、例えば、具体的には、以下の手順で行う。
まず、光学反射層の断面薄片をウルトラミクロトームにより作成し、マイクログリッド上に採取し、試料とする。超薄切片の厚さは100nm以下が好適であり、本発明では厚さ80nmの超薄切片を作成する。
透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM2010F)およびエネルギー分散型X線分光分析装置(NORAN社製PIONEER型検出器及びVANTAGEデジタルマイクロアナリシスシステム)を用いて計測する。透過型電子顕微鏡の加速電圧は200kVが好ましく、倍率は適宜調整することができる。本発明では、5万倍にて測定される。電子顕微鏡の軸調整後、走査透過モードにて観察を行い、酸化チタンを含有する高屈折率層を確認した後、ソフトウエア(NORAN社製VISTA)を用いて検出したい元素(すなわち、Ti)について元素マップを取得する。元素マップの分解能は適宜調整出来るが、256×256pixel以上とする。測定時間は少量成分元素のX線ピークが200counts以上となるまで積算する。
X線強度および予め標準試料から求めた感度係数を用いて、高屈折率層中のチタンの含有量(Tiのモル数)を算出することができる。
そして、上記のようにして算出した高屈折率層中の有機系酸化剤(Ox)の含有量(モル数)と、チタンの含有量(Tiのモル数)とを用いて、有機系酸化剤(Ox)のチタン(Ti)に対するモル比(Ox/Ti)を算出することができる。
高屈折率層中における有機系酸化剤の好ましい含有量は、特に制限されないが、上述のように、主として酸化チタン粒子の含有量に応じて、また、有機系酸化剤の種類に応じて適当な量に調整することが好ましい。このとき、有機系酸化剤の添加量を調整することにより、酸化チタン粒子の着色抑制効果を十分に発揮することができる。また、有機系酸化剤の添加量を調整することで、高屈折率層塗布液の調製時、均一な塗布液を調製しやすくなる結果、高屈折率層の光学特性や色調が極めて良好となる。
(樹脂)
本発明の光学反射フィルムにおいて、高屈折率層は、酸化チタン粒子及び上記有機系酸化剤と共に、バインダーとしての樹脂を含む。また、低屈折率層においても、樹脂を含むと好ましい。以下、高屈折率層および低屈折率層に含まれる樹脂について説明する。なお、高屈折率層に含まれる樹脂は、低屈折率層に含まれる樹脂と同じであっても、互いに異なるものであってもよい。
高屈折率層および低屈折率層で用いられる樹脂としては、特に制限はないが、具体的には水溶性樹脂、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、含フッ素ポリマーなどが挙げられる。なかでも、高屈折率層及び低屈折率層を構成する樹脂としては、水溶性樹脂を用いることが好ましい。また、水溶性高分子の溶剤は水であるから、後述の基材に対して腐食、溶解、浸透を起こさないという利点もある。さらに、水溶性樹脂は、柔軟性が高いため、屈曲時の光学反射層の耐久性が向上するため好ましい。以下、本発明の光学反射フィルムにおいて好適に用いられる水溶性樹脂について説明する。
本発明において、高屈折率層および低屈折率層で用いられる水溶性樹脂としては、特に制限されないが、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類などの合成水溶性樹脂;ゼラチン、増粘多糖類などの天然水溶性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、酸素透過性が低く、高屈折率層中に含まれる酸化チタンの光触媒作用を抑制するという観点から、ポリビニルアルコール類を用いると好ましい。
ポリビニルアルコール類には、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、カチオン変性したカチオン変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基のようなアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、ノニオン性基を有するノニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を有するシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が200以上のものが好ましく用いられ、さらに、1,000以上のものが好ましく、平均重合度が1,500〜5,000のものがより好ましく、2,000〜5,000のものが特に好ましく用いられる。ポリビニルアルコールの重合度が200以上であると塗布膜のひび割れがなく、5,000以下であると塗布液が安定するからである。なお、塗布液が安定するとは塗布液が経時的に安定することを意味する。以下、同様である。
また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが水への溶解性の点でより好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報および同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体および特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基やカルボニル基、カルボキシル基などの反応性基を有する反応性基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
これらポリビニルアルコール類は、単独でも、または重合度や変性の種類違いなどの2種以上を併用してもよい。また、ポリビニルアルコール類は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。市販品の例としては、例えば、PVA−102、PVA−103、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−120、PVA−124、PVA−135、PVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−235等のポバール(登録商標、株式会社クラレ製)、エクセバール(登録商標、株式会社クラレ製)、ニチゴーGポリマー(登録商標、日本合成化学工業株式会社製)等が挙げられる。
屈折率層におけるポリビニルアルコールの含有量は、屈折率層の全固形分に対して、好ましくは3〜70質量%、より好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは13〜45質量%である。
(硬化剤)
本発明においては、屈折率層は、硬化剤を用いることが好ましい。バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを用いた場合、その効果は特に発揮されうる。
ポリビニルアルコールと共に用いることのできる硬化剤としては、ポリビニルアルコールと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましい。ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。硬化剤としてのホウ酸およびホウ酸塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。本発明において、ホウ酸および/またはその塩を用いた場合には、酸化チタン粒子等の無機酸化物粒子とポリビニルアルコールのOH基と水素結合ネットワークを形成し、その結果として高屈折率層と低屈折率層との層間混合が抑制され、好ましい赤外遮蔽特性が達成されると考えられる。特に、高屈折率層と低屈折率層の多層重層をコーターで塗布後、一旦塗膜の膜面温度を15℃程度に冷やした後、膜面を乾燥させるセット系塗布プロセスを用いた場合には、より好ましく効果を発現することができる。
硬化剤としては、上記ホウ酸及びその塩以外にも、公知のものを使用することができ、一般的にはポリビニルアルコールと反応し得る基を有する化合物あるいはポリビニルアルコールが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
上記硬化剤の総使用量は、ポリビニルアルコール(複数のポリビニルアルコールを用いる場合には、その合計量)1g当たり10〜600mgが好ましく、20〜500mgがより好ましい。
(界面活性剤)
本発明に係る高屈折率層および後述する低屈折率層には、塗布性の観点から界面活性剤を含有することが好ましい。
塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤としてアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができるが、両性界面活性剤がより好ましい。
本発明に好ましく用いられる両性界面活性剤としては、アドミスルホベタイン型、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、イミダゾリウム型などがある。本発明に好ましく用いられる両性界面活性剤の具体例を以下に示す。本発明ではスルホベタイン型が塗布ムラの観点から好ましく、製品としてはLSB−R、LSB(川研ファインケミカル株式会社製)、アンヒトール20HD(花王株式会社製)等が挙げられる。
本発明に係る屈折率層における界面活性剤の含有量は、屈折率層の全固形分に対して、0.001〜1質量%であることが好ましく、0.005〜0.50質量%であることがより好ましい。
(その他の添加剤)
本発明に係る高屈折率層または後述する低屈折率層には、例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報および同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有していてもよい。
(高屈折率層に使用される酸化チタン粒子)
本発明の光学反射フィルムにおいて、高屈折率層は、酸化チタン粒子を含有する。このように、酸化チタン粒子を含む高屈折率層は、透明でより高い屈折率を発現することができる。なお、本発明において、酸化チタンとは二酸化チタン(TiO)を意味する。
酸化チタン粒子としては、ルチル型(正方晶形)、アナタース型、ブルッカイト型等の結晶構造を有するものがあるが、ルチル型は特に高い屈折率を示す。また、ルチル型の酸化チタン粒子は、アナタース型やブルッカイト型の酸化チタン粒子と比較して光触媒活性が低いことから、高屈折率層や隣接した低屈折率層の耐候性が高くなり、さらに屈折率も高くなるという利点がある。したがって、酸化チタンは、ルチル型酸化チタンを含有することが好ましい。一方で、ルチル型酸化チタンは、他の結晶構造のものよりも、紫外線照射による青色化が顕著となるが、本発明によれば、かようなルチル型酸化チタンの青色化も効果的に抑制することができる。
高屈折率層に含まれる酸化チタン粒子の大きさは、特に制限されるものではないが、体積平均粒径または一次平均粒径により求めることができる。高屈折率層で用いられる酸化チタン粒子の体積平均粒径は、100nm以下であると好ましく、1〜100nmであるとより好ましく、3〜50nmであるとさらに好ましい。また、高屈折率層で用いられる酸化チタン粒子の一次平均粒径は、100nm以下であることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましく、3〜50nmであることがさらに好ましい。体積平均粒径または一次平均粒径が1nm以上100nm以下であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
一方で、本発明者は、酸化チタン粒子は、その粒径が小さくなると、紫外線照射による青色化がより顕著となる傾向があることを見出した。したがって、青色化を抑制するという目的からはその体積平均粒径は大きいことが望ましいが、本発明によれば、上記のような粒径の非常に小さな酸化チタンを用いた場合であっても、効果的に青色化を抑制することができる。
なお、本明細書でいう体積平均粒径とは、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd1、d2・・・di・・・dkの粒径を持つ粒子がそれぞれn1、n2・・・ni・・・nk個存在する粒子の集団において、粒子1個当りの体積をviとした場合に、体積平均粒径mv={Σ(vi・di)}/{Σ(vi)}で表される体積で重み付けされた平均粒径を算出する。
また、本明細書において一次平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。
透過型電子顕微鏡から求める場合、粒子の一次平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
また、酸化チタン粒子としては、水系の酸化チタンゾルの表面を変性して有機溶剤等に分散可能な状態にしたものを用いることが好ましい。
水系の酸化チタンゾルの調製方法としては、従来公知のいずれの方法も用いることができ、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等に記載された事項を参照することができる。
また、酸化チタン粒子のその他の製造方法については、例えば、「酸化チタン−物性と応用技術」清野学 p255〜258(2000年)技報堂出版株式会社、またはWO2007/039953号明細書の段落番号「0011」〜「0023」に記載の工程(2)の方法を参考にすることができる。
上記工程(2)による製造方法とは、二酸化チタン水和物をアルカリ金属の水酸物またはアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される、少なくとも1種の塩基性化合物で処理する工程(1)の後に、得られた二酸化チタン分散物を、カルボン酸基含有化合物および無機酸で処理する工程(2)からなる。
さらに、酸化チタン粒子を含めた無機酸化物粒子のその他の製造方法としては、特開2000−053421号公報(分散安定化剤としてアルキルシリケートを配合してなり、該アルキルシリケート中のケイ素をSiOに換算した量と酸化チタン中のチタンをTiOに換算した量との重量比(SiO/TiO)が0.7〜10である酸化チタンゾル)、特開2000−063119号公報(TiO−ZrO−SnOの複合体コロイド粒子を核としてその表面を、WO−SnO−SiOの複合酸化物コロイド粒子で被覆したゾル)等に記載された事項を参照にすることができる。
さらに、酸化チタン粒子が含ケイ素の水和酸化物で被覆されたコアシェル粒子の形態が好ましい。ここで、「被覆」とは、酸化チタン粒子の表面の少なくとも一部に、含ケイ素の水和酸化物が付着されている状態を意味し、本明細書では、「シリカ付着二酸化チタン」または「シリカ被覆酸化チタン」とも称する。すなわち、酸化チタン粒子の表面が、完全に含ケイ素の水和酸化物で被覆されていてもよく、酸化チタン粒子の表面の一部が含ケイ素の水和酸化物で被覆されていてもよい。被覆された酸化チタン粒子の屈折率が含ケイ素の水和酸化物の被覆量により制御される観点から、酸化チタン粒子の表面の一部が含ケイ素の水和酸化物で被覆されることが好ましい。上記コアシェル粒子を高屈折率層に含有させることで、シェル層の含ケイ素の水和酸化物と、高屈折率層を構成する樹脂(好ましくはポリビニルアルコール)との相互作用により、高屈折率層と低屈折率層との層間混合が抑制される効果を奏する。
含ケイ素の水和酸化物で被覆された酸化チタン粒子の酸化チタンはルチル型であってもアナタース型であってもブルッカイト型であってもよい。含ケイ素の水和酸化物で被覆された酸化チタン粒子は、含ケイ素の水和酸化物で被覆されたルチル型の酸化チタン粒子がより好ましい。これは、ルチル型の酸化チタン粒子が、アナタース型の酸化チタン粒子より光触媒活性が低いため、高屈折率層や隣接した低屈折率層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高くなるという理由からである。本明細書における「含ケイ素の水和酸化物」とは、無機ケイ素化合物の水和物、有機ケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物のいずれでもよいが、光触媒活性を低減するため、シラノール基を有することがより好ましい。よって、本発明において、高屈折率金属酸化物微粒子としては、酸化チタン粒子がシリカ変性されたシリカ変性(シラノール変性)酸化チタン粒子であることが好ましい。すなわち、本発明において、高屈折率層は、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂と、シリカ変性(シラノール変性)酸化チタン粒子と、有機系酸化剤とを含むと好ましい。
一方、本発明者は、先の検討により、シリカ変性酸化チタン粒子を用いると、非変性のものと比較して、紫外線照射による青色化が起こりやすいこともまた見出した。したがって、青色化を抑制するという目的からは、酸化チタン粒子は含ケイ素の水和酸化物で被覆されていないものが好ましいと言えるが、本発明によれば、上記のようなシリカ変性酸化チタン粒子を用いた場合であっても、効果的に青色化を抑制することができる。そして、シリカ変性酸化チタン粒子は、その光触媒活性が低いことから、耐久性においても優れた光学反射フィルムを得ることができる。したがって、耐久性の向上と色調変動の抑制という効果を両立させるという目的では、本発明において、酸化チタン粒子としてシリカ変性酸化チタン粒子を用いると好ましい。
含ケイ素の水和酸化物の被覆量は、コアとなる酸化チタン全量に対して、3〜30質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%である。被覆量が30質量%以下であると、高屈折率層の所望の屈折率化が得られる。一方、被覆量が3質量%以上であると粒子を安定に形成することができるだけでなく、酸化チタンの表面が、高屈折率層に含まれる樹脂と物理的に接触することが抑制されるため、樹脂の劣化を抑制することができる。
酸化チタン粒子を含ケイ素の水和酸化物で被覆する方法としては、従来公知の方法により製造することができ、例えば、特開平10−158015号公報(ルチル型酸化チタンへのSi/Al水和酸化物処理;チタン酸ケーキのアルカリ領域での解膠後酸化チタンの表面にケイ素および/又はアルミニウムの含水酸化物を析出させて表面処理する酸化チタンゾルの製造方法)、特開2000−204301号公報(ルチル型酸化チタンにSiとZrおよび/またはAlの酸化物との複合酸化物を被覆したゾル。水熱処理。)、特開2007−246351号公報(含水酸化チタンを解膠して得られる酸化チタンのヒドロゾルへ、安定剤として式R SiX4−n(式中RはC−Cアルキル基、グリシジルオキシ置換C−Cアルキル基またはC−Cアルケニル基、Xはアルコキシ基、nは1または2である。)のオルガノアルコキシシランまたは酸化チタンに対して錯化作用を有する化合物を添加、アルカリ領域でケイ酸ナトリウムまたはシリカゾルの溶液へ添加・pH調整・熟成することにより、ケイ素の含水酸化物で被覆された酸化チタンヒドロゾルを製造する方法)等に記載された事項を参照にすることができる。
本発明に係るコアシェル粒子は、コアである酸化チタン粒子の表面全体を含ケイ素の水和酸化物で被覆したものでもよく、また、コアである酸化チタン粒子の表面の一部を含ケイ素の水和酸化物で被覆したものでもよい。
このとき、上記含ケイ素の水和酸化物で被覆された酸化チタン粒子の大きさは、特に制限はないが、上記酸化チタン粒子の体積平均粒径および一次平均粒径と同様の範囲内にあると好ましい。すなわち、高屈折率層に含まれるシリカ変性(シラノール変性)酸化チタン粒子の体積平均粒径は、100nm以下であると好ましく、1〜100nmであるとより好ましく、3〜50nmであるとさらに好ましい。また、高屈折率層で用いられる酸化チタン粒子の一次平均粒径は、100nm以下であることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましく、3〜50nmであることがさらに好ましい。ここで、上記含ケイ素の水和酸化物で被覆された酸化チタン粒子の場合、上記体積平均粒径または一次平均粒径は(含ケイ素の水和酸化物で被覆されていない)酸化チタン粒子の体積平均粒径または一次平均粒径を、それぞれ指す。
さらに、本発明で用いられる酸化チタン粒子は、単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下であることをいう。この単分散度は、さらに好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%である。
高屈折率層における酸化チタン粒子の含有量としては、特に制限されないが、高屈折率層の全固形分に対して、15〜95質量%であると好ましく、20〜90質量%であるとより好ましく、30〜90質量%であるとさらにより好ましい。上記範囲とすることで、光学反射特性の良好なものとできる。
(高屈折率層に使用される無機酸化物粒子)
本発明に係る光学反射フィルムにおいて、さらに、屈折率の高い高屈折率層を形成するために、高屈折率層には、酸化チタン粒子以外にも、ジルコニア、酸化スズ、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、ジルコン等の無機酸化物粒子(高屈折率金属酸化物微粒子)を含有していてもよい。これらのうち、酸化チタン粒子以外に含まれる無機酸化物粒子としては、ジルコニアを含有することが好ましい。なお、上記酸化チタン以外の高屈折率金属酸化物微粒子は、屈折率を調整するために、1種であっても2種以上を併用してもよい。なお、上記酸化チタン以外の高屈折率金属酸化物微粒子の大きさは、特に制限されないが、体積平均粒径が1〜100nm以下であると好ましく、3〜50nmであるとより好ましい。一次平均粒径が1〜100nm以下であると好ましく、3〜50nmであるとより好ましい。また、高屈折率層における上記高屈折率金属酸化物微粒子の含有量としては、特に制限されないが、酸化チタン粒子の含有量と高屈折率金属酸化物微粒子の含有量の和が、高屈折率層の全固形分に対して、15〜85質量%となるように調整されると好ましく、20〜80質量%であるとより好ましく、30〜80質量%であるとさらにより好ましい。
(低屈折率層中の金属酸化物粒子)
本発明の光学反射フィルムにおいて、低屈折率層は、金属酸化物粒子を含むと好ましい。当該金属酸化物粒子としては、シリカ(二酸化ケイ素)を用いることが好ましく、具体的な例としては、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ等が挙げられる。これらのうち、コロイダルシリカゾル、特に酸性のコロイダルシリカゾルを用いることがより好ましく、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカを用いることが特に好ましい。また、屈折率をより低減させるために、低屈折率層の金属酸化物微粒子として、粒子の内部に空孔を有する中空微粒子を用いてもよく、特にシリカ(二酸化ケイ素)の中空微粒子が好ましい。また、シリカ以外の公知の無機酸化物粒子も使用することができる。屈折率を調整するために、低屈折率層に含まれる無機酸化物粒子としては、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
低屈折率層に含まれる無機酸化物粒子(好ましくは二酸化ケイ素)は、その平均粒径(個数平均;直径)が3〜100nmであることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗布前の分散液状態での粒径)は、3〜50nmであるのがより好ましく、1〜40nmであるのがさらに好ましく、3〜20nmであるのが特に好ましく、4〜10nmであるのがもっとも好ましい。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
また、低屈折率層の無機酸化物粒子の粒径は、一次平均粒径の他に、体積平均粒径により求めることもできる。
本発明で用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、例えば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、および国際公開第94/26530号などに記載されているものである。
このようなコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、日産化学工業(株)から販売されているスノーテックスシリーズ(スノーテックスOS、OXS、S、OS、20、30、40、O、N、C等)が挙げられる。
コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、MgまたはBa等で処理された物であってもよい。
また、低屈折率層の無機酸化物粒子としては、上述のように、中空粒子を用いることもできる。中空微粒子を用いる場合には、平均粒子空孔径が、3〜70nmであると好ましく、5〜50nmであるとより好ましく、5〜45nmであるとさらに好ましい。なお、中空微粒子の平均粒子空孔径とは、中空微粒子の内径の平均値である。中空微粒子の平均粒子空孔径は、上記範囲であれば、十分に低屈折率層の屈折率が低屈折率化される。平均粒子空孔径は、電子顕微鏡観察で、円形、楕円形または実質的に円形は楕円形として観察できる空孔径を、ランダムに50個以上観察し、各粒子の空孔径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。なお、平均粒子空孔径は、円形、楕円形または実質的に円形もしくは楕円形として観察できる空孔径の外縁を、2本の平行線で挟んだ距離のうち、最小の距離を意味する。
低屈折率層における無機酸化物粒子の含有量は、低屈折率層の全固形分に対して、20〜90質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることがさらに好ましい。20質量%以上であると、所望の屈折率が得られ90質量%以下であると塗布性が良好となり好ましい。
上記低屈折率層の無機酸化物粒子は、複数存在する低屈折率層の少なくとも1層に含まれていればよい。
(基材)
本発明に係る光学反射フィルムは、上記高屈折率層および低屈折率層を支持するための基材を含む。光学反射フィルムの基材としては、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの2種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明に用いられる基材の厚みは、10〜300μm、特に20〜150μmであることが好ましい。また、基材は、2枚重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
基材は、JIS R3106(1998)で示される可視光領域の透過率が85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。基材が上記透過率以上であることにより、赤外遮蔽フィルムとしたときのJIS R3106(1998)で示される可視光領域の透過率を50%以上(上限:100%)にするという点で有利であり、好ましい。
また、上記樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。
基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、基材は、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、またはテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることである。弛緩処理された基材は、下記のオフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
基材は、製膜過程で片面または両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。なお、製膜工程中での下引塗布をインライン下引という。下引層塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂(ポリビニルアルコール)、変性ポリビニルアルコール樹脂(変性ポリビニルアルコール)およびゼラチン等が挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。これらの下引層には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記の下引層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法によりコーティングすることができる。上記の下引層の塗布量としては、0.01〜2g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
〔光学反射フィルムの製造方法〕
本発明の光学反射フィルムの製造方法は、基材上に、上記高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ形成することができるものであれば、いかなる方法でも用いられうる。
本発明の光学反射フィルムの製造方法では、基材上に高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを積層して形成される。
具体的には高屈折率層と低屈折率層とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。具体的には以下の形態が挙げられる;(1)基材上に、高屈折率層塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成した後、低屈折率層塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成し、光学反射フィルムを形成する方法;(2)基材上に、低屈折率層塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成した後、高屈折率層塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成し、光学反射フィルムを形成する方法;(3)基材上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを交互に逐次重層塗布した後乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含む光学反射フィルムを形成する方法;(4)基材上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを同時重層塗布し、乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含む光学反射フィルムを形成する方法;などが挙げられる。なかでも、より簡便な製造プロセスとなる上記(4)の方法が好ましい。すなわち、本発明の光学反射フィルムの製造方法は、水系同時重層塗布法により前記高屈折率層と前記低屈折率層とを積層することを含むことが好ましい。
本発明においては、高屈折率層を形成するため、高屈折率層塗布液が、上記樹脂と、酸化チタン粒子と、有機系酸化剤とを含む。したがって、光学反射フィルムの製造方法は、基材上に低屈折率層と高屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムの製造方法であって、樹脂と、酸化チタン粒子と、有機系酸化剤とを添加して調製した塗布液を塗布することを含む。
このように、有機系酸化剤を酸化チタン粒子と共に添加して高屈折率層塗布液を調製することにより、これら材料が凝集することなく、均一な塗布液を作製することができる。その結果、得られる高屈折率層は、ヘイズが低減され、強い太陽光に曝されても、光学反射フィルムの色調変動を抑制することができる。
また、塗布液調製時、有機系酸化剤は、固体の形態で添加されてもよいし、溶液の形態で添加されてもよい。なお、有機系酸化剤は、上述したため、ここでは詳細な説明を省略する。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液を調製するための溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、またはその混合溶媒が好ましい。本発明においては、樹脂バインダーとしてポリビニルアルコールを主として用いることが好ましいが、このように、ポリビニルアルコールを用いることにより、水系溶媒による塗布が可能となる。さらに、本発明では、色調変動やクラックの抑制のため、有機系酸化剤を塗布液に添加するが、有機系酸化剤もまた、水溶性の高いものを用いると好ましい。水系溶媒は、有機溶媒を用いる場合と比較して、大規模な生産設備を必要とすることがないため、生産性の点で好ましく、また環境保全の点でも好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。環境面、操作の簡便性などから、塗布液の溶媒としては、水系溶媒が好ましく、水、または水とメタノール、エタノール、もしくは酢酸エチルとの混合溶媒がより好ましく、水が特に好ましい。
水と少量の有機溶媒との混合溶媒を用いる際、当該混合溶媒中の水の含有量は、混合溶媒全体を100質量%として、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましい。ここで、80質量%以上にすることで、溶媒の揮発による体積変動が低減でき、ハンドリングが向上し、また、99.9質量%以下にすることで、液添加時の均質性が増し、安定した液物性を得ることができるからである。
高屈折率層塗布液中の樹脂の濃度(複数種類の樹脂を用いる場合は、その合計濃度)は、0.5〜10質量%であることが好ましい。また、高屈折率層塗布液中の無機酸化物粒子(酸化チタン粒子を含む)の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。さらに、高屈折率層塗布液中の有機系酸化剤の濃度は、1×10−5〜5×10質量%であることが好ましく、1×10−4〜1×10質量%であることがより好ましい。
低屈折率層塗布液中の樹脂の濃度は、0.5〜10質量%であることが好ましい。また、低屈折率層塗布液中の無機酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の調製方法は、特に制限されず、例えば、酸化チタン粒子を含む無機酸化物粒子、ポリビニルアルコール、有機系酸化剤、さらに必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、撹拌混合する方法が挙げられる。この際、各成分の添加順も特に制限されず、攪拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、撹拌しながら一度に添加し混合してもよい。
また、本発明において、同時多層塗布を行う場合は高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液に用いるポリビニルアルコールの鹸化度が異なる事が好ましい。鹸化度が異なることによって塗布、乾燥工程の各工程において層の混合を抑制する事ができる。この仕組みはいまだ明らかではないが、鹸化度差に由来する表面張力差によって混合が抑制されていると考えられる。本発明においては高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液に用いるポリビニルアルコールの鹸化度の差は3モル%以上が好ましく、より好ましくは8モル%以上が好ましい。すなわち、高屈折率層の鹸化度と低屈折率層の鹸化度との差が3モル%以上であることが好ましく、8モル%以上であることがより好ましい。高屈折率層の鹸化度と低屈折率層の鹸化度との差の上限は、高屈折率層と低屈折率層との層間混合の抑制/防止効果を考慮すると、高いほど好ましいため、特に制限されないが、20モル%以下であることが好ましく、15モル%以下であることがより好ましい。
各屈折率層中で鹸化度の相違を比較する際、各屈折率層が(鹸化度および重合度が異なる)複数のポリビニルアルコールを含む場合には、屈折率層中で最も含有量の高いポリビニルアルコールを比較する。ここで、「屈折率層中で最も含有量が高いポリビニルアルコール」という際には、鹸化度の差が3モル%以内のポリビニルアルコールは同一のポリビニルアルコールであるとし、重合度を算出する。具体的には、鹸化度が90モル%、鹸化度が91モル%、鹸化度が93モル%のポリビニルアルコールが同一層内にそれぞれ10質量%、40質量%、50質量%含まれる場合には、これら3つのポリビニルアルコールは同一のポリビニルアルコールとし、これら3つの混合物をポリビニルアルコール(A)または(B)とするが、このポリビニルアルコール(A)/(B)の鹸化度は、(90×0.1+91×0.4+93×0.5)/1=91.9モル%となる。また、上記「鹸化度の差が3モル%以内のポリビニルアルコール」とは、いずれかのポリビニルアルコールに着目した場合に3モル%以内であれば足り、例えば、90、91、92、94モル%のビニルアルコールを含む場合には、91モル%のビニルアルコールに着目した場合にいずれのポリビニルアルコールも3モル%以内なので、同一のポリビニルアルコールとなる。
同一層内に鹸化度が3モル%以上異なるポリビニルアルコールが含まれる場合、異なるポリビニルアルコールの混合物とみなし、それぞれに重合度と鹸化度を算出する。
例えば、PVA203:5質量%、PVA117:25質量%、PVA217:10質量%、PVA220:10質量%、PVA224:10質量%、PVA235:20質量%、PVA245:20質量%が含まれる場合、最も含有量の多いPVAはPVA217〜245の混合物であり(PVA217〜245の鹸化度の差は3モル%以内なので同一のポリビニルアルコールである)、この混合物がポリビニルアルコール(A)または(B)となる。そして、PVA217〜245の混合物(ポリビニルアルコール(A)/(B))においては、重合度は、(1700×0.1+2000×0.1+2400×0.1+3500×0.2+4500×0.2)/0.7=3200であり、鹸化度は、88%となる。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の温度は、スライドビード塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。また、カーテン塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度は、特に制限されない。しかしながら、スライドビード塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜160mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは60〜140mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。このような粘度の範囲であれば、効率よく同時重層塗布を行うことができる。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは2,500〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法の条件は、特に制限されないが、例えば、逐次塗布法の場合は、まず、30〜60℃に加温した高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液のいずれか一方を基材上に塗布、乾燥して層を形成した後、もう一方の塗布液をこの層上に塗布、乾燥して積層膜前駆体(ユニット)を形成する。次に、所望の遮蔽性能を発現するために必要なユニット数を、前記方法にて逐次塗布、乾燥して積層させて積層膜前駆体を得る。乾燥する際は、形成した塗膜を、30℃以上で乾燥することが好ましい。例えば、湿球温度5〜50℃、膜面温度5〜100℃(好ましくは10〜50℃)の範囲で乾燥するのが好ましく、例えば、40〜60℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。乾燥方法としては、温風乾燥、赤外乾燥、マイクロ波乾燥が用いられる。また単一プロセスでの乾燥よりも多段プロセスの乾燥が好ましく、恒率乾燥部の温度<減率乾燥部の温度にするのがより好ましい。この場合の恒率乾燥部の温度範囲は30〜60℃、減率乾燥部の温度範囲は50〜100℃にするのが好ましい。
また、同時重層塗布を行う場合の塗布および乾燥方法の条件は、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液を30〜60℃に加温して、基材上に高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を好ましくは1〜15℃にいったん冷却し(セット)、その後10℃以上で乾燥することが好ましい。より好ましい乾燥条件は、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件である。例えば、40〜80℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜の均一性向上の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
ここで、前記セットとは、冷風等を塗膜に当てて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間および各層内の物質の流動性を低下させたり、またゲル化する工程のことを意味する。冷風を塗布膜に表面から当てて、塗布膜の表面に指を押し付けたときに指に何もつかなくなった状態を、セット完了の状態と定義する。
塗布した時点から、冷風を当ててセットが完了するまでの時間(セット時間)は、5分以内であることが好ましく、2分以内であることがより好ましい。また、下限の時間は特に制限されないが、45秒以上の時間をとることが好ましい。セット時間が短すぎると、層中の成分の混合が不十分となる虞がある。一方、セット時間が長すぎると、無機酸化物粒子の層間拡散が進み、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が不十分となるおそれがある。なお、高屈折率層と低屈折率層との間の中間層の高弾性化が素早く起こるのであれば、セットさせる工程は設けなくてもよい。
セット時間の調整は、ポリビニルアルコールの濃度、無機酸化物粒子や有機系酸化剤の濃度を調整したり、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギ−ナン、ゲランガム等の各種公知のゲル化剤など、他の成分を添加することにより調整することができる。
冷風の温度は、0〜25℃であることが好ましく、5〜10℃であることがより好ましい。また、塗膜が冷風に晒される時間は、塗膜の搬送速度にもよるが、好ましくは10〜360秒、より好ましくは10〜300秒、さらに好ましくは10〜120秒である。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の塗布厚は、上記で示したような好ましい乾燥時の厚みとなるように塗布すればよい。
〔膜設計〕
本発明の光学反射フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む。好適には基材の片面上または両面上に、高屈折率層と低屈折率層が交互に積層して形成された多層の光学干渉膜を有する。生産性の観点から、基材の片面あたりの好ましい高屈折率層および低屈折率層の総層数の範囲は、100層以下、より好ましくは45層以下である。基材の片面あたりの好ましい高屈折率層および低屈折率層の総層数の範囲の下限は特に限定されるものではないが、5層以上であることが好ましい。このように、複数の高屈折率層を含むユニットを複数積層した場合は、酸化チタンを含む層(高屈折率層)が複数存在することになるため、特に着色の問題が顕著となりやすい。しかしながら、本発明によれば、高屈折率層の着色が効果的に抑制されるため、上記のように高屈折率層および低屈折率層を複数積層した場合であっても、色調変化が効果的に抑制される。さらに、本発明の光学反射フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層される構成を有するが、上記の通り、高屈折率層において酸化チタンの青色化が抑制される結果、光学反射層における蓄熱が低減される。その結果、高屈折率層だけでなく、隣接する低屈折率層においてもまた、樹脂の劣化による色調変動やクラックの発生が抑制される。
なお、前記の好ましい高屈折率層および低屈折率層の総層数の範囲は、基材の片面にのみ積層される場合においても適応可能であり、基材の両面に同時に積層される場合においても適応可能である。基材の両面に積層される場合において、基材一の面と他の面との高屈折率層および低屈折率層の総層数は、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、本発明の光学反射フィルムにおいて、最下層(基材と接触する層)および最表層は、高屈折率層および低屈折率層のいずれであってもよい。
一般に、光学反射フィルムにおいては、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で所望の光線に対する反射率を高くすることができるという観点から好ましい。本発明においては、少なくとも隣接した2層(高屈折率層および低屈折率層)の屈折率差が0.25以上であることが好ましく、より好ましくは0.3以上であり、もっとも好ましくは0.33以上である。また、上限には特に制限はないが通常1.4以下である。
この屈折率差と、必要な層数とについては、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、近赤外線反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと200層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、故障なく製造することも非常に困難になる場合がある。
光学反射フィルムにおいて高屈折率層および低屈折率層を交互に積層する場合には、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が、上記好適な屈折率差の範囲内にあることが好ましい。ただし、例えば、最表層はフィルムを保護するための層として形成される場合または最下層が基板との接着性改良層として形成される場合などにおいて、最表層や最下層に関しては、上記好適な屈折率差の範囲外の構成であってもよい。
隣接した層界面(高屈折率層と低屈折率層との界面)での反射は、層間の屈折率比に依存するのでこの屈折率比が大きいほど、反射率が高まる。また、単層膜でみたとき層表面における反射光と、層底部における反射光の光路差を、n・d=波長/4、で表される関係にすると位相差により反射光を強めあうよう制御出来、反射率を上げることができる。ここで、nは屈折率、またdは層の物理膜厚、n・dは光学膜厚である。この光路差を利用することで、反射を制御出来る。この関係を利用して、各層の屈折率と膜厚を制御して、可視光や、近赤外光の反射を制御する。即ち、各層の屈折率、各層の膜厚、各層の積層のさせ方で、特定波長領域の反射率をアップさせることができる。
本発明の光学反射フィルムは反射率をアップさせる特定波長領域を変えることにより、可視光反射フィルムや近赤外線反射フィルムとすることができる。即ち、反射率をアップさせる特定波長領域を可視光領域に設定すれば可視光線反射フィルムとなり、近赤外領域に設定すれば近赤外線反射フィルムとなる。また、反射率をアップさせる特定波長領域を紫外光領域に設定すれば、紫外線反射フィルムとなる。本発明の光学反射フィルムを遮熱フィルムに用いる場合は、(近)赤外反射(遮蔽)フィルムとすればよい。赤外反射フィルムの場合、高分子フィルムに互いに屈折率が異なる膜を積層させた多層膜を形成し、JIS R3106(1998)で示される可視光領域の550nmでの透過率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることがさらに好ましい。また、1200nmでの透過率が35%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。かような好適な範囲となるように光学膜厚とユニットを設計することが好ましい。また、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
太陽直達光の入射スペクトルのうち赤外域が室内温度上昇に関係し、これを遮蔽することで室内温度の上昇を抑えることができる。日本工業規格JIS R3106(1998)に記載された重価係数をもとに赤外の最短波長(760nm)から最長波長3200nmまでの累積エネルギー比率をみてみると、波長760nmから最長波長3200nmまでの赤外全域の総エネルギーを100としたときの、760nmから各波長までの累積エネルギーをみると、760から1300nmのエネルギー合計が赤外域全体の約75%を占めている。従って、1300nmまでの波長領域を遮蔽することが熱線遮蔽による省エネルギー効果の効率がよい。
この近赤外光域(760〜1300nm)の反射率を最大ピーク値で約80%以上にすると体感温度の低下が官能評価により得られる。たとえば8月の午前中の南東方法を向く窓際での体感温度が近赤外光域の反射率を最大ピーク値で約80%にまで遮蔽したとき明確な差がでた。
このような機能を発現するのに必要となる多層膜構造を光学シミュレーション(FTG Software Associates Film DESIGN Version 2.23.3700)で求めた結果、1.9以上、望ましくは2.0以上の高屈折率層を利用し、6層以上積層した場合に優れた特性が得られることがわかっている。例えば、高屈折率層と低屈折率層(屈折率=1.35)を交互に8層積層したモデルのシミュレーション結果をみると、高屈折率層の屈折率が1.8では反射率が70%にも達しないが、1.9になると約80%の反射率が得られる。また、高屈折率層(屈折率=2.2)と低屈折率層(屈折率=1.35)を交互に積層したモデルでは、積層数が4では反射率が60%にも達していないが、6層になると約80%の反射率が得られる。
低屈折率層は、屈折率が1.10〜1.60であることが好ましく、より好ましくは1.30〜1.50である。高屈折率層は、屈折率が1.70〜2.50であることが好ましく、より好ましくは1.80〜1.90である。
屈折率層の1層(最下層、最表層を除く)あたりの厚み(乾燥後の厚み)は、20〜1000nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましく、50〜350nmであることがより好ましい。また、最下層の屈折率層の厚み(乾燥後の厚み)が、100〜3000nmであることが好ましく、500〜2000nmであることがより好ましく、1000〜1800nmであることがより好ましい。また、最表層の屈折率層の厚み(乾燥後の厚み)は、1〜100nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましく、8〜30nmであることがより好ましい。
本発明の光学反射フィルムの全体の厚み(基材を含む)は、好ましくは12μm〜315μm、より好ましくは15μm〜200μm、さらに好ましくは20μm〜100μmである。
本発明の光学反射フィルムは、初期における赤みの呈色が小さく、かつ強い太陽光に長時間曝されても色調変動が生じにくいことを特徴の一つとする。よって、光学反射フィルムの色調は、L表色系におけるaの値が、負であると好ましく、−0.2未満であるとより好ましく、、−1.0〜−0.1であると特に好ましい。また、光に曝露された前と後の色調変動の程度(ΔE)は、0に近いほど好ましく、6以下であるとより好ましく、0〜3.0であると特に好ましい。さらに、耐久性の観点から、露光後の膜割れ、剥がれが抑制されることが好ましい。なお、上記aおよびΔEは、実施例の方法により測定された値を指すものとする。
〔光学反射フィルムの層構成〕
光学反射フィルムは、基材上に高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む。該ユニットは、基材の片面にのみ形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。特定波長の反射率が向上することから、該ユニットが基材の両面に形成されてなることが好ましい。
光学反射フィルムは、基材の下または基材と反対側の最表面層の上に、さらなる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、上記高屈折率層および低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層などの機能層の1つ以上を有していてもよい。
反射フィルムにおける上述の各種の機能層の積層順は、特に制限されない。
例えば、窓ガラスの室内側に光学反射フィルムを貼る(内貼り)仕様では、基材表面に、上記高屈折率層および低屈折率層を積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射層、粘着層の順に積層し、さらにこれらの層が積層されている側とは逆の側の基材表面にハードコート層を塗設する形態が好ましい一例として挙げられる。また、粘着層、基材、光学反射層、ハードコート層の順であってもよく、さらに他の機能層、基材、または赤外吸収剤などを有していてもよい。また、窓ガラスの室外側に本発明の光学反射フィルムを貼る(外貼り)仕様でも好ましい一例を挙げると、基材表面に光学反射層、粘着層の順に積層し、さらにこれらの層が積層されている側とは逆の側の基材表面にハードコート層を塗設する構成である。内貼りの場合と同様に、粘着層、基材、光学反射層、ハードコート層の順であってもよく、さらに他の機能層基材、または赤外吸収剤などを有していてもよい。
〔光学反射フィルムの応用:光学反射体〕
本発明の光学反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。すなわち、本発明の第三の形態によれば、上記光学反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられた、光学反射体が提供される。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備(基体)に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。特に、本発明に係る光学反射フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂等の基体に貼合されている部材には好適である。
基体の具体的な例としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、金属板、セラミック等が挙げられる。樹脂の種類は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂のいずれでも良く、これらを2種以上組み合わせて用いても良い。基体は、押出成形、カレンダー成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等、公知の方法で製造することができる。基体の厚みは特に制限されないが、通常0.1mm〜5cmである。
光学反射フィルムと基体とを貼り合わせる接着層または粘着層は、光学反射フィルムを日光(熱線)入射面側に設置することが好ましい。また、光学反射フィルムを、窓ガラスと基体との間に挟持すると、水分等の周囲のガスから封止でき耐久性に優れるため好ましい。本発明に係る赤外遮蔽フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
光学反射フィルムと基体とを貼り合わせる接着層または粘着層は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、光学反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置することが好ましい。また光学反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の光学反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系およびエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール〔積水化学工業社製、三菱モンサント社製等〕、エチレン−酢酸ビニル共重合体〔デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン〕、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体〔東ソー社製、メルセンG〕等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
光学反射フィルムまたは赤外遮蔽体の断熱性能、日射熱遮へい性能は、一般的にJIS R 3209(1998)(複層ガラス)、JIS R 3106(1998)(板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法)、JIS R 3107(1998)(板ガラス類の熱抵抗および建築における熱貫流率の算定方法)に準拠した方法により求めることができる。
日射透過率、日射反射率、放射率、可視光透過率の測定は、(1)波長(300〜2500nm)の分光測光器を用い、各種単板ガラスの分光透過率、分光反射率を測定する。また、波長5.5〜50μmの分光測定器を用いて放射率を測定する。なお、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、熱線吸収板ガラスの放射率は既定値を用いる。(2)日射透過率、日射反射率、日射吸収率、修正放射率の算出は、JIS R 3106(1998)に従い、日射透過率、日射反射率、日射吸収率、垂直放射率を算出する。修正放射率に関しては、JIS R 3107(1998)に示されている係数を、垂直放射率に乗ずることにより求める。断熱性、日射熱遮へい性の算出は、(1)厚さの測定値、修正放射率を用いJIS R 3209(1998)に従って複層ガラスの熱抵抗を算出する。ただし中空層が2mmを超える場合はJIS R 3107(1998)に従って中空層の気体熱コンダクタンスを求める。(2)断熱性は、複層ガラスの熱抵抗に熱伝達抵抗を加えて熱貫流抵抗で求める。(3)日射熱遮蔽性はJIS R 3106(1998)により日射熱取得率を求め、1から差し引いて算出する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
製造例1:高屈折率層塗布液1の作製
はじめに、ルチル型酸化チタンを含有する酸化チタンゾル分散液を調製した。
(シリカ変性酸化チタン粒子の分散液の調製)
シリカ変性酸化チタン粒子(ルチル型)の分散液は、以下のように調製した。
硫酸チタン水溶液を公知の方法により熱加水分解して、酸化チタン水和物を得た。得られた酸化チタン水和物を水に懸濁させて、酸化チタン水和物の水性懸濁液(TiO濃度:100g/L)10Lを得た。これに、水酸化ナトリウム水溶液(濃度10mol/L)30Lを撹拌下で添加し、90℃に昇温して、5時間熟成した。得られた溶液を塩酸で中和し、濾過、水洗することで、塩基処理チタン化合物を得た。
次に、塩基処理チタン化合物をTiO濃度20g/Lになるよう純水に懸濁させて撹拌した。撹拌下、TiO量に対し0.4モル%の量のクエン酸を添加した。95℃まで昇温し、濃塩酸を塩酸濃度が30g/Lとなるように加え、液温を維持して3時間撹拌した。ここで、得られた混合液のpH及びゼータ電位を測定したところ、25℃におけるpHは1.4、ゼータ電位は+40mVであった。また、ゼータサイザーナノ(マルバーン社製)により粒径測定を行ったところ、体積平均粒子径は35nm、単分散度は16%であった。また、酸化チタンゾル液を105℃で3時間乾燥させて粒子紛体を得て、日本電子データム株式会社製、JDX−3530型を用いてX線回折の測定を行い、ルチル型粒子であることを確認した。
上記ルチル型酸化チタン粒子を含む20.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液1kgに純水1kgを添加して、10.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液を調製した。
上記10.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液の0.5kgに、純水2kgを加えた後、90℃に加熱した。その後、SiO濃度が2.0質量%のケイ酸水溶液0.1kgを徐々に添加した。得られた分散液をオートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行い、限外濾過を用いて脱塩、さらに濃縮することで、SiOで被覆されたルチル型構造を有する酸化チタンを含む、20質量%(被覆SiOを除く酸化チタンの質量比)のシリカ変性酸化チタン粒子の分散液(ゾル水分散液)を得た。このとき、シリカの被覆量は酸化チタン粒子に対して4質量%であった。また、ゼータサイザーナノ(マルバーン社製)によりシリカ変性酸化チタン粒子(ルチル型)の粒径測定を行ったところ、体積平均粒子径は35nm、単分散度は16%であった。
(高屈折率層塗布液1の調製)
上記のようにして得られた20質量%のシリカ変性酸化チタン粒子(ルチル型)の分散液400質量部に対して、8質量%の4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド(上記化学式1で表される化合物)水和物の水溶液50質量部(このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となる)、10質量%のポリビニルアルコール溶液(PVA−110、重合度1000、鹸化度99モル%、株式会社クラレ製)135質量部、4質量%のポリビニルアルコールの溶液(PVA−120、重合度2000、鹸化度99モル%、株式会社クラレ製)135質量部、および5質量%の界面活性剤の溶液(アンヒトールHD、花王株式会社製)3質量部を45℃で順に添加し、最後に純水で1000質量部とし、高屈折率層塗布液1を調製した。高屈折率層塗布液1の屈折率は1.82であった。なお、屈折率の測定方法は下記の通りである(以下同様)。
(各層の単膜屈折率の測定)
屈折率を測定するため、基材上に上記高屈折率層塗布液1を単層で塗布したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに裁断した後、下記の方法に従って屈折率を求めた。日立製の分光光度計 U−4100(固体試料測定システム)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定を行い、結果より屈折率を求めた。
製造例2:高屈折率層塗布液2の作製
製造例1において、添加した酸化剤の水溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液からピリジン N−オキシド(上記化学式2で表される化合物)の水溶液に変更した以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液2を作製した。高屈折率層用塗布液2の屈折率は1.82であった。なお、このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となるように調製した。
製造例3:高屈折率層塗布液3の作製
製造例1において、添加した酸化剤の水溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液から2,6−ジメチルピリジン N−オキシド(上記化学式3で表される化合物)の水溶液に変更した以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液3を作製した。高屈折率層用塗布液3の屈折率は1.82であった。なお、このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となるように調製した。
製造例4:高屈折率層塗布液4の作製
製造例1において、添加した酸化剤の水溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液から2,6−ジクロロピリジン N−オキシド(上記化学式4で表される化合物)の水溶液に変更した以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液4を作製した。高屈折率層用塗布液4の屈折率は1.82であった。なお、このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となるように調製した。
製造例5:高屈折率層塗布液5の作製
製造例1において、添加した酸化剤の水溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液から4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(上記化学式6で表される化合物;4−アセトアミド−TEMPOフリーラジカル)の水溶液に変更した以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液5を作製した。高屈折率層用塗布液5の屈折率は1.82であった。なお、このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となるように調製した。
製造例6:高屈折率層塗布液6の作製
製造例1において、添加した酸化剤の水溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液から4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(上記化学式7で表される化合物;4−ベンゾイルオキシ−TEMPOフリーラジカル)の水溶液に変更した以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液6を作製した。高屈折率層用塗布液6の屈折率は1.82であった。なお、このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となるように調製した。
製造例7:高屈折率層塗布液7の作製
製造例1において、添加した酸化剤の水溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液から4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(上記化学式8で表される化合物;4−メトキシ−TEMPOフリーラジカル)の水溶液に変更した以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液7を作製した。高屈折率層用塗布液7の屈折率は1.82であった。なお、このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となるように調製した。
製造例8:高屈折率層塗布液8の作製
製造例1において、添加した酸化剤の水溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液から2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(上記化学式9で表される化合物;TEMPOフリーラジカル)の水溶液に変更した以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液8を作製した。高屈折率層用塗布液8の屈折率は1.82であった。なお、このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となるように調製した。
製造例9:高屈折率層塗布液9の作製
製造例1において、添加した酸化剤の水溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液からtert-ブチルヒドロペルオキシド(上記化学式12で表される化合物)の水溶液に変更した以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液9を作製した。高屈折率層用塗布液9の屈折率は1.82であった。なお、このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となるように調製した。
製造例10:高屈折率層塗布液10の作製
製造例1において、添加した酸化剤の水溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液から3−クロロ過安息香酸(上記化学式13で表される化合物)の水溶液に変更した以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液10を作製した。高屈折率層用塗布液10の屈折率は1.82であった。なお、このとき、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する酸化剤のモル比(Ox/Ti)は3.0×10−2となるように調製した。
製造例11〜16:高屈折率層塗布液11〜16の作製
製造例1において、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対する4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物のモル比(Ox/Ti)がそれぞれ表1に示す値となるように、酸化物水溶液の濃度を適宜変更したこと以外は、製造例1と同様にして、高屈折率層塗布液11〜16をそれぞれ作製した。高屈折率層用塗布液11〜16の屈折率はいずれも1.82であった。
製造例17:高屈折率層塗布液17の作製
製造例1において、4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液を添加しなかったこと以外は、製造例1と同様にして高屈折率層塗布液17を作製した。高屈折率層用塗布液17の屈折率は1.82であった。
製造例18:高屈折率層塗布液18の作製
製造例1において、4−(ジメチルアミノ)ピリジン N−オキシド水和物の水溶液の代わりに、1質量%の塩化コバルト(CoCl)水溶液50質量部および1.65質量%のアセチルアセトン水溶液50質量部を添加したこと以外は、高屈折率層塗布液18を作製した。高屈折率層用塗布液18の屈折率は1.82であった。なお、上記において、塩化コバルト水溶液およびアセチルアセトン水溶液を添加することにより、塩化コバルトの全量に対してアセチルアセトンがキレート反応するため、アセチルアセトンがコバルトに配位したキレート化合物が生成する。よって、高屈折率層塗布液18中、酸化チタン粒子に含まれるチタンに対するコバルト(キレート化合物の中心金属)のモル比(Co/Ti)は、3.0×10−3となる。
製造例19:低屈折率層塗布液1の作製
10質量%の酸性コロイダルシリカの水溶液(スノーテックスOXS、平均一次粒径:4〜6nm、日産化学工業株式会社製)430質量部、3質量%のホウ酸水溶液85質量部、純水182質量部、ポリビニルアルコールの4質量%水溶液(PVA−220、重合度:2000、鹸化度:87モル%、株式会社クラレ製)300質量部と、5質量%の界面活性剤の溶液(アンヒトールHD、花王株式会社製)3質量部とを45℃でこの順に添加、混合し、低屈折率層塗布液1を調製した。低屈折率層用塗布液1の屈折率は1.48であった。
実施例1
15層重層塗布可能なスライドビード(スライドホッパー)塗布装置を用いて、製造例1で作製された高屈折率層塗布液1および製造例19で作製された低屈折率層塗布液1を、40℃に保温しながら、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300、両面易接着層、長さ200m×幅210mm)上に積層した。このとき、最下層および最上層(最表層)は低屈折率層とし、それ以外は高屈折率層と低屈折率層とがそれぞれ交互になるように、計15層の同時重層塗布を行った。この際、乾燥時の膜厚は、最下層が1510nm、最表層が10nm、最下層および最表層以外の低屈折率層の各層が150nm、および高屈折率層の各層が150nmになるように調整した。
塗布直後、5℃の冷風を吹き付けて増粘させた。増粘後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、計15層からなる光学反射フィルム1を作製した。
実施例2〜16および比較例1〜2
実施例1において、高屈折率層を形成するために用いる塗布液を、それぞれ表1に示される高屈折率層塗布液2〜18に変更した以外は、実施例1と同様にして光学反射フィルム2〜16および比較光学反射フィルム1〜2を、それぞれ作製した。
〔評価〕
上記実施例および比較例でそれぞれ得られた光学反射フィルム2〜16および比較光学反射フィルム1〜2について、下記方法に従って、反射層の色調(a)、色差(ΔE)、および外観評価(耐久性の評価)を測定した。
(色調評価)
実施例および比較例で作製した光学反射フィルムについて、それぞれ、分光光度計U−4100(株式会社島津製作所製)を用いて、可視光域(360〜740nm)の透過率を測定することにより、光学反射フィルムのL表色系におけるaの値を測定した。このa値が小さいほど、フィルムの赤みが抑えられていることを意味する。
(色差評価)
上記実施例および比較例で作製した光学反射フィルムについて、以下の評価を行った。
厚さ3mmの青色ガラスに、上記で作製した光学反射フィルムサンプルのそれぞれを、粘着剤層を介して貼り付けた。カーボンアーク灯を用いたサンシャインウェザーメーターを利用し、上記サンプルを、照度250W/cm、温度40℃、湿度50%RHにて、2000時間曝露し、曝露前後での透過光の差異から色差(ΔE)を計算した。なお、曝露前後のサンプルの透過光は、分光光度計U−4000型(積分球使用、日立製作所社製)の200〜2000nm領域における透過率によって評価した。このΔEの値が小さいほど、カーボンアーク灯による光曝露による着色の程度が小さいことを意味する。
(外観評価)
上記実施例および比較例でそれぞれ得られた光学反射フィルムについて、上記(色差評価)と同様の条件で露光し、下記の通り屈曲試験を行い、外観評価を行った。
屈曲試験は、IPC規格TM−650に従ったIPC屈曲試験にて行った。これは、固定板と可動板との間に積層膜の面が凸になるように曲げた状態で挟み、可動板を繰り返し移動するものである。フィルムのRは10mm、ストロークは60mmに設定し、繰り返し回数を30回として行った。
評価基準は以下の通りである。
◎:表面に割れ、剥がれがなく、光学顕微鏡でもスジが見えない
〇:表面に割れ、剥がれがなく、光学顕微鏡によりスジが見える
△:表面に割れ、剥がれが見える
×:表面に明らかな割れ、剥がれが見える。
以下、上記の各種評価の結果を、それぞれ表1に示す。なお、表中、「主骨格上の置換基」の項目は、酸化剤の主骨格上に存在する置換基について、電子吸引性または電子供与性の観点で分類したものである。ここで、同項目中、「なし」と記載された化合物の構造を主骨格とみなして分類した。また、比較例2では、本発明における酸化剤の代わりに金属キレート化合物を添加したため、「酸化剤」に関する項目は、当該金属キレート化合物に関して記載した。
上記表1から、特定の有機系酸化剤を酸化チタン粒子と共存させたとき、色調(赤みの低減)、色差、耐久性の点で優れた光学反射フィルムが得られることが示された。
また、実施例1〜10を比較すると、実施例1〜8の光学反射フィルムは、変色や膜割れが特に抑制されている(耐久性が向上している)ことがわかる。したがって、有機系酸化剤として、有機過酸化物系の化合物よりも、含窒素複素環化合物を用いることで、光学反射フィルムの変色や膜割れを特に抑制することができることが示された。
さらに、実施例1〜4と実施例5〜8とを比較すると、実施例1〜4では特に変色や膜割れの抑制効果が高い。したがって、有機系酸化剤の中でも、含窒素芳香環骨格、より具体的にはピリジン環を含む化合物は、全体として変色を抑制する効果が高いことがわかる。さらにまた、実施例1〜4の中でも、電子吸引性基を有さない化合物(すなわち、電子供与性基を有しているか、または主骨格のみの化合物)は、特に変色抑制効果が高いことが示された。
さらに、実施例1および11〜16より、有機系酸化剤と酸化チタンに含まれるチタンとのモル比(Ox/Ti)について、ある一定の範囲内、具体的には、Ox/Tiを5×10−5〜3×10とすることにより、色調(赤みの低減)、色差および耐久性の点で、バランスよく良好にすることができることが示された。
一方、比較例2の光学反射フィルムは、中心金属としてCoを含むキレート化合物を含んでいるが、露光後では、実施例の光学反射フィルムと比較して、膜割れが著しく、また、初期の色調(赤み)が良好でない。したがって、コバルトを含むキレート化合物の代わりに有機系酸化剤を添加することにより、コバルトに由来する赤みの呈色を抑制することができるだけでなく、光学反射層の耐久性を向上させる効果が得られることがわかった。

Claims (7)

  1. 基材上に、低屈折率層と高屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムであって、
    前記高屈折率層が、樹脂と、酸化チタン粒子と、酸化剤とを含み、
    前記酸化剤は、N−オキシド化合物、N−オキシル化合物および有機過酸化物からなる群から選択された少なくとも一種を含む、光学反射フィルム。
  2. 前記酸化剤が、含窒素複素環骨格を含む、請求項1に記載の光学反射フィルム。
  3. 前記酸化剤が、含窒素複素芳香環骨格を含む、請求項2に記載の光学反射フィルム。
  4. 前記酸化剤が、ピリジン−N−オキシド骨格またはピペリジン−N−オキシル骨格を含む、請求項2に記載の光学反射フィルム。
  5. 前記酸化チタン粒子に含まれるチタン(Ti)に対する前記酸化剤(Ox)のモル比(Ox/Ti)が、5×10−5〜3×10である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
  6. 前記酸化チタン粒子は、シリカ変性酸化チタンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
  7. 前記酸化チタン粒子は、ルチル型酸化チタンを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
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