JP2016080609A - 超音波式漏洩検知装置及びそれを用いた漏洩検知方法 - Google Patents

超音波式漏洩検知装置及びそれを用いた漏洩検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
水等の液中における気泡あるいは微粒子等のトレーサを、超音波を用いて高精度に検出可能とすることで、高信頼な超音波式漏洩検知装置及びそれを用いた漏洩検知方法を提供する。
【解決手段】
超音波式漏洩検知装置1は、容器21内の液中に浸漬するよう配置される超音波センサ10と、容器21内の液中に投入される気泡あるいは微粒子等からなるトレーサ24へ、超音波センサ10より所定の発信時間間隔及び所定の発信回数にて超音波を送信し、受信される受信波形の経時変化により、所望の超音波伝搬時間における各発信回数に対応する受信波形の振幅値に基づき直交波形を生成する信号処理部13と、生成された直交波形を表示又は、直交波形及び受信波形の経時変化を合わせて表示する表示部12を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は超音波式漏洩検知装置及びそれを用いた漏洩検知方法に係り、特に、超音波センサを液体などの媒体の存在する環境中に設置し、液体中の物体からの反射信号を用いて、液体の漏洩を検知するものに好適な超音波式漏洩検知装置及びそれを用いた漏洩検知方法に関する。
水等の液体が満たされた容器から外部へ液体が漏洩する場合、あるいは、外部から容器内へ液体が漏洩する場合において、補修等により漏洩を止めるためには、先ず漏洩を検知し、漏洩箇所を特定する必要がある。
このような漏洩の検知及び漏洩個所の特定を、超音波を用いて行うものとして、特許文献1が知られている。特許文献1には、水中に超音波センサを浸漬させ、気泡発生装置により水中に気泡を発生させると共に、当該気泡による超音波の反射を計測するものが開示されている。そして、計測される気泡からの反射波により、気泡の重心位置を求め、当該気泡の重心位置の移動を検知することで、容器内における水等の液体の流れを推定し、容器内における漏洩個所の特定を行うものである。
特開2013−113628号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、目標物である気泡からの反射波が、容器内の側壁等の構造体からの反射波に埋没され、漏洩検知及び漏洩個所の特定が困難となる可能性がある。すなわち、超音波を用いて漏洩検知する場合におけるS/Nの向上について改善の余地がある。
そこで、本発明は、水等の液中における気泡あるいは微粒子等のトレーサを、超音波を用いて高精度に検出可能とすることで、高信頼な超音波式漏洩検知装置及びそれを用いた漏洩検知方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の超音波式漏洩検知装置は、容器内の液中に浸漬するよう配置される超音波センサと、前記容器内の液中に投入される気泡あるいは微粒子等からなるトレーサへ、前記超音波センサより所定の発信時間間隔及び所定の発信回数にて超音波を送信し、受信される受信波形の経時変化により、所望の超音波伝搬時間における前記各発信回数に対応する受信波形の振幅値に基づき直交波形を生成する信号処理部と、前記生成された直交波形を表示又は、前記直交波形及び前記受信波形の経時変化を合わせて表示する表示部を備えることを特徴とする。
また、本発明の漏洩検知方法は、容器内の液中に浸漬するよう配置される超音波センサより、前記容器内の液中に投入される気泡あるいは微粒子等からなるトレーサへ、超音波を送信し得られる受信波形により液体の漏洩を検知する方法であって、前記超音波センサより所定の発信時間間隔及び所定の発信回数にて超音波を、前記トレーサへ送信する工程と、前記超音波の送信により得られる受信波形の経時変化により、所望の超音波伝搬時間における前記各発信回数に対応する受信波形の振幅値に基づき直交波形を生成する直交波形生成工程と、前記生成された直交波形又は、前記直交波形及び前記受信波形の経時変化を合わせて表示部へ表示する表示工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、水等の液中における気泡あるいは微粒子等のトレーサを、超音波を用いて高精度に検出可能とすることで、高信頼な超音波式漏洩検知装置及びそれを用いた漏洩検知方法を実現することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置の主要部の構成図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置を構成するトレーサ投入装置を含み使用状態の説明図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置を構成するトレーサ投入装置を含み使用状態の他の説明図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置の送信および受信タイミングを示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置の表示部に表示される受信波形の表示形態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置の表示部に表示される受信波形の他の表示形態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置を構成する超音波センサの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置を構成する超音波センサの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置を構成する超音波センサによる構造体の形状測定を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置を構成する超音波センサによる漏洩検知の状況を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置による流速の測定を説明するための図である。 本発明の一実施例に係る実施例1の超音波式漏洩検知装置による流速測定に用いる直交波形の説明図である。 実施例1の超音波式漏洩検知装置による流速測定に用いる時間をシフトした直交波形を説明するための図である。 実施例1の超音波式漏洩検知装置の表示部に表示される直交波形の表示形態を示す図である。 実施例1の超音波式漏洩検知装置の漏洩検知処理を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例に係る実施例2の超音波式漏洩検知装置の表示部に表示される直交波形の表示形態を示す図である。 実施例2の超音波式漏洩検知装置の主要部の構成図である。 実施例2の超音波式漏洩検知装置の漏洩検知処理を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例に係る実施例3の超音波式漏洩検知装置による相関結果の統計量により得られる高信頼伝搬時間領域を説明するための図である。 実施例3の超音波式漏洩検知装置の漏洩検知処理を示すフローチャートである。
以下、本明細書において、トレーサとは、気泡あるいは微粒子の総称であり、微粒子として、例えば、酸化ケイ素、アルミナ(酸化アルミニウム)、塩化第二鉄等の凝集剤及び当該凝集剤に水中に溶存あるいは含有される有機物が捕捉され形成されるフロック等が用いられる。微粒子の粒径については、容器内に満たされる媒体、例えば水との比重すなわち、液面に浮遊することなく、また、容器の底面に沈降(沈殿)することなく水中に存在し、容器内の水の対流により移動可能なサイズを適宜選択すればよい。
図1に、本発明の一実施形態に係る超音波式漏洩検知装置の主要部の構成図を示す。超音波式漏洩検知装置1は、超音波センサ10、超音波送受信部11、表示部12、信号処理部13、及び後述するトレーサ投入装置23を有する。
超音波送受信部11は、送信部11A、受信部11B、制御部11C、及び記憶部11Dから構成され、制御部11Cが全体をコントロールしている。送信部11Aは超音波センサ10と接続され、制御部11Cで制御され、一定の時間間隔(発信時間間隔ΔTp、例えばΔTp=0.05sec)と発信回数(例えば、Np回、Np=256)にて超音波を送信する。ここで、超音波センサ10は、図示しない圧電素子を、例えば2次元状に配列した2次元センサアレイであり、送信部11Aからの発信周波数に応じて振動し、超音波センサ10より超音波が送信され、超音波による反射波(受信波)を超音波センサ10にて受信し、受信部11Bに取り込む。受信部11Bに取り込まれた反射波は、ある時間間隔(サンプリング間隔(サンプリング周期)ΔTs、例えばΔTs=0.2μsec)でデジタルデータに変換され、記憶部11Dに記憶される。
信号処理部13は、直交波形生成部13A及び相関処理部13Bから構成される。直交波形生成部13Aは、記憶部11Dに記憶された複数回の受信波形のうち、例えば、伝搬時間が同一となる受信波形の振幅値を上記超音波の発信時間順に並べることで、直交波形を生成する。なお、直交波形は、受信波形の伝搬時間毎に生成される。サンプリング間隔ΔTsが0.2μsecで、得られるデジタルデータのデータ点数NsがNs=5000点(1msec)の場合、直交波形は5000個生成される。なお、媒体が水の場合、超音波の音速はおよそ1500m/secであることから、1msecで往復する距離は1500mm(片道では750mm)となる。したがって、伝搬時間毎に生成された直交波形は、音速を用いて、伝搬距離ごとの直交波形に変換することができる。ここで、直交波形生成部13Aにより生成された、ある伝搬時間における直交波形は、記憶部11Dに格納される。
相関処理部13Bは、ある伝搬時間の第一の直交波形の自己相関処理又は、ある伝搬時間の第一の直交波形と、例えば、受信波形の伝搬時間がn×ΔTs(ここでnは整数)だけ異なる第二の直交波形の相互相関処理を行う。例えば、n=0の場合は、自己相関となり、相関結果の個数、すなわち自己相関処理結果の個数は超音波の発信回数Np個と一致する。また、n=1の場合は、ある伝搬時間の第一の直交波形と、この第一の直交波形の伝搬時間よりΔTsだけ伝搬時間が異なる第二の直交波形との相互相関となり、相互相関処理の個数、すなわち、相互相関処理結果の個数は超音波の発信回数より少なく、Np−1個となる。
伝搬時間j×ΔTsの第一の直交波形をφj(t)、伝搬時間k×ΔTsの第二の直交波形をφk(t)とする。ここで引数のtは、超音波の発信時間間隔ΔTpと発信回数Npによってきまるため、t=i×ΔTp(i=0〜Np−1)である。
なお、第一の直交波形φj(t)と第二の直交波形φk(t)の相互相関処理結果Rjk(τ)は、例えば、以下の式(1)により計算することが可能である。ここで、τは発信時間tにおける時間差を表わすパラメータである。なお、式(1)で関数Eはアンサンブル平均を、関数C(Cj,Ck,Cjk)は相関係数を、関数R(Rjk)は規格化された相関係数を意味する。
Figure 2016080609
また、図1に示す超音波送受信部11を構成する制御部11C、信号処理部13を構成する直交波形生成部13A及び相関処理部13Bは、ROMに格納された各種プログラムを読出し、読み出されたプログラムを実行するCPU等のプロセッサにより実現される。
ここで、図2に本発明の一実施形態に係るトレーサ投入装置23を有する超音波式漏洩検知装置1の使用状態を示す。図2に示すように、容器21内には、媒体として、例えば水等の液体を収容する状況を表している。容器21内に収容される媒体の量は、容器21内ほぼ全体を満たす量でも、部分的に満たす量でもいずれでも良い。また、媒体は液体など、流体としての性質をもつ物質であればよいが、以下では、一例として水を例に説明する。
図2に示すように、本実施形態による超音波式漏洩検知装置1は、超音波センサ10をその先端部で保持し水中で所望の位置に位置付け可能なアクセス治具22A及び、トレーサ投入装置23をその先端部で保持し水中で所望の位置に位置付け可能なアクセス治具22Bを備える。アクセス治具22A、22Bとして、例えば、多関節マニピュレータあるいはポール等が用いられる。図2では、媒体である水を収容する容器21の底面に、漏洩個所である壁面の穴25が形成された場合を示している。アクセス治具22Aにより超音波センサ10は、容器21の上部より液面26を通過し、容器21の底面に形成された壁面の穴25付近に位置付けられる。また、同様に、アクセス治具22Bによりトレーサ投入装置23は、容器21の上部より液面26を通過し、壁面の穴25と超音波センサ10との間に位置付けられる。トレーサ投入装置23は、ある一定の期間、ある一定量のトレーサ24を水中に投入する。ここでトレーサ24は、上述のとおり気泡あるいは微粒子であり、超音波センサ10より送信される超音波に対し反射源となる。すなわち、トレーサ24は超音波を反射し、反射波は受信波として超音波センサ10を介して図1に示す受信部11Bに取り込まれる。
図3に本発明の一実施形態に係るトレーサ投入装置23を有する超音波式漏洩検知装置1の他の使用状態を示す。図3に示すように、容器21の上面に、移動装置32A、32Bを挿入するための移動装置投入用開口31が形成されている。そして、図3では、媒体である水を収容する容器21の側面の下部に、漏洩個所である壁面の穴25が形成された場合を示している。超音波センサ10が搭載された移動装置32Aは、移動装置投入用開口31より容器21内に投入される。移動装置32Aは、図示しない例えば、スラスタ及びクローラを備え、水中を移動あるいは容器21の壁面に沿って移動可能に構成されている。図3では、移動装置32Aが液面26を航行し、容器21の側面にて、その側面に沿って壁面の穴25の付近に位置付けられた状態を示している。また、同様にトレーサ挿入装置23を搭載する移動装置32Bが容器21の底面であって壁面の穴25に対向する位置に位置付けられた状態を示している。トレーサ投入装置23は、ある一定の期間、ある一定量のトレーサ24を水中に投入する。ここでトレーサ24は、上述のとおり気泡あるいは微粒子であり、超音波センサ10より送信される超音波に対し反射源となる。すなわち、トレーサ24は超音波を反射し、反射波は受信波として超音波センサ10を介して図1に示す受信部11Bに取り込まれる。
図2及び図3において、トレーサ投入装置23は、超音波センサ10の近傍に位置付けることが望ましい。また、トレーサ投入装置23より水中に投入するトレーサ24が、微粒子の場合には、必ずしもトレーサ投入装置23を水中に浸漬させる必要はなく、容器21内の気相中より液面26へ向かいトレーサ24を投入するよう位置付けても良い。なお、いずれの場合においても、超音波センサ10は、全体が浸漬するよう位置付けられる。
図4に超音波式漏洩検知装置1の送信および受信タイミングを示す。図4の上図に示すように、超音波送受信部11を構成する送信部11Aは、制御部11Cの指令により、一定の時間間隔(発信時間間隔ΔTp)及び発信回数Npに応じて、一定周期の送信パルス41を超音波センサ10へ出力する。ここで送信パルス41の波形は、スパイクパルス、矩形波、サイン波、などが用いられる。
また、図4の下図に示すように、送信パルス41と同期して、超音波センサ10から発信された超音波が、容器21内のトレーサ24等からの反射波を含んで、受信波形42が複数個、繰り返し受信され、受信部11Bにてデジタルデータに変換される。なお、図4の下図では、発信回数(送信回数)J回目に相当するJ個目からJ+2回目に相当するJ+2個目の送信パルス41に同期して得られる受信波形、J個目からJ+2個目の受信波形42を、横軸を時間、縦軸を振幅として示している。受信部11Bでの受信波のアナログデータからデジタルデータへの変換は、サンプリング間隔(サンプリング周期)ΔTs、データ点数Nsによって行われる。なお、サンプリング間隔ΔTsの逆数は、サンプリング周波数fsであり、ナイキストの定理から、測定したい超音波信号の中心周波数fに対して、fsは2倍以上(fs≧2×f0)である必要がある。例えば、受信波形42の中心周波数が2MHzの場合、例えば、サンプリング周波数fsは5Mhz、サンプリング間隔は0.2μsecであればよい。
図5は、超音波式漏洩検知装置1の表示部12に表示される受信波形の表示形態を示す図である。表示部12では、例えば、図5に示すように、送信回数(J−1回目からJ+1回目)に対応する、受信回数(J−1回目からJ+1回目)における受信波形42をそれぞれ表示する。受信波形42は、横軸に伝搬時間、縦軸に振幅をとり表示部12の画面上に表示される。なお、横軸は、伝搬時間に替えて、媒体である水中を伝わる超音波の音速を用いて伝搬距離に変換しても良い。また、縦軸は、振幅の絶対値を表示しても良い。
また、図6は、超音波式漏洩検知装置1の表示部12に表示される受信波形の他の表示形態を示す図である。図6の下図に示すように、超音波の発信回数(送信回数)に対応した受信回数(例えば、J回目)の受信波形に対して、振幅値をカラーバー等で、グラデーション表示あるいはカラーで色分け表示し、その色により伝搬時間毎の振幅値の大小を表わすものとすれば、例えば、縦軸に送信回数を、横軸に伝搬時間を取り、2次元マップ状に受信波形を表示することができる。図6では、発信時間間隔ΔTpで発信回数(送信回数)Npの場合を示しており、送信回数1回目からNp回目に対応する受信波形のうち、J−1回目、J回目及びJ+1回目の受信波形を、伝搬時間毎の振幅値をカラーバーでグラデーション表示する例を示している。このように、表示部12の画面上に図6の下図に示すマップ状の受信波形が表示される。このマップ状の受信波形内で、ユーザにより、仮にJ回目の受信波形が指定されると、図6の上図に示すJ回目の受信波形(縦軸:振幅、横軸:伝搬時間)が、表示部12の画面上にポップアップ表示される。なお、2次元マップ状の受信波形を表示する際、縦軸を送信回数に替えて、例えば、送信時間または受信回数あるいは受信時間としても良い。また、横軸を伝搬時間に替えて伝搬距離としても良い。
なお、超音波センサ10は、容器21内を満たす媒体である水中に超音波を発信、受信するものである。超音波センサ10は、単一の圧電素子で構成することも可能であるが、例えば、図7及び図8に示すように、複数の圧電素子33Bで構成された超音波アレイセンサ33Aとしても良い。超音波アレイセンサ33Aを構成する圧電素子33Bが1軸配列の場合(1次元に配列される場合)は、図7の如く、機械走査と組み合せることで、3次元走査が可能である。また、図8の如く、圧電素子33Bを2次元的に配列することで超音波アレイセンサ33Aを構成する場合は、電子的に3次元走査をすることも可能である。
図9に、超音波センサ10として、アレイセンサを用いる場合についての、構造体の形状測定を行う手順を説明する。アレイセンサを用いて、媒体である水中を可視化する方法として、例えば、遅延加算方式を用いる。
遅延加算方式とは、フェーズドアレイ方式、電子走査方式又は電子スキャン方式とも呼ばれるもので、例えば、圧電素子からなる複数の超音波発生素子をアレイ状に配置した探触子、いわゆる超音波アレイセンサ33Aを用い、超音波発生の契機となる電気信号を、この超音波アレイセンサ33Aの各素子に所定の時間だけ遅延させて与え、各素子から発生した超音波が重ね合わされ、合成波を形成することで、被検査体への超音波の送信角度と受信角度、送信位置と受信位置、或いは合成波が干渉して互いにエネルギーを強め合う位置、すなわち、焦点位置などの条件が電気的な制御により高速で変化させることができるようにしている。例えば、あるセンサ位置Xkにおいて、角度θi方向から受信した信号の振幅A(t、θi)について、伝搬時間tと音速cの積から、伝搬距離Wを求め、センサ位置Xkを基準として、角度θi、距離Wの点の画素値として、A(t、θi)を設定し、θiを変化させることで扇状の画像を形成したり、或いはθiを固定し、センサ位置Xkを移動させることで、平行四辺形状の画像を形成したりする、超音波の総送受信映像化法のことである。
映像化するには、図9に示すように、送受信位置Xkにおいて、方向θiに伝搬する超音波伝搬径路43を有する、遅延合成させた受信波形A(t;θi)44について、ある伝搬時間tにおける振幅値44Bと角度θiから、θiを変化させながら、振幅値の大きさに対応した画素値で可視化することで、扇形の領域であるセクタスキャンの表示範囲46で超音波測定結果を画像化できる。形状変化部として、例えば配管27の表面からの反射波の振幅値により、領域(形状からの反射波全体)45のように映像化される。この領域45の境界、すなわち、受信波形A(t;θi)の振幅の立ち上がり(形状からの反射波部分の開始位置)44Aとして、配管27の表面が、超音波画像の境界45Aとして映像化される。
遅延加算法にて可視化する場合において、例えば、上記の手順によって、ある平面での断面画像を形成することができるので、図7に示すように、機械走査により超音波アレイセンサ33Aから発生する超音波が伝搬する面を、その面に直交する成分を含む方向に面を移動させることで、平面画像を複数枚形成することができ、立体画像を形成できる。あるいは図8に示すように、超音波アレイセンサ33Aを形成する圧電素子33Bを2次元的に配置することで、電子走査を3次元的に行い、同様に平面画像を複数枚形成して、立体画像を形成できる。
例えば、図9に示すように、遅延加算法の画像化手法によって反射体(構造物)である配管27の表面を映像化する場合、横軸に時間(又は距離)、縦軸に振幅をとったある特定の方向(入射角度θi)に伝搬する受信波形の振幅値A(t;θi)と、伝搬方向(入射角度θi)から、扇状の断面図を描画する。扇状の表示においては、画素値を白黒またはカラーのカラーバーと対応させて、画素として可視化する。
なお、ある角度θiに注目すると、受信波形44の立ち上がり点(形状からの反射部分の開始位置)44A、伝搬時間tの振幅値A(t;θi)を、振幅値Aの大きさを色や濃淡値に変換して、扇状の画像として表示した際、配管27等の構造物からの反射波は領域45として広い分布として表示される。超音波センサ10から配管27までの距離は、受信波形44の立ち上がりに相当する画像44Bで測定することができる。このように、漏洩の可能性のある構造物について、超音波により外形を可視化することができる。
超音波による漏洩検知を行うためには、さらに、測定対象となる媒体としての水中において、漏洩に伴って流れる微小なトレーサ24(気泡あるいは微粒子)の流れをとらえる必要がある。図10は、超音波式漏洩検知装置1を構成する超音波センサ10による漏洩検知の状況を説明するための図である。図10に示すように、媒体である水を収容する容器21のある壁面21Aには、容器21の内部へと突き出るよう配される配管27と、配管27の根元を容器21の壁面21Aに固定するための二重管構造部28が設けられている。ここで仮に、この二重管構造部28に漏洩が生じたと想定すると、図示しないトレーサ投入装置23より、容器21内の水中に投入されたトレーサ24は、時間の経過と共に、漏洩個所である二重管構造部28へと漏洩に伴う流れによって、トレーサ24Aからトレーサ24Bへと、トレーサ移動方向29に沿って移動する。ここで、漏洩個所と想定される二重管構造物28へと流れる媒体である水(漏洩水)の流速は、約1mm/sec〜100mm/secと非常に緩やかな流れとなる。図10に示されるように、アクセス治具22Aの先端に保持される超音波センサ10は、配管27及び二重管構造28の付近に位置付けられている。これは、図9に示したように、漏洩個所と想定される二重管構造部28の形状を把握した後、この二重管構造部28付近における漏洩水の水流を計測する。図10に示すように、ある時刻におけるトレーサ24A群と、そこから所定時間経過後のトレーサ24B群からの反射波を、超音波センサ10を介して、超音波式漏洩検知装置1を構成する超音波送受信部11の受信部11Bで、受信波形として検出することにより、漏洩水の水流を計測するものである。
ここで、図11を用いて、超音波式漏洩検知装置1による漏洩水の流速測定について説明する。図11は、一定の発信時間間隔ΔTpで複数回超音波を送信した場合に、媒体である水中のトレーサ24より得られる受信波形の変化を模式的に示したものである。なお、図11では、説明を分かり易くするため、制御部11Cより送信部11Aへ出力される発信回数(送信回数)Npのうち、5回目までの送信回数を示し、送信回数毎に対応する受信波形を示している。上述のとおり、発信時間間隔ΔTpは、例えば、0.05secであり、受信部11Bに取り込まれたトレース24からの反射波は、サンプリング間隔(サンプリング周期ΔTs、例えばΔTs=0.2μsec)でデジタルデータに変換されるものであるため、図11の右図に示すように、超音波センサ10より送信される超音波の送信回数(1回目〜5回目)に、それぞれ対応する受信波形が得られる。図11の左図に示すように、漏洩に伴う水の流れ(漏洩水の流れ)が超音波センサ10から遠ざかる方向に形成されている場合、媒体である水中のトレーサ24も漏洩水の流れにのって、超音波センサ10から遠ざかる。このトレーサ24による反射波を含む受信波形は、右図に示すように伝搬時間が少しずつ長くなるような傾向を有する。なお、図11では、説明の便宜上、受信波形の変化を強調して描いているが、実際には、複数個のトレーサ24が含まれていたり、トレーサ24からの反射波の強度が弱かったり、という理由で、受信波形の時間的な変化そのものを直接観察することが困難である場合が想定される。
しかし、本実施形態による超音波式漏洩検知装置1では、信号処理部13に設けられた直交波形生成部13Aにより、上記トレーサ24より得られる送信回数毎の反射波、すなち、送信回数に対応する受信波形のうち、例えば、伝搬時間が同一となる受信波形の振幅値を、送信回数順に整列することで直交波形が生成される。そして、信号処理部13に設けられた相関処理部13Bにより、ある伝搬時間の第一の直交波形の自己相関処理、または、ある伝搬時間の第一の直交波形と、この第一の直交波形の伝搬時間より例えばΔTsだけ伝搬時間が異なる第二の直交波形との相互相関処理を行うことにより、トレーサ24からの受信波形検出のS/Nを向上できる。これにより、トレーサ24の移動方向あるいは移動箇所が特定できることから、高精度な漏洩検知及び漏洩個所の特定が図られる。
以下、図面を用いて、信号処理部13を構成する直交波形生成部13A及び相関処理13Bを主として、実施例を説明する。
図12に、本発明の一実施例に係る実施例1の超音波式漏洩検知装置1による流速測定に用いる直交波形の説明図を示す。本実施例のトレーサ投入装置23を有する超音波式漏洩検知装置1は、図1〜図3、図7〜図10に示す構成と同様である。
図12に示すように、超音波式漏洩検知装置1を構成する信号処理部13の直交波形生成部13Aは、受信波形を発信時間間隔ΔTp毎、すわなち、送信回数順に整列する。そして直交波形生成部13Aは、ある伝搬時間tとなる各送信回数に対応する受信波形の振幅値を抽出し、図12の右側に示すように送信回数あるいは送信時間を軸とする伝搬時間tにおける直交波形を生成する。なお、図12では、説明の便宜上分かり易くするため、送信回数の間隔(発信時間間隔ΔTp)を広くし、送信回数を1回目〜5回目のみ記載しているが、実際には、上述のとおりΔTpは例えば、0.05secに設定されるものであり、送信回数の間隔は狭い。従って、直交波形生成時における、ある伝搬時間tとなる各送信回数に対応する受信波形の振幅値は図12に示すより多く、特に、補間演算を要することなく、ある伝搬時間tにおける直交波形を生成できるものである。なお、このようにある伝搬時間tにおける直交波形を生成することにより、受信波形の微小な時間変化を差分する効果があることから、微小な変化を強調することができる。これは、上述のとおり、漏洩水の流速は、例えば、約1mm/sec〜100mm/secと非常に緩やかな流れ(低速)であり、当然、この漏洩水の流れに伴い移動するトレーサ24の移動速度も同様に低速となる。しかし、本実施例によれば、このように媒体である水中を低速で移動するトレーサ24を、直交波形を生成することにより確実に検出することが可能となる。
また、図13に、本実施例の超音波式漏洩検知装置1による流速測定に用いる時間をシフトした直交波形の説明図を示す。図12では、同一の伝搬時間tにおける各送信回数の受信波形の振幅値を抽出し、直交波形を生成した。これに対し、図13に示すように、直交波形生成部13Aは、送信回数に線形となるように、伝搬時間を所定の等間隔で遅らせ、各送信回数に対応する受信波形の振幅値を抽出する。すなわち、送信回数毎に所定の時間間隔(等間隔)にてシフトされた伝搬時間における受信波形の振幅値を抽出する。そして、抽出された振幅値を用いて、図13の右図に示すように送信回数あるいは送信時間を軸とするシフトされた伝搬時間における直交波形を生成する。図13はもっとも極端な場合であるが、シフトされた直交波形では振動がみられず、直流的な変化となっていることがわかる。このことから、例えば、直交波形の振動が速く、直交波形のサンプリング間隔が、ナイキストの定理の限界を超える場合には、直交波形のサンプリングを送信回数に線形に、受信波形の伝搬時間を変化させながら、シフトした直交波形を生成することで、原理的な限界を超えて、流速の評価をすることが可能となる。
図14に、本実施例に係る超音波式漏洩検知装置1の表示部12に表示される直交波形の表示形態を示す。制御部11Cにより、記憶部11Dに格納された送信回数に対応する受信回数における受信波形に基づき、図14の下図に示すように、振幅値をカラーバー等で、グラデーションあるいは色分けし、表示部12の画面上に表示する。グラデーション表示における濃淡値あるいは色分け表示における各色が、伝搬時間毎の振幅値の大小関係に対応する。具体的には、縦軸に発信時間間隔ΔTpで発信回数(送信回数)Np、横軸に伝搬時間をとり、2次元マップ状に表示する。図14の下図においては、送信回数J−1回目からJ+1回目に対応する受信波形を、伝搬時間毎の振幅値をカラーバーでグラデーション表示する場合を例示している。図14では、説明の便宜上、J―1回目からJ+1回目のみを示しているが、実際の表示部12の画面上には、送信回数1回目から送信回数Np回目に対応する全ての受信波形が2次元マップ状に表示される。この2次元マップ内で、仮にカーソルあるいはポインタによりユーザによる、所望の伝搬時間tが指定されると、制御部11Cは、図14の上図に示されるように、横軸に送信時間、縦軸に振幅をとり、伝搬時間tにおける直交波形を表示部12の画面上にポップアップ表示するよう制御する。ここで、図14の上図に示す伝搬時間tにおける直交波形は、上述の図12の右側に示した直交波形と同様の場合を例示しており、直交波形生成部13Aにより生成され、超音波送受信部11の記憶部11Dに格納される直交波形が、制御部11Cにより読み出され、表示部12の画面上にポップアップ表示される。なお、このようにポップアップ表示される直交波形は、図12に示す直交波形に限らず、送信回数に線形となるように、伝搬時間を所定の等間隔で遅らせ、各送信回数に対応する受信波形の振幅値を抽出することにより生成される図13に示す直交波形としても良い。なお、直交波形の表示において、横軸を送信時間に替えて送信回数としても良い。
次に、本実施例の超音波式漏洩検知装置1による漏洩検知処理について説明する。図15は、漏洩検知処理のフローチャートである。
まず、図2に示すように、超音波センサ10及びトレーサ投入装置23等をアクセス治具22A,22Bにより、容器21内の水等の媒体中に投入する(ステップS10)。その後、アクセス治具22Aにより超音波センサ10を移動、及び/又はアクセス治具22Bによりトレーサ投入装置23を移動させ、容器内21内の形状変化部(例えば、図2に示す壁面の穴25)を探索する。このとき、超音波センサ10により、超音波の送信及び容器21内の反射体である構造物からの反射波を受信することで、上述の図9に示すように反射体の形状を計測する(ステップS11)。
ステップS11での形状計測により、容器21内で、漏洩の可能性を有する形状変化部が検出されると、アクセス治具22Aによる超音波センサ10の移動及び、アクセス治具22Bによるトレーサ投入装置23の移動を停止する。これにより、超音波センサ10及びトレーサ投入装置23は、検出された形状変化部に位置付けられ固定される(ステップS12)。
続いて、トレーサ投入装置23より所定の期間、所定量のトレーサ24を水等の媒体中に投入する。また、制御部11Cからの指令により、超音波送受信部11を構成する送信部11Aは、超音波センサ10へ一定周期の送信パルスを出力する。ここで、送信部11Aより超音波センサ10へ出力される一定周期の送信パルスは、例えば、上述の図4に示す送信パルス41となる。すなわち、制御部11Cにより設定される発信時間間隔ΔTp及び送信回数(発信回数)Npに応じた送信パルスを送信部11Aが生成する。超音波センサ10は、この送信パルスに対応する発信時間間隔ΔTpにて、漏洩の可能性のある形状変化部の近傍へ超音波を複数回送信する(ステップS13)。制御部11Cは、超音波センサ10及び超音波送受信部11を構成する受信部11Bを介して得られる、超音波の送信回数に対応する複数個の受信波形を記憶部11Dに格納(収録)する(ステップS14)。ステップS15にて、信号処理部13を構成する直交波形生成部13Aは、記憶部11Dに格納された上記送信回数に対応する受信波形を読み出し、上述の図12に示す直交波形を生成し、記憶部11Dに格納する。
次に、信号処理部11を構成する相関処理部13Bは、ステップS15にて直交波形生成部11Aにより生成された直交波形の自己相関処理を演算する(ステップS16)。ここで直交波形の自己相関処理は、上述の式(1)において、規格化された相関係数Rjk(τ)において、k=jとしで計算することで求めることができる。このように自己相関処理を行うことにより、受信波形中にホワイトノイズのような雑音成分(高調波成分)が含まれている場合であっても、ロウパスフィルタ等のアナログ回路を用いることなく、ホワイトノイズを除去することが可能となる。なお、図12に示すように、雑音成分の含まれない理想的な直交波形は振動しており、相関性の高い波形であるため、自己相関処理によりホワイトノイズ成分を除去することで、微小な反射体であるトレーサ24からの反射波の変化、すなわち、直交波形の振動を強調することができる。これにより、漏洩の可能性を有する形状変化部の近傍において、トレーサ投入装置23より投入されたトレーサ24を高精度に検出することが可能となる。また、得られるトレーサ24からの反射波により生成される直交波形の振動(周波数)に基づき、容器21内において、水等の媒体の漏洩に伴い水中を移動するトレーサ24の移動速度を計測することができ、結果として、漏洩水の流速を得ることが可能となる。
次に、制御部11Cは、ステップS16にて相関処理部13Bによる直交波形の自己相関処理を設定回数実行したか否か判定する(ステップS17)。ここで設定回数とは、送信部11Aより超音波センサ10へ送信する送信パルスの生成に用いられる、上記発信時間間隔ΔTpと共に、制御部11Cにより設定される送信回数(発信回数)Npである。これは、上述のとおり、相関処理部13Bにより得られる自己相関処理
結果の個数は、超音波センサ10より送信する超音波の発信回数と一致することによる。従って、制御部11Cは、相関処理部13Bより得られる自己相関処理結果の個数が、設定回数であるNpに到達したか否かを判定する。判定の結果、自己相関処理結果の個数がNpに到達していない場合には、ステップS13に戻り、ステップS17までの処理を繰り返す。また、判定結果がNpに達した場合、ステップS18へ進む。
ステップS18では、制御部11Cは、記憶部11Dに格納される、受信波形、直交波形及び自己相関処理結果等を読み出し、表示部12の画面上に表示するよう制御する。ここで、表示部12の画面上の表示形態としては、上述の図14に示す受信波形の2次元マップ表示、ユーザにより指定される伝搬時間tにおける直交波形のポップアップ表示、及びNp個の自己相関処理結果が表示される。
ステップS18に続き、ステップS19では、制御部11Cは、自己相関処理結果を求めた、容器21内の形状変化部での漏洩の有無及び、当該形状変化部の位置を記憶部11Dに格納し、ステップS11へ戻る。すなわち、漏洩個所が1箇所に限られるものではないことから、ステップS11へ戻り、容器21内の次の形状変化部の探索を実行する。なお、直交波形の自己相関処理結果のみでは、容器21内の漏洩水の流れに伴うトレーサ24の移動方向まで特定することが困難であるため、S/Nが向上され高精度に検出される、容器21内の水等の媒体中におけるトレーサ24に対し、例えば、特許文献1に示されるように、トレーサ24の群の重心位置又はトレーサ24が移動と共に拡散される領域全体の移動方向を検出することにより、上記容器21内の形状変化部が漏洩個所であるか否かを判定することができる。すなわち、漏洩の有無を判定することができる。
なお、上述のステップS10からステップS12において、アクセス治具22A,22Bに替えて、図3に示す移動装置32A,32Bを用いても良い。
また、ステップS15において、直交波形生成部13Aが、図12に示すように、同一の伝搬時間tにおける各送信回数の受信波形の振幅値を抽出し、直交波形を生成する場合を例に説明したがこれに限られない。例えば、直交波形生成部13Aが、送信回数に線形となるように、送信回数毎に所定の時間間隔(等間隔)にてシフトされた伝搬時間における受信波形の振幅値を抽出する。そして、直交波形生成部11Aが、これら抽出された振幅値を用いて、図13に示すように送信回数あるいは送信時間を軸とするシフトされた伝搬時間における直交波形を生成するよう構成しても良い。このようにシフトされた伝搬時間における直交波形を用いることで、仮に、超音波の発信時間間隔ΔTpに対して、容器21内に生じた漏洩個所による水等の媒体の流速、すなわち、漏洩水の流速の変化が小さすぎる場合、あるいは、逆に漏洩水の流速の変化が大きすぎる場合においても、流速の変化量を仮想的にシフトすることができ
る。これにより、トレーサ24の移動速度の測定、すなわち漏洩水の流速測定に十分なトレーサ24が含まれた状態であるか否か可視化することが可能となり、更に、漏洩検知の精度を向上することが可能となる。
本実施例によれば、漏洩の可能性のある容器21内の水等の媒体中に含まれるトレーサ24からの受信波形検出のS/Nを向上できる。
また、トレーサ24の移動方向を特定することにより、漏洩検知精度の向上及び漏洩個所の特定が可能となる。
図16に、本発明の他の実施例に係る実施例2の超音波式漏洩検知装置1’の表示部に表示される直交波形の表示形態を示す。実施例1では信号処理部13を構成する相関処理部13Bが、直交波形生成部13Aにより生成された直交波形に基づき自己相関演算を行う構成としたのに対し、本実施例では、信号処理部13が、生成された直交波形に基づき相互相関処理を行うよう構成した点が異なる。
本実施例では、制御部11Cにより、記憶部11Dに格納された送信回数に対応する受信回数における受信波形に基づき、縦軸を時間差(τ)、横軸を伝搬時間とし、受信波形の振幅値をカラーバー等でグラデーション表示あるいは色分け表示した状態を図16に示す。縦軸に示す時間差(τ)は、実施例1の図14の下図に示した縦軸送信回数に対し、ある送信回数を基準とし、発信時間間隔ΔTp毎の各送信回数における時間差分を示している。また、横軸は、図14の下図に示した伝搬時間と同様である。本実施例では、後述する相関処理部13Bが相互相関処理を演算するものであることから、仮に、図示する伝搬時間tを基準としたとき、伝搬時間t−Δtにおける直交波形(第一の直交波形)と伝搬時間tにおける直交波形(第二の直交波形)とを一組とし、これら2つの直交波形を用いて相互相関処理を実行することで、n1個目の相互相関処理結果が得られる。また、同様に伝搬時間tにおける直交波形(第一の直交波形)と伝搬時間t+Δtにおける直交波形(第二の直交波形)とを次の一組とし、これら2つの直交波形を用いて相互相関処理することにより、n2個目((n1+1)個目)の相互相関処理結果が得られる。ここで、図16の下図に示される2次元マップ状の表示画面において、1画素は伝搬時間Δtに相当し、隣接するΔt間の2つの直交波形を一組とし、Δt毎にシフトしながら相互相関処理を行う2つの直交波形を特定する。なお、上述のとおり、自己相関処理結果は、発信回数(送信回数)Npと一致するが、相互相関処理結果は、Δt毎、すなわち1画素毎シフトして2つの直交波形の組により求めるものであるため、上述のように、相互相関処理結果は、発信回数(送信回数)Npより少なく、(Np―1)個となる。
図16の下図に示される2次元マップ表示状態において、仮にカーソルあるいはポインタによりユーザによる、所望の伝搬時間tが指定されると、伝搬時間tにおける直交波形J(第一の直交波形)と、伝搬時間t+Δtにおける直交波形J+1(第二の直交波形)を用いた相互相関処理結果、すなわち、n2個目((n1+1)個目)の相互相関処理結果が図16の上図に示すように、表示部12の画面上にポップアップ表示される。ポップアップ表示される相互相関処理結果は、横軸に時間差(τ)、縦軸に相関結果の相関値をとり、図16に示す波形状に表示される。図16の下図の2次元マップ表示及び、図16の上図に示すポップアップ表示において、相関値のピーク位置は時間差(τ)のマイナス側に現れる。このように、相互相関処理結果(Np−1)個を得ることにより、相関値のピーク位置の変化により、容器21内でのトレーサ24の移動方向を検知することができる。具体的には、相関値のピーク位置の変化が、時間差(τ)のマイナス側に増大する場合、トレーサ24が超音波センサ10側に近づくことを示す。また、逆に、相関値のピーク位置の変化が、時間差(τ)のプラス側に増大する場合、トレーサ24が超音波センサ10より遠ざかる方向へ移動することを示す。
図17に、本実施例のトレーサ投入装置23を有する超音波式漏洩検知装置1’の主要部の構成図を示す。図17に示すように、本実施例の超音波式漏洩検知装置1’は、超音波アレイセンサ33Aを有する超音波センサ10、超音波送受信部11、信号処理部13、送受信条件最適処理部14及び表示部12より構成され、表示部12は、形状表示部12A、処理表示部12B及び流速表示部12Cからなる。
超音波アレイセンサ33Aは複数の圧電素子からなり、各圧電素子は超音波送受信部11内のコネクタ11Fに接続される。そして、送信部11Aより送信される一定周期の送信パルスに応じて、所定の発信時間間隔ΔTp及び発信回数(送信回数)Npとなるよう、圧電素子から水等の媒体中に縦波超音波を発生し、媒体中を伝搬させる。
媒体中に、構造物(例えば、容器21内に突き出るよう接続される配管27(図9)等)あるいは、気泡あるいは微粒子などのトレーサ24等の反射体が存在する場合、縦波超音波は、これら反射体の表面で、主に縦波超音波として反射する。反射体で反射された超音波(反射波)は、媒体中を伝搬し、再び超音波アレイセンサ33Aを構成する圧電素子に伝搬される。圧電素子に伝搬された反射波は、受信波としてコネクタ11F及びスイッチ11Gを介して受信部11Bに受信され、デジタルデータに変換され記憶部11Dへ格納される。デジタルデータに変換され記憶部11Dに格納された受信波は、例えば、受信波形、2次元断面画像あるいは3次元画像として表示部12に表示される。
ここで、超音波アレイセンサ33Aを構成する圧電素子は、例えば、圧電セラミックス、その圧電セラミックスの細棒を高分子材の中に埋めこんだ複合圧電体(コンポジットともいう)が用いられる。圧電素子は、通常、等間隔に配置されている。
本実施例の超音波送受信部11は、遅延加算方式の場合を例示しており、制御部11Cは遅延時間制御部11Eを制御し、送信部11Aから出力される送信パルス(駆動信号)のタイミング及び受信部12Bによる受信波形の入力タイミングを制御する。これにより遅延制御方式による超音波アレイセンサ33Aの動作が得られる。
表示部12を構成する形状表示部12Aは、超音波の送信により、上記構造物あるいはトレーサ24等の反射体から得られる反射波の受信角度(本実施例では、送信方向と受信方向が同一である場合を示しており、送信角度と受信角度は同一となる)に対応した受信波形を表示する。図17では、開始角度から終了角度までの範囲で超音波を送受信した場合の受信波形のデジタルデータを、角度を円周方向に、片道伝搬距離を軸方向とする扇型の表示例を示す。なお、このように超音波の送信角度を変化させて走査する方法は、セクタスキャンと呼ばれる。
送信角度を開始角度から終了角度まで走査すると、超音波アレイセンサ33Aが浸漬されている容器21内の構造物、例えば、図9に示す配管27等の形状変化部からの反射波、及び、気泡や微粒子等のトレーサ24の微小な反射体からの反射波が受信される。そして、形状表示部12Aに示されるように、扇形の領域内に、上記形状変化部からの反射波全体の領域45及びトレーサ24からの反射波の領域47が、それぞれ、その信号強度に応じた色または濃さの異なる領域として表示される。
信号処理部13は、受信部11Bで受信され、記憶部11Dに格納されたデジタルデータに変換後の受信波形に基づき直交波形を生成する。また、信号処理部13は、生成した直交波形を用いて相互相関処理を実行し、相互相関処理結果である相関画像を、制御部11Cを介して処理表示部12Bに表示する。ここで、処理表示部12Bに表示される相関画像は、上述の図16に示す表示形態にて表示される。例えば、直交波形の相互相関処理結果を表示部12Bにおいて、一方の軸を送信時間に関する量(例えば、送信時間の時間差(τ))、他方の軸を伝搬時間に関する量(例えば、伝搬時間)とし、式(1)に示す相関値Rjk(τ)をマッピング表示する。これにより、受信波形において、どの時間領域において、流速測定に対して十分な条件(量、濃度、粒径、等)のトレーサ24が容器21内に投入されているか、また、どの時間領域の流速測定結果は相対的に高い信頼性があるデータであるかを、表示することが可能となる。また、更に、流速表示部12Cに、直交波形の相関値から、伝搬時間に対する流速の変化を表示することも可能となる。
なお、図17においては、信号処理部13が、直交波形生成処理及び相互相関処理を実行する場合を例に説明したが、これに限られず、例えば、実施例1と同様に、信号処理部13内に直交波形生成部13A及び相関処理部13Bを設け、それぞれにて直交波形生成処理、相互相関処理を実行するよう構成しても良い。
次に、本実施例の超音波式漏洩検知装置1’による漏洩検知処理について説明する。図18は、漏洩検知処理のフローチャートである。図18中、実施例1に示した図15と同様の処理ステップに同一の符号を付し、以下では説明を省略する。
ステップS10からステップS15までは、実施例1において説明した図15に示す処理と同様に実行される。信号処理部13は、ステップS15にて生成され記憶部11Dに格納された直交波形を読み出し、直交波形の相互相関処理を演算する(ステップS20)。ここで、直交波形の相互相関処理は、上述の式(1)における規格化された相関係数Rjk(τ)を計算することにより求める。なお、実施例1に示した自己相関と比較した場合、直交波形の振動(周波数)から、トレーサ24の移動速度を計測することができ、結果として、漏洩水の流速を得ることが可能となることに加えて、漏洩水の流れの向きを推定することが可能となる。これは、自己相関処理の場合、相関値のピークが必ず時間差がないところで出現するのに対して、相互相関処理では、図16に示したように相関値のピークの出現は、異なる伝搬時間の2つの直交波形間で、振動の位相ずれの度合いを評価できることによる。
次に、制御部11Cは、ステップS20にて信号処理部13による直交波形の相互相関処理を設定回数実行したか否か判定する(ステップS17)。ここで設定回数とは、実施例1とは異なり、送信部11Aより超音波センサ10へ送信する送信パルスの生成に用いられる、発信時間間隔ΔTpと共に、制御部11Cにより設定される送信回数(発信回数)Npより1減じた回数、すなわち、(Np−1)回となる。従って、制御部11Cは、信号処理部13より得られる相互相関処理結果の個数が(Np−1)に到達していない場合には、ステップS13に戻り、ステップS17までの処理を繰り返す。また、判定結果が(Np−1)に達した場合、ステップS21へ進む。
ステップS21では、制御部11Cは、記憶部11Dに格納される、受信波形、直交波形及び相互相関処理結果を読み出し、表示部12を構成する形状表示部12A、処理表示部12B及び流速表示部12Cに表示するよう制御する。流速表示部12Cへの表示は、上述のように、直交波形の相互相関処理により得られる相関値から、伝搬時間に対する流速の変化を表示する。
ステップS21に続き、ステップS19では、制御部11Cは、相互相関処理結果を求めた、容器21内の形状変化部での漏洩の有無(あるいは、受信波形の伝搬時間に対する流速の大きさと向き、等)及び、当該形状変化部の位置を記憶部11Dに格納し、ステップS11へ戻る。すなわち、漏洩個所が1箇所に限られるものではないことから、ステップS11へ戻り、容器21内の次の形状変化部の探索を実行する。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、直交波形の相互相関処理によりトレーサ24の移動方向を特定できることから、直ちに、漏洩個所を特定することが可能となる。また、実施例1に比較し、漏洩個所の特定のための演算ステップを低減することが可能となる。
また、本実施例によれば、更に実施例1の効果に加え、相互相関処理により得られた相関値を2次元マップ状に表示することにより、流速測定に対して十分な条件(量、濃度、粒径、等)のトレーサ24が容器21内に投入されているか、また、どの時間領域の流速測定結果は相対的に高い信頼性があるデータであるかを、表示することが可能となる。
図19は、本発明の他の実施例に係る実施例3の超音波式漏洩検知装置による相関結果の統計量により得られる高信頼伝搬時間領域を説明するための図である。実施例2では信号処理部13が直交波形を生成し、生成された直交波形に基づき相互相関処理を行う構成としたのに対し、本実施例では、信号処理部13が直交波形の相互相関処理の結果として得られた相関値に対し、更に伝搬時間に対する平均値及び標準偏差を求めるよう構成した点が異なる。相本実施例におけるトレーサ投入装置23を有する超音波式漏洩検知装置1’は、実施例2と同様に、図17に示す構成を備える。
図19に示すように、信号処理部13は、図16に示す相互相関処理により得られた相関値に対し、伝搬時間に対する平均値及び標準偏差等の統計量を計算する。例えば、図19の上図に示すように、横軸に伝搬時間、縦軸に相関値の平均値をとり、相互相関処理の結果得られる相関値の平均値の伝搬時間に対する変化が得られる。また、図19の下図に示すように、横軸に伝搬時間、縦軸に相関値の標準偏差をとり、相互相関処理の結果得られる相関値の標準偏差の伝搬時間に対する変化が得られる。
ここで、具体的には、信号処理部13は、相関値の時間的な振動の程度を抽出するため、相関値のパワースペクトルの平均値を計算し、さらに、相関値のパワースペクトルの標準偏差を計算する。そして、図19の上図に示すように、予め平均値に対するしきい値Th1として上限しきい値51A及び下限しきい値51Bを設定する。伝搬時間に対する相関値の平均値のうち、上限しきい値51A及び下限しきい値51Bの範囲内の領域a及び領域bが、それぞれ高信頼伝搬時間領域53A及び高信頼伝搬時間領域53Bとして抽出される。
さらに、図19の下図に示すように、予め標準偏差に対するしきい値Th2として、しきい値52を設定する。伝搬時間に対する標準偏差のうち、しきい値52以上となる領域cが高信頼伝搬時間領域53Cとして抽出される。そして、これら高信頼伝搬時間領域53A、53B及び53CのANDをとった領域を最終的な高信頼伝搬時間領域として抽出する。
図19に示す例では、最終的な高信頼伝搬時間領域として高信頼伝搬時間領域53Cが抽出される。高信頼伝搬時間領域53Cは、標準偏差がしきい値52以上であることから、相関値の振動にノイズ成分が少なく、流速を高い信頼性で測定できていることに対応し、且つ、相関値の平均値が絶対値として、上限しきい値51A及び下限しきい値51Bの範囲内に入っていることから、想定する流速の範囲に入っていることが確認できる。このことから、相関値に関する統計量により、容器21内のトレーサ24の流速、すなわち、漏洩水の流速を高信頼性で測定でき、漏洩検知及び漏洩個所の特定を高精度に実現することが可能となる。
なお、仮に、図19の上図及び下図に示されるような高信頼伝搬時間領域53A、53B及び53Cが抽出されない場合には、図17に示す送受信条件最適処理部14は、超音波送信の電圧、送信パルスの性状(送信パルスの発信時間間隔ΔTpや、発信回数(相違送信回数)Np)、超音波受信のインピーダンスあるいは図示しない周波数フィルタ等を調整する。これにより高信頼伝搬時間領域の抽出が可能となる、あるいは、高信頼伝搬時間領域の時間領域が長くなるよう、送受信条件を最適化することができる。また、図17の流速表示部12Cに示すように、伝搬時間に対して、高信頼伝搬時間領域53Dと共にトレーサ24の流速、すなわち、漏洩水の流速を表示することも可能となる。
次に、本実施例の超音波式漏洩検知装置1’による漏洩検知処理について説明する。図20は、漏洩検知処理のフローチャートである。図20中、実施例2に示した図18と同様の処理ステップに同一の符号を付し、以下では説明を省略する。
ステップS10からステップS15までは、実施例2において説明した図18に示す処理と同様に実行される。信号処理部13は、ステップS15にて生成され記憶部11Dに格納された直交波形を読み出し、直交波形の相互相関処理を演算する(ステップS30)。ここで、直交波形の相互相関処理は、上述の式(1)における規格化された相関係数Rjk(τ)を計算することにより求める。なお、実施例1に示した自己相関と比較した場合、直交波形の振動(周波数)から、トレーサ24の移動速度を計測することができ、結果として、漏洩水の流速を得ることが可能となることに加えて、漏洩水の流れの向きを推定することが可能となる。これは、自己相関処理の場合、相関値のピークが必ず時間差がないところで出現するのに対して、相互相関処理では、図16に示したように相関値のピークの出現は、異なる伝搬時間の2つの直交波形間で、振動の位相ずれの度合いを評価できることによる。
次に、制御部11Cは、ステップS30にて信号処理部13による直交波形の相互相関処理を設定回数実行したか否か判定する(ステップS17)。ここで設定回数とは、実施例1とは異なり、送信部11Aより超音波センサ10へ送信する送信パルスの生成に用いられる、発信時間間隔ΔTpと共に、制御部11Cにより設定される送信回数(発信回数)Npより1減じた回数、すなわち、(Np−1)回となる。従って、制御部11Cは、信号処理部13より得られる相互相関処理結果の個数が(Np−1)に到達していない場合には、ステップS13に戻り、ステップS17までの処理を繰り返す。また、判定結果が(Np−1)に達した場合、ステップS31へ進む。
ステップS31では、制御部11Cは、記憶部11Dに格納される、受信波形、直交波形及び相互相関処理結果を読み出し、実施例2と同様に、図17に示す表示部12を構成する形状表示部12A、処理表示部12B及び流速表示部12Cに表示するよう制御する。流速表示部12Cへの表示は、上述のように、直交波形の相互相関処理により得られる相関値から、伝搬時間に対する流速の変化を表示する。ステップS31に続き、ステップS32では、信号処理部13は、相互相関処理により得られた相関値に対し、伝搬時間に対する平均値及び標準偏差等の統計量を計算し、得られた統計量に基づき信頼性を評価する。ここで、信頼性の評価とは、上述の図19の上図及び下図にて説明した、高信頼伝搬時間時間領域53A、53B及び53CのANDをとった領域を最終的な高信頼伝搬時間領域として抽出することで実行される。
ステップS33では、制御部11Cは、測定対象となる伝搬時間領域が高信頼領域に該当しているが否か判定する。すなわち、ステップS32により、最終的な高信頼伝搬領域が抽出されたか、あるいは、高信頼伝搬時間領域53A、53B及び53Cが抽出されなかったかを判定する。判定の結果、高信頼伝搬時間領域53A、53B及び53Cが抽出されなかった場合には、ステップS34へ進む。また、判定の結果、最終的な高信頼伝搬時間領域が抽出された場合、ステップS19へ進む。なお、本実施例では、ステップS32を信号処理部13が実行する構成としたが、これに替えて、ステップS32を制御部11Cが実行するよう構成しても良い。また、ステップS32及びステップS33の双方を信号処理部13が実行するよう構成しても良い。
ステップS34では、図17に示す送受信条件最適処理部14は、超音波送信の電圧、送信パルスの性状(送信パルスの発信時間間隔ΔTpや、発信回数(相違送信回数)Np)、超音波受信のインピーダンスあるいは図示しない周波数フィルタ等を調整し、ステップS13へ戻る。
また、ステップS19では、制御部11Cは、相互相関処理結果を求めた、容器21内の形状変化部での漏洩の有無あるいは、受信波形の伝搬時間に対する流速の大きさと向き、等)及び、当該形状変化部の位置を記憶部11Dに格納し、ステップS11へ戻る。すなわち、漏洩個所が1箇所に限られるものではないことから、ステップS11へ戻り、容器21内の次の形状変化部の探索を実行する。
本実施例によれば、実施例2の効果に加え、相関値に関する統計量により、容器21内のトレーサ24の流速、すなわち、漏洩水の流速を更に高信頼性で測定でき、漏洩検知及び漏洩個所の特定を高精度に実現することが可能となる。
また、本実施例によれば、送受信条件最適処理部14により、超音波送信の電圧、送信パルスの性状(送信パルスの発信時間間隔ΔTpや、発信回数(相違送信回数)Np)、超音波受信のインピーダンスあるいは図示しない周波数フィルタ等が調整されるため、高信頼伝搬時間領域の抽出が可能となる、あるいは、高信頼伝搬時間領域の時間領域が長くなるよう、送受信条件を最適化することができる。
上述の実施例1から実施例3において、伝搬時間毎の直交波形の振幅値をそれぞれ規格化するよう構成しても良い。
受信波形に重畳されるノイズ成分(雑音成分)としては、例えば、本来目標とするトレーサ24以外の、容器21内の配管27あるいは容器21の壁面による高強度の反射波又はこれらの多重反射、超音波センサ10を保持し容器21内の水中にて移動可能とする多関節マニピュレータ等のアクセス治具22A又はスラスタ等を有する移動装置32Aによる電気的ノイズ、また、漏洩検知対象となる場所が、原子炉圧力容器又は原子炉格納容器などの高線量下の環境においては、必然的に超音波センサ10からの信号を受信する受信部11B及び超音波センサ10を接続する信号ケーブルの長さが増大し受信部到達時に信号強度の減衰が生じ得る。直交波形を生成する際における、各受信波形、すなわち各発信時間間隔ΔTpに対応する受信波形中の振幅を所定の閾値により正規化(伝搬時間毎の直交波形の振幅値の規格化)することで、このような環境下においても、上記重畳ノイズを除去し、確実にトレーサ24による反射波を抽出することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…超音波式漏洩検知装置
10…超音波センサ
11…超音波送受信部
11A…送信部
11B…受信部
11C…制御部
11D…記憶部
11E…遅延時間制御部
11F…コネクタ
11G…スイッチ
12…表示部
12A…形状表示部
12B…処理表示部
12C…流速表示部
13…信号処理部
13A…直交波形生成部
13B…相関処理部
14…送受信条件最適処理部
21…容器
21A…容器の壁面
22A,22B…治具
23…トレーサ投入装置
24,24A,24B…トレーサ
25…壁面の穴
26…液面
27…配管
28…二重管構造部
29…トレーサの移動方向
31…移動装置投入用開口
32A,32B…移動装置
33A…超音波アレイセンサ
33B…圧電素子
41…送信パルス
42…受信波形
43…超音波伝搬経路
44…受信波形
44A…形状からの反射波部分の開始位置
44B…伝搬時間tにおける振幅値
45…形状からの反射波全体
45A…超音波画像の境界
46…セクタスキャンの表示範囲
47…トレーサからの反射波
51A…上限しきい値
51B…下限しきい値
52…しきい値
53A,53B,53C,53D…高信頼伝搬時間領域

Claims (20)

  1. 容器内の液中に浸漬するよう配置される超音波センサと、
    前記容器内の液中に投入される気泡あるいは微粒子等からなるトレーサへ、前記超音波センサより所定の発信時間間隔及び所定の発信回数にて超音波を送信し、受信される受信波形の経時変化により、所望の超音波伝搬時間における前記各発信回数に対応する受信波形の振幅値に基づき直交波形を生成する信号処理部と、
    前記生成された直交波形を表示又は、前記直交波形及び前記受信波形の経時変化を合わせて表示する表示部を備えることを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  2. 請求項1記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記信号処理部は、前記各発信回数に対応する複数の受信波形に対し同一の超音波伝播時間における振幅値を抽出し、当該抽出された複数の振幅値を前記発信回数順に整列し前記直交波形を生成することを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  3. 請求項1記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記信号処理部は、前記各発信回数に対応する複数の受信波形に対し、前記発信回数と線形となるよう超音波伝搬時間を所定の等間隔で遅らせ、前記発信回数毎に前記等間隔にて遅延された超音波伝搬時間における受信波形の振幅値を抽出し、当該抽出された複数の振幅値を前記発信回数順に整列し前記直交波形を生成することを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記信号処理部は、前記生成された直交波形の自己相関処理を行う相関処理部を備え、前記自己相関処理により前記受信波形に含まれる雑音成分を除去することを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  5. 請求項4に記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記表示部は、
    前記発信回数に対応する受信波形を、前記発信回数及び超音波伝搬時間で規定される2次元状に、受信波形のサンプリング間隔を1画素として、各サンプリング時間における受信波形の振幅値の大きさに応じた濃淡値またはカラーでマップ表示すると共に、
    前記マップ表示された画面上で、所望の超音波伝搬時間が指定されると、当該指定された超音波伝搬時間に対応する直交波形をポップアップ表示することを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  6. 請求項2又は請求項3に記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記信号処理部は、前記生成された直交波形のうち第一の超音波伝搬時間における第一の直交波形と、前記第一の超音波伝搬時間と異なる第二の超音波伝搬時間における第二の直交波形との相互相関処理を行う相関処理部を備えることを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  7. 請求項6に記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記相関処理部は、前記生成された直交波形のうち、受信波形のサンプリング間隔分、超音波伝搬時間が異なる隣接する2つの直交波形をそれぞれ前記第一の直交波形及び第二の直交波形として相互相関処理を行うことを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  8. 請求項7に記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記表示部は、
    前記発信回数に対応する受信波形を、ある発信回数を基準とし前記発信時間間隔毎の各発信回数との差分である時間差及び超音波伝搬時間で規定される2次元状に、受信波形のサンプリング間隔を1画素として、各サンプリング時間における受信波形の振幅値の大きさに応じた濃淡値またはカラーでマップ表示すると共に、
    前記マップ表示された画面上で、所望の超音波伝搬時間が指定されると、当該指定された超音波伝搬時間に対応する直交波形を第一の直交波形とし、前記指定された超音波伝搬時間と前記受信波形のサンプリング間隔分だけ超音波伝搬時間の異なる直交波形を第二の直交波形とする相互相関処理結果をポップアップ表示することを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  9. 請求項6に記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記信号処理部は、
    前記相関処理部により得られる相互相関処理結果である相関値に対し、超音波伝搬時間に対する平均値及び標準偏差を求め、前記求めた平均値のうち予め設定された上限しきい値及び下限しきい値の範囲内となる超音波伝搬時間領域を第一の高信頼伝搬時間領域として抽出すると共に、前記求めた標準偏差が予め設定されたしきい値以上となる超音波伝搬時間領域を第二の高信頼伝搬時間領域として抽出することを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  10. 請求項9に記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記信号処理部により、前記第一の高信頼伝搬時間領域及び第二の高信頼伝搬時間領域のいずれも抽出されない場合に、少なくとも、前記超音波センサより送信する超音波の送信電圧及び前記発信時間間隔並びに前記発信回数のうちいずれか1つを調整する送受信条件最適処理部を備えることを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  11. 請求項2又は請求項3に記載の超音波式漏洩検知装置において、
    前記信号処理部は、前記生成される直交波形の振幅値を規格化することを特徴とする超音波式漏洩検知装置。
  12. 容器内の液中に浸漬するよう配置される超音波センサより、前記容器内の液中に投入される気泡あるいは微粒子等からなるトレーサへ、超音波を送信し得られる受信波形により液体の漏洩を検知する方法であって、
    前記超音波センサより所定の発信時間間隔及び所定の発信回数にて超音波を、前記トレーサへ送信する工程と、
    前記超音波の送信により得られる受信波形の経時変化により、所望の超音波伝搬時間における前記各発信回数に対応する受信波形の振幅値に基づき直交波形を生成する直交波形生成工程と、
    前記生成された直交波形又は、前記直交波形及び前記受信波形の経時変化を合わせて表示部へ表示する表示工程と、を有することを特徴とする超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法。
  13. 請求項12に記載の超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法において、
    前記直交波形生成工程は、前記各発信回数に対応する複数の受信波形に対し同一の超音波伝播時間における振幅値を抽出し、当該抽出された複数の振幅値を前記発信回数順に整列することで直交波形を生成することを特徴とする超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法。
  14. 請求項12に記載の超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法において、
    前記直交波形生成工程は、前記各発信回数に対応する複数の受信波形に対し、前記発信回数と線形となるよう超音波伝搬時間を所定の等間隔で遅らせ、前記発信回数毎に前記等間隔にて遅延された超音波伝搬時間における受信波形の振幅値を抽出し、当該抽出された複数の振幅値を前記発信回数順に整列することで直交波形を生成することを特徴とする超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法。
  15. 請求項13又は請求項14に記載の超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法において、
    前記直交波形生成工程により生成された直交波形の自己相関処理を行い、前記受信波形に含まれる雑音成分を除去する相関処理工程を有することを特徴とする超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法。
  16. 請求項15に記載の超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法において、
    前記表示工程は、
    前記発信回数に対応する受信波形を、前記発信回数及び超音波伝搬時間で規定される2次元状に、受信波形のサンプリング間隔を1画素として、各サンプリング時間における受信波形の振幅値の大きさに応じた濃淡値またはカラーでマップ表示すると共に、
    前記マップ表示された画面上で、所望の超音波伝搬時間が指定されると、当該指定された超音波伝搬時間に対応する直交波形をポップアップ表示することを特徴とする超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法。
  17. 請求項13又は請求項14に記載の超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法において、
    前記直交波形生成工程により生成された直交波形のうち、第一の超音波伝搬時間における第一の直交波形と、前記第一の超音波伝搬時間と異なる第二の超音波伝搬時間における第二の直交波形との相互相関処理を行う相関処理工程を有することを特徴とする超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法。
  18. 請求項17に記載の超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法において、
    前記相関処理工程は、前記直交波形生成工程により生成された直交波形のうち、受信波形のサンプリング間隔分、超音波伝搬時間が異なる隣接する2つの直交波形をそれぞれ前記第一の直交波形及び第二の直交波形として相互相関処理を行うことを特徴とする超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法。
  19. 請求項17に記載の超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法において、
    前記相関処理工程により得られる相互相関処理結果である相関値に対し、超音波伝搬時間に対する平均値及び標準偏差を求め、前記求めた平均値のうち予め設定された上限しきい値及び下限しきい値の範囲内となる超音波伝搬時間領域を第一の高信頼伝搬時間領域として抽出すると共に、前記求めた標準偏差が予め設定されたしきい値以上となる超音波伝搬時間領域を第二の高信頼伝搬時間領域として抽出する工程を有することを特徴とする超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法。
  20. 請求項19に記載の超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法において、
    前記第一の高信頼伝搬時間領域及び第二の高信頼伝搬時間領域のいずれも抽出されない場合に、少なくとも、前記超音波センサより送信する超音波の送信電圧及び前記発信時間間隔並びに前記発信回数のうちいずれか1つを調整する工程を有することを特徴とする超音波式漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法。
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