JP2016080361A - 光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法と、その方法を用いた液体膜厚計測方法 - Google Patents

光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法と、その方法を用いた液体膜厚計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第1部材と第2部材との接触面の周囲に形成された空間の一部に充填された液体の膜厚を、光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて、より正確な計測結果を得て比較・評価することができるように、光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法と、その方法を用いた液体膜厚計測方法を提供する。
【解決手段】第2部材の下から上に計測光を照射して光干渉縞を計測する光干渉縞計測ステップと、光干渉縞の中心にレーザ光を位置させる第1目印付与ステップと、レーザ光と計測位置決め治具の貫通孔を一致させる第2目印付与ステップと、貫通孔を通るように超音波プローブを走査してエコー強度または反射関連時間の少なくとも一方を検出する超音波走査ステップと、検出された貫通孔の位置を超音波計測中心位置に設定する超音波計測中心設定ステップと、を有する計測中心位置一致方法。
【選択図】図12

Description

本発明は、第1部材と第2部材との接触面の周囲に形成された空間の一部に充填された液体の膜厚を、光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて計測して光干渉計測手段の計測結果に対する超音波計測手段の計測結果を比較・評価するために、それぞれの計測手段の計測中心位置を一致させる計測中心位置一致方法と、その方法を用いた液体膜厚計測方法に関する。
例えば、ガラスの略平板の第1部材に、ガラスの略球体の第2部材を接触させて、第1部材と第2部材の接触面の周囲に形成された空間の一部に潤滑油を充填した場合、その油膜の膜厚は、光干渉縞(いわゆるニュートンリング)を利用した光干渉計測方法にて、所望する精度(例えば数[nm]程度の精度)で計測できることが確認されている。しかし、この光干渉計測方法では、第1部材と第2部材の少なくとも一方が透明でなければならないので、例えば非透明な金属の軌道輪(第1部材に相当)と、非透明な鋼球(第2部材に相当)と、にて構成された転がり軸受装置等には適用できない。
非透明な第1部材に、非透明な第2部材の曲面を接触させて、その接触面の周囲に形成された空間の一部に充填した液体の膜厚を計測する方法としては、超音波を利用した超音波計測方法の利用が考えられる。超音波計測方法は、発信した超音波の反射波の強度(エコー強度)を検出することで、エコー強度に応じた膜厚を計測することができる。しかし、超音波計測方法では、所望する精度(例えば数[nm]程度の精度)で計測することができない可能性が考えられ、超音波計測方法における計測精度の評価が望まれている。
そこで特許文献1には、音響インピーダンス及び屈折率が実質的に異なる物質の第1の界面と第2の界面との距離を変化させながら、当該距離を光学的距離測定装置及び超音波診断装置によって測定するステップと、光学的距離測定装置による測定結果を基準として超音波診断装置の測定結果から超音波診断装置の評価を行うステップと、を包含する超音波診断装置の評価方法が記載されている。
特開2003−325522号公報
特許文献1に記載の発明では、第1の界面と第2の界面とを平行に保ちながら計測対象物を挟み込み、第1の界面と第2の界面との距離を変化させている。すなわち、いずれの位置で計測しても計測対象物の厚さが同じとなるように構成されており、その計測対象物の厚さを、光学的距離測定装置及び超音波診断装置にて計測して、比較・評価している。なお特許文献1には、超音波診断装置にて計測対象物の厚さを計測する具体的な方法の記載が無いが、一般的には、予め、平行に配置された第1の界面と第2の界面に挟まれた計測対象物の厚さに対するエコー強度を実際に計測して、エコー強度と厚さの関係を示すエコー強度・厚さ特性を作成しておく。そして超音波診断装置を用いて検出したエコー強度と、予め作成したエコー強度・厚さ特性とに基づいて、計測個所での計測対象物の厚さを求める。
しかし、例えば図3に示すように、平板の第1部材21と、凸状曲面を有する第2部材22との接触面の周囲の空間の一部に充填された液体の膜Mのように、接触中心Sからの距離に応じて膜厚が変化するような計測対象物の場合、超音波診断装置にて膜厚を計測するためには、接触中心Sを基準とした、接触中心Sからの距離とエコー強度との関係を示す距離・エコー強度特性と、接触中心Sからの距離と膜厚(第2部材21と第2部材22との間隔)との関係を示す距離・間隔特性とを必要とする(図18参照)。そして、距離・エコー強度特性は、正しい接触中心Sの位置を正確に求めていなければ、正しい特性を得ることができない(図10参照)。図3の例において、実際には、第1部材21と第2部材22とが接触している部分は、接触中心Sの「点」のみでなく、接触中心Sを中心とした「面」で接触しているためである。しかし特許文献1では、第1の界面と第2の界面とを平行に保ちながら計測対象物を挟み込んでおり、第1の界面と第2の界面の接触面が存在しないので、正しい接触中心の位置を求めることの必要性も、正しい接触中心の位置を求める方法も、記載が見受けられない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、第1部材と第2部材との接触面の周囲に形成された空間の一部に充填された液体の膜厚を、光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて、より正確な計測結果を得て比較・評価することができるように、光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法と、その方法を用いた液体膜厚計測方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法と、その方法を用いた液体膜厚計測方法は、次の手段をとる。まず、本発明の第1の発明は、第1部材と第2部材との接触面の周囲に形成された空間の一部に充填された液体の膜厚に対して、光干渉計測手段と超音波計測手段との2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、第1部材は、透明部材にて形成されて略平板状の形状を有しており、第2部材は、透明部材あるいは非透明部材にて形成されているとともに第1部材に対向する面が少なくとも1つの曲率を有する凸形状を有している。そして、透明部材あるいは非透明部材にて形成されて略平板状の形状を有して上面及び下面に直交する貫通孔が形成された計測位置決め冶具と、第1部材の上面の側から下面の側に向かう所定径のレーザ光を出射するレーザポインタと、を用いて、第1部材を上側として第1部材と第2部材が接触するように上下に配置した第1部材と第2部材との接触面の周囲に形成された空間の一部に液体を充填した後、所定波長の計測光を出射する光源を用いて、第2部材の下側から上側に向けて、あるいは第1部材の上側から下側に向けて、前記光源からの前記計測光を照射するとともに第1部材と第2部材との接触面及び当該接触面の周囲に形成された光干渉縞を前記光干渉計測手段にて計測する、光干渉縞計測ステップと、計測された光干渉縞の中心である光干渉計測中心位置に前記レーザ光の輝点が位置するように、第1部材の上方に配置した前記レーザポインタを移動させる、第1目印付与ステップと、前記光干渉計測中心位置に前記計測位置決め治具の前記貫通孔が位置するように、第1部材の上面に載置した前記計測位置決め治具を、第1部材の上面上で移動させ、前記貫通孔と前記レーザ光の位置を一致させる、第2目印付与ステップと、前記レーザポインタからの前記レーザ光の出射を停止させた後、前記超音波計測手段を用いて、超音波伝導媒体を介して第1部材の上方に配置されて第1部材の上面から下面に向かう超音波を発信して反射波を検出する超音波プローブを、前記計測位置決め治具の前記貫通孔を通るように、第1部材の上面に対して平行に走査しながら、発信した超音波に対する反射波の強度に基づいたエコー強度、あるいは前記反射波の検出時刻に基づいた反射関連時間、の少なくとも一方を検出する、超音波走査ステップと、前記エコー強度が最小となる位置、あるいは前記反射関連時間が最長となる位置、として検出された前記貫通孔の位置を、第1部材と第2部材との接触面における超音波計測の中心である超音波計測中心位置に設定する、超音波計測中心設定ステップと、を有する、光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、前記超音波プローブから発信される超音波は、焦点位置を調整可能であり、前記超音波走査ステップにおいて、前記超音波プローブから発信される超音波は、前記計測位置決め治具の上面に焦点が調整されている。
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、前記計測位置決め冶具の材質は、前記超音波伝導媒体の音響インピーダンスよりも高い音響インピーダンスを有する材質である。
次に、本発明の第4の発明は、上記第1〜第3の発明のいずれか1つに係る光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、前記光干渉縞計測ステップにおいて、前記測定光を第2部材の下側から上側に向けて前記光源からの前記計測光を照射する場合には、第2部材の下側から光干渉縞を計測し、第2部材は、透明部材にて形成されており、前記計測位置決め治具は、透明部材または非透明部材にて形成されている。
次に、本発明の第5の発明は、上記第1〜第3の発明のいずれか1つに係る光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、前記光干渉縞計測ステップにおいて、前記測定光を第1部材の上側から下側に向けて前記光源からの前記計測光を照射する場合には、第1部材の上側から光干渉縞を計測し、第2部材は、透明部材あるいは非透明部材にて形成されており、前記計測位置決め治具は、透明部材にて形成されている。
次に、本発明の第6の発明は、上記第1〜第5の発明のいずれか1つに係る光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法を用いた、液体膜厚計測方法であって、第1部材の材質と第2部材の材質とが同一の材質である場合、第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と第1部材と第2部材との間隔との関係を示す距離・間隔特性が、予め記憶されている。そして、前記超音波計測中心設定ステップの後、前記計測位置決め治具を前記超音波計測中心位置から外れた位置に移動させた後、前記超音波プローブを、前記超音波計測中心位置を通るように第1部材の上面に対して平行に走査しながら反射波の前記エコー強度を計測し、第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と前記エコー強度との関係を示す距離・エコー強度特性を作成する、超音波特性作成ステップと、前記光干渉計測中心位置及び前記超音波計測中心位置にかかわらず、第1部材上の任意の位置に対して、第2部材の下側から上側に向けて前記光源から前記計測光を照射して形成された光干渉縞を前記光干渉計測手段にて計測した前記任意の位置における第1部材と第2部材との間に充填された液体の膜厚と、前記光干渉計測中心位置及び前記超音波計測中心位置にかかわらず、前記任意の位置に対して、第1部材の上側から下側に向けて前記超音波プローブから超音波を発信して検出された反射波の前記エコー強度と、前記距離・エコー強度特性と、前記距離・間隔特性と、に基づいて前記超音波計測手段にて計測した前記任意の位置における第1部材と第2部材との間に充填された液体の膜厚と、を比較する、計測結果比較ステップと、を有する、液体膜厚計測方法である。
次に、本発明の第7の発明は、上記第1〜第5の発明のいずれか1つに係る光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法を用いた、液体膜厚計測方法であって、第1部材の材質と第2部材の材質とが異なる材質である場合、第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と第1部材と第2部材との間隔との関係を示す距離・間隔特性が、予め記憶されている。そして、前記超音波計測中心設定ステップの後、前記計測位置決め治具を前記超音波計測中心位置から外れた位置に移動させた後、前記超音波プローブを、前記超音波計測中心位置を通るように第1部材の上面に対して平行に走査しながら反射波の前記エコー強度と前記反射関連時間を計測し、第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と前記エコー強度との関係を示す距離・エコー強度特性と、第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と前記反射関連時間との関係を示す距離・反射関連時間特性と、を作成する、超音波特性作成ステップと、前記光干渉計測中心位置及び前記超音波計測中心位置にかかわらず、第1部材上の任意の位置に対して、第2部材の下側から上側に向けて前記光源から前記計測光を照射して形成された光干渉縞を前記光干渉計測手段にて計測した前記任意の位置における第1部材と第2部材との間に充填された液体の膜厚と、前記光干渉計測中心位置及び前記超音波計測中心位置にかかわらず、前記任意の位置に対して、第1部材の上側から下側に向けて前記超音波プローブから超音波を発信して検出された反射波の前記エコー強度及び前記反射関連時間と、前記距離・エコー強度特性と、前記距離・反射関連時間特性と、前記距離・間隔特性と、に基づいて前記超音波計測手段にて計測した前記任意の位置における第1部材と第2部材との間に充填された液体の膜厚と、を比較する、計測結果比較ステップと、を有する、液体膜厚計測方法である。
次に、本発明の第8の発明は、上記第6または第7の発明に係る液体膜厚計測方法であって、前記超音波計測中心設定ステップにて、前記超音波計測中心位置を設定した後、前記超音波プローブの向きを、前記超音波計測中心位置として設定した前記貫通孔に向いた状態を維持しながら、第1部材の上面に対する前記超音波プローブの角度を揺動させて、発信した超音波に対する反射波を検出し、前記エコー強度が最小となった揺動角度、あるいは前記反射関連時間が最長となった揺動角度を、前記第1部材の上面に対して垂直に超音波を発信する角度となる垂直発信角度である、と前記超音波計測手段に認識させ、第1部材に対する前記超音波プローブの角度を前記垂直発信角度に設定して、前記超音波特性作成ステップと前記計測結果比較ステップを実行する、液体膜厚計測方法である。
第1の発明によれば、計測位置決め治具を適切に用いることで、正しい光干渉計測中心位置(第1部材と第2部材の接触面の中心である接触中心の位置)に、超音波計測中心位置を、比較的短時間で容易に一致させることができる。また、レーザポインタからのレーザ光と計測位置決め治具の貫通孔とを一致させることで、比較的容易に、且つより正確に、計測位置決め治具の貫通孔と光干渉計測中心位置とを一致させることができる。
第2の発明によれば、超音波走査ステップにおいて、超音波プローブから発信される超音波の焦点位置を、計測位置決め治具の上面に調整することで、計測位置決め治具の貫通孔の位置によるエコー強度の変動(あるいは反射関連時間の変動)を、より大きくすることができる。従って、計測位置決め治具の貫通孔の位置を、より容易に検出することができる。
第3の発明によれば、計測位置決め治具の材質を、超音波伝導媒体の音響インピーダンスよりも高い音響インピーダンスの材質とすることで、貫通孔からの反射波を、より高いSN比で検出することが可能となるので、より容易に超音波計測中心位置を求めることができる。
第4の発明によれば、第2部材の下側から上側に向けて測定光を照射する場合、第2部材の下側から光干渉縞を計測し、第2部材を透明部材とすることで、光干渉縞を適切に計測することができる。また第1発明より第1部材は透明部材であるので、計測位置決め治具が透明部材であっても非透明部材であっても、適切に貫通孔を認識することが可能であり、第2目印付与ステップを、適切に実施することができる。
第5の発明によれば、第1部材の上側から下側に向けて測定光を照射する場合、第1部材の上側から光干渉縞を計測し、第2部材は透明部材であっても非透明部材であってもよく、第1発明より第1部材は透明部材であるので、光干渉縞を適切に計測することができる。また第1部材に計測光を導くために、計測位置決め治具は透明部材であり、第1部材の上側から光干渉縞と貫通孔を適切に認識することが可能であり、第2目印付与ステップを、適切に実施することができる。
第6の発明によれば、第1部材と第2部材が同一の材質である場合に、第1〜第5の発明のいずれか1つに記載した計測中心位置一致方法を用いて、光干渉計測中心位置と超音波計測中心位置とを一致させることで、超音波計測手段が本来有している計測精度を安定的に引き出すことができる。これにより、光干渉計測手段にて計測した液体の膜厚の計測結果と、超音波計測手段にて計測した液体の膜厚の計測結果と、を適切に比較することが可能となるので、光干渉計測手段の計測結果に対する、超音波計測手段の計測結果を、適切に評価することができる。
第7の発明によれば、第1部材と第2部材が異なる材質である場合に、第1〜第5の発明のいずれか1つに記載した計測中心位置一致方法を用いて、光干渉計測中心位置と超音波計測中心位置とを一致させることで、超音波計測手段が本来有している計測精度を安定的に引き出すことができる。これにより、光干渉計測手段にて計測した液体の膜厚の計測結果と、超音波計測手段にて計測した液体の膜厚の計測結果と、を適切に比較することが可能となるので、光干渉計測手段の計測結果に対する、超音波計測手段の計測結果を、適切に評価することができる。
第8の発明によれば、第1部材の上面に対して、超音波プローブから発信する超音波を、正しく垂直に発信することができるので、超音波計測手段が本来有している計測精度をさらに安定的に引き出すことができる。
外輪と、内輪と、複数の転動体と、を有する転がり軸受装置の外観の例を説明する図である。 図1におけるII−II断面図である。 図2における外輪と転動体をモデル化した例を説明する図である。 光干渉計測手段と超音波計測手段との2通りの計測手段にて、第1部材と第2部材との接触面の周囲に形成された空間の一部に充填された液体の膜厚を計測する、評価用計測装置の外観の例を説明する図(側面図)である。 図4に示す評価用計測装置から光干渉計測手段を抽出した図(側面図)と、光干渉計測手段によって計測された光干渉縞の例を説明する図である。 図4に示す評価用計測装置から超音波計測手段を抽出した図(側面図)である。 図6に示す超音波計測手段の平面図である。 超音波計測手段の超音波プローブから発信した超音波に対する反射波の例を説明する図である。 図6に示す超音波計測手段を用いて検出した反射波に基づいて作成した距離・エコー強度特性と、距離・反射関連時間特性、及び第1部材と第2部材の形状に基づいて作成した距離・間隔特性、の例を説明する図である。 超音波計測手段にて計測する際、正しい超音波計測中心位置を求めることの必要性を説明する図である。 計測位置決め治具の外観の例を説明する斜視図である。 図4に示す評価用計測装置の制御手段の処理手順の例を説明するフローチャートである。 光干渉計測手段にて計測した光干渉縞の中心である光干渉計測中心位置に、レーザポインタからのレーザ光を位置決めする例を説明する平面図(裏面図)である。 光干渉計測手段にて計測した光干渉縞の中心である光干渉計測中心位置に、レーザポインタからのレーザ光を位置決めする例を説明する側面図である。 光干渉計測中心位置に位置決めしたレーザ光の位置に、計測位置決め治具の貫通孔の位置を位置決めする例を説明する平面図(裏面図)である。 光干渉計測中心位置に位置決めしたレーザ光の位置に、計測位置決め治具の貫通孔の位置を位置決めする例を説明する側面図である。 超音波計測中心位置を検出した超音波プローブを揺動させる様子を説明する図である。 第1部材と第2部材が同一の材質である場合において、任意位置の液体の膜厚を、光干渉計測手段にて計測する計測方法と、超音波計測手段にて計測する計測方法と、を説明する図である。 第1部材と第2部材が異なる材質である場合において、任意位置の液体の膜厚を、光干渉計測手段にて計測する計測方法と、超音波計測手段にて計測する計測方法と、を説明する図である。 図4に示す評価用計測装置に対して、評価用計測装置の他の例を説明する図(側面図)である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。なお、X軸、Y軸、Z軸が記載されている図において、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Z軸は鉛直上方に向かう方向を示している。
●[液体の膜厚の計測対象物の例(図1、図2)と計測対象物のモデル(図3)]
図1は、液体の膜厚の計測対象物の例である転がり軸受装置100の外観を示しており、図2は、図1の転がり軸受装置100のII−II断面図を示している。転がり軸受装置100は、外輪121と、内輪123と、複数の転動体122等にて構成されている。なお、図1及び図2の例では、隣り合う転動体122の間隔を保持する保持器の記載を省略している。
図1及び図2に示すように、外輪121は、内周面に凹状の外輪側軌道面121Kを有する円環状である。また内輪123は、外周面に凹状の内輪側軌道面123Kを有する円環状である。そして図2に示すように、外輪側軌道面121Kと転動体122との接点の周囲に形成された空間の少なくとも一部には、潤滑油が充填された液体膜M(油膜)が形成されている。また、内輪側軌道面123Kと転動体122との接点の周囲に形成された空間の少なくとも一部にも、潤滑油が充填された液体膜M(油膜)が形成されている。
なお、転がり軸受装置100における外輪の形状や転動体の形状に対して、計測に都合の良い形状としたモデルを図3に示し、以降、この図3のモデルの形状を用いて説明する。図3のモデルでは、外輪の代わりに、Z軸方向の厚さ21Tが一定の略平板の第1部材21を用い、転動体の代わりに、第1部材21に向かって少なくとも1つの曲率を有する凸形状を有する第2部材22を用いている。図3に示す第2部材22は、接触面の中心である接触中心Sを含む曲率であって外周部SLと外周部SRとの間の曲率と、外周部SLよりも左側及び外周部SRよりも右側の曲率と、の異なる曲率を有する部材である。そして第1部材21と第2部材22とが接触中心Sを含む接触面にて接触しており、接触中心Sを含む接触面の周囲に形成された空間の少なくとも一部に、液体膜Mが形成されている。また、符号21Aは第1部材21の上面を示し、符号21Bは第1部材21の下面を示し、符号22Aは第2部材22の上面(第1部材に対向する面)を示し、符号22Bは第2部材22の下面を示している。また接触中心Sは、第1部材21と第2部材22が面で接触している接触面の中心位置となる点を示している。
図3の例に示す第1部材21と第2部材22とを接触させた(接触中心Sを中心とした)接触面の周囲に形成された空間の一部に充填された液体の膜Mの膜厚は、上述したように、光干渉縞を利用した光干渉計測方法にて、所望する精度(例えば数[nm]程度の精度)で計測できることが確認されている。しかし、上述したように、光干渉計測方法は、第1部材21と第2部材22との少なくとも一方が透明な部材で形成されていなければ利用することができない。例えば第1部材21に相当する外輪が非透明なセラミック、第2部材22に相当する転動体が非透明な鋼球、であるような転がり軸受装置の油膜の計測に光干渉計測方法を利用することはできない。そこで、第1部材21と第2部材22との双方が非透明な部材である場合は、超音波計測手段を利用するが、超音波計測手段の計測精度が所望する精度を確保できるか否か、を評価する必要がある。以下、図3に示す第1部材21と第2部材22との接触面の周囲に形成された空間の一部に充填された液体膜Mの膜厚を光干渉計測手段と超音波計測手段にて計測し、その計測結果の評価を行うために、上述した正しい接触中心Sの位置を求める計測中心位置一致方法と、その方法を用いた(光干渉計測手段と超音波計測手段)液体膜厚計測方法について説明する。
●[評価用計測装置1の全体構成(図4)]
図4に示す評価用計測装置1は、第1部材21と第2部材22との接触面の周囲に形成された空間の一部に充填された液体膜Mの膜厚を計測するための、光干渉計測手段と超音波計測手段の2つの計測手段を備えており、基台11、12を有している。なお図4において、第1部材21は透明部材(例えばガラス)であり、第2部材22も透明部材(例えばガラス)である。なお第1部材21の形状、第2部材22の形状は、図3を用いて説明したとおりであり、第1部材21と第2部材22は上下に重ねられた状態で、支持部材13にて支持されている。また評価用計測装置1は、第2部材22の下側から上側に向けて計測光を照射して、第2部材22の下側から光干渉縞を計測する。以下、評価用計測装置1における光干渉計測手段の構成と、超音波計測手段の構成を、順に説明する。
●[光干渉計測手段の構成(図4、図5)]
図5は、光干渉計測手段を説明するために、図4に示す評価用計測装置1から、第1部材21、第2部材22、及び光干渉計測手段を抽出した図であり、光干渉計測手段は、光源31、ハーフミラー32、撮像手段33、制御手段60等にて構成されている。
光源31は、例えば複数の青色LEDであり、制御手段60からの制御信号に基づいて、所定波長の平行光である計測光を出射する。図4及び図5の例では、光源31は、第2部材22の下方に配置されて、第2部材22の下側から上側に向けて計測光を出射する。
ハーフミラー32は、所定割合の透過率を有するミラーであり、入射された光の一部を透過して残りの光を反射する。図4及び図5の例では、ハーフミラー32は、光源31から入射される測定光の方向に対して所定角度θにて配置されており、光源31から入射される測定光の一部を第2部材22に向けて透過し、第2部材22及び第1部材21にて反射された反射光の一部を撮像手段33に向けて反射する。なお、第2部材22の上面22Aにて反射された第1反射光と、第1部材21の下面21Bにて反射された第2反射光は、互いに干渉して光干渉縞を発生させる。なお、ハーフミラー32に、所定波長の光のみを透過する機能を付与することもできる。
撮像手段33は、例えばCCDカメラであり、ハーフミラー32にて反射された反射光である光干渉縞を撮像し、撮像した画像データを制御手段60に出力する。なお、光源31の位置と撮像手段33の位置を入れ替えてもよい。
制御手段60は、例えばパーソナルコンピュータであり、光源31に制御信号を出力し、撮像手段33から画像データを取り込み、取り込んだ画像データに基づいた光干渉縞を表示手段に表示し(図5の表示画面G10参照)、指定された任意位置Nにおける液体膜Mの膜厚を求める。
●[超音波計測手段の構成(図4、図6〜図8)]
図6は、超音波計測手段を説明するために、図4に示す評価用計測装置1から、第1部材21、第2部材22、及び超音波計測手段を抽出した図であり、図7は図6の平面図を示しており、図8は、超音波プローブから発信した超音波に対する反射波(エコー)の波形の例を示している。超音波計測手段は、図6、図7に示すように、超音波伝導媒体B、媒体保持部材43、計測位置決め治具51、レール52X、52Y、スライダ53X、53Y、アーム54X、54Y、超音波プローブ41、プローブアーム71、プローブホルダ72、制御手段60等にて構成されている。
超音波伝導媒体Bは、例えば水であり、媒体保持部材43及び第1部材21の上面21A等にて形成された凹状の空間に充填され、超音波プローブ41から発信された超音波を第1部材21の上面21Aへと伝達する。
媒体保持部材43は、超音波伝導媒体Bを保持するとともに、計測位置決め治具51をX軸方向及びY軸方向にスライドさせる治具スライド機構を有している。また、超音波プローブ41をX軸方向及びY軸方向にスライドさせるプローブスライド機構は、プローブアーム71にて構成されている。プローブアーム71は、超音波プローブ41(またはレーザポインタ52)を保持するプローブホルダ72を備えており、制御手段60からの制御信号に基づいて、プローブホルダ72に保持された超音波プローブ41(またはレーザポインタ52)を、X軸方向における目標位置、及びY軸方向における目標位置、に移動させる。以上のプローブスライド機構の構成により、制御手段60は、プローブアーム71を制御することで、超音波プローブ41(またはレーザポインタ52)を、X軸方向、及びY軸方向の、任意の位置に移動させることができる。なお、プローブホルダ72には、超音波プローブ41またはレーザポインタ52が、制御手段60により選択されて取り付けられる(図4参照)。
超音波プローブ41は、プローブホルダ72に保持され、少なくとも超音波を発信する先端部が超音波伝導媒体Bに浸かるように、超音波伝導媒体Bを介して第1部材21の上面21Aの側に配置されている。そして超音波プローブ41は、制御手段60からの制御信号に基づいて、第1部材21の上面21Aから下面21Bに向かう超音波WSを発信するとともに、発信した超音波WSの反射波を検出する。なお図8の例は、発信した超音波WSが第1部材21の上面21Aにて反射した第1反射波W1の波形の例と、発信した超音波WSが第1部材21の下面21Bにて反射した第2反射波と第2部材22の上面22Aにて反射した第3反射波とが合成された合成反射波WGの波形の例を示している。制御手段60は、図8に示すように、超音波プローブ41から発信した超音波に対する第1反射波W1の振幅及び検出時刻Z1と、合成反射波WGの振幅及び検出時刻ZGと、を検出する(なお図8は、横軸が時刻を示し、縦軸がエコー強度を示している)。そして制御手段60は、図8に示すように、超音波プローブ41から発信した超音波に対する第1反射波W1の遅れ時間Td、第1反射波W1のエコー強度H1、第1反射波W1と合成反射波WGとの時間差である反射時間差T1G、合成反射波WGのエコー強度HG、等を求めることができる。なお図8の例において、検出時刻Z1の位置は第1反射波W1の最初のゼロクロスポイントの位置、検出時刻ZGは合成反射波の最初のゼロクロスポイントの位置、としているが、この位置の時刻に限定されるものではない。
また、超音波プローブ41は、例えば超音波の発信と受信を行う超音波探触子を複数有しており、複数の超音波探触子は面状に配列されている。制御手段60は、各超音波探触子からの超音波の発信に時間差を適切に設けることで、超音波ビームが集約される焦点を形成することが可能であり、焦点距離を調整することができる。例えば、制御手段60は、液体膜Mの膜厚を計測する場合は、第1部材21の上面21A上に超音波ビームの焦点が形成されるように、各超音波探触子を制御する。
レーザポインタ52は、制御手段60からの制御信号に基づいて、第1部材21の上面21Aの側から下面21Bの側に向かう所定径のレーザ光を出射する。なお、レーザ光の径は、例えば図5の例に示す光干渉縞の中央部に計測される中央暗円と、中央暗円の隣の暗環である第1暗環との間隔の1/10程度となる径に設定されている。
また、図7に示すように、治具スライド機構は、レール52X、レール52Y、スライダ53X、スライダ53Y、アーム54X、アーム54Y等にて構成されている。レール52Xは、X軸方向と平行となるように、一対で媒体保持部材43の下部に取り付けられている。また、レール52Yは、Y軸方向と平行となるように、一対で媒体保持部材43の下部に取り付けられている。
スライダ53Xは、一対のレール52Xのそれぞれに取り付けられ、制御手段60からの制御信号に基づいて、レール52Xに沿ってX軸方向に移動し、移動先の位置に基づいた位置信号を制御手段60に出力する。また、スライダ53Yは、一対のレール52Yのそれぞれに取り付けられ、制御手段60からの制御信号に基づいて、レール52Yに沿ってY軸方向に移動し、移動先の位置に基づいた位置信号を制御手段60に出力する。制御手段60は、スライダ53Xからの位置信号に基づいて、スライダ53XをX軸方向における目標位置に移動させ、スライダ53Yからの位置信号に基づいて、スライダ53YをY軸方向における目標位置に移動させる。
アーム54Xは、一方端が一方のスライダ53Xに取り付けられ、他方端が他方のスライダ53Xに取り付けられ、計測位置決め治具51(図11参照)をX軸方向に挟むように一対で取り付けられている。また、アーム54Yは、一方端が一方のスライダ53Yに取り付けられ、他方端が他方のスライダ53Yに取り付けられ、計測位置決め治具51をY軸方向に挟むように一対で取り付けられている。以上の治具スライド機構の構成により、制御手段60は、スライダ53XにおけるX軸方向の位置、及びスライダ53YにおけるY軸方向の位置、を制御することで、計測位置決め治具51を、第1部材21の上面21A上において、X軸方向、及びY軸方向の、任意の位置に移動させることができる。
●[計測位置決め治具51の構成(図11)]
計測位置決め治具51は、図11の斜視図に示すように、所定サイズの平板状(円形平板状)の形状を有しており、中央部には、上面及び下面に直交する貫通孔51Hが形成されている。なお、計測位置決め治具51は、透明部材で形成されていてもよいし、非透明部材で形成されていてもよい。
また、計測位置決め治具51の厚さHp、径Dpは、適宜設定され、貫通孔51Hの径Dtは、適宜設定される。計測位置決め治具51の径Dpは、光干渉縞の最も中心部の暗円の径よりも小さいことが好ましく、例えば径Dpは30[mm]程度に設定されている。また計測位置決め治具51の厚さHpは、例えば5[mm]程度に設定されている。また、貫通孔51Hの径Dtは、例えば1[mm]程度に設定されている。また、計測位置決め治具51の材質は、超音波伝導媒体Bの音響インピーダンスよりも高い音響インピーダンスを有する材質で形成されている。例えば超音波伝導媒体Bが水(音響インピーダンスが約1.3)の場合、計測位置決め治具51を、ガラス(音響インピーダンスが約13)や鋼(音響インピーダンスが約46)等、水の音響インピーダンスよりも充分大きな音響インピーダンスの材質にて形成すると、超音波による検出のSN比が向上するので、後述する貫通孔51Hの位置の検出が、より容易になる。
●[光干渉計測手段による液体膜Mの膜厚の計測方法(図5)]
光干渉計測手段を用いて、第1部材21上の任意位置Nに対応する液体膜Mの膜厚を求める際は、図5に示すように、制御手段60の表示画面G10の光干渉縞における任意位置Nから光干渉縞の中心位置である光干渉計測中心位置(接触中心S)までの距離Rh、測定光の波長λ、表示画面G10中において任意位置Nが何番目の輝環(または暗環)であるか、液体膜Mの液体の屈折率、等から計算にて求めることができる。なお、この求め方は既存の求め方であるので、詳細については説明を省略する。
●[超音波計測手段による液体膜Mの膜厚の計測方法(図9)]
超音波計測手段を用いて、第1部材21上の任意位置Nに対応する液体膜Mの膜厚を求める際は、図9に示すように、予め、距離・エコー強度特性と、距離・反射関連時間特性と、距離・間隔特性と、を作成しておく。そして、任意位置Nにて検出したエコー強度、反射関連時間と、予め作成しておいた距離・エコー強度特性、距離・反射関連時間特性、距離・間隔特性と、に基づいて、任意位置Nに対応する液体膜Mの膜厚を求める。なお、第1部材21と第2部材22とが同一の材質である場合は、距離・反射関連時間特性は特に必要としないので省略してもよい(第1部材21と第2部材22とが異なる材質である場合は、距離・反射関連時間特性が必要である)。
距離・エコー強度特性は、図9に示す状態において、接触中心Sを通るように第1部材21の上面21Aに対して平行に超音波プローブ41をX軸方向に走査しながら、接触中心Sからの距離と、合成反射波WGのエコー強度HG(図8参照)と、を検出することで作成される。そして距離・エコー強度特性は、第1部材上における接触中心S(後述する超音波計測中心位置に相当)からの距離とエコー強度との関係を示している。
距離・反射関連時間特性は、図9に示す状態において、接触中心Sを通るように第1部材21の上面21Aに対して平行に超音波プローブ41をX軸方向に走査しながら、接触中心Sからの距離と、第1反射波W1の検出時刻Z1及び合成反射波WGの検出時刻ZGとの時間差である反射時間差T1G(反射関連時間に相当し、図8参照)と、を検出することで作成される。そして距離・反射関連時間特性は、第1部材上における接触中心S(後述する超音波計測中心位置に相当)からの距離と反射関連時間(この場合、反射時間差)との関係を示している。
距離・間隔特性は、第1部材21と第2部材22の形状から理論的に求めた、第1部材21上における接触中心Sからの距離と、当該距離における第1部材21と第2部材22との間隔の大きさを示している。例えば、距離・間隔特性は、第2部材22の各位置の曲率半径と、ヘルツ接触理論と、から求められている。
例えば、図9において、第1部材21上の任意位置Nにおいて超音波計測手段にて計測したエコー強度がH1であった場合、以下のようにして任意位置Nにおける液体膜Mの膜厚を求める。まず、計測したエコー強度H1と、予め作成した距離・エコー強度特性とに基づいて、エコー強度H1に対応する距離D1を求める。そして、求めた距離D1と、予め作成した距離・間隔特性とに基づいて、距離D1に対応する間隔L1を求める。この間隔L1が、任意位置Nにおける液体膜Mの膜厚である。
●[正しい超音波計測中心位置を求める必要性(図10)]
超音波計測手段を用いて液体膜Mの膜厚を計測する際は、上記のように、距離・エコー強度特性と距離・間隔特性を利用する。そして距離・間隔特性は理論式から求めており、距離・エコー強度特性は実際に超音波プローブを走査してエコー強度を計測した結果である。従って、超音波計測手段を用いて液体膜Mの膜厚を計測する際の計測精度は、距離・エコー強度特性の精度による影響が大きい。
ここで、図10は、正しい接触中心Sを通る経路Rstにて走査し、且つ正しい接触中心Sを認識して作成した、距離・エコー強度特性(点線の特性)と、正しい経路Rstにて走査したが接触中心を位置Ser1と誤認した場合の距離・エコー強度特性の例と、誤った経路Rerにて走査し接触中心を位置Ser2と誤認した場合の距離・エコー強度特性の例を示す。このように、正しい接触中心Sを認識して、正しい接触中心Sを通る経路Rstにて超音波プローブを走査しなければ、正しい距離・エコー強度特性を得ることができない。しかし、第1部材21と第2部材22との接触面は、図10における符号SSで示すように、「点」ではなく「面」であり、作業者はこの「範囲(接触面)」を視認することが困難であり、「点(接触中心S)」を視認することは更に困難である。また、超音波プローブから発信される超音波も作業者が視認できるものではないので、超音波がどこに当たっているか、作業者には判断できない。従って、正しい接触中心Sの位置を認識し、接触中心Sを通る正しい経路Rstにて走査することは、非常に困難である。そこで、以下に説明する処理手順にて、制御手段60に正しい接触中心Sの位置を認識させ、接触中心Sを通る正しい経路Rstにて超音波プローブを走査させ、正しい距離・エコー強度特性を求める。
●[制御手段60の処理手順(図12〜図18)(第1部材と第2部材が同一の材質の場合)]
次に図12に示すフローチャートを用いて、制御手段60の処理手順について説明する。なお、以下の処理は、第1部材21が上側であって、且つ第1部材21と第2部材22が接触するように、第1部材21と第2部材22を上下に配置し、第1部材21と第2部材22との(接触中心Sを中心とした)接触面の周囲に形成された空間の一部に液体を充填した液体膜Mを形成した後、実行される。なお、以下の説明では、第1部材21の材質と、第2部材22の材質と、が同一の材質(例えばガラス)の場合について説明する。制御手段60は、作業者により起動されると、まずステップS10に進む。
ステップS10にて、制御手段60は、光源31に制御信号を出力して、光源から所定波長の計測光を出射させ、第2部材22の下側から上側に向けて計測光を照射する。そして制御手段60は、撮像手段33から画像データを取得し、取得した画像データに基づいた光干渉縞を表示手段に表示(図5参照)して、第2部材22の下側から光干渉縞を計測する。また、制御手段60は、プローブホルダ72にレーザポインタ52を保持してステップS20に進む。なお、このステップS10は、所定波長の計測光を出射する光源を用いて、第2部材の下側から上側に向けて、光源からの計測光を照射するとともに第1部材と第2部材との接触面及び当該接触面の周囲に形成された光干渉縞を光干渉計測手段にて計測する、光干渉縞計測ステップに相当する。
ステップS20にて、制御手段60は、表示した光干渉縞の中心である接触中心S(光干渉計測中心位置に相当)を、画像認識プログラム等を用いて認識する。そして制御手段60は、レーザポインタ52からレーザ光LZを出射させ、図13及び図14に示すように、認識した接触中心Sの位置に、レーザ光LZが位置するように、プローブアーム71を制御して、プローブホルダ72に保持したレーザポインタ52を、第1部材21の上方で移動させる。このレーザポインタ52の位置決めは、第1目印付与ステップに相当する。そして制御手段60は、図15及び図16に示すように、スライダ53X、スライダ53Yを制御して、計測位置決め治具51を第1部材21の上面21A上で移動させ、レーザ光LZの位置と計測位置決め治具51の貫通孔51Hの位置とを一致させる。そして制御手段60は、計測位置決め治具51の移動が完了した後、ステップS30に進む。この計測位置決め治具51の位置決めは、第2目印付与ステップに相当する。なお制御手段60は、計測位置決め治具51が透明部材であっても非透明部材であっても、透明部材の第2部材22及び透明部材の第1部材21を通して貫通孔51Hの位置を容易に認識することができる。
ステップS30にて、制御手段60は、レーザポインタ52からのレーザ光の出射を停止し、プローブホルダ72に保持していたレーザポインタ52を超音波プローブ41と交換して、ステップS20にて認識した接触中心Sの近傍に超音波プローブ41が位置するように、プローブアーム71を制御して、超音波プローブ41(超音波伝導媒体を介して第1部材21の上方に配置されている)のY軸方向の位置を位置決めする。そして制御手段60は、プローブアーム71を制御して、超音波プローブ41から発信される超音波(第1部材21の上面から下面に向かう超音波)が計測位置決め治具51の貫通孔51Hを通るように、計測位置決め治具51の近傍をX軸方向に走査する。そして制御手段60は、超音波プローブをX軸方向に走査しながら、発信した超音波に対する反射波の強度に基づいたエコー強度、あるいは反射波の検出時刻に基づいた反射関連時間、の少なくとも一方を計測して貫通孔51Hの位置を探す。このステップS30の処理は、超音波走査ステップに相当する。
ステップS40にて、制御手段60は、貫通孔51Hの位置を検出したか否かを判定し、検出した場合(Yes)はステップS50に進み、検出していない場合(No)はステップS30に戻る。貫通孔51Hの位置の真上に超音波プローブ41が位置した場合は、第1反射波のエコー強度が大きく落ち込んで最小となる、あるいは超音波を発信してから第1反射波を検出するまでの遅れ時間Td(反射関連時間であり、図8参照)が最長となるので、この状態を検出した場合、貫通孔51Hの位置を検出したと判定する。なお、計測位置決め治具51の近傍をX軸方向に走査しても貫通孔51Hの位置が検出されなかった場合は、プローブアーム71を制御してY軸方向の位置を微小修正して、ステップS30に戻り、再度、X軸方向に走査する。また、超音波プローブから発信される超音波の焦点を計測位置決め治具51の上面に調整しておくと、より適切に貫通孔51Hの位置を検出することができる。
ステップS50に進んだ場合、制御手段60は、検出した貫通孔51Hの位置(すなわち、光干渉計測中心位置)を、第1部材21と第2部材22とを接触させた接触面における超音波計測の中心(すなわち、接触中心S)である超音波計測中心位置に設定し、当該超音波計測中心位置(X座標、Y座標)を記憶手段に記憶し、ステップS55に進む。このステップS40、及びステップS50は、超音波計測中心設定ステップに相当する。このように、ステップS40、S50にて、計測位置決め治具51の貫通孔51Hを介して、光干渉計測の中心位置である光干渉計測中心位置と、超音波計測の中心位置である超音波計測中心位置と、を一致させる(光干渉計測中心位置=超音波計測中心位置=接触中心Sとする)。
ステップS55にて制御手段60は、図17に示すように、超音波プローブ41の向きを、超音波計測中心位置として設定した貫通孔51Hに向いた状態を維持しながら、第1部材21の上面21Aに対する超音波プローブ41の角度を揺動させながら、発信した超音波に対する反射波のエコー強度または反射時間差(反射関連時間)の少なくとも一方を検出する(発信した超音波の焦点の位置を貫通孔51Hの上端部に維持しながら超音波プローブ41の角度を揺動させる)。例えば、プローブホルダ72は、制御手段60からの制御信号に基づいて、超音波プローブ41をXZ平面内で揺動させる。そして制御手段60は、エコー強度が最小となった揺動角度θx、あるいは反射時間差(反射関連時間)が最長となった揺動角度θx、を求める。同様にプローブホルダ72は、制御手段60からの制御信号に基づいて、超音波プローブ41をYZ平面内で揺動させる。そして制御手段60は、エコー強度が最小となった揺動角度θy、あるいは反射時間差(反射関連時間)が最長となった揺動角度θy、を求める。そして制御手段60は、揺動角度θx及び揺動角度θyが、第1部材21の上面21Aに対して、垂直に超音波を発信する角度となる垂直発信角度であると認識し、この揺動角度θx、θyを垂直発信角度として記憶し、ステップS60に進む。なお、要求精度を満足できるのであれば、ステップS55は省略してもよい。
ステップS60にて、制御手段60は、スライダ53X、53Yを制御して、計測位置決め治具51を、超音波計測中心位置から外れた位置に移動させる(役目を終えた計測位置決め治具51を取り除く)。そして制御手段60は、第1部材21に対する超音波プローブ41の角度を、ステップS55にて求めた垂直発信角度に設定する(ステップS55を省略した場合は、予め設定されている角度に設定する)。そして制御手段60は、プローブアーム71を制御して、超音波プローブを、設定した(記憶した)超音波計測中心位置(接触中心S)の真上に移動させた後、プローブアーム71を制御して、超音波計測中心位置を通るように超音波プローブをX軸方向に走査しながら反射波のエコー強度と反射関連時間(反射時間差)を計測し、第1部材21上における超音波計測中心位置からの距離とエコー強度との関係を示す距離・エコー強度特性(図18の(距離・エコー強度特性)を参照)と、第1部材21上における超音波計測中心位置からの距離と反射関連時間(反射時間差)との関係を示す距離・反射関連時間特性(図19の(距離・反射関連時間特性)を参照)と、を作成して記憶手段に記憶する。なお、第1部材21と第2部材22とが同一の材質である場合の距離・エコー強度特性は、図18の例に示す特性を示し、第1部材21と第2部材22とが異なる材質である場合の距離・エコー強度特性等については、図19を用いて後述する。この場合、反射関連時間は、図8に示すように、第1反射波W1の検出時刻Z1と合成反射波WGの検出時刻ZGとの時間差である反射時間差T1Gを用いる。なお、第1部材21と第2部材22とが同一の材質である場合は、距離・反射関連時間特性を利用する必要が無いので、距離・反射関連時間特性を作成しなくてもよい。第1部材21と第2部材22とが異なる材質である場合は、距離・反射関連時間特性を利用するので、距離・反射関連時間特性を作成する。以上、ステップS60の処理は、超音波特性作成ステップに相当する。
なお、第1部材21と第2部材22の形状から理論的に求めた、第1部材21上における超音波計測中心位置からの距離と、第1部材21と第2部材22との間隔との関係を示す距離・間隔特性は、予め(制御手段60の)記憶手段に記憶されている。例えば、距離・間隔特性は、第2部材22の各位置の曲率半径と、ヘルツ接触理論と、から求められている。以上により、記憶手段には、距離・エコー強度特性と、距離・反射関連時間特性(第1部材と第2部材が異なる材質の場合)と、距離・間隔特性とが記憶されている。
ステップS70は、第1部材21上の任意位置Nに対して、光干渉計測手段を用いて、任意位置Nに対応する液体膜Mの位置の膜厚の計測結果を得る処理である。図14及び図16に示すように、ステップS70にて制御手段60は、第2部材22の下側から上側に向けて、光源から計測光を照射して、第2部材22の下側から光干渉縞を計測し、図18における表示画面G10中の光干渉縞を得る。そして制御手段60は、表示画面G10の光干渉縞における任意位置Nの位置を特定し、任意位置Nに対応する液体膜Mの位置の膜厚Lhを計測する。制御手段60は、光干渉計測中心位置(接触中心S)から任意位置Nまでの距離Rh、測定光の波長λ、表示画面G10中において任意位置Nが何番目の輝環(または暗環)であるか、液体膜Mの液体の屈折率、等から計算にて膜厚Lhを求める。
ステップS80は、上記の任意位置Nに対して、超音波計測手段を用いて、任意位置Nに対応する液体膜Mの位置の膜厚の計測結果を得る処理である。ステップS80にて制御手段60は、任意位置Nにおけるエコー強度(Hu)を計測する。なお、第1部材と第2部材が同一の材質である場合は、反射関連時間を計測しなくてもよい。そして制御手段60は、図18に示すように、計測したエコー強度(Hu)と、記憶されている距離・エコー強度特性とから距離(Du)を特定する。そして制御手段60は、図18に示すように、特定した距離(Du)と、記憶されている距離・間隔特性とから間隔(Lu)を特定する。この間隔(Lu)が、超音波計測手段にて計測された膜厚Luである。
そしてステップS90にて制御手段60は、任意位置Nに対して、光干渉計測手段にて計測した膜厚Lhと、超音波計測手段にて計測した膜厚Luと、を比較し、光干渉計測手段による計測結果に対する超音波計測手段による計測結果を評価し、処理を終了する。
●[制御手段60の処理手順(図19)(第1部材と第2部材が異なる材質の場合)]
上記の説明は、第1部材と第2部材とが同一の材質である場合の説明であり、距離・エコー強度特性が、図18の例に示す特性(超音波計測中心位置(接触中心S)から離れるにしたがってエコー強度がゼロ近傍から徐々に上昇する特性)の場合の説明である。第1部材と第2部材が異なる材質の場合、距離・エコー強度特性は、図18の例に示す特性とならず、図19の例に示す特性となる。図19の例に示す距離・エコー強度特性は、超音波計測中心位置(接触中心S)ではエコー強度はゼロでなく、第1部材と第2部材の材質に応じた、ある程度の大きさを有している。そして超音波計測中心位置(接触中心S)から離れるにしたがって、まずエコー強度は徐々に下降し、ある距離を越えるとエコー強度は徐々に上昇していく。エコー強度が下降から上昇に転じる極小値となる距離の位置は、第1部材と第2部材とが接触している接触面の境界に相当する位置である。図19の例に示す距離・エコー強度特性を有する場合、例えば計測したエコー強度が図19中のエコー強度(Hu)である場合、エコー強度(Hu)と、距離・エコー強度特性とから特定される距離は、距離(DuA)と距離(DuB)の2つとなる。この2つの距離(DuA)、距離(DuB)と、距離・間隔特性とから間隔(膜厚)を求めた場合、1つの膜厚に特定することができない。そこで、第1部材と第2部材とが異なる材質である場合は、図12の処理手順に対して、以下の処理を追加する。以下、追加した相違点について主に説明する。
図12のステップS60にて制御手段60は、超音波計測中心位置を通るように超音波プローブをX軸方向に走査しながら第1反射波の検出時刻と合成反射波の検出時刻を計測し、第1反射波の検出時刻と合成反射波の検出時刻との時間差である反射時間差(反射関連時間)を計測し、第1部材21上における超音波計測中心位置からの距離と反射時間差(反射関連時間)との関係を示す距離・反射関連時間特性を作成して記憶手段に記憶する。従って、ステップS60にて制御手段は、距離・エコー強度特性と、距離・反射関連時間特性と、を作成して記憶する。
またステップS80にて制御手段60は、任意位置Nにおけるエコー強度(Hu)と反射時間差(反射関連時間)(Tu)を計測する。そして制御手段60は、図19に示すように、計測したエコー強度(Hu)と、記憶されている距離・エコー強度特性とから距離(DuA)、距離(DuB)の2つを特定する。また制御手段60は、図19に示すように、計測した反射時間差(反射関連時間)(Tu)と、記憶されている距離・反射関連時間特性とから距離(DuA)を特定する。そして制御手段60は、双方に共通する距離である距離(DuA)を、任意位置Nに対応する距離であると特定し、特定した距離(DuA)と、記憶されている距離・間隔特性とから間隔(Lu)を特定する。この間隔(Lu)が、超音波計測手段にて計測された膜厚Luである。
以上に説明した評価用計測装置1では、第2部材22の下側に、光源31、ハーフミラー32、撮像手段33が配置されており、第2部材22の下側から上側に向けて計測光が照射され、第2部材22の下側から光干渉縞を計測する。従って、光干渉縞を計測するために、第2部材22は透明部材で形成されていなければならない。また第1部材21の上面に載置された計測位置決め治具51を、第2部材22の下側から認識するために第1部材21も透明部材で形成されていなければならない。また、第2部材22の下側から計測位置決め治具51の貫通孔51Hの位置を認識できればよいので、計測位置決め治具51は透明部材で形成されていてもよいし、非透明部材で形成されていてもよい。
●[評価用計測装置1Aの全体構成(図20)]
次に図20を用いて、評価用計測装置1の他の例となる評価用計測装置1Aの全体構成について説明する。以下に説明する評価用計測装置1Aは、評価用計測装置1に対して、第1部材21の上側に、光源31、ハーフミラー32、撮像手段33が配置されており、第1部材21の上側から下側に向けて計測光が照射され、第1部材21の上側から光干渉縞を計測する点が異なる。これにより、評価用計測装置1Aでは、光干渉縞を計測するために、第1部材21は透明部材で形成されていなければならない。しかし、第2部材22は、透明部材で形成されていてもよいし、非透明部材で形成されていてもよい。また、第1部材21に計測光を導くために、計測位置決め治具51は透明部材で形成されていている。また、光源31の中央部にはレーザポインタ用貫通孔31Hが形成されており、レーザポインタ52から出射されたレーザ光は、レーザポインタ用貫通孔31Hを通ってハーフミラー32に到達し、ハーフミラー32にて第1部材21の上側から下側に向かうレーザ光へと反射される。
図20に示すように、評価用計測装置1Aは、第1部材21の上側に、光源31とハーフミラー32と撮像手段33が配置されている。そしてハーフミラー32は、光源31から入射される測定光の方向に対して所定角度θにて配置されている。また図20の例では、光源31とハーフミラー32と撮像手段33は、支持体34に収容された例を示している。なお、光源31及びレーザポインタ52の位置と撮像手段33の位置を入れ替えてもよい。また、制御手段60の処理手順は、図12を用いて説明したとおりであるので、説明は省略する。
以上、評価用計測装置1、及び評価用計測装置1Aでは、上記の処理手順によって、光干渉計測中心位置と超音波計測中心位置とを一致させることで、正しい距離・エコー強度特性、正しい距離・反射関連時間特性を得ることができる。また、垂直発信角度を求めることで、さらに正確に距離・エコー強度特性、及び距離・反射関連時間特性を得ることができる。従って、超音波計測手段にて、より高精度に液体膜の膜厚を計測することができるので、光干渉計測手段にて計測した膜厚に対する、超音波計測手段にて計測した膜厚の比較と評価を、より適切に行うことができる。
本発明の光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法と、その方法を用いた液体膜厚計測方法、の処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。また、評価用計測装置1、評価用計測装置1Aの構成、構造、形状等は、本実施の形態にて説明したものに限定されるものではない。
また、第1部材、第2部材、計測位置決め治具、を透明部材で形成する場合、透明部材はガラスに限定されるものではない。また第2部材、計測位置決め治具を非透明部材で形成する場合、非透明部材は鋼に限定されるものではない。透明部材には種々の材質のものを利用することが可能であり、非透明部材にも種々の材質のものを利用することが可能である。
また本実施の形態の説明では、潤滑油の油膜の厚さを計測する例を説明したが、潤滑油の油膜に限定されず、水等の種々の液体の膜厚の計測に適用することが可能である。
また本実施の形態の説明では、第1反射波W1の検出時刻Z1を、第1反射波W1の最初のゼロクロスポイントの位置としたが、これに限定されるものではない。また、合成反射波WGの検出時刻ZGを、合成反射波WGの最初のゼロクロスポイントの位置としたが、これに限定されるものではない。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、光干渉縞をより計測しやすくするために、第1部材21の下面にクロムコートを施すようにしてもよい。
1、1A 評価用計測装置
11、12 基台
21 第1部材
21A (第1部材の)上面
21B (第1部材の)下面
22 第2部材
22A (第2部材の)上面
22B (第2部材の)下面
31 光源
32 ハーフミラー
33 撮像手段
41 超音波プローブ
51 計測位置決め治具
51H 貫通孔
52 レーザポインタ
52X、52Y レール
53X、53Y スライダ
54X、54Y アーム
60 制御手段
71 プローブアーム
72 プローブホルダ
B 超音波伝導媒体
N 任意位置
M 液体膜
S 接触中心

Claims (8)

  1. 第1部材と第2部材との接触面の周囲に形成された空間の一部に充填された液体の膜厚に対して、光干渉計測手段と超音波計測手段との2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、
    第1部材は、透明部材にて形成されて略平板状の形状を有しており、
    第2部材は、透明部材あるいは非透明部材にて形成されているとともに第1部材に対向する面が少なくとも1つの曲率を有する凸形状を有しており、
    透明部材あるいは非透明部材にて形成されて略平板状の形状を有して上面及び下面に直交する貫通孔が形成された計測位置決め冶具と、第1部材の上面の側から下面の側に向かう所定径のレーザ光を出射するレーザポインタと、を用いて、
    第1部材を上側として第1部材と第2部材が接触するように上下に配置した第1部材と第2部材との接触面の周囲に形成された空間の一部に液体を充填した後、
    所定波長の計測光を出射する光源を用いて、第2部材の下側から上側に向けて、あるいは第1部材の上側から下側に向けて、前記光源からの前記計測光を照射するとともに第1部材と第2部材との接触面及び当該接触面の周囲に形成された光干渉縞を前記光干渉計測手段にて計測する、光干渉縞計測ステップと、
    計測された光干渉縞の中心である光干渉計測中心位置に前記レーザ光の輝点が位置するように、第1部材の上方に配置した前記レーザポインタを移動させる、第1目印付与ステップと、
    前記光干渉計測中心位置に前記計測位置決め治具の前記貫通孔が位置するように、第1部材の上面に載置した前記計測位置決め治具を、第1部材の上面上で移動させ、前記貫通孔と前記レーザ光の位置を一致させる、第2目印付与ステップと、
    前記レーザポインタからの前記レーザ光の出射を停止させた後、前記超音波計測手段を用いて、超音波伝導媒体を介して第1部材の上方に配置されて第1部材の上面から下面に向かう超音波を発信して反射波を検出する超音波プローブを、前記計測位置決め治具の前記貫通孔を通るように、第1部材の上面に対して平行に走査しながら、発信した超音波に対する反射波の強度に基づいたエコー強度、あるいは前記反射波の検出時刻に基づいた反射関連時間、の少なくとも一方を検出する、超音波走査ステップと、
    前記エコー強度が最小となる位置、あるいは前記反射関連時間が最長となる位置、として検出された前記貫通孔の位置を、第1部材と第2部材との接触面における超音波計測の中心である超音波計測中心位置に設定する、超音波計測中心設定ステップと、を有する、
    光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法。
  2. 請求項1に記載の光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、
    前記超音波プローブから発信される超音波は、焦点位置を調整可能であり、
    前記超音波走査ステップにおいて、前記超音波プローブから発信される超音波は、前記計測位置決め治具の上面に焦点が調整されている、
    光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法。
  3. 請求項1または2に記載の光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、
    前記計測位置決め冶具の材質は、前記超音波伝導媒体の音響インピーダンスよりも高い音響インピーダンスを有する材質である、
    光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、
    前記光干渉縞計測ステップにおいて、前記測定光を第2部材の下側から上側に向けて前記光源からの前記計測光を照射する場合には、
    第2部材の下側から光干渉縞を計測し、
    第2部材は、透明部材にて形成されており、
    前記計測位置決め治具は、透明部材または非透明部材にて形成されている、
    光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法であって、
    前記光干渉縞計測ステップにおいて、前記測定光を第1部材の上側から下側に向けて前記光源からの前記計測光を照射する場合には、
    第1部材の上側から光干渉縞を計測し、
    第2部材は、透明部材あるいは非透明部材にて形成されており、
    前記計測位置決め治具は、透明部材にて形成されている、
    光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法を用いた、液体膜厚計測方法であって、
    第1部材の材質と第2部材の材質とが同一の材質である場合、
    第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と第1部材と第2部材との間隔との関係を示す距離・間隔特性が、予め記憶されており、
    前記超音波計測中心設定ステップの後、
    前記計測位置決め治具を前記超音波計測中心位置から外れた位置に移動させた後、前記超音波プローブを、前記超音波計測中心位置を通るように第1部材の上面に対して平行に走査しながら反射波の前記エコー強度を計測し、第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と前記エコー強度との関係を示す距離・エコー強度特性を作成する、超音波特性作成ステップと、
    前記光干渉計測中心位置及び前記超音波計測中心位置にかかわらず、第1部材上の任意の位置に対して、第2部材の下側から上側に向けて前記光源から前記計測光を照射して形成された光干渉縞を前記光干渉計測手段にて計測した前記任意の位置における第1部材と第2部材との間に充填された液体の膜厚と、
    前記光干渉計測中心位置及び前記超音波計測中心位置にかかわらず、前記任意の位置に対して、第1部材の上側から下側に向けて前記超音波プローブから超音波を発信して検出された反射波の前記エコー強度と、前記距離・エコー強度特性と、前記距離・間隔特性と、に基づいて前記超音波計測手段にて計測した前記任意の位置における第1部材と第2部材との間に充填された液体の膜厚と、を比較する、計測結果比較ステップと、を有する、
    液体膜厚計測方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光干渉計測手段と超音波計測手段の2通りの計測手段にて液体の膜厚を計測する際の計測中心位置一致方法を用いた、液体膜厚計測方法であって、
    第1部材の材質と第2部材の材質とが異なる材質である場合、
    第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と第1部材と第2部材との間隔との関係を示す距離・間隔特性が、予め記憶されており、
    前記超音波計測中心設定ステップの後、
    前記計測位置決め治具を前記超音波計測中心位置から外れた位置に移動させた後、前記超音波プローブを、前記超音波計測中心位置を通るように第1部材の上面に対して平行に走査しながら反射波の前記エコー強度と前記反射関連時間を計測し、第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と前記エコー強度との関係を示す距離・エコー強度特性と、第1部材上における前記超音波計測中心位置からの距離と前記反射関連時間との関係を示す距離・反射関連時間特性と、を作成する、超音波特性作成ステップと、
    前記光干渉計測中心位置及び前記超音波計測中心位置にかかわらず、第1部材上の任意の位置に対して、第2部材の下側から上側に向けて前記光源から前記計測光を照射して形成された光干渉縞を前記光干渉計測手段にて計測した前記任意の位置における第1部材と第2部材との間に充填された液体の膜厚と、
    前記光干渉計測中心位置及び前記超音波計測中心位置にかかわらず、前記任意の位置に対して、第1部材の上側から下側に向けて前記超音波プローブから超音波を発信して検出された反射波の前記エコー強度及び前記反射関連時間と、前記距離・エコー強度特性と、前記距離・反射関連時間特性と、前記距離・間隔特性と、に基づいて前記超音波計測手段にて計測した前記任意の位置における第1部材と第2部材との間に充填された液体の膜厚と、を比較する、計測結果比較ステップと、を有する、
    液体膜厚計測方法。
  8. 請求項6または7に記載の液体膜厚計測方法であって、
    前記超音波計測中心設定ステップにて、前記超音波計測中心位置を設定した後、前記超音波プローブの向きを、前記超音波計測中心位置として設定した前記貫通孔に向いた状態を維持しながら、第1部材の上面に対する前記超音波プローブの角度を揺動させて、発信した超音波に対する反射波を検出し、前記エコー強度が最小となった揺動角度、あるいは前記反射関連時間が最長となった揺動角度を、前記第1部材の上面に対して垂直に超音波を発信する角度となる垂直発信角度である、と前記超音波計測手段に認識させ、
    第1部材に対する前記超音波プローブの角度を前記垂直発信角度に設定して、前記超音波特性作成ステップと前記計測結果比較ステップを実行する、
    液体膜厚計測方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021051145A (ja) * 2019-09-24 2021-04-01 株式会社Jvcケンウッド 液晶表示素子、液晶表示素子の製造方法、及び、液晶デバイスの製造方法

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