図3には、本発明に係る送風装置を設けた暖房システムの一実施例のシステム構成が示されている。なお、本実施例において、送風装置は、戻り温水ファンユニット1であり、温かい風を送風する暖房装置としても機能することができるものである。また、戻り温水ファンユニット1は、温風の他に、必要に応じて冷風(涼風)を送風する機能も有している。
同図において、熱源装置101の器具ケース42内には燃焼室24,25が設けられており、燃焼室24内には、暖房用熱交換器28(28a,28b)と、暖房用バーナ16と、暖房用バーナ16の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン18とが設けられている。暖房用バーナ16は、暖房用熱交換器28を加熱することにより該暖房用熱交換器28通る液体を加熱する加熱手段として機能する。
また、燃焼室25内には、給湯バーナ17と、給湯バーナ17により加熱される給湯熱交換器29(29a,29b)と、給湯バーナ17の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン19とが設けられている。熱交換器28b、29bは排気ガス中の顕熱を回収するメインの熱交換器であり、熱交換器28a、29aは排気ガス中の潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器である。熱交換器28a、29aはそれぞれ、熱交換器28b、29bの上流側に設けられる。
潜熱回収用熱交換器においてはドレンが発生するので、熱交換器28a,29aの下側にドレン回収手段(ドレン受け部)139が設けられ、このドレン回収手段139によって回収されるドレンは、ドレン排出通路75を通してドレン中和器76に導入され、ドレン中和器76で中和された後に、ドレン排出通路77を通って熱源装置101の外部(ドレン排出通路77の先端部が接続されている排水口等)に導かれる。
暖房用バーナ16および給湯バーナ17には、それぞれのバーナ16,17に燃料を供給するガス管31,32が接続されている。ガス管31,32は、ガス管30から分岐形成されており、ガス管30には、元電磁弁80が設けられている。また、給湯バーナ17および暖房用バーナ16は、それぞれ複数段の燃焼面を持ち、暖房用バーナ16の各燃焼面に供給される燃料の量が、ガス管31に設けられた比例弁86の開弁量と電磁弁81,82の開閉制御(燃料の供給や停止)により調節され、給湯バーナ17の各燃焼面に供給される燃料の量が、ガス管32に設けられた比例弁87の開弁量と電磁弁83,84,85の開閉制御(燃料の供給や停止)により調節される。
前記給湯熱交換器29aの入口側には給水通路88が設けられており、給水通路88には、給水通路88を流れる湯水の量を検出することにより給湯の水量を検出する流量検出手段73と入水温度を検出する入水温度センサ74と、給湯流量を可変するため水量サーボ78が設けられている。また、給水通路88には、接続通路57と補給水電磁弁46を介して、前記液体循環通路5が接続されている。給湯熱交換器29bの出口側には給湯通路26が設けられており、給湯通路26の先端側は、適宜の給湯先に導かれている。
また、給湯通路26と給水通路88とを、給湯交換器29を介さずに接続するバイパス通路70が設けられ、バイパス通路70の給水通路88との接続部には、バイパス流量弁としてのバイパスサーボ58が設けられている。給湯通路26には、バイパス通路70の形成部よりも下流側に出湯湯温検出センサ113が設けられ、給湯熱交換器29側に出湯湯温検出センサ114が設けられている。
また、前記暖房用熱交換器28(28a,28b)は、シスターンタンク100と、液体の熱媒体を循環させる液体循環ポンプ6とを備えた液体循環通路5に設けられており、暖房用熱交換器28(28a,28b)は、液体循環ポンプ6の駆動によって循環する熱媒体の加熱用の暖房用熱交換器として機能する。シスターンタンク100の一部は大気開放と成しており、また、シスターンタンク100には、例えば液体の体積膨張等によってシスターンタンク100から溢れた液体のオーバーフロー通路53が接続されて、オーバーフロー通路53の先端部は熱源装置101の外部(排水口等)に導かれている。
液体循環通路5は、器具ケース42内に設けられた管路89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99と、器具ケース42の外部に設けられた外部通路の管路39,40,41,43,44,45,59とを有し、管路98には低温能力切り替え熱動弁47が設けられている。管路98に接続されている管路92は暖房用熱交換器28bの出側に設けられており、管路92には暖房用熱交換器28bを通って導出される液体の温度を検出する暖房出側温度検出手段としての暖房高温サーミスタ33が設けられている。また、暖房用熱交換器28bの入側の管路91には、暖房用熱交換器28bに導入される液体の温度を検出する暖房入側温度検出手段としての暖房低温サーミスタ36が設けられている。
なお、熱源装置101には、往管14と戻り管15を有する追い焚き循環路13を介して浴槽27が接続されており、この追い焚き循環路13は、熱交換器7を介して前記液体循環通路5と熱的に接続されている。熱交換器7は追い焚き循環路13と液体循環通路5の管路89との液―液熱交換器により形成された浴槽湯水追い焚き用の熱交換器であり、管路89の熱交換器7への入口側には流量制御弁38が設けられている。追い焚き循環路13には、浴槽湯水を循環させる浴槽湯水循環ポンプ20が設けられ、熱交換器7は浴槽湯水循環ポンプ20の駆動によって追い焚き循環路13を循環し、液体循環通路5を通る(循環する)液体との熱交換によって浴槽湯水を加熱する構成と成している。
また、追い焚き循環路13には、浴槽湯水の温度を検出する風呂温度センサ21と、浴槽湯水の水位を検出する水位センサ22と、追い焚き循環路13の水流を検知する風呂水流スイッチ34とが設けられている。浴槽湯水循環ポンプ20の吸入口側に、戻り管15の一端側が接続され、戻り管15の他端側が循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。浴槽湯水循環ポンプ20の吐出口側には、往管14の一端側が接続され、往管14の他端側は循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。
前記給湯通路26には、分岐通路70の形成部および出湯湯温検出センサ113の配設部よりも下流側に、管路54を介して注湯水ユニット55が接続されており、注湯水ユニット55には風呂用注湯導入通路23の一端側が接続され、風呂用注湯導入通路23の他端側は、前記浴槽湯水循環ポンプ20に接続されている。注湯水ユニット55には、湯張り電磁弁48、湯張り水量センサ49、逆止弁50a,50bが設けられている。なお、給湯熱交換器29から給湯通路26と管路54、注湯水ユニット55、風呂用注湯導入通路23、浴槽湯水循環ポンプ20、熱交換器7、往管14を順に通って浴槽27に至るまでの通路によって、湯張りや注水を行うための湯張り注水通路が構成されている。
この暖房システムにおいて、前記液体循環通路5内の液体の熱媒体(例えば温水)は、必要に応じ、液体循環ポンプ6の駆動によって循環され、液体循環通路5に接続されている暖房装置の一つまたは複数に供給されるものである。液体循環通路5には、例えば浴室暖房機等の高温暖房装置106と、温水マット10(10a,10b)と、本実施例の戻り温水ファンユニット1とが接続されており、図3において、高温暖房装置106と温水マット10(10a,10b)と戻り温水ファンユニット1に熱媒体を供給する液体循環通路5内の経路にドットが記入されている。また、これらの暖房装置への熱媒体の供給は熱源装置101に設けられた制御装置(図3には図示せず)によって行われるものであり、この制御装置は、暖房用バーナ16の燃焼制御と液体循環ポンプ6の駆動制御を含む動作制御等を行う。
高温暖房装置106には、図3の矢印Aに示されるように、暖房用熱交換器28bで加熱された熱媒体(例えば80℃の湯)が、管路92,97,40を順に通して供給され、供給された熱媒体は、高温暖房装置106の内部通路51を通り、管路41を通って接続手段115に導入される。なお、高温暖房装置106には、熱動弁12が設けられており、この熱動弁12が、例えば高温暖房装置106に信号接続されているリモコン装置の運転オンの操作に応じて開かれると、前記のように、熱媒体が高温暖房装置106に通される。
また、この状態で、浴槽湯水の追い焚き運転も行うときには、管路92を通った液体(熱媒体)を、前記の如く図の矢印Bに示すように管路97に通すと共に、流量制御弁38を開くことにより、矢印B’に示すように管路89側にも通し、管路89側(熱交換器7側)に流れた液体を、管路96を通して管路95に戻るようにしながら、浴槽湯水循環ポンプ20を駆動させて、浴槽湯水を図の矢印Hに示すように循環させ、熱交換器7(液−液熱交換器)を介しての、液体循環通路5を通る液体と追い焚き循環路13を通る浴槽湯水との熱交換によって、浴槽27内の湯水の温度(風呂温度センサ21の検出温度)が風呂設定温度となるまで、浴槽湯水の追い焚き運転を行う。
一方、高温暖房装置106の暖房運転を行わずに、浴槽湯水の追い焚き運転のみを行うときには、高温暖房装置106の熱動弁12が閉じられているので、暖房用熱交換器28bで加熱した高温設定温度の液体(例えば80℃の液体)を、矢印Aに示すように、管路92に通した後、管路97には通さずに、図の矢印B’に示すように、管路89側に通す。そして、前記と同様に、この液体と浴槽湯水とを、液―液熱交換器7を介して熱交換することにより浴槽27内の湯水の追い焚き運転を行う。
温水マット10には、暖房用熱交換器28aで加熱された熱媒体を、図3の矢印Dに示されるように管路94に通した後に、シスターンタンク100に通し、図の矢印Eに示されるように管路93に通して液体循環ポンプ6から吐出し、管路90,44に順に通して供給される。なお、管路94には、暖房用熱交換器28b側から導出された熱媒体が管路92側から管路99を介して導入され、合流した熱媒体がシスターン100内に導入される。また、必要に応じて低温能力切替熱動弁47を開くことによって、管路98を介しての管路92側から管路94側への熱媒体の導入も行われ、シスターン100内に導入される。
その結果、シスターン100内の温度が例えば60℃程度となるようにされるものであり、低温能力切替熱動弁47は、温水マット10等の低温暖房装置の稼働時に必要に応じて開かれるので、低温能力切替熱動弁47が閉じているときには管路98を介しての管路92側から管路94側への熱媒体の導入は行われないが、管路99を介しての管路92側から管路94側への熱媒体の導入は行われ、この熱媒体の流量が検出されれば暖房用バーナ16の燃焼開始を行うことができる。
温水マット10への熱媒体の供給は、器具ケース42内の液体分岐手段37に設けられている熱動弁2のうち、稼働する(運転する)温水マット10(10a,10b)に対応する熱動弁2(2a,2b)が、例えば温水マット10に信号接続されているリモコン装置の運転オンの操作に応じて開かれることにより行われるものである。高温暖房装置106の加熱や浴槽湯水の追い焚きを行わずに温水マット10を加熱するときには、例えば管路内が温められるまでの間に行われるホットダッシュ運転時には例えば80℃、それ以外は例えば60℃とされる。
なお、液体循環ポンプ6の吐出側の通路は、以上のように温水マット10側に熱媒体を供給する管路90に加え、暖房用熱交換器28b側に通じる管路91に分岐接続されており、管路91を通った熱媒体は、図の矢印Fに示されるように暖房用熱交換器28b側に導入される。
温水マット10に供給された熱媒体は、温水マット10の内部通路52を通り、管路45を通って接続手段115に導入される。また、高温暖房装置106に導入されて高温暖房装置106を通った熱媒体は、管路41を通って接続手段115に導入される。接続手段115には、管路43を介して戻り温水ファンユニット1(本実施例の送風装置)が接続されており、戻り温水ファンユニット1は、温水マット10(10a,10b)および高温暖房装置106と直列に接続されている。戻り温水ファンユニット1は、熱源装置101の前記制御装置に信号接続されていない信号非接続の暖房装置であり、戻り温水ファンユニット1は、管路59を介して器具ケース42内の管路95に接続されている。
なお、このように、この暖房システムは、戻り温水ファンユニット1の上流側の暖房装置である温水マット10(10a,10b)や高温暖房装置106により放熱した熱媒体(液体)の熱を、下流側の暖房装置である戻り温水ファンユニット1によりさらに放熱してから、管路59、95を介して前記潜熱回収用熱交換器28aに導入することにより、潜熱回収用熱交換器28aの熱効率を向上させることができる。
例えば、熱交換器が結露するかどうかは、熱源装置が配置されている環境にも左右され、例えば雨の日は結露が生じやすいが、そのような結露が生じやすい環境下でも顕熱回収用の熱交換器(メインの熱交換器)には結露が生じないように、顕熱回収用の熱効率は例えば78%程度に設定されている。そして、周知の如く、潜熱回収用熱交換器は燃焼ガスの潜熱のみならず、顕熱回収用の熱交換器によって回収できなかった顕熱も回収する。さらに、潜熱回収用熱交換器は、この顕熱の回収に加えて燃焼ガスの潜熱も回収する。
潜熱回収用熱交換器による顕熱回収は、潜熱回収用熱交換器に導入される水の温度が40℃を超えても支障なく行われるものであるので、潜熱回収用熱交換器を設けると、たとえ熱源装置の配置環境によって顕熱熱交換器の顕熱回収率が低いときでも顕熱熱交換器によって回収しきれなかった顕熱を潜熱回収用熱交換器により回収できる。そのため、潜熱回収用熱交換器を設けると、潜熱回収用熱交換器を設けない場合に比べて熱交換器全体としての熱効率を向上でき、熱源装置の熱効率を向上できる。
さらに、前記の如く、潜熱回収用熱交換器に導入される水の温度が40℃以下の場合には潜熱回収も効率良く行われる(40℃を超えると十分には行えない)ので、潜熱回収用熱交換器に導入される水の温度が40℃以下の低い温度となるようにすると、さらに熱源装置の熱効率を向上できる。そのため、本実施例のように、例えば温水マット等の床暖房等を通った温水の熱を戻り温水ファンユニットによってさらに放熱し、それにより、潜熱回収用熱交換器への導入温水温度を例えば40℃以下にすると熱交換器の熱効率をさらに向上させて熱源装置の熱効率もさらに向上できる。
図3、図4(b)に示されるように、戻り温水ファンユニット1には、前記管路39も接続されており、管路39は、戻り温水ファンユニット1の上流側に直列に接続されている温水マット10(10a,10b)や高温暖房装置106を通さずに、熱源装置101の管路90から熱動弁2(2d)を介して熱媒体を導入する熱媒体直接導入通路として機能する。
戻り温水ファンユニット1には、四方弁3と、フィン112を備えた熱交換器102と、この熱交換器102に熱媒体を導入する熱媒体導入通路103と、熱媒体導入通路103内を通る液体の温度を検出する導入熱媒体温度検出手段104とが設けられている。また、戻り温水ファンユニット1が設けられている配設場所の温度を検出する周囲温度検出手段105も設けられている。四方弁3は、管路39から戻り温水ファンユニット1に熱媒体を導入する経路と、戻り温水ファンユニット1の上流側に直列に接続されている温水マット10(10a,10b)や高温暖房装置106を通った液体を戻り温水ファンユニット1に導入する経路とを切り替える経路切り替え手段として機能する。
また、四方弁3は、後述するように、図4(c)に示す「位置C」の態様として、熱源装置101から熱媒体(温水)が管路39を介して直接導入されるようにして戻り温水ファンユニット1と温水マット10や高温暖房装置106とを並列にする態様と、後述するように、図4(b)に示す「位置B」の態様として、温水が熱源装置101から温水マット10や高温暖房装置106を通ってから戻り温水ファンユニットに導入されるようにする直列態様との切り替え装置としても機能する。
図1に示されるように、戻り温水ファンユニット1に設けられている前記各構成要素は、例えばケース107内に収納されており、ケース107内には、熱交換器102を通る熱媒体の放熱用の放熱ファン108も設けられている。なお、同図においては、戻り温水ファンユニット1の前記各構成要素のうち、熱媒体導入通路103、導入熱媒体温度検出手段104、周囲温度検出手段105は図示されていない。また、ケース107には放熱ファン108の駆動に伴ってケース107内に空気を導入する吸気口109a,109bと、ケース107内に導入された空気をケース107から導出する送風口110とが設けられている。
送風口110の形成位置を除くケース107の少なくとも一部(ここでは送風口110の形成面111を除く殆ど)は、家屋の壁116の中に埋め込まれて配置されており、ケース107内において、放熱ファン108は送風口近傍に設けられ、熱交換器102は前記壁116の面方向に放熱ファン108と並ぶ態様で送風口110から離れた位置に設けられている。なお、例えば壁116の厚み(図のk)は約10mm、壁116内の空間の奥行き(図のM)は約80mmに形成され、この空間には例えば内径約40〜50mmφのダクト117が設けられている。
このダクト117に、戻り温水ファンユニット1の吸気口109a,109bがそれぞれ接続されており、ダクト117の一端側は家屋の床下に連通し、他端側は、図5に示されるように、家屋の天井118の裏側に連通している。ダクト117には、吸気口109a,109bからケース107内に導入される空気と共に埃が導入されることを防ぐためのフィルタ119a,119bが設けられており、つまり、フィルタ119a,119bは、それぞれ、ケース107の外部に設けられている。
天井118側に設けられているフィルタ119aは、例えば図5に示されるように、フィルタ掃除用の扉122を開いて取り出して掃除することができる。また、床下側に設けられるフィルタ119bは、図1に示されるように、例えば床付近に設けられる巾木120の一部にフィルタ119bを固定して、巾木120の一部を図の矢印の方向近傍に引き出せるように形成し、引き出した巾木120の一部と共にフィルタ119bを引き出せるようにすると、フィルタ119bの掃除がしやすく、かつ、見栄えも良好にできる。
なお、図1においては、フィルタ119bを巾木120の一部と共に引き出せるようにする構成が簡略化して示されているが、床下側に設けられているフィルタ119bの配設態様例は、例えば図2(a)、(b)の模式図に示されるような態様とすることができる。この例では、同図に示されるように、巾木120の一部が図の矢印のように壁116の手前側に引き出せる引き出し板120bに形成され、この引き出し板120bには引き出し操作を容易にするつまみ部129が形成されると共に、フィルタ面がダクト117と交わる(例えば直交する)態様で引き出し板120bに固定されたフィルタ119bが設けられている。
また、フィルタ119bの引き出しが良好に行われるように、壁116内には、フィルタ119bを引き出し可能に支持する支持部130を備えたフィルタ支持用の筐体部材131が形成されている。筐体部材131は例えば部位材131a〜131dを有して形成され、筐体部材131の上下両方には開口132が形成されて開口132の形成部においてダクト117に連通している(あるいは図2においてダクトと同じ符号117で示されている筒体を筐体部材131の上下に設けてダクトと同様に形成し、ダクト117の役割を果たすように形成されている)。なお、例えばフィルタ119bの引き出し時や引き出し後の収納時の衝撃を和らげるスポンジ等の緩衝材(パッキン)を筐体部131の適宜の場所(例えば同図においてPKで示す場所)に設けるとよい。
また、戻り温水ファンユニット1のケース107には、吸気口109a側と吸気口109b側にそれぞれ、開閉扉と、その開閉弁の開閉を制御する空気導入切り替え手段とを設けている。そして、吸気口109a,109bからケース107内に空気を吸い込む際に開いて空気の吸い込みがないときには閉じるように開閉扉を選択的に開閉することにより、吸気口109a側からの空気の導入と吸気口109b側からの空気の導入を選択的に行える構成としてもよい。
なお、図示されていないが、本実施例では、前記開閉扉と前記空気導入切り替え手段とが設けられ、吸気口109a,109bからケース107内に空気を吸い込む際に対応する開閉扉を開き、空気の吸い込みがないときには開閉扉を閉じるように前記空気導入切り替え手段が開閉扉を選択的に開閉することにより、吸気口109a側からの空気の導入と吸気口109b側からの空気の導入を選択的に行える構成と成している。
例えば、戻り温水ファンユニット1に熱媒体を供給しながら放熱ファン108を駆動させて送風口110から温かい風を送風するときには、吸気口109a側に設けられた開閉扉を開いて天井側から空気を導入できる構成としている。また、戻り温水ファンユニット1は、熱媒体(温水)を導入せずに放熱ファン108を駆動させれば、冷風(涼風)を送る送風装置としても機能するので、例えば周囲温度検出手段105(図4(b)、参照)により検出される温度が例えば25℃以上といった冷風送風用の設定温度以上のとき等、吸気口109b側に設けられた開閉扉を開いて床下側から冷たい空気を導入するようにして、冷風の送風が行うこともできる。なお、開閉扉の開閉は手動により行えるようにしてもよい。
また、戻り温水ファンユニット1に熱媒体(温水)を導入せずに放熱ファン108を駆動させて、冷風(涼風)を送る送風装置としても機能させる基準は、周囲温度検出手段105の検出温度にするとは限らず、適宜設定されるものである。例えば、カレンダー機能を持たせて、夏には冷風を送風するようにしてもよい。
図3に示したように、温水マット10と高温暖房装置106の出側が接続されている接続手段115には、戻り温水ファンユニット1が接続されているので、温水マット10を通って放熱された熱媒体や高温暖房装置106を通って放熱された熱媒体が適宜、戻り温水ファンユニット1側に送られ、戻り温水ファンユニット1が「運転ON」のときには、後述するように四方弁3の位置(切り替え態様)に応じて熱媒体が戻り温水ファンユニット1の熱交換器102に導入される。そして、熱媒体は、戻り温水ファンユニット1の熱交換器102を通り、管路59を介して熱源装置101の管路95に導入される。
また、戻り温水ファンユニット1の「運転OFF」のときには、熱媒体は、戻り温水ファンユニット1を経由するだけで戻り温水ファンユニット1の熱交換器102等を通らずに管路59に導入され、熱源装置101の管路95に導入される。
いずれの場合も、図3の矢印Cに示すように、管路95を通った熱媒体は暖房熱交換器28aに導入され、前記の如く、矢印Dに示したように管路94を通った後、シスターンタンク100を通って液体循環ポンプ6を介し、温水マット10側に送られる。
ところで、図3に示した暖房システムにおいて、図6に示されるように、熱源装置101の制御装置60内には、負荷値検出手段61と稼働暖房装置判断手段62、熱媒体供給制御手段63、燃焼制御手段64、ポンプ駆動手段65が設けられており、液体循環ポンプ6と熱動弁2(2a〜2d)に接続されている。一方、戻り温水ファンユニット1には、運転オンオフ操作手段66と制御装置67とが設けられ、制御装置67内には、放熱ファン駆動手段66と弁切り替え手段69が設けられている。なお、前記の如く、戻り温水ファンユニット1は熱源装置101の制御装置60とは信号接続されていないものであり、制御装置60と制御装置67とは信号接続されていない。
熱源装置101の負荷値検出手段61は、ポンプ駆動手段65によって液体循環ポンプ6を駆動したときに、該液体循環ポンプ6の負荷の値(駆動電流値または駆動電圧値)を検出する手段であり、検出した値を稼働暖房装置判断手段62に加える。
稼働暖房装置判断手段62は、負荷値検出手段61により検出された負荷の値に基づき、液体循環通路5に接続されている暖房装置(高温暖房装置106と温水マット10、戻り温水ファンユニット1)のうち何れの暖房装置が稼働しているかを判断する。そして、その判断結果を熱媒体供給制御手段63に加える。なお、暖房装置の稼働状況と負荷値検出手段61の検出値との関係についての詳細は後述する。また、熱源装置101は、温水マット10および高温暖房装置106とは信号接続されているので、これらの暖房装置の稼働状況を熱源装置101は通信によって把握することができる。
熱媒体供給制御手段63は、稼働暖房装置判断手段62により判断された暖房装置の稼働状況に対応させて、稼動している暖房装置(稼動を始める暖房装置も含む)に前記熱媒体を供給する。この熱媒体の供給制御に際し、熱媒体供給制御手段63は、燃焼制御手段64に、暖房用バーナ16の燃焼制御を行うように指令を加え、熱媒体の温度を必要に応じた温度とし、また、必要に応じて熱動弁2(2a〜2d)の開閉制御を行う。なお、燃焼制御手段64による燃焼制御については周知であり、その説明および図示は省略する。
戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ操作手段67は、例えば図1に示した送風口110の形成面111や、その上面121や側面等に設けられている。運転オンオフ操作手段66は、戻り温水ファンユニット1の運転(暖房運転)のオンオフを利用者等によって手動により操作する操作手段であり、操作ボタン等により形成されている。
放熱ファン駆動手段68は、運転オンオフ操作手段66の操作が行われて戻り温水ファンユニット1の運転がオンの状態とされているときに、適宜、放熱ファン108を駆動するものである。
弁切り替え手段69は、四方弁3を切り替える手段であり、戻り温水ファンユニット1の運転のオンオフ(「運転OFF」なのか「運転ON」なのか)に応じる等、以下に述べるように、四方弁3を例えば図4(a)〜(c)に示されるいずれかの態様に適宜切り替える。
なお、図4(a)〜(c)において、四方弁3は模式的に二重円状に示されており、液体の通過可能な領域が、外側の円と内側の円との間が白い部分により模式的に示され、液体の通過ができない領域が、外側の円と内側の円との間が黒い部分により模式的に示され、さらに、弁の切り替えに伴う連通経路が内側の円内の互いに直交する直線により模式的に示されている。また、四方弁3に接続されている戻り温水ファンユニット1内の通路は、図4(d)に示されている。
例えば、弁切り替え手段69は、戻り温水ファンユニット1の運転がオフ(「運転OFF」)のときは、通常は、四方弁3を図4(a)に示される状態(以下、「位置A」ともいう)にし、接続手段115側から戻り温水ファンユニット1に熱媒体を供給する管路43に連通している通路43aと、戻り温水ファンユニット1からの出側の通路59a(前記管路59に連通する通路)とを接続する状態とする。
この状態のときに、戻り温水ファンユニット1の上流側に設けられている高温暖房装置106と温水マット10の少なくとも一つが稼働状態で、その稼動状態の暖房装置に熱媒体の供給が行われていれば、液体循環ポンプ6の駆動によって、管路43から戻り温水ファンユニット1の管路43aに熱媒体が導入されることになるが、その熱媒体は戻り温水ファンユニット1の熱媒体導入通路103側には進まず、熱交換器102側を通ることなく、図4(a)の矢印に示されるように通路59aを通って管路59に導入され、熱源装置101に戻って循環することになるため、熱媒体が戻り温水ファンユニット1を通ることによって液体循環ポンプ6に与える(追加される)負荷は殆どない。
したがって、熱源装置101の負荷値検出手段61がポンプ駆動手段65による液体循環ポンプ6の負荷値を検出してその値を稼働暖房装置判断手段62に加えると、稼働暖房装置判断手段62は、その負荷値に基づいて戻り温水ファンユニット1が「運転OFF」であると推定することができる。
また、熱源装置101は、戻り温水ファンユニット1が「運転OFF」なのか「運転ON」なのかを確認するために、熱媒体供給制御手段63によって熱動弁2d(図3も参照)を開状態とし、ポンプ駆動手段65に指令を加えて液体循環ポンプ6を駆動することにより、管路39を通して戻り温水ファンユニット1に熱媒体を導入しようとする。なお、このとき、温水マット10等の他の暖房装置が稼働していて液体循環ポンプ6が既に駆動されていたときには、その駆動を継続する。
この戻り温水ファンユニット1の運転オンオフの確認動作(確認作業)時に、戻り温水ファンユニット1の運転がオフ(運転OFF)で、四方弁3が図4(a)に示される状態(「位置A」)であれば、管路39aが四方弁3と接続されていない(通路39aが他の通路43a,59a,液体導入通路103と接続されていない)ので、液体循環ポンプ6を駆動しても、熱動弁2dに接続されている管路39を通しての液体(熱媒体)の流れは生じない。そのため、戻り温水ファンユニット1の上流側の高温暖房装置106と温水マット10が何れも稼働状態ではない場合は、熱源装置101の外部に配置されている管路44,43等を通しての液体の流れが生じない。
また、このとき、高温暖房装置106と温水マット10の少なくとも一つが稼働していて、熱媒体の供給が行われていれば、液体循環ポンプ6の駆動によって管路43から戻り温水ファンユニット1に熱媒体が導入されることになるが、前記の如く、その熱媒体は熱交換器102側には流れずに、単に戻り温水ファンユニット1を経由して通っていくだけであり、熱媒体が戻り温水ファンユニット1を通ることによって液体循環ポンプ6に与える負荷は殆どないために、液体循環ポンプ6の負荷値は殆ど変わらない。
したがって、戻り温水ファンユニット1の運転オンオフの確認動作時に、負荷値検出手段61がポンプ駆動手段65を介して液体循環ポンプ6の負荷値を検出することにより、その負荷値の追加がなければ(負荷値が液体循環ポンプ6の駆動に伴う基準値であるか基準値に温水マット10等の稼動中の暖房装置に温水を供給するために必要な値を加えた値等から増加されなければ)、戻り温水ファンユニット1が「運転OFF」であることを確認することができる。
そこで、戻り温水ファンユニット1の「運転OFF」の確認が行われた場合には、熱媒体供給制御手段63は熱動弁2dを閉状態とする。また、この熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作は例えば30分毎といった予め定められるユニットオンオフ確認用設定間隔毎に行われる。
一方、戻り温水ファンユニット1は、運転オンオフ操作手段66の操作によって「運転ON」とされると、弁切り替え手段69が、四方弁3の状態を以下に述べるように適宜、切り替える。例えば、運転オンオフ操作手段66の操作によって戻り温水ファンユニット1が「運転OFF」から「運転ON」にされると、弁切り替え制御手段69は、まず、四方弁3を図4(b)に示される状態(以下、「位置B」ともいう)とし、接続手段115側から戻り温水ファンユニット1に熱媒体を導入する管路43に連通する通路43aと戻り温水ファンユニット1の熱媒体導入通路103とが連通する状態とする。
このとき、高温暖房装置106と温水マット10の少なくとも一つが稼働していて、稼動している暖房装置に熱媒体の供給が行われていれば、液体循環ポンプ6の駆動によって管路43から戻り温水ファンユニット1の管路43aに熱媒体が導入されることになり、図4(b)の矢印に示されるように熱媒体は戻り温水ファンユニット1に導入されて、その熱交換器102を通ってから管路59b側から管路59に導入され、熱源装置101に戻る。
そのため、このときには、熱媒体が戻り温水ファンユニット1を通ることによる液体循環ポンプ6の負荷の増加が生じるので、負荷値検出手段61により検出される液体循環ポンプ6の負荷値に基づいて(負荷値の上昇に基づいて)、稼働暖房装置判断手段62は戻り温水ファンユニット1が稼働している(「運転ON」である)と判断できる。また、高温暖房装置106や温水マット10の稼働は信号接続により判断できるので、熱源装置101は、高温暖房装置106と温水マット10のうちのどの暖房装置が稼働しているかも把握できる。
なお、四方弁3が「位置B」のときに、高温暖房装置106と温水マット10の少なくとも一つが稼働していて、管路43から戻り温水ファンユニット1の管路43aに熱媒体が導入され、熱媒体導入通路103を通ると、導入熱媒体温度検出手段104の検出温度が、例えば戻り温水ファンユニット1の配設領域の周囲温度から、高温暖房装置106や温水マット10を通った後の温度(熱源装置101に戻されるときの戻り湯温であり、例えば45℃)に変化する。そのため、戻り温水ファンユニット1は、導入熱媒体温度検出手段104の温度変化の検知によって、高温暖房装置106と温水マット10の少なくとも一つの暖房装置が稼働していることを検知できる。
また、戻り温水ファンユニット1は、運転オンオフ操作手段66の操作によって「運転ON」とされたときに、四方弁3を「位置B」としても、導入熱媒体温度検出手段104の検出温度の上昇が確認できないときには、高温暖房装置106と温水マット10のいずれの暖房装置も稼働していないと判断し、弁切り替え手段69によって四方弁3を図4(c)に示される状態(以下、「位置C」ともいう)に切り替え、管路39に接続されている通路39aと戻り温水ファンユニット1の熱媒体導入通路103とが連通する状態とする。そして、戻り温水ファンユニット1は、熱源装置101による前記ユニットオンオフ確認用設定間隔毎に行われる戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作を待つ。
四方弁3が「位置C」のときに、熱源装置101が熱動弁2dを開いて液体循環ポンプ6を駆動させ(または液体循環ポンプ6の駆動を継続させ)、管路39から戻り温水ファンユニット1に熱媒体を導入しようとすると、熱媒体は管路39から戻り温水ファンユニット1に導入されて熱媒体導入通路103と熱交換器102を通ってから管路59b側から管路59に導入され、熱源装置101に戻る。そのため、このときには熱媒体を戻り温水ファンユニット1に通して循環させるための液体循環ポンプ6の負荷が生じる。
つまり、液体循環ポンプ6の負荷値は、基準値(例えば液体循環ポンプ6の駆動そのものにより発生する負荷値に対応する値)から戻り温水ファンユニット1を稼働するための値に変化する、または、高温暖房装置106の稼働無しに浴槽湯水の追い焚きが行われていた場合には、液体循環ポンプ6の負荷は、追い焚きに用の熱媒体循環に必要な値から戻り温水ファンユニット1を稼働するために必要な値に変化する。
また、温水ファンユニット1の運転開始に伴って弁切り替え制御手段69が四方弁3を「位置B」とした直後には高温暖房装置106と温水マット10の何れも稼動していなくとも、戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作は前記設定間隔毎に行われるので、その動作開始までの間に高温暖房装置106と温水マット10の少なくとも一つの運転が開始されて、次回の戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作時には高温暖房装置106や温水マット10が稼動していることもある。
四方弁3が「位置C」のときには、前記の如く通路39aと液体導入通路103とが接続状態であると共に、通路43aと通路59aとが四方弁3を介して接続されているので、高温暖房装置106や温水マット10を通った熱媒体は、戻り温水ファンユニット1に導入されるが、液体導入通路103側には流れずに戻り温水ファンユニット1を通り抜ける。そのため、この場合にも、液体循環ポンプ6の負荷値は、前記基準値(あるいは、例えば他の暖房装置の駆動や浴槽湯水の追い焚きが行われていれば、それらの駆動に要する値と基準値とを加えた負荷値)から、その値に熱媒体を管路39から戻り温水ファンユニット1に導入して戻り温水ファンユニット1を通して循環させるための負荷値を合わせた値に変化する。
したがって、いずれの場合であっても、負荷値検出手段61により検出される液体循環ポンプ6の負荷値に基づいて、稼働暖房装置判断手段62は、戻り温水ファンユニット1が稼働している(「運転ON」である)ことを判断できる。
以上のようにして、熱源装置101は、戻り温水ファンユニット1が暖房装置として稼働しているか否か(「運転ON」なのか「運転OFF」なのか)と、戻り温水ファンユニット1が稼働しているときには、その四方弁3が図4(b)に示される状態(「位置B」)なのか図4(c)に示される状態(「位置C」)なのかを検出できるので、その結果を熱媒体供給制御手段63に加え、以下に述べるような熱媒体供給動作を行う。
例えば、熱源装置101は、戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作時に、負荷値検出手段61により検出される液体循環ポンプ6の負荷値に基づき、戻り温水ファンユニット1が「運転ON」で四方弁3が「位置C」の状態であると判断したときには、熱動弁2dを開いた状態で例えば最初の30分は80℃、30分経過後には60℃の湯を管路39を介して戻り温水ファンユニット1に送るようにする。
なお、熱動弁2dは、熱で暖まってから開くので、例えば熱動弁2dが冷めている状態で通電されると通電してから1分後に開く等、通電してから開くまでに時間がかかることがある。一方、熱動弁2dが閉じられてから間もなく通電が行われる場合(一時停止後直ぐ)だと、通電後5秒程度で開くこともある。
熱動弁2dを開けてから(熱動弁2dが開いてから)暖房用バーナ16の燃焼を開始して熱媒体を加熱すると、前記のように最初の30分の間に80℃の湯が送られる前に、例えば40℃の湯が送られることになる。このように熱動弁2dを開けてから熱媒体を加熱する場合には、暖房用熱交換器28の熱効率がアップするために熱効率の観点からは好ましい。一方、熱動弁2dを開ける前に暖房用バーナ16の燃焼が開始された場合にはバーナ燃焼によって加熱された湯は液体循環通路内を循環する(熱動弁2dに接続されている負荷側には流れずに循環する)ことになり、そのとき、シスターン100内の湯を温めることになる。その後、熱動弁2dが開かれたときにシスターン100側から加熱された湯が流れていくので、バーナ燃焼開始後に熱動弁2dを開いてもよい。
また、熱動弁2dを開く前に暖房用バーナ16の燃焼を開始させると、前記のようにバーナ燃焼によって加熱された熱媒体(湯)は液体循環通路5内を循環し(熱動弁2dに接続されている戻り温水ファンユニット1側には流れずに循環し)、熱動弁2dが開いたときに温水が熱動弁2dに接続されている戻り温水ファンユニット1側に流れ、それにより、暖房低温サーミスタ36の温度が下がる(出力が下がる)。
この温度の低下は、熱動弁2dに接続されている戻り温水ファンユニット1が稼働していると大きくなるので、この温度変化を検出することにより、暖房用ポンプ6の駆動電圧を検出しなくても戻り温水ファンユニット1が稼働しているかどうか(戻り温水ファンユニット1の負荷の有無)を検出することができる。なお、このような温度変化の検出を行わなくとも、前記のように、暖房用ポンプ6の駆動電圧や駆動電流の検出による暖房用ポンプ6の負荷検出を支障なく行える。
一方、戻り温水ファンユニット1側では、導入熱媒体温度検出手段104の検出温度に基づき、熱源装置101からの高温の湯が戻り温水ファンユニット1に導入されて熱交換器102側に流れていることを確認し、確認がとれたら、ファン駆動制御手段68により放熱ファン108を駆動させ、例えばトイレ等の狭小空間に配設されている戻り温水ファンユニット1の配設領域を放熱により暖める。
また、熱源装置101は、戻り温水ファンユニット1が「運転ON」で四方弁3が「位置B」であると判断したときに、高温暖房装置106と温水マット10の少なくとも一つが稼働していれば、稼動している暖房装置を通った熱媒体が管路43から戻り温水ファンユニット1の通路43aに導入されて戻り温水ファンユニット1の熱交換器102に通されるので、稼動している暖房装置を介しての戻り温水ファンユニット1への熱媒体導入を継続する。
ところで、戻り温水ファンユニット1には、例えば四方弁3と熱交換器102との間等の適宜の場所(例えば液体導入通路103の途中部、例えば導入熱媒体温度検出手段104の上流側または下流側)に抵抗を設けることが好ましい。それというのは、戻り温水ファンユニット1は例えばトイレ等の狭い空間の加温用に設けられることから前記のように薄肉化され、戻り温水ファンユニット1内に設けられている熱交換器102の厚みも薄いため、戻り温水ファンユニット1によって暖める空間がトイレ等の狭い空間であるとはいっても、熱交換器102に導入される温水が温水マット10を通った後の低めの温度の温水の場合に空間を十分に暖めることが難しい場合があるが、前記抵抗を設けることにより空間の加温を向上させることができる。
つまり、前記の如く、例えば四方弁3と熱交換器102との間等の適宜の場所に抵抗を設け、熱交換器102を通る温水の流速を遅くすると、熱交換器102における温水の放熱量を多くでき、小型の戻り温水ファンユニット1でも多量の熱を加温用の空間内(トイレ等)に遅れるので、その空間内を十分に温めることができる。この場合、戻り温水ファンユニット1を流れる熱媒体の流量が減るので仕事量が減り、液体循環ポンプ6の負荷の増加量が小さくなるため、例えば液体循環ポンプ6の負荷に基づいて稼働暖房装置判断手段62によって戻り温水ファンユニット1が作動しているかどうかを判断する際に稼働していることが多少わかりにくくなるものの、前記判断に支障が生じるものではない。
また、本実施例の戻り温水ファンユニット1は、その周囲温度に応じて四方弁3の切り替えを行う構成も有している。つまり、戻り温水ファンユニット1の弁切り替え制御手段69は、周囲温度検出手段105による周囲温度を確認して、温度が適切(例えば20℃以上)の場合には、基本的には、四方弁3を図4(b)に示す状態(「位置B」)とする。そして、熱源装置101から温水ファンユニット10や高温暖房装置106を通った後の熱媒体を、管路43を介して戻り温水ファンユニット1に導入し、放熱ファン108を駆動させ、高温暖房装置106や温水マット10を通った後の熱媒体(ここでは温水であり、戻り湯)で戻り温水ファンユニット1が配設されているトイレ等の狭小空間を保温する。
なお、高温暖房装置106と温水マット10が何れも稼働していない場合は、戻り温水ファンユニット1は、前記の如く、四方弁3を「位置C」にして、熱源装置101による前記ユニットオンオフ確認用設定間隔毎に行われる戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作を待つ。
また、四方弁3が「位置B」の場合に、周囲温度検出手段105によって戻り温水ファンユニット1の配設領域の周囲温度を確認した際、周囲温度が低い(例えば20℃以下)の場合にも、熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作が行われるまでは、四方弁3を「位置B」として放熱ファン108を駆動させ、例えばトイレ等の狭小空間に配設されている戻り温水ファンユニット1の配設領域を放熱により暖める。そして、この加温は熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作の開始前まで続けられる。
そして、周囲温度検出手段105により検出される戻り温水ファンユニット1の周囲温度が低い場合には、熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作時に、戻り温水ファンユニット1は四方弁3を図4(c)に示す状態(「位置C」)とし、このとき、前記の如く熱源装置101から管路39を介し、例えば80℃といった高温の熱媒体を戻り温水ファンユニット1に導入して戻り温水ファンユニット1で放熱することにより、トイレ空間を急速加熱する。
周囲温度検出手段105により検出される周囲温度が低い(例えば20℃以下の)場合であっても、このように、四方弁3を「位置C」とした状態で、熱源装置101から管路39を通して高温の湯を戻り温水ファンユニット1に導入すれば、戻り温水ファンユニット1が配設されているトイレ等の狭小空間はすぐに急速加熱できる。
また、戻り温水ファンユニット1は、四方弁3を「位置C」として前記のように急速加熱することによって、周囲温度検出手段105での周囲温度が適切(例えば20℃以上)となった場合には、一度、四方弁3を「位置B」に切り替え、高温暖房装置106と温水マット10の何れかが稼動しているか否かを確認する。ここで高温暖房装置106と温水マット10の何れかが稼動(運転)していれば、導入熱媒体温度検出手段104により検出される温度が例えば60℃から45℃に変化する等、高温暖房装置106と温水マット10の何れかを通った熱媒体の戻り温度が検出され、運転していなければ、導入熱媒体温度検出手段104の検知温度は60℃からゆっくり室温に下がる。
そこで、高温暖房装置106と温水マット10の何れかが稼動(運転)していれば、四方弁3を「位置B」とした状態としたまま、稼動している暖房装置を通った熱媒体が管路43から戻り温水ファンユニット1の管路43aに導入されて戻り温水ファンユニット1の熱交換器102に通されるようにし、戻り温水ファンユニット1が配設されているトイレ等の狭小空間を保温する。
一方、高温暖房装置106と温水マット10の何れも稼動していなければ、四方弁3を「位置C」に戻し、放熱ファン108の回転数を下げることにより、戻り温水ファンユニット1が配設されているトイレ等の狭小空間を保温しながら、時々(例えば30分毎に)四方弁3を「位置B」として高温暖房装置106と温水マット10の何れかが稼動しているか否かを確認する。
なお、熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作開始タイミングと戻り温水ファンユニット1による四方弁3の切り替えタイミングとの同期は、以下のようにして図ることができる。
つまり、例えば戻り温水ファンユニット1側では、四方弁3を「位置C」にして、熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作が開始されることを待っていると、この運転オンオフ確認動作の開始によって管路39から戻り温水ファンユニット1に高温の熱媒体が導入されるので、この高温の熱媒体導入タイミングを導入熱媒体温度検出手段104の検出温度に基づいて検出する。そして、この検出により熱源装置101からの高温の熱媒(例えば80℃といった熱い温度の湯)が導入されたことを確認できた時点(例えば導入熱媒体温度検出手段104の検出温度が例えば75℃といった同期確認用の設定温度以上になった時点)を起点とし、予め定められている設定時間(例えば数分)さかのぼった時点を熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作の開始起点として同期をはかる。
なお、温水マット10や高温暖房装置106には、80℃の熱媒体が送られることがあるが、温水マット10や高温暖房装置106を通った後の熱媒体の温度(戻り温水ファンユニット1への入り温度)は温水マット10や高温暖房装置106によって放熱されることから例えば60℃を上回ることはない。そこで、例えば60℃以上であって、かつ、熱源装置101から供給される高温の熱媒体の温度(例えば80℃)より低い温度が前記同期確認用の設定温度として設定される。
また、熱源装置101側では戻り温水ファンユニット1が「運転ON」から「運転OFF」になったかどうかを負荷値検出手段61により検出される液体循環ポンプ6の負荷値の変化に基づいて、戻り温水ファンユニット1の四方弁3の切り替えタイミングの確認を行う。
なお、図7、図8には、図3に示す暖房システムに適用されている本実施例の戻り温水ファンユニット1の動作例がフローチャートにより示され、図9には熱源装置101の動作例がフローチャートにより示されている。以下、これらのフローチャートに従い、この暖房システムにおける本実施例の戻り温水ファンユニット1と熱源装置101のそれぞれの動作について説明する。
図7に示されるように、戻り温水ファンユニット1は、運転スイッチがオンされると、ステップS1で、弁切り替え制御手段69が四方弁3を図4(a)に示される状態(「位置A」)から図4(b)に示される状態(「位置B」)に切り替え、ステップS2で、導入熱媒体温度検出手段104(図7ではサーミスタ104と記載)の検出温度が40℃以上か否かを判断し、40℃以上であればステップS3に進み、40℃未満であればステップS11に進む。
ステップS11に進んだ場合は、四方弁3を「位置B」から「位置C」に切り替え、ステップS12で、同期タイマ値がないか否か(つまり、熱源装置101との同期を既に取得できているかどうか)を確認し、同期タイマ値があれば(熱源装置101と同期がとれていれば)ステップS2に戻り、同期タイマ値が無ければ(熱源装置101との同期がまだ取れていなければ)、ステップS13に進んで同期タイマ値未取得フラグをONして(つまり、熱源装置101との同期を取るための動作を行う動作モードとして)からステップS2に戻る。
そして、ステップS2で、導入熱媒体温度検出手段104の検出温度が40℃以上になったらステップS3に進む。つまり、前記のように、四方弁3を「位置C」にして熱源装置101から管路39を介して熱媒体が導入されるのを待って、熱媒体が導入されたらステップS3に進む。
ステップS3では、同期タイマ値未取得フラグがONか否かを確認し、ONでなければ(既に同期がとれていれば)ステップS5に進む。同期タイマ値未取得フラグがONであればステップS4で同期タイマ値を取得してから、つまり、前記の如く、四方弁3を「位置C」にして、熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作の開始を待ち、運転オンオフ確認動作開始によって管路39から戻り温水ファンユニット1に高温の熱媒体が導入されて導入熱媒体温度検出手段104の検出温度が40℃以上になったことを確認できた時点を起点とし、予め定められている設定時間(例えば数分)さかのぼった時点を熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作の開始起点として同期をはかってから、ステップS5に進む。
そして、ステップS5では、周囲温度検出手段105(図7では周囲温度センサ105と記載)の検出温度が20℃以下か否かを判断し、20℃より高ければ図8のステップS21に進み、20℃以下であれば、図7のステップS6に進む。
ステップS6では、放熱ファン108を低速にて駆動して、ステップS7に進み、四方弁3が「位置B」であることを確認してステップS8に進み、熱源装置101による例えば30分毎といった設定間隔毎に行われる戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作の直前まで待機する。その後、ステップS9では、戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作時にタイミングを合わせて、四方弁3を「位置B」から「位置C」に切り替える。なお、これらのステップS5〜ステップS9の動作は、必要に応じて(周囲温度検出手段105の検出温度が20℃より高くなるまで)繰り返し行われる。
また、ステップS5から図8のステップS21に進んだときには、ステップS21で、10分フラグがありか否かを確認する。この10分フラグは、後述するように、戻り温水ファンユニット1の周囲温度が20℃以上のときに、高温暖房装置106と温水マット10が何れも稼動していないことにより、ステップS24の動作によって四方弁3を「位置B」にしても戻り温水ファンユニット1に熱媒体が供給されない状態が10分継続したことを検出するようにするためのフラグである。ステップS24を経由させずにステップS21に進んだ場合には、10分フラグは無し(10分フラグONの判断はNo)となる。一方、ステップS24を経由してステップS21に進んだ場合には、10分フラグは有り(10分フラグONの判断はYes)になり、ステップS32に進む。
そのため、例えば、戻り温水ファンユニット1の運転開始から初めて、ステップS21に進んだ時(初回時)には、ステップS21での10分フラグONの判断はNoとなり、ステップS22に進む。ステップS22では、図7のステップS5からステップS9までの一連の動作によって四方弁3を「位置B」から「位置C」に切り替えてから30分経過したかどうかを判断し、30分経過したら、ステップS23で四方弁3を「位置C」から「位置B」に切り替え、ステップS32に進む。なお、ステップS5からステップS9までの一連の動作を1回も行わずに、ステップS5から直接、図8のステップS21に進んだ場合には、四方弁3は「位置B」の状態であるので、ステップS22での判断はNoとし、四方弁3の「位置B」を継続してステップS32に進む。
ステップS32では、導入熱媒体温度検出手段104(図8ではサーミスタ104と記載)の検出温度が40℃以上か否かを判断し、40℃以上であればステップS33に進み、40℃未満であればステップS24に進んで10分フラグをONし、放熱ファン108を低速で駆動させ、図7のステップS9に戻る。
また、図8のステップS24から図7のステップS9に戻って、その後、図8のステップS21に進んだ場合は、ステップS21での判断時に10分フラグ有りと判断される。ステップS21で10分フラグありと判断されてステップS31に進んだ場合は、ステップS31で10分フラグオンから10分経過したらステップS41に進んで10分フラグをオフし、四方弁3を「位置C」から「位置B」に切り替えてステップS32に進み、前記と同様に動作する。
なお、このように周囲温度20℃以上の時に四方弁3を「位置B」としたときに導入熱媒体温度検出手段104(図8ではサーミスタ104と記載)の検出温度が40℃以上に上昇せず、温水マット10や高温暖房装置106が作動していないことが分かった場合には、4方弁を「位置C」の位置に切り替えて待機しつつ、10分毎に、4方弁を「位置B」として戻り温水ファンユニット1の上流側に設けられている温水マット10等の暖房装置の稼働を確認し(図7のステップS9→図8のステップS21→ステップS31→ステップS41→ステップS32→ステップS24の動作を繰り返すことにより、このように戻り温水ファンユニット1の上流側の暖房装置の稼働確認動作を行いながら)、この確認動作のために放熱ファン108を低速で駆動する。
ステップS32からステップS33に進んだ場合は、導入熱媒体温度検出手段104の検出温度が55℃以上か否かを判断し、導入熱媒体温度検出手段104の検出温度が55℃未満の時にはステップS34で放熱ファン108をONする。また、四方弁3が「位置C」の場合に熱動弁2dが開であれば例えば80℃といった高温の熱媒体が戻り温水ファンユニット1の熱交換器102側に供給されて導入熱媒体温度検出手段104の検出温度が55℃以上になるので、ステップS42に進み、放熱ファン108をONして低速で駆動し、ステップS43に進む。
また、ステップS43では、四方弁3を「位置B」から「位置C」に切り替えてから30分経過したかどうかを判断し、30分経過していたら、ステップS41で10分フラグをOFFし、四方弁3を「位置C」から「位置B」に切り替え、ステップS32に戻る。
また、ステップS43で、四方弁3を「位置B」から「位置C」に切り替えてから30分経過したかどうかを判断したときに、30分経過していなかったら、ステップS35で戻り温水ファンユニット1の運転がOFFになっているかどうかを判断し、運転OFFになっていなかったら、図7のステップS5に戻り、運転OFFになっていたら、ステップS36で、四方弁3を「位置A」にし、放熱ファン108の駆動をオフし、ステップS37で終了する。
一方、熱源装置101は、図9のステップS51で、同期タイマ(30分タイマ)が同期値となったか否かを判断し、同期値となったらステップS52で,熱動弁2dを開き(ONし)、液体循環ポンプ6を駆動(ON)し、ステップS53に進む。ステップS53では、負荷値検出手段61によって液体循環ポンプ6の負荷値を検出し、負荷値が上昇したらステップS54に進み、負荷値が上昇しなかったらステップS62に進む。
ステップS62では、戻り温水ファンユニット1以外の暖房装置(温水マット10や高温暖房装置106)が稼働しているかどうかを判断し、稼働していればステップS61に進んで熱動弁2dをオフし、ステップS51に戻り、稼働していなければ、ステップS71で、熱動弁2dのオンと液体循環ポンプ6のオンを継続してステップS51に戻る。
また、ステップS54に進んだときには、負荷値検出手段61によって検出される前記負荷値が減少しているかどうかを判断し、減少していたらステップS55に進んでディレイタイマをオンしてステップS56に進み、負荷値が減少しなかったらステップS81で戻り温水ファンユニット1に熱媒体供給を行いながら,ステップS52に戻る。ステップS56では、ディレイ時間が経過したかどうかを判断し、経過したら、ステップS57で熱動弁2dをオフし、液体循環ポンプ6をオフしてステップS51に戻る。また、同図には図示されていないが、ステップS56でディレイ時間が経過したときに、他の暖房装置が稼動していることが確認できた場合には液体循環ポンプ6のオンのままとする。
なお、このようなステップS56の過程を設け、負荷値検出手段61により検出される液体循環ポンプ6の負荷値が下がったことを確認できても、すぐに熱動弁2dを閉じずに、所定時間(予め定められる設定時間)後に閉じていくことには、以下のような理由がある。つまり、戻り温水ファンユニット1は、前記のように、四方弁3を「位置C」→「位置B」→「位置C」と、適宜のタイミングで切り替える動作を行って温水マット10等の他の暖房装置の稼働の有無を確認する動作を行うが、この確認動作時に四方弁3を「位置B」としたときには管路39から戻り温水ファンユニット1側に供給された熱媒体は熱交換器102側に流れることはできず、高温暖房装置106や温水マット10等の暖房装置が何れも稼働していなければ、戻り温水ファンユニット1側への熱媒体の導入がない。そのため、戻り温水ファンユニット1の運転がオフになったわけではなくても液体循環ポンプ6の負荷値が低下することになる。
つまり、負荷値検出手段61により検出される液体循環ポンプ6の負荷値が下がったことを確認できた時に熱動弁2dを即座に閉じてしまうと、熱源装置101による戻り温水ファンユニット1の運転オンオフ確認動作が次に開始されるまでの間の例えば30分間、戻り温水ファンユニット1への熱媒体の供給が停止してしまい、戻り温水ファンユニット1の暖房ができなくなってしまう可能性があるので、このような不具合を防止するため、S56でNo判断中(ディレイ中)にポンプの消費電力が上がったら、ステップSS53に戻るようにする。
以上のような暖房システムによれば、本実施例の戻り温水ファンユニット1を熱源装置101に信号非接続の暖房装置とし、熱源装置101の制御装置との信号のやりとりを行うことをしなくても、戻り温水ファンユニット1の稼働によって生じる(または変化する)液体循環ポンプ6の負荷の値に基づいて、熱源装置101が戻り温水ファンユニット1の稼働を把握でき、熱源装置101から熱媒体を供給することができる。
そして、戻り温水ファンユニット1は、導入熱媒体温度検出手段104の検出温度に基づいて熱媒体の導入を判断でき、また、四方弁3の位置と導入熱媒体温度検出手段104の検出温度に基づいて、戻り温水ファンユニット1の上流側に直列接続されている暖房装置(高温暖房装置106や温水マット10)の稼働状況を把握できるので、その稼働状況等に対応させて四方弁3の切り替え制御を適宜行うことにより、戻り温水ファンユニット1を用いての暖房動作を効率的、かつ、良好に行うことができる。
また、戻り温水ファンユニット1を熱源装置101に信号非接続の暖房装置とすることにより、信号接続しない分、暖房システムのコストダウンを図ることができる。
また、本実施例の戻り温水ファンユニット1は、前記のように暖房装置として機能できる上に、涼風を送風する装置としても利用できるので、夏等の気温が高いときには涼風を送風することにより、利用者が快適に利用することができる。この場合は、前記「運転ON」とは別の「涼風送風運転ON」スイッチを設ける、あるいは、温風と涼風(冷風)とを切り替える切り替えスイッチを設ける等して、涼風を送風するための「涼風送風運転ON」の操作が行われたときには四方弁3を「位置A」にしたまま、放熱ファン108を駆動して送風口110からの送風を行う。また、このときには、前記の如く、吸気口109b側に設けられた開閉扉を開いて床下側から空気を導入するようにする。例えばサーミスタ105の温度が例えば25℃といった予め定められる温度以上の時には冷風をとり入れるようにするとよい。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく適宜設定されるものである。例えば、前記実施例において、戻り温水ファンユニット1は、経路切り替え手段としての四方弁3を設けて形成されていたが、四方弁3の代わりに、図10に示されるような三方弁123を経路切り替え手段として2つ設けて形成してもよい。なお、この場合は、戻り温水ファンユニット1の通路39a,43a,59a,59b,103の形成態様を図10に示されるように形成する。図10(a)の状態が図4(a)に示した前記「位置A」に対応し、図10(b)の状態が図4(b)に示した前記「位置B」に対応し、図10(c)の状態が図4(c)に示した前記「位置C」に対応するものである。
また、前記実施例では、負荷値検出手段61は、ポンプ駆動手段65によって液体循環ポンプ6を駆動したときに、該液体循環ポンプ6の負荷の値(駆動電流値または駆動電圧値)を直接的に検出する手段としたが、負荷値検出手段61は、液体循環ポンプ6の負荷の値を間接的に検出する手段としてもよい。
この場合、例えば暖房高温サーミスタ33の検出温度と暖房低温サーミスタ36の検出温度と暖房用バーナ16の燃焼熱量とに基づいて液体循環通路5を流れる液体の流量を求める液体流量検出手段を設け、負荷値検出手段61は液体循環ポンプ6を駆動したときの液体循環ポンプ6の負荷の値を前記液体流量検出手段により検出される液体の流量に基づき、例えばその検出流量と、流量に基づいて液体循環ポンプ6の負荷値を求めるための負荷値検出用データとに基づいて、液体循環ポンプ6の負荷値を間接的に検出するようことができる。なお、暖房用バーナ16の燃焼熱量は例えば燃焼制御手段19の制御情報に基づき求めることができ、その方法等は周知であるのでその説明は省略するが、周知の方法や今後提案される方法等により適宜求めることができる。
また、このような液体循環ポンプ6の負荷値の間接的な検出と前記実施例のような直接的な検出とを必要に応じて切り替えるようにしてもよく、そのようにすると、いずれかの検出に支障が生じても対応できる。
また、図3に示した暖房システムに設けられていた管路39を省略し、戻り温水ファンユニット1への熱媒体の導入は、高温暖房装置106や温水マット10を通った後の熱媒体のみとしてもよい。この場合は、戻り温水ファンユニット1には、例えば、図11に示されるように三方弁123を設ける等して、戻り温水ファンユニット1の暖房運転がオフの時には図11(a)に示される態様とし、戻り温水ファンユニット1の暖房運転がオンの時には図11(b)に示される態様とすればよく、管路43側から戻り温水ファンユニット1に熱媒体が導入されたときに、熱媒体は、図11(a)に示される態様のときには熱交換器102を通らず、図11(b)に示される態様のときには熱交換器102を通ることになる。
この場合にも、図11(a)に示される態様と図11(b)に示される態様とでは、液体循環ポンプ6の負荷値が異なるために、暖房システムにおいては、熱源装置101の負荷値検出手段61によりポンプ駆動手段65を介して液体循環ポンプ6の負荷値を検出することによって、稼動暖房装置判断手段62が、戻り温水ファンユニット1の暖房運転がオンかオフか(暖房装置として稼動しているか否か)の判断を行うことができる。
なお、前記暖房システムに設けられていた管路39を省略した場合は、戻り温水ファンユニット1の上流側の暖房装置が何れも稼動していない状態が長時間継続すると、戻り温水ファンユニット1に熱媒体の供給が滞ることになるが、短時間であれば、熱媒体の供給が滞る前に戻り温水ファンユニット1の熱交換器102に導入された熱媒体の熱によって保温することができる。ただし、管路39も設けた構成の暖房システムとすると、戻り温水ファンユニット1の運転オンオフの判断もより確実に行えることに加え、戻り温水ファンユニット1の上流側の暖房装置が何れも稼動していない場合でも戻り温水ファンユニット1への熱媒体供給を滞りなく行うことができ、使い勝手を非常に良好にできる。
さらに、戻り温水ファンユニット1は、必ずしも家屋の壁116内のダクト117に接続されているとは限らず、壁116内の空間をダクトと見なしてこの空間内から空気の導入を行うようにしてもよい。また、このような場合等には、戻り温水ファンユニット1への空気導入は、ケース107の背面側から行ってもよいし、上下の少なくとも一つの面に加えて背面側からも行ってもよいし、上下の少なくとも一つの面としてもよく、適宜設定されるものである。そして、戻り温水ファンユニット1の吸気口は、その空気導入態様に対応させて適宜設ければよい。
例えば図12(a)の正面図および図12(b)、(c)の断面図に示されるように、戻り温水ファンユニット1の送風口110が形成されているケース面をケース107の埋め込まれている家屋の壁116から露出させ、壁116にはケース面を囲んで縁取る縁枠部材124を設けて、縁枠部材124の少なくとも一部に穴部125を設け、該穴部を吸気口109に連通させるようにしてもよい。この場合は穴部125にフィルタ119が設けられる。なお、図12(b)には、戻り温水ファンユニット1のケース107を壁116に固定して設ける例が示されており、図12(c)には、箱状の外部ケース126を壁116に固定し、その外部ケース126に戻り温水ファンユニット1のケース107を固定して設ける例が示されている。
また、前記実施例のように、暖房用熱交換器28を潜熱回収用熱交換器28aを設けて形成する場合には、高温暖房装置106や温水マット10等の暖房装置と戻り温水ファンユニット1を直列接続し、戻り温水ファンユニット1の上流側の暖房装置で熱媒体の熱を放熱した後、さらに、戻り温水ファンユニット1で放熱してから潜熱回収用熱交換器28aに導入すると、熱効率の向上が図れるので好ましい。
さらに、前記暖房システムには、1つの戻り温水ファンユニット1を設けたが、2つ以上の戻り温水ファンユニット1を設けて形成してもよいし、熱源装置101の液体循環通路5に接続される高温暖房装置106や温水マット10の接続数や接続態様も必ずしも図3に示した構成と同様にするとは限らず、適宜設定されるものである。
さらに、前記実施例の戻り温水ファンユニット1は、熱源装置101の制御装置60と信号接続されない非信号接続の暖房装置としたが、戻り温水ファンユニット1は熱源装置101の制御装置60に信号接続してもよい。ただし、戻り温水ファンユニット1を熱源装置101に信号接続しないで前記のような暖房システムを形成すると、暖房システムのコストダウンを図ることができる。
さらに、前記実施例では、1つの戻り温水ファンユニット1を設けて暖房システムを形成したが、2つ以上の戻り温水ファンユニット1を設けて形成してもよいし、熱源装置101の液体循環通路5に接続される高温暖房装置106や温水マット10の接続数や接続態様も必ずしも前記実施例と同様にするとは限らず、適宜設定されるものである。
さらに、戻り温水ファンユニット1を、高温暖房装置106の下流側に直列接続して設け、温水マット10の下流側に設けないようにしたり、温水マット10の下流側に直列接続して設けて、高温暖房装置106の下流側設けないようにしたりしてもよい。また、複数の高温暖房装置106や温水マット10がある場合には、どれか1つの下流側に戻り温水ファンユニット1を設けるだけであってもよい。ただし、いずれの場合も、戻り温水ファンユニット1を熱動弁2dには直接つながるようにしておき、前記実施例における4方弁3による並列接続と直列接続の切り替えとが行えるようにすることが望ましい。
さらに、前記実施例では、戻り温水ファンユニット1を熱源装置101の制御装置60と信号接続されない非信号接続の暖房装置としたが、非信号接続の暖房装置は必ずしも戻り温水ファンユニット1とするとは限らず、適宜設定されるものであり、非信号接続の暖房装置の熱源装置101の液体循環通路5との接続数や接続態様も適宜設定されるものである。
さらに、戻り温水ファンユニット1等の送風装置を暖房装置として用いる暖房システムにおいて、熱源装置101の液体循環通路5には、暖房装置を接続することに加え、例えば太陽光の熱を集熱する集熱機等も接続してもよい。
さらに、戻り温水ファンユニット1等の送風装置を設けて形成される暖房システムにおいて、適用する熱源装置101は、給湯機能と風呂の追い焚き機能と暖房機能とを備えた複合装置とは限らず、給湯機能や追い焚き機能を有していない装置としてもよい。
さらに、暖房システムにおいて、適用される熱源装置は、例えばガス燃焼を行うバーナの代わりに、石油燃焼用のバーナを設けてもよいし、電気ヒータを設けてもよい。また、液体循環通路5内に循環させる液体は、水とは限らず、例えば不凍液等の他の液体としてもよい。
さらに、本発明の送風装置は、前記実施例のように戻り温水ファンユニットとするとは限らず、ケース内に空気を導入して送風する機能を有して、その送風口を除くケースの少なくとも一部が家屋の壁の中に埋め込まれて配置され、空気を導入する吸気口からケース内に導入される空気と共に埃が導入されることを防ぐためのフィルタがケースの外部に設けられていればよいものであり、例えば居間や寝室等に設けられるエアコン装置としてもよい。