JP2016080116A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Abstract
Description
入力軸1は、図5中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
また、トロイダル型無段変速機では、入力側ディスクと出力側ディスクの入出力関係を逆にする場合もあるが、この場合、出力側ディスクの移動量が所定の距離を超えて増加した場合、当該出力側ディスクとパワーローラ、トラニオン、ヨーク等との干渉が懸念される。
前記第1ディスクにこれを前記第2ディスクに近付けるような必要軸力が負荷されて、前記第1ディスクが前記必要軸力での最大移動量となった場合に、前記第1ディスクのそれ以上の移動を規制するストッパを備えることを特徴とする。
前記押圧装置は、前記第1ディスクの背面側に設けられた第1シリンダ部と、前記第1ディスクと一体的に設けられた第2シリンダ部と、前記第1シリンダ部に設けられて、前記第2シリンダ部を介して前記第1ディスクを押圧可能な第1ピストン部と、前記第2シリンダ部に設けられた第2ピストン部とを備え、
前記第1ピストン部と前記第2ピストン部との間の軸方向隙間が、前記必要軸力での前記第1ディスクの最大移動量に設定され、
前記第1ピストン部が前記第2ピストン部に当接した場合に、当該第2ピストン部が前記第1ディスクの前記最大移動量以上の移動を規制するストッパとして機能するように構成してもよい。
前記外側ディスクと前記内側ディスクとの間に、当該両ディスクの軸方向と直交する支持部材が設けられ、
この支持部材に前記第1ディスクが当接可能なスラスト軸受が設けられ、
前記支持部材と前記スラスト軸受との間の軸方向隙間が、前記必要軸力での前記外側ディスクの最大移動量に設定され、
前記外側ディスクが前記スラスト軸受に当接した場合に、当該スラスト軸受が前記外側ディスクの前記最大移動量以上の移動を規制するストッパとして機能するように構成してもよい。
前記押圧装置は、前記第1ディスクの背面側に設けられた第1シリンダ部と、前記第1ディスクと一体的に設けられた第2シリンダ部と、前記第1シリンダ部に設けられて、前記第2シリンダ部を介して前記第1ディスクを押圧可能な第1ピストン部と、前記第2シリンダ部に設けられた第2ピストン部とを備え、
前記第1シリンダ部の外径側に、前記第1ディスクに当接可能な当接部が設けられ、
前記第1ディスクと前記当接部の間の軸方向隙間が、必要軸力での前記第1ディスクの最大移動量に設定され、
前記第1ディスクが前記当接部に当接した場合に、当該当接部が前記第1ディスクの前記最大移動量以上の移動を規制するストッパとして機能するように構成してもよい。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す側断面図、図2は同平断面図である。なお、図1および図2に示すトロイダル型無段変速機において、前記図5および図6に示す従来のトロイダル型無段変速機と共通部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
出力側ディスク3Aは、ラジアルニードル軸受35を介して入力軸1に相対回転自在に支持されている。
また、前記一対の柱状ポスト69,69の間に、出力側ディスク3Aが配置され、この出力側ディスク3Aの軸方向両端に出力側ディスク3Aを軸方向に位置決めするとともに軸回りに回転可能に支持するスラスト軸受60が設けられている。すなわち、柱状ポスト69と、出力側ディスク3Aの小径側端部との間にスラスト軸受60が配置され、出力側ディスク3Aの入力軸1の軸方向に沿った位置が規制されるとともに、出力側ディスク3Aの軸回りの回転を許容している。
また、第2シリンダ部82の内周面と、第2ピストン部84と、入力側ディスク2の背面と、入力軸1の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第2油圧室90を構成している。
第1油圧室85に圧油が送り込まれると、第1ピストン部83が図1中右側(入力側ディスク2側)に押圧され、これによって、入力側ディスク2の背面に一体に形成された第2シリンダ部82を介して当該入力側ディスク2が右側に押圧される。同時に第1シリンダ部81が左側に押圧され、この第1シリンダ部81と一体を成す入力軸1が左側へと移動することで、右側に位置し、かつ入力軸1に軸方向外側(右側)への移動が規制されて設けられた入力側ディスク2が出力側ディスク3Aに向かって押圧される。
このように両油圧室85,90で発生した力は、何れも、入力側ディスク2を出力側ディスク3A側に向け押圧する。
このようにして、パワーローラ11のトラクション部が入出力側ディスク2,3Aの双方に転接し、入力側ディスク2の回転駆動力を所望の減速比で出力側ディスク3Aに伝達する。
このストッパSは、第2ピストン部84で構成されている。すなわちまず、入力側ディスク2が出力側ディスク3Aから最も離間している状態において、つまり、入力側ディスク2が第2ピストン部84にほぼ当接し、かつ第1ピストン部83の外径部が第1シリンダ部81の底面に当接している状態において、第1ピストン部83と第2ピストン部84との間の軸方向隙間gが、必要軸力での入力側ディスク2の最大移動量に設定されている。必要軸力での入力側ディスク2の最大移動量は、入力側ディスク2による最適な押し付け状態でのバリエータ43の各部の変形量から求められる。この変形量はバリエータ43の諸元や使用されるトラクション油によって変わる。
図3は第2の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す半断面図である。この図に示すトロイダル型無段変速機が図1および図2に示す第1の実施の形態時のトロイダル型無段変速機と異なる点は、柱状ポスト(支持部材)69にスラスト軸受91を設けた点であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機と共通部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
また、柱状ポスト(支持部材)69の上下方向中央部でかつ入力側ディスク2側を向く側面には、円板リング状のスラスト軸受91が入力側ディスク(外側ディスク)2と同軸に設けられている。このスラスト軸受91の外径は入力側ディスク2の小端面より大径に形成され、当該スラスト軸受91の入力側ディスク2の小端面側を向く面に、当該小端面が当接可能となっている。入力側ディスク2の小端面がスラスト軸受91に当接した場合に当該スラスト軸受91によって入力側ディスク2の回転を許容している。入力側ディスク2が出力側ディスク3Aから最も離間している状態において、スラスト軸受91の側面と、入力側ディスク2の小端面との間の軸方向隙間gが必要軸力での入力側ディスク2の最大移動量に設定されている。
図4は第3の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す半断面図である。この図に示すトロイダル型無段変速機が図1および図2に示す第1の実施の形態時のトロイダル型無段変速機と異なる点は、第1シリンダ部81の外径側に当接部92を設けた点であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機と共通部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
円筒部材92aは第1シリンダ部81の円筒部81aの外周部に嵌め込まれており、その先端部は入力側ディスク(第1ディスク)2の外径側の先端部より出力側ディスク(第2ディスク3A)側に突出している。この突出した部分に当接部材92bが設けられ、この当接部材92bが入力側ディスク2の外径側の先端部と対向している。
入力側ディスク2が出力側ディスク3Aから最も離間している状態において、当接部材92bと、入力側ディスク2の外径側の先端部との間の軸方向隙間gが必要軸力での入力側ディスク2の最大移動量に設定されている。
また、本発明は、ダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機、シングルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機、フルトロイダル型無段変速機等のトロイダル型無段変速機に適用することができる。
3A 出力側ディスク(第2ディスク、内側ディスク)
11 パワーローラ
69 柱状ポスト(支持部材)
81 第1シリンダ部
82 第2シリンダ部
83 第1ピストン部
84 第2ピストン部
91 スラスト軸受
92 当接部
S ストッパ
Claims (4)
- それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた第1ディスクおよび第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記第1ディスクにこれを前記第2ディスクに近付けるような必要軸力が負荷されて、前記第1ディスクが前記必要軸力での最大移動量となった場合に、前記第1ディスクのそれ以上の移動を規制するストッパを備えることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 前記第1ディスクの背面側に配置され、かつ前記第1ディスクを前記第2ディスク側に向けて押圧する油圧式の押圧装置を備え、
前記押圧装置は、前記第1ディスクの背面側に設けられた第1シリンダ部と、前記第1ディスクと一体的に設けられた第2シリンダ部と、前記第1シリンダ部に設けられて、前記第2シリンダ部を介して前記第1ディスクを押圧可能な第1ピストン部と、前記第2シリンダ部に設けられた第2ピストン部とを備え、
前記第1ピストン部と前記第2ピストン部との間の軸方向隙間が、前記必要軸力での前記第1ディスクの最大移動量に設定され、
前記第1ピストン部が前記第2ピストン部に当接した場合に、当該第2ピストン部が前記第1ディスクの前記最大移動量以上の移動を規制する前記ストッパとして機能することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。 - 前記第1ディスクが一対の外側ディスクで構成され、前記第2ディスクが一対の前記外側ディスク間に配置された内側ディスクで構成され、
前記外側ディスクと前記内側ディスクとの間に、当該両ディスクの軸方向と直交する支持部材が設けられ、
この支持部材に前記第1ディスクが当接可能なスラスト軸受が設けられ、
前記支持部材と前記スラスト軸受との間の軸方向隙間が、前記必要軸力での前記外側ディスクの最大移動量に設定され、
前記外側ディスクが前記スラスト軸受に当接した場合に、当該スラスト軸受が前記外側ディスクの前記最大移動量以上の移動を規制する前記ストッパとして機能することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。 - 前記第1ディスクの背面側に配置され、かつ前記第1ディスクを前記第2ディスク側に向けて押圧する油圧式の押圧装置を備え、
前記押圧装置は、前記第1ディスクの背面側に設けられた第1シリンダ部と、前記第1ディスクと一体的に設けられた第2シリンダ部と、前記第1シリンダ部に設けられて、前記第2シリンダ部を介して前記第1ディスクを押圧可能な第1ピストン部と、前記第2シリンダ部に設けられた第2ピストン部とを備え、
前記第1シリンダ部の外径側に、前記第1ディスクに当接可能な当接部が設けられ、
前記第1ディスクと前記当接部の間の軸方向隙間が、必要軸力での前記第1ディスクの最大移動量に設定され、
前記第1ディスクが前記当接部に当接した場合に、当該当接部が前記第1ディスクの前記最大移動量以上の移動を規制する前記ストッパとして機能することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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