JP2016080042A - 防振装置 - Google Patents

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基宏 ▲柳▼田
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Abstract

【課題】加速度センサを設けることなく制振制御が実現できる能動型防振装置を提供する。【解決手段】両端に一対の弾性接続部11,12を有し、当該一対の弾性接続部を連結するロッド本体13と、前記ロッド本体に支持された慣性マス155と、前記慣性マス155を前記ロッド本体の軸方向に往復動させる磁力発生手段151,152を含むアクチュエータ15と、前記ロッド本体の軸方向の変位速度に応じた力factが前記慣性マスに生じるように、前記アクチュエータを制御する制御手段16と、を備えた防振装置1において、前記磁力発生手段は、インピーダンスが第1インピーダンス値Z1の第1コイル部151Aと、インピーダンスが当該第1インピーダンス値Z1より大きい第2インピーダンス値Z2の第2コイル部152Aとが並列に接続されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、車両などに適用して好ましい防振装置に関するものである。
リニアアクチュエータを備えた能動型防振装置として、エンジン側及び車体側にそれぞれ取り付けられる一対のインシュレータと、これら一対のインシュレータを連結するロッドと、このロッドに支持された慣性マスと、この慣性マスをロッドの軸方向に往復動させるアクチュエータと、このアクチュエータを制御する制御手段と、を備えた防振装置が知られている(特許文献1)。この従来の能動型防振装置では、エンジンから車体に伝達される振動を低減するにあたり、ロッド剛体共振の周波数をエンジンの曲げ・捩り共振周波数より低く設定し、ロッドの軸方向変位の速度に比例した力をアクチュエータに発生させる。
特開2011−12757号公報
しかしながら、上記従来の防振装置において、フィードバック制振制御を実行するためには、インシュレータ又はロッドの実振動を検出するための加速度センサが必要となる。
本発明が解決しようとする課題は、加速度センサを設けることなく制振制御が実現できる能動型防振装置を提供することである。
本発明は、防振対象に設けられたロッドに支持され、慣性マスをロッドの軸方向に往復動させる磁力発生手段を含むアクチュエータにおいて、前記磁力発生手段を、第1インピーダンスZの第1コイル部と、当該第1インピーダンスZより大きい第2インピーダンスZ(Z<Z)の第2コイル部と、を並列に接続して構成することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、第1インピーダンスZの第1コイル部と、当該第1インピーダンスZより大きい第2インピーダンスZ(Z<Z)の第2コイル部と、が並列に接続されているので、主たる電流はインピーダンスが小さい第1コイル部に流れ、これにより磁力が発生しアクチュエータが振動する。一方において、アクチュエータが振動することによりインピーダンスが大きい第2コイル部には逆起電力が発生する。この逆起電力の電圧E(t)は、アクチュエータの変位速度v(t)に相関する(v(t)=E(t)/K,Kは逆起電力定数)。したがって、この逆起電圧Eを計測することで、加速度センサを設けることなく、アクチュエータの変位速度v(延いては加速度a)を求めることができる。
本発明に係る防振装置の一実施の形態を適用した内燃機関の一例を示す分解斜視図である。 図1の防振装置を示す断面図である。 図1の防振装置を示す斜視図である。 図1の防振装置の電気的構成を示す等価回路図である。 交流電力の周波数ωと、コイルの電圧Vc,コイルの電流Ic,アクチュエータ15に発生する制振力fact、コイルのインピーダンスZcとの各関係を示すグラフである。 図1の第1コイル部の第1インピーダンス値Zと第2コイル部の第2インピーダンス値Zのトータルインピーダンスを示す図である。 本発明に係る防振装置の他の実施形態を示す等価回路図である。
《第1実施形態》
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。以下に示す実施の形態は、本発明に係る防振装置1を、エンジン2を制振するためのトルクロッドに具現化したものである。すなわち、本発明に係る防振装置1は、図1に示すエンジン2の上部に固定された右エンジンマウントブラケット23と車体フレーム(不図示)との間に装着されるアッパトルクロッド22や、エンジン2の下部に固定されたリヤトルクロッドブラケット26と車体サブフレーム(不図示)との間に装着されるロアトルクロッド25に適用することができる。
図1は、エンジン2を車体フレームに搭載する際に使用されるマウント部材を示す分解斜視図である。同図において、符号21は右エンジンマウントインシュレータ、符号22はアッパトルクロッド(本実施形態に係る防振装置1に相当する)、符号23はこれら右エンジンマウントインシュレータ21及びアッパトルクロッド22をエンジン2に固定するための右エンジンマウントブラケットをそれぞれ指し示す。アッパトルクロッド22は、エンジン2の上部に固定された右エンジンマウントブラケット23と車体フレームとの間に装着される。
また、符号24は左エンジンマウントインシュレータ、符号25はロアトルクロッド(本発明に係る防振装置を適用してもよい)、符号26はロアトルクロッド25をエンジン2に固定するためのロアトルクロッドブラケットをそれぞれ指し示す。ロアトルクロッド25は、エンジン2の下部に固定されたロアトルクロッドブラケット26と車体フレームとの間に装着される。
また、符号27はフロントエンジンマウント、符号28はフロントエンジンマウント27をエンジン2に固定するためのフロントエンジンマウントブラケット、符号29はリヤエンジンマウント、符号30はリヤエンジンマウント29をエンジン2に固定するためのリヤエンジンマウントブラケットをそれぞれ指し示す。以下、アッパトルクロッド22として具現化された本実施形態に係る防振装置1の構成及び作用効果を説明する。
本実施形態に係る防振装置1は、図2に示すように、両端のそれぞれに第1弾性接続部11及び第2弾性接続部12を有するロッド本体13と、このロッド本体13に支持されたアクチュエータ15と、このアクチュエータ15を制御する制御部16と、この制御部16に電力を供給する電源17と、を備える。
ロッド本体13は、鉄やアルミニウムなどの金属材料又は合成樹脂材料で構成され、その一端に第1弾性接続部11の外筒111が一体的に形成され、その他端に第2弾性接続部12の外筒121が一体的に形成されている。第1弾性接続部11が車体フレームに接続され、第2弾性接続部12が右エンジンマウントブラケット23を介してエンジン2に接続される。なお、車体フレーム及びエンジン2への接続レイアウトの都合で第1弾性接続部11の軸と第2弾性接続部12の軸は90°位相しているが、本発明に係る防振装置1にあっては同位相又は他の位相角度であってもよい。また、第1弾性接続部11をエンジン2に接続し、第2弾性接続部12を車体フレームに接続してもよい。
第1弾性接続部11は、円筒状の外筒111と、外筒111と同心の円筒状の内筒113と、これら外筒111と内筒113とを連結する弾性体(防振材)112とからなる。内筒113に対して図2において紙面に平行に挿通されるボルト(不図示)によって第1弾性接続部11は車体フレームに固定される。弾性体112は、ばね機能と減衰機能を兼ね備えた部材であり、例えば弾性ゴムを用いることができる。弾性体112は外筒111及び内筒113のそれぞれに接着剤などにより固定されている。
第2弾性接続部12も、上記第1弾性接続部11と同様に、円筒状の外筒121と、外筒121と同心の円筒状の内筒123と、これら外筒121と内筒123とを連結する弾性体(防振材)122とからなる。内筒123に対して図2において紙面に直交向きに挿通されるボルトによって第2弾性接続部12は右エンジンマウントブラケット23に固定される。弾性体122は、ばね機能と減衰機能を兼ね備えた部材であり、例えば弾性ゴムを用いることができる。弾性体122は外筒121及び内筒123のそれぞれに接着剤などにより固定されている。
第1弾性接続部11の弾性体112及び第2弾性接続部12の弾性体122のそれぞれの剛性(ばね定数)は、これら2つの弾性体112,122の間のロッド本体13の質量(各第1弾性接続部11及び第2弾性接続部12の外筒部分を含む)を考慮して、エンジン2の剛体共振Aおよびロッド本体13の剛体共振Bが、エンジン2の曲げ・捩りの共振周波数より小さい周波数となる値にそれぞれ定められている。このように、エンジン2の剛体共振Aおよびロッド本体13の剛体共振Bを2つの異なる周波数、つまり低周波域の周波数f1と、中周波数域の周波数f2との2箇所で生じさせて、エンジン2から車体フレームに伝達する振動を防止する効果が2重防振の効果である。ただし、本発明の防振装置1は、第1弾性接続部11及び第2弾性接続部12の外筒111,121及び内筒113,123の径を相違させるのは必須ではなく、これら第1弾性接続部11及び第2弾性接続部12を同じ構造としてもよい。
本例のロッド本体13の中央部には、アクチュエータ15を収容する断面が矩形のアクチュエータ室131が形成されている。図3に本例のロッド本体13とアクチュエータ15との斜視図を示す。アクチュエータ15は、図2及び図3に示すように、2つのコイル151,152(以下、第1コイル151、第2コイル152と称する)と、角筒状のコア153と、永久磁石154と、慣性マス155と、弾性支持バネ156と、アクチュエータ室131のロッド軸上に架設されたシャフト157とを含むリニアタイプ、いわゆる直線運動型のアクチュエータであり、慣性マス155をシャフト157のロッド軸方向に往復動させる。
慣性マス155は、磁性を有する金属材料等からなり、シャフト157の周囲にシャフト157と同軸に設けられている。シャフト157のロッド軸方向に見た慣性マス155の断面は、シャフト157の中心(重心)を中心にした点対称な形状であると共に、慣性マス155の重心がシャフト157の中心に一致している。本例の慣性マス155は角筒形状とされ、慣性マス155のロッド軸方向の両端(図2では上下端)が、それぞれ弾性支持バネ156を介してシャフト157に連結されている。弾性支持バネ156は、たとえば比較的小さな剛性を有する板バネからなる。慣性マス155の内壁には、図2に示す磁極配列となるように永久磁石154が固定されている。
第1コイル151及び第2コイル152(本発明に係る磁力発生手段に相当する。)の磁路を構成するコア153は、積層鋼鈑から構成され、シャフト157に固定されている。コア153は、アクチュエータ15の組立前には複数個の部材に分割されており、これら複数個の部材を、接着剤を用いてシャフト157の周囲に接着することにより、全体として角筒状のコア153が構成される。第1コイル151及び第2コイル152は、この角筒状のコア153に巻回されている。慣性マス155の内壁に固定された永久磁石154は、コア153及び第1コイル151、第2コイル152に対面するように設けられている。
このように構成された本例のアクチュエータ15は、第1コイル151及び第2コイル152と永久磁石154とが発生する磁界によるリラクタンストルクによって、慣性マス155をリニアに、つまり慣性マス155をシャフト157のロッド本体の軸方向Cに往復動するように駆動させる。本例の第1コイル151と第2コイル152は並列に接続され、これら第1コイル151の巻線と第2コイル152の巻線は、アクチュエータ15の駆動回路を含む制御部16に接続され、電源17からの電力が供給される。第1コイル151及び第2コイル152を含む構成については後述する。
図3に、アクチュエータ15をロッド本体13に組み付けるための構造例を示す。アクチュエータ15をロッド本体13に組み付け場合、はじめに図3(A)に示すように、第2弾性接続部12の弾性体122及び内筒123を配設する前に、アクチュエータ室131の、ロッド本体13の側面に設けた開口部分から、シャフト157を取り付けていない状態のアクチュエータ15を挿入する。このとき、ロッド本体13に設けた、第2弾性接続部12の通孔132および、第1弾性接続部11の通孔133(図2参照)、並びに、アクチュエータ15の中心軸線のそれぞれが、ロッド本体13の中心軸線上に整列するように、アクチュエータ15を配置する。
この後、図3(B)及び(C)に示すように、ロッド本体13に形成した通孔132から、アクチュエータ15の内部を経て、通孔133に到るまで、シャフト157を圧入する。すなわち、シャフト157のピン部分157aを、ロッド本体13の通孔132に摩擦係合または圧入固定させるとともに、ピン部分157aの拡径領域を、アクチュエータ15の内部に摩擦係合させて、シャフト157を、ロッド本体13およびアクチュエータ15のそれぞれに強固に固定する。なお、本例のロッド本体13においては、第2弾性接続部12の外筒121の、シャフト157の延長線上にある位置に通孔134を設け、シャフト157を通孔132に摩擦係合または圧入固定するための圧入用治具(シャフト157の頭部157bを押圧する治具)を、この通孔134から挿入することができるようになっている。
次に、本例の第1コイル151及び第2コイル152を含むアクチュエータ15の構成について説明する。
本例のアクチュエータ15は、コア153の外面に巻回された第2コイル152と、当該第2コイル152の外面に巻回された第1コイル151とを有する。図4は、本例のアクチュエータ15の電気的構成を示す等価回路であり、これら第1コイル151と第2コイル152は電気的に並列に接続されている。図4において、符号151は第1コイル、符号152は第2コイルを指し示し、第1コイル151のリアクタンスをLc、第1コイル151の巻線の抵抗153をRc、第2コイル152のリアクタンスをLc、第2コイル152の巻線の抵抗154をRcとして示す。また、第1コイル151が振動することで生じる逆起電圧155をE、第2コイル152が振動することで生じる逆起電圧156をEとして示す。
本例のアクチュエータ15においては、第1コイル151とその巻線の抵抗153を含む第1コイル部151Aのインピーダンスが第1インピーダンス値Zに設定され、第2コイル152とその巻線の抵抗154を含む第2コイル部152Aのインピーダンスが第2インピーダンス値Zに設定され、さらに、第2インピーダンス値Zは第1インピーダンス値Zより大きい値(Z<Z)に設定されている。特に好ましくは、第2インピーダンス値Zは、第1インピーダンス値Zの4倍以上(Z≧4Z)の値に設定されている。一般に、コイルのインピーダンスZcは、コイルのインダクタンスをLc、コイルの巻き線抵抗をRc、交流電力の周波数をωとしたときに、Zc=Rc+(ωLc)で表わされることから、図4に示すように、第1コイル151のインダクタンスLcとその巻線抵抗153の抵抗Rcを含むインピーダンスを第1コイル部151Aの第1インピーダンスZcと称し、同様に、第2コイル152のインダクタンスLcとその巻線抵抗154の抵抗Rcを含むインピーダンスを第2コイル部152Aの第2インピーダンスZcと称する。
第2コイル部152Aの第2インピーダンス値Zを、第1コイル部151Aの第1インピーダンス値Zより大きい値に設定する具体的形態として、以下の形態を挙げることができる。すなわち第1の形態として、第1コイル151と第2コイル152の巻線材質が同じで、巻線数(巻線回数)を同じ値に設定した場合には、第2コイル152の巻線径を第1コイル151の巻線径より小さくする。または第2の形態として、第1コイル151と第2コイル152の巻線材質が同じで、巻線径を同じ値に設定した場合には、第2コイル152の巻線数を第1コイル151の巻線数より大きくする。またはこれに代えて第3の形態として、第1コイル151と第2コイル152の巻線材質が同じである場合には、第2コイル152の巻線径を第1コイル151の巻線径より小さくするとともに、第2コイル152の巻線数を第1コイル151の巻線数より大きくしてもよい。さらに第4の形態として、第1コイル151と第2コイル152の巻線材質が同じで、巻線径も巻線数も同じ値に設定した場合には、第2コイル152の巻線材質を第1コイル151の巻線材質に比べて高抵抗の材料を選定してもよい。
本実施形態に係る防振装置1において、第2コイル部152Aの第2インピーダンス値Zを、第1コイル部151Aの第1インピーダンス値Zより大きい値に設定するのは以下の理由に依る。すなわち、第1コイル部151Aのインピーダンス値をZ、第2コイル部152Aのインピーダンス値をその5倍のZ=5Z、電源17及び制御部16から供給される交流電力の交流印加電圧をVsとおくと、アクチュエータ15を含む回路全体に流れる電流IはI=Vs/Zで表わされる。ここでインピーダンス値Zは、並列回路を構成する第1コイル部151Aと第2コイル部152Aの総インピーダンス値であり、本例の場合のインピーダンス値Zは、Z=(Z・Z)/(Z+Z)=5Z/6である。したがって、第1コイル部151Aには、I=Vs/Zの電流が流れ、第2コイル部152AにはI=(1/5)Vs/Zの電流が流れる。つまり、第1コイル部151Aには第2コイル部152Aの5倍の電流が流れ、第2コイル部152Aには第1コイル部151Aの1/5の電流しか流れない。
一方において、第1コイル部151A及び第2コイル部152Aは、それぞれコイル151,152を備えているので、アクチュエータ15の単振動にともなって逆起電力が発生する。この逆起電力の逆起電圧をE(t)、コイル部151A,152Aの相対速度をx(t)、逆起電力定数をKaとすると、x(t)=E(t)/Kaの関係が成立する。ここで一般的に、コイルの巻線数N,磁束密度B,コイル半径rとすると、逆起電力定数Kaは、Ka=2πrNBで定義されるので、第1コイル部151A及び第2コイル部152Aを含むアクチュエータ15の構造が定まれば既知の値となる。また、コイル部の印加電圧をVc(t),コイル部に流れる電流をIc(t),コイル部のインピーダンスをZc(t)とすると、E(t)=Vc(t)−Ic(t)・Zc(ω)の関係が成立する。
さて、車両に搭載する防振装置にあっては、当該防振装置1を振動させるための電源が車載バッテリ17に限られるため、その電圧に上限がある。また、制振対象となるエンジン2の高周波振動領域を制振するには防振装置1を高周波で振動させる必要があるが、上限電圧が限られた交流電力による高周波振動型防振装置において制振力を確保するためにはインピーダンスを小さくして電流値を確保しなければならない。図5(A)は、車載バッテリ17の電力を制御部16によりDC/AC変換した交流電力の周波数ωとコイルの電圧Vcとの関係を示すグラフ、図5(B)は、同じく交流電力の周波数ωとコイルの電流Icとの関係を示すグラフ、図5(C)は、同じく交流電力の周波数ωとアクチュエータ15に発生する制振力factとの関係を示すグラフ、図5(D)は、同じく交流電力の周波数ωとコイルのインピーダンスとの関係を示すグラフである。これら図5(A)〜(D)に示すように、高周波領域においては、車載バッテリ17に上限電圧が存在するため高周波になればなるほどアクチュエータ15の制振力factが低下する。
ここで、アクチュエータ15の制振力factは、推力定数をK(コイルの巻線数Nに比例)としたときにfact=KIc(∝NIc)で表わされる。したがって、高周波領域で低下するアクチュエータ15の制振力factを所定値以上に設定するためには、推力定数Kを大きくするか、電流Icを大きくすればよい。しかしながら、推力定数Kを大きくするためにコイルの巻線数Nを大きくすると、コイルのインダクタンスLcは巻線数Nの二乗に比例して大きくなるため、コイルに流れる電流Icが小さくなり、結果的に制振力を所望の値に設定することはできない。
一方、制振力factを所定値以上に設定するためにコイルのインピーダンスZcを小さくすると、コイルが振動することにより発生する逆起電圧E(t)が小さくなるため、この逆起電圧E(t)からコイル振動の相対速度x(t)を推定する精度が低下する。このように、アクチュエータ15の制振力factを確保するためにコイルのインピーダンスZcを小さくすると、コイルの逆起電圧E(t)から相対速度x(t)を推定する精度が低下し、逆にコイルの逆起電力E(t)を大きくして相対速度x(t)の推定精度を高めるためにコイルのインピーダンスZcを大きくすると、アクチュエータ15の制振力factが低下し、所望の高周波領域において防振効果を得ることができない。従来のアクチュエータでは、制振力の確保と相対速度の推定精度が互いに背反するという問題があった。
これに対して本例のアクチュエータ15は、コイルをインピーダンスが異なる並列接続された一対のコイルで構成している。すなわち、相対的にインピーダンスが小さい第1コイル部151Aと、相対的にインピーダンスが大きい第2コイル部152Aとを並列に接続し、第1コイル部151Aが磁力を発生する第1主要部を構成し、第2コイル152Aが逆起電力を発生する第2主要部を構成することとしている。このように構成すれば、たとえば第2コイル部152Aのインピーダンス値を第1コイル部151Aのインピーダンス値Zの5倍のZ=5Zとし、アクチュエータ15に交流電圧Vcが印加された場合に、並列接続されたコイル回路の全体に流れる電流Iのうち、(5/6)I(=Iの83%)の電流が流れる。一方において第2コイル部152Aには、並列接続されたコイル回路の全体に流れる電流Iのうち、(1/6)I(=Iの17%)の電流しか流れないので、発生する逆起電圧E(t)は充分に大きくなり、その結果この逆起電圧E(t)から推定される相対速度x(t)の推定精度を高めることができる。
図6は、第1コイル部151Aの第1インピーダンス値Zと、第2コイル部152Aの第2インピーダンス値Zのトータルインピーダンスを示す図であり、本実施形態に係る防振装置1において好ましい設定範囲をグレーのハッチングで示す。すなわち、本発明に係る防振装置はこの範囲に限定されないが、上述した第1コイル部151Aにより発生する制振力factと、第2コイル部152Aにより発生する逆起電圧E(t)がともに良好な値となるのが、第1インピーダンス値Zが1〜2.5Ω、第2インピーダンス値Zが5〜10Ωに設定した範囲である。
またこれに加えて、本例のアクチュエータ15においては、磁力を発生する第1主要部となる第1コイル部151Aは、第2コイル部152Aに比べてコアの153の外側に設けられているので、永久磁石154の磁界に対して磁力線が効率的に作用し、漏れ磁界を低減することができる。ただし、本発明に係る防振装置1においては、第1コイル部151Aを第2コイル部152Aに比べてコアの153の外側に設けることは必須ではなく、第2コイル部152Aを第1コイル部151Aに比べてコア153の外側に設けてもよい。
《第2実施形態》
本発明に係る防振装置1のアクチュエータ15においては、第1コイル151と第2コイル152が電気的に並列に接続され、かつ第2コイル152を含む第2コイル部152Aの第2インピーダンス値Zが、第1コイル151を含む第1コイル部151Aの第1インピーダンス値Zより大きい値(Z<Z)に設定されている。この第2インピーダンス値Zを第1インピーダンス値Zより大きい値に設定するには、上述したとおり第1コイル151及び第2コイル152の巻線径、巻線数、巻線材質を相対的に考慮すればよい。これに加えて、又はこれに一部若しくは全部を代えて、図7に示すように第2コイル部152Aに直列に抵抗(抵抗体)158を接続してもよい。図7は、本発明に係る防振装置の他の実施形態を示す等価回路図である。図7において、第2コイル部152Aに直列であって第1コイル部151Aに並列に抵抗158を設けたこと以外は、図4に示す第1実施形態と同じ構成を備える。
第2インピーダンス値Zを第1インピーダンス値Zより大きい値に設定する場合には、第2コイル152の巻線径を相対的に細くすればよいが、巻線径を細くし過ぎると発熱量が大きくなるので、巻線径を細くするにも一定の限界がある。また第2コイル152の巻線数を大きくし過ぎるとアクチュエータが大きくなるのでこれにも一定の限界がある。このため、第2コイル部152Aに直列に抵抗158を接続することで、第2コイル152の発熱量や大きさを抑制することができる。なお、大きい抵抗値を有する抵抗158を用いれば、第1コイル151と第2コイル152の巻線数、巻線径及び巻線材質を同じ値または同じものに設定してもよい。
第2コイル部152Aに直列かつ第1コイル部151Aに並列に抵抗158を設ける場合に、この抵抗158を電流センサのシャント抵抗としてもよい。すなわち、電流センサのシャント抵抗を抵抗158として設けてもよい。抵抗158を電流センサのシャント抵抗とすることにより、第2コイル部152Aを流れる電流値を計測することができる。すなわち、上述したとおり、第1及び第2コイル部151A,152Aの相対速度x(t)は、x(t)=E(t)/Kaであり、E(t)=Vc(t)−Ic(t)・Zc(ω)であるから、相対速度x(t)={Vc(t)−Ic(t)・Zc(ω)}/Kaとなる。したがって、第2コイル部152Aの電流値Ic(t)を、シャント抵抗を抵抗158とする電流センサにより計測すれば、相対速度x(t)を精度よく推定することができる。
上記第1コイル部151A及び第2コイル部152Aは本発明に係る磁力発生手段に相当し、抵抗158が本発明に係る抵抗体に相当する。
1…防振装置
11…第1弾性接続部
111…外筒
112…弾性体
113…内筒
12…第2弾性接続部
121…外筒
122…弾性体
123…内筒
13…ロッド本体
131…アクチュエータ室
132,133,134…通孔
14…慣性マス
15…アクチュエータ
151…第1コイル
152…第2コイル
153…コア
154…永久磁石
155…慣性マス
156…弾性支持バネ
157…シャフト
158…抵抗(抵抗体,シャント抵抗)
16…制御部
17…電源
C…ロッド本体の軸方向
2…エンジン
21…右エンジンマウントインシュレータ
22…アッパトルクロッド
23…右エンジンマウントブラケット
24…左エンジンマウントインシュレータ
25…ロアトルクロッド
26…ロアトルクロッドブラケット
27…フロントエンジンマウント
28…フロントエンジンマウントブラケット
29…リヤエンジンマウント
30…リヤエンジンマウントブラケット

Claims (7)

  1. 両端に一対の弾性接続部を有し、当該一対の弾性接続部を連結するロッド本体と、
    前記ロッド本体に支持された慣性マスと、
    前記慣性マスを前記ロッド本体の軸方向に往復動させる磁力発生手段を含むアクチュエータと、
    前記ロッド本体の軸方向の変位速度に応じた力が前記慣性マスに生じるように、前記アクチュエータを制御する制御手段と、を備えた防振装置において、
    前記磁力発生手段は、インピーダンスが第1インピーダンス値の第1コイル部と、インピーダンスが当該第1インピーダンス値より大きい第2インピーダンス値の第2コイル部とが並列に接続されている防振装置。
  2. 前記アクチュエータにおいて、前記第1コイル部は、前記第2コイル部に比べて外側に設けられている請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記第1コイル部が磁力を発生する第1主要部を構成し、前記第2コイルが逆起電力を発生する第2主要部を構成する請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 前記第2コイル部のコイルは、前記第1コイル部のコイルに比べて、巻線径が小さく及び/又は巻線数が大きい請求項1〜3のいずれか一項に記載の防振装置。
  5. 前記第2コイル部に直列であって、前記第1コイル部に並列に抵抗体が接続されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の防振装置。
  6. 前記抵抗体は、電流センサのシャント抵抗である請求項5に記載の防振装置。
  7. 前記第2インピーダンス値は、前記第1インピーダンス値の4倍以上に設定されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の防振装置。
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