JP2016079902A - 燃料噴射システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の蓄圧容器における燃料の流入出量が想定していたバランスから崩れた場合でも、蓄圧容器内の実圧力を目標圧力に追従させることが可能な燃料噴射システムの制御装置を提供する。
【解決手段】所定の演算タイミングにおいて、これよりも前に検出された実圧力に基づいて、後の1サイクルの開始時の予測圧力を算出する。算出された予測圧力に基づいて後の1サイクルにおける必要燃料流量を算出するとともに、前の1サイクルにおける実流量を算出する。前の1サイクルにおける必要燃料流量と実流量との差分からF/B流量を算出する。後の1サイクルにおける必要燃料流量が正の値の場合に、後の1サイクルにおける必要燃料流量にF/B流量を加算した流量の燃料が吐出されるように高圧ポンプを制御する。検出された実圧力が目標圧力よりも大きく、且つF/B流量の変動量が第1閾値よりも小さい場合に、後の1サイクルにおける必要燃料流量を変化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蓄圧容器式の燃料噴射システムに適用される制御装置に関する。
蓄圧容器式の燃料噴射システムでは、蓄圧容器内の燃料圧力が目標圧力となるように、フィードバック制御が行われている。例えば、特許文献1に記載の燃料噴射装置では、蓄圧容器内の燃料圧力を目標圧力にするために必要な燃料の流量である必要燃料流量と、高圧ポンプから蓄圧容器に供給された燃料の流量である実流量とを算出している。そして、前回の必要燃料流量と実流量との差分からF/B流量を決定し、今回の必要燃料流量にF/B流量を加えた流量を、高圧ポンプの流量指令値としている。
上記燃料噴射装置において、必要燃料流量は、目標圧力と演算タイミングで検出された蓄圧容器内の実圧力との差圧、噴射量、燃料の漏れ量に基づいて算出している。演算タイミングは、高圧ポンプのプランジャが上死点又は下死点に到達したタイミングである。また、実流量は、前回の演算タイミングから今回の演算タイミングの間における蓄圧容器内の圧力変化量及び燃料噴射量に基づいて算出している。
特開2012−172549号公報
プランジャの1サイクルの所要時間が短い場合、演算タイミングで検出した実圧力を用いて必要燃料流量を算出すると、高圧ポンプの制御がプランジャの移動よりも遅れるおそれがある。そこで、演算タイミングを早くし、前回の実圧力に基づいて今回の実圧力を予測して、予測圧力を用いて必要燃料流量を算出することが考えられる。
しかしながら、予測圧力を用いる制御では、燃料噴射弁や高圧ポンプの劣化により、実際の噴射量が目標噴射量よりも少なくなったり、実際の圧送量が指令量よりも多くなったりした場合に、圧送停止期間と圧送期間とを繰り返すことが起こることがある。このような場合、圧送停止期間ではフィードバック制御が行われないため、一旦実流量と必要燃料流量とが釣り合うと、F/B流量は略一定値に維持され、実圧力と目標圧力とが乖離した状態が継続するという問題が生じる。
本発明は、上記実情に鑑み、燃料の蓄圧容器における燃料の流入出量が想定していたバランスから崩れた場合でも、蓄圧容器内の実圧力を目標圧力に追従させることが可能な燃料噴射システムの制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、プランジャの往復駆動により燃料を加圧供給する高圧ポンプと、前記高圧ポンプから供給された燃料を蓄圧保持する蓄圧容器と、前記蓄圧容器内の燃料を内燃機関に噴射供給する燃料噴射弁と、前記蓄圧容器内の実圧力を検出する圧力センサと、を備える燃料噴射システムに適用される制御装置であって、所定の演算タイミングにおいて、前記タイミングよりも前に検出された前記実圧力に基づいて、前記タイミングよりも後の前記プランジャの往復駆動の1サイクルの開始時における前記蓄圧容器内の予測圧力を算出する予測圧力算出手段と、前記タイミングにおいて、前記予測圧力算出手段により算出された前記予測圧力に基づいて、前記タイミングよりも後の前記1サイクルの終了時における前記蓄圧容器内の圧力を目標圧力とするために、前記後の1サイクルにおいて必要な燃料の流量である必要燃料流量を算出する必要燃料流量算出手段と、前記タイミングよりも前の前記1サイクルにおいて、前記蓄圧容器に供給された燃料の流量である実流量を算出する実流量算出手段と、前記前の1サイクルにおける前記必要燃料流量と前記実流量との差分に基づいて、フィードバック流量を算出するフィードバック流量算出手段と、前記後の1サイクルにおける前記必要燃料流量が正の値の場合に、前記後の1サイクルにおける前記必要燃料流量に前記フィードバック流量を加算した流量の燃料が前記高圧ポンプから吐出されるように前記高圧ポンプを制御するポンプ制御手段と、検出された前記実圧力が前記目標圧力よりも大きく、且つ前記フィードバック流量算出手段により算出された前記フィードバック流量の変動量が第1閾値よりも小さい場合に、前記後の1サイクルにおける前記必要燃料流量を変化させる釣り合い解消手段と、を備える。
本発明によれば、所定の演算タイミングにおいて、このタイミングよりも後のプランジャの往復駆動の1サイクルの開始時における蓄圧容器内の予測圧力が算出される。そして、予測圧力に基づいて、上記タイミングよりも後の1サイクルにおける必要燃料流量が算出される。また、上記タイミングよりも前の1サイクルにおける実流量が算出される。さらに、上記タイミングよりも前の1サイクルにおける必要燃料流量と実流量との差分に基づいて、フィードバック流量が算出される。そして、後の1サイクルにおける必要燃料流量が正の場合に、その必要燃料流量にフィードバック流量を加算した流量の燃料が吐出されるように、高圧ポンプが制御される。
ここで、燃料噴射弁の劣化により実際の噴射量が目標噴射量よりも少なくなった場合や、高圧ポンプの劣化により圧送量が指令量よりも多くなった場合には、必要燃料流量が負の値になって燃料の圧送が停止されることがある。そして、その後再び必要燃料流量が正の値になって圧送が行われ、その後また必要燃料流量が負の値になって、圧送停止期間と圧送期間とを繰り返すことがある。このような場合、圧送を停止した期間ではフィードバック制御が行われないため、一旦必要燃料流量と実流量が釣り合うと、フィードバック流量は変動しない安定状態となり、実圧力が目標圧力よりも高い状態で乖離し続けることがある。
これに対して、実圧力が目標圧力よりも大きく、且つフィードバック流量の変動量が第1閾値よりも小さい場合には、上記タイミングよりも後の1サイクルにおける必要燃料流量が変化させられる。これにより、必要燃料流量と実流量との釣り合いを解消して、実圧力を目標圧力に追従させることができる。したがって、蓄圧容器における燃料の流入出量が想定していたバランスから崩れた場合でも、蓄圧容器内の実圧力を目標圧力に追従させることができる。
本実施形態に係る燃料噴射システムの構成を示す模式図。 本実施形態に係る高圧ポンプの動作態様を示す図。 演算タイミング、噴射量、プランジャのリフト、目標圧力、実圧力、及び予測圧力のタイムチャート。 高圧ポンプを制御する処理手順を示すフローチャート。 釣り合いモード制御の実施を判定する処理手順を示すフローチャート。 釣り合いモード制御を実施する処理手順を示すサブルーチン。 釣り合いモード制御を実施する処理手順を示すサブルーチン。
以下、燃料噴射システムの制御装置を具現化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本実施形態に係る燃料噴射システムの構成について説明する。本実施形態に係る燃料噴射システムは、4気筒のディーゼルエンジンを対象にしたコモンレール式の燃料噴射システムである。本実施形態に係る燃料噴射システムは、燃料タンク33、フィードポンプ32、高圧ポンプ30、コモンレール20(蓄圧容器)、エンジン40(内燃機関)の各気筒に搭載された燃料噴射弁10、圧力センサ21等の各種センサ及びECU50を備える。
フィードポンプ32は、燃料タンク33から燃料を吸入して高圧ポンプ30に供給する。高圧ポンプ30は、ハウジング内をエンジン40のクランク軸に連動して往復駆動されるプランジャ30A(図2参照)により、燃料を吸入及び加圧してコモンレール20に供給する。
高圧ポンプ30の吸入側(低圧側)には、図2に示すように、加圧室30Bに吸入される燃料の量を調節する吸入弁30Cが設けられている。この吸入弁30Cの開閉タイミングは、ECU50により制御される。一方、高圧ポンプ30の吐出側(高圧側)には、逆止弁30Dが設けられている。逆止弁30Dは、加圧室30Bからコモンレール20側へ燃料が流出することを許容するとともに、コモンレール20側から加圧室30Bへ燃料が流入することを規制する。
そして、吸入弁30Cを開いた状態でプランジャ30Aが上死点(トップ)から下死点(ボトム)に向かって移動する際には、加圧室30Bの体積が膨張するので、これに伴ってフィードポンプ32から送られてきた燃料が加圧室30Bに吸引される(吸入期間)。
その後、プランジャ30Aが下死点から上死点に向かって移動する際に、吸入弁30Cを開いたままに保持していると、加圧室30Bに吸引された燃料は、吸入弁30C側から燃料タンク33に逆流する(プレストローク期間)。
そして、吸入弁30Cを所定時間で閉弁させるように制御すると、吸入弁30Cの閉弁以降は、加圧室30B内の燃料の加圧が開始される。その後、加圧室30B内の圧力がコモンレール20内の圧力を超えると、逆止弁30Dが開き、加圧室30B内の燃料が逆止弁30D側からコモンレール20へ供給される(燃料吐出期間)。
したがって、吸入弁30Cの開閉タイミングを制御することにより、高圧ポンプ30からコモンレール20へ供給される燃料の量を制御することができる。すなわち、吸入弁30Cを早期に閉じればコモンレール20への燃料の吐出量を多くすることができ、逆に、吸入弁30Cを遅く閉じればコモンレール20への燃料の吐出量を少なくすることができる。
本実施形態では、高圧ポンプ30は2つのプランジャ30Aa,30Abを備える。2つのプランジャ30Aaと30Abは、互いに180°CAずれた状態で駆動される。すなわち、プランジャ30Aaの位置が上死点にあるとき、プランジャ30Abの位置は下死点にあり、プランジャ30Aaの位置が下死点にあるとき、プランジャ30Abの位置は上死点にある(図3(c),(d)参照)。プランジャ30Aの数は2つに限らず任意の数でよい。また、高圧ポンプ30には、加圧室30B内の燃料温度を検出するポンプ用温度センサ31が設置されている。なお、吸入弁30Cは、アクチュエータとしてソレノイドコイルを用いた電磁方式の弁でもよいし、アクチュエータとして圧電素子等を用いた弁でもよい。
コモンレール20は、高圧ポンプ30から供給された燃料を蓄圧保持する。コモンレール20に設けられている減圧弁23は、開弁することによりコモンレール20内の燃料を、排出配管34を介して燃料タンク33に排出して、コモンレール20内の燃料圧力を低下させる。また、コモンレール20には、圧力センサ21及びレール用温度センサ22が設置されている。圧力センサ21は、コモンレール20内の燃料圧力(実圧力)を検出する。レール用温度センサ22は、コモンレール20内の燃料温度を検出する。
燃料噴射弁10は、互いにコモンレール20に並列に接続され、コモンレール20に蓄圧されている燃料を各気筒内に噴射供給する。燃料噴射弁10は、ノズルニードルに閉弁方向に圧力を加える制御室の燃料圧力を制御することにより、開弁期間を制御する公知の電磁駆動式又はピエゾ駆動式の弁である。燃料噴射弁10の開弁期間が長くなるほど、噴射される噴射量は多くなる。
エンジン回転速度センサ41は、エンジン40の回転速度を検出し、アクセルセンサ42は、アクセルペダルの開度(踏込量)を検出する。
ECU50(燃料噴射システムの制御装置)は、CPU、ROM及びRAM等のメモリ、並びにI/O等を備える周知のマイクロコンピュータであり、高圧ポンプ30の吸入弁30C、減圧弁23及び燃料噴射弁10を制御する。ECU50は、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、予測圧力算出手段、必要燃料流量算出手段、実流量算出手段、F/B流量算出手段、ポンプ制御手段及び釣り合い解消手段の各機能を実現する。
ECU50は、圧力センサ21、レール用温度センサ22、ポンプ用温度センサ31、エンジン回転速度センサ41及びアクセルセンサ42により検出された検出値を取得する。ECU50は、エンジン回転速度及びアクセルペダルの開度等に基づきエンジン40の運転状態を取得し、取得した運転状態及び予めROMに記憶されている制御マップ等に基づいて、演算タイミングごとに、燃料噴射弁10から噴射する燃料の目標噴射量、及びコモンレール20内の目標圧力Tpを決定する。ECU50は、目標噴射量の燃料が噴射されるように燃料噴射弁10の開閉タイミングを制御する。また、ECU50は、コモンレール20内の圧力が目標圧力Tpとなるように、吸入弁30C及び減圧弁23の開閉タイミングを制御する。
次に、高圧ポンプ30の基本的な制御について、図3を参照しつつ説明する。時点T(s)(sは自然数)から時点T(s+1)までの期間は、プランジャ30Aa,30Abの往復駆動の1サイクルに相当する期間である。この1サイクルは、プランジャ30Aaの下死点から次の下死点まで移動する期間であるとともに、プランジャ30Abの上死点から次の上死点まで移動する期間である。この1サイクルのごとに、目標噴射量となるように燃料噴射弁10から燃料が噴射される。
演算タイミングC(s)は、高圧ポンプ30の吐出量を演算するタイミングである。演算タイミングC(s)は、1サイクルの中間点付近であり、プランジャ30Aaの上死点付近及びプランジャ30Abの下死点付近である。すなわち、演算タイミングC(s)は、1サイクルの開始時から半サイクルが経過した時点付近のタイミングである。演算タイミングC(s)において、時点T(s+1)から時点T(s+2)までの1サイクルで高圧ポンプ30から吐出すべき燃料の吐出量を算出する。
圧力センサ21は、図3(e)において黒丸で示す時点T(s)における実圧力、すなわち1サイクルの開始時点又は終了時点における実圧力を検出する。時点T(s)において検出された実圧力は、メモリに記憶されて吐出量の算出に用いられる。圧力センサ21は、T(s)時点における実圧力だけでなく、1サイクル中に所定間隔で実圧力を検出してもよい。図3(e)において黒丸と黒丸を繋ぐ実圧力の波形(実線で示している)は、圧力センサ21によりコモンレール20の実圧力を短い時間間隔で検出した場合に、このような実圧力の波形が検出されることを示している。
<予測圧力Ptopの算出>
例えば、演算タイミングC4において、時点T5〜T6の1サイクルにおける吐出量を算出する場合、時点T5のコモンレール20内の圧力に基づいて、時点T6におけるコモンレール20内の圧力が目標圧力Tpとなるように吐出量を算出する必要がある。しかしながら、演算タイミングC4では、時点T5の実圧力Psensは検出されていない。
そこで、予測圧力算出手段は、所定の演算タイミングC(s)において、演算タイミングC(s)よりも前の時点T(s)に検出された実圧力Psensに基づいて、演算タイミングC(s)よりも後の1サイクルの開始時点T(s+1)におけるコモンレール20内の予測圧力Ptopを算出する。所定の演算タイミングC(s)よりも前の時点T(s)において検出された実圧力Psensは、所定の演算タイミングC(s)に最も近い1サイクルの終了時点に検出された圧力である。例えば、演算タイミングC4では、時点T4において検出された実圧力Psensに基づいて、時点T5における予測圧力Ptopを算出する。
具体的には、時点T(s)から時点T(s+1)までの1サイクルにおける燃料の変化量ΔQcを、圧力変化量ΔPcに換算する。この1サイクルにおいて、高圧ポンプ30から吐き出される燃料の吐出量ΔQi、減圧弁23によりコモンレール20から排出される燃料の排出量ΔQe、及び燃料噴射弁10から噴射される燃料の噴射量ΔQinjから、燃料の変化量ΔQc=ΔQi−ΔQinj−ΔQeとなる。燃料の体積弾性係数をK、プランジャ30Aが上死点に位置したときの加圧室30Bの容積(高圧部容積)をVとすると、圧力変化量ΔPc=ΔQc×K/Vとなる。時点T(s+1)における予測圧力Ptopは、Ptop=時点T(s)で検出された実圧力Psens+ΔPcとなる。
<必要燃料流量Qnの算出>
必要燃料流量算出手段は、所定の演算タイミングC(s)において、予測圧力算出手段により算出された予測圧力Ptopに基づいて、演算タイミングC(s)よりも後の1サイクルにおいて必要な燃料の流量である必要燃料流量Qnを算出する。必要燃料流量Qnは、演算タイミングC(s)よりも後の1サイクルの終了時におけるコモンレール20内の圧力を、目標圧力Tpとするために、必要な燃料の流量である。すなわち、必要燃料流量算出手段は、所定の演算タイミングC(s)において、時点T(s+1)の予測圧力Ptopに基づいて、時点T(s+2)におけるコモンレール20内の圧力を目標圧力Tpとするために、T(s+1)〜T(s+2)の1サイクルにおいて必要な燃料を算出する。目標圧力Tpは、演算タイミングC(s)において決定された目標圧力Tpである。
具体的には、必要燃料流量算出手段は、予測圧力偏差ΔPt、T(s+1)〜T(s+2)の1サイクルにおいて燃料噴射弁10から噴射されるべき噴射量、及び上記1サイクルにおいて燃料噴射弁10で発生する燃料の漏れ量に基づいて、必要燃料流量Qnを決定する。予測圧力偏差ΔPtは、時点T(s+1)における予測圧力Ptopと、演算タイミングC(s)において決定した目標圧力Tpとの差圧である。また、噴射されるべき噴射量は、原則として、演算タイミングC(s)において決定された目標噴射量とする。しかし、目標噴射量が予め設定された最小噴射量未満となるときには、この最小噴射量を噴射されるべき噴射量とする。また、燃料の漏れ量は、燃料噴射時間(燃料噴射弁10の開弁時間)、燃料の温度及び圧力等をパラメータとしてROMに記憶されているマップ等に基づいて決定される。
ここで、燃料の漏れ量とは、燃料噴射弁10のノズルニードルとボデーとの摺動隙間から低圧側の空間へ僅かに流出する燃料量や、燃料噴射弁10の制御室から低圧側へ燃料を逃がすことでノズルニードルを開弁させる際に、制御室から流出する燃料量等である。
なお、必要燃料流量Qnは、質量流量ではなく体積流量であるので、質量流量が一定であっても、燃料の温度及び圧力のうちのいずれかが変化すると、流量(体積流量)は変化する。そこで、以下、必要燃料流量Qnの流量とは、基準状態(例えば、燃料温度を40℃とし、燃料圧力を1気圧とした状態)に変換した流量をいう。後述する実流量Qrについても同様である。
<実流量Qrの算出>
実流量算出手段は、所定の演算タイミングC(s)よりも前のT(s−1)〜T(s)の1サイクルにおいて、コモンレール20に供給された燃料の流量である実流量Qrを算出する。
具体的には、実流量算出手段は、T(s−1)〜T(s)の1サイクルにおける実圧力Psensの変化量、及びこの1サイクルに燃料噴射弁10で発生した燃料の流出量に基づいて、この1サイクルにおける実流量Qrを算出する。この1サイクルにおける実圧力Psensの変化量は、時点T(s−1)で検出された実圧力Psensと、時点T(s)で検出された実圧力Psensとの変化量である。この1サイクルに燃料噴射弁10で発生した燃料の流出量は、この1サイクルにおける目標噴射量に燃料の漏れ量を加えた量である。この1サイクルにおける目標噴射量が最小噴射量未満の場合は、流出した燃料の量を、最小噴射量に燃料の漏れ量を加えた量とする。
<F/B流量の算出>
フィードバック流量算出手段は、所定の演算タイミングC(s)よりも前のT(s−1)〜T(s)の1サイクルおける必要燃料流量Qnと、実流量Qrとの差分に基づいて、高圧ポンプ30のF/B流量を算出する。T(s−1)〜T(s)の1サイクルおける必要燃料流量Qnは、演算タイミングC(s−2)において算出されたものとなる。
<ポンプ指令値の算出>
ポンプ制御手段は、所定の演算タイミングC(s)において、T(s+1)〜T(s+2)の1サイクルにおける必要燃料流量Qnに、高圧ポンプ30のF/B流量を加算した流量の燃料が、高圧ポンプ30から吐出されるように高圧ポンプ30を制御する。すなわち、ポンプ制御手段は、上記流量の燃料を高圧ポンプ30の指令値とする。ポンプ制御手段は、T(s+1)〜T(s+2)の1サイクルにおける必要燃料流量Qnが正の値の場合に、上記制御を実施する。
次に、高圧ポンプ30を制御する処理手順について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。本処理手順は、ECU50が演算タイミングにおいて実施する。
まず、ポンプ圧送損失、すなわち高圧ポンプ30の漏れ量及びデッドボリューム等を算出する(S10)。続いて、今回の演算タイミングの直後の1サイクルにおいて燃料噴射弁10で発生する燃料の流出量を算出し(S11)、さらに、基準状態における予測圧力偏差ΔPtに相当する流量(圧力偏差補正分)を算出する(S12)。
続いて、S11で算出した燃料の流出量と、S12で算出した圧力偏差補正分を加算することにより、今回(直後の1サイクル)の必要燃料流量Qnを算出する(S13)。続いて、現演算タイミングの直前の1サイクルにおける実流量Qrを算出する(S14)。
続いて、前々回の演算タイミングで算出した必要燃料流量Qn、すなわち今回の演算タイミングの直前の1サイクルにおける必要燃料流量Qnの値が、0以上か否か判定する(S15)。前々回の必要燃料流量Qnの値が0以上である場合には(S15:YES)、高圧ポンプ30の吸入弁30Cを制御する際に用いるF/B流量を新たに算出し、高圧ポンプ30のF/B流量を更新する(S16)。この場合、減圧弁23のF/B流量は更新せず、前回の値を維持する。
一方、前々回の必要燃料流量Qnの値が0未満の場合には(S15:NO)、減圧弁23を制御する際に用いるF/B流量を新たに算出し、減圧弁23のF/B流量を更新する(S17)。この場合、高圧ポンプ30のF/B流量は更新せず、前回の値を維持する。
続いて、S13で算出した今回の必要燃料流量Qnの値が0以上か否か判定する(S18)。今回の必要燃料流量Qnの値が0以上の場合は(S18:YES)、今回の必要燃料流量Qnに、S16で算出した高圧ポンプ30のF/B流量、及びS10で算出したポンプ圧送損失を加算した値を流量指令値として算出する(S19)。そして、S19で算出した流量指令値に応じた駆動信号を、高圧ポンプ30の吸入弁30Cに送信して、高圧ポンプ30を駆動させる。なお、S19で算出した流量指令値が高圧ポンプ30の最大吐出量に相当する流量指令値を超える場合は、流量指令値を最大吐出量に相当する値にする。
一方、今回の必要燃料流量Qnの値が0未満の場合は(S18:NO)、今回の必要燃料流量Qnに、S17で算出した減圧弁23のF/B流量を加算した値を流量指令値として算出する(S21)。そして、S21で算出した流量指令値に応じた駆動信号を、減圧弁23に送信して、減圧弁23を駆動させる(S22)。なお、S22で算出した流量指令値が減圧弁23の最大排出流量に相当する流量指令値を超える場合は、流量指令値を最大排出流量に相当する値にする。
上述した高圧ポンプ30の制御では、1サイクルごとに、コモンレール20における燃料の流入出量を想定して算出した予測圧力Ptopを用いている。そのため、コモンレール20における燃料の流入出量が想定していたバランスから崩れ、実際の流出量が想定していた流出量よりも少なくなる、又は実際の流入量が想定していた流入量よりも多くなると、実圧力Psensと目標圧力Tpとが乖離しつづけるおそれがある。コモンレール20からの実際の燃料の流出量が想定していた流出量よりも少なくなる事態は、例えば、燃料噴射弁10の劣化等により、実際の噴射量が目標噴射量よりも少なくなる場合に生じる。また、コモンレール20への実際の燃料の流入量が想定していた流入量よりも多くなる事態は、例えば、高圧ポンプ30の劣化等により、実際の燃料の吐出量が流量指令値に相当する量よりも多くなる場合に生じる。
図3(b)は、噴射率波形を模式的に表したものであり、噴射率波形の面積が実際の噴射量を表す。図3(e)は、目標圧力Tp、実圧力Psens及び予測圧力Ptopの変動を模式的に表したものである。図3において、T1〜T4の期間は、実際の噴射量と目標噴射量が略等しい正常状態であり、実圧力Psensは目標圧力Tpと略一致している。一方、時点T4以降は、実際の噴射量が目標噴射量よりも少ない状態となっており、実圧力Psensと目標圧力Tpとが乖離した状態が継続している。
実際の噴射量が目標噴射量よりも少ない状態でも、流量指令値の演算においては、目標噴射量が継続して用いられる。そのため、演算タイミングC4において、時点T5におけるコモンレール20内の圧力が目標圧力Tpとなるように算出した必要燃料流量Qnは、本来必要な燃料流量よりも多くなる。その結果、時点T5における実圧力Psensは目標圧力Tpよりも高くなる。そして、演算タイミングC5において、時点T5における実圧力Psensに基づいて時点T6における予測圧力Ptopを算出すると、予測圧力Ptopも目標圧力Tpより大きくなり、予測圧力偏差ΔPtは正の大きな値になる。
演算タイミングC5において、予測圧力偏差ΔPtに相当する流量が、T6〜T7の1サイクルにおいて燃料噴射弁10で発生する燃料の流出量よりも大きい場合、必要燃料流量Qnは0未満になる。その結果、T6〜T7の1サイクルにおいて、高圧ポンプ30による燃料の圧送が停止し、演算タイミングC5において高圧ポンプ30のF/B流量は更新されない。
そして、次の演算タイミングC6では、時点T7における予測圧力Ptopが下がることにより、必要燃料流量Qnが0以上となると、T7〜T8の1サイクルにおいて、高圧ポンプ30による燃料の圧送が行われ、高圧ポンプ30のF/B流量は更新される。次の演算タイミングC7では、時点T8における予測圧力Ptopが上がることにより、必要燃料流量Qnが0未満になると、T8〜T9の1サイクルにおいて、高圧ポンプ30による燃料の圧送が停止し、高圧ポンプ30のF/B流量は更新されない。
このように、図3の時点T6以降において、高圧ポンプ30による燃料の圧送サイクルと圧送停止サイクルとを繰り返す事態が生じることがある。その結果、一旦必要燃料流量Qnと実流量Qrが釣り合うと、高圧ポンプ30のF/B流量が略一定の値のままとなり、実圧力Psensと目標圧力Tpとが乖離した状態が継続されることになる。したがって、このような場合には、必要燃料流量Qnと実流量Qrとの釣り合いを解消するように、釣り合いモード制御を実施する。
<釣り合いモード制御>
次に、釣り合いモード制御を実施するか否か判定する処理手順について、図5のフローチャートを参照して説明する。本処理手順は、ECU50が、図4のフローチャートのS16又はS17の処理の後からS18の処理の開始までの間で実施する。
まず、燃料噴射システムが正常状態か否か判定する(S31)。すなわち、高圧ポンプ30や燃料噴射弁10を駆動して、燃料の圧送や噴射を実施できる状態か否かを判定する。燃料噴射システムが正常状態でない場合は(S31:NO)、本処理を終了する。一方、燃料噴射システムが正常状態の場合は(S31:YES)、圧力偏差ΔP=実圧力Psens−目標圧力Tpを算出する(S32)。ここでの実圧力Psensは、演算タイミングよりも前に検出された実圧力Psensであって、演算タイミングの直近の1サイクルの終了時に検出されたものである。すなわち、演算タイミングC(s)では、時点T(s)で検出された実圧力Psensである。
続いて、S33で算出した圧力偏差ΔPが0よりも大きいか否か判定する(S33)。燃料噴射弁10の実際の噴射量が目標噴射量よりも多かったり、高圧ポンプ30の実際の吐出量が流量指令値に対応する量よりも少なかったりした場合は、圧力偏差ΔPは0以下になる。このような場合は、燃料の圧送が停止されることはないので、高圧ポンプ30のF/B流量が更新され続ける。そのため、実圧力Psensは目標圧力Tpに追従するので、釣り合いモード制御を実施する必要はない。よって、圧力偏差ΔPが0以下の場合は(S33:NO)、釣り合いモード制御の実施はせずに、カウンタnを0に設定して(S42)、本処理を終了する。
一方、圧力偏差ΔPが0よりも大きい場合は(S33:YES)、次に、圧力偏差ΔPの大きさが、閾値Th1以下か否か判定する(S34)。閾値Th1は、実圧力Psensが目標圧力Tpから大きく乖離している状態を判定する閾値である。圧力偏差ΔPの大きさが閾値Th1よりも大きい場合は(S34:NO)、過渡状態か否か判定する(S40)。過渡状態の場合は(S40:YES)、一時的に圧力偏差ΔPの大きさが閾値Th1よりも大きくなることもあり得るため、そのまま本処理を終了する。過渡状態でない場合は(S40:NO)、異常状態と判定して適宜フェイル処理を実施する(S41)。
一方、圧力偏差ΔPの大きさが閾値Th1以下の場合は(S34:YES)、次に、圧力偏差ΔPの大きさが閾値Th2(第2閾値)よりも大きいか否か判定する(S35)。第2閾値は、実圧力Psensが目標圧力Tpに追従していない状態を判定する閾値である。圧力偏差ΔPの大きさが閾値Th2以下の場合は(S35:NO)、実圧力Psensが目標圧力Tpに追従していると判定して、釣り合いモード制御の実施はせずに、カウンタnを0に設定して(S42)、本処理を終了する。
一方、圧力偏差ΔPの大きさが閾値Th2よりも大きい場合は(S35:YES)、次に、今回の演算タイミングにおける高圧ポンプ30のF/B流量と、前回の演算タイミングにおける高圧ポンプ30のF/B流量との差分の大きさが、閾値Th3(第1閾値)よりも小さいか否か判定する(S36)。すなわち、高圧ポンプ30のF/B流量の変動量が閾値Th3よりも小さいか否か判定する。閾値Th3は、高圧ポンプ30のF/B流量が変動していない状態を判定する閾値である。
今回と前回との高圧ポンプ30のF/B流量の差分の大きさが、閾値Th3以上の場合は(S36:NO)、この後、実圧力Psensが目標圧力Tpに追従し得るので、釣り合いモード制御は実施せずに、カウンタnを0に設定して(S42)、本処理を終了する。
一方、今回と前回との高圧ポンプ30のF/B流量の差分の大きさが、閾値Th3よりも小さい場合は(S36:YES)、カウンタnを1増やしてn+1にする(S37)。カウンタnの初期値は0に設定されている。続いて、カウンタnが閾値Th4よりも大きいか否か判定する(S38)。閾値Th4は、必要燃料流量Qnと実流量Qrとの釣り合いが継続している状態を判定する閾値である。すなわち、閾値Th4よりも多くの回数の連続した演算タイミングにおいて、必要燃料流量Qnと実流量Qrとの釣り合いが継続している場合に、釣り合いモード制御処理を実施する。カウンタnが閾値Th4以下の場合は(S38:NO)、本処理を終了する。一方、カウンタnが閾値Th4よりも大きい場合は(S38:YES)、釣り合いモード制御処理を実施する(S39)。すなわち、釣り合い解消手段により、今回の演算タイミングの直後の1サイクルにおける必要燃料流量Qnを変化させる。
次に、本実施形態に係る釣り合い制御モードの処理手順について、図6のサブルーチンを参照して説明する。
まず、圧力偏差に基づいて燃料変化量ΔQtpを算出する(S51)。圧力偏差ΔPは、今回の演算タイミングよりも前であって、今回の演算タイミングの直近の1サイクルの終了時に検出された実圧力Psensと、目標圧力Tpとの差圧である。続いて、今回の演算タイミングで算出した必要燃料流量QnからS51で算出した燃料変化量ΔQtpを減算した値を、今回の必要燃料流量Qnとする。この必要燃料流量Qnの更新により、釣り合いモード制御を実施しない場合よりも、今回の演算タイミングの直後の1サイクルにおける必要燃料流量Qnが減らされる。その結果、必要燃料流量Qnと実流量Qrとの釣り合いを解消できるとともに、実圧力Psensと目標圧力Tpとの差圧を小さくできる。以上で釣り合いモード制御処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
・実圧力Psensが目標圧力Tpよりも大きく、且つ高圧ポンプ30のF/B流量の変動量が閾値Th3よりも小さい場合に、後の1サイクルにおける必要燃料流量Qnが変化させられる。これにより、必要燃料流量Qnと実流量Qrとの釣り合いを解消して、実圧力Psensを目標圧力Tpに追従させることができる。したがって、コモンレール20における燃料の流入出量が想定していたバランスから崩れた場合でも、コモンレール20の実圧力Psensを目標圧力Tpに追従させることができる。
・圧力偏差ΔPが閾値Th2より大きい場合に限って、釣り合いモード制御処理が実施される。すなわち、実圧力Psensが目標圧力Tpに追従していない状態に限って、必要燃料流量Qnと実流量Qrとの釣り合いを解消する処理を実施できる。
・演算タイミングを、1サイクルの開始時点から半サイクル経過した時点としたことにより、次の1サイクルの開始時点までに、高圧ポンプ30の流量指令値の算出を終えることができる。また、1サイクルの開始時点において検出された実圧力Psensを用いることができる。
・演算タイミング直後の1サイクルにおける必要燃料流量Qnを、上記演算タイミングで算出された必要燃料流量Qnから、圧力偏差ΔPに基づいて算出された燃料変化量ΔQtpを減算した値に更新することにより、必要燃料流量Qnと実流量Qrとの釣り合いを解消させることができる。また、必要燃料流量Qnを燃料変化量ΔQtp分小さくすることにより、釣り合いモード制御を実施しない場合よりも、実圧力Psensを小さくして目標圧力Tpに近づけることができる。したがって、実圧力Psensを目標圧力Tpに確実に追従させることができる。
・図6のサブルーチンのS51の処理において、燃料変化量ΔQtpに係数を乗算して、燃料変化量ΔQtpを段階的に変化させてもよい。係数は、例えば、カウンタnの関数とすればよい。
(第2実施形態)
第2実施形態は、釣り合いモード制御処理が第1実施形態と異なる。第2実施形態では、演算タイミングにおいて、必要燃料流量Qnを算出する前に釣り合いモード制御を実施する。具体的には、図4のフローチャートにおいて、S13の処理を、S16又はS17の処理の後、且つS18の処理の前に実行する。そして、S16又はS17の処理の後、且つS13の処理を開始する前に、図5のフローチャートを実行し、釣り合いモード制御に入った場合には、図7のサブルーチンを実行する。以下、第2実施形態に係る釣り合いモード制御処理について、図7のサブルーチンを参照しつつ説明する。
まず、今回の演算タイミングにおいて、必要燃料流量Qnを算出する際に用いる体積弾性係数Kに乗算する係数αを、1よりも大きな値に設定する(S61)。続いて、今回の演算タイミングにおいて、必要燃料流量Qnを算出する際に用いる体積弾性係数Kを、前回の演算タイミングにおいて必要燃料流量Qnを算出する際に用いた体積弾性係数Kに、S61で設定した係数αを乗算した値にする(S62)。これにより、予測圧力偏差ΔPtを流量に変化する際の体積弾性係数Kが、釣り合いモード制御を実施しない場合よりも大きくなる。その結果、今回の演算タイミングにおいて算出される必要燃料流量Qnが、釣り合いモード制御を実施しない場合よりも小さくなる。その結果、必要燃料流量Qnと実流量Qrとの釣り合いを解消できるとともに、実圧力Psensと目標圧力Tpとの差圧を小さくできる。以上で釣り合いモード制御処理を終了する。
以上説明した第2実施形態によれば、必要燃料流量Qnを算出する際に用いる体積弾性係数Kを大きくすることにより、釣り合い制御モードを実施しない場合に算出する必要燃料流量Qnよりも、必要燃料流量Qnを小さくできる。その結果、釣り合い制御モードを実施しない場合よりも、実圧力Psensを小さくして、目標圧力Tpに近づけることができる。したがって、実圧力Psensを目標圧力Tpに確実に追従させることができる。
・図7のサブルーチンのS62の処理において、係数αを段階的に変化させてもよい。例えば、係数αはカウンタnの関数とすればよい。
・必要燃料流量Qnを算出する際に圧力の変化量を燃料の流量に換算するために用いる係数であれば、体積弾性係数K以外の係数を、必要燃料流量Qnが少なくなるように変化させてもよい。例えば、必要燃料流量Qnを基準状態に変換する際の係数を変化させてもよい。また、燃料の温度をポンプ用温度センサ31により検出された温度から変化させてもよい。
(他の実施形態)
・図5のフローチャートにおいて、S34の処理を省略することもできる。
・燃料噴射システムの制御装置は、ディーゼルエンジンを対象にしたコモンレール式の燃料噴射システムに限らず、デリバリパイプ(蓄圧容器)を備えた直噴エンジンの燃料噴射システムに適用されるものであってもよい。
10…燃料噴射弁、20…コモンレール、21…圧力センサ、23…減圧弁、30…高圧ポンプ、30A…プランジャ、40…エンジン。

Claims (7)

  1. プランジャ(30A)の往復駆動により燃料を加圧供給する高圧ポンプ(30)と、前記高圧ポンプから供給された燃料を蓄圧保持する蓄圧容器(20)と、前記蓄圧容器内の燃料を内燃機関(40)に噴射供給する燃料噴射弁(10)と、前記蓄圧容器内の実圧力を検出する圧力センサ(21)と、を備える燃料噴射システムに適用される制御装置(50)であって、
    所定の演算タイミングにおいて、前記タイミングよりも前に検出された前記実圧力に基づいて、前記タイミングよりも後の前記プランジャの往復駆動の1サイクルの開始時における前記蓄圧容器内の予測圧力を算出する予測圧力算出手段と、
    前記タイミングにおいて、前記予測圧力算出手段により算出された前記予測圧力に基づいて、前記タイミングよりも後の前記1サイクルの終了時における前記蓄圧容器内の圧力を目標圧力とするために、前記後の1サイクルにおいて必要な燃料の流量である必要燃料流量を算出する必要燃料流量算出手段と、
    前記タイミングよりも前の前記1サイクルにおいて、前記蓄圧容器に供給された燃料の流量である実流量を算出する実流量算出手段と、
    前記前の1サイクルにおける前記必要燃料流量と前記実流量との差分に基づいて、フィードバック流量を算出するフィードバック流量算出手段と、
    前記後の1サイクルにおける前記必要燃料流量が正の値の場合に、前記後の1サイクルにおける前記必要燃料流量に前記フィードバック流量を加算した流量の燃料が前記高圧ポンプから吐出されるように前記高圧ポンプを制御するポンプ制御手段と、
    検出された前記実圧力が前記目標圧力よりも大きく、且つ前記フィードバック流量算出手段により算出された前記フィードバック流量の変動量が第1閾値よりも小さい場合に、前記後の1サイクルにおける前記必要燃料流量を変化させる釣り合い解消手段と、を備えることを特徴とする燃料噴射システムの制御装置。
  2. 前記釣り合い解消手段は、検出された前記実圧力と前記目標圧力との圧力偏差が第2閾値よりも大きいことを条件として、前記後の1サイクルにおける前記必要燃料流量を変化させる請求項1に記載の燃料噴射システムの制御装置。
  3. 前記演算タイミングは、前記1サイクルの開始時から前記プランジャの往復駆動の半サイクルが経過した時点付近のタイミングである請求項1又は2に記載の燃料噴射システムの制御装置。
  4. 前記実圧力は、前記1サイクルの終了時の都度検出され、
    前記タイミングよりも前に検出された前記実圧力は、前記所定の演算タイミングに最も近い前記1サイクルの終了時に検出されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の燃料噴射システムの制御装置。
  5. 前記釣り合い解消手段は、検出された前記実圧力と前記目標圧力との圧力偏差に基づいて燃料変化量を算出し、前記後の1サイクルにおける前記必要燃料流量を、前記タイミングで算出された前記必要燃料流量から前記燃料変化量を減算した値に更新する請求項1〜4のいずれかに記載の燃料噴射システムの制御装置。
  6. 前記必要燃料流量は体積流量であり、
    前記釣り合い解消手段は、前記必要燃料流量を算出する際に圧力の変化量を燃料の流量に換算するために用いる係数を変化させる請求項1〜4のいずれかに記載の燃料噴射システムの制御装置。
  7. 前記係数は体積弾性係数であり、
    前記釣り合い解消手段は、前記演算タイミングの都度、前記体積弾性係数を前回の前記演算タイミングにおける前記体積弾性係数よりも大きくする請求項6に記載の燃料噴射システムの制御装置。
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