JP5042288B2 - 高圧燃料ポンプの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置に係り、特に、内燃機関の燃料噴射弁に圧送される高圧燃料の吐出量を可変に調節できる内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置に関する。
現在の自動車は、環境保全の観点から自動車の排出ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の特定物質の排出ガスの削減が要求されており、これらの削減を目的として、ダイレクトインジェクションエンジン(筒内噴射内燃機関)の開発が行われている。前記筒内噴射内燃機関は、燃料噴射弁による燃料噴射を気筒の燃焼室内に直接行うものであり、前記燃料噴射弁から噴射される燃料の粒径を小さくさせることによって前記噴射燃料の燃焼を促進し、前記排出ガス中の特定物質の削減及び内燃機関出力の向上等を図っている。
ここで、前記燃料噴射弁から噴射される燃料の粒径を小さくするには、前記燃料の高圧化を図る手段が必要になり、このため前記燃料噴射弁に高圧の燃料を圧送する高圧燃料ポンプの技術が各種提案されている(例えば、特開平10−153157号公報、特開2001−123913号公報、特開2000−8997号公報、特開平11−336638号公報、特開平11−324860号公報、特開平11−324757号公報、特開2000−18130号公報、特開2001−248515号公報等参照)。
前記特開平10−153157号公報所載の技術は、内燃機関の高圧燃料供給装置における燃料供給能力の向上を図るものであり、前記装置の可変吐出量高圧ポンプは、ポンプ室に3つの通路、すなわち、前記ポンプ室に低圧燃料を流入させる流入通路と、コモンレールに高圧燃料を送る供給通路と、スピル通路とが連通されており、前記スピル通路にはスピル弁が接続され、前記スピル弁の開閉動作によって燃料タンクへのスピル量を制御することにより吐出量を調整している。特開2001−123913号公報所載の技術は、ポンプ室の容積を吸入行程開始から吐出行程終了直前までの間に変化させることにより、吐出量を調整している。
また、前記特開2000−8997号公報所載の技術は、燃料噴射弁の燃料噴射量に応じて供給される高圧燃料の流量制御を行うことにより、高圧燃料ポンプ駆動力の低減及び流量制御用の弁が作動しない場合にも燃料の供給を行うものであり、吸入弁の下流側(加圧室側)の圧力が上流側(吸入口側)の圧力に対して同等又はそれ以上のときに前記吸入弁に閉弁力が発生するものであって、前記吸入弁が閉弁方向に移動した際に係合するように付勢力を与えられた係合部材、外部入力により前記付勢力と逆方向の付勢力を係合部材に作用させるアクチュエータが設けられており、前記吸入弁の開閉動作により燃料吐出量を調節しているものである。
さらに、前記特開平11−336638号公報所載の技術は、内燃機関運転状態にかかわらず精度良く燃料調量を行うものであり、3筒式ポンプにおいて燃料吐出量のサイクル変動を防止するため、ポンプの圧送に同期させて電磁弁の開閉を制御している。
さらにまた、前記特開平11−324860号公報所載の技術は、可変吐出量高圧ポンプにおいて流量制御の高精度化、装置の小型化及びコスト低減を図るものであり、前記特開平11−324757号公報所載の技術は、燃料噴射圧力を可変制御する装置において目標圧力が変化した場合の応答性の向上を図るものであり、前記特開2000−18130号公報所載の技術は、燃料ポンプから吐出される燃料を常閉の電磁弁を用いて吸込み側にリリーフさせ、燃料噴射弁側の燃圧制御を行い、信頼性の向上を図るものである。
さらにまた、前記特開2001−248515号公報所載の技術は、前記常閉の電磁弁に与えられる開弁信号をコイル温度異常上昇を防ぐ目的で、燃料ポンププランジャの上死点から下死点に向かう吸入行程中における上死点過ぎの所定の位置において終了するように構成されている。
特開平10−153157号公報 特開2001−123913号公報 特開2000−8997号公報 特開平11−336638号公報 特開平11−324860号公報 特開平11−324757号公報 特開2000−18130号公報 特開2001−248515号公報
ところで、前記可変吐出量高圧ポンプによる従来の燃料圧力制御の動作タイミングチャートは、図27に示すように、カム角信号とクランク角信号とからREF信号1801が生成され、REF信号1801を基準にして、角度又は時間制御でアクチュエータ駆動信号であるソレノイド制御信号(パルス)1802が出力される。ソレノイド制御信号1802を終了してもコイルにはしばらく電流が流れるため、ソレノイドは吸引力を維持したままとなる。
例えば、ポンプに少量吐出量要求がなされた場合、ソレノイド制御信号1802は、図27に示されているように、プランジャ上死点付近で出力され(制御内容詳細は、後述)、このとき、ソレノイドの吸引力が次の吐出行程まで維持されたままとなった場合、高圧燃料ポンプの特性によりポンプは全量吐出を行う。つまり、前記高圧ポンプは全量吐出を行う一方で、ポンプには少量吐出を要求していることから、計測燃料圧力は目標燃料圧力に追従することが不可能となる。
また、図28に示すように、回転数及び負荷に基づいて算出された目標燃料圧力1803が大きく上昇した場合には、実際の燃料圧力である計測燃料圧力1804を目標燃料圧力1803に追従させるため、できる限り多くの燃料を吐出しようとし、F/B量が大きくなるので、本来の吐出すべき領域ではない領域にてソレノイド制御信号1802が出力され、これが続くと、図28に示すように、基準点である前記REF信号1801からソレノイド制御信号1802が出力され得ることになる。
ここで、例えば、前記REF信号1801が、吐出通路に燃料圧送を可能とする位相上にない場合には、前記高圧ポンプは吐出通路に燃料圧送不能になる一方で、燃料噴射弁は燃料噴射を行うことから、計測燃料圧力1804は目標燃料圧力1803に追従することができなくなる。
これらの例から理解されるように、従来のものは、内燃機関の運転条件における最適な燃料圧力を実現することができなくなり、ピストン表面に燃料が付着する等によって安定した燃焼が得られなくなり、排出ガスの悪化という問題が発生する。
即ち、本発明者は、可変吐出量高圧ポンプの制御においては、前記ソレノイド制御信号の出力するタイミング、終了するタイミングおよびその幅を制御することが重要であるとの知見を得たものであること、つまり、高圧燃料ポンプ制御装置は、前記アクチュエータの駆動信号の終了タイミングを、エンジン回転数、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量、バッテリ電圧、コイル抵抗の少なくとも1つを用いて算出し、前記プランジャの上死点以前に制限すること、及び、前記アクチュエータの駆動信号の出力タイミングを圧送できる位相範囲である所定のアクチュエータ動作時間及び前記プランジャが下死点から上死点に達するまでの時間内に制限する必要があるとの新たな知見を得たものである。
しかし、前記従来の各技術は、例えば、コモンレールに送る燃料圧送量を調節するスピル弁の開閉時期を制御装置から送ること等については記載されているものの、可変吐出量高圧ポンプのアクチュエータであるソレノイドの制御信号を制限する点については示されていないし、前記の点についての格別の配慮もなされていない。
本発明は、前記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高圧燃料ポンプの駆動信号の終了タイミングを制限すること、及び、高圧燃料ポンプの制御有効範囲においてアクチュエータを駆動することにより、高圧燃料ポンプの駆動制御の安定性の向上を図ることのできる内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、基本的には、気筒に備えられた燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプと、を有し、前記高圧燃料ポンプは、加圧室と、前記加圧室内の燃料を加圧するプランジャと、前記加圧室内に設けた燃料燃料通過弁と、前記燃料通過弁を操作するアクチュエータとを有するものであり、前記制御装置は、前記高圧燃料ポンプの吐出量又は圧力を可変とするべく、前記アクチュエータの駆動信号を算出する手段を有し、該駆動信号を算出する手段は、前記アクチュエータの駆動信号の終了タイミングを所定の位相に制限する手段を有することを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、燃料の吸入通路を閉じさせるアクチュエータの駆動信号の出力時期が、燃料吐出量の制御を確実に可能とする位相の範囲内に制限されているので、燃料圧力を最適かつ迅速に制御することができ、燃焼の安定化及び排出ガス性能の改善に貢献することができる。
また、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の具体的な態様は、前記所定の位相に制限する手段は、前記アクチュエータの駆動信号の終了タイミングを、前記プランジャの上死点以前に制限することを特徴としている。
更に、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の他の具体的な態様は、前記所定の位相に制限する手段は、前記アクチュエータの駆動信号の終了タイミングを、エンジン回転数、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量、バッテリ電圧、コイル抵抗の少なくとも1つを用いて算出することを特徴としている。
更にまた、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の具体的な態様は、前記所定の位相に制限する手段は、電子回路を用いているものであることを特徴とし、前記アクチュエータの駆動信号の終了タイミングが前記所定の位相に制限された場合、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期の少なくとも1つを変更制御することを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、アクチュエータの駆動信号の終了タイミングが前記所定の位相に制限されたことに加えて、内燃機関の運転が成層燃焼中か、燃料圧力の脈動が許容値以内か等を踏まえて、内燃機関の燃焼の切り換え制御を行うことができる。
本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の他の態様は、前記制御装置が、前記高圧燃料ポンプの吐出量又は圧力を可変とするべく、前記アクチュエータの駆動信号を算出する手段を有し、該駆動信号を算出する手段は、前記アクチュエータの駆動信号の出力タイミングが所定の位相以降の場合に駆動信号を出力しない手段を有することを特徴としており、前記駆動信号が出力されなかった場合、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期の少なくとも1つを変更制御することを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、前記ポンプ制御装置の制御処理において、前記アクチュエータの駆動要求時間が運転条件等で算出される駆動時間より大きくなることがあり、このような場合最悪条件として燃料通過弁を確実に閉弁できない可能性があって、前記高圧ポンプが圧送を行えず、燃料圧力が脈動を大きくする可能性がある。この場合は、前記アクチュエータの駆動信号の出力することが不可能であると判定し、ポンプ位相制御信号駆動時間=0として、ソレノイドへの通電(アクチュエータの駆動)を禁止するものである。
更に、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の更に他の態様は、前記制御装置が、前記高圧燃料ポンプの吐出量を可変とするべく、前記アクチュエータの駆動信号を算出する手段を有し、該駆動信号を算出する手段は、前記アクチュエータの駆動信号の出力タイミングを所定の位相の範囲内に制限する手段を有することを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、REF信号を基準とした制限間隔の後に、前記アクチュエータの駆動信号をポンプ圧送可能位相範囲内の角度又は時間に出力できるので、目標燃料圧力が大きく上昇しても、プランジャの下死点における燃料吐出量を確保することができ、実燃料圧力である計測燃料圧力が目標燃料圧力に迅速に追従されて燃圧の上昇が促進され、各燃料噴射弁からの噴霧粒径の微粒化を促進させることができるとともに、HCの排出量の低減も達成することができ、内燃機関始動時には、その始動時間の短時間化を図ることができる。
更にまた、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の他の具体的な態様は、前記所定の位相の範囲内に制限する手段は、前記アクチュエータの駆動信号の出力タイミングを、前記プランジャの下死点から前記アクチュエータ動作時間分遡った時点以降に制限することを特徴とし、前記アクチュエータの駆動信号の出力タイミングを、前記プランジャが上死点に到達する時点以内に制限することを特徴とし、更に、前記アクチュエータの駆動信号の出力タイミングを、前記プランジャの下死点から上死点に達するまでの間、及び、前記プランジャの下死点前であって前記アクチュエータ動作時間以内に制限することを特徴としている。
更にまた、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の他の具体的な態様は、前記アクチュエータの駆動信号を算出する手段は、前記アクチュエータの基本角度、目標となる燃料圧力及び実際の燃料圧力に基づいて、前記アクチュエータの基準角度を演算する手段と、前記アクチュエータの作動遅れを補正する手段とを有し、これらの出力信号に基づいて前記アクチュエータの動作開始時間を算出することを特徴とし、前記所定の位相の範囲内に制限する手段は、前記アクチュエータの基準角度を演算する手段からの出力信号に対して制限を行うことを特徴とし、更に、前記アクチュエータの基準角度を演算する手段及び前記アクチュエータの作動遅れを補正する手段からの出力信号に対して制限を行うことを特徴としている。
更にまた、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の他の具体的な態様は、前記所定の位相の範囲内に制限する手段は、内燃機関の運転状態に応じて前記位相の範囲を検索することを特徴とし、前記実際の燃料圧力と前記目標となる燃料圧力との差から算出されるフィードバック制御量に対して制限を行うことを特徴とし、前記実際の燃料圧力を前記目標となる燃料圧力に一致させる制御量に対して制限を行うことを特徴とし、及び、電子回路であることを特徴としている。
更にまた、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の他の具体的な態様は、前記アクチュエータの駆動信号を算出する手段は、前記アクチュエータの駆動信号の幅を内燃機関回転数又は及びバッテリ電圧によって可変させることを特徴としている。
更にまた、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の更に他の態様は、前記制御装置は、実際の燃料圧力と目標となる燃料圧力とを比較し、その圧力差が所定値以上であって所定時間以上続いた場合には、前記高圧燃料ポンプに加圧を禁止させることを特徴とし、実際の燃料圧力と目標となる燃料圧力とを比較し、その圧力差が所定値以上であって前記実際の燃料圧力が前記目標となる燃料圧力よりも小さい場合には、前記高圧燃料ポンプに全吐出させることを特徴とし、実際の燃料圧力と目標となる燃料圧力とを比較し、その圧力差が所定値以上であって前記実際の燃料圧力が前記目標となる燃料圧力よりも大きい場合には、前記高圧燃料ポンプに加圧を禁止させることを特徴とし、及び、前記所定値又は前記所定時間は、内燃機関の運転状態に応じて検索されることを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、目標燃料圧力と計測燃料圧力との圧力差が既定値未満のときには、計測燃料圧力を目標燃料圧力に追従させるべく通常のF/B制御を行い、目標燃料圧力が計測燃料圧力よりも大きい場合には、プランジャの下死点からの全吐出制御を行うことができる。つまり、高圧燃料ポンプに全吐出を行わせることにより、計測燃料圧力を迅速に目標燃料圧力に近付けることができる。
一方、計測燃料圧力の方が目標燃料圧力より大きい場合には、高圧燃料ポンプによる加圧禁止制御を行う。つまり、アクチュエータのOFF信号を出力若しくはプランジャの上死点にてON信号を出力し、高圧燃料ポンプによる加圧を禁止にすることにより、計測燃料圧力を迅速に目標燃料圧力に近付けることができる。
また、高圧燃料配管系に異常が起き、燃料圧力が既定値以上に上昇した場合に高圧燃料ポンプが加圧禁止となって燃料圧力上昇を抑制することができるので、システムの安全性の向上にも貢献できる。
本発明の一実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置を備えた内燃機関の制御システムの全体構成図。 図1の内燃機関制御装置の内部構成図。 図1の高圧燃料ポンプを備えた燃料系システムの全体構成図。 図3の高圧燃料ポンプの縦断面図。 図3の高圧燃料ポンプの動作タイミングチャート。 図5の動作タイミングチャートの補足説明図。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置による基本制御ブロック図。 図3の高圧燃料ポンプにおける吐出流量特性を示す図。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置の基本動作タイミングチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置のポンプ制御信号算出手段の制御ブロック図。 図3の高圧燃料ポンプにおけるソレノイド制御信号と吸引力の関係を示す図。 図10の高圧燃料ポンプ制御装置のポンプ制御信号算出手段の補足説明図。 図10のポンプ制御信号算出手段の通電時間最大値算出手段の他の実施例の基本制御ブロック図。 本発明の第二実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置のポンプ制御信号算出手段の制御ブロック図。 図10の高圧燃料ポンプ制御装置の動作フローチャート。 本発明の各実施形態の内燃機関の制御装置におけるポンプが圧送を行えず燃料圧力が脈動する可能性のある場合の制御フローチャート。 本発明の第三実施形態のポンプ制御信号算出手段の制御ブロック図。 図17のポンプ制御信号算出手段の動作フローチャート。 図17のポンプ制御信号算出手段における高圧燃料供給システムの安定性を増加させる処理の制御フローチャート。 本発明の第四実施形態のポンプ制御信号算出手段の制御ブロック図。 本発明の第五実施形態のポンプ制御信号算出手段の制御ブロック図。 本発明の第六実施形態のポンプ制御信号算出手段の制御ブロック図。 図22のポンプ制御信号算出手段における高圧燃料供給システムの安定性を増加させる処理の他の制御フローチャート。 本発明の各実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置の基本動作タイミングチャート。 本発明の各実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置の燃圧制御時の基本動作タイミングチャート。 本発明の各実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置における燃圧制御時の出力タイミングを制限した場合の動作タイミングチャート。 従来の高圧燃料ポンプ制御装置の燃圧制御時の基本動作タイミングチャート。 従来の高圧燃料ポンプ制御装置における燃圧制御時の動作タイミングチャート。
以下、図面に基づき本発明の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置を備えた筒内噴射内燃機関507の制御システムの全体構成を示したものである。筒内噴射内燃機関507は4気筒からなり、各シリンダ507bに導入れる空気は、エアクリーナ502の入口部502aから取り入れられ、空気流量計(エアフロセンサ)503を通り、吸気流量を制御する電制スロットル弁505aが収容されたスロットルボディ505を通ってコレクタ506に入る。前記コレクタ506に吸入された空気は、内燃機関507の各シリンダ507bに接続された各吸気管501に分配された後、カム510で駆動される吸入弁514を介してピストン507a、前記シリンダ507b等によって形成される燃焼室507cに導かれる。
また、前記エアフロセンサ503からは、前記吸気流量を示す信号が本実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置を有する内燃機関制御装置(コントロールユニット)515に出力されている。さらに、前記スロットルボディ505には、電制スロットル弁505aの開度を検出するスロットルセンサ504が取り付けられており、その信号もコントロールユニット515に出力されるようになっている。
一方、ガソリン等の燃料は、燃料タンク50から燃料ポンプ51により一次加圧されて燃圧レギュレータ52により一定の圧力(例えば3kg/cm)に調圧されるとともに、後述する高圧燃料ポンプ1でより高い圧力(例えば50kg/cm)に2次加圧され、コモンレール53を介して各シリンダ507bに設けられている燃料噴射弁(燃料噴射弁)54から燃焼室507cに噴射される。前記燃焼室507cに噴射された燃料は、点火コイル522で高電圧化された点火信号により点火プラグ508で着火される。
内燃機関507のクランク軸507dに取り付けられたクランク角センサ516は、クランク軸507dの回転位置を示す信号をコントロールユニット515に出力し、排気弁526のカム軸(図示省略)に取り付けられたカム角センサ511は、前記カム軸の回転位置を示す角度信号をコントロールユニット515に出力するとともに、高圧燃料ポンプ1のポンプ駆動カム100の回転位置を示す角度信号をもコントロールユニット515に出力する。
さらに、排気管519中の触媒520の上流に設けられたA/Fセンサ518は、排出ガスを検出し、その検出信号もコントロールユニット515に出力されている。
図2に示すように、前記コントロールユニット515の主要部は、MPU603、EP−ROM602、RAM604、及び、A/D変換器を含むI/OLSI601等で構成され、クランク角センサ516、カム角センサ511、内燃機関冷却水温センサ517、並びに、燃圧センサ56を含む各種のセンサ等からの信号を入力として取り込み、所定の演算処理を実行し、この演算結果として算定された各種の制御信号を出力し、アクチュエータである高圧ポンプソレノイド200、前記各燃料噴射弁54及び点火コイル522等に所定の制御信号を出力して、燃料吐出量制御、燃料噴射量制御、及び、点火時期制御等を実行するものである。
図3及び図4は、前記高圧燃料ポンプ1について示しており、図3は、前記高圧燃料ポンプ1を備えた燃料系システムの全体構成図を示し、図4は、前記高圧燃料ポンプ1の縦断面図を示している。
前記高圧燃料ポンプ1は、燃料タンク50からの燃料を加圧してコモンレール53に高圧の燃料を圧送するものであり、シリンダ室7と、ポンプ室8と、ソレノイド室9とからなり、前記シリンダ室7は、前記ポンプ室8の下方に配置され、前記ソレノイド室9は前記ポンプ室8の吸入側に配置されている。
前記シリンダ室7は、プランジャ2、リフタ3、プランジャ下降ばね4を有し、前記プランジャ2は、内燃機関507における排気弁526の前記カム軸の回転に伴って回転するポンプ駆動カム100に圧接されたリフタ3を介して往復動し、加圧室12の容積を変化させている。
前記ポンプ室8は、低圧燃料の吸入通路10、加圧室12、高圧燃料の吐出通路11から構成され、吸入通路10と加圧室12との間には吸入弁5が設けられており、前記吸入弁5は、ポンプ室8からソレノイド室9に向かって吸入弁5の閉弁方向に付勢する閉弁ばね5aを介して、燃料の流通方向を制限する逆止弁である。前記加圧室12と吐出通路11との間には吐出弁6が設けられており、前記吐出弁6もまた、ポンプ室8からソレノイド室9に向かって吐出弁6の閉弁方向に付勢する閉弁ばね6aを介して、燃料の流通方向を制限する逆止弁である。なお、閉弁ばね5aは、プランジャ2による加圧室12内の容積変化により、吸入弁5を挟んで、加圧室12側の圧力が流入通路10側の圧力に対して同等、又はそれ以上になった場合には、前記吸入弁5を閉弁させるように付勢するものである。
前記ソレノイド室9は、アクチュエータであるソレノイド200、吸入弁係合部材201、開弁ばね202から構成されており、前記吸入弁係合部材201は、その先端が前記吸入弁5に接離自在に当接されているとともに、前記吸入弁5に相対する位置に配設され、ソレノイド200の通電によって前記吸入弁5を閉弁させる方向に移動する。一方、ソレノイド200の通電が解かれている状態では、前記吸入弁係合部材201は、その後端に係合する開弁ばね202を介して前記吸入弁5を開弁させる方向に移動し、前記吸入弁5を開弁状態にする。
燃料タンク50から燃料ポンプ51及び燃圧レギュレータ52を介して一定圧力に調圧された燃料は、前記ポンプ室8の吸入通路10に導かれ、その後、前記ポンプ室8内の加圧室12で前記プランジャ2の往復動により加圧され、前記ポンプ室8の吐出通路11からコモンレール53に圧送される。
前記コモンレール53には、内燃機関507の気筒数にあわせて設けられた各燃料噴射弁54のほか、リリーフ弁55、燃圧センサ56が備えられており、コントロールユニット515は、クランク角センサ516、カム角センサ511、並びに燃圧センサ56の各検出信号に基づいてソレノイド200の駆動信号を出力して高圧燃料ポンプの燃料吐出量の制御を行っているとともに、各燃料噴射弁54の駆動信号を出力して燃料噴射の制御を行っている。なお、リリーフ弁55は、前記コモンレール53内の圧力が所定値を超えた場合に開弁され、配管系破損の防止を図っている。
図5は、前記高圧燃料ポンプ1の動作タイミングチャートを示している。なお、ポンプ駆動カム100で駆動するプランジャ2の実際のストローク(実位置)は、図6に示すような曲線になるが、上死点と下死点の位置を分かり易くするために、以下、プランジャ2のストロークを直線的に表すこととする。
次に、高圧燃料ポンプ1の具体的な動作を、図4の構造と図5の動作タイミングチャートを踏まえて説明する。
プランジャ2は、前記カム100の回転によりプランジャ下降ばね4の付勢力に応じて上死点側から下死点側に移動すると、前記ポンプ室8の吸入行程が行われる。前記吸入行程では、前記吸入弁係合部材201であるロッドの位置が開弁ばね202の付勢力に応じて吸入弁5と係合して前記吸入弁5を開弁方向に移動させ、加圧室12内の圧力が低下する。
次いで、プランジャ2が、前記カム100の回転によりプランジャ下降ばね4の付勢力に抗して下死点側から上死点側に移動すると、前記ポンプ室8の圧縮行程が行われる。前記圧縮行程では、コントロールユニット515からアクチュエータであるソレノイド200の駆動信号(ON信号)が出力されてソレノイド200が通電(ON状態)されると、前記吸入弁係合部材201であるロッドの位置が開弁ばね202の付勢力に抗して吸入弁5を閉弁方向に移動されるとともに、その先端が前記吸入弁5との係合を解かれ、前記吸入弁5が閉弁ばね5aの付勢力に応じて閉弁方向に移動することにより、加圧室12内の圧力が上昇する。
そして、前記吸入弁係合部材201がソレノイド200側に最も吸引され、プランジャ2の往復動に同期する吸入弁5が閉弁して加圧室12内の圧力が高くなると、加圧室12内の燃料が吐出弁6を押圧し、前記吐出弁6は、閉弁ばね6aの付勢力に抗して自動的に開弁し、加圧室12の容積減少分の高圧燃料がコモンレール53側に吐出される。なお、ソレノイド200の駆動信号は、前記吸入弁5がソレノイド200側で閉弁されると、その通電が停止(OFF状態)されるが、前記のように、前記加圧室12内の圧力が高いため、吸入弁5は閉弁状態で維持されてコモンレール53側への燃料の吐出が行われる。
また、プランジャ2が、前記カム100の回転によりプランジャ下降ばね4の付勢力に応じて上死点側から下死点側に移動すると、前記ポンプ室8の吸入行程が行われ、前記加圧室12内の圧力低下に伴って、前記吸入弁係合部材201が開弁ばね202の付勢力に応じて吸入弁5と係合されて開弁方向に移動するとともに、吸入弁5がプランジャ2の往復動に同期して自動的に開弁し、前記吸入弁5の開弁状態が保持される。そして、加圧室12内は圧力の低下が生じていることにより吐出弁6の開弁が行われない。以後前記動作を繰り返す。
このため、前記プランジャが上死点に達する前の圧縮工程の途中で、ソレノイド200がON状態にされる場合には、このときから、コモンレール53への燃料圧送が行われ、また、燃料圧送が一度始まれば、加圧室12内の圧力は上昇しているので、その後に、ソレノイド200をOFF状態にしても、吸入弁5は閉塞状態を維持する一方で、吸入工程の始まりに同期して自動開弁することができ、ソレノイド200のON信号の出力タイミングにより、コモンレール53側への燃料の吐出量を調節することができる。さらに、圧力センサ56の信号に基づき、コントロールユニット515にて適切な通電ONタイミングを演算し、ソレノイド200をコントロールすることにより、コモンレール53の圧力を目標値にフィードバック制御させることができる。
図7は、前記高圧燃料ポンプ制御装置を有するコントロールユニット515のMPU603が行う高圧燃料ポンプ1の制御における制御ブロック図である。前記高圧燃料ポンプ制御装置は、基本角度算出手段701、目標燃料圧力算出手段702、燃料圧力入力処理手段703、圧力差規定値算出手段1501、及び、前記ソレノイド200の駆動信号を算出する手段をその一態様として備えるポンプ制御信号算出手段1502から構成されている。
基本角度算出手段701は、運転状態に基づいてソレノイド200をON状態にするソレノイド制御信号の基本角度BASANGを演算してポンプ制御信号算出手段1502に出力する。図8は、吸入弁5の閉弁タイミングと高圧燃料ポンプ吐出量の関係を示したものであり、該図8から理解されるように、基本角度BASANGは、要求燃料噴射量と高圧燃料ポンプ吐出量が釣り合うように前記吸入弁5が閉弁する角度を設定する。
目標燃料圧力算出手段702は、同じく運転状態に基づきその動作点に最適な目標燃料圧力Ptargetを算出してポンプ制御信号算出手段1502に出力する。燃料圧力入力処理手段703は、燃料圧力センサ56の信号をフィルタ処理し、実燃料圧力である計測燃料圧力Prealを検出してポンプ制御信号算出手段1502に出力する。更に、圧力差規定値算出手段1501は、前記高圧燃料ポンプ1の運転を判定するために運転状態に応じて規定圧力差αを演算してポンプ制御信号算出手段1502に出力する。
そして、ポンプ制御信号算出手段1502は、後述するように、前記各信号に基づいてアクチュエータ駆動信号である前記ソレノイド制御信号を演算してソレノイド駆動手段707に出力する。
図9は、前記(高圧燃料ポンプ制御装置を含む)コントロールユニット515の動作のタイミングチャートを示している。該コントロールユニット515は、カム角センサ511からの検出信号(CAM信号)とクランク角センサ516からの検出信号(CRANK信号)に基づいて各ピストン507aの上死点位置を検出し、燃料噴射制御及び点火時期制御を行うとともに、前記カム角センサ511からの検出信号(CAM信号)と前記クランク角センサ516からの検出信号(CRANK信号)に基づいて高圧燃料ポンプ1のプランジャ2のストロークを検出し、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出制御であるソレノイド制御を行っている。なお、ソレノイド制御の基本点となるREF信号は、上記CRANK信号とCAM信号とに基づいて生成される。
ここで、図8のCRANK信号の信号が欠けた部分(点線で示す)は、基準位置となるものであり、CYL#1の上死点、又はCYL#4の上死点から所定の位相分ずれた位置にある。そして、コントロールユニット515は、前記CRANK信号の信号が欠けたときに、前記CAM信号がHi又はLoであるかによって、CYL#1側又はCYL#4側であるかを判別する。そして、高圧燃料ポンプ1からの燃料の吐出は、ソレノイド制御信号の立ち上がりからソレノイド200の作動遅れ分の所定時間経過後に開始される一方で、この吐出は、ソレノイド制御信号が終了しても加圧室12からの圧力によって吸入弁5が押されているので、プランジャストロークが上死点に達するまで続けられる。
図10は、本実施形態のポンプ制御信号算出手段1502を具体的に示した制御ブロック図である。ポンプ制御信号算出手段1502は、ソレノイド200のON信号のタイミングを演算する基準角度演算手段704と、そのON信号の幅を算出するポンプ信号通電時間算出手段706とを基本的な構成とし、基準角度演算手段704は、基本角度算出手段701の基本角度BASANG、目標燃料圧力算出手段702の目標燃圧Ptarget、燃料圧力入力処理手段703の計測燃料圧力Prealに基づいて、前記ON信号の出力開始の基準となる基準角度REFANGを演算する。
そして、前記基準角度REFANGに、ソレノイド作動遅れ補正手段705による作動遅れ補正分PUMREを加えてソレノイド200のON信号の出力開始角度STANGを計算し、ソレノイド200のON信号のタイミングとしてソレノイド駆動手段707に出力する。
また、ポンプ信号通電時間算出手段706は、運転条件に基づいて高圧燃料ポンプ1のソレノイド200の通電要求時間TPUMKEMAPを演算する。通電要求時間TPUMKEMAPの値は、バッテリ電圧が低くソレノイド抵抗が大きい、ソレノイド吸引力発生最悪条件においてであっても、ポンプ室2の圧力で吸入弁5を閉じられるようになるまで吸入弁係合部材201を保持し、確実に吸入弁5を閉弁できる値を設定する。一方、通電時間最大値算出手段ブロック710では、ソレノイドの吸引力が次の吐出行程まで維持されないための通電時間最大値TPUMKEMAXを演算する。最小値選択部709では、通電要求時間TPUMKEMAPと通電時間最大値TPUMKEMAXとの最小値を選択し、通電時間TPUMKEとしてソレノイド駆動手段707に出力する。つまり、通電要求時間TPUMKEMAPを通電時間最大値TPUMKEMAXで上限値制限を行う。
そして、前記出力開始角度STANGと前記通電時間TPUMKEからソレノイド200の駆動を行う。ここで、ソレノイド作動遅れ補正手段705は、ソレノイド200の電磁力、ひいては作動遅れ時間がバッテリ電圧によって変わることから、バッテリ電圧に基づいてソレノイド作動遅れ補正を算出している。
次に、通電時間最大値算出手段710内の第一の実施例における具体的な説明を行う。絶対信号終了位相算出手段708では、絶対に通電信号をOFFしていなければならない基本点(REF信号)からの角度OFFANGを演算する。この角度は、高圧ポンプ吐出行程に通電を開始した信号をポンプ吸入行程までONし続けても、この場合における吸入行程の通電は、吸入弁閉弁に関与しないので、消費電流低減のため、基本点(REF信号)からの角度OFFAMGを基本点からプランジャ上死点までの角度以下に設定する。加えて、通電信号OFF後のソレノイドの吸引力が次の吐出行程まで維持されない角度を設定する。
また、図11は、ソレノイド制御信号(通電信号)、通電電流値、及び、シレノイドの吸引力の関係を示した図であり、通電信号OFF後、ソレノイドには一定期間電流が流れ、電流が一定値以下に落ちるまで吸引力は維持される。この期間はコイル抵抗およびバッテリ電圧に依存する。また、位相制御を行っているため、期間を角度に単位変換するため回転数の入力も必要となる。つまり、前記基本点(REF信号)からの角度OFFANGは、コイル抵抗、バッテリ電圧、回転数の少なくとも一つを用いて演算する。
図12は、出力開始角度STANG、基本点(REF信号)からの角度OFFANG、通電時間最大値TPUMKEMAXの関係を示している。基本点(REF信号)からの角度OFFANGと出力開始角度STANGの差が通電時間最大値TPUMKEMAXとなる。
図13は、通電時間最大値算出手段710内の第二の実施例を示したものである。通電時間最大値基本値算出手段711では、燃料噴射量、エンジン回転数、燃料圧力等から求められる出力開始角度STANGとエンジン回転数とから通電時間最大値基本値を算出する。該通電時間最大値基本値に、バッテリ電圧補正手段712で算出されたバッテリ電圧補正係数をかけることにより通電時間最大値を算出し、最小値選択部709へ出力する。
図14は、本発明の第二の実施形態のポンプ制御信号算出手段1502を示したもので、第一の実施形態のポンプ制御信号算出手段1502との相違は、最小値選択部709(図10参照)に代えて通電時間算出手段713を備えたことである。該通電時間算出手段713は、ポンプ信号通電時間算出手段706で算出されたTPUMKEMAPと通電時間最大値算出手段710で算出されたTPUMKEMAXに基づき通電時間TPUMKEを算出してソレノイド駆動信号に出力するものである。
図15は、通電時間算出手段713における制御フローを示したものである。ステップ3001で割込み処理が開始される。該割込み処理は、例えば10ms毎のような時間周期でも、例えばクランク角度180deg毎のように回転周期でもよい。ステップ3002では、通電要求時間TPUMKEMAPおよび通電時間最大値TPUMKEMAXを読み込む。ステップ3003においては通電要求時間TPUMKEMAPと通電時間最大値TPUMKEMAXの大小関係を判定し、通電時間最大値TPUMKEMAXの方が大きい場合、ポンプ位相制御信号通電時間TPUMKE=TPUMKEMAPとして出力する。一方、通電時間最大値TPUMKEMAXの方が小さい場合、通電要求時間TPUMKEMAPを出力することが不可能であると判定し、ポンプ位相制御信号通電時間TPUMKE=0として、ソレノイドへの通電を禁止する。
前記ポンプ制御信号算出手段1502による処理において、ソレノイド200の通電要求時間TPUMKEMAP>通電時間TPUMKEとなることがある。この場合、ソレノイド吸引力発生最悪条件において、吸入弁を確実に閉弁できない可能性があり、吸入弁を確実に閉弁できないことにより、ポンプが圧送を行えず燃料圧力の脈動を大きくする可能性がある。
図16は、ポンプが圧送を行えず燃料圧力が脈動する可能性のある場合の制御フローを示したものである。
ステップ3101で割込み処理を開始する。割込み処理は、例えば10ms毎のような時間周期でも、あるいはクランク角度180deg毎のように回転周期でもよい。ステップ3102では、通電要求時間TPUMKEMAPおよび通電時間TPUMKEを読み込む。ステップ3103からステップ3105においては、通電時間TPUMKEが通電要求時間TPUMKEMAPより小さく、かつ成層燃焼運転を行っており、かつ脈動による失火の可能性があると判定した場合には、燃圧の変動に強い均質燃焼運転に移行する。
図17は、ポンプ制御信号算出手段1502による処理の本発明の第三実施形態の制御ブロック図である。ポンプ制御信号算出手段1502は、基準角度REFANGを算出するに当たって、基準角度演算手段704で演算された位相を位相制限手段1101で上下制限を行い、これを基準角度REFANGとしている。なお、位相制限手段1101は、位相制御による可変容量機構を持つポンプ制御に適用することが可能である。
図18は、前記高圧燃料ポンプ制御装置による高圧燃料ポンプ1の制御のフローチャートである。ステップ1001では、例えば10ms毎のように時間に同期した割込み処理が行われる。なお、該割込み処理は、クランク角度180ー毎のように回転に同期したものでも良い。
ステップ1002では、基準角度演算手段704にて位相を演算し、ステップ1003では、位相制限手段1101にて上下限のリミッタ処理をして基準角度REFANGとし、ステップ1004では、ソレノイド作動遅れ補正手段705によるソレノイド作動遅れ補正分PUMREを補正し、ステップ1005では、最終の出力開始角度STANGを計算し、ステップ1006では、ソレノイド駆動手段707でソレノイド駆動処理を行い、ソレノイド制御信号のパルスを出力する。なお、出力開始角度STANGの算出方法は、以上のように割り込み毎に計算する方法のほか、内燃機関の状態において検索する方法でも良い。そして、ステップ1007に進んで一連の動作を終了する。
図19は、前記ポンプ制御信号算出手段1502における高圧燃料供給システムの安定性を増加させる処理の制御フローチャートである。なお、このときの高圧燃料供給システムに使用される高圧ポンプは、高圧の燃料を吐出できるポンプという意味であつて、本実施形態の単筒ポンプのほか、例えば、いわゆる3筒ポンプであっても良い。
ステップ1601では、例えば10ms毎のように時間に同期した割込み処理が行われる。なお、該割込み処理は、クランク角度180ー毎のように回転に同期したものでも良い。ステップ1602では、燃圧入力処理手段703で計測燃料圧力Prealを読み込み、ステップ1603では、目標燃圧算出手段702でシステム上の目標燃料圧力Ptargetを読み込む。ステップ1604では、目標燃料圧力Ptargetと計測燃料圧力Prealとの圧力差の絶対値が圧力差既定値算出手段1501による内燃機関の状態に応じて検索された既定値瘉ネ上であるか否かを判定する。
そして、前記2つの圧力差が既定値瘉ネ上である場合、すなわちYESのときには、ステップ1606に進む。一方、2つの圧力差が既定値癘「満のときには、ステップ1605に進み、計測燃料圧力Prealを目標燃料圧力Ptargetに追従させるべく通常のようにF/B制御を行う。
ステップ1606では、目標燃料圧力Ptargetが計測燃料圧力Prealよりも大きいか否かを判定し、目標燃料圧力Ptargetの方が大きい場合、すなわちYESのときには、ステップ1607に進んでプランジャ2の下死点からの全吐出制御を行ってステップ1609に進んで一連の動作を終了する。つまり、この場合には、高圧燃料ポンプ1に全吐出を行わせることにより、計測燃料圧力Prealを迅速に目標燃料圧力Ptargetに近付けることができる。
一方、ステップ1606で計測燃料圧力Prealの方が大きい場合には、ステップ1608に進んで高圧燃料ポンプ1による加圧禁止制御を行う。つまり、この場合には、OFF信号を出力、若しくはプランジャ2の上死点にてON信号を出力し、高圧燃料ポンプ1による加圧を禁止にすることにより、計測燃料圧力を迅速に目標燃料圧力に近付けることができる。
また、高圧配管系に異常が起き、燃料圧力が既定値以上に上昇した場合に高圧燃料ポンプ1は加圧禁止になり、燃料圧力上昇を抑制するのでシステムの安全性の向上にも貢献する。
また、前記実施形態のポンプ制御信号算出手段1502は、基準角度演算手段704で算出した位相を位相制限手段1101にて制限して基準角度REFANGを算出しているが、本発明はこれに限られることなく、例えば、図20に示す第四実施形態のように、基準角度演算手段704の基準角度REFANGにソレノイド作動遅れ補正手段705での補正を考慮して算出した出力開始角度STANGに対して、最後に位相制限手段1301による制限を行うようにしても良い。
更に、図21の第五実施形態に示すように、基準角度演算手段704のF/B制御量をF/B制限手段1401にて制限を行って基準角度REFANGとすることもでき、図22の第六実施形態に示すように、基準角度演算手段704のF/B制御量をF/B制限手段1401にて制限するとともに、この値に対して位相制限手段1101にて制限を行って基準角度REFANGとするものであっても良い。
なお、F/B制御は、コモンレール53の実燃料圧力を目標燃料圧力に追従させるフィードバック制御であり、このF/B制御量は、目標燃料圧力Ptargetと実燃料圧力Prealの偏差により変化する。また、前記実際の燃料圧力を前記目標となる燃料圧力に一致させる制御量に対して制限を行うものであっても良い。
また、前記実施形態の位相制限手段1101は、前記下限値のみ、若しくは前記上限値及び前記下限値によって位相を制限して圧送可能位相としているが、これのほかに、内燃機関の状態に応じて出力位相範囲を検索・演算するものであっても良く、又は、電子回路を使用するものであっても良く、この場合にも前記同様の効果を得ることができる。
更に、前記実施形態のポンプ制御信号算出手段1502では、目標燃料圧力Ptargetと計測燃料圧力Prealとから高圧燃料供給システムの安定性の増加を図っているが、図23に示すような制御処理のフローチャートの如く行っても良い。
即ち、ステップ1701では、例えば10ms毎のように時間に同期した割込み処理が行われ、ステップ1702では、燃圧入力処理手段703で計測燃料圧力Prealを読み込み、ステップ1703では、目標燃圧算出手段702でシステム上の目標燃料圧力Ptargetを読み込む。ステップ1704では、目標燃料圧力Ptargetと計測燃料圧力Prealとの圧力差が圧力差既定値算出手段1501による既定値瘉ネ上であるか否かを判定する。ここまでは、前記ステップ1601乃至ステップ1604と同様である。
そして、2つの圧力差が既定値瘉ネ上である場合、すなわちYESのときには、ステップ1705に進んで、タイマカウントアップ処理を行い、ステップ1706に進む。ステップ1706では、この時間が内燃機関の状態に応じて検索された既定時間T1を超えているか否かを判定し、既定時間T1を超えている場合、即ち、YESのときにはステップ1708に進んで高圧ポンプ1による加圧禁止制御を行ってステップ1710に進んで一連の動作を終了する。なお、ステップ1708は、燃料圧力上昇抑制の思想を持ち、既定圧力差以上で既定時間経過した場合は、高圧配管系に異常が起きたと考えられるので、燃料圧力上昇を抑制することによりシステムの安全性向上に貢献する。
一方、ステップ1704にて2つの圧力差が既定値癘「満のときには、ステップ1707に進んでタイマリセット処理をしてステップ1709に進む。また、ステップ1706で既定時間T1を超えていないときにもステップ1709に進む。ステップ1709では、通常ポンプ制御、すなわち前記F/B制御を行ってステップ1710に進んで一連の動作を終了する。
図24は、前記コントロールユニット515による燃圧の制御に対する前記ソレノイド制御信号の出力開始角度STANG、及び、通電時間TPUMKE等のパラメータを示したものであり、図17(図10を含む)の第三実施形態のポンプ制御信号算出手段1502の制御を具体的に説明した図である。前記ソレノイド200のON信号の出力タイミングである出力開始角度STANGは、次の式(1)のように求めることができる。
STANG=REFANG−PUMRE (1)
ここで、基準角度REFANGは、内燃機関507の運転状態に基づいて基準角度算出手段704(図17)で算出される。PUMREはポンプ遅れ角度であり、ソレノイド作動遅れ補正手段705(図17)で算出され、例えば、バッテリ電圧により変化するアクチュエータ駆動時間、すなわちソレノイド通電に基づいた吸入弁係合部材201の作動遅れを示している。
次に、ソレノイド200のON信号の幅であるポンプ位相制御信号通電時間TPUMKEは、ポンプ位相制御信号通電時間算出手段706(図10)を基本値とし、運転状態に基づいて算出する。そして、出力開始角度STANGによって、前記REF信号の立ち上がりである基本点からどれくらいで吸入弁5を閉じさせるソレノイド200のON信号を出力するか、即ち、ソレノイド制御信号の出力タイミングを求める。一方、ポンプ位相制御信号通電時間TPUMKEによって、前記ソレノイド制御信号をどれくらいの時間で出力し続けるか、すなわちソレノイド制御信号の幅を求める。
本実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置は、算出されたソレノイド制御信号出力タイミングから算出された時間分通電することを基本とし、信号終了タイミングが既定値を超えた場合には、ポンプ位相制御信号通電時間に制限を行っている。
また、ポンプ遅れ角度PUMREと、プランジャ2のストロークが下死点から上死点に達するまでに要する時間とによって定義される位相を燃料圧送可能位相とし、その範囲内にソレノイド200のON信号を出力して燃料の圧送を行っている。言い換えれば、ON信号を打って吸入弁を閉じる信号を出力する範囲は、プランジャ2のストロークが下死点から上死点に達するまでの時間のほか、プランジャ2の下死点から前記アクチュエータ作動時間分であるポンプ遅れ角度PUMRE分遡った時点を下限値とし、プランジャ2が上死点に達した時点を上限値とするリミッタ処理を行い、この範囲外では、前記ON信号を出力しないようにしている。
以上のように、本発明の前記実施形態は、前記構成に基づいて次の機能を奏する。
本実施形態のコントロールユニット515は、シリンダ507bに備えられた燃料噴射弁54と、該燃料噴射弁54に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプ1とを有する筒内噴射内燃機関507の高圧燃料ポンプ制御装置であって、前記高圧燃料ポンプ1は、該高圧燃料ポンプ1内の燃料を加圧するプランジャ2と、前記高圧燃料ポンプ1の吐出量又は圧力を可変にするために位相制御されるソレノイド200と、前記ソレノイド200のON信号にて燃料の吸入通路10を閉弁させる吸入弁5とを有し、前記制御装置は、ポンプ制御信号算出手段1502を有し、前記ポンプ制御信号算出手段1502は、前記ソレノイド200のON信号終了タイミングを、次の高圧燃料ポンプ1の吐出行程に前記ソレノイド200の吸引力が残らないように制限しているので、意図しない燃料量を高圧燃料ポンプ1が吐出することを防ぎ、前記ポンプ制御信号算出手段1502は、燃料を圧送できない位相でソレノイド制御信号を出力することを防ぐことができ、燃料圧力を最適かつ迅速に制御することができ、燃焼の安定化及び排出ガス性能の改善を図ることができる。
次に、図25及び図26を用いて、前記本実施形態の内燃機関の高圧ポンプ制御装置の特質・特徴を説明する。
図25は、本実施形態の通電信号終了タイミングを管理した場合の高圧燃料ポンプ制御装置による動作タイミングチャートである。
図27の従来の高圧燃料ポンプ制御装置の動作タイミングチャートと比較すれば容易に理解されるように、本実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置が、通電信号(ソレノイド制御信号)終了タイミングを管理することにより、確実に少量燃料噴射を行うことが可能となると共に、その結果として確実に目標燃圧に制御することができ、失火およびシリンダ内の燃料の付着を防ぎ、不要成分の排出ガスの低減に貢献できる。
図26は、本実施形態により出力タイミングを制限した場合の高圧燃料ポンプ制御装置による動作タイミングチャートである。
図26に示されているように、カム角信号とクランク角信号とから生成されたREF信号1801が出力され、該REF信号1801を基準にして位相制限手段1101による制限間隔1904の後、ポンプ圧送可能位相範囲内の角度又は時間制御でソレノイド制御信号1903が出力されるのが分かる。
このため、目標燃料圧力1901が大きく上昇しても、プランジャ2の下死点における燃料吐出量を確保することができるので、実燃料圧力である計測燃料圧力1902が目標燃料圧力1901に迅速に追従し、図28に示す従来例に比して燃圧の上昇が促進され、各インジェクタ54からの噴霧粒径の微粒化を促進させることができるとともに、HCの排出量の低減も達成することができる。また、内燃機関始動時には、その始動時間の短時間化を図ることができる。
更に、本実施形態のポンプ制御信号算出手段1502は、圧力差既定値算出手段1501による既定値痰ノ基づいて高圧燃料供給システムの安定化を図っているので、筒内噴射内燃機関507の信頼性の更なる向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱することなく設計において種々の変更ができるものである。
例えば、前記実施形態では、高圧燃料ポンプ1が排気弁526のカム軸上に配置されているが、吸入弁514のカム軸上に配置、又はシリンダ507bのクランク軸507dに同期させたものであっても良い。
また、通電信号終了タイミングを制限する方法としては、高圧燃料ポンプのプランジャ位置をスイッチ入力として、プランジャが上死点付近に上がってきたとき、電子回路により通電信号を終了する方法でも良い。
更に、前記実施形態においては、高圧燃料ポンプの吸入弁をソレノイド(アクチュエータ)で操作して前記ポンプの加圧室の圧力を調整しているが、該加圧室内の圧力調整は、前記吸入弁に限らず、前記ポンプの加圧室とポンプ外部との間に配置され、燃料を連通通過する他の燃料通過弁であっても、本発明を実施できるものである。該燃料通過弁は、前記吸入弁の他に、前記ポンプの加圧室内の燃料を逃がす逃がし弁であっても良いものである。該逃がし弁の場合は、前記吸入弁とは、ソレノイド(アクチュエータ)での操作の仕方が具体的には異なるようになるが、本願の特許請求の範囲に記載されている発明を実施することにおいては、同じである。
以上の説明から理解されるように、本発明に係る内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、ソレノイド制御信号の出力範囲を所定の位相範囲に制限し、また、終了タイミングを所定の位相範囲内に制限しているので、燃料圧力を最適、かつ、迅速に制御することができ、排出ガスの悪化を防ぐことができる。

Claims (12)

  1. 加圧室と、前記加圧室内の燃料を加圧するプランジャと、前記加圧室内に設けた燃料通過弁と、前記燃料通過弁を操作するアクチュエータとを有する高圧燃料ポンプの制御装置であって、
    前記アクチュエータは、通電されることにより前記燃料通過弁が閉弁するように動作し、
    前記制御装置は、前記アクチュエータの駆動信号を出力することにより、前記アクチュエータの通電を行うものであり、
    前記制御装置は、前記アクチュエータの駆動信号の出力開始のタイミングを算出するとともに、前記アクチュエータの駆動信号の出力開始タイミングの下限値の範囲を前記プランジャの下死点以前の所定位相以降に制限する位相制限手段を有し、
    該位相制限手段は、前記燃料通過弁が前記プランジャの下死点以降に閉弁するように前記アクチュエータの駆動信号の出力開始タイミングの下限値の範囲を制限することを特徴とする高圧燃料ポンプの制御装置。
  2. 前記位相制限手段は、前記アクチュエータの駆動信号の出力開始タイミングの下限値の範囲を、前記プランジャの下死点から前記アクチュエータによる前記燃料通過弁の動作遅れの時間分を遡った時点の位相以降に制限することを特徴とする請求項1に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  3. 前記位相制限手段は、前記アクチュエータの駆動信号の出力終了タイミングの上限値の範囲を、前記プランジャが上死点に到達する時点以内に制限することを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  4. 前記アクチュエータの駆動信号を算出する手段は、前記アクチュエータの基本角度、目標となる燃料圧力及び実際の燃料圧力に基づいて、前記アクチュエータの基準角度を演算する手段と、前記アクチュエータの作動遅れを補正する手段とを有し、これらの出力信号に基づいて前記アクチュエータの動作開始時間を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  5. 前記位相制限手段は、前記アクチュエータの基準角度を演算する手段からの出力信号に対して制限を行うことを特徴とする請求項4に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  6. 前記位相制限手段は、前記アクチュエータの基準角度を演算する手段及び前記アクチュエータの作動遅れを補正する手段からの出力信号に対して制限を行うことを特徴とする請求項4に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  7. 前記位相制限手段は、内燃機関の運転状態に応じて前記位相の範囲を検索することを特徴とする請求項5又は6に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  8. 前記制御装置は、前記実際の燃料圧力が前記目標となる燃料圧力に追従する、または一致するようにフィードバック制御を行なうことを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  9. 前記位相制限手段は、前記実際の燃料圧力と前記目標となる燃料圧力との差から算出されるフィードバック制御量に対して制限を行うことを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  10. 前記位相制限手段は、前記実際の燃料圧力を前記目標となる燃料圧力に一致させる制御量に対して制限を行うことを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  11. 前記位相制限手段は、電子回路であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
  12. 前記制御装置は、前記アクチュエータの駆動信号の幅を内燃機関回転数又は及びバッテリ電圧によって可変させることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプの制御装置。
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