JP2016079426A - 高温強度および靭性に優れた鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高温強度および靭性に優れた鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】板厚が大きく,PWHT後の板厚中央部における高温強度および靭性に優れる鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】所定の成分を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であり,下記式(A)で表されるXが22.6以上であり,有効結晶粒径の平方根の逆数が8.5mm−1/2以上で,応力除去焼鈍後の鋼板の454℃の引張強さが470MPa以上であり,−40℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーが150J以上であることを特徴とする、高温強度と靭性に優れた鋼板の製造方法。
X=4Cr+11Mo+10V (A)
ここでCr:Crの質量%,Mo:Moの質量%,V:Vの質量%である。
【選択図】図2

Description

本発明は、高温強度および靭性に優れた鋼板およびその製法に関するものである。この製法で製造した鋼板は、造船、橋梁、建築、海洋構造物、圧力容器、タンク、ラインパイプなどの溶接構造物一般に用いることができるが、特にPWHT(Post Weld Heat Treatment)と呼ばれる溶接後熱処理後の鋼板の中央部において,452℃で470MPa以上の引張強さと,−40℃で150J以上のシャルピー衝撃吸収エネルギーが必要とされるような圧力容器での使用において有効である。
原油精製プロセスの脱硫塔などに用いられる圧力容器は,生産性向上のため大型化の傾向にあり,板厚の大きい鋼板,例えば板厚100〜200mmの鋼板が使用されることがある。このような圧力容器用鋼板には,高温強度と低温靭性が求められる。生産効率を高めるため,高温強度要求は高まる傾向にあり,たとえば454℃の引張強さで470MPa以上が必要とされることが多くなっている。ここでの高温強度とはPWHT後の鋼板の高温強度性を指す。また一方では,低温靭性に対する要求も高まっており,たとえば−40℃のシャルピー衝撃吸収エネルギーで150J以上が必要とされることが多くなっている。ここでの靭性とはPWHT後の鋼板の靭性をさす。一般的に,鋼板の板厚が大きくなるにしたがって,板厚中心部の高温強度と靭性は低下することから,板厚中央部において,PWHT後の高温強度と低温靭性に優れる鋼板を提供することは困難である。
このような課題に対して,圧力容器用鋼板の靭性を改善する技術が提示されている。特許文献1には,Vの添加により高温強度を確保した発明が示されている。しかし,この方法では板厚の大きい鋼板では十分な靭性が得られない。
また,特許文献2には,組織をベイナイト,焼戻しマルテンサイトとするとともに微細化し,さらに炭化物の粗大化を抑制することで靭性を改善した発明が提案されている。しかし,この技術では,十分な高温強度を得ることができない。
つまり、現在の技術では、板厚が大きく,PWHT後の板厚中央部における高温強度と靭性に優れる鋼板を提供することはできない。
特開平4−183842号公報 特開2014−95130号公報
本発明の目的は、板厚が大きく,PWHT後の板厚中央部における高温強度と靭性に優れる鋼板およびその製造方法を提供することである。
本発明は、板厚が大きく,PWHT後の板厚中央部における高温強度と靭性に優れる鋼板およびその製造方法を提供するものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)鋼が、質量%で、C:0.13%以上0.15%以下、Si:0.02%以上0.10%以下、Mn:0.40%以上0.60%以下、P:0.0010%以上0.0150%以下、S:0.0001%以上0.0035%以下、Cu:0.00%以上0.20%以下,Ni:0.01%以上0.25%以下,Cr:2.00%以上2.50%以下,Mo:0.90%以上1.10%以下,Nb:0.005%以上0.070%以下,V:0.295%以上0.350%以下,Ti:0.005%以上0.030%以下,Al:0.020%以上0.080%以下,B:0.0005%以上0.0020%以下,N:0.0005%以上0.0090%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であり,下記式(A)で表されるXが22.6以上であり,応力除去焼鈍後の454℃における引張強さが470MPa以上であり,有効結晶粒径の平方根の逆数が8.5mm−1/2以上で,応力除去焼鈍後の鋼板の−40℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーが150J以上であることを特徴とする、高温強度と靭性に優れた鋼板。
X=4Cr+11Mo+10V (A)
ここでCr:Crの質量%,Mo:Moの質量%,V:Vの質量%である。
(2)さらに質量%で、Ca:0.0003%以上0.0040%以下、Mg:0.0003%以上0.0040%以下、REM:0.0003%以上0.0040%以下のいずれか1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であることを特徴とする前記(1)に記載の高温強度と靭性に優れた鋼板。
(3)鋼が、質量%で、C :0.13%以上0.15%以下、Si:0.02%以上0.10%以下、Mn:0.40%以上0.60%以下、P:0.0010%以上0.0150%以下、S:0.0001%以上0.0035%以下、Cu:0.00%以上0.20%以下,Ni:0.01%以上0.25%以下,Cr:2.00%以上2.50%以下,Mo:0.90%以上1.10%以下,Nb:0.005%以上0.070%以下,V:0.295%以上0.350%以下,Ti:0.005%以上0.030%以下,Al:0.020%以上0.080%以下,B:0.0005%以上0.0020%以下,N:0.0005%以上0.0090%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、下記式(A)で表されるXを22.6以上としてなる鋼組成のスラブを1100℃以上1280℃以下に加熱して,圧下比が1.5以上となる粗圧延を行い,粗圧延の終了から仕上圧延の開始までの時間を100秒以下として,圧下比が1.3以上で仕上1パス前温度が800℃以上となる仕上圧延を行い,その後,880℃以上1040℃以下に再加熱したのちに水冷する焼入れを行い,その後670℃以上770℃以下に加熱したのちに空冷を行う焼戻しを行うことを特徴とする,高温強度と靭性に優れた鋼板の製造方法。
X=4Cr+11Mo+10V (A)
ここでCr:Crの質量%,Mo:Moの質量%,V:Vの質量%である。
(4)さらに質量%で、Ca:0.0003%以上0.0040%以下、Mg:0.0003%以上0.0040%以下、REM:0.0003%以上0.0040%以下のいずれか1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であることを特徴とする前記(3)に記載の高温強度と靭性に優れた鋼板の製造方法。
本発明によれば、板厚が大きく,高温強度に優れ,かつ板厚中心部の靭性に優れる鋼板およびその製造方法を提供することが可能であり、産業上の価値の高い発明であるといえる。
454℃における引張強さとXとの関係を示すグラフである。 有効結晶粒径の平方根の逆数と靱性との関係を示すラフである。 有効結晶粒径の平方根の逆数と移送時間との関係を示すグラフである。
本発明を詳細に説明する。
発明者らは、ASTM,ASMEでA542D−4A,SA542D−4Aと呼称される鋼板,すなわちCrを2.25%程度,Moを1.0%程度含有して,200〜550℃程度での高温強度に優れる鋼板のうち,板厚が100〜200mm程度と大きい鋼板について, PWHT後の鋼板の高温強度と靭性を改善するための方法を種々検討した。
高温強度については,454℃の引張強さが470MPa以上という条件を満たすための合金成分について種々検討を行った結果,図1に示すように,下記式(A)
X=4Cr+11Mo+10V (A)
ここでCr:Crの質量%,Mo:Moの質量%,V:Vの質量%
であらわされるXの値が22.6以上の時に条件を満足することを知見した。よって,本発明におけるXの値を22.6以上と規定する。なお,Xの値に特に上限は設けないが,Cr,Mo,Vの添加量の上限から,Xの上限は25.6となる。
靭性については,試験温度−40℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーが150J以上という条件を満たすための製造条件について種々検討を行った。その結果,焼入れ焼戻しで鋼板を製造する場合でも,焼入れ前の組織の微細化が重要であり,熱間圧延時の再結晶により変態前のオーステナイトを極力微細化しておくことが有効であることを知見した。本発明における粗圧延・仕上圧延の温度域は板厚が大きいこともあり大半が再結晶温度域のため,極力再結晶を進行させてオーステナイトを微細化することで,最終的な有効結晶粒径を小さくして靭性を改善できる。
発明者は,粗圧延と仕上圧延の間の移送時間の影響を調査した。その結果,図2および図3に示すように,移送時間を短くすることで移送時の回復を抑制して,粗圧延と仕上圧延で導入された歪を効果的に再結晶に活用し,有効結晶粒径微細化を通じて靭性改善できることを見いだした。図2に示すように,移送時間を100秒以下とすることで,有効結晶粒径の平方根の逆数d−1/2が8.5mm−1/2以上となり,図3に示すように,−40℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーを150J以上とすることができる。よって,本発明における移送時間を100秒以下と規定する。なお,ここで移送時間とは粗圧延の最終パスの噛み込み時を起点として,仕上圧延の第1パスの噛み込みを終点とした際の所要時間を指す。
また,本発明において,有効結晶粒径とは,EBSDにより測定された粒径を指す。たとえば,EBSDにおいて,160μm×160μmの面積について,0.2μm/stepの間隔で測定したデータをもとに,方位差15°以上を粒界と定義して,OIM−AnalysisなどEBSDに付属するソフトウェアを用いて算出した各結晶粒の面積のデータをもとに,表計算ソフトを用いてヒストグラムを作成し,区分した各区間の平均面積とその区間の面積の合計が全体に占める割合を掛けて,この値を全区間について足しあわせた値をもとに,円相当直径として算出した値を有効結晶粒径とする。
以下に鋼板の合金元素の範囲を規定する。
Cは、強度確保に必須の元素であるため、その添加量を0.13%以上とする。しかし、一方でC量の増大は粗大析出物の生成による靱性の低下を招くため,その上限を0.15%とする。
Siは、強度確保に必須の元素であるため、その添加量を0.02%以上とする。しかし、一方で0.10%超のSi添加は靭性や溶接性の低下を招くためその上限を0.10%とする。
Mnは、強度増大に有効な元素であり、最低でも0.40%以上の添加が必要となるが、逆に0.60%を超えて添加すると焼戻し脆化感受性が高くなって靭性が低下する。よって、Mnの添加量を0.40%以上0.60%以下と規定する。
Pは、0.0010%未満とするには精錬負荷の増大により生産性が大幅に低下し、好ましくない。また0.0150%を超えると焼戻し脆化により靭性が低下する。よって、Pの添加量を0.0010%以上0.0150%以下と規定する。
Sは、0.0001%未満では精錬負荷の増大により生産性が大幅に低下し、好ましくない。また0.0035%を超えると靱性が低下する。よって、Sの添加量を0.0001%以上0.0035%以下と規定する。
Cuは,0.20%を超えると靭性が低下する。よって,Cuの添加量を0.20%以下と規定する。下限は特に規定せず、0.00%でも構わないが、強度の確実な確保のため,0.01%以上添加することが好ましい。
Niは,靭性確保のため,最低でも0.01%以上の添加が必要となるが,0.25%を超えると製造コストが大幅に増大する。よって,Niの添加量を0.01%以上0.25%以下と規定する。
Crは高温での強度と耐酸化性のため2.00%以上の添加が必要となるが,2.50%を超えて添加すると靭性と溶接性が低下する。よって、Crの添加量を2.00%以上2.50%以下と規定する。
Moは高温強度のため0.90%以上の添加が必要となるが,1.10%を超えて添加すると靭性と溶接性が低下する。よって,Moの添加量を0.90%以上1.10%以下と規定する。
Nbは強度確保に有効な元素である。0.005%未満の添加では効果が小さく、0.070%超の添加では靱性の低下を招く。よって、Nbの添加量を0.0005%以上0.070%以下と規定する。
Vは強度確保に有効な元素である。0.295%未満の添加では効果が小さく、0.350%超の添加では靱性と溶接性の低下を招く。よって、Vの添加量を0.295%以上0.350%以下と規定する。
Tiは靭性改善に有効な元素である。0.005%未満の添加では効果が小さく、0.030%超の添加では靱性の低下を招く。よって、Tiの添加量を0.005%以上0.030%以下と規定する。
Alは脱酸材として有効であるとともに,窒化物を形成してBの焼入れ性を確保するのに有効な元素である。最低でも0.020%の添加が必要である。逆に0.080%を超えて添加すると,溶鋼再酸化を通じたアルミナクラスター形成を通じて靭性が低下する。よって、Alの添加量を0.020%以上0.080%以下と規定する。
Bは、焼入性を高めるのに重要な元素である。0.0005%未満では焼入性増大の効果が得られないこと,0.0020%を超える添加ではB炭窒化物の形成により靭性が低下する。よって、Bの添加量を0.0005%以上0.0020%以下と規定する。
Nは、0.0005%未満では精錬負荷の増大によって生産性が低下し、0.0090%を超える添加では靭性が低下する。よって、Nの添加量を0.0005%以上0.0090%以下と規定する。
なお、本発明では、さらに以下の元素を添加することができる。
Caは、ノズル閉塞防止に有効な元素である。0.0003%未満の添加ではその効果が小さく、0.0040%超の添加では靭性の低下を招く。よって、Caの添加量を0.0003%以上0.0040%以下と規定する。
Mgは、靱性向上に有効な元素である。0.0003%未満の添加ではその効果が小さく、0.0040%超の添加では靭性の低下を招く。よって、Mgの添加量を0.0003%以上0.0040%以下と規定する。
REMは、靱性向上に有効な元素である。0.0003%未満の添加ではその効果が小さく、0.0040%超の添加では靭性の低下を招く。よって、REMの添加量を0.0003%以上0.0040%以下と規定する。
なお、鋼板および溶接材料を製造する上で、添加合金を含めた使用原料または溶製中に炉材等から溶出する不可避的不純物として混入しうる、Zn、Sn、Sb等も0.002%未満の混入であれば何ら本発明の効果を損なうものではない。
次に本発明の鋼板の製造方法について記載する。鋼板は、連続鋳造で製造されたスラブを熱間圧延したのちに,焼入れ,焼戻し,あるいは焼ならし,焼入れ,焼戻しによって製造される。
最初に,熱間圧延について説明する。熱間圧延の加熱温度を1280℃超にすると、オーステナイトが粗大化して靭性が低下する。また、加熱温度を1100℃未満にすると、生産性が大幅に低下する。よって、熱間圧延時の加熱温度を1100℃以上かつ1280℃以下と規定する。加熱後の保持時間は、特に規定しない。しかしながら、均一加熱と生産性確保との観点から、上記加熱温度での保持時間が、2時間以上かつ10時間以下であることが好ましい。
加熱後は,粗圧延,仕上圧延を行う。粗圧延の圧下比が1.5未満となると,再結晶が十分に進行せず,組織が粗大化して靭性低下する。よって,粗圧延における圧下比を1.5以上と規定する。また前述の様に,有効結晶粒径を小さくして靭性を改善すべく,粗圧延と仕上圧延の間の移送時間を100秒以下とする。これにより図2,3から有効結晶粒径の平方根の逆数d−1/2が8.5mm−1/2以上となり,−40℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーを150J以上とすることができる。仕上圧延では圧下比が1.3未満となると,再結晶が十分に進行せず,組織が粗大化して靭性低下する。よって,仕上圧延における圧下比を1.3以上と規定する。また,仕上圧延の仕上1パス前温度が800℃未満になると,生産性が大幅に低下するため,仕上1パス前温度は800℃以上が好ましい。なお,ここで圧下比とは,粗圧延,仕上圧延それぞれの圧延において,圧延開始前の板厚を圧延終了後の板厚で除した値である。また,仕上1パス前温度とは,仕上圧延の最終パスの直前に鋼板表面で測定された温度を指す。
次に,焼入れについて説明する。焼入れ時の加熱温度は,1040℃超ではオーステナイトの粗大化により,880℃未満では二相域加熱となって靭性低下することから,焼入れ時の加熱温度を880℃以上1040℃以下と規定する。焼入れ時の加熱・保持後は水冷を行う。ここでは100℃以下まで冷却することが好ましい。
次に、焼き戻しについて説明する。焼き戻し時の加熱温度は770℃超では強度不足となり,670℃未満では靭性低下することから,焼戻し時の加熱温度を670℃以上770℃以下と規定する。焼戻し時の加熱・保持後は空冷する。なお,材質安定化のため,焼入れに先立って焼ならしを行うことができる。この際の加熱温度は900℃以上1000℃以下とすることが好ましい。
種々の化学成分、製造条件で製造した板厚50、100、200mmの鋼板について、PWHTを想定した熱処理を行った鋼板の高温引張試験およびシャルピー衝撃試験を実施した。鋼板の化学成分,板厚、X,有効結晶粒径の平方根の逆数、製造方法,特性の評価結果を表1に示す。PWHTを想定した熱処理は719℃加熱,1920分保持とした。高温引張試験は,丸棒引張試験片を使用した。試験片は、板厚の1/2だけ鋼板表面から内部に入った部位において,試験片の長手方向が圧延方向と垂直になるように採取した。試験温度454℃で2本の試験を行い、2本の平均値が470MPa以上を合格とした。シャルピー衝撃試験は,2mmVノッチ試験片のフルサイズ試験片を,板厚の1/2だけ鋼板表面から内部に入った部位において,試験片の長手方向が圧延方向と垂直になるように,またノッチの前縁を結ぶ線が板厚方向に平行になるように採取した。試験温度−40℃で3本の試験を行い,3本の平均値が150J以上を合格とした。表1の実施例1〜26に示すように,本発明に規定した成分および製造方法で鋼板を製造することにより,優れた高温強度および靭性の鋼板が得られた。
以上の実施例から,本発明により製造された鋼材である発明例1〜34の鋼板は,高温強度および靭性に優れた鋼材であることは明白である。

Claims (4)

  1. 鋼が、質量%で、
    C :0.13%以上0.15%以下、
    Si:0.02%以上0.10%以下、
    Mn:0.40%以上0.60%以下、
    P:0.0010%以上0.0150%以下、
    S:0.0001%以上0.0035%以下、
    Cu:0.00%以上0.20%以下,
    Ni:0.01%以上0.25%以下,
    Cr:2.00%以上2.50%以下,
    Mo:0.90%以上1.10%以下,
    Nb:0.005%以上0.070%以下,
    V:0.295%以上0.350%以下,
    Ti:0.005%以上0.030%以下,
    Al:0.020%以上0.080%以下,
    B:0.0005%以上0.0020%以下,
    N:0.0005%以上0.0090%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であり,下記式(A)で表されるXが22.6以上であり,応力除去焼鈍後の454℃における引張強さが470MPa以上であり,有効結晶粒径の平方根の逆数が8.5mm−1/2以上で,応力除去焼鈍後の鋼板の−40℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーが150J以上であることを特徴とする、高温強度と靭性に優れた鋼板。
    X=4Cr+11Mo+10V (A)
    ここでCr:Crの質量%,Mo:Moの質量%,V:Vの質量%である。
  2. さらに質量%で、
    Ca:0.0003%以上0.0040%以下、
    Mg:0.0003%以上0.0040%以下、
    REM:0.0003%以上0.0040%以下
    のいずれか1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であることを特徴とする請求項1に記載の高温強度と靭性に優れた鋼板。
  3. 鋼が、質量%で、
    C :0.13%以上0.15%以下、
    Si:0.02%以上0.10%以下、
    Mn:0.40%以上0.60%以下、
    P:0.0010%以上0.0150%以下、
    S:0.0001%以上0.0035%以下、
    Cu:0.00%以上0.20%以下,
    Ni:0.01%以上0.25%以下,
    Cr:2.00%以上2.50%以下,
    Mo:0.90%以上1.10%以下,
    Nb:0.005%以上0.070%以下,
    V:0.295%以上0.350%以下,
    Ti:0.005%以上0.030%以下,
    Al:0.020%以上0.080%以下,
    B:0.0005%以上0.0020%以下,
    N:0.0005%以上0.0090%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、下記式(A)で表されるXを22.6以上としてなる鋼組成のスラブを1100℃以上1280℃以下に加熱して,圧下比が1.5以上となる粗圧延を行い,粗圧延の終了から仕上圧延の開始までの時間を100秒以下として,圧下比が1.3以上で仕上1パス前温度が800℃以上となる仕上圧延を行い,その後,880℃以上1040℃以下に再加熱したのちに水冷する焼入れを行い,その後670℃以上770℃以下に加熱したのちに空冷を行う焼戻しを行うことを特徴とする,高温強度と靭性に優れた鋼板の製造方法。
    X=4Cr+11Mo+10V (A)
    ここでCr:Crの質量%,Mo:Moの質量%,V:Vの質量%である。
  4. さらに質量%で、
    Ca:0.0003%以上0.0040%以下、
    Mg:0.0003%以上0.0040%以下、
    REM:0.0003%以上0.0040%以下
    のいずれか1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であることを特徴とする請求項3に記載の高温強度と靭性に優れた鋼板の製造方法。
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