JP2016079383A - 金属加工用潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性能に優れ、難加工条件下に適用できる加工油として好適に用いることができる非塩素系の金属加工用潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】潤滑油基油、[A]一般式(1)で示される金属比1以上9以下のカルシウムサリシレート、および[B]硫化油脂、硫化エステルおよびポリサルファイドから選ばれる少なくとも1種の硫黄系添加剤を含有することを特徴とする金属加工用潤滑油組成物。
Figure 2016079383

(式中、Rは炭素数14〜28の直鎖または分枝のアルキル基を示す。xは置換数を表し、1または2であり、xが2のときRは互いに同一でも異なっていても良い。)
【選択図】なし

Description

本発明は、金属加工用潤滑油組成物、特に切削加工用潤滑油組成物に関する。
従来から切削加工や塑性加工等の金属加工において種々の組成物が用いられているが、加工性向上効果に優れ、かつ安価な塩素系極圧剤が金属加工用油剤として特に多用されてきた。
しかし、近年では塩素系極圧剤を配合した潤滑油は、焼却処理時のダイオキシンの発生や焼却炉の腐食、損傷等の問題が指摘されており、また一部の有機塩素化合物は、発がん性を有することが報告されている。したがって、塩素を含有しない金属加工油の開発が求められている。塩素を含有しない金属加工油としては、ポリサルファイド、硫化油脂、カルシウムスルホネート、ZnDTP等の硫黄基材や、リン酸エステル等のリン系基材を使用したものが従来から知られている(下記特許文献1〜5参照)。これらのなかでも特に活性ポリサルファイドとスルホネート併用したものが優れることが従来知られている。
しかしながら、これらの潤滑油組成物では加工性能が充分ではなく、近年の材料の硬度化、高塑性化、また加工効率の高効率化等により、切削加工では工具寿命や加工精度の低下、塑性加工では材料破断や工具破損等の問題が発生している。
特開平6−313182号公報 特開平6−330076号公報 特開平10−226795号公報 特開2004−059658号公報 特開2003−073684号公報 特開2015−086347号公報 特開2015−089900号公報
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、加工性能に優れ、難加工条件下に適用できる加工油として好適に用いることができる非塩素系の金属加工用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題について鋭意研究した結果、従来から切削助剤として多用されていたカルシウムスルホネートに代えて、カルシウムサリシレートと特定の硫黄系添加剤を組み合わせることで、従来以上に切削性能に優れ、かつ低粘度な金属加工用潤滑油が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、潤滑油基油、[A]一般式(1)で示される金属比1以上9以下のカルシウムサリシレート、および[B]硫化油脂、硫化エステルおよびポリサルファイドから選ばれる少なくとも1種の硫黄系添加剤を含有することを特徴とする金属加工用潤滑油組成物である。
Figure 2016079383
(式中、Rは炭素数14〜28の直鎖または分枝のアルキル基を示す。xは置換数を表し、1または2であり、xが2のときRは互いに同一でも異なっていても良い。)
また、本発明は、式(1)中のRが炭素数14〜18の直鎖または分枝のアルキル基であることを特徴とする前記の金属加工用潤滑油組成物である。
また、本発明は、硫化エステルが一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする前記の金属加工用潤滑油組成物である。
Figure 2016079383
(式中、RおよびRはそれぞれ個別に水素または炭素数1〜24のヒドロカルビル基を示す。a1、b1、a2、b2はそれぞれ個別に3以上の整数であり、a1とb1の和およびa2とb2の和はそれぞれ個別に8〜14である。yは1〜8の正の数を示す。)
また、本発明は、ポリサルファイドが一般式(3)で示される化合物であることを特徴とする前記の金属加工用潤滑油組成物である。
−Sz−R (3)
(式中、RおよびRは、それぞれ個別に炭素数4〜16の直鎖または分枝のアルキル基を示す。zは2〜8の正の数を示す。)
また、本発明は、切削加工用であることを特徴とする前記の金属加工用潤滑油組成物である。
本発明により、塩素系極圧剤を含有しないため環境問題が少なく、かつ加工性能に優れ、難加工条件下に適用できる金属加工用潤滑油組成物が提供される。
以下、本発明について詳述する。
本発明の潤滑油組成物の潤滑油基油としては、鉱油、合成油および油脂が用いられ、これらは混合物であってもよい。
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を1種又は2種以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油又はナフテン系鉱油が挙げられる。
合成油としては、例えば、プロピレンオリゴマー、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレンとプロピレンとのコオリゴマー、エチレンと1−オクテンとのコオリゴマー、エチレンと1−デセンとのコオリゴマー等のポリα−オレフィン(PAO)又はそれらの水素化物;イソパラフィン;モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、ポリアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン;モノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン;ジオクチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジトリデシルグルタレート等の二塩基酸エステル;トリメリット酸等の三塩基酸エステル;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、トリメチロールプロパンオレート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリールモノエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコールモノエーテル、ポリエチレングリコールジエーテル、ポリプロピレングリコールジエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコールジエーテル等のポリグリコール;モノアルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、モノアルキルトリフェニルエーテル、ジアルキルトリフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル等のフェニルエーテル;シリコーン油;パーフルオロエーテル等のフルオロエーテル、等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
油脂としては、例えば、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、これらの水素添加物もしくはこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
潤滑油基油の100℃における動粘度は1〜100mm/sが好ましく、2〜80mm/sがより好ましく、3〜50mm/sがさらに好ましい。100℃動粘度が1mm/s未満だと潤滑性が低下し、またミストの発生で作業環境が悪化するため好ましくない。一方、100mm/sを超えると、被加工物に付着して持ち去られる油剤の量が多くなるため好ましくない。
潤滑油基油の40℃における動粘度は1〜500mm/sが好ましく、3〜400mm/sがより好ましく、5〜50mm/sがさらに好ましい。1mm/s未満だと加工性が低下するため、500mm/sを超えると洗浄性が低下するためそれぞれ好ましくない。
潤滑油基油の含有量は、特に制限はないが、潤滑油組成物全量基準で60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。一方、98.5質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、[A]成分として、一般式(1)で示される金属比1以上9以下のカルシウムサリシレートを含有する。
Figure 2016079383
上記一般式(1)において、Rは炭素数14〜28の直鎖又は分枝のアルキル基を示す。Rの炭素数は加工効率がより良いことから14〜18であることが特に好ましい。xは置換数を表し、1または2である。xが2のときRは互いに同一でも異なっていても良い。
上記Rで表されるアルキル基としては、具体的には、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられ、これらの中でもテトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基が好ましい。これらは直鎖でも分枝でもよく、また1級アルキル基、2級アルキル基又は3級アルキル基でもよい。
カルシウムサリシレートには、アルキルサリチル酸を直接、カルシウムの酸化物や水酸化物等のカルシウム塩基と反応させたり、又は一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからカルシウム塩と置換させること等により得られる中性(正塩)カルシウムサリシレート;あるいは中性カルシウムサリシレートと過剰のアルカリ土類金属塩やアルカリ土類金属塩基を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性カルシウムサリシレート;更には中性カルシウムサリシレートの存在下で、アルカリ土類金属の水酸化物と炭酸ガス又はホウ酸とを反応させることにより得られる過塩基性(超塩基性)カルシウムサリシレートも含まれる。
[A]成分の金属比は1以上が必要であり、1.5以上が好ましく、2以上がより好ましい。一方、9以下であることが必要であり、7以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が特に好ましい。
金属比が1未満では、併用時に切削、研削の加工性が不十分となる場合があり、一方、金属比が9を超えるものは金属サリシレート系清浄剤はとして不安定であり、製品とした場合に沈殿物を生じる可能性があるため好ましくない。
なお、ここでいう金属比とは、金属元素の価数×金属元素含有量(mol)/せっけん基(即ち、アルキルサリチル酸基などの基)含有量(mol)で表され、即ち、金属比はカルシウムサリシレート中のアルキルサリチル酸基含有量に対するカルシウム含有量を示す。
[A]成分の全塩基価は特に制限はないが、50〜500mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは100〜450mgKOH/gである。全塩基価が50mgKOH/g未満の場合は潤滑性向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、全塩基価が500mgKOH/gを超えるものは製造が非常に難しく入手が困難であるため、それぞれ好ましくない。
なお、ここでいう全塩基価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による全塩基価[mgKOH/g]をいう。
[A]成分の含有量は、特に制限はないが、組成物全量基準で0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましい。一方、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、7質量%以下が特に好ましく、5質量%以下が最も好ましい。
[A]成分の含有量が0.5質量%未満だと加工効率及び工具寿命の向上効果が不十分となる傾向にあり、20質量%を超えると金属加工油組成物の安定性が低下して析出物が生じやすくなる傾向にあるため、それぞれ好ましくない。
本発明の潤滑油組成物は、[B]成分として、特定の硫黄系添加剤を含有する。
特定の硫黄系添加剤とは、具体的には、硫化油脂、硫化エステルまたはポリサルファイドである。これらはそれぞれ1種の化合物を用いても良いし、2種以上の化合物を用いても良い。また硫化油脂、硫化エステル、ポリサルファイドの2種以上を同時に含有させることもできる。
硫化油脂とは、不飽和結合を有する油脂を硫化して得られる化合物を指す。このような油脂としては、特に制限はなく、前述した牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油またはこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。また硫化処理方法は特に制限はなく、任意の方法が選択できる。
硫化エステルは不飽和結合を有するエステル化合物を硫化して得られる化合物を指す。このような硫化エステルとしては、特に制限はなく、任意の化合物を使用できる。なかでも本発明においては、下記式(2)で表せる硫化エステルが好ましい。
Figure 2016079383
一般式(2)において、RおよびRはそれぞれ個別に水素または炭素数1〜24、好ましくは1〜8のヒドロカルビル基を示す。
炭素数1〜24のヒドロカルビル基としては、具体的には、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。これらの中でもアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(2)において、a1、b1、a2、b2はそれぞれ個別に3以上の整数であり、a1とb1の和およびa2とb2の和はそれぞれ個別に8〜14、好ましくは10〜12である。
a1とb1の和、a2とb2の和が8未満だと溶解性が低下するため、一方14を超えると加工性が低下するためそれぞれ好ましくない。
また上記式(2)におけるyは硫黄架橋数を表すが、混合物においては平均硫黄架橋数を表す。通常、硫化して得られる化合物は硫黄架橋数の異なる化合物の混合物である。y(平均硫黄架橋数)は1〜8であり、2〜6が好ましい。
上記式(2)で示される硫化エステルは、不飽和結合を分子内に1つ有する炭素数が14〜20の不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸など)のエステルを硫黄架橋することにより得られる。原料の不飽和脂肪酸エステルは精製されたものが好ましいが、不純物を含んでいても使用することができる。原料中の不純物の含有量は50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下が最も好ましい。
前記不飽和脂肪酸エステルとしては、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル等のオレイン酸エステルが好ましく、これらの中ではオレイン酸メチルが効果的な摩擦低減効果を示すため好ましい。
ポリサルファイドは2個以上の硫黄によって架橋された化合物全般を指すが、特にジアルキルポリサルファイド化合物が好ましい。ジアルキルポリサルファイドとは、下記一般式(3)で表される化合物である。
−Sz−R (3)
一般式(3)において、RおよびRはそれぞれ個別に炭素数4〜16、好ましくは6〜14の直鎖または分岐状のアルキル基を示す。
上記式(3)におけるzは硫黄架橋数を表すが、混合物においては平均硫黄架橋数を表す。通常、硫化して得られる化合物は硫黄架橋数の異なる化合物の混合物である。z(平均硫黄架橋数)は2〜8が好ましく、3〜6がより好ましい。
上記一般式(3)におけるRおよびRの具体例としては、n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,各種ドデシル基などを挙げることができる。
ジアルキルポリサルファイドの具体例としては、ジ−tert−ブチルポリサルファイド、ジ−tert−オクチルポリサルファイド、ジ−tert−ノニルポリサルファイド、ジ−sec−オクチルポリサルファイド、ジ−sec−デシルポリサルファイド、ジ−sec−ドデシルポリサルファイド、ジ−sec−ヘキサデシルポリサルファイド等が挙げられる。
[B]成分の含有量は特に制限はないが、組成物全量基準で1質量%以上が好ましく、1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましい。一方、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、7質量%以下が特に好ましく、5質量%以下が最も好ましい。
[B]成分の含有量が1質量%未満だと極圧剤としての充分な効果を得ることができず、20質量%を超えると潤滑油組成物の酸化安定性が低下する傾向がみられるため、それぞれ好ましくない。
また、本発明の潤滑油組成物には、必要に応じ上記した[A]成分および[B]成分以外の従来公知の添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、例えば、[A]成分以外の金属系清浄剤;[B]成分以外の非塩素系極圧剤;ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の湿潤剤;アクリルポリマー、パラフィンワックス、マイクロワックス、スラックワックス、ポリオレフィンワックス等の造膜剤;脂肪酸アミン塩等の水置換剤;グラファイト、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ポリエチレン粉末等の固体潤滑剤;アミン、アルカノールアミン、アミド、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸、リン酸塩、多価アルコールの部分エステル等の腐食防止剤;ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等の金属不活性化剤;メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレート等の消泡剤;アルケニルコハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアルケニルアミンアミノアミド等の無灰分散剤;等が挙げられる。これらの公知の添加剤を併用する場合の含有量は特に制限されないが、これらの公知の添加剤の合計含有量が潤滑油組成物全量基準で0.1〜10質量%となるような量で添加するのが好ましい。塩素を実質的に含有しないこと、塩素元素含有量が10質量ppm以下、特には1質量ppm以下が好ましい。
本発明の潤滑油組成物の動粘度は特に制限されないが、加工部位への供給容易性の点から、粘度が高すぎないものが良い。すなわち、40℃における動粘度が500mm/s以下であることが好ましく、400mm/s以下であることがより好ましく、50mm/s以下であることが最も好ましい。一方で、加工部位での十分な油膜形成の点では、粘度が低すぎないものが良い。すなわち、40℃における動粘度は1mm/s以上であることが好ましく、3mm/s以上であることがより好ましく、5mm/s以上であることがさらに好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、加工効率、工具寿命などの加工性能、更には取扱性に優れるものであるため、金属加工分野の広範な用途において好適に使用することができる。ここでいう金属加工とは、切削・研削加工に限定されず、広く金属加工全般を意味する。また、本発明の潤滑油組成物は、通常給油方式による金属加工の他、極微量油剤供給式切削・研削加工(MQL加工)などにも適用可能である。
金属加工の種類としては、具体的には、切削加工、研削加工、転造加工、鍛造加工、プレス加工、引き抜き加工、圧延加工等が挙げられる。これらの中でも、本発明の潤滑油組成物は切削加工、研削加工、転造加工などの用途に非常に有用である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10および比較例1〜4)
表1に示す通りに各潤滑油組成物を調製した。基油の含有量は基油全量基準であり、添加剤の含有量は組成物全量基準である。各潤滑油組成物に対して、下記の試験を行い、その結果を表1に併記した。
なお、カルシウムサリシレートはカルシウム量が組成物全量基準で1000質量ppmになるように、硫黄系添加剤は硫黄量が組成物全量基準で1質量%になるように添加した。
(タッピング試験)
各潤滑油組成物について、下記の加工条件にて標準油に対するタッピングエネルギー効率Eを測定し、この試験による切削性能評価を行った。
・被削材:S25C
・工具径:8mm
・タップピッチ:1.25mm
・タップすくい角:10度
・タップ食いつき角:1.5度
・タップ下穴径:6.8mm
・回転数:360rpm
・加工数:1穴
・標準油:DIDA(アジピン酸ジイソデシル)
・供給油剤量:9.0ml/分
なお、タッピングエネルギー効率Eは、タッピングエネルギー効率E(%)=(比較標準油を用いた場合のタッピングエネルギー)/(油剤組成物を用いた場合のタッピングエネルギー)により定義される。
Figure 2016079383
本発明の金属加工用潤滑油組成物は、塩素系極圧剤を含有しないため環境問題が少なく取扱いが容易であり、加工効率の向上、工具寿命の向上を達成することができるため有用である。

Claims (5)

  1. 潤滑油基油、[A]一般式(1)で示される金属比1以上9以下のカルシウムサリシレート、および[B]硫化油脂、硫化エステルおよびポリサルファイドから選ばれる少なくとも1種の硫黄系添加剤を含有することを特徴とする金属加工用潤滑油組成物。
    Figure 2016079383
    (式中、Rは炭素数14〜28の直鎖または分枝のアルキル基を示す。xは置換数を表し、1または2であり、xが2のときRは互いに同一でも異なっていても良い。)
  2. 式(1)中のRが炭素数14〜18の直鎖または分枝のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の金属加工用潤滑油組成物。
  3. 硫化エステルが一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属加工用潤滑油組成物。
    Figure 2016079383
    (式中、RおよびRはそれぞれ個別に水素または炭素数1〜24のヒドロカルビル基を示す。a1、b1、a2、b2はそれぞれ個別に3以上の整数であり、a1とb1の和およびa2とb2の和はそれぞれ個別に8〜14である。yは1〜8の正の数を示す。)
  4. ポリサルファイドが一般式(3)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属加工用潤滑油組成物。
    −Sz−R (3)
    (式中、RおよびRは、それぞれ個別に炭素数4〜16の直鎖または分枝のアルキル基を示す。zは2〜8の正の数を示す。)
  5. 切削加工用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属加工用潤滑油組成物。
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