JP2002105476A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JP2002105476A
JP2002105476A JP2000294817A JP2000294817A JP2002105476A JP 2002105476 A JP2002105476 A JP 2002105476A JP 2000294817 A JP2000294817 A JP 2000294817A JP 2000294817 A JP2000294817 A JP 2000294817A JP 2002105476 A JP2002105476 A JP 2002105476A
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JP2000294817A
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Hideo Yokota
秀雄 横田
Satoshi Suda
聡 須田
Yoshitaka Natsume
芳孝 夏目
Masanori Ihi
政則 井比
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Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削・研削加工などの金属加工に用いた場合
に有用な、塩素系極圧剤を用いずとも十分に高い潤滑特
性を有しており、且つ臭気が十分に抑制された潤滑油組
成物、並びに該潤滑油組成物を用いた金属加工油組成物
及び切削・研削加工油剤組成物を提供すること。 【解決手段】 潤滑油基油と、ジハイドロカルビルポリ
サルファイド、硫化エステル、硫化鉱油、ジチオリン酸
亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリ
ン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデ
ン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の第一
の添加剤と、チアゾール化合物及びチアジアゾール化合
物からなる群より選ばれる少なくとも1種の第二の添加
剤とを含有することを特徴とする潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は潤滑油組成物に関す
るものであり、詳しくは、切削・研削加工油剤組成物な
どの金属加工油剤組成物として用いた場合に有用な潤滑
油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属の切削加工、研削加工の
分野においては、塩素化パラフィンなどの塩素系極圧剤
や硫化油脂、サルファイド、チオカーボネートなどの硫
黄系極圧剤が広く用いられてきた。中でも、塩素系極圧
剤は、一般に硫黄系極圧剤に比べて優れた切削性能を有
しており、切削加工、特にサーメット工具、コーテッド
工具、超高圧焼結体工具などを用いる重切削加工及び高
速切削加工において不可欠とされてきた。
【0003】しかしながら、近年、環境保護の問題から
塩素系添加剤の使用に対する懸念が高まっており、実際
に、現在ドイツにおいては廃油中の塩素含有量の規制が
行われている。また、人体に対する安全性の問題とし
て、塩素系添加剤のダイオキシンや発ガン性に関する疑
惑が報告されたりもしている。
【0004】そこで、環境保護や安全性の面から、塩素
系極圧剤を含有しない新規な切削・研削加工油剤の開発
が急速に進められおり、その一つとして、特開平9−6
7587号公報、特開平9−125984号公報などに
開示されているような硫黄系極圧剤とスルホネート類と
を併用した切削加工油剤組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の切削加工油剤組成物のように、硫黄系極圧剤を用い
る場合には、使用される装置の内部、タンク、機械周辺
における臭気が問題となる場合が多い。そこで、その臭
気を防止もしくは低減することが求められいるが、硫黄
系極圧剤の配合量を低減するなどの方法では十分に高い
切削性能と臭気の防止とを両立することは困難であり、
塩素系切削・研削加工油剤組成物に代替し得る優れた特
性を有するものは未だ開発されていなかった。
【0006】本発明は上記従来技術の有する課題に鑑み
てなされたものであり、切削・研削加工などの金属加工
に用いた場合に有用な、塩素系極圧剤を用いずとも十分
に高い潤滑特性を有しており、且つ臭気が十分に抑制さ
れた潤滑油組成物、並びに該潤滑油組成物を用いた金属
加工油組成物及び切削・研削加工油剤組成物を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、潤滑油基油に特定の
硫黄系極圧剤とチアゾール及び/又はチアジアゾールと
を配合した場合に上記課題が解決されることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の潤滑油組成物は、潤滑
油基油と、ジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化
エステル、硫化鉱油、ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオ
カルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合
物及びジチオカルバミン酸モリブデン化合物からなる群
より選ばれる少なくとも1種の第一の添加剤と、チアゾ
ール化合物及びチアジアゾール化合物からなる群より選
ばれる少なくとも1種の第二の添加剤とを含有すること
を特徴とするものである。
【0009】また、本発明の金属加工油剤組成物は、上
記本発明の潤滑油組成物からなることを特徴とするもの
である。
【0010】さらに、本発明の切削・研削加工油剤組成
物は、上記本発明の潤滑油組成物からなることを特徴と
するものである。
【0011】本発明においては、前記第一の添加剤がジ
ハイドロカルビルポリサルファイド及び硫化エステルか
らなる群より選ばれる少なくとも1種であり、且つ前記
第二の添加剤が下記一般式(1)〜(5):
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】[上記式(1)〜(5)中、R1及びR2
それぞれ水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基又はア
ミノ基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜4の炭化
水素基を表し、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は同一
でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数
1〜20の炭化水素基を表し、a及びbは0〜3の整数
を表し、c、d、e、f、g及びhは同一でも異なって
いてもよく、それぞれ0〜8の整数を表す]で表される
化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であるこ
とが好ましい。
【0018】また、本発明においては、前記潤滑油組成
物が有機酸塩をさらに含有することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0020】本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油と、
ジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、
硫化鉱油、ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン
酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチ
オカルバミン酸モリブデン化合物からなる群より選ばれ
る少なくとも1種の第一の添加剤と、チアゾール化合物
及びチアジアゾール化合物からなる群より選ばれる少な
くとも1種の第二の添加剤とを含有することを特徴とす
るものであり、このような潤滑油組成物を用いることに
よって、塩素系極圧剤を用いずとも十分に高い切削性能
が得られるとともに、臭気を十分に抑制することが可能
となる。
【0021】本発明にかかる潤滑油基油は、特に制限さ
れるものではなく、通常潤滑油基油として使用されてい
るものであれば鉱油系、合成系を問わず使用することが
できる。
【0022】本発明において用いられる鉱油系潤滑油基
油としては、具体的には、原油に常圧蒸留及び減圧蒸留
を施して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽
出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精
製、硫酸洗浄、白土処理などの精製処理を適宜組み合わ
せて精製したパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などが
挙げられる。
【0023】また、本発明において用いられる合成系潤
滑油基油としては、具体的には、ポリα−オレフィン
(ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオ
リゴマーなど)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレ
ン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ2−エ
チルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ
トリデシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセパケー
トなど)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパ
ンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネー
ト、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、
ペンタエリスリトールペラルゴネートなど)、ポリオキ
シアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、シリ
コーン油、パーフルオロアルキルエーテルなどが挙げら
れる。
【0024】なお、本発明においては、これらの鉱油系
又は合成系潤滑油基油のうちの1種を単独で使用しても
よく、2種以上を任意の混合割合で組み合わせて使用し
てもよい。また、本発明にかかる潤滑油基油の粘度は任
意であるが、40℃における動粘度が3〜100mm2
/sのものが好ましく、5〜50mm2/sのものがよ
り好ましい。
【0025】本発明にかかる第一の添加剤としては、ジ
ハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、硫
化鉱油、ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸
亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオ
カルバミン酸モリブデン化合物からなる群より選ばれる
少なくとも1種が使用される。
【0026】上記第一の添加剤のうちジハイドロカルビ
ルポリサルファイドとは、一般的にポリサルファイド又
は硫化オレフィンと呼ばれる硫黄系化合物であり、具体
的には下記一般式(6): R10 −Sx −R11 (6) [上記式(6)中、R10 及びR11 は同一でも異なって
いてもよく、それぞれ炭素数3〜20の直鎖状又は分枝
状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数
6〜20のアルキルアリール基あるいは炭素数6〜20
のアリールアルキル基を表し、xは2〜6、好ましくは
2〜5の整数を表す]で表される化合物を意味する。上
記一般式(6)中のR10 及びR11としては、具体的に
は、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、直鎖又は分枝ペンチル基、直鎖又は分枝ヘキシル
基、直鎖又は分枝ヘプチル基、直鎖又は分枝オクチル
基、直鎖又は分枝ノニル基、直鎖又は分枝デシル基、直
鎖又は分枝ウンデシル基、直鎖又は分枝ドデシル基、直
鎖又は分枝トリデシル基、直鎖又は分枝テトラデシル
基、直鎖又は分枝ペンタデシル基、直鎖又は分枝ヘキサ
デシル基、直鎖又は分枝ヘプタデシル基、直鎖又は分枝
オクタデシル基、直鎖又は分枝ノナデシル基、直鎖又は
分枝イコシル基などの直鎖状又は分枝状のアルキル基;
フェニル基、ナフチル基などのアリール基;トリル基
(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全て
の構造異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルフェニル
基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルフ
ェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ペ
ンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又
は分枝ヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含
む)、直鎖又は分枝ヘプチルフェニル基(全ての構造異
性体を含む)、直鎖又は分枝オクチルフェニル基(全て
の構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ノニルフェニル基
(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝デシルフェ
ニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ウン
デシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又
は分枝ドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含
む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチル
メチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチ
ルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又
は分枝)プロピルフェニル基(全ての構造異性体を含
む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチルフェニル基(全ての構
造異性体を含む)、メチルナフチル基(全ての構造異性
体を含む)、エチルナフチル基(全ての構造異性体を含
む)、直鎖又は分枝プロピルナフチル基(全ての構造異
性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルナフチル基(全ての
構造異性体を含む)、ジメチルナフチル基(全ての構造
異性体を含む)、エチルメチルナフチル基(全ての構造
異性体を含む)、ジエチルナフチル基(全ての構造異性
体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)プロピルナフチル基
(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチ
ルナフチル基(全ての構造異性体を含む)などのアルキ
ルアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基(全ての
異性体を含む)、フェニルプロピル基(全ての異性体を
含む)などのアリールアルキル基;などを挙げることが
できる。これらの中でも、一般式(6)式中のR9及び
10 としては、プロピレン、1−ブテン又はイソブチ
レンから誘導された炭素数3〜18のアルキル基、又は
炭素数6〜8のアリール基、アルキルアリール基あるい
はアリールアルキル基であることが好ましく、これらの
基としては例えば、イソプロピル基、プロピレン2量体
から誘導される分枝状ヘキシル基(全ての分枝状異性体
を含む)、プロピレン3量体から誘導される分枝状ノニ
ル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン4量体
から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体
を含む)、プロピレン5量体から誘導される分枝状ペン
タデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン
6量体から誘導される分枝状オクタデシル基(全ての分
枝状異性体を含む)、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、1−ブテン2量体から誘導される分枝状オクチ
ル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン2量
体から誘導される分枝状オクチル基(全ての分枝状異性
体を含む)、1−ブテン3量体から誘導される分枝状ド
デシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン
3量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状
異性体を含む)、1−ブテン4量体から誘導される分枝
状ヘキサデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソ
ブチレン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基
(全ての分枝状異性体を含む)などのアルキル基;フェ
ニル基、トリル基(全ての構造異性体を含む)、エチル
フェニル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基
(全ての構造異性体を含む)などのアルキルアリール
基; ベンジル基、フェニルエチル基(全ての異性体を
含む)などのアリールアルキル基;が挙げられる。
【0027】さらに、上記一般式(6)中のR10及びR
11としては、その切削性能の点から、別個に、エチレン
又はプロピレンから誘導された炭素数3〜18の分枝状
アルキル基であることがより好ましく、エチレン又はプ
ロピレンから誘導された炭素数6〜15の分枝状アルキ
ル基であることが特に好ましい。
【0028】本発明にかかる第一の添加剤としての硫化
エステルとしては、具体的には例えば、牛脂、豚脂、魚
脂、菜種油、大豆油などの動植物油脂;不飽和脂肪酸
(オレイン酸、リノール酸又は上記の動植物油脂から抽
出された脂肪酸類などを含む)と各種アルコールとを反
応させて得られる不飽和脂肪酸エステル;及びこれらの
混合物などを任意の方法で硫化することにより得られる
ものが挙げられる。
【0029】本発明にかかる硫化鉱油とは、鉱油に単体
硫黄を溶解させたものをいう。ここで、本発明にかかる
硫化鉱油に用いられる鉱油としては特に制限されない
が、具体的には、上記の本発明にかかる潤滑油基油の説
明において例示された鉱油系潤滑油基油が挙げられる。
また、単体硫黄としては、塊状、粉末状、溶融液体状等
いずれの形態のものを用いてもよいが、粉末状又は溶融
液体状の単体硫黄を用いると基油への溶解を効率よく行
うことができるので好ましい。なお、溶融液体状の単体
硫黄は液体同士を混合するので溶解作業を非常に短時間
で行うことができるという利点を有しているが、単体硫
黄の融点以上で取り扱わねばならず、加熱設備などの特
別な装置を必要としたり、高温雰囲気下での取り扱いと
なるため危険を伴うなど取り扱いが必ずしも容易ではな
い。これに対して、粉末状の単体硫黄は、安価で取り扱
いが容易であり、しかも溶解に要する時間が十分に短い
ので特に好ましい。また、本発明にかかる硫化鉱油にお
ける硫黄含有量に特に制限はないが、通常、硫化鉱油全
量を基準として好ましくは0.05〜1.0質量%であ
り、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0030】本発明において用いられるジチオリン酸亜
鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン
酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデン
化合物とは、それぞれ下記式(7)〜(10):
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】[上記式(7)〜(10)中、R12
13、R14、R15、R16、R17、R18、R 19、R20、R
21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は同一でも
異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の炭化水素
基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表す]で表され
る化合物を意味する。ここで、R12、R13、R14
15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R
23、R24、R25、R26及びR27で表される炭化水素基の
具体例を例示すれば、メチル基、エチル基、プロピル基
(すべての分枝異性体を含む)、ブチル基(すべての分
枝異性体を含む)、ペンチル基(すべての分枝異性体を
含む)、ヘキシル基(すべての分枝異性体を含む)、ヘ
プチル基(すべての分枝異性体を含む)、オクチル基
(すべての分枝異性体を含む)、ノニル基(すべての分
枝異性体を含む)、デシル基(すべての分枝異性対を含
む)、ウンデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ド
デシル基(すべての分枝異性対を含む)、トリデシル基
(すべての分枝異性対を含む)、テトラデシル基(すべ
ての分枝異性対を含む)、ペンタデシル基(すべての分
枝異性対を含む)、ヘキサデシル基(すべての分枝異性
対を含む)、ヘプタデシル基(すべての分枝異性対を含
む)、オクタデシル基(すべての分枝異性対を含む)、
ノナデシル基(すべての分枝異性対を含む)、イコシル
基(すべての分枝異性対を含む)、ヘンイコシル基(す
べての分枝異性対を含む)、ドコシル基(すべての分枝
異性対を含む)、トリコシル基(すべての分枝異性対を
含む)、テトラコシル基(すべての分枝異性対を含む)
などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;メチル
シクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチ
ルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジ
メチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含
む)、プロピルシクロペンチル基(すべての分枝異性
体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル
基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペ
ンチル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロ
ペンチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含
む)、メチルプロピルシクロペンチル基(すべての分枝
異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル
基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシク
ロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシ
クロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチル
シクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメ
チルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、
プロピルシクロヘキシル基(すべての分枝異性体、置換
異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(すべ
ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基
(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘキシル
基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチル
プロピルシクロヘキシル基(すべての分枝異性体、置換
異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべての
置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘキシル基
(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル
基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチ
ル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘ
プチル基(すべての置換異性体を含む)、プロピルシク
ロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含
む)、メチルエチルシクロヘプチル基(すべての置換異
性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(すべての
置換異性体を含む)、ブチルシクロヘプチル基(すべて
の分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシ
クロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含
む)、ジエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体
を含む)、ジメチルエチルシクロヘプチル基(すべての
置換異性体を含む)などのアルキルシクロアルキル基;
フェニル基、ナフチル基などのアリール基;トリル基
(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての
置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換
異性体を含む)、プロピルフェニル基(すべての分枝異
性体、置換異性体を含む)、メチルエチルフェニル基
(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基
(すべての置換異性体を含む)、ブチルフェニル基(す
べての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピ
ルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含
む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含
む)、ジメチルエチルフェニル基(すべての置換異性体
を含む)、ペンチルフェニル基(すべての分枝異性体、
置換異性体を含む)、ヘキシルフェニル基(すべての分
枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプチルフェニル基
(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクチル
フェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含
む)、ノニルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異
性体を含む)、デシルフェニル基(すべての分枝異性
体、置換異性体を含む)、ウンデシルフェニル基(すべ
ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ドデシルフェニ
ル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、トリ
デシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を
含む)、テトラデシルフェニル基(すべての分枝異性
体、置換異性体を含む)、ペンタデシルフェニル基(す
べての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキサデシル
フェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含
む)、ヘプタデシルフェニル基(すべての分枝異性体、
置換異性体を含む)、オクタデシルフェニル基(すべて
の分枝異性体、置換異性体を含む)などのアルキルアリ
ール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル
基(すべての分枝異性体を含む)、フェニルブチル基
(すべての分枝異性体を含む)などのアリールアルキル
基などが挙げられる。
【0036】本発明においては、上記第一の添加剤の中
でも、ジハイドロカルビルポリサルファイド及び硫化エ
ステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる
と、より高い潤滑性が得られるので好ましく;ジハイド
ロカルビルポリサルファイド及び硫化エステルからなる
群より選ばれる少なくとも1種と、ジチオリン酸亜鉛化
合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モ
リブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデン化合
物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を組み合
わせて用いることがより好ましく;ジハイドロカルビル
ポリサルファイド及び硫化エステルからなる群より選ば
れる少なくとも1種と、ジチオリン酸亜鉛化合物と、を
用いることが特に好ましい。
【0037】また、本発明においては、上記第一の添加
剤の硫黄含有量は任意であるが、切削性能に対して優れ
た相乗効果を得ることができ、かつ油剤組成物の貯蔵安
定性に優れる点から、ジハイドロカルビルポリサルファ
イドを用いる場合は、その硫黄含有量が好ましくは10
〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%のもの
を使用するのが望ましく、また、硫化エステルを用いる
場合は、その硫黄含有量が好ましくは2〜25質量%、
より好ましくは5〜20質量%のものを使用するのが望
ましい。
【0038】さらに、本発明において、上記の第一の添
加剤の配合量は、組成物全量基準で、好ましくは0.1
〜50質量%であり、より好ましくは1〜30質量%で
ある。第一の添加剤の配合量が前記下限値未満であると
潤滑性の向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、前
記上限値を超えると臭気が十分に抑制されない傾向にあ
る。また、ジハイドロカルビルポリサルファイド及び硫
化エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種(以
下、第一の添加剤Aという)と、ジチオリン酸亜鉛化合
物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリ
ブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデン化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、第一の
添加剤Bという)と、を組み合わせて用いる場合、第一
の添加剤Aの配合量は組成物全量基準で好ましくは0.
05〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%
であり、他方、第一の添加剤Bの配合量は組成物全量基
準で好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは
0.5〜10質量%である。
【0039】本発明においては、上記の第一の添加剤に
加えて、第二の添加剤としてチアゾール化合物及びチア
ジアゾール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1
種が潤滑油基油にさらに配合される。ここで、チアゾー
ル化合物としては、下記一般式(1)、(2):
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】[上記式(1)、(2)中、R1及びR2
それぞれ水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基又はア
ミノ基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアル
キル基を表し、a及びbは0〜3の整数を表す]で表さ
れる化合物が好ましく、中でも、上記一般式(2)で表
されるベンゾチアゾール化合物が特に好ましい。ここ
で、上記一般式(2)中のR2は前述の通り水素原子、
炭素数1〜30の炭化水素基又はアミノ基を表ずもので
あるが、R2は水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素
基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜12
の炭化水素基であることがより好ましい。また、上記一
般式(2)中のR3は前述の通り水素原子又は炭素数1
〜4のアルキル基を表すものであるが、R3は水素原子
又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、
水素原子又は炭素数1〜2の炭化水素基であることがよ
り好ましい。さらに、上記一般式(2)中のbは前述の
通り0〜3の整数を表すものであるが、bは0〜2であ
ることが好ましい。このようなベンゾチアゾール化合物
の具体例としては、ベンゾチアゾール、2−メルカプト
ベンゾチアゾール、2−(ヘキシルジチオ)ベンゾチア
ゾール、2−(オクチルジチオ)ベンゾチアゾール、2
−(デシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(ドデシル
ジチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルジ
チオカルバミル)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
【0043】また、本発明においては、チアジアゾール
化合物として、下記一般式(3)〜(5):
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】
【化19】
【0047】[上記式(3)〜(5)中、R4、R5、R
6、R7、R8及びR9は同一でも異なっていてもよく、そ
れぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表
し、c、d、e、f、g及びhは同一でも異なっていて
もよく、それぞれ0〜8の整数を表す]で表される、
1,3,4−チアジアゾール化合物、1,2,4−チア
ジアゾール化合物及び1,4,5−チアジアゾール化合
物が好ましく用いられる。ここで、上記一般式(3)〜
(5)中のR4、R5、R6、R7、R8及びR9は前述の通
りそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を
表すものであるが、R4、R5、R6、R7、R8及びR9
それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素である
ことが好ましく、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水
素基であることがより好ましい。また、上記一般式
(3)〜(5)中のc、d、e、f、g及びhは前述の
通りそれぞれ0〜3の整数を表すものであるが、c、
d、e、f、g及びhはそれぞれ0〜2の整数であるこ
とが好ましい。このようなチアジアゾール化合物の具体
例としては、2,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−
1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オク
チルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−
ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾー
ル、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、3,5−ビ
ス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,4−チアジアゾー
ル、3,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,4
−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ノニルジチオ)
−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(1,
1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,4
−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ヘキシルジチ
オ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n
−オクチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、
4,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,3−チア
ジアゾール、4,5−ビス(1,1,3,3−テトラメ
チルブチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾールなど
が挙げられる。
【0048】本発明においては、上記第二の添加剤のう
ちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。また、その配合量は、組成物全量を基
準として、0.0005〜30質量%であることが好ま
しく、0.001〜10質量%であることがより好まし
く、0.0015〜5質量%であることがさらに好まし
く、0.0015〜1質量%であることがさらにより好
ましい。第二の添加剤の配合量が前記下限値未満の場
合、他の成分との相乗効果による潤滑性の向上効果が不
十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超えると臭
気の抑制効果が不十分となる傾向にある。
【0049】このように、本発明の潤滑油組成物は、上
記の3成分、すなわち、潤滑油基油、第一の添加剤及び
第二の添加剤を含有するものであり、これら3成分のみ
で構成される場合であっても十分に高い潤滑特性と十分
に高い臭気防止性とを有するものであるが、これら3成
分に加えて有機酸塩をさらに配合すると、より高い潤滑
性が得られるので好ましい。
【0050】本発明に用いられる有機酸塩としては、ス
ルフォネート、フェネート、サリシレート、並びにこれ
らの混合物が好ましく用いられる。これらの有機酸塩の
陽性成分としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカ
リ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのア
ルカリ土類金属;アンモニア、炭素数1〜3のアルキル
基を有するアルキルアミン(モノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、
ジプロピルアミン、トリプロピルアミンなど)、炭素数
1〜3のアルカノール基を有するアルカノールアミン
(モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメ
タノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミ
ン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミンな
ど)などのアミン、亜鉛などが挙げられるが、これらの
中でもアルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましく、
カルシウムが特に好ましい。有機酸塩の陽性成分がアル
カリ金属又はアルカリ土類金属であると、より高い潤滑
性が得られる傾向にある。
【0051】本発明にかかる有機酸塩の全塩基価は、好
ましくは50〜500mgKOH/gであり、より好ま
しくは100〜450mgKOH/gである。有機酸塩
の全塩基価が100mgKOH/g未満の場合は有機酸
塩の添加による潤滑性向上効果が不十分となる傾向にあ
り、他方、全塩基価が500mgKOH/gを超える有
機酸塩は、通常、製造が非常に難しく入手が困難である
ため、それぞれ好ましくない。なお、ここでいう全塩基
価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−
中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸
法による全塩基価[mgKOH/g]をいう。
【0052】また、本発明にかかる有機酸塩の配合量
は、組成物全量基準で好ましくは0.1〜30質量%で
あり、より好ましくは0.5〜25質量%であり、さら
に好ましくは1〜20質量%である。有機酸塩の配合量
が前記下限値未満の場合、誘起酸塩の添加による潤滑性
向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限値
を超えると潤滑油組成物の安定性が低下して析出物が生
じやすくなる傾向にある。
【0053】本発明にかかる有機酸塩としてのスルフォ
ネートは、任意の方法によって製造されたものが使用可
能である。例えば、分子量100〜1500、好ましく
は200〜700のアルキル芳香族化合物をスルフォン
化することによって得られるアルキル芳香族スルフォン
酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩及
びこれらの混合物などが使用できる。ここでいうアルキ
ル芳香族スルフォン酸としては、一般に鉱油の潤滑油留
分のアルキル芳香族化合物をスルフォン化したものや、
ホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー
酸などの石油スルフォン酸や、洗剤の原料となるアルキ
ルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィ
ンをベンゼンにアルキル化することにより得られる直鎖
状又は分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンを
スルフォン化したもの、あるいはジノニルナフタレンな
どのアルキルナフタレンをスルフォン化したものなどの
合成スルフォン酸などが挙げられる。また、上記のアル
キル芳香族スルフォン酸と、アルカリ金属の塩基(アル
カリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類金属
の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)又
は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアル
カノールアミンなど)とを反応させて得られるいわゆる
中性(正塩)スルフォネート;中性(正塩)スルフォネ
ートと、過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属
の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得
られるいわゆる塩基性スルフォネート;炭酸ガスの存在
下で中性(正塩)スルフォネートをアルカリ金属の塩
基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させるこ
とにより得られるいわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)
スルフォネート;中性(正塩)スルフォネートをアルカ
リ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンなら
びにホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応さ
せたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネー
トとホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物を反応さ
せることによって製造されるいわゆるホウ酸塩過塩基性
(超塩基性)スルフォネート;及びこれらの混合物など
が挙げられる。
【0054】また、本発明にかかる有機酸塩としてのフ
ェネートとしては、具体的には、元素硫黄の存在下又は
不存在下で、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有
するアルキルフェノールと、アルカリ金属の塩基(アル
カリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類金属
の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)又
は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアル
カノールアミンなど)とを反応させることにより得られ
る中性フェネート;中性フェネートと過剰のアルカリ金
属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存
在下で加熱することにより得られる、いわゆる塩基性フ
ェネート;炭酸ガスの存在下で中性フェネートをアルカ
リ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反
応させることにより得られる、いわゆる炭酸塩過塩基性
(超塩基性)フェネート;中性フェネートをアルカリ金
属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンならびに
ホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応させた
り、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)フェネートとホウ
酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物を反応させること
によって製造される、いわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩
基性)フェネート;及びこれらの混合物などが挙げられ
る。
【0055】さらに、本発明にかかる有機酸塩としての
サリシレートとしては、具体的には、元素硫黄の存在下
又は不存在下で、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2
個有するアルキルサリチル酸と、アルカリ金属の塩基
(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土
類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物な
ど)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミン
やアルカノールアミンなど)とを反応させることにより
得られる中性サリシレート;中性サリシレートと、過剰
のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はア
ミンを水の存在下で加熱することにより得られるいわゆ
る塩基性サリシレート;炭酸ガスの存在下で中性サリシ
レートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基
又はアミンと反応させることにより得られるいわゆる炭
酸塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;中性サリシレ
ートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又
はアミンならびにホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化
合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)
金属サリシレートとホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸
化合物を反応させることによって製造されるいわゆるホ
ウ酸塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;及びこれら
の混合物などが挙げられる。
【0056】本発明の潤滑油組成物においては、その加
工性をさらに向上させる目的で、以下に示す化合物
(a)〜(h): (a)リン化合物 (b)油脂 (c)エステル化合物 (d)脂肪酸 (e)アルコール (f)ホウ素化合物 を配合してもよい。
【0057】(a)リン化合物としては、リン酸エステ
ル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン
塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステル等が挙
げられる。これらのリン化合物は、リン酸又は亜リン酸
とアルコール、ポリエーテル型アルコールとのエステル
あるいはこの誘導体である。リン酸エステルの具体例と
しては、例えば、トリブチルホスフェート、トリペンチ
ルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプ
チルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノ
ニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウン
デシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリ
トリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェー
ト、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシル
ホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオ
クタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニル
ホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェートなど
が挙げられる。酸性リン酸エステルの具体例としては、
モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッ
ドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、
モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシ
ッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、
モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシ
ッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェー
ト、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラ
デシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッ
ドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェー
ト、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオク
タデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッド
ホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペン
チルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフ
ェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチル
アシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェー
ト、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシ
ッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、
ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルア
シッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェ
ート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタ
デシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッド
ホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェートなどが
挙げられる。酸性リン酸エステルのアミン塩としては、
前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、
ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、
ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、
トリヘプチルアミン、トリオクチルアミンなどのアミン
との塩が挙げられる。塩素化リン酸エステルとしては、
トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロ
ロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフ
ェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアル
キル)]ホスフェートなどが挙げられる。亜リン酸エス
テルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホス
ファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスフ
ァイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイ
ト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイ
ト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイ
ト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイ
ト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイ
ト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファ
イト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファ
イト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスフ
ァイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホス
ファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホ
スファイトなどが挙げられる。上に例示したリン化合物
は、いずれも1種又は2種以上使用することができる。
また、これらのリン化合物の配合量は特に制限されない
が、組成物全量基準で好ましくは0.01〜30質量%
であり、より好ましくは0.05〜20質量%であり、
さらに好ましくは0.1〜10質量%である。リン化合
物の配合量が前記下限値未満であるとリン化合物の添加
による潤滑性向上効果が不十分となる傾向にあり、他
方、前記上限値を超えると潤滑油組成物の貯蔵安定性が
不十分となる傾向にある。
【0058】(b)油脂としては、牛脂、豚脂、大豆
油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核
油、あるいはこれらの水素添加物などが挙げられる。こ
れらの油脂の配合量は特に制限されないが、組成物全量
基準で好ましくは0.01〜50質量%であり、より好
ましくは0.1〜30質量%であり、さらに好ましくは
1〜20質量%である。油脂の配合量が前記下限値未満
であると油脂の添加による潤滑性向上効果が不十分とな
る傾向にあり、他方、前記上限値を超えると潤滑油組成
物の貯蔵安定性が不十分となる傾向にある。
【0059】(c)エステル化合物を構成するアルコー
ルは、1価アルコールでも多価アルコールでも良く、酸
は一塩基酸でも多塩基酸でも良い。1価アルコールとし
ては、通常炭素数1〜24、好ましくは1〜12、より
好ましくは1〜8のものが用いられ、その炭素鎖は直鎖
のものでも分岐のものでもよい。炭素数1〜24のアル
コールの具体例には、例えば、メタノール、エタノー
ル、直鎖状又は分岐状のプロパノール、直鎖状又は分岐
状のブタノール、直鎖状又は分岐状のオクタノール、直
鎖状又は分岐状のノナノール、直鎖状又は分岐状のデカ
ノール、直鎖状又は分岐状のウンデカノール、直鎖状又
は分岐状のドデカノール、直鎖状又は分岐状のトリデカ
ノール、直鎖状又は分岐状のテトラデカノール、直鎖状
又は分岐状のペンタデカノール、直鎖状又は分岐状のヘ
キサデカノール、直鎖状又は分岐状のヘプタデカノー
ル、直鎖状又は分岐状のオクタデカノール、直鎖状又は
分岐状のノナデカノール、直鎖状又は分岐状のエイコサ
ノール、直鎖状又は分岐状のヘンエイコサノール、直鎖
状又は分岐状のトリコサノール、直鎖状又は分岐状のテ
トラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。多
価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2
〜6価のものが用いられる。2〜10価の多価アルコー
ルの具体例には、例えば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール(エチレング
リコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プ
ロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパ
ンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−
1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペ
ンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価ア
ルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの
2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テ
トラグリセリンなど)、トリメチロールアルカン(トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチ
ロールブタンなど)及びこれらの2〜8量体、ペンタエ
リスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブ
タントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブ
タンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビト
ールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、
キシリトール、マンニトールなどの多価アルコール;キ
シロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グル
コース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソ
ルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトー
ス、トレハロース、スクロースなどの糖類、及びこれら
の混合物等が挙げられる。これらの中でも特に、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量
体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2
−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリ
セリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールブタンなど)及びこれらの2〜4量体、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール1,2,4−
ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブ
タンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビト
ールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、
キシリトール、マンニトールなどの2〜6価の多価アル
コール及びこれらの混合物等がより好ましい。さらに好
ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ソルビタン、及びこれらの混合物等である。一
塩基酸としては、通常炭素数6〜24の脂肪酸が用いら
れ、その脂肪酸は直鎖のものでも分岐のものでも良く、
また飽和のものでも不飽和のものでも良い。具体的に
は、例えば、直鎖状又は分岐状のヘキサン酸、直鎖状又
は分岐状のオクタン酸、直鎖状又は分岐状のノナン酸、
直鎖状又は分岐状のデカン酸、直鎖状又は分岐状のウン
デカン酸、直鎖状又は分岐状のドデカン酸、直鎖状又は
分岐状のトリデカン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカ
ン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデカン酸、直鎖状又は
分岐状のヘキサデカン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデ
カン酸、直鎖状又は分岐状のヒドロキシオクタデカン
酸、直鎖状又は分岐状のノナデカン酸、直鎖状又は分岐
状のエイコサン酸、直鎖状又は分岐状のヘンエイコサン
酸、直鎖状又は分岐状のドコサン酸、直鎖状又は分岐状
のトリコサン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコサン酸な
どの飽和脂肪酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン酸、直鎖
状又は分岐状のヘプテン酸、直鎖状又は分岐状のオクテ
ン酸、直鎖状又は分岐状のノネン酸、直鎖状又は分岐状
のデセン酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン酸、直鎖状
又は分岐状のドデセン酸、直鎖状又は分岐状のトリデセ
ン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン酸、直鎖状又は
分岐状のペンタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデ
セン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデセン酸、直鎖状又
は分岐状のヒドロキシオクタデセン酸、直鎖状又は分岐
状のノナデセン酸、直鎖状又は分岐状のエイコセン酸、
直鎖状又は分岐状のヘンエイコセン酸、直鎖状又は分岐
状のドコセン酸、直鎖状又は分岐状のトリコセン酸、直
鎖状又は分岐状のテトラコセン酸などの不飽和脂肪酸、
及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、特
に炭素数8〜20の飽和脂肪酸、又は炭素数8〜20の
不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物が好ましい。多塩基
酸としては炭素数2〜16の二塩基酸及びトリメリト酸
等が使用できる。炭素数2〜16の二塩基酸は、直鎖の
ものでも分岐のものでも良く、また飽和のものでも不飽
和のものでも良い。具体的には、例えば、エタン二酸、
プロパン二酸、直鎖状又は分岐状のブタン二酸、直鎖状
又は分岐状のペンタン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサ
ン二酸、直鎖状又は分岐状のオクタン二酸、直鎖状又は
分岐状のノナン二酸、直鎖状又は分岐状のデカン二酸、
直鎖状又は分岐状のウンデカン二酸、直鎖状又は分岐状
のドデカン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン二酸、
直鎖状又は分岐状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分岐
状のヘプタデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカ
ン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン二酸、直鎖状又は
分岐状のオクテン二酸、直鎖状又は分岐状のノネン二
酸、直鎖状又は分岐状のデセン二酸、直鎖状又は分岐状
のウンデセン二酸、直鎖状又は分岐状のドデセン二酸、
直鎖状又は分岐状のトリデセン二酸、直鎖状又は分岐状
のテトラデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン
二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン二酸及びこれら
の混合物が挙げられる。有機酸エステルを形成するアル
コールと有機酸との組み合わせも任意であって、本発明
で使用可能な有機酸エステルには、一価アルコールと一
塩基酸とのエステル;多価アルコールと一塩基酸とのエ
ステル;一価アルコールと多塩基酸とのエステル;多価
アルコールと多塩基酸とのエステル;一価アルコールと
多価アルコールの混合物と、多塩基酸との混合エステ
ル;多価アルコールと、一塩基酸と多塩基酸の混合物と
の混合エステル;一価アルコールと多価アルコールの混
合物と、一塩基酸と多塩基酸の混合物との混合エステ
ル;などが例示できる。なお、アルコール成分として多
価アルコールを用いた場合に得られる有機酸エステル
は、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された
完全エステルでも良く、水酸基の一部がエステル化され
ず水酸基のままで残っている部分エステルでも良い。ま
た、酸成分として多塩基酸を用いた場合に得られる有機
酸エステルは、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエス
テル化された完全エステルでも良く、カルボキシル基の
一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残って
いる部分エステルであっても良い。これらのエステル化
合物の配合量は特に制限されないが、組成物全量基準で
好ましくは0.01〜50質量%であり、より好ましく
は0.1〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜2
0質量%である。エステル化合物の配合量が前記下限値
未満であるとエステル化合物の添加による潤滑性向上効
果が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超え
ると潤滑油組成物の貯蔵安定性が不十分となる傾向にあ
る。
【0060】(d)脂肪酸としては、炭素数6〜24の
ものが用いられる。また、ここでいう脂肪酸は、直鎖脂
肪酸であっても分岐鎖脂肪酸であってもよく、飽和脂肪
酸であっても不飽和脂肪酸であってもよい。このような
脂肪酸を例示すると、炭素数6〜24の脂肪酸として
は、具体的には例えば、直鎖状又は分岐状のヘキサン
酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン酸、直鎖状又は分岐状
のオクタン酸、直鎖状又は分岐状のノナン酸、直鎖状又
は分岐状のデカン酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン
酸、直鎖状又は分岐状のドデカン酸、直鎖状又は分岐状
のトリデカン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン酸、
直鎖状又は分岐状のペンタデカン酸、直鎖状又は分岐状
のヘキサデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン
酸、直鎖状又は分岐状のオクタデカン酸、直鎖状又は分
岐状のノナデカン酸、直鎖状又は分岐状のイコサン酸、
直鎖状又は分岐状のヘンイコサン酸、直鎖状又は分岐状
のドコサン酸、直鎖状又は分岐状のトリコサン酸、直鎖
状又は分岐状のテトラコサン酸などの飽和脂肪酸、又
は、直鎖状又は分岐状のヘキセン酸、直鎖状又は分岐状
のヘプテン酸、直鎖状又は分岐状のオクテン酸、直鎖状
又は分岐状のノネン酸、直鎖状又は分岐状のデセン酸、
直鎖状又は分岐状のウンデセン酸、直鎖状又は分岐状の
ドデセン酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン酸、直鎖状
又は分岐状のテトラデセン酸、直鎖状又は分岐状のペン
タデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン酸、直鎖
状又は分岐状のヘプタデセン酸、直鎖状又は分岐状のオ
クタデセン酸、直鎖状又は分岐状のノナデセン酸、直鎖
状又は分岐状のイコセン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイ
コセン酸、直鎖状又は分岐状のドコセン酸、直鎖状又は
分岐状のトリコセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコセ
ン酸などの不飽和脂肪酸などが挙げられる。これらの脂
肪酸の配合量に特に制限はないが、組成物全量基準で好
ましくは0.001〜10質量%であり、より好ましく
は0.005〜5質量%であり、さらに好ましくは0.
01〜3質量%である。脂肪酸の配合量が前記下限値未
満であると脂肪酸の添加による潤滑性向上効果が不十分
となる傾向にあり、他方、前記上限値を超えると潤滑油
組成物の貯蔵安定性が不十分となる傾向にある。
【0061】(e)アルコールとしては、炭素数6〜3
0の脂肪族アルコールが好ましく用いられる。このよう
な脂肪族アルコールとしては、具体的には例えば、直鎖
又は分枝ヘキシルアルコール、直鎖又は分枝ヘプチルア
ルコール、直鎖又は分枝オクチルアルコール、直鎖又は
分枝ノニルアルコール、直鎖又は分枝デシルアルコー
ル、直鎖又は分枝ウンデシルアルコール、直鎖又は分枝
ドデシアルコール、直鎖又は分枝トリデシルアルコー
ル、直鎖又は分枝テトラデシルアルコール、直鎖又は分
枝ペンタデシルアルコール、直鎖又は分枝ヘキサデシル
アルコール、直鎖又は分枝ヘプタデシルアルコール、直
鎖又は分枝オクタデシルアルコール、直鎖又は分枝ノナ
デシルアルコール、直鎖又は分枝イコシルアルコール、
直鎖又は分枝ヘンイコシルアルコール、直鎖又は分枝ド
コシルアルコール、直鎖又は分枝トリコシルアルコー
ル、直鎖又は分枝テトラコシルアルコール、直鎖又は分
枝ペンタコシルアルコール、直鎖又は分枝ヘキサコシル
アルコール、直鎖又は分枝ヘプタコシルアルコール、直
鎖又は分枝オクタコシルアルコール、直鎖又は分枝ノナ
コシルアルコール、直鎖又は分枝トリアコンチルアルコ
ールなどのアルキルアルコール;直鎖又は分枝ヘキセニ
ルアルコール(すべての異性体を含む)、直鎖又は分枝
ヘプテニルアルコール(すべての異性体を含む)、直鎖
又は分枝オクテニルアルコール(すべての異性体を含
む)、直鎖又は分枝ノネニルアルコール(すべての異性
体を含む)、直鎖又は分枝デセニルアルコール(すべて
の異性体を含む)、直鎖又は分枝ウンデセニルアルコー
ル(すべての異性体を含む)、直鎖又は分枝ドデセニル
アルコール(すべての異性体を含む)、直鎖又は分枝ト
リデセニルアルコール(すべての異性体を含む)、直鎖
又は分枝テトラデセニルアルコール(すべての異性体を
含む)、直鎖又は分枝ペンタデセニルアルコール(すべ
ての異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘキサデセニルアル
コール(すべての異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘプタ
デセニルアルコール(すべての異性体を含む)、直鎖又
は分枝オクタデセニルアルコール(すべての異性体を含
む)、直鎖又は分枝ノナデセニルアルコール、直鎖又は
分枝イコセニルアルコール、直鎖又は分枝ヘンイコセニ
ルアルコール、直鎖又は分枝ドコセニルアルコール、直
鎖又は分枝トリコセニルアルコール、直鎖又は分枝テト
ラコセニルアルコール、直鎖又は分枝ペンタコセニルア
ルコール、直鎖又は分枝ヘキサコセニルアルコール、直
鎖又は分枝ヘプタコセニルアルコール、直鎖又は分枝オ
クタコセニルアルコール、直鎖又は分枝ノナコセニルア
ルコール、直鎖又は分枝トリアコンテニルアルコールな
どのアルケニルアルコール;又はこれらの混合物;など
が挙げられるが、これらの中でも、摩擦低減効果に優れ
る潤滑油組成物が得られる点から、炭素数8〜24の直
鎖飽和脂肪族アルコールがより好ましい。これらのアル
コールの配合量は特に制限されないが、組成物全量基準
で好ましくは0.01〜50質量%であり、より好まし
くは0.1〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜
20質量%である。アルコールの配合量が前記下限値未
満であるとアルコールの添加による潤滑性向上効果が不
十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超えると潤
滑油組成物の貯蔵安定性が不十分となる傾向にある。
【0062】(f)ホウ素化合物としては、具体的に
は、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ土類金属ホウ酸
塩、ホウ酸エステルなどのホウ酸化合物、並びに前記ホ
ウ酸化合物をコハク酸イミド、ベンジルアミン酸、ポリ
アミン酸などの含窒素化合物、高級アルコールエステル
化合物、スルフォネート、フェネート、サリシレート又
はその他従来より公知の界面活性剤などに分散させて油
溶化した油溶性ホウ酸化合物などが挙げられる。なお、
当然のことながら、本発明でいうホウ酸とは、オルトホ
ウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、六
ホウ酸及び八ホウ酸を包含するものである。これらのホ
ウ酸化合物の配合量は特に制限されないが、ホウ素元素
換算で組成物全量を基準として好ましくは0.001〜
3質量%であり、より好ましくは0.005〜2質量%
であり、さらに好ましくは0.01〜1質量%である。
ホウ素化合物の配合量が前記下限値未満であるとホウ素
化合物の添加による潤滑性向上効果が不十分となる傾向
にあり、他方、前記上限値を超えると潤滑油組成物の貯
蔵安定性が不十分となる傾向にある。
【0063】本発明の潤滑油組成物においては、上記化
合物(a)〜(f)のうちの1種を単独で用いてもよ
く、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの
化合物の総量は好ましくは0.1〜50質量%であり、
より好ましくは1〜30質量%である。上記化合物
(a)〜(f)の総量が前記下限値未満であるとこれら
の化合物の添加による潤滑性向上効果が不十分となる傾
向にあり、他方、前記上限値を超えると潤滑油組成物の
貯蔵安定性が不十分となる傾向にある。
【0064】また、本発明の潤滑油組成物においては、
粘度指数の向上及びミスト防止性の向上を目的として、
ポリメタクリレート類、ポリイソブチレン、ポリブテ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン
共重合体などのオレフィン重合体などの高分子化合物を
配合することができる。これらの高分子化合物の配合量
は特に制限されないが、組成物全量基準で好ましくは
0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜
5質量%である。高分子化合物の配合量が前記下限値未
満であると粘度指数向上効果及びミスト防止性向上効果
が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超える
と潤滑油組成物の貯蔵安定性が不十分となる傾向にあ
る。
【0065】さらに、本発明の潤滑油組成物において
は、金属不活性化剤を配合することができる。本発明に
おいて用いられる金属不活性化剤としては、具体的に
は、ベンゾトリアゾール系化合物、イミダゾール系化合
物などが挙げられる。これらの金属不活性化剤の配合量
は特に制限されないが、組成物全量基準で好ましくは
0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.0
05〜5質量%であり、さらに好ましくは0.01〜3
質量%である。金属不活性化剤の配合量が前記下限値未
満であると金属不活性化剤の添加効果が不十分となる傾
向にあり、他方、前記上限値を超えると潤滑油組成物の
貯蔵安定性が不十分となる傾向にある。
【0066】さらにまた、本発明の潤滑油組成物におい
ては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−
ブチルフェノール)、4,4’−ビス (2,6−ジ−
tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス
(2,6−ジ−tert−o−クレゾール)などのフェ
ノール系酸化防止剤;フェニルナフチルアミン、アルキ
ルフェニルナフチルアミン、アルキルジフェニルアミン
などのアミン系酸化防止剤;メチルシリコーン、フルオ
ロシリコーン、ポリアクリレートなどの消泡剤、などを
配合することもできる。
【0067】上記の構成を有する本発明の潤滑油組成物
は、塩素系極圧剤を用いずとも十分に高い潤滑特性を有
し且つ臭気が十分に抑制されたものであり、幅広い用途
に適用することができる。中でも、切削・研削加工油、
圧延油、しごき加工油、プレス油(絞り加工油、引き抜
き加工油、打ち抜き加工油)、などの金属加工油剤組成
物として用いた場合に有用であり、特に、切削・研削加
工油剤組成物として用いた場合に、切削・研削特性と臭
気防止効果とが非常に高水準で両立される。
【0068】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
より具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら
限定されるものではない。
【0069】実施例1〜22及び比較例1〜10 実施例1〜22及び比較例1〜10においては、それぞ
れ以下に示す基油及び添加剤を表1〜4に示す組成とな
るように配合し、潤滑油組成物を調製した。なお、以下
に示す各成分における硫黄含有量、亜鉛含有量、リン含
有量及びホウ素含有量はいずれも元素換算値[質量%]
を表す。 (基油) 基油1:鉱油(40℃における動粘度:20mm2
s)。 (第一の添加剤) A1:活性硫化エステル(硫黄含有量:17.5質量
%) A2:ジ−t−ドデシルポリサルファイド(硫黄含有
量:32質量%) A3:ジチオリン酸亜鉛化合物(硫黄含有量:20質量
%、亜鉛含有量:10質量%、リン含有量:9質量
%)。 (第二の添加剤) B1:2,5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ル B2:2−メルカプトベンゾチアゾール。 (有機酸塩) C1:過塩基性カルシウムスルホネート(全塩基価:4
00mgKOH/g) C2:過塩基性亜鉛スルホネート(全塩基価:300m
gKOH/g) C3:過塩基性カルシウムサリシレート1(全塩基価:
170mgKOH/g) C4:過塩基性カルシウムサリシレート2(全塩基価:
320mgKOH/g)。 (その他の添加剤) D1:エチレン−プロピレン共重合体(100℃におけ
る動粘度:1200mm2/s) D2:トリクレジルホスフェート D3:豚脂 D4:アジピン酸イソデシル(DIDA) D5:オレイン酸 D6:n−ドデカノール D7:ホウ酸カリウムをコハク酸イミド及びカルシウム
スルホネートで油溶化した油溶性ホウ酸化合物(ホウ素
含有量:7.6質量%) D8:ベンゾトリアゾール。
【0070】このようにして得られた実施例1〜22及
び比較例1〜10の各潤滑油組成物について以下に示す
試験を行った。 (臭気防止性評価試験1)実施例1〜22及び比較例1
〜10の各潤滑油組成物12gを100℃で1時間加熱
した後、ヘッドスペーサーを備えるガスクロマトグラフ
ィーを用いて硫化水素(H2S)を定量した。得られた
結果を表1〜4に示す。 (臭気防止性評価試験2)実施例1〜22及び比較例1
〜10の各潤滑油組成物を100℃で1時間加熱した
後、10人の被検者が臭いを嗅ぎ、以下の評価基準: 5:臭わない 4:ほとんど臭わない 3:やや臭う 2:臭う 1:非常に臭う に基づいて臭気防止性を評価した。得られた評点の平均
値(小数点以下は四捨五入)を表1〜4に示す (潤滑性評価試験)実施例1〜22及び比較例1〜10
の各潤滑油組成物を試料油とし、比較標準油としてアジ
ピン酸イソデシル(DIDA)を用いて、以下に示す条
件: 工具:ナットタップ 下穴径:φ6.8mm ワーク:S45C(厚さ:10mm) 切削速度:9.0m/min でタッピング試験を行い、タッピングエネルギー[N・
m]を測定した。得られたタッピングエネルギーを用
い、下記式: (タッピングエネルギー効率[%])={(DIDAの
タッピングエネルギー[N・m])/(試料油のタッピ
ングエネルギー[N・m])}×100 に基づいてタッピングエネルギーを求めた。その結果を
表1〜4に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】表1〜4に示すように、実施例1〜22の
潤滑油組成物においては、いずれも臭気が十分に防止さ
れており、また、十分に高い潤滑性を有していることが
確認された。
【0076】これに対して、比較例1〜9の潤滑油組成
物においては、いずれも臭気防止性が不十分であった。
また、基油1のみからなる比較例10の潤滑油組成物で
は十分な潤滑性が得られなかった。
【0077】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、切
削・研削加工などの金属加工に用いた場合に有用な、塩
素系極圧剤を用いずとも十分に高い潤滑特性を有してお
り、且つ臭気が十分に抑制された潤滑油組成物を得るこ
とが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 135/10 C10M 135/10 135/18 135/18 135/20 135/20 135/32 135/32 135/36 135/36 137/10 137/10 A 159/22 159/22 159/24 159/24 // C10N 10:02 C10N 10:02 10:04 10:04 10:12 10:12 30:06 30:06 40:20 40:20 Z 40:22 40:22 (72)発明者 夏目 芳孝 新潟県柏崎市日石町1番地 日本石油加工 株式会社柏崎工場内 (72)発明者 井比 政則 新潟県柏崎市日石町1番地 日本石油加工 株式会社柏崎工場内 Fターム(参考) 4H104 BB05C BB24C BG02C BG04C BG06C BG10C BG12C BG15C BG17C BG19C BH07C DA02A DB06C DB07C EB02 FA01 FA02 FA06 LA03 PA21 PA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油基油と、ジハイドロカルビルポリ
    サルファイド、硫化エステル、硫化鉱油、ジチオリン酸
    亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリ
    ン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデ
    ン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の第一
    の添加剤と、チアゾール化合物及びチアジアゾール化合
    物からなる群より選ばれる少なくとも1種の第二の添加
    剤とを含有することを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 前記第一の添加剤がジハイドロカルビル
    ポリサルファイド及び硫化エステルからなる群より選ば
    れる少なくとも1種であり、且つ前記第二の添加剤が下
    記一般式(1)〜(5): 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 [上記式(1)〜(5)中、R1及びR2はそれぞれ水素
    原子、炭素数1〜30の炭化水素基又はアミノ基を表
    し、R3は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表
    し、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は同一でも異なっ
    ていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の
    炭化水素基を表し、a及びbは0〜3の整数を表し、
    c、d、e、f、g及びhは同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれ0〜8の整数を表す]で表される化合物か
    らなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする、請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 有機酸塩をさらに含有することを特徴と
    する、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記
    載の潤滑油組成物からなることを特徴とする金属加工油
    剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記
    載の潤滑油組成物からなることを特徴とする切削・研削
    加工油剤組成物。
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