JPH10245579A - 塑性加工用潤滑油組成物 - Google Patents

塑性加工用潤滑油組成物

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JPH10245579A
JPH10245579A JP6731597A JP6731597A JPH10245579A JP H10245579 A JPH10245579 A JP H10245579A JP 6731597 A JP6731597 A JP 6731597A JP 6731597 A JP6731597 A JP 6731597A JP H10245579 A JPH10245579 A JP H10245579A
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acid
linear
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JP6731597A
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Kazuhiko Endo
和彦 遠藤
Tsunetoshi Sugawara
常年 菅原
Hideo Yokota
秀雄 横田
Masaru Kamezuka
大 亀塚
Yukio Matsuzaki
幸雄 松崎
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性能が高い塑性加工用潤滑油組成物の提
供。 【解決手段】 鉱油又は合成油に、炭素数10以上のア
ルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有するジチ
オリン酸亜鉛化合物を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は塑性加工用潤滑油組
成物に関し、詳しくは特に鋼板、ステンレス鋼板、表面
処理鋼板やアルミ合金板などに、プレス成形、曲げ成
形、引き抜き成形、しごき成形などの塑性加工を施す際
に、良好な潤滑性を発揮する塑性加工用潤滑油組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】潤滑油基油に、硫黄系化合物、塩素系化
合物、リン酸エステル等を配合した組成物が、金属の塑
性加工用潤滑剤として優れた適性を備えていることは従
来から知られている。そして、鋼板、ステンレス鋼板、
表面処理鋼板、アルミ合金板などの難加工性材料に、プ
レス成形、曲げ成形、引き抜き成形、しごき成形などの
塑性加工を施す場合には、潤滑油基油に上記の化合物を
組成物全量基準で3〜10質量%程度配合したものが多
用されてきた。一方、アルキルジチオリン酸亜鉛化合物
は、優れた耐摩耗性と酸化防止性を有することから、エ
ンジン油や油圧作動油などの潤滑剤に広く用いられてき
た。しかしながら、これまで実用的に用いられてきたア
ルキルジチオリン酸亜鉛化合物は、炭素数が8以下のア
ルキル基を有するものであり、金属の塑性加工に際して
は潤滑性の向上に余り効果がないため、殆ど使用されて
いない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は塑性加工用潤
滑油の成分として使用されたことのないジチオリン酸亜
鉛化合物を使用して、従来の塑性加工用潤滑油よりも一
層優れた加工性を、特に、鋼板、ステンレス鋼板、表面
処理鋼板、アルミニウム合金板などに塑性加工を施すに
際して、極めて高い性能を発揮する潤滑油組成物を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の塑性加工用潤滑
油組成物は、鉱油および/または合成油を基油とし、下
記一般式(1)で表されるジチオリン酸亜鉛化合物を、
組成物全量基準で0.5〜50質量%含有することを特
徴とする。 (上記式(1)中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、個
別にアルキル基またはアルケニル基を示す。ただし、R
1 、R2 、R3 およびR4 のうち少なくとも1つは炭素
数10以上のアルキル基または炭素数10以上のアルケ
ニル基である。)
【0005】
【発明の実施の態様】以下、本発明の内容をより詳細に
説明する。本発明における基油は、鉱油および/または
合成油である。鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留
および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れ
き、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、
水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を適宜組
み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系などの油
が使用できる。また、合成油としては、例えば、ポリα
ーオレフィン(ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、
1−デセンオリゴマーなど)、アルキルベンゼン、アル
キルナフタレン、エステル、ポリオキシアルキレングリ
コール、ポリフェニルエーテルなどが使用できる。本発
明において、基油の動粘度には何ら制限はないが、通常
40℃における動粘度が0.7〜2000mm2 /s、好ま
しくは0.7〜1000mm2 /sのものが用いられる。ま
た、当然のことながらこれらの鉱油および合成油は単独
でも、また2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0006】本発明の塑性加工用潤滑油組成物は、下記
の一般式(1)で表されるジチオリン酸亜鉛化合物を含
有する。 一般式(1)において、R1 、R2 、R3 およびR
4 は、個別にアルキル基またはアルケニル基を示すが、
塑性加工時の加工性の点から、R1 、R2 、R3 および
4 の少なくとも1つは、炭素数10以上のアルキル基
または炭素数10以上のアルケニル基であることが必要
である。そして、R1 、R2 、R3 およびR4 のいずれ
か2つが炭素数10以上のアルキル基および/または炭
素数10以上のアルケニル基であることが好ましく、そ
のいずれか3つが炭素数10以上のアルキル基および/
または炭素数10以上のアルケニル基であることがより
好ましく、その全てが炭素数10以上のアルキル基およ
び/または炭素数10以上のアルケニル基であることが
最も好ましい。上記したアルキル基及びアルケニル基の
炭素数の上限値には格別な制限はないが、ジチオリン酸
亜鉛化合物の取り扱い易さやコストの面から、通常は2
4以下である。一般式(1)におけるR1 、R2 、R3
およびR4 は、直鎖状のものであっても分岐状のもので
あってもよく、その具体例としては、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基(全ての異性体を含む)、ブ
チル基(全ての異性体を含む)、ペンチル基(全ての異
性体を含む)、ヘキシル基(全ての異性体を含む)、ヘ
プチル基(全ての異性体を含む)、オクチル基(全ての
異性体を含む)、ノニル基(全ての異性体を含む)、デ
シル基(全ての異性体を含む)、ウンデシル基(全ての
異性体を含む)、ドデシル基(全ての異性体を含む)、
トリデシル基(全ての異性体を含む)、テトラデシル基
(全ての異性体を含む)、ペンタデシル基(全ての異性
体を含む)、ヘキサデシル基(全ての異性体を含む)、
ヘプタデシル基(全ての異性体を含む)、オクタデシル
基(全ての異性体を含む)、ノナデシル基(全ての異性
体を含む)、イコシル基(全ての異性体を含む)、ヘン
イコシル基(全ての異性体を含む)、ドコシル基(全て
の異性体を含む)、トリコシル基(全ての異性体を含
む)、テトラコシル基(全ての異性体を含む)等のアル
キル基;プロペニル基(全ての異性体を含む)、ブテニ
ル基(全ての異性体を含む)、ペンテニル基(全ての異
性体を含む)、ヘキセニル基(全ての異性体を含む)、
ヘプテニル基(全ての異性体を含む)、オクテニル基
(全ての異性体を含む)、ノネニル基(全ての異性体を
含む)、デセニル基(全ての異性体を含む)、ウンデセ
ニル基(全ての異性体を含む)、ドデセニル基(全ての
異性体を含む)、トリデセニル基(全ての異性体を含
む)、テトラデセニル基(全ての異性体を含む)、ペン
タデセニル基(全ての異性体を含む)、ヘキサデセニル
基(全ての異性体を含む)、ヘプタデセニル基(全ての
異性体を含む)、オクタデセニル基(全ての異性体を含
む)、ノナデセニル基(全ての異性体を含む)、イコセ
ニル基(全ての異性体を含む)、ヘンイコセニル基(全
ての異性体を含む)、ドコセニル基(全ての異性体を含
む)、トリコセニル基(全ての異性体を含む)、テトラ
コセニル基(全ての異性体を含む)等のアルケニル基な
どが挙げられる。本発明で使用可能なジチオリン酸亜鉛
化合物の中でも、塑性加工時の加工性に優れる点から、
上記一般式(1)のR1 、R2 、R3 およびR4 がそれ
ぞれ炭素数12〜18のアルキル基および/または炭素
数12〜18のアルケニル基であるものが好ましい。ま
た、本発明のジチオリン酸亜鉛化合物は、セカンダリ型
ジチオリン酸亜鉛化合物[R1 、R2 、R3 およびR4
がそれぞれセカンダリ型のアルキル基(第2級アルキル
基)および/またはセカンダリ型のアルケニル基(第2
級アルケニル基)であるもの]であっても、プライマリ
型ジチオリン酸亜鉛化合物[R1 、R2 、R3 およびR
4 がそれぞれプライマリ型のアルキル基(第1級アルキ
ル基)および/またはプライマリ型のアルケニル基(第
1級アルケニル基)であるもの]であってもよい。本発
明では、上に規定した一般式(1)に包含されるジチオ
リン酸亜鉛化合物の1種を単独で使用することができ、
また2種以上を混合して用いることもできる。
【0007】本発明の塑性加工用潤滑油組成物は、上記
したジチオリン酸亜鉛化合物(以下(A)成分という)
を基油に配合して調製されるが、(A)成分の含有量の
下限値は、組成物全量基準で0.5質量%、好ましくは
1質量%、より好ましくは2質量%、最も好ましくは3
質量%であり、一方、含有量の上限値は、組成物全量基
準で50質量%、好ましくは40質量%である。(A)
成分の含有量が組成物全量基準で0.5質量%未満の場
合は潤滑性向上の添加効果が現れず、一方、含有量が組
成物全量基準で50質量%を超える場合は、得られる潤
滑性向上の添加効果添加がコスト的に見合わないものと
なり、それぞれ好ましくない。なお、上記一般式(1)
で表されるジチオリン酸亜鉛化合物は中性塩であるが、
これを製造する場合には塩基性ジチオリン酸亜鉛化合物
が通常副生される。副生物であるこの塩基性塩は、中性
塩100重量部に対して0〜150重量部の範囲であれ
ば、本発明の潤滑油組成物に含まれても差し支えない。
但し、その場合でも、一般式(1)で表されるジチオリ
ン酸亜鉛化合物(中性塩)の含有量は、組成物全量基準
で0.5〜50質量%の範囲にある。
【0008】本発明の潤滑油組成物には、その加工性を
さらに向上させることを目的で、下記に示す(B)成分
の群から選ばれる少なくとも1種を配合することが好ま
しい。 (B1)硫黄系化合物 (B2)塩素系化合物 (B3)リン化合物 (B4)油脂 (B5)有機酸エステル (B6)炭酸エステル (B7)脂肪酸 (B8)アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアミン
の中から選ばれる少なくとも1種の金属の有機酸塩 (B9)鉛系化合物 (B10)モリブデン化合物 (B11)全てのアルキル基およびアルケニル基が炭素
数10未満であるジチオリン酸亜鉛化合物 上記(B1)硫黄系化合物の具体例としては、例えば、
硫化鯨油、硫化ラード油、硫化植物油、硫化魚油、硫化
エステル等の硫化油脂;1−ブテン等のオレフィンと硫
黄を反応させることにより得られるオレフィンポリサル
ファイド;およびジハイドロカルビルサルファイドなど
が挙げられる。この中でも本発明では、分子中の油脂部
分により油性向上効果も期待できる点から硫化油脂が特
に好ましく用いられる。硫化油脂中の硫黄含有量につい
ては何ら制限はないが、好ましくは1〜30質量%、よ
り好ましくは5〜25質量%である。上記(B2)塩素
系化合物としては、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニ
ル等が挙げられる。塩素化パラフィンは、例えば、触媒
の存在下でパラフィンに塩素を作用させて製造すること
ができる。本発明で使用する塩素化パラフィン中の塩素
含有量については何ら制限はないが、好ましくは40〜
70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
また、パラフィン鎖は通常炭素数6〜20、好ましくは
10〜18、さらに好ましくは12〜14である。 ま
た、本発明で使用する塩素化パラフィンの25℃におけ
る粘度は、0.1〜5Pa・sであることが好ましい。
下限は0.1Pa・s、好ましくは0.3Pa・sであ
り、上限は5Pa・s、好ましくは2Pa・sである。
上記(B3)リン化合物としては、リン酸エステル、酸
性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩
素化リン酸エステルおよび亜リン酸エステル等が挙げら
れる。これらのリン化合物は、リン酸または亜リン酸と
アルコール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあ
るいはこの誘導体である。リン酸エステルの具体例とし
ては、例えば、トリブチルホスフェート、トリペンチル
ホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチ
ルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニ
ルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデ
シルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリト
リデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェー
ト、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシル
ホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオ
クタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニル
ホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェートなど
が挙げられる。酸性リン酸エステルの具体例としては、
モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッ
ドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、
モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシ
ッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、
モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシ
ッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェー
ト、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラ
デシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッ
ドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェー
ト、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオク
タデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッド
ホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペン
チルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフ
ェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチル
アシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェー
ト、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシ
ッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、
ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルア
シッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェ
ート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタ
デシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッド
ホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェートなどが
挙げられる。酸性リン酸エステルのアミン塩としては、
前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、
ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、
ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、
トリヘプチルアミン、トリオクチルアミンなどのアミン
との塩が挙げられる。塩素化リン酸エステルとしては、
トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロ
ロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフ
ェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアル
キル)]ホスフェートなどが挙げられる。亜リン酸エス
テルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホス
ファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスフ
ァイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイ
ト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイ
ト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイ
ト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイ
ト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイ
ト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファ
イト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファ
イト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスフ
ァイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホス
ファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホ
スファイトなどが挙げられる。上に例示したリン化合物
は、いずれも1種又は2種以上使用することができる。
【0009】上記(B4)油脂としては、牛脂、豚脂、
大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム
核油、あるいはこれらの水素添加物などが挙げられる。
上記(B5)有機酸エステルを構成するアルコールは、
1価アルコールでも多価アルコールでも良く、酸は一塩
基酸でも多塩基酸でも良い。1価アルコールとしては、
通常炭素数1〜24、好ましくは1〜12、より好まし
くは1〜8のものが用いられ、その炭素鎖は直鎖のもの
でも分岐のものでもよい。炭素数1〜24のアルコール
の具体例には、例えば、メタノール、エタノール、直鎖
状または分岐状のプロパノール、直鎖状または分岐状の
ブタノール、直鎖状または分岐状のオクタノール、直鎖
状または分岐状のノナノール、直鎖状または分岐状のデ
カノール、直鎖状または分岐状のウンデカノール、直鎖
状または分岐状のドデカノール、直鎖状または分岐状の
トリデカノール、直鎖状または分岐状のテトラデカノー
ル、直鎖状または分岐状のペンタデカノール、直鎖状ま
たは分岐状のヘキサデカノール、直鎖状または分岐状の
ヘプタデカノール、直鎖状または分岐状のオクタデカノ
ール、直鎖状または分岐状のノナデカノール、直鎖状ま
たは分岐状のエイコサノール、直鎖状または分岐状のヘ
ンエイコサノール、直鎖状または分岐状のトリコサノー
ル、直鎖状または分岐状のテトラコサノールおよびこれ
らの混合物等が挙げられる。多価アルコールとしては、
通常2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられ
る。2〜10価の多価アルコールの具体例には、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量
体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコール
の3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2
−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2
−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,
4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネ
オペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリ
ン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えば
ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンな
ど)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタンな
ど)およびこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール
およびこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオ
ール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−
ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロー
ル、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリ
ン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトー
ル、マンニトールなどの多価アルコール;キシロース、
アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フ
ルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、
セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロ
ース、スクロースなどの糖類、およびこれらの混合物等
が挙げられる。これらの中でも特に、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール
(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、
1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロ
パンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリ
ン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロ
ールブタンなど)およびこれらの2〜4量体、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトール1,2,4−ブ
タントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブ
タンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビト
ールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、
キシリトール、マンニトールなどの2〜6価の多価アル
コールおよびこれらの混合物等がより好ましい。さらに
好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ソルビタン、およびこれらの混合物等である。
一塩基酸としては、通常炭素数6〜24の脂肪酸が用い
られ、その脂肪酸は直鎖のものでも分岐のものでも良
く、また飽和のものでも不飽和のものでも良い。具体的
には、例えば、直鎖状または分岐状のヘキサン酸、直鎖
状または分岐状のオクタン酸、直鎖状または分岐状のノ
ナン酸、直鎖状または分岐状のデカン酸、直鎖状または
分岐状のウンデカン酸、直鎖状または分岐状のドデカン
酸、直鎖状または分岐状のトリデカン酸、直鎖状または
分岐状のテトラデカン酸、直鎖状または分岐状のペンタ
デカン酸、直鎖状または分岐状のヘキサデカン酸、直鎖
状または分岐状のオクタデカン酸、直鎖状または分岐状
のヒドロキシオクタデカン酸、直鎖状または分岐状のノ
ナデカン酸、直鎖状または分岐状のエイコサン酸、直鎖
状または分岐状のヘンエイコサン酸、直鎖状または分岐
状のドコサン酸、直鎖状または分岐状のトリコサン酸、
直鎖状または分岐状のテトラコサン酸などの飽和脂肪
酸、直鎖状または分岐状のヘキセン酸、直鎖状または分
岐状のヘプテン酸、直鎖状または分岐状のオクテン酸、
直鎖状または分岐状のノネン酸、直鎖状または分岐状の
デセン酸、直鎖状または分岐状のウンデセン酸、直鎖状
または分岐状のドデセン酸、直鎖状または分岐状のトリ
デセン酸、直鎖状または分岐状のテトラデセン酸、直鎖
状または分岐状のペンタデセン酸、直鎖状または分岐状
のヘキサデセン酸、直鎖状または分岐状のオクタデセン
酸、直鎖状または分岐状のヒドロキシオクタデセン酸、
直鎖状または分岐状のノナデセン酸、直鎖状または分岐
状のエイコセン酸、直鎖状または分岐状のヘンエイコセ
ン酸、直鎖状または分岐状のドコセン酸、直鎖状または
分岐状のトリコセン酸、直鎖状または分岐状のテトラコ
セン酸などの不飽和脂肪酸、およびこれらの混合物が挙
げられる。これらの中でも、特に炭素数8〜20の飽和
脂肪酸、または炭素数8〜20の不飽和脂肪酸、および
これらの混合物が好ましい。多塩基酸としては炭素数2
〜16の二塩基酸およびトリメリト酸等が使用できる。
炭素数2〜16の二塩基酸は、直鎖のものでも分岐のも
のでも良く、また飽和のものでも不飽和のものでも良
い。具体的には、例えば、エタン二酸、プロパン二酸、
直鎖状または分岐状のブタン二酸、直鎖状または分岐状
のペンタン二酸、直鎖状または分岐状のヘキサン二酸、
直鎖状または分岐状のオクタン二酸、直鎖状または分岐
状のノナン二酸、直鎖状または分岐状のデカン二酸、直
鎖状または分岐状のウンデカン二酸、直鎖状または分岐
状のドデカン二酸、直鎖状または分岐状のトリデカン二
酸、直鎖状または分岐状のテトラデカン二酸、直鎖状ま
たは分岐状のヘプタデカン二酸、直鎖状または分岐状の
ヘキサデカン二酸、直鎖状または分岐状のヘキセン二
酸、直鎖状または分岐状のオクテン二酸、直鎖状または
分岐状のノネン二酸、直鎖状または分岐状のデセン二
酸、直鎖状または分岐状のウンデセン二酸、直鎖状また
は分岐状のドデセン二酸、直鎖状または分岐状のトリデ
セン二酸、直鎖状または分岐状のテトラデセン二酸、直
鎖状または分岐状のヘプタデセン二酸、直鎖状または分
岐状のヘキサデセン二酸およびこれらの混合物が挙げら
れる。有機酸エステルを形成するアルコールと有機酸と
の組み合わせも任意であって、本発明で使用可能な有機
酸エステルには、 一価アルコールと一塩基酸とのエステル 多価アルコールと一塩基酸とのエステル 一価アルコールと多塩基酸とのエステル 多価アルコールと多塩基酸とのエステル 一価アルコールと多価アルコールの混合物と、多塩基
酸との混合エスエル 多価アルコールと、一塩基酸と多塩基酸の混合物との
混合エステル 一価アルコールと多価アルコールの混合物と、一塩基
酸と多塩基酸の混合物との混合エステル などが例示できる。なお、アルコール成分として多価ア
ルコールを用いた場合に得られる有機酸エステルは、多
価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エ
ステルでも良く、水酸基の一部がエステル化されず水酸
基のままで残っている部分エステルでも良い。また、酸
成分として多塩基酸を用いた場合に得られる有機酸エス
テルは、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化
された完全エステルでも良く、カルボキシル基の一部が
エステル化されずカルボキシル基のままで残っている部
分エステルであっても良い。
【0010】上記(B6)炭酸エステルとしては、任意
のものが使用可能であり、アルコール成分として1価ア
ルコール、多価アルコールまたはポリアルキレングリコ
ール等を適宜組み合わせて合成される炭酸エステルが用
いられる。より具体的には、下記一般式(2)で表され
る炭酸エステルが使用される。 X−(Y)a (2) (上記式(2)において、Xは1〜10価のアルコール
の水酸基を取り除いた残基または下記一般式(3)で表
されるポリオキシアルキレン基を表し、Yは下記一般式
(4)で表される基を表し、aは1〜10の整数を表
す。) −O−(R5 O)b − (3) (上記式(3)において、R5 は炭素数1〜4のアルキ
レン基を表し、bは1〜50の整数を表す。) (上記式(4)において、R6 およびR7 は同一分子中
で同じでも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4
のアルキレン基を表し、R8 は炭素数1〜24の炭化水
素基を表し、cおよびdは同一分子中で同じでも異なっ
ていてもよく、それぞれ0〜50の整数を表す。) 上記式(2)において、Xは1〜10価、好ましくは1
〜6価のアルコールの水酸基を取り除いた残基を表す
が、1〜10価のアルコールとしては、具体的には例え
ば、上記(B5)エステルを構成するアルコールとして
列挙した1価アルコールおよび多価アルコールが挙げら
れる。また、上記式(2)において、Xは上記式(3)
で表されるポリオキシアルキレン基であっても良い。上
記式(3)において、R5 は炭素数1〜4、好ましくは
2〜4のアルキレン基を表すが、このようなアルキレン
基としては具体的には例えば、メチレン基;メチルメチ
レン基(エチリデン基)、エチレン基等の炭素数2のア
ルキレン基;エチルメチレン基(プロピリデン基)、ジ
メチルメチレン基(イソプロピリデン基)、メチルエチ
レン基(プロピレン基)、トリメチレン基等の炭素数3
のアルキレン基;n−プロピルメチレン基(ブチリデン
基)、イソプロピルメチレン基(イソブチリデン基)、
エチルメチルメチレン基、エチルエチレン基(ブチレン
基)、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチル
エチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルト
リメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数4のアルキ
レン基等が挙げられる。この中でも、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基が好ましい。なお、R5 として2
種以上のアルキレン基を用いた場合、オキシアルキレン
基の重合形式に特に制限はなく、ランダム共重合してい
ても、ブロック共重合していても良い。上記式(2)に
おいて、Yは上記式(4)で表される基を表す。上記式
(4)において、R6 およびR7 はそれぞれ炭素数1〜
4、好ましくは2〜4のアルキレン基を表すが、このよ
うなアルキレン基としては、具体的には例えば、上記R
5が表すアルキレン基として列挙したものが挙げられ
る。また、R6 およびR7は同一分子中で同じでも異な
っていてもよく、さらにR6 およびR7 としてはそれぞ
れ2種以上のアルキレン基を用いることもでき、この場
合のオキシアルキレン基の重合形式に特に制限はなく、
ランダム共重合していても、ブロック共重合していても
良い。上記式(4)においてR8 は炭素数1〜24の炭
化水素基を表すが、このような炭化水素基としては任意
のものが使用でき、具体的には例えば、炭素数1〜24
のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数
5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜24のアルキル
シクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素
数7〜24のアルキルアリール基、炭素数7〜24のア
リールアルキル基等が挙げられる。炭素数1〜24のア
ルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、直鎖状または分岐状のブ
チル基、直鎖状または分岐状のペンチル基、直鎖状また
は分岐状のヘキシル基、直鎖状または分岐状のヘプチル
基、直鎖状または分岐状のオクチル基、直鎖状または分
岐状のノニル基、直鎖状または分岐状のデシル基、直鎖
または分枝のウンデシル基、直鎖または分枝のドデシル
基、直鎖または分枝のトリデシル基、テトラデシル基テ
トラデシル基直鎖または分枝のテトラデシル基、直鎖ま
たは分枝のペンタデシル基、直鎖または分枝のヘキサデ
シル基、直鎖または分枝のヘプタデシル基、直鎖または
分枝のオクタデシル基、直鎖または分枝のノナデシル
基、直鎖または分枝のイコシル基、直鎖または分枝のヘ
ンイコシル基、直鎖または分枝のトリコシル基、直鎖ま
たは分枝のテトラコシル基等が挙げられる。炭素数2〜
24のアルケニル基としては、例えば、エテニル基、直
鎖状または分岐状のプロペニル基、直鎖状または分岐状
のブテニル基、直鎖状または分岐状のペンテニル基、直
鎖状または分岐状のヘキセニル基、直鎖状または分岐状
のヘプテニル基、直鎖状または分岐状のオクテニル基、
直鎖状または分岐状のノネニル基、直鎖状または分岐状
のデセニル基、直鎖または分枝のウンデセニル基、直鎖
または分枝のドデセニル基、直鎖または分枝のトリデセ
ニル基、直鎖または分枝のテトラデセニル基、直鎖また
は分枝のペンタデセニル基、直鎖または分枝のヘキサデ
セニル基、直鎖または分枝のヘプタデセニル基、直鎖ま
たは分枝のオクタデセニル基、直鎖または分枝のノナデ
セニル基、直鎖または分枝のイコセニル基、直鎖または
分枝のヘンイコセニル基、直鎖または分枝のトリコセニ
ル基、直鎖または分枝のテトラコセニル基等が挙げられ
る。炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、例え
ば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプ
チル基等が挙げられる炭素数6〜24のアルキルシクロ
アルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基
(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロペンチル
基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル
基(全ての置換異性体を含む)、メチルエチルシクロペ
ンチル基(全ての置換異性体を含む)、ジエチルシクロ
ペンチル基(全ての置換異性体を含む)、メチルシクロ
ヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシク
ロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシク
ロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、メチルエチ
ルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ジエ
チルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、メ
チルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ジ
メチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、
エチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、
メチルエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含
む)等が挙げられる。炭素数6〜10のアリール基とし
ては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ
る。炭素数7〜24のアルキルアリール基としては、例
えば、トリル基(全ての置換異性体を含む)、キシリル
基(全ての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(全
ての置換異性体を含む)、直鎖または分枝のプロピルフ
ェニル基(全ての置換異性体を含む)、直鎖または分枝
のブチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)等が挙
げられる。炭素数7〜24のアリールアルキル基として
は、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−
フェニルエチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル
基(プロピル基の異性体を含む)、フェニルブチル基
(ブチル基の異性体を含む)等が挙げられる。上記式
(2)において、aが2以上の整数である場合、a個の
Yは上記した基1種のみからなるものであってもよく、
異なる構造を有する2種以上の基からなるものであって
もよい。
【0011】上記(B7)脂肪酸としては、炭素数6〜
24のものが用いられる。また、ここでいう脂肪酸は、
直鎖脂肪酸であっても分岐鎖脂肪酸であってもよく、飽
和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよい。この
ような脂肪酸を例示すると、炭素数6〜24の脂肪酸と
しては、具体的には例えば、直鎖状または分岐状のヘキ
サン酸、直鎖状または分岐状のヘプタン酸、直鎖状また
は分岐状のオクタン酸、直鎖状または分岐状のノナン
酸、直鎖状または分岐状のデカン酸、直鎖状または分岐
状のウンデカン酸、直鎖状または分岐状のドデカン酸、
直鎖状または分岐状のトリデカン酸、直鎖状または分岐
状のテトラデカン酸、直鎖状または分岐状のペンタデカ
ン酸、直鎖状または分岐状のヘキサデカン酸、直鎖状ま
たは分岐状のヘプタデカン酸、直鎖状または分岐状のオ
クタデカン酸、直鎖状または分岐状のノナデカン酸、直
鎖状または分岐状のイコサン酸、直鎖状または分岐状の
ヘンイコサン酸、直鎖状または分岐状のドコサン酸、直
鎖状または分岐状のトリコサン酸、直鎖状または分岐状
のテトラコサン酸などの飽和脂肪酸、または、直鎖状ま
たは分岐状のヘキセン酸、直鎖状または分岐状のヘプテ
ン酸、直鎖状または分岐状のオクテン酸、直鎖状または
分岐状のノネン酸、直鎖状または分岐状のデセン酸、直
鎖状または分岐状のウンデセン酸、直鎖状または分岐状
のドデセン酸、直鎖状または分岐状のトリデセン酸、直
鎖状または分岐状のテトラデセン酸、直鎖状または分岐
状のペンタデセン酸、直鎖状または分岐状のヘキサデセ
ン酸、直鎖状または分岐状のヘプタデセン酸、直鎖状ま
たは分岐状のオクタデセン酸、直鎖状または分岐状のノ
ナデセン酸、直鎖状または分岐状のイコセン酸、直鎖状
または分岐状のヘンイコセン酸、直鎖状または分岐状の
ドコセン酸、直鎖状または分岐状のトリコセン酸、直鎖
状または分岐状のテトラコセン酸などの不飽和脂肪酸な
どが挙げられる。
【0012】上記(B8)の有機酸塩としては、例え
ば、(B8−1)スルフォネート、(B8−2)フェネ
ート、(B8−3)サリシレート、ならびにこれらの混
合物などが挙げられるが、これら有機酸塩を構成する陽
性成分は、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアミ
ンである。そして、この場合のアルカリ金属としては、
例えばナトリウムおよびカリウムなどが、またアルカリ
土類金属としては、例えばマグネシウム、カルシウムお
よびバリウムなどが挙げられる。また、アミンとして、
アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリ
メチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、ト
リエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミ
ン、トリプロピルアミンなどで例示される炭素数1〜3
のアルキル基を有するアルキルアミン;モノメタノール
アミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノー
ルアミン、トリプロパノールアミンなどで例示される炭
素数1〜3のアルカノール基を有するアルカノールアミ
ンなどが挙げられる。上記(B8−1)スルフォネート
は特に製造方法を限定するものでなく、任意の方法によ
って製造されたものが使用可能である。例えば、分子量
100〜1500、好ましくは200〜700のアルキ
ル芳香族化合物をスルフォン化することによって得られ
るアルキル芳香族スルフォン酸のアルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩、アミン塩およびこれらの混合物などが
使用できる。ここでいうアルキル芳香族スルフォン酸と
しては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合
物をスルフォン化したものや、ホワイトオイル製造時に
副生する、いわゆるマホガニー酸などの石油スルフォン
酸や、洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラント
から副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル
化することにより得られる直鎖状または分枝状のアルキ
ル基を有するアルキルベンゼンをスルフォン化したも
の、あるいはジノニルナフタレンなどのアルキルナフタ
レンをスルフォン化したものなどの合成スルフォン酸な
どが挙げられる。この(B8−1)成分としては、上記
のアルキル芳香族スルフォン酸と、アルカリ金属の塩基
(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土
類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物な
ど)または上述したアミン(アンモニア、アルキルアミ
ンやアルカノールアミンなど)とを反応させて得られる
いわゆる中性(正塩)スルフォネート;中性(正塩)ス
ルフォネートと、過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ
土類金属の塩基またはアミンを水の存在下で加熱するこ
とにより得られるいわゆる塩基性スルフォネート;炭酸
ガスの存在下で中性(正塩)スルフォネートをアルカリ
金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基またはアミンと反
応させることにより得られるいわゆる炭酸塩過塩基性
(超塩基性)スルフォネート;中性(正塩)スルフォネ
ートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基ま
たはアミンならびにホウ酸または無水ホウ酸などのホウ
酸化合物と反応させたり、または炭酸塩過塩基性(超塩
基性)スルフォネートとホウ酸または無水ホウ酸などの
ホウ酸化合物を反応させることによって製造されるいわ
ゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート;お
よびこれらの混合物などが挙げられる。(B8−2)フ
ェネートとしては、具体的には例えば、炭素数4〜20
のアルキル基を1〜2個有するアルキルフェノールと、
元素イオウの存在下または不存在下で、アルカリ金属の
塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカ
リ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化
物など)または上述したアミン(アンモニア、アルキル
アミンやアルカノールアミンなど)と反応させることに
より得られる中性フェネート;中性フェネートと過剰の
アルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基またはア
ミンを水の存在下で加熱することにより得られる、いわ
ゆる塩基性フェネート;炭酸ガスの存在下で中性フェネ
ートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基ま
たはアミンと反応させることにより得られる、いわゆる
炭酸塩過塩基性(超塩基性)フェネート;中性フェネー
トをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基また
はアミンならびにホウ酸または無水ホウ酸などのホウ酸
化合物と反応させたり、または炭酸塩過塩基性(超塩基
性)フェネートとホウ酸または無水ホウ酸などのホウ酸
化合物を反応させることによって製造される、いわゆる
ホウ酸塩過塩基性(超塩基性)フェネート;およびこれ
らの混合物などが挙げられる。(B8−3)サリシレー
トとしては、例えば、炭素数4〜20のアルキル基を1
〜2個有するアルキルサリチル酸を、元素イオウの存在
下または不存在下で、アルカリ金属の塩基(アルカリ金
属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類金属の塩基
(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)または上
述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノ
ールアミンなど)と反応させることにより得られる中性
サリシレート;中性サリシレートと、過剰のアルカリ金
属の塩基、アルカリ土類金属の塩基またはアミンを水の
存在下で加熱することにより得られるいわゆる塩基性サ
リシレート;炭酸ガスの存在下で中性サリシレートをア
ルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基またはアミ
ンと反応させることにより得られるいわゆる炭酸塩過塩
基性(超塩基性)サリシレート;中性サリシレートをア
ルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基またはアミ
ンならびにホウ酸または無水ホウ酸などのホウ酸化合物
と反応させたり、または炭酸塩過塩基性(超塩基性)金
属サリシレートとホウ酸または無水ホウ酸などのホウ酸
化合物を反応させることによって製造されるいわゆるホ
ウ酸塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;およびこれ
らの混合物などが挙げられる。上記(B9)鉛系化合物
としては、ナフテン酸鉛やオレイン酸鉛等の脂肪酸鉛等
が使用可能である。
【0013】上記(B10)モリブデン化合物として
は、(B10−1)ジチオリン酸モリブデン、(B10
−2)ジチオカルバミン酸モリブデン等が挙げられる。
(B10−1)ジチオリン酸モリブデンは、下記一般式
(5)で表される。 (上記式(5)中、R9 、R100、R11およびR12は、
同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の
炭化水素基を示し、Xは酸素原子または硫黄原子を表
す。) また、(B10−2)ジチオカルバミン酸モリブデン
は、下記一般式(6)で表される。 (上記式(6)中、R13、R14、R15およびR16は、同
一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の炭
化水素基を示し、Xは酸素原子または硫黄原子を表
す。) 上記式(5)および(6)において、R9 、R10
11、R12、R13、R14、R15およびR16で示される炭
化水素基の具体例を例示すれば、メチル基、エチル基、
プロピル基(すべての分枝異性体を含む)、ブチル基
(すべての分枝異性体を含む)、ペンチル基(すべての
分枝異性体を含む)、ヘキシル基(すべての分枝異性体
を含む)、ヘプチル基(すべての分枝異性体を含む)、
オクチル基(すべての分枝異性体を含む)、ノニル基
(すべての分枝異性体を含む)、デシル基(すべての分
枝異性対を含む)、ウンデシル基(すべての分枝異性対
を含む)、ドデシル基(すべての分枝異性対を含む)、
トリデシル基(すべての分枝異性対を含む)、テトラデ
シル基(すべての分枝異性対を含む)、ペンタデシル基
(すべての分枝異性対を含む)、ヘキサデシル基(すべ
ての分枝異性対を含む)、ヘプタデシル基(すべての分
枝異性対を含む)、オクタデシル基(すべての分枝異性
対を含む)、ノナデシル基(すべての分枝異性対を含
む)、イコシル基(すべての分枝異性対を含む)、ヘン
イコシル基(すべての分枝異性対を含む)、ドコシル基
(すべての分枝異性対を含む)、トリコシル基(すべて
の分枝異性対を含む)、テトラコシル基(すべての分枝
異性対を含む)などのアルキル基;シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアル
キル基;メチルシクロペンチル基(すべての置換異性体
を含む)、エチルシクロペンチル基(すべての置換異性
体を含む)、ジメチルシクロペンチル基(すべての置換
異性体を含む)、プロピルシクロペンチル基(すべての
分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロ
ペンチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチル
シクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ブチ
ルシクロペンチル基(すべての分枝異性体、置換異性体
を含む)、メチルプロピルシクロペンチル基(すべての
分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロペン
チル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチル
シクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチ
ルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エ
チルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、
ジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含
む)、プロピルシクロヘキシル基(すべての分枝異性
体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル
基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘ
キシル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロ
ヘキシル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含
む)、メチルプロピルシクロヘキシル基(すべての分枝
異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル
基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシク
ロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシ
クロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチル
シクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメ
チルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、
プロピルシクロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換
異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(すべ
ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基
(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘプチル
基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチル
プロピルシクロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換
異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(すべての
置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘプチル基
(すべての置換異性体を含む)などのアルキルシクロア
ルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;
トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシリル基
(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(す
べての置換異性体を含む)、プロピルフェニル基(すべ
ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルフ
ェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフ
ェニル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルフェニ
ル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチ
ルプロピルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性
体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体
を含む)、ジメチルエチルフェニル基(すべての置換異
性体を含む)、ペンチルフェニル基(すべての分枝異性
体、置換異性体を含む)、ヘキシルフェニル基(すべて
の分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプチルフェニル
基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクチ
ルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含
む)、ノニルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異
性体を含む)、デシルフェニル基(すべての分枝異性
体、置換異性体を含む)、ウンデシルフェニル基(すべ
ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ドデシルフェニ
ル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、トリ
デシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を
含む)、テトラデシルフェニル基(すべての分枝異性
体、置換異性体を含む)、ペンタデシルフェニル基(す
べての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキサデシル
フェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含
む)、ヘプタデシルフェニル基(すべての分枝異性体、
置換異性体を含む)、オクタデシルフェニル基(すべて
の分枝異性体、置換異性体を含む)などのアルキルアリ
ール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル
基(すべての分枝異性体を含む)、フェニルブチル基
(すべての分枝異性体を含む)などのアリールアルキル
基などが挙げられる。上記(B11)で示すジチオリン
酸亜鉛化合物としては、先に示した一般式(1)におけ
るR1 、R2 、R3 およびR4 がすべて炭素数1〜9の
アルキル基および/または炭素数1〜9のアルケニル基
である化合物が挙げられる。
【0014】本発明の塑性加工用潤滑油組成物に上記
(B)成分を含有させる場合、その含有量は任意に選ぶ
ことができる。ちなみに、上記(B5)の有機酸エステ
ルは、本発明の基油としても使用できる。しかしなが
ら、通常は配合される(B)成分の合計量[但し、(B
5)の有機酸エステルは除く]の上限値が、組成物全量
基準で40質量%、好ましくは35質量%、より好まし
くは30質量%であり、下限値は組成物全量基準で1質
量%、好ましくは2質量%、より好ましくは5質量%で
ある。(B)成分の含有量が40質量%を越える場合に
は、含有量に見合うだけの加工性の向上効果が期待でき
ず、経済的に不利となる可能性がある。また、(B)成
分の含有量が1質量%に満たない場合には、塑性加工時
の加工性の向上効果が期待できない。また、本発明の潤
滑油組成物には、各種性能をさらに高める目的で公知の
潤滑油添加剤を単独で、または数種類組み合わせた形で
含有させることができる。これらの添加剤としては、具
体的には、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチ
ルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−
ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−
ブチル−o−クレゾール)などに代表される酸化防止
剤;ジエチレングリコールモノアルキルエーテルなどの
湿潤剤;アクリルポリマー、パラフィンワックス、マイ
クロワックス、スラックワックス、ポリオレフィンワッ
クスなどの造膜剤;脂肪酸アミン塩などの水置換剤;グ
ラファイト、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ
素、ポリエチレン粉末などの固体潤滑剤;アミン、アル
カノールアミン、アミド、カルボン酸などの腐食防止
剤;ベンゾトリアゾール、チアジアゾールなどの金属不
活性化剤;メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポ
リアクリレートなどの消泡剤;アルケニルコハク酸イミ
ド、ベンジルアミン、ポリアルケニルアミンアミノアミ
ド等の無灰分散剤;などが挙げられる。潤滑油組成物に
おけるこれら公知の添加剤の含有量は任意に調節するこ
とができるが、通常はこれら公知の添加剤の合計含有量
が組成物全量基準で0.1〜10重量%の範囲にあるこ
とが望ましい。
【0015】基油に(A)成分を配合し、必要に応じて
さらに(B)成分およびその他の添加剤を配合した本発
明の塑性加工用潤滑油組成物は、その動粘度(40℃)
に格別な制限はない。しかし、取り扱いの便および浸漬
塗油した場合の持ち出し量などの点から、上記の動粘度
は1.5〜500mm2 /sの範囲にあることが好まし
く、2〜200mm2 /sの範囲にあることがより好ま
しい。また鋼板に塗油し、その鋼板をコイル状に巻き取
る際のスリップ抑制をも考慮すると、動粘度は2〜50
mm2 /sであることが好ましく、2〜25mm2 /s
であることがより好ましい。本発明に係る塑性加工用潤
滑油組成物は、例えば、通常の鋼板やステンレス鋼板、
溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、電気
亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛−鉄合金メッキ鋼板、電気亜
鉛−ニッケル合金メッキ鋼板、二層メッキ鋼板、ターン
シートなどの表面処理鋼板の塑性加工、具体的には例え
ば、プレス成形、曲げ成形、引き抜き成形、しごき成形
などにおいて特に好ましく使用されるものである。また
鋼板、ステンレス鋼板や表面処理鋼板の塑性加工のみで
なく、アルミニウムおよびアルミニウム合金などの非鉄
金属板の塑性加工、具体的には例えば、プレス成形、曲
げ成形、引き抜き成形、しごき成形などにおいても好適
に用いられるものである。
【0016】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例および比較例に
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの内容
に何ら限定されるものではない。 [合成例1]500mlのガラス製4つ口フラスコにn
−ドデシルアルコール0.8molと五硫化リン0.1
8molを入れ、窒素雰囲気下100℃で3時間撹拌し
た。反応液をヘキサンで希釈し、不溶解物を濾過した
後、濾液をビーカーに入れアンモニアガスを吹き込み、
析出した無色固体を取り出した。得られた固体をベンゼ
ンより再結晶し、無色結晶のジ−n−ドデシルジチオリ
ン酸アンモニウム塩を収率94%で得た。次に1リット
ルのガラス製4つ口フラスコ中でこの生成物0.2mo
lをトルエン約600mlに50℃で加熱撹拌しながら
溶解し、そこに水に溶解した塩化亜鉛0.15molを
添加しさらに窒素雰囲気下50℃で3時間激しく撹拌し
た。反応終了後トルエン層を取り出し、飽和食塩水で良
く洗浄し、溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶
媒を除去した。得られた生成物は、下記式で表す炭素数
12のアルキル基を有するジチオリン酸亜鉛化合物の中
性塩94%と、塩基性塩5%と、その他の不純物1%の
混合物であったが、特にこれ以上の精製はせずに試験に
供した。 [合成例2]n−ドデシルアルコールの代わりにn−ヘ
キサデシルアルコールを用いた以外は、合成例1と同様
の方法によって、炭素数16のアルキル基を有するジチ
オリン酸亜鉛化合物を合成した。得られた生成物は、下
記式で表す炭素数16のアルキル基を有するジチオリン
酸亜鉛化合物の中性塩95%と、塩基性塩4%、その他
の不純物1%の混合物であったが、特にこれ以上の精製
はせずに試験に供した。 [合成例3]n−ドデシルアルコールの代わりにオレイ
ルアルコールを用いた以外は、合成例1と同様の方法に
よって、炭素数18のアルケニル基を有するジチオリン
酸亜鉛化合物を合成した。得られた生成物は、下記式で
表す炭素数18のアルケニル基を有するジチオリン酸亜
鉛化合物の中性塩95%と、塩基性塩4%、その他の不
純物1%の混合物であったが、特にこれ以上の精製はせ
ずに試験に供した。 [合成例4]合成例1で得たジ−n−ドデシルジチオリ
ン酸アンモニウム塩0.2molをテトラヒドロフラン
約50mlに溶解させた溶液および水酸化カリウム0.
33molを500mlの水に溶解させた溶液を、1リ
ットルのガラス製4つ口フラスコにとり、50℃で加熱
撹拌しながら、そこに水に溶解した塩化亜鉛0.13m
olを添加し、さらに窒素雰囲気下50℃で3時間激し
く撹拌した。反応終了後、ヘキサンで抽出し、飽和食塩
水で良く洗浄し、溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、溶媒を除去した。得られた生成物は、炭素数12の
アルキル基を有するジチオリン酸亜鉛化合物の中性塩
(下記式で示す)59%と、塩基性塩40%と、その他
の不純物1%の混合物であったが、特にこれ以上精製は
せずに試験に供した。 [合成例5]n−ドデシルアルコールの代わりにn−オ
クチルアルコールを用いた以外は、合成例1と同様の方
法によって、炭素数8のアルキル基を有するジアルキル
ジチオリン酸亜鉛化合物を合成した。得られた生成物
は、下記式で表す炭素数8のアルキル基を有するジチオ
リン酸亜鉛化合物の中性塩93%と、塩基性塩6%、そ
の他の不純物1%の混合物であったが、特にこれ以上の
精製はせずに試験に供した。
【0017】[実施例1〜11および比較例1〜6]表
1に示す組成で実施例1〜11の塑性加工用潤滑油組成
物を調製した。また、比較のため、表2に示す組成に従
い、(A)成分を用いない場合(比較例1および比較例
2)、(A)成分を用いずに(B)成分のみを用いてた
場合(比較例3〜6)についても組成物を調製した。な
お、使用した各成分は以下のとおりである。基油 基油1:パラフィン系溶剤精製鉱油(動粘度25mm2
/s(@40℃)) 基油2:パラフィン系溶剤精製鉱油(動粘度80mm2
/s(@40℃)) 基油3:パラフィン系溶剤精製鉱油(動粘度250mm
2 /s(@40℃)) 基油4:パラフィン系溶剤精製鉱油(動粘度500mm
2 /s(@40℃))(A)成分 A1:合成例1で得られた生成物(中性塩94質量%、
塩基性塩5質量%およびその他の不純物1質量%の混合
物) A2:合成例2で得られた生成物(中性塩95質量%、
塩基性塩4質量%およびその他の不純物1質量%の混合
物) A3:合成例3で得られた生成物(中性塩95質量%、
塩基性塩4質量%およびその他の不純物1質量%の混合
物) A4:合成例4で得られた生成物(中性塩59質量%、
塩基性塩40質量%およびその他の不純物1質量%の混
合物)(B)成分 B1:硫化ラード(硫黄含有量10質量%) B2:トリクレジルフォスフェート B3:石油スルフォン酸の炭酸塩過塩基性カルシウム塩
(全塩基価(過塩素酸法)400mgKOH/g) B4:合成例5で得られた生成物(中性塩93質量%、
塩基性塩6質量%およびその他の不純物1質量%の混合
物) B5:塩素化パラフィン(塩素含有量50質量%)(粘
度0.82Pa・s(@25℃) 実施例1〜11および比較例1〜6の組成物につき、以
下に示す試験により性能評価を行い、その結果を表1お
よび表2に併記した。 [円筒成形性試験]JIS G 3141「冷間圧延鋼
板及び鋼帯」で規定するSPCE材を試験板材とし、以
下の方法により円筒成形性試験を行った。試験板材表面
に試料油を2g/m2 の割合でスプレー塗油し、絞り比
を2.2とし、しわ押さえ力を0.5tfから0.1t
fずつ大きくして成形を行い、破断が生じない最大しわ
押さえ力(tf)を測定した。円筒成形ではしわ押さえ
力を大きくするほどしわの発生が抑制される反面、破断
が生じ易くなる。従って、最大しわ押さえ力が大きいほ
ど破断防止効果が高く、加工性に優れていることを示
す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表1の性能評価試験の結果に示すとおり、
本発明に係る実施例の塑性加工用潤滑油組成物は加工性
に優れるている。また、特にさらに(B)成分を併用し
た場合(実施例6〜11)には、さらに加工性に優れて
いることが分かる。これに対して表2表の結果に示すと
おり、本発明の(A)成分を用いなかったり、(A)成
分の代わりに炭素数8のアルキル基を有するジチオリン
酸亜鉛化合物を用いたり、塩素化パラフィンを用いた
り、炭素数8のアルキル基を有するジチオリン酸亜鉛化
合物と硫化油脂とを併用して用いた場合は、その円筒成
形性能は実施例の組成物より大きく劣り、本発明の組成
物の優秀性が明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 10:04 30:06 30:10 40:24 (72)発明者 亀塚 大 横浜市中区千鳥町8番地 日本石油株式会 社中央技術研究所内 (72)発明者 松崎 幸雄 横浜市中区千鳥町8番地 日本石油株式会 社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油および/または合成油を基油とし、
    下記一般式(1)で表されるジチオリン酸亜鉛化合物
    を、組成物全量基準で0.5〜50質量%含有すること
    を特徴とする塑性加工用潤滑油組成物。 (上記式(1)中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、個
    別にアルキル基またはアルケニル基を示す。ただし、R
    1 、R2 、R3 およびR4 のうち少なくとも1つは炭素
    数10以上のアルキル基または炭素数10以上のアルケ
    ニル基である。)
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348588A (ja) * 2000-06-05 2001-12-18 Idemitsu Kosan Co Ltd 塑性加工用潤滑油組成物
JP2008195765A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Toyota Boshoku Corp 金属材料プレス加工用の潤滑油とそれを用いた金属材料のプレス加工方法
JP2010007033A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Nihon Kohsakuyu Co Ltd 難加工金属材料の非塩素系塑性加工用潤滑剤
JP2010174252A (ja) * 2010-03-29 2010-08-12 Idemitsu Kosan Co Ltd 塑性加工用潤滑油組成物
JP2012529548A (ja) * 2009-06-10 2012-11-22 インフィニューム インターナショナル リミテッド 潤滑油組成物
JP2013173957A (ja) * 2013-06-12 2013-09-05 Idemitsu Kosan Co Ltd 塑性加工用潤滑油組成物

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