JP2016079234A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】黄変が極めて低減された紫外線硬化塗膜を含む塗膜積層体の形成に用いることができる硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)アクリレート系共重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料を含有し、(A)アクリレート系共重合体のガラス転移と重量平均分子量とが特定範囲であり、(A)アクリレート系共重合体が、1分子中に水酸基とアクリロイルオキシ基とを有するアルキルアクリレート、1分子中にフェニル基とビニル基とを有する化合物、およびアルキルアクリレートを単量体成分として含み、硬化剤(B)が、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物等であり、(C)顔料は紫顔料等であり、ポリカーボネート製基板の上に形成したUVアンダーコート層の上に塗装等し、色調色差(Δb値)が±1.0以内となる、硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は硬化性樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂のようなプラスチックを成型してなるプラスチック成型品の装飾においては、プラスチック基材の上にアンダーコートまたはベースコートと称されるアンダーコート剤が塗装されてアンダーコート層が形成され、その上にミドルコートと称されるミドルコート剤が塗装されてミドルコート層が形成され、耐摩耗性および耐擦傷性を付与するために、さらにその上にトップコートまたはハードコートと称されるトップコート剤が塗装されてトップコート層が形成される場合がある。また、金属に良く似た意匠性を発現する目的でアンダーコート層の上にスズ、アルミニウム、インジウム、ニッケル、銅等の金属が真空蒸着されて蒸着層が形成され、その上にミドルコートが形成される場合もある。
ここでアンダーコート層や蒸着層の上にトップコートを直接塗装した場合、トップコートの硬化収縮が大きいことから歪みが生じて、はく離が生じることがある。そこで、アンダーコート層または蒸着層とトップコート層との間にミドルコート層を介在させることによって、トップコートの硬化収縮による影響が緩和され、非常に高い耐久性および密着性を長期にわたって維持することができる。
このようなミドルコート層用の組成物として、従来、例えば特許文献1に記載のものが提案されている。
また、アンダーコート層およびトップコート層として紫外線によって硬化する塗膜が利用される。すなわち、アンダーコート層およびトップコート層は紫外線硬化塗膜であることが好ましい。
特許第4631982号公報
上記の紫外線硬化塗膜は硬化時に、程度の違いはあるが必ず黄変する。特に、複数の紫外線硬化塗膜を含む塗膜積層体(例えば、最表面にトップコート層として紫外線硬化塗膜を有し、その内側に硬化性樹脂組成物からなるミドルコート層を有し、さらにその内側にアンダーコート層として紫外線硬化塗膜を有する塗膜積層体)の場合、黄変は顕著になる。
本発明は上記のような課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明の目的は、黄変が極めて低減された紫外線硬化塗膜を含む塗膜積層体の形成に用いることができる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)〜(4)である。
(1)(A)(メタ)アクリレート系共重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料を含有し、
前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体のガラス転移点が50〜70℃、かつ、重量平均分子量10000〜50000であり、
前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体が、1分子中に水酸基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するアルキル(メタ)アクリレート(a1−1)、1分子中にフェニル基とビニル基とを有する化合物(a2)、およびアルキル(メタ)アクリレート(a3)を単量体成分として含み、
前記硬化剤(B)が、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体、ジイソシアネートのイソシアヌレート体およびジイソシアネートのビウレット体からなる群から選択される1種以上の化合物であり、
前記(C)顔料は紫顔料および/または青顔料であり、
ポリカーボネート製基板の上に形成したUVアンダーコート層の上に塗装し、さらにその上にUVトップコートを塗装し、UV硬化させ、その後、JIS Z 8730で規定されている方法によって、ポリカーボネート製基板を基準として測定する色調色差(Δb値)が±1.0以内となる、硬化性樹脂組成物。
(2)(A)(メタ)アクリレート系共重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料を含有し、
前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体のガラス転移点が50〜70℃、かつ、重量平均分子量10000〜50000であり、
前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体が、1分子中にカルボキシル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するアルキル(メタ)アクリレート(a1−2)、1分子中にフェニル基とビニル基とを有する化合物(a2)、およびアルキル(メタ)アクリレート(a3)を単量体成分として含み、
前記(B)硬化剤が、1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合物であり、
前記(C)顔料は紫顔料および/または青顔料であり、
ポリカーボネート製基板の上に形成したUVアンダーコート層の上に塗装し、さらにその上にUVトップコートを塗装し、UV硬化させ、その後、JIS Z 8730で規定されている方法によって、ポリカーボネート製基板を基準として測定する色調色差(Δb値)が±1.0以内となる、硬化性樹脂組成物。
(3)(A)(メタ)アクリレート系共重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料を含有し、
前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体のガラス転移点が50〜70℃、かつ、重量平均分子量10000〜50000であり、
前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体が、1分子中にグリシジル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するアルキル(メタ)アクリレート(a1−3)、1分子中にフェニル基とビニル基とを有する化合物(a2)、およびアルキル(メタ)アクリレート(a3)を単量体成分として含み、
前記硬化剤(B)が、1分子中に2個以上のイミノ基を有する化合物または1分子中に2個以上のケチミン基を有する化合物であり、
前記(C)顔料は紫顔料および/または青顔料であり、
ポリカーボネート製基板の上に形成したUVアンダーコート層の上に塗装し、さらにその上にUVトップコートを塗装し、UV硬化させ、その後、JIS Z 8730で規定されている方法によって、ポリカーボネート製基板を基準として測定する色調色差(Δb値)が±1.0以内となる、硬化性樹脂組成物。
(4)(A)アクリル重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料の各々における不揮発分の合計量に対する(C)顔料の割合が1〜500ppmである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
本発明によれば、黄変が極めて低減された紫外線硬化塗膜を含む塗膜積層体の形成に用いることができる硬化性樹脂組成物を提供することができる。
本発明について説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下では「本発明の組成物」ともいう)は、(A)(メタ)アクリレート系共重合体と、(B)硬化剤と、(C)顔料とを含有する。なお、(メタ)アクリレートの語は、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
<(A)(メタ)アクリレート系共重合体>
本発明の組成物に含有される(A)(メタ)アクリレート系共重合体(以下では「(A)アクリル重合体」ともいう。)は、ガラス転移温度(ガラス転移点)が50〜70℃、重量平均分子量10000〜50000で、側鎖に反応性官能基を有するものである。
(A)アクリル重合体のガラス転移温度は50〜70℃の範囲内であれば特に限定されないが、53〜68℃の範囲内が好ましく、55〜65℃の範囲内がより好ましい。この範囲内であると、トップコート層との密着性が良好であるからである。
(A)アクリル重合体のガラス転移温度の測定方法は、当業者が知る任意の方法を用いることができるが、例えば、DSC法、DTA法、TMA法等によって測定することができる。また、以下の計算式(1)により理論値を算出することもできる。
100/Tg=w1/Tg1+W2/Tg2・・・(1)
ただし、Tg:共重合体のポリマーのガラス転移温度(K)
Tg1:モノマー1のホモポリマーのガラス転移温度(K)
Tg2:モノマー2のホモポリマーのガラス転移温度(K)
1:モノマー1の重量分率(%)
2:モノマー2の重量分率(%)
(A)アクリル重合体の重量平均分子量の測定方法は、当業者が知る任意の方法を用いることができるが、例えば、浸透圧法、レイリー散乱法、拡散率法、沈降速度法、粘性率法、ラスト法等によって測定することができる。
(A)アクリル重合体の重量平均分子量は、上記計算式(1)によって計算した分子量で、10000〜50000の範囲内であれば特に限定されないが、15000〜45000の範囲内が好ましく、20000〜40000の範囲内がより好ましく、25000〜35000の範囲内がさらに好ましい。この範囲内であると、黄変がより低減されるからである。
(A)アクリル重合体が有する反応性官能基としては、後記する硬化剤(B)と反応性を有するものであり、水酸基[下記式(1)]、カルボキシル基[下記式(2)]、またはグリシジル基[下記式(3)]である。
(A)アクリル重合体は、1分子中に反応性官能基と(メタ)アクリロイルオキシ基[下記式(4)]を有する(メタ)アクリレート(a1)、1分子中にフェニル基とビニル基とを有する化合物(a2)(以下「化合物(a2)」ともいう)、およびアルキル(メタ)アクリレート(a3)(以下「化合物(a3)」ともいう)を単量体成分として含む。
Figure 2016079234
上記式(4)において、R1は水素原子またはメチル基である。
1分子中に反応性官能基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート(a1)は、1分子中に水酸基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート(a1−1)(以下では「(メタ)アクリレート(a1−1)」ともいう。)、1分子中にカルボキシル基と(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレート(a1−2)(以下では「(メタ)アクリレート(a1−2)」ともいう。)、1分子中にグリシジル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート(a1−3)(以下、「(メタ)アクリレート(a1−3)」ともいう。)のいずれかである。
(メタ)アクリレート(a1−1)としては、1分子中に水酸基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するものであれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート[下記式(5)]、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
Figure 2016079234
上記式(5)において、R1は水素原子またはメチル基である。
(メタ)アクリレート(a1−2)としては、1分子中にカルボキシル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するものであれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸[下記式(6)]、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、4−カルボキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
Figure 2016079234
上記式(6)において、R1は水素原子またはメチル基である。
(メタ)アクリレート(a1−3)としては、1分子中にグリシジル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するものであれば特に限定されないが、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート[下記式(7)]、2−エポキシエチル(メタ)アクリレート、4−エポキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
Figure 2016079234
上記式(7)において、R1は水素原子またはメチル基である。
化合物(a2)としては、1分子中にフェニル基とビニル基とを有するものであれば特に限定されないが、例えば、スチレン[下記式(8)]、ビニルトルエン(オルト、メタまたはパラのいずれでもよい。)等を挙げることができる。
Figure 2016079234
化合物(a3)としては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルであれば特に限定されず、例えば、下記式(9)で表すことができる。アルキル基は特に限定されないが、炭素数1〜18の直鎖、分枝または環状アルキル基であるものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルエチル(メタ)アクリレート、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、8−メチルノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
なお、化合物(a3)は、(メタ)アクリレート(a1)を含まない。
Figure 2016079234
上記式(9)において、R1は水素原子またはメチル基であり、R2はアルキル基、好ましくは、炭素数1〜18の直鎖、分枝または環状アルキル基である。
<(B)硬化剤>
本発明の組成物に含有される(B)硬化剤は、前記(A)アクリル重合体が有する反応性官能基と架橋反応をしうる官能基を有するものである。
(A)アクリル重合体が有する反応性官能基が水酸基である場合には、硬化剤(B)は水酸基と架橋反応しうる官能基を有するものであり、そのような官能基としては、例えば、イソシアネート基[下記式(10)]を挙げることができる。
Figure 2016079234
(A)アクリル重合体が反応性官能基として水酸基を有する場合、硬化剤(B)は1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物であってよく、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート、これらのジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート、トリメチロールプロパンから誘導されるポリイソシアネートが好ましく、これらを単独で、または組み合わせて用いることができる。
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)[下記式(11)]、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)[下記式(12)]、水添(水素添加)MDI、水添TDI、水添XDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、芳香族脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス−p−イソシアネートフェニルチオフォスフェイト等を挙げることができるが、これらを単独で、または組み合わせて用いることができる。組合せとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)および芳香族イソシアネートを組み合わせたもの等を挙げることができる。
Figure 2016079234
また、ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体でもよく、例えば、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体(TMP−TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体(TMP−HDI)、キシレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体(TMP−XDI)等を使用してもよい。
また、ジイソシアネートのイソシアヌレート体でもよく、例えば、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(イソシアヌレート変性TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(イソシアヌレート変性HDI)、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体(イソシアヌレート変性IPDI)等を使用してもよい。
また、ジイソシアネートのビウレット体でもよく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体(ビウレット変性HID)等を使用してもよい。
イソシアネート化合物は、市販品を好ましく用いることができ、例えば、HDIから誘導されるポリイソシアネート(HDI系ポリイソシアネート)としては、デュラネート(旭化成ケミカルズ社製;ビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体または2官能プレポリマー型)、タケネート700(三井化学社製)等を、XDIとしてはタケネート500(三井化学社製)等を挙げることができる。
(A)アクリル重合体が有する反応性官能基がカルボキシル基である場合には、硬化剤(B)はカルボキシル基と架橋反応をしうる官能基を有するものであり、そのような官能基としては、例えば、アジリジン基[下記式(13)]を挙げることができる。
Figure 2016079234
(A)アクリル重合体が反応性官能基としてカルボキシル基を有する場合、硬化剤(B)としては、1分子中に2または3個以上のアジリジン基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ジフェニルメタン−ビス−4,4′−N,N′−ジエチレンウレア、4,4−ビス(エチレンイミンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N´−トルエン−2,4−ビス−(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N´−ヘキサメチレン−1,6−ビス−(1−アジリジンカルボキシアミド)等を挙げることができ、これらの化合物を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
1分子中に2または3個以上のアジリジン基を有する化合物は市販品を好ましく使用することができ、例えば、ケミタイト PZ−33(日本触媒社、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート])[下記式(14)]、ケミタイト DZ−22E(日本触媒社、4,4−ビス(エチレンイミンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン)[下記式(15)]等を挙げることができる。
Figure 2016079234
(A)アクリル重合体が有する反応性官能基がグリシジル基である場合には、硬化剤(B)はグリシジル基と架橋反応をしうる官能基を有するものであり、そのような官能基としては、例えば、イミノ基[下記式(16)]を挙げることができる。
Figure 2016079234
上記式(16)において、R3は水素原子または炭化水素基である。
硬化剤(B)としては、1分子中に2個以上のイミノ基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、1分子中にケチミン基を2個以上有するケチミン化合物を用いることができる。ケチミン化合物を用いると、本発明の組成物を1液型とすることができる。
好ましいケチミン化合物は、例えば、1分子中に第一級アミノ基を2個以上有するポリアミン(b1)(以下、単に「ポリアミン(b1)」という。)と、1分子中に炭素−炭素結合を2個以上有する1または2個のα炭素を有するケトン(b2)(以下、単に「ケトン(b2)」という。)とを反応させて得ることができる。
ポリアミン(b1)としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、サンテクノケミカル社製のジェファーミンEDR148に代表されるポリエーテル骨格のジアミン、デュポン・ジャパン社製のMPMD等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、三井化学社製のNBDAに代表されるノルボルナン骨格のジアミン;メタキシリレンジアミン:ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン;等を挙げることができる。
ポリアミン(b1)としては、ジアミンが好ましく、中でも、ヘキサメチレンジアミン[下記式(17)]、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)[下記式(18)]、ノルボルナンジアミン(NBDA)[下記式(19)]、メタフェニレンジアミン(MPD)[下記式(20)]、メタキシリレンジアミン(MXD)[下記式(21)]が、貯蔵安定性と硬化性のバランスに優れるという点から好ましい。
Figure 2016079234
ケトン(b2)としては、例えば、下記式(22)で表されるアルキルケトン、シクロアルキルケトンを挙げることができる。
ケトン(b2)としては、具体的には、例えば、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、ジエチルケトン(DEK)、エチルプロピルケトン(EPK)、エチルブチルケトン(EBK)、ジプロピルケトン(DPK)等を挙げることができる。これらのケトンを単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。ケトンの組み合わせは、特に限定されない。
Figure 2016079234
上記式(22)において、R4およびR5は、直鎖アルキル基、分枝アルキル基および環状アルキル基からなる群から、それぞれ独立に選ばれる。
ポリアミン(b1)とケトン(b2)とを反応させて得られるケチミン化合物は、具体的には、例えば、1,6−ヘキサメチレンジアミンとメチルイソプロピルケトンとを反応させて得られるケチミン化合物[下記式(23)]を挙げることができる。
Figure 2016079234
<(C)顔料>
本発明の組成物は(C)顔料を含む。(C)顔料は紫顔料および/または青顔料であり、紫顔料および青顔料の両方を含むことが好ましい。
紫顔料は、ジオキサジンを主成分として含むものであることが好ましい。このような紫顔料として、NSP−CZ704(D) Violet(日航ビックス社製)が挙げられる。
青顔料は、銅フタロシアニンを主成分として含むものであることが好ましい。このような青顔料として、NSP−CZ655(D) Blue(日航ビックス社製)が挙げられる。
顔料は溶剤(例えば酢酸ブチル)に混合および/または希釈して用いることが好ましい。顔料と溶剤との比率(質量比)は1:999程度とすることが好ましい。
<硬化促進触媒>
(A)アクリル重合体が有する反応性官能基が水酸基であり、硬化剤(B)がポリイソシアネート化合物である場合、本発明の組成物は、所望により、硬化促進触媒を含有してもよい。
硬化促進触媒としては、例えば、トリエチルアミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の三級アミン、このような三級アミンの2−エチルヘキサン酸塩、フェノール塩、オレイン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩等の三級アミン塩、テトラメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等の四級アンモニウム塩、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、ナトリウムメトキシド、コバルト、ニッケル等の金属アセチルアセトン錯塩等の金属塩等を挙げることができる。
本発明の組成物は、ポリカーボネート製基板の上に形成したUVアンダーコート層の上に塗装し、さらにその上にUVトップコートを塗装し、UV硬化させ、その後、JIS Z 8730で規定されている方法によって、ポリカーボネート製基板を基準として測定する色調色差(Δb値)が±1.0以内となる。また、このような測定結果が得られる質量比で(A)(メタ)アクリレート系共重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料を含有する。また、このような測定結果が得られる種類および配合の(C)顔料を用いる。
なお、色調色差は従来公知の方法によって測定することができる。例えば、分光測定計(例えばCM−508d、コニカミノルタ社製)を用いて測定することができる。
<配合比>
(A)アクリル重合体の反応性官能基が水酸基である場合には、(A)アクリル重合体と、(B)硬化剤と、(C)顔料との配合比は特に限定されないが、(A)アクリル重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料の各々における不揮発分(固形分)の合計量に対する割合(含有率)として、(A)アクリル重合体:50〜80質量%、(B)硬化剤:20〜50質量%、(C)顔料:1〜500ppmであることが好ましい。
(A)アクリル重合体の反応性官能基がカルボキシル基である場合には、(A)アクリル重合体と、硬化剤(B)との配合比は特に限定されないが、(A)アクリル重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料の各々における不揮発分(固形分)の合計量に対する割合(含有率)として、(A)アクリル重合体:50〜80質量%、(B)硬化剤:20〜50質量%、(C)顔料:1〜500ppmであることが好ましい。
(A)アクリル重合体の反応性官能基がグリシジル基である場合には、(A)アクリル重合体と、硬化剤(B)との配合比は特に限定されないが、A)アクリル重合体:50〜80質量%、(B)硬化剤:20〜50質量%、(C)顔料:1〜500ppmであることが好ましい。
<その他配合してよいもの>
本発明の組成物は、作業性および得られる塗膜の意匠性を向上できる点から、さらに、溶剤を含有するのが好ましい。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等が挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料等を含有することができる。
充填剤としては、例えば、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤等が挙げられる。
<製造方法等>
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。
<用途等>
本発明の組成物は、各種電機製品(携帯電話筐体、デジカメ、ゲーム機)のコーティングや、各種蒸着塗装(携帯電話用、化粧品用容器用など)のコーティングに好ましく用いることができる。
本発明の組成物は、紫外線硬化膜およびミドルコート層を含む塗装積層体を形成する際に、ミドルコート層の形成のために用いることができる。特に、複数の紫外線硬化塗膜を含む塗膜積層体(例えば、最表面にトップコート層として紫外線硬化塗膜を有し、その内側に硬化性樹脂組成物からなるミドルコート層を有し、さらにその内側にアンダーコート層として紫外線硬化塗膜を有する塗膜積層体)の場合に、本発明の組成物を用いてミドルコートを形成すると、黄変は顕著に低減することができる。
例えば、最表面にトップコート層として紫外線硬化塗膜を有し、その内側に硬化性樹脂組成物からなるミドルコート層を有し、さらにその内側にアンダーコート層として紫外線硬化塗膜を有する塗膜積層体が基材上に形成されている場合、トップコート層およびアンダーコート層が黄変する。ここで最表面のトップコート層における黄変は加熱または経時で改善されるが、アンダーコート層における黄変は時間が経過しても改善され難い。しかしながら、本発明の組成物からなるミドルコート層を有する場合、紫外線を照射した際にアンダーコート層が黄変したとしても、塗膜積層体は全体として外観に問題は生じ難い。
このような塗膜積層体は、プラスチック基材と、アンダーコート層と、その上に本発明の組成物を塗布して硬化させて形成されたミドルコートと、その上に形成されたトップコート層とを有するものである。
ここで、アンダーコート層とミドルコートとの間に、さらに金属の真空蒸着層を有してもよい。
また、アンダーコート層とプラスチック基材との間に、さらに別の層を有してもよい。
上記プラスチック基材としては、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックを問わず種々のプラスチック基材を用いることができる。具体的には、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物を塗布する方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
本発明の組成物を塗布して得られる塗膜の厚さは特に限定されないが、1〜30μmの範囲内であることが好ましく、2〜25μmの範囲内であることがより好ましく、5〜15μmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明の組成物の硬化方法は、加熱により行うことができる。加熱条件としては、例えば、70℃で3分間以上、好ましくは70℃で5〜60分間、より好ましくは70℃で10〜60分間、さらに好ましくは70℃で15〜60分間、いっそう好ましくは70℃で20〜60分間の範囲内である。
真空蒸着において使用される金属は、特に限定されず、例えば、スズ、アルミニウム、ニッケル、銅、インジウム等が挙げられる。
真空蒸着の方法は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。
トップコート層またはアンダーコート層を形成するために用いる組成物(トップコート剤等)は、特に制限されず、公知のトップコート剤を使用できる。
トップコートまたはアンダーコート層を形成する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されない。
<(A)アクリル重合体の合成>
下記第1表に示す各単量体成分を、第1表に示す質量比で混合し、重合開始剤(AIBN(アゾビスイソブチロニトリル))の存在下、メチルエチルケトン中で重合させて、第1表に示されるA−1〜A−6に係る(A)アクリル重合体(40%メチルエチルケトン溶液)を得た。
第1表において、HEMAは2−ヒドロキシエチルメタクリレートを、MAAはメタクリレートを、GMAはグリシジルメタクリレートをそれぞれ意味する。また、MMAはメチルメタクリレートを、BMAはn−ブチルメタクリレートをそれぞれ意味する。また、Tg(℃)は、(A)アクリル重合体のガラス転移温度(℃)を意味し、Mwは、(A)アクリル重合体の重量平均分子量を意味する。
A−1〜A−4に係る(A)アクリル重合体は、反応性官能基が水酸基の例であり、A−5に係る(A)アクリル重合体は、反応性官能基がカルボキシル基の例であり、A−6に係る(A)アクリル重合体は、反応性官能基がグリシジル基の例である。
Figure 2016079234
<組成物の調製>
第2表に示す各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、第2表に示される実施例1〜10および比較例1の各組成物を得た。
第2表において、(B)硬化剤および(C)顔料は以下のものである。
・(B)硬化剤1:タケネートD110N、三井化学ポリウレタン社製
・(B)硬化剤2:ケミタイトPZ−33、日本触媒社製
・(B)硬化剤3:1,6−ヘキサメチレンジアミンとメチルイソプロピルケトンとを1:2のモル比で反応して合成したケチミン化合物
・(C)顔料1:紫顔料:NSP−CZ704(D) Violet(日航ビックス社製)を酢酸ブチルと1:999の比率(質量比)で混合・希釈したもの。
・(C)顔料2:青顔料:NSP−CZ655(D) Blue(日航ビックス社製)を酢酸ブチルと1:999の比率(質量比)で混合・希釈したもの。
・溶剤:シクロヘキサノン
実施例1〜8および比較例1は、(A)アクリル重合体の反応性官能基が水酸基であり、(B)硬化剤としてポリイソシアネート(TMP−XDI)を使用する例である。
実施例9は、(A)アクリル重合体の反応性官能基がカルボキシル基であり、(B)硬化剤として1分子中に2以上のアジリジン基を有する化合物(PZ−33)を使用する例である。
実施例10は、(A)アクリル重合体の反応性官能基がグリシジル基であり、硬化剤(B)として1分子中に2個以上のイミノ基を有する化合物(ケチミン)化合物を使用する例である。
<評価方法>
実施例1〜10および比較例1に係る組成物について評価するため、評価用の試験片を作成した。後に詳細に説明するように、試験片は基材上にUVアンダーコート、ミドルコートおよびUVトップコートをこの順に有するものである。ここでミドルコートについて、実施例1〜10および比較例1に係る組成物を塗布して形成した。
UVアンダーコートおよびUVトップコートを形成するために用いる紫外線硬化樹脂組成物について説明する。
初めに、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(ミラマーM340、MIWON社)1000g、ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成社製)264gを80℃で12時間反応させてウレタンアクリレートを製造した。そして、滴定によって、残留イソシアネートパーセントを測定し、0.1質量%未満になった時点で反応を終了した。
理論値から、反応生成物中のウレタンアクリレートは58質量%であり、反応生成物中の未反応のアクリルオリゴマーは42質量%である。
このようにして得られた反応生成物と、光重合開始剤および溶剤とを第3表に示す質量比で混合して紫外線硬化樹脂組成物を得た。ここで光重合開始剤として、IRGACURE 184(BASF社製)を用い、溶剤として酢酸エチル、酢酸エチルおよびジイソブチルケトンの混合物を用いた。
評価用の試験片の作成方法について説明する。
初めに、基材として、透明なポリカーボネート板(厚さ:1.0mm)を用意した。
次に、上記方法で得た紫外線硬化樹脂組成物を、ハンドスプレーガンを用いて、基材表面上に塗布し、70℃の条件下で3分間熱風乾燥させた後、日本電池社製のGS UV SYSTEMを用いて、ピーク強度が80mW/cm2、積算光量が900mJ/cm2となるようにUV照射を行い、UV硬化させて、UVアンダーコートを形成した。
次に、UVアンダーコートの表面上に、実施例1〜10および比較例1に係る組成物のいずれかを塗布し、70℃で15分間乾燥してミドルコートを形成した。
次に、ミドルコートの表面上に、上記のUVアンダーコートを形成する場合と同一の方法および条件でUVトップコートを形成した。
なお、試験片におけるUVアンダーコート、ミドルコートおよびUVトップコートの厚さは、各々、10〜13μmとした。
このようにして評価用の試験片を作成した。そして、試験片を70℃の雰囲気内に1時間放置し、さらに室温雰囲気内に24時間放置した後、下記の各評価に供した。具体的には外観、色調および接着性について評価した。
各評価方法を以下に説明する。
(1)外観
各試験片を白い厚紙上におき、目視にて着色の有無を判断した。そして、着色しているものを「×」、着色していないもの(透明のもの)を「○」とした。
評価結果を第2表に示す。
(2)色調
分光測定計(CM−508d、コニカミノルタ社製)を用い、基板(ポリカーボネート)を基準として、色差(L×a×b)におけるΔb値を測定した。
評価結果を第2表に示す。
(3)密着性
密着性の評価は、碁盤目テープはく離試験によって行った。具体的には次の手順に従った。
試験片に、1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端を基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。
評価結果を第2表に示す。
Figure 2016079234
Figure 2016079234
<試験結果>
実施例1〜10に係る試験片の場合、いずれも外観および密着性において優れていた。また、色差(Δb値)は0.12以下であり良好な結果であった。
これに対して比較例1は黄変が発生し、外観が不良であった。また、色差(Δb値)は1.20と高くなった。

Claims (4)

  1. (A)(メタ)アクリレート系共重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料を含有し、
    前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体のガラス転移点が50〜70℃、かつ、重量平均分子量10000〜50000であり、
    前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体が、1分子中に水酸基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するアルキル(メタ)アクリレート(a1−1)、1分子中にフェニル基とビニル基とを有する化合物(a2)、およびアルキル(メタ)アクリレート(a3)を単量体成分として含み、
    前記硬化剤(B)が、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体、ジイソシアネートのイソシアヌレート体およびジイソシアネートのビウレット体からなる群から選択される1種以上の化合物であり、
    前記(C)顔料は紫顔料および/または青顔料であり、
    ポリカーボネート製基板の上に形成したUVアンダーコート層の上に塗装し、さらにその上にUVトップコートを塗装し、UV硬化させ、その後、JIS Z 8730で規定されている方法によって、ポリカーボネート製基板を基準として測定する色調色差(Δb値)が±1.0以内となる、硬化性樹脂組成物。
  2. (A)(メタ)アクリレート系共重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料を含有し、
    前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体のガラス転移点が50〜70℃、かつ、重量平均分子量10000〜50000であり、
    前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体が、1分子中にカルボキシル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するアルキル(メタ)アクリレート(a1−2)、1分子中にフェニル基とビニル基とを有する化合物(a2)、およびアルキル(メタ)アクリレート(a3)を単量体成分として含み、
    前記(B)硬化剤が、1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合物であり、
    前記(C)顔料は紫顔料および/または青顔料であり、
    ポリカーボネート製基板の上に形成したUVアンダーコート層の上に塗装し、さらにその上にUVトップコートを塗装し、UV硬化させ、その後、JIS Z 8730で規定されている方法によって、ポリカーボネート製基板を基準として測定する色調色差(Δb値)が±1.0以内となる、硬化性樹脂組成物。
  3. (A)(メタ)アクリレート系共重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料を含有し、
    前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体のガラス転移点が50〜70℃、かつ、重量平均分子量10000〜50000であり、
    前記(A)(メタ)アクリレート系共重合体が、1分子中にグリシジル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するアルキル(メタ)アクリレート(a1−3)、1分子中にフェニル基とビニル基とを有する化合物(a2)、およびアルキル(メタ)アクリレート(a3)を単量体成分として含み、
    前記硬化剤(B)が、1分子中に2個以上のイミノ基を有する化合物または1分子中に2個以上のケチミン基を有する化合物であり、
    前記(C)顔料は紫顔料および/または青顔料であり、
    ポリカーボネート製基板の上に形成したUVアンダーコート層の上に塗装し、さらにその上にUVトップコートを塗装し、UV硬化させ、その後、JIS Z 8730で規定されている方法によって、ポリカーボネート製基板を基準として測定する色調色差(Δb値)が±1.0以内となる、硬化性樹脂組成物。
  4. (A)アクリル重合体、(B)硬化剤、および(C)顔料の各々における不揮発分の合計量に対する(C)顔料の割合が1〜500ppmである、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
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