JP2016078436A - 熱線遮蔽積層体および該積層体を用いた窓ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱線反射性能と高い可視光透過率を有し、金属層が腐食せず耐久性の高い熱線遮蔽積層体およびそれを用いた板ガラスまたは合わせガラス、およびそれらをより簡便に得られる製造方法。
【解決手段】 透明基材の表面に、少なくとも、アルミニウムドープ酸化亜鉛と酸化チタンとの混合物により形成される金属保護層と金属あるいは合金により形成される金属層と、を少なくとも1回、この順に交互に積層してなり、かつ、最表面に前記金属保護層が位置するように積層してなる熱線遮蔽積層体および該積層体を貼付あるいは挟み込んでなる板ガラスまたは合わせガラス、およびその製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は熱線遮蔽積層体及び該積層体を用いた窓ガラスに関するものであって、具体的には外部からの熱線を遮蔽する機能を有する積層体及び該積層体を用いることにより熱線を遮蔽する性質を備えた板ガラス並びに合わせガラスに関する。
昨今、急激に地球温暖化に関する知識が広まり、関心が高まっている。中でも電力消費に関する事項、特に日本においては室温調節に関する電力消費について注目されている。
日本のような四季の明確な気候において、冬場はまだしも夏場の高温多湿に人体が対処するのは大変困難である。特に地上建築物や乗用車などの車両における密閉された室内では、直射日光を浴び続けることにより容易に高温となってしまうので、密閉された状態を保ちつつ快適な室内状況を生み出すためには、高出力、高性能の空調機器が必要となる。そのため電力消費量が増加し、ひいては排出二酸化炭素量の増大を招き、結果として地球温暖化を生み出しているのである。
このような状況に鑑み、空調機器の消費電力量を減少させるべく様々な努力がなされているのであるが、そのような機器を用いるだけでは十分な対策とするには至らなかった。
そこで、密閉された室内に侵入する直射日光、具体的には密閉された室内への赤外線侵入量そのものを減少させる、という考え方が提示されている。例えばガラス板に何らかの処理を施して赤外線遮蔽機能を付与し、これを窓ガラスに用いることで、室内が密閉されていたとしても窓から室内に侵入する赤外線を遮蔽することができる。それにより、室温の上昇を抑えることができるので、空調機器を高頻度・高出力で用いる必要がなくなり、消費電力量を抑えることが可能となるのである。
このような赤外線を遮蔽する機能をガラス板に付与するためには、ガラス板を加工するに際して特定の金属微粒子(又は金属フィラーとも呼ばれる。)をガラス板製造時に原料に混入させる必要があるが、原料に不純物を混入させることによりガラス板の製造自体が困難になる、といった問題が生じていた。
そこで、ガラス板の表面に赤外線を遮蔽する性質を有した機能性層を積層した積層体を用いることが提案されている。このような方法を用いれば、ガラス板は従来の通りに製造できる。また、積層体として透明なフィルムに該機能性層を予め積層させた機能性フィルムを用いれば、機能性フィルムをガラス板に後から貼着するだけで所望の機能を得られるため、窓の形状によらず自在に対応することも可能となり、ガラス板に直接加工を施すよりもコスト的損失が発生しにくく、簡便であるので、大変好ましい手法であると言える。
このような機能を有した積層体としては、例えば特許文献1に記載されたようなものがある。この積層体は銀合金層を金属酸化物層で挟み込む層構成を有している。このような構成を有することにより、銀合金層が直接空気中の酸素と触れず、銀合金層の腐食を防ぐことができる。
特開2008−036864号公報
しかし、この特許文献1に記載された積層体では、空気中の酸素との反応は防げるものの、銀および銀合金の標準電極電位が金属酸化物より低いため、金属酸化物層が隣接することにより電子移動反応が起こって銀合金層が腐食してしまう。その結果、外観が悪化して熱線遮蔽効果が劣化してしまうという問題があった。
本願発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は熱線反射性能と高い可視光透過率を有し、金属層が腐食せず耐久性の高い熱線遮蔽積層体およびそれを用いた板ガラスまたは合わせガラスを、より簡便に提供することである。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の熱線遮蔽積層体に関する発明は、透明基材の表面に、少なくとも、アルミニウムドープ酸化亜鉛と酸化チタンとの混合物により形成される金属保護層と金属あるいは合金により形成される金属層と、を少なくとも1回、この順に交互に積層してなり、かつ、最表面に前記金属保護層が位置するように積層してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積層体であって、前記金属層が銀または銀合金からなること、を特徴とする。
本願発明の請求項3に記載の発明は、本願発明の請求項1または請求項2に記載の積層体であって、前記金属保護層の膜厚が20nm以上50nm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項4に記載の発明は、本願発明の請求項1または請求項2に記載の積層体であって、前記金属保護層の膜厚が20nm以上90nm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の積層体であって、前記金属層の膜厚が4nm以上13nm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の積層体であって、前記熱線遮蔽積層体の表面にハードコート層を有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の積層体であって、前記透明基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルまたはナイロンのうち、何れか1種または複数からなる透明フィルムであり、前記透明フィルムの厚みが、12μm以上200μm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の積層体であって、JIS_A_5759に準拠して測定した前記遮熱積層体の可視光透過率が70%以上であり、且つJIS_A_5759に準拠して測定した前記遮熱積層体の遮蔽係数が0.7以下であり、5%NaCl溶液に1000時間以上浸漬しても外観が変化しないこと、を特徴とする。
本願発明の請求項9に記載の発明は、請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体を板ガラスの表面に貼着してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項10に記載の発明は、請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体を板ガラスで挟み込んでなること、を特徴とする。
本願発明の請求項11に記載の発明は、透明基材の表面に、少なくとも アルミニウムドープ酸化亜鉛と酸化チタンとの混合物よりなる金属保護層を積層してなる金属保護層積層工程と、金属あるいは合金よりなる金属層を積層してなる金属層積層工程と、を少なくとも1回、この順に交互に行い、かつ、最表面の形成を前記金属保護層積層工程によって行うこと、を特徴とする、熱線遮蔽積層体の製造方法に関する。
本願発明の請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法に関するものであって、前記金属層が銀または銀合金であること、を特徴とする。
本願発明の請求項13に記載の発明は、請求項11または請求項12に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法に関するものであって、前記金属保護層の膜厚が20nm以上50nm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項14に記載の発明は、請求項11または請求項12に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法に関するものであって、前記金属保護層の膜厚が20nm以上90nm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項15に記載の発明は、請求項11ないし請求項14の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法に関するものであって、前記金属層の膜厚が4nm以上13nm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項16に記載の発明は、請求項11ないし請求項15の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法に関するものであって、前記透明基材の前記金属層を積層する面と反対面側にハードコート層を積層してなる、ハードコート層積層工程を有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項17に記載の発明は、請求項11ないし請求項16の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法に関するものであって、前記透明基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルまたはナイロンのうち、何れか1種または複数からなる透明フィルムであり、前記透明フィルムの厚みが、12μm以上200μm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項18に記載の発明は、請求項11ないし請求項17の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法によって得られた積層体を板ガラスの表面に貼着してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項19に記載の発明は、請求項11ないし請求項17の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法によって得られた積層体を板ガラスで挟み込んでなること、を特徴とする。
本願発明に係る熱線遮蔽積層体であれば、透過率や熱線遮蔽性能を維持したまま、耐腐食性を有する耐久性の高い積層体とすることができる。これは本願発明に係る熱線遮蔽積層体において、金属層の表面にアルミニウムをドープした酸化亜鉛と酸化チタンとを混合したもの(以下「ZATO」と記す)による金属保護層を設けたことによる。
従来の熱線遮蔽積層体であれば、金属層に金属酸化物層が隣接するため、金属酸化物層により金属層が腐食し、外観が悪化したり金属層の熱線遮蔽性能が劣化したりするという問題があった。しかし本願発明に係る熱線遮蔽積層体は、金属層の表面に設ける金属保護層としてZATOを用いることによって、金属層を腐食しないばかりか、熱線遮蔽性能も透過率も従来のものと遜色ないものを得ることができる。しかもZATOはスパッタリングレートも高いため、効率よく製造することができる。即ち、本願発明に係る熱線遮蔽積層体およびその製造方法であれば、光学特性や熱線遮蔽効果を損なうことなく、耐久性に優れた熱線遮蔽積層体を簡便に製造することができ、それを用いた熱線遮蔽ガラスおよび合わせガラスは、長期にわたって性能を維持できるため、例えば窓ガラスなどに用いれば高い遮熱効果を得ることができる。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本願発明に係る熱線遮蔽積層体に関して、第1の実施の形態として説明する。
本実施の形態に係る熱線遮蔽積層体は、透明基材の表面に、少なくとも金属保護層と、金属層とを少なくとも1回、この順に積層し、且つ最表面に金属保護層を積層してなり、前記金属保護層がZATOよりなるものである、という構成を有している。
以下、順に説明していく。
まず、本実施の形態に係る積層体を構成する材料について説明する。
本実施の形態にかかる透明基体は、従来熱線遮蔽積層体において周知に用いられる透明基体を用いればよく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ナイロン、あるいはこれらの複合物等の透明フィルムおよびプラスチック板や、ガラス板などが考えられる。この内、透明フィルムであればロール搬送による連続加工が可能となるため好ましい。また、本実施の形態にかかる透明基体は、ロール搬送や積層体との層間密着率を向上させるために、表面に易接着層などの機能層を設けたものや、コロナ処理などの表面処理がなされたものを用いてもよい。本実施の形態ではPETフィルムを用いることとする。
尚、ここで用いる透明基体の厚みは、従来透明基体として広く用いられている厚みであればよい。このとき、透明基体として透明フィルムを用いた場合、12μm以上200μm以下であることが好ましい。12μm未満ではハンドリングが悪く作業効率が落ち、200μmより厚くなると応力が強くなりロールtoロールなどによる作業が困難となるため加工条件が限られてしまう。本実施の形態においては50μmとする。
透明基材の表面に金属保護層が積層される。この金属保護層につき説明する。
本実施の形態において金属保護層はZATOを用いる。従来の熱線遮蔽積層体はその透過率を向上させるために、後述する金属層の表面にスズをドープした酸化インジウム(ITO)などの透明金属酸化物を積層していたが、このような金属酸化物は金属層と隣接することによって金属層を腐食させ、結果熱線遮蔽性能が劣化し、外観も悪化するという問題を抱えていた。
ここで腐食について以下詳細に説明する。
腐食には電子移動反応が大きく関わっている。従来の熱線遮蔽積層体は空気中の酸素や水分などにより腐食されやすい金属層、例えば銀などを保護するために、金属層の表面に透明な金属酸化物層を形成することによって金属層が酸素や水分と接触しないようにしていた。しかし、金属は固有の標準電極電位を有するため、異種金属が接触するとその金属間で電位差が生じ電子移動反応が起こる。それにより標準電極電位が低い金属はその金属単体の場合よりも腐食が促進される、いわゆるガルバニック腐食が起こる。
このような電子移動による腐食を抑制するには、金属層よりも標準電極電位が低い金属で且つ不動態被膜などを形成してそれ自体は腐食されにくいものを金属保護層として用いるか、あるいはそもそも電子移動が起こらないよう絶縁体を保護層として用いることなどが考えられる。
しかし、例えば銀よりも標準電極電位が低く不動態被膜を形成するチタンでは、前述した理由により金属層の腐食は起こらないが、保護膜として機能する厚さを形成すると透過率が低下するため、透明性を求められる用途、例えば窓貼り用のウィンドウフィルムなどには用いることができない。
絶縁体としてウェットコートによって透明樹脂を形成し金属保護層とすると、電子移動反応が起こらないためガルバニック腐食は起こらないが、このような構成で高透過率を得るためには屈折率の調整のため多数の層を形成する必要があり、工程数と時間がかかりコストメリットが少ない。また、スパッタリング法によって酸化チタンや酸化インジウムなどを形成し金属保護層として用いれば、得られる膜が絶縁体であるため異種金属間によるガルバニック腐食は起こらないが、このような金属酸化物は成膜レートが低く、また高透過率の膜を得るためには細かく成膜条件を調整する必要があり、容易に形成することが困難である。
以上のような問題により、従来の熱線遮蔽性能と高透過率を維持しながら優れた耐久性を有する、より簡便に製造可能な金属保護層が求められていた。そこで本願発明者らが鋭意検討を行った結果、金属保護層としてZATOを用いることにより、金属層を腐食させることなく、簡便に高透過で熱線遮蔽効果の高い積層体を形成できることを見出したのである。
本実施の形態にかかる金属保護層において用いられるZATOは、アルミニウムをドープしているため導電性があり、スパッタリングレートが従来用いられている酸化チタンなどと比べて高く、また成膜条件も従来に比べて簡便であるため生産効率が良い。それでいて成膜後の膜は絶縁体であるため、金属層と接しても腐食することがない。また、このような金属保護層であれば、ウェットコートによる透明樹脂層のように、透過率の調整のために複数層設ける必要がなく、非常に簡便に高透過で耐久性の高い金属保護層を得ることができる。
ここで金属保護層の厚みは、20nm以上90nm以下であればよく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。20nm未満であると可視光線領域における光線透過率が低下してしまい、90nmを超えると赤外線領域の反射率が低下し、熱線遮蔽効果が低下する。本実施の形態においては25nm積層するものとする。
積層された金属保護層の表面には金属層が積層される。次にこの金属層につき説明する。
金属層として用いる物質は熱線遮蔽性能を有する金属であれば限定しないが、銀および銀合金が好ましい。金属層にこのような金属あるいは合金を用いることによって、可視光透過率を維持しつつ、高い赤外線反射率、すなわち優れた熱線遮蔽効果を得ることができる。銀合金としては、パラジウム、銅、金、チタン、またはビスマスの群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有する銀合金を用いることが好ましい。このような銀合金を用いることにより、反応性の高い銀単体で用いた場合と比べ耐腐食性が向上する。このとき、銀単体で利用した場合と比べ、可視光透過率において好ましい値を確保しつつ、耐腐食性も維持できるレベルを保つために、含有元素の銀合金全体に対する含有量は0.001重量%以上10重量%以下であることが好ましい。0.001重量%以下であると含有元素を含有させることにより得られるはずの効果が得られなくなり、また10重量%以上とすると、今度は銀単体による層の場合と比して可視光透過率を同レベルに維持することが出来なくなるからである。本実施の形態においては銀にビスマスを1.0重量%含有させたAg−1.0wt%Biを用いることとする。
金属層の厚みは4nm以上13nm以下であることが好ましい。より好ましくは8nm以上11nm以下である。4nmより薄い膜厚では熱線遮蔽効果が得られず、また13nmを超えるとフィルムの可視光透過率が減少するため、例えば窓ガラスなどの透過率が必要な用途には適さない。本実施の形態においては10.5nmとする。
前記金属保護層と前記金属層はこの順に複数回交互に積層してもよい。複数積層することにより、熱線遮蔽効果が向上する。但し、本実施の形態にかかる熱線遮蔽積層体の最表面は後述するように金属保護層となるようにしなければならない。すなわち本実施の形態にかかる熱線遮蔽積層体は、少なくとも透明基体/(金属保護層/金属層)/金属保護層の構成を有し、nは1以上の整数である。このような構成を有することにより、金属層を空気中の酸素や水分から保護し、かつ高透過率を維持することができる。また、このnは1以上4以下であることが好ましい。n=1とすれば必要最小限の厚みに収めることが可能だからであり、nが4を超えると可視光透過率が必然的に低下すると同時に、全体の厚みを所望の薄さにすることが困難となるからである。
金属層の表面には前述の通り更に金属保護層が形成される。このように金属層を金属保護層で挟むことにより、金属層が酸素や水分と接触して腐食されることを防ぐことができ、また、光学干渉により得られる効果により、積層体全体の可視光透過率と熱線反射率が効率的なものにすることができる。この最表層の金属保護層に関しては先に述べた金属保護層と同様であるので説明を省略する。
以上述べたように、本実施の形態に係る積層体の構成を、透明基材/(金属保護層/金属層)/金属保護層、としたことで、金属層により熱線遮蔽効果が得られると同時に、ZATOによる金属保護層を設ける事で耐久性と高透過率が得られ、簡便に長期にわたって熱線遮蔽効果を有する積層体を得られるのである。
そして、本実施の形態による積層体の何れか若しくは両方の最表面の表面に、ハードコート機能を有したハードコート層を積層することにより、さらに耐擦傷性を備えた積層体とすることも可能である。例えば透明基材の金属層等を積層する面とは反対面側にハードコート層を設けることで、積層面を窓ガラスに貼り合わせて熱線遮蔽ガラスとした際に、窓ふきや日常の取り扱いなどによって最表面に擦過傷などが入り外観が悪化することを防ぐことができる。そのためにはハードコート性物質として従来公知のもの、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、さらにはそれらの共重合体等の公知な素材をコーティング法等の従来公知な手法により積層すればよい。また、従来既知のハードコートフィルムをハードコート面が外側となるようにして従来公知の方法で貼り合わせても良い。このようなハードコート層を設けることにより、熱線遮蔽性能や耐久性だけでなく、耐擦傷性も得ることができる。
ここでハードコート層の厚みは、0.8μm以上10μm以下であることが好ましい。0.8μm未満であると耐擦傷効果を充分に得られず、また10μm以上であると本実施の形態に係る積層体全体の厚みが増してしまい必ずしも好適なものと出来ないからである。
以上のようにして得られた熱線遮蔽積層体を2枚の板ガラスに挟み込んで合わせガラスとすれば、この合わせガラスには熱線遮蔽積層体が備える性質を具えた合わせガラスとすることができる。また、得られた積層体を表面に貼着した板ガラスとすれば、その板ガラスはこの積層体が備える性質を具えたものとすることができる。このとき、貼着する面は問わないが、板ガラスと金属層等の積層面を貼り合わせて透明基材が最表面となるようにすることが好ましい。このような構成を取ることにより、透明基材上に積層された積層体が使用時の取り扱いなどによって剥離し、熱線遮蔽性や耐腐食性などの性能が劣化することを防ぐことができる。これらの合わせガラスおよび板ガラスであれば熱線反射機能を有するので、例えば、これらのガラスを窓ガラスに用いた空間では、何の機能も有さない普通のガラスを用いた場合に比べ、室内に熱線が侵入する割合を低下させることができるので、熱線侵入による室温上昇をある程度和らげることが可能となり、ひいては空調機器の利用頻度等を低下させることが出来るので、その結果消費電力量を抑えることができる、という効果が期待できるのである。
次に、以上に述べた材料を用いた熱線遮蔽積層体の製造方法について簡単に説明する。
本実施の形態に係る熱線遮蔽積層体の製造方法は、透明基材の表面に、少なくともZATOを積層する金属保護層積層工程と、その表面に金属層を成膜する金属層積層工程と、その表面にさらに前記金属保護層積層工程と、をこの順に実行してなる熱線遮蔽積層体の製造方法である。
金属保護層積層工程としては、従来ドライコーティング法として知られる手法、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、等であれば特段制限しないが、ここではDCマグネトロンスパッタリング法を用いることとする。成膜条件は適宜設定されるが、例えばアルミニウムを2%ドープした酸化亜鉛に10%の酸化チタンをドープしたZATOからなるターゲット材料を用いたDCマグネトロンスパッタリング法により金属保護層を形成するとき、チャンバー内を1×10−4Pa以下程度まで真空に引き、アルゴンガス等の不活性ガスと0.5%の酸素ガスを導入して0.2Pa以上0.5Pa以下としてスパッタリングを行う。基板温度については、成膜により基材が損傷しない温度であればよい。本実施の形態においては10℃とする。
金属層積層工程としては、従来ドライコーティング法として知られる手法、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、等であれば特段制限しないが、ここではDCマグネトロンスパッタリング法を用いることとする。成膜条件は成膜方法やターゲットの種類等に応じて適宜設定される。例えばAg−1.0wt%Biからなるターゲット材料を用いたDCマグネトロンスパッタリング法によりAg−1.0wt%Biの金属層を形成する場合の成膜条件としては、次の条件が考えられる。すなわち、チャンバー内を1×10−4Pa以下程度まで真空に引き、アルゴンガス等の不活性ガスを導入して0.2Pa以上0.5Pa以下としてスパッタリングを行う。基板温度については、成膜により基材が損傷しない温度であればよい。本実施の形態においては10℃とする。
金属保護層と金属層を複数交互に積層する場合、上述した金属保護層積層工程と金属層積層工程を交互に行えば良い。
最表層の金属層の更に表層に金属保護層を形成するために、前記金属保護層積層工程を実行するが、これは上述した金属保護層積層工程と同等であるのでその説明は省略する。
本実施の形態にかかる熱線遮蔽積層体は、本実施の形態に係る積層体の何れか若しくは両方の最表面の表面にハードコート層を設ける、ハードコート層積層工程を設けても良い。ハードコート層積層工程としては、従来公知のウェットコーティング法を用いればよい。ウェットコーティング法により積層されたハードコート層は、その種類によっては溶剤を揮発させるために一定の温度をかけた後、活性エネルギー線、すなわち紫外線を照射することにより硬化を行っても良い。本実施の形態においては、透明基材の金属層積層工程等を行う面とは反対面側に対し、バーコーター法によってハードコート積層工程を行うこととする。
また、上記のハードコート積層工程は、既存のハードコートフィルムをハードコート層が最表面となるようにして本実施の形態にかかる熱線遮蔽積層体と貼り合わせても良い。その貼り合わせ方法としては、従来公知の手段を用いれば良い。
尚、本実施の形態に係る熱線遮蔽積層体に粘着層を形成することで、熱線遮蔽性能を容易に付与できる粘着積層体を得ることができる。粘着層積層工程としては、本実施の形態に係る熱線遮蔽積層体において、貼付対象と貼り合わせる側に、従来公知のウェットコーティング法を用いて粘着層を形成する。具体的には、グラビア法、リバース法、ダイコーター法、等である。また、このとき、粘着層に対し粘着層形成後にセパレートフィルムを貼り合わせることにより、粘着層に異物が付着することを防ぐことができる。セパレートフィルムは従来公知の樹脂フィルムを用いればよく、ハンドリング性や加工適性、コスト等を鑑みて適宜選択すればよい。
以上、本実施の形態で述べた熱線遮蔽積層体は、JIS_A_5759に準拠して可視光透過率と遮蔽係数を測定すると、可視光透過率が70%以上、遮蔽係数が0.7以下となる。そして、5%NaCl溶液に1000時間以上浸漬しても外観が変化しない。これは金属保護層と金属層との間でガルバニック腐食が起こらないことを示す。即ち、本実施の形態にかかる熱線遮蔽積層体であれば、熱線遮蔽性能も透過率も従来のものと遜色ないものでありながら、従来問題となっていた金属層の腐食を抑制することができる。また、本実施の形態にかかる熱線遮蔽積層体の製造方法であれば、光学特性や熱線遮蔽効果を損なうことなく、耐久性に優れた熱線遮蔽積層体を簡便に製造することができる。さらに、該積層体や該製造方法を用いた熱線遮蔽ガラスおよび合わせガラスは、長期にわたって性能を維持できるため、例えば窓ガラスなどに用いれば高い遮熱効果を得ることができる。
本願発明にかかる熱線遮蔽積層体に関し、さらに実施例を交えて以下説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さが50μmのPETフィルム上に、アルミニウムを2%ドープした酸化亜鉛に10%の酸化チタンをドープしたZATOターゲットを用いて、1×10−4Paまで真空に引いたチャンバーにアルゴンガスを導入して真空度0.2Paとし、基板温度10℃の条件でDCマグネトロンスパッタリング法により金属保護層1を25nm成膜した。次に成膜した金属保護層の表面に、Ag−1.0wt%Biからなるターゲット材料を用いて、1×10−4Paまで真空に引いたチャンバーにアルゴンガスを導入して真空度0.2Paとし、基板温度10℃の条件でDCマグネトロンスパッタリング法により金属層を6.5nm成膜した。その表面にさらに金属保護層1と同条件で金属保護層2を25nm成膜し、目的とする熱線遮蔽積層体を得た。
(実施例2)
金属層の膜厚を8nmとした以外は実施例1と同様にして、目的とする熱線遮蔽積層体を得た。
(実施例3)
金属層の膜厚を11nmとした以外は実施例1と同様にして、目的とする熱線遮蔽積層体を得た。
(実施例4)
金属保護層1および金属保護層2の膜厚を40nmとした以外は実施例1と同様にして、目的とする熱線遮蔽積層体を得た。
(実施例5)
金属層の膜厚を8nmとした以外は実施例4と同様にして、目的とする熱線遮蔽積層体を得た。
(実施例6)
金属層の膜厚を11nmとした以外は実施例4と同様にして、目的とする熱線遮蔽積層体を得た。
(実施例7)
金属保護層1および金属保護層2の膜厚を90nmとした以外は実施例1と同様にして、目的とする熱線遮蔽積層体を得た。
(実施例8)
金属層の膜厚を8nmとした以外は実施例7と同様にして、目的とする熱線遮蔽積層体を得た。
(比較例1)
厚さが50μmのPETフィルム上に、酸化インジウムにスズを10重量%ドープしたITOターゲットを用いて、1×10−4Paまで真空に引いたチャンバーにアルゴンガスを導入して真空度0.2Paとし、基板温度10℃の条件でDCマグネトロンスパッタリング法により金属保護層1を28nm成膜した。次に成膜した金属保護層1の表面に、Ag−1.0wt%Biからなるターゲット材料を用いて、1×10−4Paまで真空に引いたチャンバーにアルゴンガスを導入して真空度0.2Paとし、基板温度10℃の条件でDCマグネトロンスパッタリング法により金属層を10nm成膜した。その表面にさらに金属保護層1と同条件で金属保護層2を28nm成膜し、目的とする熱線遮蔽積層体を得た。
各実施例及び比較例につき、得られた積層体の可視光透過率は、550nmにおける透過率(%)をUV−VIS紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製:「SolidSpec3700DUV」)で測定し、下記の(式1)で透明導電層の透過率を求めた。各透過率の単位は%である。遮蔽係数は、可視光の透過率と反射率、日射光の透過率、反射率、吸収率、および紫外線透過率をJIS_A_5759(2008)により測定し、それらの値から算出した。金属層および金属保護層の膜厚は、蛍光X線の定量分析を行い膜厚と蛍光X線強度との検量線から算出した。耐久性については、各積層体を30mm×50mmにカットしたサンプルを、5%NaCl溶液に1000時間浸漬した後、浸漬前と同様に可視光透過率と遮蔽係数を測定した。外観評価は目視で行い、腐食の発生したものを×、発生しないものを○とした。
以上の結果を表1に示す。
(表1)
Figure 2016078436
以上の結果より、本願発明にかかる熱線遮蔽積層体が従来と比較して耐久性が強く、NaCl溶液に1000時間以上浸漬しても外観を良好に保つことができることが分かる。
以下、詳細に比較する。
可視光透過率と遮蔽係数について、実施例、比較例共に大差がない。
しかし、耐久性試験後の外観を比較すると、実施例1ないし実施例9においては変わらず良好であるのに対して、比較例1及び比較例2については外観が白化するなどの外観不良が起こっている。これは金属保護層と金属層が隣接することによりガルバニック腐食が起こることで金属層が腐食し、表面に微細な凹凸が生じて乱反射が起こることにより外観が白化したものと考えられる。実施例1ないし実施例9においては、金属保護層にZATOを用いることにより金属層と隣接しても電位差が生じずガルバニック腐食が進行しないため、外観を保持できるものと考えられる。
以上説明した熱線遮蔽積層体およびその製造方法であれば、高透過率と熱線遮蔽性能を維持したまま耐久性を実現した熱線遮蔽積層体とすることができ、且つ簡便に製造することが可能であるため、低コストで高性能な赤外線反射性能を有する熱線遮蔽積層体とすることができる。このような熱線遮蔽積層体や該積層体を用いた板ガラスおよび合わせガラスは、ウィンドウフィルムや建材の遮熱材として用いることができる。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の熱線遮蔽積層体に関する発明は、透明基材の表面に、少なくとも、アルミニウムドープ酸化亜鉛と酸化チタンとの混合物により形成される絶縁性の金属保護層と金属あるいは合金により形成される金属層と、を少なくとも1回、この順に交互に積層してなり、かつ、最表面に前記金属保護層が位置するように積層してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の積層体であって、JIS_A_5759に準拠して測定した前記遮熱積層体の可視光透過率が70%以上であり、且つJIS_A_5759に準拠して測定した前記遮熱積層体の遮蔽係数が0.7以下であり、5%NaCl溶液に1000時間以上浸漬しても腐食したような外観が目視で確認されないこと、を特徴とする。
本願発明の請求項11に記載の発明は、透明基材の表面に、少なくとも アルミニウムドープ酸化亜鉛と酸化チタンとの混合物よりなる金属保護層を積層してなる絶縁性の金属保護層積層工程と、金属あるいは合金よりなる金属層を積層してなる金属層積層工程と、を少なくとも1回、この順に交互に行い、かつ、最表面の形成を前記金属保護層積層工程によって行うこと、を特徴とする、熱線遮蔽積層体の製造方法に関する。
以上、本実施の形態で述べた熱線遮蔽積層体は、JIS_A_5759に準拠して可視光透過率と遮蔽係数を測定すると、可視光透過率が70%以上、遮蔽係数が0.7以下となる。そして、5%NaCl溶液に1000時間以上浸漬しても目視で見たときに外観が腐食したような変化をしない。これは金属保護層と金属層との間でガルバニック腐食が起こらないことを示す。即ち、本実施の形態にかかる熱線遮蔽積層体であれば、熱線遮蔽性能も透過率も従来のものと遜色ないものでありながら、従来問題となっていた金属層の腐食を抑制することができる。また、本実施の形態にかかる熱線遮蔽積層体の製造方法であれば、光学特性や熱線遮蔽効果を損なうことなく、耐久性に優れた熱線遮蔽積層体を簡便に製造することができる。さらに、該積層体や該製造方法を用いた熱線遮蔽ガラスおよび合わせガラスは、長期にわたって性能を維持できるため、例えば窓ガラスなどに用いれば高い遮熱効果を得ることができる。
各実施例及び比較例につき、得られた積層体の可視光透過率は、550nmにおける透過率(%)をUV−VIS紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製:「SolidSpec3700DUV」)で測定した。各透過率の単位は%である。遮蔽係数は、可視光の透過率と反射率、日射光の透過率、反射率、吸収率、および紫外線透過率をJIS_A_5759(2008)により測定し、それらの値から算出した。金属層および金属保護層の膜厚は、蛍光X線の定量分析を行い膜厚と蛍光X線強度との検量線から算出した。耐久性については、各積層体を30mm×50mmにカットしたサンプルを、5%NaCl溶液に1000時間浸漬した後、浸漬前と同様に可視光透過率と遮蔽係数を測定した。外観評価は目視で行い、腐食の発生したものを×、発生しないものを○とした。
以上の結果を表1に示す。
以下、詳細に比較する。
可視光透過率と遮蔽係数について、実施例、比較例共に大差がない。
しかし、耐久性試験後の外観を比較すると、実施例1ないし実施例においては変わらず良好であるのに対して、比較例1については外観が白化するなどの外観不良が起こっている。これは金属保護層と金属層が隣接することによりガルバニック腐食が起こることで金属層が腐食し、表面に微細な凹凸が生じて乱反射が起こることにより外観が白化したものと考えられる。実施例1ないし実施例においては、金属保護層にZATOを用いることにより金属層と隣接しても電位差が生じずガルバニック腐食が進行しないため、外観を保持できるものと考えられる。

Claims (19)

  1. 透明基材の表面に、少なくとも
    アルミニウムドープ酸化亜鉛と酸化チタンとの混合物により形成される金属保護層と
    金属あるいは合金により形成される金属層と、
    を少なくとも1回、この順に交互に積層してなり、
    かつ、最表面に前記金属保護層が位置するように積層してなること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体。
  2. 請求項1に記載の熱線遮蔽積層体において、
    前記金属層が銀または銀合金からなること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱線遮蔽積層体において、
    前記金属保護層の膜厚が20nm以上50nm以下であること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体。
  4. 請求項1ないし請求項2の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体において、
    前記金属保護層の膜厚が20nm以上90nm以下であること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体において、
    前記金属層の膜厚が4nm以上13nm以下であること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体において、
    前記熱線遮蔽積層体の表面にハードコート層を有してなること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体において、
    前記透明基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルまたはナイロンのうち、何れか1種または複数からなる透明フィルムであり、
    前記透明フィルムの厚みが、12μm以上200μm以下であること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体において、
    JIS A 5759に準拠して測定した前記遮熱積層体の可視光透過率が70%以上であり、
    且つJIS A 5759に準拠して測定した前記遮熱積層体の遮蔽係数が0.7以下であり、
    5%NaCl溶液に1000時間以上浸漬しても外観が変化しないこと、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体を板ガラスの表面に貼着してなること、
    を特徴とする熱線遮蔽ガラス。
  10. 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体を板ガラスで挟み込んでなること、
    を特徴とする、熱線遮蔽合わせガラス。
  11. 透明基材の表面に、少なくとも
    アルミニウムドープ酸化亜鉛と酸化チタンとの混合物よりなる金属保護層を積層してなる金属保護層積層工程と、
    金属あるいは合金よりなる金属層を積層してなる金属層積層工程と、
    を少なくとも1回、この順に交互に行い、
    かつ、最表面の形成を前記金属保護層積層工程によって行うこと、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体の製造方法。
  12. 請求項11に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法において、
    前記金属層が銀または銀合金であること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体の製造方法。
  13. 請求項11または請求項12に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法において、
    前記金属保護層の膜厚が20nm以上50nm以下であること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体の製造方法。
  14. 請求項11または請求項12に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法において、
    前記金属保護層の膜厚が20nm以上90nm以下であること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体の製造方法。
  15. 請求項11ないし請求項14の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法において、
    前記金属層の膜厚が4nm以上13nm以下であること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体の製造方法。
  16. 請求項11ないし請求項15の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法において、
    前記透明基材の前記金属層を積層する面と反対面側にハードコート層を積層してなる、ハードコート層積層工程を有してなること、
    を特徴とする、遮熱積層体の製造方法。
  17. 請求項11ないし請求項16の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法において、
    前記透明基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルまたはナイロンのうち、何れか1種または複数からなる透明フィルムであり、
    前記透明フィルムの厚みが、12μm以上200μm以下であること、
    を特徴とする、熱線遮蔽積層体の製造方法。
  18. 請求項11ないし請求項17の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法において得られた積層体を板ガラスの表面に貼着してなること、
    を特徴とする熱線遮蔽ガラスの製造方法。
  19. 請求項11ないし請求項17の何れか1項に記載の熱線遮蔽積層体の製造方法において得られた積層体を板ガラスで挟み込んでなること、
    を特徴とする、熱線遮蔽合わせガラスの製造方法。
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