JP2016075111A - 外壁パネル及びシール材の充填方法 - Google Patents

外壁パネル及びシール材の充填方法 Download PDF

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則明 島根
Noriaki Shimane
則明 島根
純平 坂田
Jumpei Sakata
純平 坂田
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Abstract

【課題】シール材の仕上がり面を外壁パネル表面よりも奥まらせた位置とする際に好適な外壁パネル及びシール材の充填方法を提供する。【解決手段】隣り合う外壁パネル11の間に、湿式シール材51が充填される目地部3が形成されてなる外壁パネル11であって、外壁パネル11の端面における表面側の隅角12から所定寸法奥まった位置まで貼着され、湿式シール材非接触領域41を覆う第一のテープ81と、第一のテープ81における奥側の側端縁81aよりも更に奥側の位置に貼着され、湿式シール材接触領域42を覆う第二のテープ82と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、外壁パネル及びシール材の充填方法に関する。
住宅建物等の建築形態の一つとして、建物の外壁を面一状に並設した複数の外壁パネルにより構成する場合がある。このような外壁構造では、隣接する外壁パネル間に形成される隙間、すなわち目地には、防水性等を確保するためにシーリング材を装填するのが通常である。
上記目地にシーリング材を装填する際には、養生シート(保護テープ)を使用することが従来から知られている。例えば下記特許文献1では、外壁パネル(建材パネル)に貼着された養生シートを使用して目地にシーリング材を装填している。より詳細には、当該養生シートは、外壁パネル表面に貼着される表面シートと、外壁パネル端面に貼着される端面シートとからなり、当該端面シートは、端面シートと表面シートとの境界線に設けられた目印境界線の位置で切り離すことができるように構成されている。このような養生シートが貼着された状態で、施工現場に運送され、施工直前に端面シートのみを目印境界線に沿って剥離して目地にシーリング材が装填されるようになっている。
特開2001−323631号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたシーリング材の装填方法にあっては、シーリング材を外壁パネルの表面まで充填している。複数の外壁パネルから構成される外壁構造によっては、シーリング材の仕上がり面を外壁パネルの表面から奥まった位置とする場合があるが、このような奥まった位置にシーリング材を充填することについては、上記特許文献1に記載されていない。また上記特許文献1には、外壁パネルの表面に貼着された表面シートについて記載されているものの、当該表面シートは外壁パネル表面の汚れを防止する機能を有しているだけであり、シーリング材を充填する際の目安としての機能は有していなかった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、シール材の仕上がり面を外壁パネル表面よりも奥まらせた位置とする際に好適な外壁パネル及びシール材の充填方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る外壁パネルは、隣り合う外壁パネル本体の間に、湿式シール材が充填される目地部が形成されてなる外壁パネルであって、前記外壁パネル本体の端面における表面側の隅角から所定寸法奥まった位置まで貼着され、湿式シール材非接触領域を覆う第一のテープと、前記第一のテープにおける奥側の側端縁よりも更に奥側の位置に貼着され、湿式シール材接触領域を覆う第二のテープと、を備えることを特徴とする。
本発明の外壁パネルでは、第一のテープが湿式シール材非接触領域を覆っているため、湿式シール材が湿式シール材非接触領域にはみ出すことを抑制することができ、外壁パネルを美しく仕上げることができる。また、第二のテープが湿式シール材接触領域を覆っているため、湿式シール材接触領域への汚染防止が図られ、湿式シール材による接着(止水)を確実に行うことができる。また、第一のテープが湿式シール材充填の目安になり作業性を向上させることができる。また、外壁パネル表面から所定寸法奥まった位置に貼着される第一のテープの奥側の側端縁よりも更に奥側の位置に湿式シール材が充填されるので、湿式シール材の仕上げ面を外壁パネル表面よりも奥まらせた位置とすることができる。
また本発明に係る外壁パネルでは、前記第一のテープと前記第二のテープとは予め分離されていることも好ましい。
この好ましい態様では、第一のテープと第二のテープとが予め分離されているので、第一のテープの側端縁の直線性が保たれ(ガタやヨレにならない)、湿式シール材充填前の段階での第一のテープの剥がれを生じにくくすることができる。
また本発明に係る外壁パネルでは、前記第二のテープは、前記第一のテープに重なるように貼着されていることも好ましい。
この好ましい態様では、第二のテープが第一のテープに重なるように貼着されているので、第一のテープの剥がれを抑制することができ、第一のテープの剥がれによる塵埃等の侵入を抑制することができる。
また本発明に係る外壁パネルでは、前記外壁パネル本体の端面には、出隅部又は入隅部が形成され、前記第一のテープにおける奥側の側端縁は、前記出隅部又は前記入隅部に一致するように貼着されていることも好ましい。
この好ましい態様では、出隅部又は入隅部が第一のテープを貼着する際に、位置決めの目安になり、第一のテープの貼着作業を効率良く行うことができる。
また本発明に係る外壁パネルでは、前記湿式シール材非接触領域にはプライマーが塗布され、前記プライマー上に前記第二のテープが貼着されていることも好ましい。
この好ましい態様では、湿式シール材接触領域にプライマーが塗布され、当該プライマー上に第二のテープが貼着されているので、ALCの粉等の塵埃が付着しやすいプライマーが汚染されることを抑制することができる。
また本発明に係る外壁パネルでは、前記プライマーは、前記第一のテープの貼着後に塗布されることも好ましい。
この好ましい態様では、第一のテープの貼着後にプライマーが塗布されるので、第一のテープが貼着されている領域にプライマーがはみ出すことを抑制することができ、外壁パネルを美しく仕上げることができる。
また本発明の外壁パネルでは、前記目地部は、断面視コ字状の凹部を形成する側面部と底面部とを有し、前記第二のテープは、前記側面部から前記底面部にかけて貼着されていることも好ましい。
この好ましい態様では、第二のテープは、目地部の側面部から底面部にかけて貼着されているので、底面部及び側面部とで形成される入隅部(谷部)に、例えばカッターナイフ等を用いて第二のテープを切断することにより、第二のテープにおける底面部側を残存させることができる。このため、湿式シール材が底面部及び側面部に接着(三面接着)することを防止することができる。
また本発明に係る外壁パネルでは、前記第一のテープ及び前記第二のテープは、透視性を有する素材により一体成形されており、前記湿式シール材非接触領域と前記湿式シール材接触領域との境界線上には分離機構を備えることも好ましい。
この好ましい態様では、第一のテープと第二のテープとが透視性を有するので、湿式シール材接触領域と湿式シール材非接触領域との境界線上に分離機構の位置合わせをして貼着する作業を行いやすくすることができる。
また本発明に係る外壁パネルでは、前記第一のテープと前記第二のテープとは一体成形されており、前記湿式シール材非接触領域と前記湿式シール材接触領域との境界は入隅部に設定されていることも好ましい。
この好ましい態様では、第一のテープと第二のテープとが一体成形されているので貼着作業を容易にすることができる。また湿式シール材非接触領域と湿式シール材接触領域との境界が入隅部に設定されているので、当該入隅部にカッターナイフ等の刃物を当てて引くことで、第一のテープ及び第二のテープの分離作業を容易かつ正確に行うことができる。
また本発明に係る外壁パネルでは、隣り合う外壁パネル本体の間に形成される目地部に充填されるシール材の充填方法であって、請求項1〜9のいずれか1項に記載の外壁パネルを建物の外周部に取り付けて外壁を形成する工程と、前記第二のテープを剥がす工程と、前記湿式シール材を前記第一のテープの奥側の側端縁近傍まで充填する工程と、前記第一のテープを剥がす工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、シール材の仕上げ面を外壁パネル表面よりも奥まらせた位置とする際に好適な外壁パネル及びシール材の充填方法を提供することができる。
本発明の第一実施形態における外壁パネルの間に形成される目地部の概略構成を示す断面図である。 図2(A)−(F)は本発明の第一実施形態におけるシール材の充填方法を概略的に示す断面図である。 本発明の第二実施形態における外壁パネルの間に形成される目地部の概略構成を示す断面図である。 図4(A)−(E)は本発明の第二実施形態におけるシール材の充填方法を概略的に示す断面図である。 本発明の第三実施形態における外壁パネルの間に形成される目地部の概略構成を示す断面図である。 本発明の第四実施形態における外壁パネルの間に形成される目地部の概略構成を示す断面図である。
以下添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照しながら本発明の第一実施形態における外壁パネル11(外壁パネル本体)の構成について説明する。図1は、隣り合う外壁パネル11間に形成される溝3(目地部)の概略構成を示す断面図である。
なお、図1にて外壁パネル11の上側が外気側であると共に下側が室内側であって、以下の説明においては、図1中の外壁パネル11の上側(上方向)を当該外壁パネル11の「表面側(表面方向)」と称し、図1中の外壁パネル11の下側(下方向)を当該外壁パネル11の「奥側(奥方向)」又は「裏面側(裏面方向)」と称することとする。また外壁パネル11の中心側(中心側に向かう方向)を当該外壁パネル11の「内側(中心方向)」と称し、外壁パネル11の端部側を当該外壁パネル11の「外側」と称することとする。
外壁パネル11は、例えば一般的に流通しているALC(Autoclaved Light-weight Concrete;軽量気泡コンクリート)からなる方形の板状部材であり、鉄骨造建物の外周部に並べて取り付けられて建物の外壁1を構成するものである。外壁パネル11の他の具体例としては、PCa板、GRC、押出し成形セメント板、窯業系サイディング、金属サイディング、塗装鋼板、金属パネル、ガラス、石材等が挙げられる。
図1に示すように、外壁パネル11の表面側の端縁部は切り欠かれており、複数の外壁パネル11が連接されることによって、隣り合う外壁パネル11の間に溝3が形成される。当該溝3には、後述するように段部312が形成されている(図1等参照)。段部312は、溝3の両側面に、溝3を途中から幅狭にするように形成されている(図1等参照)。このような段部312により、溝3は、表面側の第一溝部31と、奥側(底面側)の第二溝部32とに区画される。この場合、図からも明らかなように、第二溝部32は第一溝部31よりも幅狭に形成されている(図1等参照)。
第一溝部31及び第二溝部32について更に説明する。図1に示すように、断面視において、第一溝部31の両側面(隣り合う外壁パネル11間の溝3における表面側の面)が面取部311に対応する。第一溝部31よりも奥側に形成される第二溝部32は、断面視コ字状の凹部を形成する一対の側面部321と底面部322とを有する。言い換えれば、断面視において、第二溝部32の両側面(隣り合う外壁パネル11間の溝3における奥側の面)が側面部321に対応し、第二溝部32の底面が底面部322に対応する。
なお、詳細は後述するが、当該第二溝部32にはプライマー61が塗布され、当該プライマー61上にシール材(図1では図示せず)が打設される。このように本実施形態では、第二溝部32にはシール材が打設され、第一溝部31にはシール材が打設されないようになっている。本実施形態では、シール材が打設されない領域(シール材と接触しない領域)、すなわち、面取部311及び段部312を含む領域(外壁パネル11表面側の隅角12から外壁パネル11の裏面側に向かって所定寸法奥まった位置までの領域)を湿式シール材非接触領域41と称し、シール材が打設される領域(シール材と接触しない領域)、すなわち、側面部321と底面部322とを含む領域(外壁パネル11の隅角12から外壁パネル11の奥側(裏面側)に向かって所定寸法奥まった位置よりも更に奥側の位置までの領域)を湿式シール材接触領域42と称することとする。
なお、上述した溝3における面取部311と、段部312と、側面部321とを含む面が、本発明における外壁パネル11の「端面」に相当するものである。当該端面は、断面視で溝3の両側に対向して配置されるものである。また、面取部311、段部312、側面部321、底面部322の形状としては、図1に示したような平面形状に限定されず、例えば、面取部311及び側面部321について、溝3(第一溝部31及び第二溝部32)が途中から幅狭になるように曲面形状として構成しても良く、様々な形状が選択され得る。
続いて、上述した隣り合う外壁パネル11の間に形成された溝3に貼着される第一のテープ81及び第二のテープ82について説明する。
図1に示すように、第一のテープ81は、湿式シール材非接触領域41(面取部311及び段部312)を覆うように貼着される。言い換えれば、第一のテープ81は、外壁パネル11表面側の隅角12から外壁パネル11の裏面側に向かって所定寸法奥まった位置に形成された段部312まで貼着される。
第二のテープ82は、湿式シール材接触領域42(側面部321及び底面部322)を覆うように貼着される。言い換えれば、第二のテープ82は、外壁パネル11表面側の隅角12から外壁パネル11の裏面側に向かって所定寸法奥まった位置に形成された段部312から、当該段部312よりも更に奥側の位置に形成された側面部321及び底面部322まで貼着される。
第一のテープ81について更に説明する。第一のテープ81の奥側の側端縁81aが、側面部321と段部312とが交差することで形成される出隅部C2(段部312の外側端部)に一致するように第一のテープ81が貼着されることが好ましい。また、第一のテープ81の奥側の側端縁81aは、面取部311と段部312とが交差することで形成される入隅部C3(段部312の内側端部)に一致するように貼着されることが好ましい。本実施形態では、この出隅部C2(頂部)又は入隅部C3(谷部)が、湿式シール材非接触領域41(面取部311及び段部312)と湿式シール材接触領域42(側面部321及び底面部322)との境界として設定されるものである。このように出隅部C2又は入隅部C3が設定されることで、第一のテープ81を湿式シール材非接触領域41に貼着する際に位置決めの目安とすることができ、第一のテープ81の貼着作業を効率良く行うことができる。
また、第一のテープ81は、第二のテープ82とは予め分離されている。このように第一のテープ81と第二のテープ82とが予め分離されているので、第一のテープ81の側端縁81aの直線性が保たれ(ガタやヨレにならない)、シール材充填前の段階での第一のテープ81の剥がれを生じにくくすることができる。
また、第二のテープ82は、第一のテープ81に重なるように貼着されている。より詳細には、図1に示すように、第二のテープ82の方が第一のテープ81よりも外壁パネル11本体の表面側になるように、第二のテープ82の端部が、第一のテープ81の端部に重なるように貼着されている。このように第二のテープ82が貼着されることで、湿式シール材非接触領域41に貼着されている第一のテープ81の剥がれを抑制することができるので、湿式シール材非接触領域41へのシール材のはみ出しを更に抑制することができる。また、第一のテープ81の剥がれによる塵埃等の侵入を抑制することができる。
また、上述したように、湿式シール材接触領域42にはプライマー61が塗布されている。そして、当該プライマー61が塗布されている表面、すなわち湿式シール材の表面が第二のテープ82で覆われている。湿式シール材接触領域42にプライマー61が塗布されている場合、例えばALCの粉等の塵埃がプライマー61に付着しやすいので、このようにプライマー61の表面を第二のテープ82で覆うことにより、湿式シール材接触領域42の汚染抑制効果を更に高めることができる。
また、プライマー61は、第一のテープ81が湿式シール材非接触領域41に貼着された後に塗布されている。このようにプライマー61を塗布することで、プライマー61が湿式シール材非接触領域41にはみ出すことを抑制することができ、外壁パネル11を美しく仕上げることができる。
また、第二のテープ82は、第二溝部32における側面部321及び底面部322にかけて貼着されている。当該側面部321と底面部322とで形成される入隅部C1(谷部)で、例えばカッターナイフ等(図示せず)を用いて第二のテープ82を切断することにより、第二のテープ82における底面部322側を残存させることができる。その結果、第二溝部32に充填される湿式シール材(図1では図示せず)の三面接着(底面部322及び一対の側面部321の接着)を防止することができる。
続いて図2(A)−(F)を参照しながら、上述した構造を備える外壁パネル11の溝3にシール材を充填する方法について説明する。図2(A)−(F)は、本発明の第一実施形態におけるシール材の充填方法を概略的に示す断面図である。図2(A)は、第一のテープ貼着工程、図2(B)は、プライマー塗布工程、図2(C)は、第二のテープ貼着工程、図2(D)は、第二のテープ剥離工程及びシーリング打設工程、図2(E)は、シーリング仕上げ工程、図2(F)は、第一のテープ剥離工程を説明するための図である。
(第一のテープ貼着工程)
図2(A)に示すように、隣り合う外壁パネル11間の溝3における面取部311及び段部312に第一のテープ81を貼着する。
(プライマー塗布工程)
次に、図2(B)に示すように、第二溝部32(シーリングポケット)における側面部321及び底面部322にプライマー61を塗布する。
(第二のテープ貼着工程)
プライマー61塗布後、図2(C)に示すように、プライマー61を塗布した面(側面部321及び底面部322)に第二のテープ82を貼着する。
(第二のテープ剥離工程及びシーリング打設工程)
次に、第二のテープ82を剥がして、シール材51を第二溝部32に打設する。シール材51は、第一のテープ81における奥側の側端縁81a近傍まで充填される。
第二溝部32に打設されるシール材51は、外壁パネル11間の連接部を水密構造とするものである。シール材51としては、外壁パネルの材質等に応じて一般的に流通している湿式シーリング材を適宜選択して用いることができ、特にALCからなる外壁パネルに対しては、柔軟性に富み、地震等の外力により変形した際に母材の破壊を生じさせにくい変成シリコーン系、アクリルウレタン系、ポリウレタン系等のシーリング材が好ましい。また、具体例として、JIS A 5758:1997に規定されるシリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、ポリウレタン系、変性ポリサルファイド系、アクリル系、SBR系、ブチルゴム系、ポリイソブチレン系のものなどが挙げられる。ペースト状のシール材51は例えばシーリングガンを用いて第二溝部32に打設され、その後、へらを用いてその表面51aを加圧することで第二溝部32に充填されると同時にシール材51の表面51aが平滑に仕上げられる。
(シーリング仕上げ工程)
そして、シール材51が第二溝部32に打設された後、例えばへらを用いてシール材51の表面51aを加圧することで、第二溝部32に充填されると同時に第二溝部32からはみ出した余分なシール材51b(図2(E)参照)を除去して、シール材51の表面51a(仕上がり面)を平滑に仕上げる。
(第一のテープ剥離工程)
最後に、図2(F)に示すように、外壁パネル11の面取部311及び段部312に貼着された第一のテープ81を剥がすことで、シール材51を第二溝部32に充填する作業が完了となる。
以上、図2(A)〜図2(F)を参照しながら説明したように、本実施形態では、外壁パネル11表面よりも奥まった位置に形成された第二溝部32にシール材51を充填する。より詳細には、外壁パネル11表面から所定寸法奥まった位置に貼着される第一のテープ81の奥側の側端縁81aよりも更に奥側の位置に形成された第二溝部32にシール材51が充填される。このようにシール材51が充填されるため、シール材51の仕上げ面を外壁パネル11表面から所定寸法(第一溝部31の深さ分)奥まらせた位置とすることができる。
また本実施形態では、上述したように、第一のテープ81が湿式シール材非接触領域41を覆っているため、シール材51が湿式シール材非接触領域41にはみ出すことを抑制することができ、外壁パネル11を美しく仕上げることができる。また、第二のテープ82が湿式シール材接触領域42を覆っているため、湿式シール材接触領域42への汚染防止が図られ、シール材51による接着(止水)を確実に行うことができる。また、第一のテープ81がシール材51充填の目安になり作業性を向上させることができる。
(第二実施形態)
続いて、図3を参照しながら本発明の第二実施形態における外壁パネル11の構成について説明する。図3は、隣り合う外壁パネル11間に形成される溝3の概略構成を示す断面図である。図3に示す外壁パネル11は、第一実施形態で示した外壁パネル11における第一のテープ81と第二のテープ82とを一体成形に変化させたもので、それ以外の構成及び機能は第一実施形態の外壁パネル11と同じである。したがって、第一実施形態の外壁パネル11と同じ部分については第一実施形態のものと同一の符号を用い、それらについての説明は省略する。
図3に示すように、隣り合う外壁パネル11間に形成される溝3には、保護テープ181が貼着されている。より詳細には、保護テープ181は、外壁パネル11の表面側の隅角12から面取部311、段部312、側面部321及び底面部322にかけて貼着されている。言い換えれば、保護テープ181は、面取部311及び段部312を含む湿式シール材非接触領域41と、側面部321及び底面部322を含む湿式シール材接触領域42を覆うように貼着されている。保護テープ181は、透視性を有する素材により一体成形されている。保護テープ181における湿式シール材非接触領域41と湿式シール材接触領域42との境界線上には、例えばミシン目191等の分離機構が設けられ、当該ミシン目191で保護テープ181を分離することが可能となっている。保護テープ181は透視性を有するので、湿式シール材非接触領域41と湿式シール材接触領域42との境界線上に分離機構を位置合わせする作業が容易となり、保護テープ181の分離作業を容易かつ正確に行うことができる。
続いて、図4(A)−(E)を参照しながら図3に示した構造を備える外壁パネル11の溝3にシール材を充填する方法について説明する。図4(A)−(E)は、本発明の第二実施形態におけるシール材の充填方法を概略的に示す断面図である。図4(A)は、プライマー塗布工程、図4(B)は、保護テープ貼着工程、図4(C)は、シーリング打設工程、図4(D)は、シーリング面仕上げ工程、図4(E)は、保護テープ剥離工程をそれぞれ説明するための図である。
(プライマー塗布工程)
まず、図4(A)に示すように、隣り合う外壁パネル11間に形成されている溝3のうち、第一溝部31よりも奥側に形成されている第二溝部32の表面上にプライマー61を塗布する。具体的には、第二溝部32の側面部321及び底面部322にプライマー61を塗布する。
(保護テープ貼着工程)
塗布したプライマー61を乾燥させた後、図4(B)に示すように、保護テープ181を第一溝部31における湿式シール材非接触領域41及び第二溝部32における湿式シール材接触領域42に貼着する。保護テープ181における湿式シール材非接触領域41と湿式シール材接触領域42との境界線上にはミシン目191等の分離機構が設けられている。
(シーリング打設工程)
次に、図4(C)に示すように、第二溝部32に貼着された保護テープ181を剥離し、シール材51を第二溝部32に打設する。保護テープ181は、湿式シール材非接触領域41と湿式シール材接触領域42との境界線上(図4(C)の出隅部C2)で剥がされる。シール材51は、第一のテープ81における奥側の側端縁81a近傍まで充填される。
(シーリング面仕上げ工程)
第二溝部32にシール材51が打設された後、例えばへらを用いてシール材51の表面51aを加圧することで、シール材51を第二溝部32に充填すると同時に、図4(D)に示すような第二溝部32からはみ出した余分なシール材51bを除去して、シール材51の表面51aを平滑に仕上げる。
(第一のテープ剥離工程)
最後に、図4(E)に示すように、第一溝部31、言い換えれば湿式シール材非接触領域41に残存している保護テープ181を剥がすことで、シール材51の充填作業が完了となる。
以上、図4(A)〜(E)に参照しながら説明したように、保護テープ181を一体成形した場合においても、外壁パネル11の間に形成される溝3に充填されるシール材51の仕上がり面を、外壁パネル11の表面から所定寸法(第一溝部31の深さ分)、奥まった位置とすることができる。
(第三実施形態)
続いて、図5を参照しながら本発明の第三実施形態における外壁パネル11の構成について説明する。図5は、隣り合う外壁パネル11間に形成される溝3の概略構成を示す断面図である。図5に示す外壁パネル11は、第一実施形態で示した外壁パネル11における段部312及び側面部321の形状を変化させたもので、それ以外の構成及び機能は第一実施形態の外壁パネル11と同じである。したがって、第一実施形態の外壁パネル11と同じ部分については第一実施形態のものと同一の符号を用い、それらについての説明は省略する。
図5に示すように、隣り合う外壁パネル11間には溝3(第一溝部31及び第二溝部32)が形成され、第一溝部31の両側面には面取部311が形成され、第二溝部32の両側面には、側面部321が形成されている。当該側面部321は、第一側面部321aと第二側面部321bとを備えている。第一側面部321aは、外壁パネル11表面に対し垂直な方向(図5では上下方向)に略平行に延びるように形成されている。第二側面部321bは、溝3の幅方向(図5では左右方向)の大きさが奥側に向かうにつれて狭くなるように傾斜した面を有し、その一方の端部が第一側面部321aに接続され、他方の端部が底面部322に接続される。なお、面取部311と第一側面部321aとの境界が出隅部411に設定されている。
第一のテープ81は、第一溝部31の面取部311に貼着されている。第二のテープ82は、第一側面部321a、第二側面部321b及び底面部322に亘って貼着されている。なお、第二のテープ82は、第一側面部321a、第二側面部321b及び底面部322に亘って塗布されたプライマー61上に貼着されている。
(第四実施形態)
続いて、図6を参照しながら本発明の第四実施形態における外壁パネル11の構成について説明する。図6は、隣り合う外壁パネル11間に形成される溝3の概略構成を示す断面図である。図6に示す外壁パネル11は、第一実施形態で示した外壁パネル11における段部312及び側面部321の形状を変化させたもので、それ以外の構成及び機能は第一実施形態の外壁パネル11と同じである。したがって、第一実施形態の外壁パネル11と同じ部分については第一実施形態のものと同一の符号を用い、それらについての説明は省略する。
図6に示すように、隣り合う外壁パネル11間には溝3(第一溝部31及び第二溝部32)が形成され、第一溝部31の両側面には面取部311が形成され、第二溝部32の両側面には、側面部321が形成されている。当該側面部321は、溝3における奥側(底面側)から外壁パネル11の表面側に向かって、凸状に湾曲するように設けられている。なお、図6では、側面部321が凸状に湾曲した例を示しているが、これに限定されず、その途中で屈曲した形状等、様々な形状が選択され得る。
第一のテープ81は、第一溝部31の面取部311に貼着されている。第二のテープ82は、側面部321及び底面部322に貼着されている。本実施形態において、第一のテープ81と第二のテープ82との境界は、湿式シール材非接触領域41と湿式シール材接触領域42との境界に対応し、当該境界は入隅部511(谷部)に設定されている。
図6では第一のテープ81と第二のテープ82とが分離された状態が図示されているが、これに限定されるものではなく、第一のテープ81と第二のテープ82とが一体成形された保護テープ(図6では図示せず)により構成してもよい。一体成形された保護テープを溝3に貼着した場合、図6に示す湿式シール材非接触領域41と湿式シール材接触領域42との境界が入隅部511(谷部)に設定されるものである。このように第一のテープ81と第二のテープ82とが一体成形されることにより貼着作業を簡便にすることができる。また湿式シール材非接触領域41と湿式シール材接触領域42との境界が入隅部511に設定されているので、当該入隅部511にカッターナイフ等の刃物を当てて引くことで、第一のテープ81及び第二のテープ82の分離作業を容易かつ正確に行うことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の実施形態でも実施することが可能である。
1:外壁
3:溝(目地部)
11:外壁パネル
12:隅角
31:第一溝部
32:第二溝部
41:湿式シール材非接触領域
42:湿式シール材接触領域
51:シール材
61:プライマー
81:第一のテープ
82:第二のテープ
191:ミシン目
311:面取部
312:段部
321:側面部
322:底面部

Claims (10)

  1. 隣り合う外壁パネル本体の間に、湿式シール材が充填される目地部が形成されてなる外壁パネルであって、
    前記外壁パネル本体の端面における表面側の隅角から所定寸法奥まった位置まで貼着され、湿式シール材非接触領域を覆う第一のテープと、
    前記第一のテープにおける奥側の側端縁よりも更に奥側の位置に貼着され、湿式シール材接触領域を覆う第二のテープと、を備えることを特徴とする外壁パネル。
  2. 前記第一のテープと前記第二のテープとは予め分離されていることを特徴とする請求項1に記載の外壁パネル。
  3. 前記第二のテープは、前記第一のテープに重なるように貼着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の外壁パネル。
  4. 前記外壁パネル本体の端面には、出隅部又は入隅部が形成され、
    前記第一のテープにおける奥側の側端縁は、前記出隅部又は前記入隅部に一致するように貼着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の外壁パネル。
  5. 前記湿式シール材非接触領域にはプライマーが塗布され、前記プライマー上に前記第二のテープが貼着されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の外壁パネル。
  6. 前記プライマーは、前記第一のテープの貼着後に塗布されることを特徴とする請求項5項に記載の外壁パネル。
  7. 前記目地部は、断面視コ字状の凹部を形成する側面部と底面部とを有し、
    前記第二のテープは、前記側面部から前記底面部にかけて貼着されていることを特徴とする請求項1に記載の外壁パネル。
  8. 前記第一のテープ及び前記第二のテープは、透視性を有する素材により一体成形されており、前記湿式シール材非接触領域と前記湿式シール材接触領域との境界線上には分離機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の外壁パネル。
  9. 前記第一のテープと前記第二のテープとは一体成形されており、前記湿式シール材非接触領域と前記湿式シール材接触領域との境界は入隅部に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の外壁パネル。
  10. 隣り合う外壁パネル本体の間に形成される目地部に充填されるシール材の充填方法であって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の外壁パネルを建物の外周部に取り付けて外壁を形成する工程と
    前記第二のテープを剥がす工程と、
    前記湿式シール材を前記第一のテープの奥側の側端縁近傍まで充填する工程と、
    前記第一のテープを剥がす工程と、
    を備えることを特徴とするシール材の充填方法。
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