JP2016075032A - ヒンジブラケットの取付構造及び建具 - Google Patents

ヒンジブラケットの取付構造及び建具 Download PDF

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Abstract

【課題】裏板との螺合状態が解除された場合にもフレームからの分離を防止し、ヒンジブラケットの着脱作業を容易に行う。【解決手段】吊元框24の見込み面に一対の框側取付片26を設け、その屈曲部26aと見込み面との間に構成される框側ガイド溝27に下方框裏板170を挿入した状態で下方框ヒンジブラケット130を介して下方框裏板170に取付ネジ181を螺合し、下方框ヒンジブラケット130及び下方框裏板170の間に框側取付片26の屈曲部26aを挟持して下方框ヒンジブラケット130を保持させる取付構造であって、下方框ヒンジブラケット130は、下方框取付部132と、挿入部132cとを有し、下方框裏板170とともに下方框ヒンジブラケット130の挿入部132cを框側ガイド溝27に挿入した後に下方框ヒンジブラケット130を介して下方框裏板170に取付ネジ181を螺合させた。【選択図】図25

Description

本発明は、ヒンジブラケットの取付構造及び建具に関するものである。
建具の開口枠や框等のフレームにヒンジブラケットを取り付ける方法としては、フレームの取付面に設けたガイド溝に裏板を挿入し、この状態からヒンジブラケットを介して裏板に取付ネジを螺合するようにしたものがある。ガイド溝は、例えばフレームの取付面に一対の取付片を設けることによって構成されている。すなわち、取付片は、それぞれの突出端部が互いに近接する向きに屈曲されたもので、それぞれの屈曲部と取付面との間にガイド溝が構成されている。ガイド溝に裏板を挿入した状態で取付片の屈曲部をヒンジブラケットによって覆い、この状態からヒンジブラケットを介して裏板に取付ネジを螺合させれば、ヒンジブラケットと裏板との間に取付片の屈曲部が挟持され、フレームの取付面にヒンジブラケットを取り付けることが可能となる。
こうした取付構造によれば、フレームに取付ネジを挿通するための挿通孔を設ける必要がないため、ヒンジブラケットの取付位置を調整することができる等の利点があるばかりでなく、適用する建具の水密性を確保する上できわめて有利となる。
裏板としては、ガイド溝に挿入される両側縁部が中央部分よりも板厚が薄く形成されており、全長にわたってほぼ一様な幅を有したものが多く適用されている(例えば、特許文献1参照)。
中国実用新案公告第2763429号明細書
ところで、上述の取付構造にあっては、取付ネジを取り外した場合、ヒンジブラケットと裏板との螺合状態が解除され、直ちに裏板とヒンジブラケットとの間の連結状態が解除されてヒンジブラケットがフレームから分離するおそれがある。このため、例えばヒンジブラケットの取付作業や交換作業を行う場合には、片手でヒンジブラケットを裏板に重ね合わせながら、もう一方の手で取付ネジの螺合作業や弛緩作業を行う必要があり、作業性の点でも必ずしも好ましいとはいえない。
本発明は、上記実情に鑑みて、裏板との螺合状態が解除された場合にもフレームからの分離を防止し、ヒンジブラケットの着脱作業を容易に行うことのできる取付構造及び建具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るヒンジブラケットの取付構造は、フレームの取付面に、それぞれの突出端部が互いに近接する方向に屈曲した一対の取付片を設け、それぞれの取付片の屈曲部と前記取付面との間に構成されるガイド溝に裏板を挿入した状態でヒンジブラケットを介して前記裏板に取付ネジを螺合することにより、前記ヒンジブラケット及び前記裏板の間に前記一対の取付片の屈曲部を挟持して前記フレームの取付面に前記ヒンジブラケットを保持させるようにしたヒンジブラケットの取付構造であって、前記ヒンジブラケットは、前記一対の取付片を覆う大きさを有し、かつ前記裏板において前記ガイド溝に挿入される部分を避けた位置にそれぞれの前記ガイド溝に挿入される挿入部を有したものであり、前記裏板とともに前記ヒンジブラケットの挿入部を前記フレームのガイド溝に挿入し、前記ヒンジブラケットを介して前記裏板に取付ネジを螺合させることを特徴とする。
この発明によれば、ヒンジブラケットの挿入部をフレームのガイド溝に挿入するようにしているため、取付ネジを取り外した状態であってもヒンジブラケットがフレームの取付片に係合された状態を維持し、ヒンジブラケットがフレームから分離するおそれがない。これにより、ヒンジブラケットの分離を防止して着脱作業を容易化することが可能となる。
また本発明は、上述したヒンジブラケットの取付構造において、前記ヒンジブラケット及び前記裏板のいずれか一方に突起を設けるとともに、いずれか他方に前記突起を挿入する挿入孔を形成したことを特徴とする。
この発明によれば、フレームの長手方向に沿ったヒンジブラケットと裏板との相対移動を制限することができる。
また本発明は、上述したヒンジブラケットの取付構造において、前記裏板には、前記ヒンジブラケットとともに前記ガイド溝に挿入した状態で外部に露出し、螺合した場合に先端部が前記取付面に向けて突出する裏板保持用ネジを設けたことを特徴とする。
この発明によれば、裏板保持用ネジを螺合して取付面に当接させることにより、フレームの長手方向に沿った裏板の相対移動を制限することができる。
また、本発明に係る建具は、上述したいずれか一つに記載の取付構造を適用して障子の縦框に框ヒンジブラケットを取り付け、かつ下端部に球状部を有したヒンジ軸を前記框ヒンジブラケットに固定する一方、開口枠の縦枠に前記ヒンジ軸の球状部を転動可能に収容する球受け凹部を有した枠ヒンジブラケットを取り付けることにより構成し、前記ヒンジ軸の球状部を前記枠ヒンジブラケットの球受け凹部に収容させることにより、前記枠ヒンジブラケットに対して前記框ヒンジブラケットを上下方向に沿った軸心を中心として回転可能、かつ前記ヒンジ軸の球状部を中心として傾動可能に支持したことを特徴とする。
この発明によれば、ヒンジブラケットの挿入部をフレームのガイド溝に挿入するようにしているため、取付ネジを取り外した状態であってもヒンジブラケットがフレームの取付片に係合された状態を維持し、ヒンジブラケットがフレームから分離するおそれがない。これにより、障子の脱落を防止して着脱作業を容易化することが可能となる。
本発明によれば、ヒンジブラケットの挿入部をフレームのガイド溝に挿入するようにしているため、取付ネジを取り外した状態であってもヒンジブラケットがフレームの取付片に係合された状態を維持し、ヒンジブラケットがフレームから離隔するおそれがない。これにより、ヒンジブラケットの分離を防止して着脱作業を容易化することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態であるヒンジブラケットの取付構造を適用した建具を室内側から見た図である。 図2は、図1に示した建具の縦断面図である。 図3は、図1に示した建具の横断面図である。 図4は、図1に示した建具において開口枠に対する障子の開閉状態を切り替える機構を室内側から見たもので、操作ハンドルが施錠位置に配置された状態の図である。 図5は、図4に示す状態の障子を戸先側から見た図である。 図6は、図1に示した建具のヒンジ装置を室内側から見た斜視図である。 図7は、図1に示した建具の上部に適用されるヒンジ装置を室内側から見た分解斜視図である。 図8は、図1に示した建具の下部に適用されるヒンジ装置を室内側から見た分解斜視図である。 図9は、図1に示した建具において開口枠に対する障子の開閉状態を切り替える機構の要部を室内側から見た斜視図である。 図10は、図1に示した建具において開口枠に対する障子の開閉状態を切り替える機構を室内側から見たもので、操作ハンドルが内開き位置に配置された状態の図である。 図11は、図10に示す状態の障子を戸先側から見た図である。 図12は、図1に示した建具において開口枠に対する障子の開閉状態を切り替える機構の要部を室内側から見たもので、操作ハンドルが内開き位置に配置された状態の拡大斜視図である。 図13は、図10に示す状態から障子が室内側に開いた状態を示す斜視図である。 図14は、図1に示した建具において開口枠に対する障子の開閉状態を切り替える機構を室内側から見たもので、操作ハンドルが内開き位置から内倒し位置へ移行する状態の図である。 図15は、図14に示す状態の障子を戸先側から見た図である。 図16は、図1に示した建具において開口枠に対する障子の開閉状態を切り替える機構を室内側から見たもので、操作ハンドルが内倒し位置に配置された状態の図である。 図17は、図16に示す状態の障子を戸先側から見た図である。 図18は、図16に示す状態から障子が室内側に倒された状態を示す斜視図である。 図19は、図18に示す状態の障子を戸先側から見た要部拡大図である。 図20は、図6に示したヒンジ装置の枠ヒンジブラケットを枠に取り付けた状態の横断面図である。 図21は、図8に示した枠ヒンジブラケットを枠に取り付けるための構成を示す分解斜視図である。 図22は、図21に示した枠ヒンジブラケットに裏板を装着した状態の斜視図である。 図23は、図21に示した枠ヒンジブラケットと裏板との間に外れ止めを装着した状態の斜視図である。 図24は、図8に示したヒンジ装置の框ヒンジブラケットと裏板とを示した分解図である。 図25は、図24に示した框ヒンジブラケットを框に取り付けた状態の横断面図である。 図26は、図25に示した框ヒンジブラケットを框に取り付けるための構成を示す分解斜視図である。 図27は、図25に示した框ヒンジブラケットを框に取り付けるための構成を示す分解斜視図である。 図28は、図24に示した框ヒンジブラケットに裏板を装着した状態の斜視図である。 図29は、図7に示したヒンジ装置の枠ヒンジブラケットを枠に取り付けるための構成を示す分解斜視図である。 図30は、図29に示した枠ヒンジブラケットに裏板を装着した状態の斜視図である。 図31は、図29に示した枠ヒンジブラケットと裏板との間に外れ止めを装着した状態の斜視図である。 図32−1は、図7に示したヒンジ装置の框ヒンジブラケットを障子に取り付けるための構成を示すもので、操作ハンドルが施錠位置に配置された状態の平面図である。 図32−2は、図7に示したヒンジ装置の框ヒンジブラケットを障子に取り付けるための構成を示すもので、操作ハンドルが施錠位置に配置された状態を破断して示す斜視図である。 図33−1は、図7に示したヒンジ装置の框ヒンジブラケットを障子に取り付けるための構成を示すもので、操作ハンドルが内開き位置に配置された状態の平面図である。 図33−2は、図7に示したヒンジ装置の框ヒンジブラケットを障子に取り付けるための構成を示すもので、操作ハンドルが内開き位置に配置された状態を破断して示す斜視図である。 図34は、図33−1に示す状態で框ヒンジブラケットが回転した状態の平面図である。 図35−1は、図7に示したヒンジ装置の框ヒンジブラケットを障子に取り付けるための構成を示すもので、操作ハンドルが内倒し位置に配置された状態の平面図である。 図35−2は、図7に示したヒンジ装置の框ヒンジブラケットを障子に取り付けるための構成を示すもので、操作ハンドルが内倒し位置に配置された状態を破断して示す斜視図である。 図36−1は、図35−1の状態で框ヒンジブラケットが回転した状態の平面図である。 図36−2は、図35−1の状態で框ヒンジブラケットが回転した状態を破断して示す斜視図である。 図37は、図1に示した建具において開口枠の下端部に設けた障子の開閉状態を切り替える機構の要部を室内側から見た斜視図である。 図38は、図37に示した機構を戸先側から見た斜視図である。 図39は、図38に示した機構の分解斜視図である。 図40は、図1に示した建具において操作ハンドルが設けられる中間作動装置の斜視図である。 図41は、図40に示した中間作動装置の分解斜視図である。 図42は、図40に示した中間作動装置の横断面図である。 図43は、図1に示した建具に適用するコーナードライブの斜視図である。 図44は、図43に示したコーナードライブの分解斜視図である。 図45は、図43に示したコーナードライブの組み立て手順を示すもので(a)はケースに帯状部材を配設した状態の分解斜視図、(b)はケースにカバー部材を配設する状態の斜視図である。 図46は、図43に示したコーナードライブの断面図である。 図47は、図43に示したコーナードライブの分解断面図である。 図48は、図46におけるA−A線拡大断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るヒンジブラケットの取付構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1〜図5は、本発明の実施の形態であるヒンジブラケットの取付構造を適用した建具を示したものである。ここで例示する建具は、開口枠10と障子20とを備え、開口枠10に対して障子20が内開き及び内倒しの2通りの状態で室内側に開くように支持したドレーキップ窓と称されるものである。
<建具の概略構成>
開口枠10は、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13,14を四周枠組みすることによって構成したものである。開口枠10の各枠11,12,13,14は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、それぞれが全長に渡ってほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。障子20は、矩形状を成すガラス板等の面材21の四周に上框22、下框23及び左右の縦框(フレーム)24,25を四周框組みすることによって構成したもので、開口枠10の開口を閉じることのできる大きさに構成してある。障子20の各框22,23,24,25についても、枠11,12,13,14と同様、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、それぞれが全長に渡ってほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。
この建具には、図4において右方に位置する縦枠(以下、「吊元枠13」という)と障子20との間の上方部及び下方部にそれぞれヒンジ装置100,200が設けてあるとともに、図4において左方に位置する縦枠(以下、「戸先枠14」という)及び下枠12と障子20との間の下方部に施錠装置300が設けてあり、さらに図4において左方に位置する障子20の縦框(以下、「戸先框25」という)に中間作動装置400が設けてある。尚、図4において右方に位置する縦框については、戸先框25と区別するため、吊元框24と称する。
ヒンジ装置100,200は、図6〜図8に示すように、それぞれ上下方向に沿ったヒンジ軸110,210を介して互いに接続した枠ヒンジブラケット120,220及び框ヒンジブラケット130,230を有して構成したものである。以下においては、上下2つのヒンジ装置を区別するため、下方に設けたものを下方ヒンジ装置100と称し、それぞれの構成部品に「下方」という語を付す一方、上方に設けたものを上方ヒンジ装置200と称し、それぞれの構成部品に「上方」という語を付して説明を行う。
下方ヒンジ装置100は、図6、図8に示すように、下方枠ヒンジブラケット120に対して下方框ヒンジブラケット130を下方ヒンジ軸110の軸心を中心として回転可能、かつ下方ヒンジ軸110の下端部を中心として傾動可能に支持したものである。下方枠ヒンジブラケット120は、吊元枠13の見込み面に取り付けてあり、下方框ヒンジブラケット130は、吊元框24の見込み面(取付面)に取り付けてある。
上方ヒンジ装置200は、上方枠ヒンジブラケット220に対して上方框ヒンジブラケット230を上方ヒンジ軸210の軸心を中心として回転可能に支持したものである。上方枠ヒンジブラケット220は、吊元枠13の見込み面に取り付けてあり、上方框ヒンジブラケット230は、上方リンク機構240を介して上框22の上面に取り付けてある。上方リンク機構240は、図4、図6、図7に示すように、上框22の上面に固定した框固定ブラケット241と上方ヒンジ装置200の上方枠ヒンジブラケット220との間を接続する主リンク242と、框固定ブラケット241の長手方向にスライド可能に配設したロックリンク243とを備えたもので、ロックリンク243をスライドさせることにより、主リンク242が框固定ブラケット241の長手方向に沿った姿勢に維持されたロック状態(図7中の実線で示す状態)と、框固定ブラケット241に対して主リンク242が旋回可能となるアンロック状態(図7中の二点鎖線で示す状態)とに切り替わるものである。
施錠装置300は、戸先枠14と戸先框25との間の係合状態を切り替えるとともに、戸先框25と下枠12との係合状態を切り替えることにより、開口枠10に対する障子20の開閉制御を行うものである。本実施の形態では、図4、図5、図9に示すように、ロックピン311及び開放防止突起312を有した制御ロッド310と、ロック受け321及び突起受け322を有した制御ブロック体320と、ロッド挿入孔331を有した下部ブロック部材330とを備えて施錠装置300が構成してある。制御ロッド310は、ロックピン311及び開放防止突起312が戸先枠14の見込み面に向けて突出した状態で、戸先框25の見込み面に上下方向に沿ってスライド可能に配設してある。制御ブロック体320は、ロック受け321及び突起受け322が戸先框25の見込み面に向けて突出した状態で、戸先枠14の見込み面に取り付けてある。下部ブロック部材330は、ロッド挿入孔331が上方に開口した状態で下枠12の上面に取り付けてある。
中間作動装置400は、操作ハンドル401の操作によってスライドブロック410を動作させ、上方リンク機構240のロック状態及びアンロック状態を切り替えるとともに、施錠装置300の施錠状態を切り替えるものである。操作ハンドル401は、戸先框25の室内側に臨む見付け面に配設してあり、見込み方向に沿った軸心を中心として回転させることが可能である。本実施の形態では、図1中の実線で示すように、操作ハンドル401の先端が鉛直下方に向いた位置(以下、「施錠位置」という)から、図1において反時計回りに90°回転して水平となる位置(以下、「内開き位置」という)を経由し、180°回転して先端が鉛直上方に向いた位置(以下、「内倒し位置」という)まで回転することができるように構成してある。スライドブロック410は、戸先框25の見込み面に上下方向に沿って移動可能に配設したもので、図9に示すように、下端部が下方連係部材402を介して施錠装置300の制御ロッド310に接続してある。スライドブロック410の上端部は、上方連係部材403及びコーナードライブ500を介して上框22の上面に連続し、さらに上框連係部材404を介して上方リンク機構240のロックリンク243に接続してある。
<建具の開閉切替操作>
上記の構成を有する建具では、操作ハンドル401を施錠位置に配置した場合、図4、図5に示すように、スライドブロック410が戸先框25に対して最も上方に配置された状態となる。このとき、上方リンク機構240は、ロックリンク243によってロック状態にあり、主リンク242が框固定ブラケット241の長手方向に沿った姿勢に維持されている。施錠装置300の制御ロッド310は、下端部が下部ブロック部材330のロッド挿入孔331から逸脱し、ロックピン311がロック受け321に対向した位置に配置される一方、開放防止突起312が突起受け322に対して非対向の位置に配置されている。この状態においては、操作ハンドル401を介して障子20を室内側に引いた場合にもロックピン311がロック受け321に当接することになるため、障子20を開くことができない。
上述の状態から操作ハンドル401を内開き位置まで回転させると、図10、図11に示すように、戸先框25に対してスライドブロック410が下方にスライドし、上方連係部材403及び下方連係部材402がそれぞれ下方にスライドする。このとき、上方リンク機構240においては、コーナードライブ500を介してロックリンク243が戸先側にスライドするものの、依然としてロック状態を維持している。施錠装置300においては、図12に示すように、制御ロッド310が下方にスライドすることによってロックピン311がロック受け321に対して非対向の位置に配置される。制御ロッド310の下端部は、下部ブロック部材330のロッド挿入孔331から逸脱し、開放防止突起312は、突起受け322に対して非対向の位置に維持されている。従って、この状態においては、操作ハンドル401を介して障子20を室内側に引いた場合、戸先框25を戸先枠14から離隔させることが可能であり、図13に示すように、上方ヒンジ装置200の上方ヒンジ軸210及び下方ヒンジ装置100の下方ヒンジ軸110を軸心として障子20を室内側に開くことができるようになる(障子20の内開き)。
さらに、図14、図15に示す状態を経て、操作ハンドル401を内倒し位置まで回転させると、図16、図17に示すように、戸先框25に対してスライドブロック410、上方連係部材403及び下方連係部材402が下方にスライドする。このとき、上方リンク機構240においては、ロックリンク243が戸先側にスライドすることによってアンロック状態となり、框固定ブラケット241に対して主リンク242が旋回可能となる。施錠装置300においては、ロックピン311がロック受け321に対して非対向の位置に維持され、かつ開放防止突起312が突起受け322に対して非対向の位置に維持された状態で、制御ロッド310の下端部が下部ブロック部材330のロッド挿入孔331に挿入される。従って、この状態においては、操作ハンドル401を介して障子20を室内側に引いた場合、図18、図19に示すように、上框22を上枠11から離隔させることが可能であり、下方ヒンジ装置100における下方ヒンジ軸110の下端部及び下部ブロック部材330のロッド挿入孔331に挿入された制御ロッド310の下端部を中心として障子20を室内側に倒すことができるようになる(障子20の内倒し)。
<建具の詳細構成>
以下、上述した建具の構成要素について、より具体的な説明を行い、併せて本願の特徴部分について詳述する。
(開口枠10及び障子20の構成)
図2、図3に示すように、開口枠10の各枠11,12,13,14は、室内側に位置する第1枠要素11A,12A,13A,14Aと、室外側に位置する第2枠要素11B,12B,13B,14Bとの間に断熱材11C,12C,13C,14Cを介在させたもので、第1枠要素11A,12A,13A,14Aに一対の枠側取付片15が設けてある。枠側取付片15は、第1枠要素11A,12A,13A,14Aにおいて障子20に対向する見込み面からそれぞれ障子20に向けて突出し、個々の突出端部が互いに近接する方向に略直角に屈曲したもので、見込み面との間に枠側ガイド溝16を構成している。
障子20の各框22,23,24,25は、開口枠10と同様、室内側に位置する第1框要素22A,23A,24A,25Aと、室外側に位置する第2框要素22B,23B,24B,25Bとの間に断熱材22C,23C,24C,25Cを介在させたもので、第1框要素22A,23A,24A,25Aに一対の框側取付片26が設けてある。框側取付片26は、第1框要素22A,23A,24A,25Aにおいて開口枠10に対向する見込み面からそれぞれ開口枠10に向けて突出し、個々の突出端部が互いに近接する方向に略直角に屈曲したもので、見込み面との間に框側ガイド溝27を構成している。上述した障子20の上框22に設けた上框連係部材404、戸先框25に設けた上方連係部材403、下方連係部材402及び施錠装置300の制御ロッド310は、それぞれ框側ガイド溝27の内部にスライド可能に配設してある。
(下方ヒンジ装置100に適用する下方枠ヒンジブラケット120の構成)
下方ヒンジ装置100の下方枠ヒンジブラケット120は、図21〜図23に示すように、円柱状を成す一対の下方枠軸部121と、それぞれの下方枠軸部121の周面から外方に延在した後に略直角に屈曲した下方枠取付部122とを一体に成形したものである。図8及び図20に示すように、下方枠ヒンジブラケット120は、一対の下方枠軸部121が吊元枠13の室内側に臨む見込み面から室内側に突出した状態で、下方枠取付部122と下方枠裏板140との間に、室内側に位置する枠側取付片15の屈曲部15aを挟持させることにより、吊元枠13の見込み面に取り付けてある。
図21〜図23に示すように、一対の下方枠軸部121は、互いに軸心が合致し、かつ軸心方向に間隔を確保して下方枠取付部122の上下に設けてある。下方に配置される下方枠軸部121には、その上端面に半球状の球受け凹部121aが設けてある。
下方枠取付部122は、吊元枠13に設けた一対の枠側取付片15を覆うことのできる大きさに形成したもので、下方枠側ネジ挿通孔122a及び下方枠側突起挿入孔122bを有している。下方枠側ネジ挿通孔122aは、下方枠取付部122の上下両端部に設けたものであり、下方枠側突起挿入孔122bは、下方枠側ネジ挿通孔122aの相互間となる部位に形成してある。図20に示すように、下方枠取付部122において吊元枠13の見込み面に対向する部位には、支持片部123が設けてある。支持片部123は、下方枠取付部122によって吊元枠13の見込み面を覆った場合に一対の枠側取付片15の間において吊元枠13の見込み面に当接するものである。この支持片部123には、係合部124及び爪部125を有している。係合部124は、支持片部123の室外側に向いた面に形成した凹溝であり、吊元枠13の見込み面を覆った場合に室外側に位置する枠側取付片15の屈曲部15aが係合された状態となる。爪部125は、支持片部123の先端部から室内側に向けて突出した部分である。
下方枠裏板140は、下方枠ヒンジブラケット120の下方枠取付部122と吊元枠13の見込み面との間に介在し、かつ室内側に位置する枠側取付片15の枠側ガイド溝16に挿入される下方枠挟持部141を有したものである。この下方枠裏板140には、図21に示すように、下方枠位置決め突起142、下方枠ネジ締め孔143及び下方枠裏板突起144が設けてある。下方枠位置決め突起142は、下方枠取付部122の端面に当接するもので、下方枠裏板140の上下両端部に形成してある。下方枠ネジ締め孔143は、下方枠取付部122に重ね合わせた場合に下方枠取付部122の下方枠側ネジ挿通孔122aに対応する部位に形成した雌ネジ孔である。下方枠裏板突起144は、下方枠取付部122に重ね合わせた場合に下方枠取付部122の下方枠側突起挿入孔122bに嵌合し、下方枠取付部122と下方枠裏板140との相対移動を制限するものである。
上述した下方ヒンジ装置100の下方枠ヒンジブラケット120を吊元枠13に取り付けるには、図20に示すように、室外側に位置する枠側取付片15の屈曲部15aを支持片部123の係合部124に係合するとともに、下方枠裏板140の下方枠挟持部141を室内側に位置する枠側取付片15の枠側ガイド溝16に配置した状態で、下方枠側ネジ挿通孔122aを介して下方枠裏板140の下方枠ネジ締め孔143に取付ネジ150を螺合し、さらに下方枠裏板140と室外側に位置する枠側取付片15との隙間に外れ止め160を挿入すれば良い。外れ止め160は、長手方向の中央部分が枠側取付片15と下方枠裏板140とに当接することのできる断面形状を有したもので、樹脂材によって成形してある。上述の下方枠取付部122に設けた支持片部123の爪部125は、外れ止め160と吊元枠13の見込み面との間に介在した状態にある。外れ止め160の基端部には、挿入操作を容易化するため、幅広で薄板状を成す把持部161が形成してある。外れ止め160の先端部には、枠側取付片15と下方枠裏板140との間の隙間よりも断面積の小さい挿入ガイド部162が形成してある。挿入ガイド部162の先端部には、外表面に膨出した係止部163が設けてある。この係止部163は、下方枠裏板140に形成した係止凹部145に係合することによって下方枠ヒンジブラケット120からの外れ止め160の不用意な分離を阻止するものである。
上記のようにして下方ヒンジ装置100の下方枠ヒンジブラケット120を取り付けた場合には、吊元枠13に取付ネジを挿通するための孔を形成する必要がないため、建具の水密性を確保する上で有利となる。しかも、万が一、取付ネジ150が緩んだ場合にも、外れ止め160によって室内側の枠側取付片15から下方枠裏板140の離隔移動が規制され、下方枠ヒンジブラケット120と下方枠裏板140との間に枠側取付片15の屈曲部15aを挟持した状態が維持されることになり、吊元枠13から下方枠ヒンジブラケット120が分離する事態を防止することができる。
また、上記のようにして取り付けられた下方枠ヒンジブラケット120では、下方枠裏板140の下方枠裏板突起144が下方枠取付部122の下方枠側突起挿入孔122bに嵌合された状態にあるとともに、支持片部123の先端部が吊元枠13の見込み面に当接した状態ある。従って、下方枠ヒンジブラケット120に対して、図20中の矢印Aで示すような外力が加えられた場合にも、吊元枠13に対する下方枠ヒンジブラケット120の相対移動が抑制され、容易に分離するおそれがない。
(下方ヒンジ装置100に適用する下方框ヒンジブラケット130の構成)
下方ヒンジ装置100の下方框ヒンジブラケット130は、図24、図26、図27、図28に示すように、円筒状を成す下方框軸部131と、下方框軸部131の周面から外方に延在した後に略直角に屈曲した下方框取付部132とを一体に成形したものである。図8及び図25に示すように、下方框ヒンジブラケット130は、下方框軸部131が室内側に臨む見付け面よりも室内側に突出した状態で、下方框取付部132と下方框裏板170との間に一対の框側取付片26の屈曲部26aを挟持させることにより、吊元框24の見込み面に取り付けてある。
図26〜図28に示すように、下方框軸部131は、軸心方向に沿った長さが、下方枠ヒンジブラケット120に設けた一対の下方枠軸部121の間に配置することできる寸法に形成してある。下方ヒンジ軸110は、下端部に球状部111を有した円柱状を成すもので、球状部111を外部に露出させた状態で、上端部を介して下方框ヒンジブラケット130の下方框軸部131に固定してある。下方ヒンジ軸110の球状部111は、下方枠軸部121の球受け凹部121aに転動可能に収容することのできる寸法に形成したものである。
下方框取付部132は、吊元框24に設けた一対の框側取付片26を覆うことのできる大きさに形成したもので、下方框側ネジ挿通孔132a、下方框側突起挿入孔132b及び一対の挿入部132cを有している。下方框側ネジ挿通孔132aは、下方框取付部132の上下両端部に設けたものであり、下方框側突起挿入孔132bは、下方框側ネジ挿通孔132aの相互間となる部位に形成してある。挿入部132cは、図24、図26、図27、図28に示すように、下方框取付部132において一対の框側取付片26に対向する面から突出した後、互いに離隔する方向に屈曲したものである。これら挿入部132cは、図25に示すように、屈曲した部分をそれぞれ框側取付片26の框側ガイド溝27に配置することにより、一対の框側取付片26の間に挿入することが可能である。図25からも明らかなように、一対の挿入部132cは、下方框取付部132を框側取付片26に当接させた場合、框側取付片26の屈曲部26a及び吊元框24の見込み面の双方から離隔した位置に配置されるように構成してある。
下方框裏板170は、図25に示すように、框側取付片26の框側ガイド溝27に挿入される下方框挟持部171と、下方框挟持部171の一端部から直角となる方向に突出した障子受部172とを一体に成形したものである。下方框挟持部171には、下方框取付部132に設けた挿入部132cに対応する部位に切欠173が設けてある。
この下方框裏板170には、図26に示すように、下方框ネジ締め孔171a及び下方框裏板突起171bが設けてある。下方框ネジ締め孔171aは、下方框取付部132に重ね合わせた場合に下方框取付部132の下方框側ネジ挿通孔132aに対応する部位に形成した雌ネジ孔である。下方框裏板突起171bは、下方框取付部132に重ね合わせた場合に下方框取付部132の下方框側突起挿入孔132bに嵌合し、下方框取付部132と下方框裏板170との相対移動を制限するものである。下方框裏板突起171bには、その中心部に保持用ネジ孔171cが設けてある。保持用ネジ孔171cは、下方框裏板170を貫通するように設けてあり、その内部に裏板保持用ネジ180が螺合してある。裏板保持用ネジ180は、下方框取付部132の下方框側突起挿入孔132bを介して締め込む方向に操作した場合に、下方框裏板170から吊元框24の見込み面に向けて突出することが可能である。
上述した下方ヒンジ装置100の下方框ヒンジブラケット130を吊元框24に取り付けるには、下方框ネジ締め孔171aに取付ネジ181をわずかに螺合させることにより、予め下方框裏板170を重ね合わせ、吊元框24の端面から下方框挟持部171及び挿入部132cを框側取付片26の框側ガイド溝27に挿入し、障子受部172が吊元框24の端面に当接した状態で取付ネジ181を締め付ければ良い。この状態においては、吊元框24に設けた框側取付片26の屈曲部26aが下方框ヒンジブラケット130と下方框裏板170の下方框挟持部171との間に挟持され、下方框ヒンジブラケット130が吊元框24に保持されることになる。
上記のようにして下方ヒンジ装置100の下方框ヒンジブラケット130を取り付けた場合には、吊元框24に取付ネジを挿通するための孔を形成する必要がないため、建具の水密性を確保する上で有利となる。しかも、万が一、取付ネジ181が緩んだ場合にも、下方框ヒンジブラケット130の挿入部132cが吊元框24の框側ガイド溝27に挿入されているため、挿入部132cが框側取付片26の屈曲部26aに係合された状態を維持することになる。この結果、下方框ヒンジブラケット130が下方框裏板170から離隔することがなく、障子20が脱落するおそれがない。これにより、下方框ヒンジブラケット130の着脱作業を容易化することが可能となる。
また、上記のようにして取り付けられた下方框ヒンジブラケット130では、下方框裏板170の下方框裏板突起171bが下方框取付部132の下方框側突起挿入孔132bに嵌合された状態にある。従って、下方框ヒンジブラケット130に対して、外力が加えられた場合にも、上述した挿入部132cが框側取付片26の屈曲部26aに係合することに加えて吊元框24に対する下方框ヒンジブラケット130の相対移動が抑制され、容易に分離するおそれがない。
さらに、裏板保持用ネジ180を螺合させた場合には、下方框ヒンジブラケット130との間に取付ネジ181を螺合させる以前においても下方框裏板170の下方框挟持部171を框側取付片26の屈曲部26aに押圧させることで吊元框24に対する下方框裏板170の相対移動を制限し、位置ずれを防止することができる。
(下方ヒンジ装置100の動作)
上述の構成を有する下方ヒンジ装置100では、下方ヒンジ軸110の球状部111を下方枠軸部121の球受け凹部121aに収容させることにより、下方枠ヒンジブラケット120に対して下方框ヒンジブラケット130を上下方向に沿った軸心を中心として回転可能、かつ下方ヒンジ軸110の下端部を中心として傾動可能に支持することが可能となる。
(上方ヒンジ装置200に適用する上方枠ヒンジブラケット220の構成)
上方ヒンジ装置200の上方枠ヒンジブラケット220は、図29、図30、図31に示すように、円筒状を成す上方枠軸部221と、上方枠軸部221の周面から外方に延在した後に略直角に屈曲した上方枠取付部222とを一体に成形したものである。図7及び図20に示すように、上方枠ヒンジブラケット220は、上方枠軸部221が吊元枠13の室内側に臨む見込み面から室内側に突出した状態で、上方枠取付部222と上方枠裏板250との間に、室内側に位置する枠側取付片15の屈曲部15aを挟持させることにより、上方枠軸部221の軸心が下方枠軸部121の軸心と合致した状態で、吊元枠13の見込み面に取り付けてある。
上方ヒンジ軸210は、円柱状を成すもので、上端部が外部に露出した状態で、下端部を介して上方枠ヒンジブラケット220の上方枠軸部221に固定してある。
上方枠取付部222は、吊元枠13に設けた一対の枠側取付片15を覆うことのできる大きさに形成したもので、上方枠側ネジ挿通孔222a及び上方枠側突起挿入孔222bを有している。上方枠側ネジ挿通孔222aは、上方枠取付部222の上下両端部に設けたものであり、上方枠側突起挿入孔222bは、上方枠側ネジ挿通孔222aの相互間となる部位に形成してある。図20に示すように、上方枠取付部222において吊元枠13の見込み面に対向する部位には、支持片部223が設けてある。支持片部223は、上方枠取付部222によって吊元枠13の見込み面を覆った場合に一対の枠側取付片15の間において吊元枠13の見込み面に当接するもので、係合部224及び爪部225を有している。係合部224は、支持片部223の室外側に向いた面に形成した凹溝であり、吊元枠13の見込み面を覆った場合に室外側に位置する枠側取付片15の屈曲部15aが係合された状態となる。爪部225は、支持片部223の先端部から室内側に向けて突出した部分である。
上方枠裏板250は、図20に示すように、上方枠ヒンジブラケット220の上方枠取付部222と吊元枠13の見込み面との間に介在し、かつ室内側に位置する枠側取付片15の枠側ガイド溝16に挿入される上方枠挟持部251を有したものである。この上方枠裏板250には、図29に示すように、上方枠位置決め突起252、上方枠ネジ締め孔253及び上方枠裏板突起254が設けてある。上方枠位置決め突起252は、上方枠取付部222の端面に当接するもので、上方枠裏板250の上下両端部に形成してある。上方枠ネジ締め孔253は、上方枠取付部222に重ね合わせた場合に上方枠取付部222の上方枠側ネジ挿通孔222aに対応する部位に形成した雌ネジ孔である。上方枠裏板突起254は、上方枠取付部222に重ね合わせた場合に上方枠取付部222の上方枠側突起挿入孔222bに嵌合し、上方枠取付部222と上方枠裏板250との相対移動を制限するものである。
上述した上方ヒンジ装置200の上方枠ヒンジブラケット220を吊元枠13に取り付けるには、図20に示すように、室外側に位置する枠側取付片15の屈曲部15aを支持片部223の係合部224に係合するとともに、上方枠裏板250の上方枠挟持部251を室内側に位置する枠側取付片15の枠側ガイド溝16に配置した状態でそれぞれの上方枠側ネジ挿通孔222aを介して上方枠裏板250の上方枠ネジ締め孔253に取付ネジ260を螺合し、さらに上方枠裏板250と室外側に位置する枠側取付片15との隙間に外れ止め160を挿入すれば良い。外れ止め160は、下方ヒンジ装置100の下方枠ヒンジブラケット120に用いたものと同一の構成を有したものである。
上記のようにして上方ヒンジ装置200の上方枠ヒンジブラケット220を取り付けた場合には、吊元枠13に取付ネジを挿通するための孔を形成する必要がないため、建具の水密性を確保する上で有利となる。しかも、万が一、取付ネジ260が緩んだ場合にも、外れ止め160によって室内側の枠側取付片15から上方枠裏板250の離隔移動が規制され、上方枠ヒンジブラケット220と裏板との間に枠側取付片15の屈曲部15aを挟持した状態が維持されることになり、吊元枠13から上方枠ヒンジブラケット220が分離する事態を防止することができる。
また、上記のようにして取り付けられた上方枠ヒンジブラケット220では、上方枠裏板250の上方枠裏板突起254が上方枠取付部222の上方枠側突起挿入孔222bに嵌合された状態にあるとともに、支持片部223の先端部が吊元枠13の見込み面に当接した状態ある。従って、上方枠ヒンジブラケット220に対して、図20中の矢印Aで示すような外力が加えられた場合にも、吊元枠13に対する上方枠ヒンジブラケット220の相対移動が抑制され、容易に分離するおそれがない。
(上方ヒンジ装置200に適用する上方框ヒンジブラケット230の構成)
上方ヒンジ装置200の上方框ヒンジブラケット230は、図6、図7に示すように、円筒状を成す上方框軸部231と、上方框軸部231の周面から外方に延在した上方框取付部232とを有したものである。この上方框ヒンジブラケット230は、上方框軸部231を介して上方ヒンジ軸210の上端部に配設してあり、軸心方向の移動が規制された状態で上方ヒンジ軸210の軸心を中心として回転することが可能である。
(上方ヒンジ装置200に適用する上方リンク機構240の構成)
上方リンク機構240の主リンク242は、図6、図7、図32−1〜図36−2に示すように、長尺の薄板状を成すもので、基端部を介して上方框取付部232に連結してある。主リンク242を上方框取付部232に連結する方法としては、かしめもしくはネジ止めによるものである。主リンク242の先端部には、先端側からスライドピン242a、支持リンクピン242b及びリンクロックピン242cが設けてある。これらのスライドピン242a、支持リンクピン242b及びリンクロックピン242cは、それぞれ長手方向に沿って延在するもので、主リンク242の下面から下方に向けて突出している。主リンク242の支持リンクピン242bには、補助リンク244が設けてある。補助リンク244は、主リンク242よりも短い寸法の薄板状を成すもので、基端部を介して支持リンクピン242bの軸心回りに回転可能に支持してある。補助リンク244の先端部には、補助リンクピン244aが設けてある。補助リンクピン244aは、支持リンクピン242bと平行となるように延在するもので、補助リンク244の下面から下方に向けて突出している。
框固定ブラケット241は、主リンク242よりも短い寸法を有し、先端部に長手方向に沿ったスライド孔241aを有する厚板部材であり、上框22の長手方向に沿った状態で上框22の上面に固定してある。この框固定ブラケット241には、補助リンクピン244aにより補助リンク244が回転可能に支持してあるとともに、スライド孔241aに主リンク242のスライドピン242aがスライド可能に収容してある。
框固定ブラケット241のスライド孔241aには、係合クリップ245が配設してある。係合クリップ245は、基端部が湾曲し、かつ先端部が開放した略U字状を成すもので、U字状の基端部がスライド孔241aの吊元側に位置した状態で框固定ブラケット241に取り付けてある。この係合クリップ245には、狭幅部245aが設けてある。狭幅部245aは、係合クリップ245の基端部側に位置する部分を互いに内方に向けて屈曲することによって幅を狭く構成したものである。係合クリップ245を備えたスライド孔241aにおいては、スライドピン242aが係合クリップ245の狭幅部245aを通過する際に係合クリップ245の弾性力に抗して狭幅部245aを押し広げる必要があるため、スライドピン242aのスライドを規制することができる。本実施の形態では、スライドピン242aがスライド孔241aの吊元側端部に位置した場合にスライドピン242aの戸先側への移動を規制するように係合クリップ245が設けてある。
ロックリンク243は、主リンク242と同等の長さを有した長尺の薄板状部材であり、框固定ブラケット241の長手方向に沿ってのみスライド可能となる状態で框固定ブラケット241の下面に支持してある。このロックリンク243には、吊元側の端部にピンホルダ246が設けてある。ピンホルダ246は、先端及び上面に開口するピン受溝246aを有したものである。
ロックリンク243と主リンク242とが互いに同一方向に沿って配置された状態からロックリンク243が吊元側にスライドした場合には、図32−1及び図32−2に示すように、主リンク242のリンクロックピン242cがピンホルダ246のピン受溝246aに収容されるため、ロックリンク243を介して框固定ブラケット241が主リンク242に沿った姿勢を維持することになる(ロック状態)。
これに対してロックリンク243が戸先側にスライドした場合には、図35−1及び図35−2に示すように、主リンク242のリンクロックピン242cがピンホルダ246のピン受溝246aから逸脱するため、図36−1及び図36−2に示すように、主リンク242のスライドピン242aを中心として主リンク242と框固定ブラケット241とが相対的に回転可能となる(アンロック状態)。このとき、主リンク242と框固定ブラケット241との間に介在する補助リンク244の作用により、スライドピン242aがスライド孔241aを基端部分に向けてスライドし、やがて係合クリップ245の狭幅部245aを押し広げながら通過する。従って、係合クリップ245の弾性力に抗する操作力を付与しない限り、スライドピン242aがスライド孔241aの基端部分に保持された状態を維持することになる。
(上方ヒンジ装置200の動作)
上述の構成を有する上方ヒンジ装置200では、操作ハンドル401が施錠位置、内開き位置、内開き位置と内倒し位置との中間位置に配置されている場合、主リンク242のリンクロックピン242cがピンホルダ246のピン受溝246aに収容されることになる。この状態においては、主リンク242に対して框固定ブラケット241が相対回転できないため、上方ヒンジ軸210に対して上方框取付部232が回転した場合、図34に示すように、障子20の上框22に取り付けた框固定ブラケット241が主リンク242とともに、上方ヒンジ軸210を中心として回転することになり、障子20の内開きが可能となる。
一方、操作ハンドル401が内倒し位置に配置されると、主リンク242のリンクロックピン242cがピンホルダ246のピン受溝246aから逸脱する。この状態においては、主リンク242に対して框固定ブラケット241が相対回転可能であるため、上方ヒンジ軸210に対して上方框取付部232が回転した場合、図36−1及び図36−2に示すように、主リンク242に対して框固定ブラケット241が適宜回転し、上枠11に対して上框22を平行移動させることができ、障子20の内倒しが可能となる。
(施錠装置300の構成)
施錠装置300の制御ロッド310は、図9に示すように、戸先框25に設けた上方連係部材403や下方連係部材402とほぼ同じ断面に形成した長尺部材であり、その下端部に挿入傾動突起313を有している。挿入傾動突起313は、下部ブロック部材330に設けたロッド挿入孔331に挿入可能、かつ上下両端部の見込み方向に沿った幅が中央部分よりも狭い幅に形成したものであり、下部ブロック部材330のロッド挿入孔331に挿入した状態で上端部を室内側に傾けることが可能である。
制御ロッド310に設けたロックピン311は、水平方向に沿った円柱状を成すものである。開放防止突起312は、水平方向に沿って延在する突出部であり、挿入傾動突起313とロックピン311との中間部に設けてある。
下部ブロック部材330は、図37〜図39に示すように、上端面の両端部にそれぞれロッド挿入孔331を有した直方体状を成すもので、一方の端面を戸先枠14の見込み面に当接し、かつ一方のロッド挿入孔331を制御ロッド310の下方延長域に配置した状態で下枠12の上面に固定してある。この下部ブロック部材330は、操作ハンドル401を内倒し位置に配置した場合にのみ挿入傾動突起313がロッド挿入孔331に挿入されるように予めその高さが設定してある。図4中の符号340は、下框23の下面から下方に向けて突出した摺動ブロックである。この摺動ブロック340は、障子20を閉めた場合に下部ブロック部材330の上面に当接することのできるように構成してある。
制御ブロック体320は、図37〜図39に示すように、互いに個別に成形した上部ブロック部材320A及び中間ブロック部材320Bを備えて構成したものである。上部ブロック部材320Aにはロック受け321が設けてあり、中間ブロック部材320Bには突起受け322が設けてある。上部ブロック部材320Aのロック受け321及び中間ブロック部材320Bの突起受け322は、それぞれ吊元枠13に向けて突出したものである。
ロック受け321は、障子20を閉めた状態で操作ハンドル401が施錠位置に配置された場合に制御ロッド310のロックピン311に対向する高さとなり、かつ操作ハンドル401が内開き位置及び内倒し位置に配置された場合にはロックピン311と非対向の高さとなる位置に配設してある。
突起受け322は、障子20を閉めた状態で操作ハンドル401が施錠位置及び内開き位置に配置された場合に制御ロッド310の開放防止突起312よりも下方に位置して非対向となり、かつ操作ハンドル401が内倒し位置に配置された場合に開放防止突起312よりも上方に位置して非対向の高さとなる位置に配置してある。操作ハンドル401が内開き位置から内倒し位置まで移動する間においては、突起受け322が開放防止突起312に対向する高さに配置されることになる。従って、操作ハンドル401が内開き位置と内倒し位置との間に配置されている間においては、開口枠10に対する障子20の室内側への移動が阻止されるため、障子20が室内側に脱落する事態を招来するおそれがない。
さらに、本実施の形態の施錠装置300では、図18、図19に示すように、障子20を室内側に倒した場合、中間ブロック部材320Bの突起受け322が制御ロッド310の開放防止突起312に対して上方に近接して位置するように構成してある。従って、障子20を室内側に倒した状態においては、開口枠10に対する障子20の上方への移動が制限されることになり、障子20が脱落する事態を招来するおそれがない。
図38、図39に示すように、本実施の形態では、中間ブロック部材320Bの上下両端部にそれぞれ当接ロッド部323を設けるようにしており、当接ロッド部323の端面を下部ブロック部材330の上面及び上部ブロック部材320Aの下面にそれぞれ当接させた状態で中間ブロック部材320B及び上部ブロック部材320Aがそれぞれ戸先枠14の見込み面に取り付けてある。下方の当接ロッド部323は、下部ブロック部材330の上面に当接させた場合に、中間ブロック部材320Bに設けた突起受け322の高さが上述した条件を満足するようにその長さが設定してある。上方の当接ロッド部323は、上部ブロック部材320Aの下面に当接させた場合に、上部ブロック部材320Aに設けたロック受け321の高さが上述した条件を満足するようにその長さが設定してある。
上述の施錠装置300によれば、下部ブロック部材330の上面に中間ブロック部材320B及び上部ブロック部材320Aを順次積み重ねることにより、制御ロッド310のロックピン311及び開放防止突起312に対してロック受け321及び突起受け322の高さ位置を正確に規定することができ、建具の組立作業を煩雑化することなく、障子20の円滑な開閉操作を保証することが可能となる。
しかも、上部ブロック部材320A及び中間ブロック部材320Bによって制御ブロック体320を構成しているため、制御ブロック体320を取り付ける位置が左右で逆となる勝手違いの障子20に対して上部ブロック部材320A及び中間ブロック部材320Bの共用化を図ることが可能となる。
尚、図4に示すように、本実施の形態においては、戸先框25の長手方向に沿って配置されるコーナードライブ500に補助ロックピン311Sを設ける一方、戸先枠14において補助ロックピン311Sに対応する部位に補助ロック受け321Sを有した補助ブロック部材320Sを設けるようにしている。これら補助ロックピン311S及び補助ロック部材は、制御ロッド310のロックピン311及び上部ブロック部材320Aのロック受け321と同様、操作ハンドル401が施錠位置に配置された場合にのみ互いに対向する高さとなるように構成したものである。
(中間作動装置400の構成)
中間作動装置400のスライドブロック410は、図40〜図42に示すように、装置本体420に対してスライド可能に配設したもので、ブロック本体411とラック部材412とを備えて構成してある。ブロック本体411は、厚板のブロック状を成すもので、装置本体420の外部に現れるものである。本実施の形態では、外観品質を考慮して、亜鉛合金によってブロック本体411を成形するようにしている。このブロック本体411には、室内側に位置する側縁部の3箇所にトリガ係合溝411a,411b,411cが設けてある。ラック部材412は、長手方向に沿って複数の噛み合い孔412aを設けた薄板状部材であり、ブロック本体411において装置本体420に対向する面にかしめて固定してある。本実施の形態では、ステンレス鋼等、ブロック本体411よりも強度及び耐摩耗性の高い金属によってラック部材412を構成している。装置本体420は、室外側に配置される本体基部421と、室内側に配置される本体蓋部422とを互いに連結することによって構成したもので、ラック溝423、ピニオン収容部424及びトリガ収容部425を有している。
ラック溝423は、装置本体420の一側面に形成した溝状の凹部であり、両端が開口している。このラック溝423は、図42に示すように、内底面423aに近接した部分が幅の広い逆T字状の断面を有するもので、その内部にスライドブロック410をスライド可能に支持している。
ピニオン収容部424は、図41に示すように、ラック溝423の長手方向に直交する軸を中心として装置本体420の内部に設けた円柱状の空所であり、外周部の一部がラック溝423の中央部に連通するように形成してある。ピニオン収容部424において円柱の中心となる部分には、装置本体420の両端面に貫通するようにハンドル挿入孔424aが形成してある。このピニオン収容部424には、ピニオン430が収容してある。ピニオン430は、中心部に矩形の装着孔431を有するとともに、外周に複数の歯部432を有したもので、歯部432をスライドブロック410の噛み合い孔412aに歯合させ、かつハンドル挿入孔424aを介して装着孔431を装置本体420の外部に露出させた状態で、ピニオン収容部424の内部に回転可能に配設してある。
トリガ収容部425は、図41、図42に示すように、ラック溝423とピニオン収容部424との間に形成した凹所であり、本体蓋部422に設けたラック溝423の側面に開口している。このトリガ収容部425には、トリガ部材440が収容してある。トリガ部材440は、ラック溝423の長手方向に沿って延在するトリガ本体441と、トリガ本体441において室外側に位置する両隅部から吊元側に向けて突出した一対のバネ受部442と、トリガ本体441の室内側に位置する縁部の中央部から戸先側に向けて突出した係合片部443とを有したもので、係合片部443を外部に露出した状態でトリガ収容部425に配設してある。図42に示すように、トリガ収容部425において本体蓋部422とトリガ部材440のバネ受部442との間には、それぞれトリガバネ444が設けてある。トリガバネ444は、装置本体420に対してトリガ部材440を常時室外側に付勢し、装置本体420の外部に露出した係合片部443をスライドブロック410の側縁部に押圧するものである。
図42の(a)からも明らかなように、トリガ部材440の係合片部443は、スライドブロック410よりも突出した状態にある。従って、障子20を閉じた状態においては、図42の(b)に示すように、戸先枠14に当接することにより、トリガバネ444の押圧力に抗して室内側に移動し、スライドブロック410の側縁部から離隔することになる。
上述の構成を有した中間作動装置400は、図13、図14に示すように、スライドブロック410が戸先框25の見込み面において上下方向に沿い、かつ装置本体420を戸先框25の内部に収容させた状態で戸先框25に取り付けてある。この中間作動装置400では、装置本体420に対してスライドブロック410を最も上方に配置し、スライドブロック410の最も下方のトリガ係合溝411aにトリガ部材440の係合片部443が係合した状態が施錠位置となり、操作ハンドル401の先端が鉛直下方に向いた状態でピニオン430の装着孔431に操作ハンドル401の基端部が装着されることになる。
トリガ部材440の係合片部443との係合状態を解除して操作ハンドル401を内開き位置に配置した場合には、スライドブロック410が下方にスライドするため、係合片部443が中央のトリガ係合溝411bに係合可能となり、さらに操作ハンドル401を内倒し位置に配置した場合には、スライドブロック410がさらに下方にスライドし、係合片部443が最も上方のトリガ係合溝411cに係合可能となる。
上述した中間作動装置400によれば、障子20が開いた場合、トリガ部材440の係合片部443がトリガ係合溝411a,411b,411cに係合することにより、装置本体420に対するスライドブロック410の移動が制限されるため、操作ハンドル401を操作することができない。従って、障子20が開いた状態では、開口枠10と障子20との間に設けた上方リンク機構240のロック/アンロック状態及び施錠装置300の施錠状態が不用意に切り替わることがないため、操作ハンドル401を内開き位置で開いた障子20をそのまま確実に閉じることができ、かつ操作ハンドル401を内倒し位置で倒した障子20をそのまま確実に閉じることができる。
また、障子20を開いた際に外部に露出するスライドブロック410については、ブロック本体411を亜鉛合金で成形しているため、外観品質の点で有利となる。しかも、ピニオン430に歯合するラック部材412については、強度及び耐摩耗性の高い金属によって成形してあるため、使用が長期にわたった場合にも中間作動装置400を確実に動作させることが可能である。
(コーナードライブ500の構成)
コーナードライブ500は、図43〜図47に示すように、ケース510の内部に帯状部材520をスライド可能に配設することによって構成したものである。
帯状部材520は、可撓性を有した金属製の薄板部材を複数枚重ね合わせて構成したもので、全長にわたってほぼ一様な幅を有している。帯状部材520の両端部には、それぞれスライダ521,522が連結してある。スライダ521,522は、複数の薄板部材をかしめる機能を有するとともに、上方連係部材403及び上框連係部材404との連結部になるものである。本実施の形態では、中間作動装置400のスライドブロック410と同様、スライダ521,522を亜鉛合金によって成形するようにしている。
帯状部材520の一方の端部に連結した上部連結スライダ521は、ブロック状を成す基部521aに連結ピン521bを備えたものである。図44からも明らかなように、上部連結スライダ521の基部521aは、帯状部材520の一方の端部に形成した2つのかしめ孔を覆うだけの寸法を有し、かつ帯状部材520よりもわずかに小さい幅に形成したもので、帯状部材520から外部に突出しない状態で一方の端部に取り付けてある。
帯状部材520の他方の端部に連結した下部連結スライダ522は、ガイド挿入部522a及びスライドガイド部522bを一体に成形したものである。ガイド挿入部522aは、帯状部材520よりわずかに小さい幅を有した角柱状を成すもので、帯状部材520の他方の端部から長手方向に突出した状態で帯状部材520に取り付けてある。スライドガイド部522bは、上方連係部材403と同様の断面形状を有するように構成したものである。
ケース510は、図46、図47に示すように、取付対象となる障子20の戸先框25に沿って延在する側方ガイド部511と、上框22に沿って延在する上方ガイド部512とを備えた略L字状を成すものである。コーナードライブ500のケース510は、障子20の外部に露出する構成である。このため、本実施の形態では、中間作動装置400のスライドブロック410と同様、亜鉛合金によってケース510が成形してある。上方ガイド部512において側方ガイド部511との連結部に近接する部分には、支持台部513が設けてある。支持台部513は、上方ガイド部512を上框22の上面に当接した場合に、上方ガイド部512の先端部と上框22の上面との間にスペースを確保するためのものである。
このケース510には、側方ガイド部511及び上方ガイド部512にそれぞれガイド通路511a,512aが形成してあるとともに、これらのガイド通路511a,512aの間に連係通路514が形成してある。それぞれのガイド通路511a,512a及び連係通路514は、帯状部材520をスライド可能に収容することのできる幅を有したものである。側方ガイド部511のガイド通路(以下、「側ガイド通路511a」という)及び上方ガイド部512のガイド通路(以下、「上ガイド通路512a」という)は、それぞれガイド部511,512の延在方向に沿って直線状に延在している。連係通路514は、側ガイド通路511aと上ガイド通路512aとの間を円弧状に連続させるものである。
側ガイド通路511a及び連係通路514は、ケース510において戸先框25及び上框22に対向する部位が全幅にわたって開放したもので、帯状部材520を面外方向へ移動させることが可能である。これら側ガイド通路511a及び連係通路514には、框25,22に対向した開放部分にカバー部材530が装着してある。カバー部材530は、樹脂材によって成形したもので、側ガイド通路511aを覆う側カバー部531と連係通路514を覆う連係カバー部532とが一体に成形してある。このカバー部材530は、側カバー部531及び連係カバー部532のそれぞれに設けた係合用突出部531a,532aをケース510の係合溝部511b,513aに係合させることによってケース510に着脱可能に保持してある。連係カバー部532の係合用突出部532aが係合する係合溝部513aは、上方ガイド部512に設けた支持台部513に設けてある。側カバー部531の係合用突出部531aが係合する係合溝部511bは、側ガイド通路511aの下端部内壁面に形成してある。
図46〜図48に示すように、連係カバー部532は、ケース510に装着した場合、連係通路514との間に帯状部材520を唯一挿通させることのできる空間を確保するように形成してある。一方、側カバー部531には、側ガイド通路511aに対向する部位に収容溝部533が設けてある。収容溝部533は、一対の壁部533aの間に下部連結スライダ522のガイド挿入部522aを収容することのできる空間を確保したものである。一対の壁部533aは、側ガイド通路511aとの間に帯状部材520を唯一挿通させることのできる空間を確保できるように形成してある。
上ガイド通路512aは、図44及び図47に示すように、帯状部材520の両側縁部をスライド可能に収容する一対のガイド溝部512a1と、一対のガイド溝部512a1の相互間に開口するスライド溝部512a2とを有したものである。スライド溝部512a2は、上方ガイド部512において上框22に対向する部位に形成したもので、帯状部材520に連結した上部連結スライダ521を通過させることのできる幅に形成してある。
上述の構成を有するコーナードライブ500では、ケース510の側ガイド通路511a及び連係通路514が框25,22に対向する部位の全幅にわたって開放してあるため、ケース510を型成形する場合にも型構造が複雑になるおそれもない。しかも、側ガイド通路511a及び連係通路514が框25,22に対向する部位の全幅にわたって開放し、かつ上ガイド通路512aにスライド溝部512a2を有したケース510に対しては、図47に示すように、予め帯状部材520に上部連結スライダ521及び下部連結スライダ522を連結した状態においても容易に配設することが可能である。すなわち、図45に示すように、ケース510に対しては、上部連結スライダ521を連結した帯状部材520の端部を連係通路514から上ガイド通路512aのガイド溝部512a1にそれぞれ挿入し、かつ上部連結スライダ521をスライド溝部512a2に挿入することが可能となる。その後、カバー部材530をケース510に装着すれば、ケース510に対して帯状部材520をスライド可能に配設したコーナードライブ500を構成することができる。
このコーナードライブ500は、上方ガイド部512に設けた支持台部513を上框22の上面に当接させた状態で側方ガイド部511を戸先框25の見込み面に固定し、上部連結スライダ521を上框22の上框連係部材404に連結するとともに、下部連結スライダ522を戸先框25の上方連係部材403に連結することにより、これら上框連係部材404と上方連係部材403との間を連係することが可能となる。
ここで、上述のコーナードライブ500によれば、支持台部513によってケース510の上方ガイド部512と上框22の上面との間にスペースが確保され、かつ上部連結スライダ521がスライド溝部512a2に沿ってスライド可能である。従って、上部連結スライダ521と上框連係部材404との連結位置を上方ガイド部512と上框22との間に設定することが可能であり、適用する障子20の寸法の小型化を図ることができる。
しかも、下部連結スライダ522の両側縁部とケース510との間には、樹脂材によって成形したカバー部材530の壁部533aが介在する。従って、上述のコーナードライブ500によれば、下部連結スライダ522がスライドする際に両側縁部が樹脂材の壁部533aに摺接することになり、下部連結スライダ522のスライドを円滑化することができる。
尚、上述した実施の形態では、下方框ヒンジブラケット130を障子20の吊元框24に取り付ける構造について例示しているが、枠に対してヒンジブラケットを取り付ける場合にも適用することが可能である。
24 吊元框、26 框側取付片、26a 屈曲部、27 框側ガイド溝、130 下方框ヒンジブラケット、132 下方框取付部、132b 下方框側突起挿入孔、132c 挿入部、170 下方框裏板、171 下方框挟持部、171b 下方框裏板突起、171c 保持用ネジ孔、180 裏板保持用ネジ、181 取付ネジ

Claims (4)

  1. フレームの取付面に、それぞれの突出端部が互いに近接する方向に屈曲した一対の取付片を設け、それぞれの取付片の屈曲部と前記取付面との間に構成されるガイド溝に裏板を挿入した状態でヒンジブラケットを介して前記裏板に取付ネジを螺合することにより、前記ヒンジブラケット及び前記裏板の間に前記一対の取付片の屈曲部を挟持して前記フレームの取付面に前記ヒンジブラケットを保持させるようにしたヒンジブラケットの取付構造であって、
    前記ヒンジブラケットは、前記一対の取付片を覆う大きさを有し、かつ前記裏板において前記ガイド溝に挿入される部分を避けた位置にそれぞれの前記ガイド溝に挿入される挿入部を有したものであり、
    前記裏板とともに前記ヒンジブラケットの挿入部を前記フレームのガイド溝に挿入し、前記ヒンジブラケットを介して前記裏板に取付ネジを螺合させることを特徴とするヒンジブラケットの取付構造。
  2. 前記ヒンジブラケット及び前記裏板のいずれか一方に突起を設けるとともに、いずれか他方に前記突起を挿入する挿入孔を形成したことを特徴とする請求項1に記載のヒンジブラケットの取付構造。
  3. 前記裏板には、前記ヒンジブラケットとともに前記ガイド溝に挿入した状態で外部に露出し、螺合した場合に先端部が前記取付面に向けて突出する裏板保持用ネジを設けたことを特徴とする請求項1に記載のヒンジブラケットの取付構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の取付構造を適用して障子の縦框に框ヒンジブラケットを取り付け、かつ下端部に球状部を有したヒンジ軸を前記框ヒンジブラケットに固定する一方、開口枠の縦枠に前記ヒンジ軸の球状部を転動可能に収容する球受け凹部を有した枠ヒンジブラケットを取り付けることにより構成し、前記ヒンジ軸の球状部を前記枠ヒンジブラケットの球受け凹部に収容させることにより、前記枠ヒンジブラケットに対して前記框ヒンジブラケットを上下方向に沿った軸心を中心として回転可能、かつ前記ヒンジ軸の球状部を中心として傾動可能に支持したことを特徴とする建具。
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