JP2016074901A - 繊維処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】被洗物に付着した汚れを除去する効果をより高められる繊維処理剤の提供。【解決手段】(A)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(a1)並びにオキシアルキレン単位(a2)を有する水溶性ポリマーと、(B)成分:平均繰り返し数が4以上のオキシエチレン基を含むポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩と、を含有し、(A)成分/(B)成分で表される質量比が0.5以上である、繊維処理剤。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維処理剤に関する。
家庭における衣料用洗浄剤として液体洗浄剤が多く用いられるようになってきている。衣料用洗浄剤には、衣料等(被洗物)に付着した種々の汚れを除去する洗浄効果を有していることが必要である。中でも、落ちにくい皮脂汚れ等の油汚れを除去できる高い洗浄効果が求められる。
近年、ドラム式洗濯機に代表される大容量洗濯機や節水型洗濯機が普及している。これに伴い、たくさんの被洗物がまとめて洗われたり、水が少ない低浴比の条件下で洗濯が行われたりするようになってきている。このようにして洗濯が行われた場合、特にポリエステル繊維等の疎水性の化学繊維において、油汚れを充分に除去しきれない、という問題があった。
かかる問題に対して、例えば特許文献1には、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位、並びにオキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位を有する水溶性ポリマーと、界面活性剤と、を含有する液体洗浄剤が開示されている。この液体洗浄剤においては、ポリエステル繊維に付着した疎水性汚れを除去する効果の向上が図られている。
特開2005−187695号公報
ところで、最近では、速乾性、保温性、吸湿性等の様々な特性を有する機能性衣料が増えている。かかる機能性衣料は、例えばポリエステル繊維とこれ以外の繊維(ポリウレタン繊維等)とから構成され、これらの繊維の組合せ若しくは構成比率、又は加工方法が異なるなど、多種多様なものがある。
このような機能性衣料を、特許文献1に記載の液体洗浄剤を用いて洗濯した場合、水溶性ポリマーの配合効果が充分に発揮されず、機能性衣料に付着した汚れを除去する効果が不充分であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被洗物に付着した汚れを除去する効果をより高められる繊維処理剤を課題とする。
本発明者らは、機能性衣料に付着した汚れ除去についての検討の中で、特定の水溶性ポリマーと、オキシエチレン基の平均繰り返し数が4以上である特定のアニオン界面活性剤と、を所定の比率で組み合わせて用いることによって、被洗物から洗浄液中にいったん除去された汚れが再び被洗物に付着するのを防ぐ効果(再汚染防止効果)、及び、被洗物に付着した汚れを落ちやすくする効果(ソイルリリース効果)が共に高まることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の繊維処理剤は、(A)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(a1)並びにオキシアルキレン単位(a2)を有する水溶性ポリマーと、(B)成分:下記一般式(b1)で表される化合物と、を含有し、(A)成分/(B)成分で表される質量比が0.5以上であることを特徴とする。
Figure 2016074901
[式中、Rは、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。POはオキシプロピレン基を表し、EOはオキシエチレン基を表す。mは、POの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。nは、EOの平均繰り返し数を表し、4以上の数である。Mは対カチオンである。]
本発明の繊維処理剤によれば、被洗物に付着した汚れを除去する効果をより高めることができる。
本発明の繊維処理剤は、(A)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(a1)並びにオキシアルキレン単位(a2)を有する水溶性ポリマーと、(B)成分:一般式(b1)で表される化合物と、を含有する。
本発明の繊維処理剤は、家庭用として好適に利用可能であり、衣料用として特に好適である。該繊維処理剤は、通常の洗濯用の洗浄剤として用いてもよく、通常の洗濯の前に行う予洗い等の処理に使われる前処理剤として用いてもよい。
洗浄対象となる被洗物の種類は、家庭における洗濯で洗浄対象とされているものと同様のものが挙げられ、例えば衣料、布巾、タオル類、シーツ等の繊維製品などが例示される。
本発明の繊維処理剤は、液体状組成物であってもよく、固体状組成物であってもよい。かかる繊維処理剤の好適な実施形態としては、(A)成分と(B)成分とを溶媒に溶解させた液体状組成物が挙げられる。
<(A)成分:特定の水溶性ポリマー>
本発明の繊維処理剤における(A)成分は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(a1)と、オキシアルキレン単位(a2)と、を有する水溶性ポリマーである。(A)成分を含有することで、主としてソイルリリース効果が発現し、加えて、再汚染が生じにくくなる。
本発明において「単位」とは、重合体を構成するモノマー単位をいう。
(A)成分について「水溶性ポリマー」とは、1リットルビーカー内で、ポリマー10gを、40℃の水1000gに添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm)により12時間撹拌(200rpm)した後に溶解しているポリマーをいう。
・特定の繰り返し単位(a1)について
特定の繰り返し単位(a1)のうち、アルキレンテレフタレート単位(以下この繰り返し単位を「繰り返し単位(a11)」ともいう)としては、下記一般式(a1−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2016074901
前記式(a1−1)中、R21は、低級アルキレン基である。
21における低級アルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、より好ましくは炭素数4以下であり、特に好ましくは炭素数2〜4である。
繰り返し単位(a11)として具体的には、エチレンテレフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位、n−ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンテレフタレート単位等が挙げられる。中でも、プロピレンテレフタレート単位が好ましい。
繰り返し単位(a11)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特定の繰り返し単位(a1)のうち、アルキレンイソフタレート単位(以下この繰り返し単位を「繰り返し単位(a12)」ともいう)としては、下記一般式(a1−2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2016074901
前記式(a1−2)中、R22は、低級アルキレン基である。
22における低級アルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、より好ましくは炭素数4以下であり、特に好ましくは炭素数2〜4である。
繰り返し単位(a12)として具体的には、エチレンイソフタレート単位、プロピレンイソフタレート単位、n−ブチレンイソフタレート単位、sec−ブチレンイソフタレート単位、tert−ブチレンイソフタレート単位等が挙げられる。中でも、プロピレンイソフタレート単位が好ましい。
繰り返し単位(a12)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
繰り返し単位(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。すなわち、(A)成分は、その1高分子中に、繰り返し単位(a1)として、繰り返し単位(a11)のみを有していてもよく、繰り返し単位(a12)のみを有していてもよく、繰り返し単位(a11)と繰り返し単位(a12)との両方を有していてもよい。また、繰り返し単位(a11)を2種以上、及び/又は、繰り返し単位(a12)を2種以上有していてもよい。
繰り返し単位(a1)は、1高分子中に、1つの状態で導入されていてもよく、2つ以上が繰り返された状態(ブロック状)で導入されていてもよい。
(A)成分における1高分子が有する繰り返し単位(a1)の数は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜6であり、さらに好ましくは2〜4である。
繰り返し単位(a1)の数が、前記の好ましい下限値以上であると、被洗物に付着した汚れがより除去されやすくなり、一方、前記の好ましい上限値以下であると、液体状組成物とした際に液安定性がより向上する。
・オキシアルキレン単位(a2)について
オキシアルキレン単位(以下この繰り返し単位を「繰返し単位(a2)」ともいう)としては、下記一般式(a2−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2016074901
前記式(a2−1)中、R23は、低級アルキレン基である。
23における低級アルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、より好ましくは炭素数4以下であり、特に好ましくは炭素数2又は3である。
繰り返し単位(a2)として具体的には、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシブチレン単位等が挙げられる。中でも、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位が好ましく、オキシエチレン単位がより好ましい。
繰り返し単位(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。すなわち、(A)成分は、その1高分子中に、繰り返し単位(a2)として、例えば、オキシエチレン単位のみを有していてもよく、オキシプロピレン単位のみを有していてもよく、オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との両方を有していてもよい。中でも、オキシエチレン単位のみを有していることが好ましい。
また、(A)成分は、その1高分子中に、繰り返し単位(a2)として、オキシアルキレン基(繰り返し単位(a2)の繰り返し数が1のもの)を有していてもよく、ポリオキシアルキレン基(繰り返し単位(a2)の繰り返し数が2以上のもの)を有していてもよく、オキシアルキレン基とポリオキシアルキレン基との両方を有していてもよい。
(A)成分における1高分子が有する繰り返し単位(a2)の数は、1以上であり、好ましくは5〜150であり、より好ましくは10〜100である。
繰り返し単位(a2)の数が、前記の好ましい下限値以上であると、液体状組成物とした際に液安定性がより向上し、一方、前記の好ましい上限値以下であると、被洗物に付着した汚れがより除去されやすくなる。
(A)成分は、繰り返し単位(a1)と繰り返し単位(a2)とがブロック状に重合しているポリマーでもよく、ランダム状に重合しているポリマーでもよく、これらの中でもブロック状に重合しているポリマーが好ましい。
(A)成分は、繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)に加えて、その他の繰り返し単位を有していてもよい。その他の繰り返し単位としては、重合開始剤や重合停止剤等に由来する繰り返し単位、繰返し単位(a1)又は繰返し単位(a2)を提供するモノマーと共重合可能なモノマーに由来する繰り返し単位等が挙げられる。
(A)成分中にその他の繰り返し単位を有する場合、繰り返し単位(a1)と繰り返し単位(a2)との合計は、(A)成分を構成する全部の繰り返し単位の合計に対して、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。繰り返し単位(a1)と繰り返し単位(a2)との合計が、前記の好ましい下限値以上であると、被洗物に付着した汚れがより除去されやすくなる。
(A)成分の重量平均分子量は、500〜8000が好ましい。(A)成分の重量平均分子量の下限値は、800以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。(A)成分の重量平均分子量の上限値は、7000以下がより好ましく、6000以下がさらに好ましい。
(A)成分の重量平均分子量が、前記の好ましい下限値以上であれば、被洗物に付着した汚れがより除去されやすくなり、一方、前記の好ましい上限値以下であれば、(A)成分の水への溶解分散性がより向上する。また、液体状組成物とした際に液外観がより良好となり、実使用上好ましい。
ここでいう「重量平均分子量」は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)における較正曲線に基づいて換算した値を示す。
(A)成分は、各種の文献、教科書及び特許等に開示されている合成方法、例えば、Journal of Polymer Science,第3巻,609〜630ページ(1948年);Journal of Polymer Science,第8巻,1〜22ページ(1951年);特開昭61−218699号公報に記載の方法等により製造することができる。
(A)成分の好適な具体例としては、下記の一般式(A−p1)で表される高分子、一般式(A−p2)で表される高分子、又はこれらの混合物を含むものが挙げられる。
Figure 2016074901
前記式(A−p1)、(A−p2)中、R20及びR30は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、それぞれメチル基であることが好ましく、いずれもメチル基であることがより好ましい。
24及びR27は、それぞれメチル基又は水素原子であり、それぞれメチル基であることが好ましい。
25、R26、R28及びR29は、それぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基である。
s1及びs2は、それぞれ1〜10であり、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜2.5である。t1、t2、u1及びu2は、それぞれ独立して1〜100であり、好ましくは1〜80であり、より好ましくは1〜50である。s1、s2、t1、t2、u1及びu2が前記の好ましい範囲であると、(A)成分の配合効果が充分に発揮されやすくなる。また、水に対する溶解性がより向上し、透明感の高い液体状組成物が得られやすくなる。
また、好ましい(A)成分としては、前記の一般式(A−p1)における、「−C(=O)−O−CH(R24)−CH−O−」の部分が「−C(=O)−O−CH−CH(R24)−O−」に置換された構造を有する高分子を含むものも挙げられる。
また、好ましい(A)成分としては、前記の一般式(A−p2)における、「−C(=O)−O−CH(R27)−CH−O−」の部分が「−C(=O)−O−CH−CH(R27)−O−」に置換された構造を有する高分子を含むものも挙げられる。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の具体例としては、商品名TexCare SRN−100(ドイツ、Clariant Gmb H製、重量平均分子量3000)、商品名TexCare SRN−300(ドイツ、Clariant Gmb H製、重量平均分子量7000)等の市販されているものが挙げられる。
これらの中では、水への溶解性が高く、透明感の高い液体状組成物が得られやすいことから、TexCare SRN−100が好ましい。特に好ましくはTexCare SRN−100の70質量%水溶液であり、商品名TexCare SRN−170(クラリアントジャパン株式会社製)として市販されているものを用いることができる。
TexCare SRN−100、TexCare SRN−300は、それぞれ、前記の一般式(A−p1)で表される高分子と、一般式(A−p2)で表される高分子と、の混合物を含む高分子化合物である。
繊維処理剤中の(A)成分の含有量は、剤型(液体状、固体状)等を勘案して決定され、例えば繊維処理剤が通常の洗濯用の洗浄剤として用いられる液体状組成物(液体洗浄剤)である場合、(A)成分の含有量は、繊維処理剤の総質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。
繊維処理剤が予洗い等の処理に使われる前処理剤として用いられる液体状組成物(液体状の前処理剤)である場合、(A)成分の含有量は、繊維処理剤の総質量に対して0.1〜25質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜25質量%であり、さらに好ましくは0.5〜20質量%である。
(A)成分の含有量が、前記の好ましい下限値以上であると、被洗物に付着した汚れがより除去されやすくなる。一方、前記の好ましい上限値以下であると、繊維処理剤の外観の安定性を良好に維持することができる。
<(B)成分:一般式(b1)で表される化合物>
本発明の繊維処理剤における(B)成分は、下記一般式(b1)で表される化合物である。(B)成分を含有することで、再汚染が生じにくくなり、加えて、ソイルリリース効果が高まる。
Figure 2016074901
[式中、Rは、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。POはオキシプロピレン基を表し、EOはオキシエチレン基を表す。mは、POの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。nは、EOの平均繰り返し数を表し、4以上の数である。Mは対カチオンである。]
前記式(b1)中、Rにおけるアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、8〜20であり、炭素数8〜18が好ましく、炭素数8〜16がより好ましく、炭素数8〜14がさらに好ましい。Rとしては、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数8〜20の直鎖状のアルキル基がより好ましい。
前記式(b1)中、mは、0〜6の数であり、0〜3の数が好ましく、0がより好ましい。
前記式(b1)中、nは、4以上の数であり、4〜60の数が好ましく、5〜60の数がより好ましく、8〜60の数がさらに好ましく、20〜60の数が特に好ましい。nが、前記の下限値以上であることによって、被洗物に付着した汚れを除去する効果の更なる向上が図れる。一方、前記の好ましい上限値以下であることによって、(B)成分の水への溶解性が高まり、液体状組成物とした際に外観の安定性を良好に維持することができる。前記の好ましい上限値を超えると、液体状組成物とした際に外観の安定性を確保し難くなる。
尚、ここでのmはPOの「平均」繰り返し数、nはEOの「平均」繰り返し数をそれぞれ示している。m及びnは、それぞれ加重平均値を意味する。したがって、一般式(b1)で表される化合物は、PO及び/又はEOの繰り返し数が異なる分子の集合体である。
m及びnは、例えばガスクロマトグラフ質量分析計を用いて測定することができる。
前記式(b1)中、Mは、対カチオンである。該対カチオンとなるMとしては、RO−[(PO)/(EO)]−SO とともに水溶性の塩を形成し得るものが挙げられる。Mとして具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム(NH)、アルカノールアンモニウム等が挙げられ、アルカリ金属、アンモニウムが好ましい。
アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。アルカノールアンモニウムとしては、モノエタノールアンモニウム(NH(CHCHOH))、ジエタノールアンモニウム(NH(CHCHOH))、トリエタノールアンモニウム(NH(CHCHOH))等が挙げられる。Mがアルカリ土類金属である場合は、(RO−[(PO)/(EO)]−SO とともに水溶性の塩を形成し得る。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
繊維処理剤中の(B)成分の含有量は、剤型(液体状、固体状)等を勘案して決定され、例えば繊維処理剤が液体洗浄剤である場合、(B)成分の含有量は、繊維処理剤の総質量に対して、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.2〜1.5質量%がさらに好ましい。
繊維処理剤が液体状の前処理剤である場合、(B)成分の含有量は、繊維処理剤の総質量に対して0.05〜25質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%であり、さらに好ましくは0.2〜10質量%である。
(B)成分の含有量が、前記の好ましい下限値以上であると、本発明の効果がより得られやすくなる。一方、前記の好ましい上限値以下であると、繊維処理剤の外観の安定性を良好に維持することができる。
例えば繊維処理剤が液体洗浄剤である場合、繊維処理剤中、(A)成分と(B)成分との合計の含有量は、繊維処理剤の総質量に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。
繊維処理剤が液体状の前処理剤である場合、繊維処理剤中、(A)成分と(B)成分との合計の含有量は、繊維処理剤の総質量に対して、1質量%以上が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、4〜30質量%がさらに好ましい。
(A)成分と(B)成分との合計の含有量が、前記の好ましい下限値以上であると、本発明の効果が得られやすくなり、一方、前記の好ましい上限値以下であると、繊維処理剤の外観の安定性を良好に維持することができる。
本発明において、「(A)成分/(B)成分で表される質量比」とは、繊維処理剤(液体状組成物)に含まれる(B)成分の含有量(質量%)に対する、(A)成分の含有量(質量%)の割合を意味する。
かかる(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下「(A)/(B)質量比」と表記する。)は、0.5以上であり、0.5〜10が好ましく、0.5〜7がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。
かかる(A)/(B)質量比が、前記の下限値以上であれば、被洗物に付着した汚れを除去する効果をより高められる。また、(A)/(B)質量比が、前記の好ましい上限値以下であれば、繊維処理剤の外観の安定性をより良好に維持することができる。
<溶媒>
本発明の繊維処理剤が液体状組成物である場合、繊維処理剤の調製しやすさ、使用する際の水への溶解性等の観点から、溶媒として水を含有することが好ましい。
繊維処理剤(液体状組成物)中、水の含有量は、繊維処理剤の総質量に対して、50〜95質量%が好ましく、65〜95質量%がより好ましい。
<任意成分>
本発明の繊維処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、特に限定されず、通常、衣料用の液体洗浄剤に配合される成分が挙げられ、例えば以下に示すものが挙げられる。
本発明の繊維処理剤においては、上記の(B)成分以外の界面活性剤を用いてもよい。この場合、かかる繊維処理剤は、通常の洗濯用の洗浄剤として好適に用い得る。
(B)成分以外の界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、(B)成分を除くアニオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数3〜20のポリオキシエチレンアルキルエーテル;炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜10のアルキルポリグルコシド;炭素数8〜18のアルキル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル;炭素数10〜20の脂肪酸ジエタノールアミド;炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数1〜30のメトキシポリオキシエチレンアルカノエート等が挙げられる。
(B)成分を除くアニオン界面活性剤としては、炭素数8〜16のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するアルカンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩;炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数1〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、炭素数10〜16のアルキル基を有するアルキルアミンオキシド、炭素数10〜14のアルキル基を有するアルキルアミドプロピルベタイン等が挙げられる。
(B)成分以外の界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
例えば繊維処理剤が液体状組成物である場合、繊維処理剤中、(B)成分以外の界面活性剤の含有量は、繊維処理剤の総質量に対して、50質量%以下が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。
また、繊維処理剤(液体状組成物)中、(B)成分とこれ以外の界面活性剤との合計の界面活性剤の含有量は、繊維処理剤の総質量に対して、1〜50質量%が好ましく、2〜40質量%がより好ましい。
また、本発明の繊維処理剤には、必要に応じて、過酸化水素、ハイドロトロープ剤、粘度調整・組成安定性向上剤、再汚染防止剤、酵素、酵素安定化剤、風合い向上剤、蛍光増白剤、抗菌剤、色素、酸化防止剤、香料、pH調整剤などを用いてもよい。
繊維処理剤(液体状組成物)のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。
pH調整剤としては、硫酸等の無機酸、水酸化ナトリウム等の無機塩基を添加することができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の繊維処理剤(液体状組成物)は、25℃におけるpHが4〜8が好ましく、pH4〜7がより好ましく、pH4〜6がさらに好ましい。pHが前記の好ましい範囲にあると、本発明の効果がより得られやすくなる。
本発明において、繊維処理剤(液体状組成物)のpH(25℃)は、PS11瓶(ガラス瓶)などの容器に試料を入れ、恒温槽内にて25℃に調整し、pHメーター(例えばガラス電極、緩衝液として3.33mol/L−KClを使用)により測定される値を示す。
本発明の繊維処理剤(液体状組成物)は、定法により、溶媒と、(A)成分と、(B)成分と、必要に応じてその他の任意成分と、を混合することによって製造される。
本発明の繊維処理剤が固体状組成物である場合、この繊維処理剤は、例えばドライブレンド法、乾式造粒法、撹拌造粒法、押出造粒法、粉砕造粒法、噴霧乾燥法等によって製造される。
以上説明した本発明の繊維処理剤は、(A)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(a1)並びにオキシアルキレン単位(a2)を有する水溶性ポリマーと、(B)成分:一般式(b1)で表される化合物と、を(A)成分/(B)成分で表される質量比が0.5以上となるように組み合わせて用いることにより、被洗物に付着した汚れを除去する効果をより高められる。加えて、機能性衣料に付着した汚れが充分に除去される。
かかる効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推測される。
本発明の繊維処理剤において、(A)成分である水溶性ポリマーは、オキシアルキレン単位(a2)を有する。(B)成分は、オキシエチレン基(EO)の平均繰り返し数が4以上であり、汎用のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(EOの平均繰り返し数3)に比べて、EOの平均繰り返し数が大きいものである。
これらの(A)成分と(B)成分との組合せにおいては、洗浄液中で、オキシアルキレン単位(a2)とオキシエチレン基(EO)との間で相互作用が働くことで、機能性衣料に、(A)成分だけでなく(B)成分も吸着する。このため、被洗物に(A)成分だけが吸着する場合に比べて、被洗物に付着した汚れが落ちやすくなる(ソイルリリース効果に優れる)。加えて、本発明の繊維処理剤を通常の洗濯用の洗浄剤として用いる場合、被洗物から洗浄液中にいったん除去された汚れが再び被洗物に付着しにくくなる(再汚染防止効果に優れる)。以上により、本発明の繊維処理剤によれば、かかる効果が得られる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
各例の繊維処理剤(液体状組成物)の組成を表1〜2に示した。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
・(A)成分:特定の繰り返し単位(a1)とオキシアルキレン単位(a2)とを有する水溶性ポリマー
A−1:ソイルリリースポリマー、ポリエチレングリコールとジメチルテレフタレートとの重縮合物、重量平均分子量3000、クラリアントジャパン株式会社製、商品名「TexCare SRN−170」。このA−1は、上述した「水溶性ポリマー」の定義(即ち、1リットルビーカー内で、ポリマー10gを、40℃の水1000gに添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm)により12時間撹拌(200rpm)した後に溶解しているポリマー)を満たすものであった。
・(B)成分:一般式(b1)で表される化合物
B−1:ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数(C)13)エーテル硫酸ナトリウム塩、エチレンオキシドの平均付加モル数5、日本乳化剤株式会社製、商品名「ニューコール−1305−SN」。一般式(b1)中のR=炭素数13のアルキル基、m=0、n=5、M=ナトリウムイオン。
B−2:ポリオキシエチレンアルキル(C12,13)エーテル硫酸アンモニウム塩、エチレンオキシドの平均付加モル数8、日本乳化剤株式会社製、商品名「ニューコール−2308−SF」。一般式(b1)中のR=炭素数12のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、m=0、n=8、M=アンモニウムイオン。
B−3:ポリオキシエチレンアルキル(C13)エーテル硫酸ナトリウム塩、エチレンオキシドの平均付加モル数20、ライオン株式会社製、商品名「サンノールTD−3130」。一般式(b1)中のR=炭素数13のアルキル基、m=0、n=20、M=ナトリウムイオン。
B−4:ポリオキシエチレンアルキル(C12,13)エーテル硫酸ナトリウム塩、エチレンオキシドの平均付加モル数60、日本乳化剤株式会社製、商品名「ニューコール−2360−SN」。一般式(b1)中のR=炭素数12のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、m=0、n=60、M=ナトリウムイオン。
・(B’)成分:(B)成分の比較成分
B’−1:ポリオキシエチレンアルキル(C12)エーテル硫酸ナトリウム塩、エチレンオキシドの平均付加モル数3、ライオン株式会社製、商品名「サンノールLMT−1430」。一般式(b1)中のR=炭素数12のアルキル基、m=0、n=3、M=ナトリウムイオン。
・任意成分
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(15):炭素数12,14のアルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの混合物、質量比C12OH/C14OH=75/25)にエチレンオキシドが付加したノニオン界面活性剤、エチレンオキシドの平均付加モル数15、ライオンケミカル株式会社製、商品名「LMAO−90」。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(6):炭素数12,14のアルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの混合物、質量比C12OH/C14OH=75/25)にエチレンオキシドが付加したノニオン界面活性剤、エチレンオキシドの平均付加モル数6、ライオンケミカル株式会社製、商品名「レオックスCL−60」。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸:ライオン株式会社製、商品名「ライポンLH−200」。
過酸化水素:35%工業用過酸化水素、三菱ガス化学株式会社製。
ポリエチレングリコール:重量平均分子量1000、ライオンケミカル株式会社製、商品名「PEG#1000−L60」。
安息香酸ナトリウム:株式会社伏見製薬所製、商品名「安息香酸ナトリウム」。
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP):ローディア社製、商品名「BRIQUEST ADPA」、キレート剤。
p−メトキシフェノール:川口化学工業株式会社製、商品名「MQ−F」、ラジカルトラップ剤。
NaOH:pH調整剤、鶴見曹達株式会社製。
水:溶媒。
<繊維処理剤(液体状組成物)の調製>
表1〜2に示す組成(配合成分、含有量(質量%))に従い、下記の製造方法により各例の繊維処理剤をそれぞれ調製した。表に示す含有量は、配合成分の含有量(純分換算量)を示す。表中、空欄は、その配合成分が配合されていないことを意味する。
「(A)/(B)質量比」は、(A)成分/(B)成分で表される質量比、と同義であり、繊維処理剤に含まれる(B)成分の含有量(質量%)に対する、(A)成分の含有量(質量%)の割合を意味する。比較例2については、(A)成分/(B’)成分で表される質量比を示している。
(実施例1)
マグネットスターラー(MITAMURA RIKEN KOGYO INC.製)上に、1リットルスケールのガラスビーカーを設置した。
このガラスビーカー内に、水を加え、そこへ(A)成分と、(B)成分と、pH調整剤以外の任意成分と、を加えて充分に撹拌し、その後、pH調整剤を添加してpH(25℃)を6.0に調整し、繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
この繊維処理剤のpH(25℃)は、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製;緩衝液として3.33mol/L−KClを使用)を用い、25℃に調温した溶液に、前記pHメーターのガラス電極を入れ、2分後の値を読み取ることにより測定した。
(実施例2)
ポリエチレングリコールを配合しない以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(実施例3)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(15)及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を配合しない以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(実施例4)
pH(25℃)を4.0に調整した以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(実施例5)
pH(25℃)を7.0に調整した以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(実施例6)
任意成分として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(15)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸6質量%、ポリエチレングリコール及び安息香酸ナトリウムの代わりに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(6)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸1質量%、過酸化水素、HEDP及びp−メトキシフェノールを用いた以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(実施例7)
(B)成分としてB−3の代わりにB−1を用いた以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(実施例8)
(B)成分としてB−3の代わりにB−2を用いた以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(実施例9)
(B)成分としてB−3の代わりにB−4を用いた以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(実施例10〜14)
表2中に示す(A)/(B)質量比となるように、A−1及びB−3の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(比較例1)
A−1の含有量を2質量%に変更し、かつ、(B)成分を配合しない以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(比較例2)
(B)成分の代わりに、(B’)成分としてB’−1を用いた以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(比較例3)
A−1を配合しない以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(比較例4、5)
表2中に示す(A)/(B)質量比となるように、A−1及びB−3の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
(比較例6)
A−1を配合せず、かつ、B−3の含有量を2質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして繊維処理剤(液体状組成物)を得た。
Figure 2016074901
Figure 2016074901
<繊維処理剤の評価>
各例の繊維処理剤(液体状組成物)を用いて、以下に示す評価方法により、「機能性衣料に付着した汚れを落ちやすくする効果(ソイルリリース効果)の評価」、及び、「機能性衣料に対する再汚染を防ぐ効果(再汚染防止効果)の評価」をそれぞれ行った。
≪機能性衣料に付着した汚れを落ちやすくする効果(ソイルリリース効果)の評価≫
前記マグネットスターラー上に、100mLビーカーを設置した。このビーカー内に、実施例1〜14及び比較例1〜6の各繊維処理剤(液体状組成物)66.6mgと、イオン交換水100gと、を入れてマグネットスターラーで撹拌し、洗浄液(繊維処理剤濃度666ppm)を調製した。
この洗浄液に、5cm×5cmに裁断した機能性衣料(株式会社ユニクロ製、エアリズムクルーネックT半袖男性用、白、ポリエステル86%、ポリウレタン14%)5枚を入れ、10分間マグネットスターラーで撹拌した。この後、前記機能性衣料を、室温で3時間以上放置し、完全に乾燥させた。
その後、別の100mLビーカー内に、イオン交換水100gと、上記で処理した5枚の機能性衣料と、を入れて3分間撹拌し、次いで、その機能性衣料5枚を取り出し、金網上に広げた状態で載せ、2時間以上乾燥させた。
次に、上記方法で乾燥処理した機能性衣料(原布)5枚に、オイルレッド濃度が0.03質量%の人工汚垢油(オレイン酸、トリオレイン、スクアレン、流動パラフィン、コレステロール及びコレステロールオレートの混合物)0.80μLを塗布し、12時間以上乾燥させた。
その後、前記人工汚垢油を塗布した機能性衣料(洗浄前の機能性衣料)5枚を、Terg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いて、10分間洗浄(120rpm、25℃、3°DH水道水、浴比20倍、洗浄剤としてNANOXを標準使用濃度で使用)し、次いで、二槽式洗濯機(株式会社東芝製)を用いて3分間流水すすぎを行い、1分間脱水した。
脱水後の機能性衣料5枚を自然乾燥した後、反射率計(日本電色工業株式会社製)を用い、かかる機能性衣料(洗浄後の機能性衣料)に対して、赤みを示す指標a値を計測し、下式より洗浄率を求めた。
洗浄率(%)=(洗浄後の機能性衣料のa値−洗浄前の機能性衣料のa値)/(原布のa値−洗浄前の機能性衣料のa値)×100
機能性衣料5枚の洗浄率の平均値を求めた。この平均値を指標とした下記の評価基準に従い、機能性衣料に付着した汚れを落ちやすくする効果(ソイルリリース効果)について評価した。その結果を表3に示す。
評価基準
◎:洗浄率が20%以上。
○:洗浄率が15%以上20%未満。
△:洗浄率が10%以上15%未満。
×:洗浄率が10%未満。
Figure 2016074901
表3に示す結果から、本発明を適用した実施例の繊維処理剤は、比較例の繊維処理剤に比べて、ソイルリリース効果に優れていることが確認できる。
これより、かかる実施例の繊維処理剤は、通常の洗濯の前に行う予洗い等の処理に使われる前処理剤として好適であると言える。
≪機能性衣料に対する再汚染を防ぐ効果(再汚染防止効果)の評価≫
水道水900mLと、実施例1、2、4、5、7〜14及び比較例1〜6の各例の繊維処理剤(液体状組成物)0.6gと、をTerg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)に入れ、120rpmで1分間撹拌した。
次いで、湿式人工汚染布(5cm×5cm)5枚と、5cm×5cmに裁断した機能性衣料(株式会社ユニクロ製、エアリズムクルーネックT半袖男性用、白、ポリエステル86%、ポリウレタン14%)5枚と、浴比が20倍となるのに必要な量の肌シャツ(BVD社製、3cm×3cmに裁断したもの)と、を入れて10分間洗浄(120rpm、15℃、3°DH水道水)した。
その後、ザルに空けて洗浄液を除き、湿式人工汚染布5枚と、機能性衣料5枚と、を2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水した。
次いで、Terg−O−Tometerに、脱水後の湿式人工汚染布5枚及び機能性衣料5枚と、水道水900mLと、を入れ、Terg−O−Tometer浴中で、3分間すすいだ。次いで、湿式人工汚染布5枚と、機能性衣料5枚と、を2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水した。かかる操作(すすぎ3分間、脱水1分間)を5回繰り返した。
この後、機能性衣料5枚を自然乾燥した後、反射率計(日本電色工業株式会社製)を用い、かかる機能性衣料(洗浄後の機能性衣料)の反射率を測定した。そして、機能性衣料における、洗浄前の反射率と、洗浄後の反射率と、の差を再汚染度(ΔWB)として算出した。
機能性衣料5枚の再汚染度(ΔWB)の平均値を求めた。このΔWBの平均値を指標とした下記の評価基準に従い、機能性衣料に対する再汚染を防ぐ効果(再汚染防止効果)について評価した。その結果を表4に示す。
評価基準
◎:ΔWBが6以下。
○:ΔWBが6超8以下。
△:ΔWBが8超10以下。
×:ΔWBが10超。
Figure 2016074901
表4に示す結果から、本発明を適用した実施例の繊維処理剤は、比較例の繊維処理剤に比べて、再汚染防止効果に優れていることが確認できる。
これより、かかる実施例の繊維処理剤は、通常の洗濯用の洗浄剤としても好適であると言える。
表3〜4に示す結果から、本発明を適用することにより、被洗物に付着した汚れを除去する効果をより高められることが確認できる。

Claims (1)

  1. (A)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(a1)並びにオキシアルキレン単位(a2)を有する水溶性ポリマーと、
    (B)成分:下記一般式(b1)で表される化合物と、
    を含有し、
    (A)成分/(B)成分で表される質量比が0.5以上である、繊維処理剤。
    Figure 2016074901
    [式中、Rは、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。POはオキシプロピレン基を表し、EOはオキシエチレン基を表す。mは、POの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。nは、EOの平均繰り返し数を表し、4以上の数である。Mは対カチオンである。]
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