JP2016074647A - 保湿効果を有する乳酸菌米発酵物 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚細胞を賦活しヒアルロン酸産生を亢進することにより、より高い保湿効果を有する皮膚外用組成物を提供すること。【解決手段】米と米麹を原料とする生もとから分離したリューコノストック属(Leuconostoc)に属した乳酸菌で米を発酵させた、細胞賦活作用およびヒアルロン酸産生促進作用を有する乳酸菌米発酵物、並びに当該乳酸菌米発酵物を有効成分として含有する保湿剤及び皮膚外用組成物の提供。【選択図】なし
Description
本発明は、細胞賦活作用およびヒアルロン酸産生促進作用を有する乳酸菌の米発酵物を含有する保湿剤及び皮膚外用組成物に関する。
皮膚は紫外線、乾燥などの外的環境による影響や、自然老化、疾病といった内的環境の影響を受け、しわ、しみ、かさつき、ざらつき、肌荒れといった現象が生ずることが知られている。これら皮膚の老化現象を改善するために多くの研究がおこなわれ、現在までに様々な皮膚外用剤が開発され実用されてきた。
皮膚中には真皮・表皮のいずれにもヒアルロン酸があることが知られている。ヒアルロン酸はグルクロン酸とN−アセチルグルコサミンが交互に結合した高分子で、その分子量は数百万にも及び、多くの水分を保持できる事が明らかとなっている。しかしながらこのヒアルロン酸は加齢と共に減少する事が報告されており(特許文献1)、これにより老化に伴う皮膚の保水力の減少を引き起こし、乾燥肌等の原因となると考えられている。それらの症状を改善するためにヒアルロン酸合成促進剤が有効であることが記載されている(特許文献2、特許文献3)。
最近は、発酵を通じて得た有効成分を製品に適用することもあり、ザクロ果汁の乳酸菌発酵物(特許文献4)や豆類抽出物の乳酸菌発酵物(特許文献5)を有効成分とするヒアルロン酸合成促進剤が報告されている。また、米の乳酸菌発酵物を利用した化粧料として特許文献6があり皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活効果およびコラーゲン合成促進作用があることが報告されているが、ヒアルロン酸合成促進作用については記載されていない。
清酒製造における生もと系酒母では、酵母の増殖に先立ち乳酸菌群の遷移が起こることが知られているが、生もと系酒母から分離された乳酸菌株には免疫調節効果や血中脂質の上昇抑制効果など様々な機能性があることも報告されている。
植物性原料から得られる乳酸菌は菌の利用できる糖の種類が多く、過酷な環境でも生き抜くことができるなど、動物性原料から得られる乳酸菌とは異なる能力を有する。その作用効果は、菌株特異的であり、同じ種類でも菌株ごとにその効果は異なる。その中には有用な菌株が数多く存在することが期待されるため、植物性原料から分離される乳酸菌の新たな用途への利用に高い関心が集まっている。
しかしながら、植物性原料から分離される乳酸菌、特に米と米麹を原料とする生もとより分離される乳酸菌については、あまり研究されていない。
本発明の目的は、皮膚細胞を賦活しヒアルロン酸産生を亢進することにより、より高い保湿効果を有する皮膚外用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決することを主な目的として検討を重ねた結果、米と米麹を原料とする生もとから分離した乳酸菌で米を発酵させた乳酸菌米発酵物が細胞賦活作用およびヒアルロン酸産生促進作用を有しており、角層水分量を増加させる効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、次の事項に関する。
項1.リューコノストック属(Leuconostoc sp.)に属する乳酸菌の米発酵液で、細胞賦活作用およびヒアルロン酸産生促進作用を有することを特徴とする皮膚外用組成物。
項2.前記米発酵液がリューコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)の米発酵液である、項1に記載の皮膚外用組成物。
項3.前記米発酵液がリューコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)のLK−16株(受託番号NITE P−01917)である、項1または項2に記載の皮膚外用組成物。
項4.化粧料または医薬部外品である、項3に記載の組成物。
項5.保湿用化粧料または医薬部外品である、項3に記載の組成物。
項1.リューコノストック属(Leuconostoc sp.)に属する乳酸菌の米発酵液で、細胞賦活作用およびヒアルロン酸産生促進作用を有することを特徴とする皮膚外用組成物。
項2.前記米発酵液がリューコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)の米発酵液である、項1に記載の皮膚外用組成物。
項3.前記米発酵液がリューコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)のLK−16株(受託番号NITE P−01917)である、項1または項2に記載の皮膚外用組成物。
項4.化粧料または医薬部外品である、項3に記載の組成物。
項5.保湿用化粧料または医薬部外品である、項3に記載の組成物。
本発明の乳酸菌米発酵物は、ヒト皮膚線維芽細胞およびヒト表皮角化細胞に対して細胞賦活作用およびヒアルロン酸産生促進作用を有しており、保湿剤として化粧料、医薬部外品などに用いることができる。
本発明の外用組成物を皮膚に用いることにより、皮膚細胞を活性化してヒアルロン酸産生を促進させることで、皮膚の老化を防ぎ、肌をいつまでも美しく保つ効果が期待できる。
本発明の外用組成物を皮膚に用いることにより、皮膚細胞を活性化してヒアルロン酸産生を促進させることで、皮膚の老化を防ぎ、肌をいつまでも美しく保つ効果が期待できる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の乳酸菌は、リューコノストック属(Leuconostoc sp.)に属する乳酸菌である。より好ましくは、リューコノストック・メセンテロイデスLK−16(Leuconostoc mesenteroides LK−16)株である。
本発明の乳酸菌の好適な単離源は、生もと酒母、特に米と米麹を原料とする生もと、米麹などである。この菌株は、本発明者らが、生もとから新たに単離・同定し、平成26年8月7日に、日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8に住所を有する独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに寄託された(受託番号NITE P−01917)。
この菌株の菌学的性質は、以下のとおりである。
(1)培地上での生育状況
本菌株は、MRS培地を用いて、30℃で、1−2日、通性嫌気条件で静置培養する際に、良好又は普通の生育を示す。
本菌株は、MRS培地を用いて、30℃で、1−2日、通性嫌気条件で静置培養する際に、良好又は普通の生育を示す。
(2)科学的性質
本菌株は、グラム陽性の球菌であり、カタラーゼ陰性、糖類より乳酸およびエタノール、二酸化炭素を産生(ヘテロ乳酸発酵)する。
本菌株は、グラム陽性の球菌であり、カタラーゼ陰性、糖類より乳酸およびエタノール、二酸化炭素を産生(ヘテロ乳酸発酵)する。
(3)形態的特徴
コロニーは、前記MRS培地を用いて、30℃で、1〜2日培養する場合、直径1〜2mm、色調が白色の形態となる。形は円形で、隆起状態は半レンズ状である。周縁は全縁で、表面の形状はスムーズである。また、不透明で、粘稠性である。変異や培養条件、生理的状態によるコロニー形態の変化はない。
コロニーは、前記MRS培地を用いて、30℃で、1〜2日培養する場合、直径1〜2mm、色調が白色の形態となる。形は円形で、隆起状態は半レンズ状である。周縁は全縁で、表面の形状はスムーズである。また、不透明で、粘稠性である。変異や培養条件、生理的状態によるコロニー形態の変化はない。
本発明の乳酸菌は生もとより分離される乳酸菌であり、長年にわたる醸造に関わる微生物であるため安全性にも優れる。
本発明の乳酸菌の培養は、一般的な乳酸菌の培養方法で可能である。本乳酸菌の培養方法については、本乳酸菌が良好に生育する条件であれば特に制限はないが、例えば、MRS培地等を用いて、静置培養又はpHを一定に制御した中和培養で行う方法などが例示される。
本発明の乳酸菌米発酵物は、前記乳酸菌を使用することを特徴とする。
本発明における乳酸菌米発酵物では、例えばコシヒカリ、ササニシキ、アキタコマチ、ヒトメボレなどの粳米や糯米の米粉を用いることができる。
この米粉に水を加え、次いで、液化型アミラーゼを加えてよく混合し、加熱処理することにより、予め澱粉をある程度まで分解して液化する。水の添加量は、原料全体に対して0.5〜100 重量倍が好ましい。続いて、プロテアーゼ及び糖化型アミラーゼを加えて更に酵素処理する。なお、この工程においても、液化型アミラーゼと糖化型アミラーゼとを併用して分解してもよい。また、液化アミラーゼの処理は省略してもよい。なお、これらの酵素は、いずれも市販されているので、その中から適宜選択して用いることができる。酵素処理は、それぞれの酵素に応じた添加量、温度、pH、時間を選択して行えばよく、処理条件が同じであれば同時に添加して処理することもでき、また、一種又は二種以上を添加して、二回以上に分けて処理することもできる。
こうして得られた酵素処理液を、次の乳酸発酵の工程における本培養液として用いるが、酵素処理を終了した段階において、必要に応じて、糖類を添加することもできる。糖類としては、例えば、6炭糖類、5炭糖類、2糖類等を用いることができる。
続いて次の工程で、この処理液に乳酸菌を接種して発酵させる。なお、処理液は、本培養液として乳酸発酵に用いる前に、公知の手段により滅菌処理をしておくのが好ましい。通常は、オートクレーブ等に入れ、120〜130℃で、5〜30分間程度処理することにより充分な滅菌がなされる。
乳酸菌は、予め前培養した後に、上記本培養液に添加することが好ましい。前培養は、例えば代表的には、MRS培地等を用いて、30℃で1〜2日間程度培養することにより得ることができる。そして、この前培養液を、本培養液に1〜20重量%添加することが好ましい。
本培養液に、乳酸菌を添加した後、常法にしたがって発酵を行う。培養は、好気的条件下および嫌気的条件下のいずれでもよい。培養温度は通常20〜40℃、好ましくは30℃程度がよい。培養時間は通常5〜30時間であり、好ましくは16〜24時間がよい。また、pHを6〜8、特に6.0で一定になるように調整したジャーファーメンター(微生物培養装置もしくは細胞培養装置)での培養では、さらに活性の高い培養液を調製することができ、この時の培養温度は28〜30℃で、培養時間は20〜24時間程度が好ましい。
発酵後、必要であれば通常の一般的加熱滅菌操作を行い遠心分離あるいは濾過などの固液分離手段によって液相を分取する。
こうして得られた発酵生成物は、エタノール等の低級アルコールや、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、またはこれらの任意の混液を添加し、遠心分離、ろ過等により高分子物質を除去してから用いることがより好ましい。必要に応じて、脱臭処理、脱色処理、pH調製等を行ってもかまわない。
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の乳酸菌米発酵物を皮膚外用組成物として調製することにより、化粧料、医薬部外品または医薬などの形態で提供される。
本発明の、乳酸菌米発酵物の皮膚外用組成物への配合量としては、特に限定されず、通常皮膚外用剤に使用される量で良いが、例えば組成物に対し、乳酸菌米発酵物として0.0001〜50%、好ましくは0.01〜20%、特に好ましくは0.5〜10%配合すればよい。
本発明の皮膚外用組成物を化粧料または医薬部外品等の形態で提供する場合には、前記有効成分に加えて、薬学的又は香粧学的に許容される担体または基剤と共に提供することができる。さらに、必要に応じて通常使用し得る添加物を加えて常法により所望の形態に調製すればよい。
更に、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種の界面活性剤、色素(染料、顔料)、香料、防腐剤、殺菌剤(抗菌剤)、増粘剤、酸化防止剤、清涼化剤、防臭剤、pH調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。また、必要に応じて、保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線錯乱剤、ビタミン類、植物エキス、皮膚収斂剤、細胞賦活剤、血行促進剤、皮膚機能亢進剤等の外用剤に配合される公知の薬効成分を配合することもできる。このような添加剤の例は、医薬部外品原料規格、日本汎用化粧品原料集、化粧品種別許可基準、化粧品原料基準外成分規格、CTFA等に記載されている。
前記皮膚外用組成物は、皮膚や粘膜に適用可能である限り、その形態については、特に制限されるものではない。一例として、液状、乳液状、粉末状、固形状、懸濁液状、クリーム状、軟膏状、ムース状、顆粒状、錠剤状、ゲル状、ゼリー状、ペースト状、ジェル状、エアゾール状、スプレー状、リニメント剤、パック剤等の形態を挙げることができる。
また、前記皮膚外用組成物は、例えば、基礎化粧料(例えば、乳液、クリーム、ローション、美容液、オイル及びパック等)、清拭剤、清浄剤(例えば、洗顔料、クレンジング、ボディ洗浄料等)等として調製することができる。
本発明の乳酸菌米発酵物を皮膚外用組成物として調製する場合、該組成物中の前記有効成分の配合割合については、前述する割合の範囲内で適宜設定すればよい。
化粧料または医薬部外品などの皮膚外用組成物として調製された前記乳酸菌米発酵物は、その使用を通して、皮膚や粘膜に適用されることによって、細胞賦活作用ならびにヒアルロン酸産生促進作用を発揮することができる。当該皮膚外用組成物を適用する量並びに回数については、有効成分の種類や濃度、使用者の年齢や性別、適用形態、期待される程度等に応じて、有効量を、一日に1〜3回程度、皮膚や粘膜に適用すればよい。
本発明の皮膚外用組成物は、好適には保湿用皮膚外用組成物として用いられ、特に、保湿化粧料または医薬部外品などとして好ましく用いられる。
以下、製造例、試験例および実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
製造例1
乳酸菌米発酵物の調製
米粉に20倍量の水を加え、さらにα−アミラーゼとグルコアミラーゼをそれぞれ米粉の0.1重量%、プロテアーゼを米粉の0.5重量%加えて55℃で20時間撹拌した。終了後、121℃で30分間処理して冷却したのち、MRS培地で前培養した上記乳酸菌のリューコノストック・メセンテロイデスLK−16の菌液を接種し、ジャーファーメンターを用いて30℃、24時間発酵させた。発酵終了後、121℃で30分間処理したものをろ過して得られた清澄液を乳酸菌米発酵物とした。
乳酸菌米発酵物の調製
米粉に20倍量の水を加え、さらにα−アミラーゼとグルコアミラーゼをそれぞれ米粉の0.1重量%、プロテアーゼを米粉の0.5重量%加えて55℃で20時間撹拌した。終了後、121℃で30分間処理して冷却したのち、MRS培地で前培養した上記乳酸菌のリューコノストック・メセンテロイデスLK−16の菌液を接種し、ジャーファーメンターを用いて30℃、24時間発酵させた。発酵終了後、121℃で30分間処理したものをろ過して得られた清澄液を乳酸菌米発酵物とした。
試験例1
細胞培養による細胞賦活作用の測定(1):
(細胞培養)試験細胞として、正常ヒト皮膚線維芽細胞を用いた。この細胞を96ウェルプレートに播種(6×103 cells/0.1ml/well)し、10%FBS含RPMI培地中、37℃、CO2濃度5%の条件下で培養した。細胞が接着したのち、上記製造例1で製造した乳酸菌米発酵物を添加した1%FBS含有RPMI培地に交換して3日間同様に培養した。対照として、乳酸菌米発酵物の変わりにPBSを添加したものを同様にして培養した。
細胞培養による細胞賦活作用の測定(1):
(細胞培養)試験細胞として、正常ヒト皮膚線維芽細胞を用いた。この細胞を96ウェルプレートに播種(6×103 cells/0.1ml/well)し、10%FBS含RPMI培地中、37℃、CO2濃度5%の条件下で培養した。細胞が接着したのち、上記製造例1で製造した乳酸菌米発酵物を添加した1%FBS含有RPMI培地に交換して3日間同様に培養した。対照として、乳酸菌米発酵物の変わりにPBSを添加したものを同様にして培養した。
(細胞賦活作用の測定方法)3日間の培養後、新しい10%FBS含有RPMI培地(Sigma)に交換し、5mg/ml MTT溶液を10μl添加して37℃、CO2濃度5%の条件下で3時間培養した。その後、10%SDSを0.1ml添加して37℃で一晩インキュベートし、プレートリーダーによって550nmの吸光度を測定した。得られた吸光度から細胞の代謝活性を算出し、対照に対する代謝活性の増加率から細胞賦活作用を評価した。
結果は図1に示した。図1より、乳酸菌米発酵物には、正常ヒト皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用があることが分かった。
試験例2
細胞培養による細胞賦活作用の測定(2)
(細胞培養)試験細胞として、正常ヒト表皮角化細胞を用いた。この細胞を48ウェルプレートに播種(2.3×103 cells/0.2ml/well)し、DermaL
一晩培養した。細胞が接着したのち、上記製造例1で製造した乳酸菌米発酵物を添加した新しい培地に交換して3日間同様に培養した。対照として、乳酸菌米発酵物の変わりにPBSを添加したものを同様にして培養した。
細胞培養による細胞賦活作用の測定(2)
(細胞培養)試験細胞として、正常ヒト表皮角化細胞を用いた。この細胞を48ウェルプレートに播種(2.3×103 cells/0.2ml/well)し、DermaL
一晩培養した。細胞が接着したのち、上記製造例1で製造した乳酸菌米発酵物を添加した新しい培地に交換して3日間同様に培養した。対照として、乳酸菌米発酵物の変わりにPBSを添加したものを同様にして培養した。
(細胞賦活作用の測定方法)3日間の培養後、培地を吸引除去して0.22mlの0.5mg/ml MTT/PBSを添加して37℃、CO2濃度5%の条件下で3時間培養した。その後、10%SDSを0.22ml添加して37℃で一晩インキュベートし、550nmの吸光度を測定した。得られた吸光度から細胞の代謝活性を算出し、対照に対する代謝活性の増加率から細胞賦活作用を評価した。
結果は図2に示した。図2より、乳酸菌米発酵物には、正常ヒト表皮角化細胞に対する細胞賦活作用があることが分かった。
試験例3
細胞培養によるヒアルロン酸産生促進作用の測定(1)
(細胞培養)試験細胞として、正常ヒト皮膚線維芽細胞を用いた。この細胞を24ウェルプレートに播種(5×104 cells/0.5ml/well)し、10%FBS含RPMI培地中、37℃、CO2濃度5%の条件下で3日間培養した。培養後、上記製造例1で製造した乳酸菌米発酵物を添加した1%FBS含有RPMI培地に交換して3日間同様に本培養した。対照として、乳酸菌米発酵物の変わりにPBSを添加したものを同様にして培養した。
細胞培養によるヒアルロン酸産生促進作用の測定(1)
(細胞培養)試験細胞として、正常ヒト皮膚線維芽細胞を用いた。この細胞を24ウェルプレートに播種(5×104 cells/0.5ml/well)し、10%FBS含RPMI培地中、37℃、CO2濃度5%の条件下で3日間培養した。培養後、上記製造例1で製造した乳酸菌米発酵物を添加した1%FBS含有RPMI培地に交換して3日間同様に本培養した。対照として、乳酸菌米発酵物の変わりにPBSを添加したものを同様にして培養した。
(ヒアルロン酸の測定方法)
上記のように3日間の本培養を行った培養上清を採取し、QnE Hyaluronic Acid (HA) ELIZA Assay Kit(フナコシ)を使用してヒアル
rotein Assay Kit(タカラバイオ)を用いて定量し、タンパク質量あたりのヒアルロン酸量を算出した。対照のヒアルロン酸量を100とした場合のヒアルロン酸相対値(%)を求めた結果を図3に示す。
上記のように3日間の本培養を行った培養上清を採取し、QnE Hyaluronic Acid (HA) ELIZA Assay Kit(フナコシ)を使用してヒアル
rotein Assay Kit(タカラバイオ)を用いて定量し、タンパク質量あたりのヒアルロン酸量を算出した。対照のヒアルロン酸量を100とした場合のヒアルロン酸相対値(%)を求めた結果を図3に示す。
図3より、乳酸菌米発酵物には、正常ヒト皮膚線維芽細胞に対するヒアルロン酸産生促進作用があることが分かった。
試験例4
細胞培養によるヒアルロン酸産生促進作用の測定(2)
(細胞培養)試験細胞として、正常ヒト表皮角化細胞を用いた。この細胞を24ウェルプレートに播種(5×104 cells/0.5ml/well)し、DermaLif
omp kit培地に交換して2日間同様に本培養した。対照として、乳酸菌米発酵物の変わりにPBSを添加したものを同様にして培養した。
細胞培養によるヒアルロン酸産生促進作用の測定(2)
(細胞培養)試験細胞として、正常ヒト表皮角化細胞を用いた。この細胞を24ウェルプレートに播種(5×104 cells/0.5ml/well)し、DermaLif
omp kit培地に交換して2日間同様に本培養した。対照として、乳酸菌米発酵物の変わりにPBSを添加したものを同様にして培養した。
(ヒアルロン酸の測定方法)
試験例3と同様にして行った。対照のヒアルロン酸量を100とした場合のヒアルロン酸相対値(%)を求めた結果を図4に示す。
試験例3と同様にして行った。対照のヒアルロン酸量を100とした場合のヒアルロン酸相対値(%)を求めた結果を図4に示す。
図4より、乳酸菌米発酵物には、正常ヒト表皮角化細胞に対するヒアルロン酸産生促進作用があることが分かった。
試験例5
角層水分含量測定
試験には、製造例1で製造した乳酸菌米発酵物の5%水溶液(0.8%フェノキシエタノール含有)(以下、5%乳酸菌米発酵物)と、対照として水(0.8%フェノキシエタノール含有)を用いた。健常人女性8名の左右どちらかの前腕内側部に5%乳酸菌米発酵物を、もう片方に対照を、1日2回塗布してもらった。塗布前、塗布2週間、塗布4週間、
ka)を用いて定法に従って塗布部位の角層水分含量(キャパシタンス)を測定した。
角層水分含量測定
試験には、製造例1で製造した乳酸菌米発酵物の5%水溶液(0.8%フェノキシエタノール含有)(以下、5%乳酸菌米発酵物)と、対照として水(0.8%フェノキシエタノール含有)を用いた。健常人女性8名の左右どちらかの前腕内側部に5%乳酸菌米発酵物を、もう片方に対照を、1日2回塗布してもらった。塗布前、塗布2週間、塗布4週間、
ka)を用いて定法に従って塗布部位の角層水分含量(キャパシタンス)を測定した。
塗布前からの角層水分量の増加率を図5に示す。図5より、5%乳酸菌米発酵物は、ヒト皮膚の角層水分含量を増加させる効果がことから、保湿効果があることが示唆された。
試験例6
キメ面積測定
試験例5と同様にして健常人女性8名に5%乳酸菌米発酵物と対照を塗布してもらった。塗布前、塗布2週間、塗布4週間、塗布終了後1週間のタイミングで塗布部位のレプリカを採取後、レプリカ画像を画像解析ソフトimageJで処理し、肌キメが整った領域の面積を測定した。
キメ面積測定
試験例5と同様にして健常人女性8名に5%乳酸菌米発酵物と対照を塗布してもらった。塗布前、塗布2週間、塗布4週間、塗布終了後1週間のタイミングで塗布部位のレプリカを採取後、レプリカ画像を画像解析ソフトimageJで処理し、肌キメが整った領域の面積を測定した。
塗布前からの面積の増加率を図6に示す。図6より、5%乳酸菌米発酵物には、肌キメを整える効果があることが分かった。
NITE P−01917
Claims (5)
- リューコノストック属(Leuconostoc sp.)に属する乳酸菌の米発酵液で、細胞賦活作用およびヒアルロン酸産生促進作用を有することを特徴とする皮膚外用組成物。
- 前記米発酵液がリューコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)の米発酵液である、項1に記載の皮膚外用組成物。
- 前記米発酵液がリューコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)のLK−16株(受託番号NITE P−01917)である、項1または項2に記載の皮膚外用組成物。
- 化粧料または医薬部外品である、項3に記載の組成物。
- 保湿用化粧料または医薬部外品である、項3に記載の組成物。
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