JP2020200255A - 皮膚化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌質および肌のキメを整え、肌のかさつきを改善し、肌をなめらかで潤いのある状態にすることが可能である、べたつきがない使用感触に優れた皮膚化粧料を提供する。【解決手段】下記成分(A)〜(D)を含有することを特徴とする、肌のキメを整えるための皮膚化粧料。(A)ビワ葉抽出物 0.001〜1.0質量%(B)イネ科植物由来の成分の1種または2種以上の発酵液 0.01〜5質量%(C)平均分子量が2000〜6000である1種または2種以上のポリエチレングリコール 0.2〜2質量%(D)クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、エデト酸およびその塩から選択される、1種または2種以上の有機酸およびその塩 0.005〜0.4質量%【選択図】なし

Description

本発明は皮膚化粧料に関し、詳細には、肌のキメを整え、肌をなめらかで潤いのある状態にする、肌質改善効果に優れ、べたつきがない使用感触に優れた皮膚化粧料に関するものである。
肌の表面には、皮溝といわれる網目状に走っている細い溝があり、その間に、それに囲まれた大小の三角形、四角形などの扁平に高まっている部分があり、これを皮丘と呼ぶ。皮溝が細かく浅い溝からなり、皮丘の面積が小さく、全体として滑らかな表面を作っている時、キメの細かい肌と呼ぶ。それに対して、皮溝が深く、広くなって目立ち、皮丘も大きく、形状が変化しているものは、キメの粗い肌と呼ぶ。若年齢の肌ほど前者である傾向があり、加齢に伴い、あるいはストレスや外界の刺激を多く受けている人ほど、後者となっていく傾向がある。この変化を、キメが乱れると呼ぶ。キメの細かい肌であるほど、肌のなめらかさや透明感が高まり、美容上好ましい皮膚状態となることが知られている。また、加齢や外界の刺激によって皮膚の保湿機能が低下すると、皮膚の乾燥およびそれに伴う肌荒れ、肌のハリや弾力低下によるシワ、タルミなどの現象が惹起され、キメが乱れることが知られている。そのため、スキンケア素材を用いることで、肌質および肌のキメを整え、肌のかさつきを改善し、肌をなめらかにすることは、美容上好ましくないさまざまな皮膚状態の予防のためのケアとして極めて重要である。また、外観上の問題だけでなく、肌のキメが粗い状態を放置すると、皮膚本来の保湿機能やバリア機能の低下を引き起こすことも知られており、キメの乱れを防止・改善する方法が求められていた。
このようなキメの乱れを防止するために様々な化粧料や食品などの方法が提案されている。例えば、スキンケア化粧料を使用して、外的要因に起因する肌荒れを抑え肌のキメを整える場合、肌表皮の新陳代謝の促進に有効な成分、角質層の保護に有効な成分、ヒアルロン酸やコラーゲンの合成を促す成分を含む化粧料が提案されている。このような観点からは、新陳代謝を促進するリノレン酸を安定的に配合した抗老化剤(例えば、特許文献1を参照)、ソルビトールおよび/またはマンニトールとグリセリンおよび/またはジグリセリンを配合したキメ改善化粧料(例えば、特許文献2を参照)、皮膚浸透指数が2以上であることを特徴とする油性成分を配合したキメ改善化粧料(例えば、特許文献3を参照)、オレイン酸エチルを配合したキメを整える効果に優れた化粧料(例えば、特許文献4を参照)などが提案されている。
また、ビワから抽出したエキスが肌に対して優れた薬効を有していることが知られている。細胞増殖促進作用や肌荒れ改善作用を見出した例(例えば、特許文献5を参照)や、抗アレルギー作用を見出した例(例えば、特許文献6を参照)、真皮コラーゲン繊維束の正常化作用を見出した例(例えば特許文献7を参照)、活性酸素の消去作用を見出した例(例えば、特許文献8を参照)、DNA損傷の抑制作用を見出した例(例えば、特許文献9を参照)などが報告されている。
特開2002−080370号公報 特開2004−051545号公報 特開2004−051539号公報 特開2006−273807号公報 特開1993−017206号公報 特開1998−036276号公報 特許3938613号公報 特開2006−117612号公報 特開2014−118405号公報
キメの乱れを防止することを目的とする化粧料に関する上記従来技術は、一定の改善がなされているが、キメを整えるためには肌表面の保湿、肌のバリア機能の改善、外部刺激からの肌へのダメージの低減、内側からの肌の代謝促進など複合的な要因が適切なバランスで調節される必要があり、充分な機能を発揮するまでには至っていない。また、ビワの葉から抽出されたエキスの有用性に関する上記従来技術は、いずれも一定の有用性があることを報告しているが、単独の効果に関して発見しているのみにすぎず、キメの乱れという複合的な要因によって引き起こされる肌状態に対して単独で十分な効果を有しているとはいえず、かつキメの乱れに関して報告された例はない。そのため、肌質および肌のキメを整え、肌のかさつきを改善し、肌をなめらかにすることが可能である、べたつきがない使用感触に優れた皮膚化粧料が強く望まれていた。
したがって、本発明の目的は、上記課題を鑑みてなされたものであり、肌質および肌のキメを整え、肌のかさつきを改善し、肌をなめらかにすることが可能でありながら、べたつきがなく使用感触に優れた皮膚化粧料を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、ビワの葉より抽出されたエキスと、イネ科植物由来の成分を発酵させることにより得られるエキスと、平均分子量が2000〜6000である1種または2種以上のポリエチレングリコールと、クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、エデト酸およびその塩から選択される1種または2種以上の有機酸およびその塩を含有することによって、肌のキメを整え、肌をなめらかで潤いのある状態にすることが可能である、べたつきがない使用感触に優れた皮膚化粧料となることを見出し、本発明を完成した。
第一の発明は、
下記成分(A)〜(D)を含有することを特徴とする、肌のキメを整えるための皮膚化粧料である。
(A)ビワ葉抽出物 0.001〜1.0質量%
(B)イネ科植物由来の成分の1種または2種以上の発酵液 0.01〜5質量%
(C)平均分子量が2000〜6000である1種または2種以上のポリエチレングリコール 0.2〜2質量%
(D)クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、エデト酸およびその塩から選択される、1種または2種以上の有機酸およびその塩 0.005〜0.4質量%
第二の発明は、成分(B)がコメ発酵液、コメヌカ発酵液、ハトムギ発酵液から選ばれる1種または2種以上の発酵液抽出物であることを特徴とする本願第一の発明に記載の肌のキメを整えるための皮膚化粧料である。
本発明の皮膚化粧料は、肌のキメを整え、肌をなめらかで潤いのある状態にすることを可能とする、べたつきがない使用感触に優れた皮膚化粧料を提供することができる。
以下、本発明の構成について詳述する。
<成分(A)ビワ葉抽出物>
本発明の皮膚化粧料で用いられる成分(A)はビワ(Eriobotrya japonica)の葉より抽出されたエキスである。本発明のビワ葉抽出物は、ビワの葉をそのまままたは粉砕後、水、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコールや1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、ジエチレングリコールエーテル等の多価アルコールアルキルエーテルその他の極性溶媒、またはそれらの混液にて抽出して得ることができるが、これらに限定されるものではない。これらの成分は市販されている化粧品原料として入手可能であり、一般的にはタンニンなどのポリフェノール成分を豊富に含んでいることが知られている。そのため、本発明には果実や根といったビワの植物の別の部位から抽出されたものではなく、葉より抽出された抽出物を使用するのが望ましい。このような方法により抽出されるビワ葉抽出物には、一般的には、ビワ葉の純分が0.1〜3.0質量%含まれている。
本発明の成分(A)ビワ葉抽出物は、それ単独でも、保湿・シワ改善効果、肌荒れ・抗アレルギー・角層成熟・皮膚基底膜成熟促成効果、コラーゲン正常化・コラーゲン分解抑制・コラーゲン生成促成効果、活性酸素消去・DNA損傷抑制効果、メラニン取込抑制・美白効果を有しているが、以下に詳述する成分(B)イネ科植物由来の成分の発酵液と組み合わせることにより、相乗的に肌荒れを改善し、肌のキメを整えることができる。
本発明の皮膚化粧料に用いる成分(A)の配合量は、皮膚化粧料組成物全体に対して、全組成中0.001〜1.0%(以下、特に記載のない場合には、質量%を指す)であり、好ましくは0.01〜0.5%である。0.001%未満では、十分な肌のキメの改善効果が得られない場合があり、1.0%を超えると、ビワ葉抽出物成分の析出や皮膚化粧料の褐変、ニオイの発生といった皮膚化粧料の品質劣化を生じたり、塗布時のベタつきといった使用感の悪化を生じたりといった問題が生じる場合がある。
<成分(B)イネ科植物由来の成分の発酵液>
本発明の皮膚化粧料で用いられる成分(B)はイネ科植物由来の成分の発酵液である。イネ科植物を具体的に例示すれば、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、コムギ(
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)、ハトムギ(Coix lacryma-jobi var. ma-yuen)等が挙げられる。イネ科植物由来の成分の発酵液は、それぞれのイネ科植物の果実をそのまままたは粉砕後、あるいは外皮の除去や精白といった過程を経たのちに、果実あるいは各種処理によって得られた残渣成分と水とを混合し、菌体を加え適切な温度や撹拌条件下で発酵をさせることによって得ることができる。これらの過程によって得られた発酵物から、残渣や菌体を濾過などの方法で除去することによって得ることができるが、これらの方法に限定されるものではない。これらの製品は市販されている化粧品原料として入手可能であり、一般的には糖類だけでなく、アミノ酸や乳酸、ミネラルといった発酵による代謝物を多様に含んでいることが知られている。また、入手のしやすさやその効果から、イネの果実由来、あるいはイネの果実を精白した後の残渣であるコメヌカ由来、あるいはハトムギの果実由来の発酵液であることが望ましい。発酵には、乳酸菌、酵母といった微生物や、それら微生物に由来する酵素などを用いることができる。
本発明の皮膚化粧料には、これら発酵液を1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の成分(B)イネ科植物由来の成分の発酵液は、それ単独でも様々な成分を含み、肌のキメの改善作用も有していると思われるが、本発明の成分(A)ビワ葉抽出液と組み合わせることによって、成分(B)の浸透促進効果により、相乗的に肌質改善作用を発揮することができる。
本発明の皮膚化粧料に用いる成分(B)の配合量は、皮膚化粧料組成物全体に対して、全組成中0.01〜5.0%であり、好ましくは0.01〜1.0%である。0.01%未満では、十分な肌のキメの改善効果が得られない場合があり、0.1%を超えると、果実以外の部位から抽出した植物抽出物が析出したり、原料臭が強くなる等、使用感を損なう場合がある。ここで、成分(B)を2種以上含む場合には、上記配合量はそれらの成分の合計量を示す。
<成分(C)平均分子量が2000〜6000のポリエチレングリコール>
本発明で使用する成分(C)は、平均分子量が2000〜6000である1種または2種以上のポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールは一般的には保湿剤、増粘剤、結着剤などの目的で、化粧料に一般的に用いられる成分であり、本発明で使用する際も市販されている化粧品原料として入手可能である。本発明の皮膚化粧料に平均分子量が2000〜6000である1種または2種以上のポリエチレングリコールを添加することによって、皮膚化粧料の肌質改善作用と使用感触を高めることができる。その作用としては、ポリエチレングリコールの有する保湿効果だけではなく、成分(A)ビワ葉エキスや成分(B)イネ科植物由来の成分の発酵液といった肌に作用する成分の肌表面での残存性を高め、肌への浸透促進効果および被膜形成効果を有していると考えられるが、本発明の皮膚化粧料に対して成分(C)を必須たらしめている理由は、本作用のみに限らない。
本発明で使用する成分(C)の含有量は、全組成中0.2〜2%であり、好ましくは0.5〜1%である。0.2%未満では、十分な保湿効果、肌質改善効果が得られない場合があり、2%を超えると、べたつきなどを生じて優れた使用感を損なう場合がある。ここで、成分(C)を2種以上含む場合には、上記配合量はそれらの成分の合計量を示す。
本発明で使用する成分(C)の平均分子量は2000〜6000である。平均分子量2000未満では、十分な肌質改善作用が得られない場合があり、6000を超えると、べたつきなどを生じて優れた使用感を損なう場合がある。また、本発明で使用する成分(C)は、その全体の平均分子量が2000〜6000の範囲におさまるようにすれば、市販されている平均分子量が異なる複数のポリエチレングリコールを組み合わせて使用することもできる。
本発明においては、分子量2000〜6000およびその辺縁の分子量のポリエチレングリコールに特異的に相乗作用が認められるため、ここでいう平均分子量2000〜6000とは、配合されている(C)成分全体から平均して計算したものではなく、化粧料中に分子量2000〜6000のものが多く含まれていることを意味する。
<成分(D)有機酸およびその塩>
本発明で使用する成分(D)は、1種または2種以上の有機酸およびその塩であり、特にクエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、エデト酸およびその塩から選択される、1種または2種以上の有機酸およびその塩である。これらの有機酸およびその塩は、皮膚化粧料においてpH調整剤やキレート剤といった皮膚化粧料の品質安定化剤として一般的に用いられている。本発明で使用する成分(D)についても、これら化粧料の品質安定化の機能を有しているが、本発明においては成分(D)を使用することで相乗的に肌のキメを整え、肌をなめらかで潤いのある状態にする効果が認められることから、肌の柔軟性を高めたり、化粧料の肌への浸透を高めたりするなど、一般的に用いられている効果以外の効果も併せて有していると考えられる。本発明で使用するクエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、エデト酸およびその塩から選択される、1種または2種以上の有機酸およびその塩は、医薬品、医薬部外品、化粧品で通常用いられているものであれば特に制限されず用いることができ、公知の方法により合成してもよく、あるいは市販品として入手する
こともできる。本発明に用いる成分(D)の塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、トリエチルアンモニウム等の有機アルカリによる塩が挙げられる。
本発明で使用する成分(D)の含有量は、全組成中0.005〜0.4%であり、好ましくは0.01〜0.2%である。0.005%未満では、十分な肌荒れ改善に伴うキメ改善効果が得られない場合や、化粧料の変色や析出物の発生が生じる場合があり、0.4%を超えると、肌への刺激が生じる場合がある。ここで、成分(D)を2種以上含む場合には、上記配合量はそれらの成分の合計量を示す。
<成分(E)その他の任意成分>
本発明の皮膚化粧料は、上述した成分(A)乃至(D)を必須の構成成分とするが、当該組成物には本発明の目的を損なわない範囲で、他の成分、例えば、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、油剤、高分子化合物、増粘剤、粉体(色素、樹脂、顔料)、防腐剤、香料、成分(C)以外の保湿剤、生理活性成分、ミネラル塩類、溶媒、酸化防止剤、成分(D)以外のキレート剤、パール化剤、中和剤、成分(D)以外のpH調整剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
また、本発明の皮膚化粧料には、本発明の目的を損なわない範囲で、生理活性成分を適宜配合することができる。生理活性物質とは、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質であり、例えば、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。
<皮膚化粧料>
本発明の皮膚化粧料は、常法に従って製造することができる。また、本発明の皮膚化粧料としては、基礎化粧料、シートマスク化粧料、メイクアップ化粧料、ボデイ化粧料、頭皮ケア化粧料等が挙げられる。剤形も目的に応じて任意に選択することができる。すなわち、液状、クリーム状、ジェル状、乳液状、シート状、スティック状、エアゾール状等のものが挙げられる。本発明の皮膚化粧料は、一般の化粧料に限定されるものではなく、医薬部外品、指定医薬部外品、外用医薬品等を包含するものである。
次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、これに限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
(キメの乱れ改善効果試験)
評価パネル5名について、顔(部位:頬)を用い、キメの乱れ改善効果試験を実施した。左右いずれかの頬に本発明の皮膚化粧料を、もう片方の頬に純水を、一日二回適量塗布する連用試験を4週間行った。連用前後の頬の同一部位のキメの状態をマイクロスコープ(キーエンス社製、VHX−1000)で観察し、目視によってキメの深さ、大きさ、等方性の変化を測定した。キメの乱れ改善効果の評価は、「皮溝の幅」「皮溝/皮丘の凹凸の高さ」の2項目それぞれを下記に示す5段階の評価で採点した。さらに、以下の計算式を用いて2項目の点数の合計値を算出し、下記評価基準に基づいて行った。その結果を表1〜3に示す。
キメの乱れ改善効果(点)=(皮膚の幅の評価基準点)+(皮溝/皮丘の凹凸の高さの評価基準)
<皮溝の幅の評価基準>
5点…皮溝の幅が狭くなった
4点…皮溝の幅がやや狭くなった
3点…皮溝の幅に変化が見られない
2点…皮溝の幅がやや広くなった
1点…皮溝の幅が広くなった
<皮溝/皮丘の凹凸の高さの評価基準>
5点…皮溝/皮丘の凹凸が浅く、全体的になめらかになった
4点…皮溝/皮丘の凹凸がやや浅く、全体的になめらかになった
3点…皮溝/皮丘の凹凸にほぼ変化が見られない
2点…皮溝/皮丘の凹凸がやや深く、全体的に凹凸が認められる
1点…皮溝/皮丘の凹凸が深く、全体的にはっきりとした凹凸が認められる
(キメの乱れ改善効果試験の評価基準)
◎…パネル5名の平均点が8点以上であった。
○…パネル5名の平均点が6点以上8点未満であった。
△…パネル5名の平均点が4点以上6点未満であった。
×…パネル5名の平均点が4点未満であった。
(TEWL測定による荒れ肌改善効果試験)
5名のパネルの左右いずれかの前腕部に本発明の皮膚化粧料を、もう片方の頬に純水を、一日二回適量塗布する連用試験を1週間行った。連用前および連用後に、測定部位をぬるま湯で洗浄し、次に、温度25℃、相対湿度50%の環境下にて20分間馴化後、前腕部の角質層の経皮水分蒸散量(TEWL値)をtewameter(MPA580、Courage+Khazaka社製)を用いて測定した。TEWLの値を用いることで角層のバリア機能を確認することができ、荒れ肌改善効果や肌の滑らかさへの影響を検討することが可能である。荒れ肌改善効果の評価は、以下の計算式より荒れ肌改善効果(%)を算出して5名の平均値を求め、下記判断基準に基づいて行った。その結果を表に示す。
Figure 2020200255


<評価基準>
◎:荒れ肌改善効果(%)が200%以上であった。
○:保湿効果(%)が120%以上200%未満であった。
△:保湿効果(%)が100%以上120%未満であった。
×:保湿効果(%)が100%未満であった。
(肌のなめらかさ)
専門パネル5名により、各皮膚化粧料を1週間連用し、連用後の肌のなめらかさについて下記の5段階の評点のつけ方にて官能評価を実施した。評価基準は5名の評点の平均値を用いて、以下の通りに分類した。
<評点と内容>
5点…連用によって肌の手触りおよび外観が著しくなめらかになったように感じた
4点…連用によって肌の手触りおよび外観がややなめらかになったように感じた
3点…連用によって肌の手触りおよび外観がわずかになめらかになったように感じた
2点…連用によって肌の手触りおよび外観がわずかに粗く、ガサガサになったように感じた
1点…連用によって肌の手触りおよび外観が粗く、ガサガサになったように感じた
(肌のなめらかさの評価基準)
◎:極めて良好 (5名の平均点が4点以上であった)
○:良好 (5名の平均点が3点以上4点未満であった)
△:やや悪い (5名の平均点が2点以上3点未満であった)
×:悪い (5名の平均点が2点未満であった)
(肌へのべたつきのなさ)
専門パネル5名により、各皮膚化粧料を使用後の肌のべたつきのなさについて下記の5段階の評点のつけ方にて官能評価を実施した。評価基準は5名の評点の平均値を用いて、以下の通りに分類した。
<評点と内容>
3点…使用中および使用後の肌にべたつきをほとんど感じなかった
2点…使用中および使用後の肌にべたつきをわずかに感じた
1点…使用中および使用後の肌にべたつきをやや感じた
0点…使用中および使用後の肌にべたつきを感じ、不快であった
(肌へのべたつきのなさの評価基準)
◎:極めて良好 (5名の平均点が2.4点以上であった)
○:良好 (5名の平均点が2点以上2.4点未満であった)
△:やや悪い (5名の平均点が1点以上2点未満であった)
×:悪い (5名の平均点が1点未満であった)
(経時安定性)
皮膚化粧料を40℃の環境下に3ヶ月静置し、外観の変化を下記評価基準により評価した。
<評価基準>
◎:極めて良好 変色、配合成分の析出、おりの発生、および分離が認められない
○:良好 わずかな変色、変臭は見られるが配合成分の析出および分離が認められない
△:やや悪い 変色、変臭、おりの発生が見られる
×:悪い 著しい変色、変臭、配合成分の析出、分離が認められる
<実施例1〜22および比較例1〜11>
表1〜3に示す実施例1〜22および比較例1〜11の各処方における皮膚化粧料を常法により調整し、各試験法により評価した。その結果を表1〜3に併せて示す。
Figure 2020200255

Figure 2020200255

Figure 2020200255

表1〜3から明らかなように、本発明の成分を用いた実施例の皮膚化粧料はいずれも優れた性能を有していた。一方、必須成分のいずれかを欠いた比較例では、キメの乱れ改善効果、荒れ肌改善効果、肌のなめらかさ、べたつきのなさ、皮膚化粧料の経時安定性のいずれかの面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
以下、本発明の皮膚化粧料のその他の処方例を実施例として挙げる。なお、これらの実施例の皮膚化粧料についても、上記のキメ改善効果、肌荒れ改善効果、肌のなめらかさ、べたつきのなさ、皮膚化粧料の安定性について各項目を検討したところ、いずれにおいても優れた特性を有しており良好であった。
実施例23(化粧水)
(1)ビワ葉抽出物
0.3%
(2)米発酵液
0.5%
(3)ハトムギ種子発酵液
0.5%
(4)ハトムギ種子抽出物
0.1%
(5)アスコルビン酸2−グルコシド
1.0%
(6)トラネキサム酸
0.5%
(7)グリチルリチン酸2カリウム
0.1%
(8)ポリエチレングリコール(平均分子量4000)
1.0%
(9)ポリエチレングリコール(平均分子量6000)
0.5%
(10)ポリエチレングリコール(平均分子量1000)
0.1%
(11)ソルビトール
0.5%
(12)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油
0.2%
(13)ポリソルベート20
0.2%
(14)スクワラン
0.01%
(15)クエン酸
0.01%
(16)クエン酸ナトリウム
0.04%
(17)エデト酸二ナトリウム
0.01%
(18)キサンタンガム
0.05%
(19)ジプロピレングリコール
5.0%
(20)グリセリン
5.0%
(21)1,3−ブチレングリコール
2.0%
(22)1,3−プロパンジオール
0.5%
(23)1,2−ペンタンジオール
0.2%
(24)ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%
(25)加水分解コラーゲン
0.2%
(26)フェノキシエタノール
0.1%
(27)メチルパラベン
0.01%
(28)水酸化カリウム
0.02%
(29)精製水
残部
(製法)(1)〜(11)、(15)〜(18)、(20)〜(29)を均一に混合し、充分に撹拌した後、(12)〜(14)、(19)を均一に混合溶解したものを加え、充分に攪拌した後、ボトル容器に充填し化粧水を調製した。
実施例24(シートマスク)
(1)ビワ葉エキス
0.2%
(2)レモン果実エキス
0.01%
(3)オウゴン根エキス
0.01%
(4)ホップエキス
0.2%
(5)ユズ果実エキス
0.2%
(6)米発酵液
0.2%
(7)大麦発酵液
0.2%
(8)シャクヤク根エキス
0.08%
(9)ポリエチレングリコール(平均分子量4000)
2.0%
(10)ポリグリセリン
1.0%
(11)メチルグルセス−20
1.0%
(12)キサンタンガム
0.1%
(13)カルボキシビニルポリマー
0.5%
(14)アルキル変性カルボキシビニルポリマー
0.1%
(15)ヒアルロン酸Na
0.3%
(16)ポリアクリル酸Na
0.1%
(17)ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム
0.1%
(18)ポリビニルピロリドン 0.02%
(19)PEG−11メチルエーテルジメチコン
0.1%
(20)リン酸一カリウム 0.09%
(21)リン酸二ナトリウム 0.01%
(22)香料 0.007%
(23)フェノキシエタノール
0.3%
(24)精製水
残部
(製法)(16)、(18)および(24)の一部を均一に混合した溶液を調整した(A液)。(1)〜(15)、(17)、(19)〜(23)および(24)の残部を均一に混合したものに対して、(A)液を加え、均一になるまでホモミキサーにて分散する。その後、作成された美容液をシートに含浸させてシートマスクを調製した。
実施例25(乳液)
(1)ビワ葉エキス
0.2%
(2)米発酵液
0.1%
(3)コメヌカ発酵液
0.1%
(4)ハトムギ発酵液
0.1%
(5)ハトムギ種子抽出物
0.1%
(6)シャクヤク根エキス
0.1%
(7)ポリエチレングリコール(分子量6000)
0.2%
(8)流動パラフィン
6.0%
(9)水添ポリイソブテン
0.2%
(10)トリ(カプリル/カプリン/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル
0.5%
(11)ワセリン
1.0%
(12)メチルポリシロキサン(100cs)
0.5%
(13)トリエチルヘキサノイン
2.0%
(17)イソノナン酸イソノニル
0.5%
(18)エチルヘキサン酸セチル
2.5%
(19)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル) 0.3%
(18)ホホバ油
2.5%
(19)アボカド油
0.5%
(20)テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル
1.0%
(21)ステアリン酸
1.0%
(22)コレステロール
1.0%
(23)親油型モノステアリン酸グリセリン
2.0%
(24)イソステアリン酸ソルビタン
0.5%
(25)ベヘニルアルコール
0.5%
(26)ベントナイト
0.5%
(27)N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム
0.9%
(28)グリセリン
5.0%
(29)1,3−プロパンジオール
1.0%
(30)水溶性コラーゲン
0.3%
(31)メチルパラベン
0.2%
(32)フェノキシエタノール
0.2%
(33)エデト酸二ナトリウム 0.01%
(34)キサンタンガム
0.3%
(35)精製水
残部
(製法)(8)〜(25)を約80℃に加熱、撹拌をして均一溶解させる(A液)。(26)〜(35)を約80℃に加熱、撹拌をして均一溶解させる(B液)。A液にB液を加えてホモミキサーにて分散する。ついで冷却を行い、35℃で(1)〜(7)を添加してさらに均一溶解させたのち、チューブ容器に充填し乳液を調製した。
実施例26(美白化粧水)
(1)ビワ葉エキス
0.2%
(2)米発酵液
0.5%
(3)ユキノシタエキス
0.1%
(4)ハトムギ種子抽出物
0.1%
(5)シャクヤク根エキス
0.1%
(6)トラネキサム酸
2.0%
(7)グリチルリチン酸ジカリウム
0.2%
(8)グリセリン
3.5%
(9)ジグリセリン
1.5%
(10)ポリグリセリン(平均重合度6)
0.5%
(11)メチルグルセス−20
0.5%
(12)リン酸一カリウム 0.03%
(13)リン酸二ナトリウム 0.05%
(14)ポリエチレングリコール(分子量4000)
1.0%
(15)シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール
0.1%
(16)水添レシチン 0.2%
(17)コレステロール 0.005%
(18)ピロ亜硫酸ナトリウム 0.005%
(19)1,3−ブチレングリコール 2.0%
(20)フェノキシエタノール 0.2%
(21)精製水
残部
(製法)(15)〜(17)、(19)を80℃にて均一分散した後、(21)へと加え、ホモミキサーにて分散する。次に(1)〜(14)、(18)、(20)を順に加えて攪拌し、ポリエチレンテレフタラート製のボトル容器に充填し美白化粧水を調製した。
実施例27(ジェルクリーム)
(1)ビワ葉エキス 0.1%
(2)スターフルーツ葉エキス 0.05%
(3)ビルベリー葉エキス 0.05%
(4)ハトムギ種子抽出物 0.2%
(5)米発酵液 0.2%
(6)エデト酸二ナトリウム
0.01%
(7)ポリエチレングリコール(分子量4000) 1.0%
(8)ベヘニルアルコール 1.0%
(9)モノステアリン酸グリセリル 2.0%
(10)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0%
(11)メチルポリシロキサン(6CS)
0.5%
(12)ミツロウ 0.3%
(13)セラミドIII 0.01%
(14)イソステアリン酸ソルビタン 0.2%
(15)ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.3%
(16)カルボキシビニルポリマー 0.2%
(17)(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー
0.3%
(18)HEDTA−3Na 0.005%
(19)クエン酸 0.01%
(20)水酸化カリウム 0.3%
(21)ジプロピレングリコール 5.0%
(22)1,3−ブチレングリコール 10.0%
(23)トラネキサム酸 2.0%
(24)純水
残部
(製法)(8)〜(14)を80℃に加温し、均一溶解させた(A液)。(6)、(7)、(15)〜(19)、(21)、(22)および(24)の一部を均一溶解させた後に80℃に加温した(B液)。B液にA液を加え、ホモミキサーにて分散した後、室温まで冷却した。次いで(1)〜(5)、(20)、(23)を(24)の一部に溶解させたものを加えて再度ホモミキサーにて分散してジェルクリームを調製した。

Claims (2)

  1. 下記成分(A)〜(D)を含有することを特徴とする、肌のキメを整えるための皮膚化粧料。
    (A)ビワ葉抽出物 0.001〜1.0質量%
    (B)イネ科植物由来の成分の1種または2種以上の発酵液 0.01〜5質量%
    (C)平均分子量が2000〜6000である1種または2種以上のポリエチレングリコール 0.2〜2質量%
    (D)クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、エデト酸およびその塩から選択される、1種または2種以上の有機酸およびその塩 0.005〜0.4質量%
  2. 前記成分(B)がコメ発酵液、コメヌカ発酵液、ハトムギ発酵液から選ばれる1種または2種以上の発酵液抽出物である請求項1に記載の肌のキメを整えるための皮膚化粧料。
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