JP2016074369A - 衝撃吸収式ステアリングシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】ピーク荷重の発生を防止しながら摺動抵抗の過度な増大を防止可能な衝撃吸収式ステアリングシャフトを提供する。
【解決手段】一端が車両のステアリングホイールに連結され、車両の衝突時に収縮することで衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収式ステアリングシャフト10であって、外周面に雄歯部12Aが形成されるインナーシャフト12と、内周面に雌歯部11Aが形成され、インナーシャフト12の一方側が挿入されて雌歯部11Aが雄歯部12Aと摺動可能に係合するアウターシャフト11と、を備え、インナーシャフト12は、雄歯部12Aよりインナーシャフト12の他方側において他方側へ行くほど外径が大きく形成され車両の衝突時に衝撃を吸収するテーパ部12Bと、テーパ部12Bより他方側に形成されテーパ部12Bの最大外径より外径が小さい小径部12Cと、を有する。
【選択図】図1A

Description

本発明は、車両衝突時の衝撃を吸収可能な衝撃吸収式ステアリングシャフトに関する。
従来のパワーステアリング装置に用いられるステアリングシャフトとして、衝撃吸収式ステアリングシャフトが知られている。衝撃吸収式ステアリングシャフトは、雌セレーションを有するアウターシャフトと雄セレーションを有するインナーシャフトとを軸方向に摺動させることで、車両衝突時にステアリングホイールから運転者の胸部に加わる荷重を軽減することができる。
特許文献1には、インナーシャフトの雄セレーションの歯先円直径を途中から大きくしたステアリングシャフトが記載されている。このステアリングシャフトでは、車両衝突時にインナーシャフトとアウターシャフトとが軸方向に摺動して雄セレーションの外径が大きくなる部分を雌セレーションが通過する際、雄セレーションが雌セレーションに強く圧接される。
特許文献2には、インナーシャフトの雄セレーションが形成される部位の途中に、雌セレーションの歯先円直径よりも大径の円筒状に形成される衝撃エネルギー吸収部を備えるステアリングシャフトが記載されている。このステアリングシャフトでは、車両衝突時にインナーシャフトとアウターシャフトとが軸方向に摺動して雌セレーションが衝撃エネルギー吸収部を通過する際、雌セレーションの歯先が衝撃エネルギー吸収部に圧接されて塑性変形する。
特開2009−269518号公報 特開2012−162249号公報
しかし、上記従来の技術では、雄セレーションと雌セレーションとの相対的な摺動距離が短くても衝撃エネルギーの吸収量を大きくできる反面、衝撃吸収時に摺動抵抗が急激に立ち上がることによりピーク荷重が生じやすい。また、雄セレーションと雌セレーションとの摺動距離が増すにつれて摺動抵抗が増大し続けるので、アウターシャフトとインナーシャフトとの摺動が途中で停止してしまい、十分に衝撃エネルギーを吸収することができなくなる可能性がある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、ピーク荷重の発生を防止しながら摺動抵抗の過度な増大を防止可能な衝撃吸収式ステアリングシャフトを提供することを目的とする。
本発明は、一端が車両のステアリングホイールに連結され、車両の衝突時に収縮することで衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収式ステアリングシャフトであって、外周面に雄歯部が形成されるインナーシャフトと、内周面に雌歯部が形成され、インナーシャフトの一方側が挿入されて雌歯部が雄歯部と摺動可能に係合するアウターシャフトと、を備え、インナーシャフトは、雄歯部よりインナーシャフトの他方側において他方側へ行くほど外径が大きく形成され車両の衝突時に衝撃を吸収するテーパ部と、テーパ部より他方側に形成されテーパ部の最大外径より外径が小さい小径部と、を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、車両の衝突時の衝撃によってインナーシャフトとアウターシャフトとが摺動する際、アウターシャフトの雌歯部がインナーシャフトのテーパ部から受ける面圧が徐々に上昇して雌歯部が塑性変形する。これにより、摺動抵抗が徐々に増大して衝撃エネルギーを緩やかに吸収することができるので、ピーク荷重が生じることを防止することができる。また、アウターシャフトの雌歯部のうちテーパ部を通過した部分はインナーシャフトの小径部に対向して小径部とほぼ接触しないので、雌歯部とインナーシャフトとの摺動面積を一定に保持して摺動抵抗の過度な増加を防止することができる。
本発明の実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングシャフトの側面図である。 図1AのIB−IB断面を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングシャフトの動作を説明するための側面図であり、車両衝突前の状態を示す。 本発明の実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングシャフトの動作を説明するための側面図であり、車両衝突時にアッパシャフトの下端がテーパ部に到達した状態を示す。 本発明の実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングシャフトの動作を説明するための側面図であり、アッパシャフトの下端がテーパ部を越えた後の状態を示す。 本発明の実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングシャフトの摺動量と摺動抵抗との関係を示す線図である。 本発明の他の実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングシャフトの側面図である。 本発明の他の実施形態に係る衝撃吸収式ステアリングシャフトのインターミディエイトシャフトを示す側面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1Aは、本実施形態における衝撃吸収式ステアリングシャフト10の側面図である。図1Bは、図1AのIB−IB断面を示す断面図である。なお、以下の明細書中では、特に明記しない限り、衝撃吸収式ステアリングシャフト10のステアリングホイール側(図1Aの右側)を上側とし、操舵輪側(図1Aの左側)を下側として説明する。
衝撃吸収式ステアリングシャフト10は、アウターシャフトとしてのアッパシャフト11と、インナーシャフトとしてのロアシャフト12と、を備える。
アッパシャフト11は、中空であり、上端がステアリングホイール(図示せず)に連結される。アッパシャフト11の下方側の内周面には、全周にわたって雌歯部としての雌スプライン11Aが形成される。
ロアシャフト12は、中実であり、上端がアッパシャフト11の下端からアッパシャフト11内に挿入され、下端がトーションバー(図示せず)を介して出力シャフト(図示せず)に連結される。ロアシャフト12の上方側の外周面には、全周にわたって雄歯部としての雄スプライン12Aが形成される。なお、ロアシャフト12は中空であってもよい。また、トーションバーを設けることなく、ロアシャフト12の下端が直接出力シャフトに連結されていてもよい。
ロアシャフト12はアッパシャフト11に所定の寸法だけ挿入され、図1Bに示すように、アッパシャフト11の雌スプライン11Aとロアシャフト12の雄スプライン12Aとが互いに摺動可能に係合する。雌スプライン11A及び雄スプライン12Aの刃先は先端にフラットな面を有するスプラインである。
これにより、ステアリングホイールに入力された操舵力は、アッパシャフト11から雌スプライン11Aと雄スプライン12Aとによる係合部を介してロアシャフト12へと伝達される。また、衝撃吸収式ステアリングシャフト10は、アッパシャフト11の雌スプライン11Aとロアシャフト12の雄スプライン12Aとを軸方向に摺動させることで伸縮させることができる。なお、この場合の摺動抵抗は、車両の衝突による衝撃を吸収できるほど大きくなく、雌スプライン11Aと雄スプライン12Aとの摺動によって生じる摩擦力程度である。
図1Aに示すように、ロアシャフト12は、雄スプライン12Aより下方側に形成されるテーパ部12Bと、テーパ部12Bより下方側に形成される小径部12Cと、を有する。
テーパ部12Bは、下方へ行くほど外径が大きくなるようにテーパ状に形成され、車両の衝突時に衝撃を吸収する。すなわち、車両の衝突時に、アッパシャフト11の雌スプライン11Aとロアシャフト12の雄スプライン12Aとが摺動して雌スプライン11Aがテーパ部12Bに到達すると、雌スプライン11Aがテーパ部12Bから径方向外側に受ける面圧がテーパ部12Bの外径の増加に応じて徐々に増大する。これにより、雌スプライン11Aが徐々に塑性変形していくことで、車両の衝突エネルギーが吸収される。
テーパ部12Bは下方へ行くほど外径が大きくなるように形成されるので、最も上方側の外径が最小であり、最も下方側の外径が最大である。そこで、以下の説明において、テーパ部12Bの外径が最小の部分を「最小外径部12BS」と称し、テーパ部12Bの外径が最大の部分を「最大外径部12BL」と称する。
テーパ部12Bの最小外径は、雄スプライン12Aの歯底円直径と等しくなるように形成される。なお、テーパ部12Bの最小外径は、雄スプライン12Aの歯底円直径と等しくなくてもよく、雄スプライン12Aの歯底円直径以下であればよい。これにより、ロアシャフト12の外周面とテーパ部12Bの最小外径部12BSとの境界に下方側へ向けて拡径する段差が形成されないので、車両の衝突時に雌スプライン11Aが雄スプライン12Aを超えてテーパ部12Bに到達した場合に、雌スプライン11Aが当該段差に衝突して摺動抵抗が急激に立ち上がることを防止することができる。
テーパ部12Bの最大外径は、雌スプライン11Aの歯先円直径より大きく、雌スプライン11Aの歯底円直径以下になるように形成される。これにより、車両の衝突時に雌スプライン11Aがテーパ部12Bに圧接して塑性変形するとともに、塑性変形した雌スプライン11Aをテーパ部12Bの最大外径部12BLを超えて通過させることができる。よって、車両の衝突時にアッパシャフト11の下端の雌スプライン11Aがテーパ部12Bにおいて停止してしまうことで摺動抵抗が急激に立ち上がることを防止することができる。
テーパ部12Bの最小外径と最大外径との比率、すなわちテーパ部12Bの傾斜角度は、最小外径及び最大外径が上記の条件を満たす範囲内で自由に設定可能である。テーパ部12Bの傾斜角度は、具体的には、車両の衝突時にアッパシャフト11の下端がテーパ部12Bにおいて停止することなくテーパ部12Bの最大外径部12BLを通過するように設定され、例えばロアシャフト12の軸方向に対して15度傾斜するように形成される。
小径部12Cは、テーパ部12Bの最大外径部12BLより外径が小さい軸方向に同一径の円柱状に形成される。小径部12Cの外径は、雌スプライン11Aの歯先円直径以下になるように形成される。なお、小径部12Cの外径は必ずしも雌スプライン11Aの歯先円直径以下にする必要はなく、テーパ部12Bの最大外径部12BLの外径より小さければよい。例えば、小径部12Cの外径を雄スプライン12Aの歯底円直径と等しくなるように形成すればロアシャフト12の加工性を向上させることができる。また、小径部12Cの外径は軸方向に均一でなくてもよく、下方へ行くほど外径が大きく又は小さくなるように形成されていてもよい。
車両の衝突時にテーパ部12Bの最大外径部12BLを通過した雌スプライン11Aは、塑性変形によって歯先円直径がテーパ部12Bの最大外径以上となっている。これにより、外径がテーパ部12Bの最大外径部12BLより小さい小径部12Cには雌スプライン11Aがほとんど接触しない。
次に、衝撃吸収式ステアリングシャフト10の動作について説明する。
図2Aに示すように、ステアリングホイールの前後位置、すなわち衝撃吸収式ステアリングシャフト10の長さが所望の位置に固定されている状態で、車両が障害物に衝突すると、衝撃吸収式ステアリングシャフト10に対して軸方向に衝撃荷重が作用する。これにより、アッパシャフト11とロアシャフト12とが互いに軸方向に接近する方向に移動して、アッパシャフト11の雌スプライン11Aがロアシャフト12の雄スプライン12Aより下方側へと摺動する。
図2Bに示すように、雌スプライン11Aの下端がテーパ部12Bに到達すると、雌スプライン11Aの歯(山部)がテーパ部12Bに圧接される。このとき、テーパ部12Bの外径が徐々に大きくなるのに対して雌スプライン11Aの歯先円直径は一定であるので、雌スプライン11Aの歯がテーパ部12Bから径方向外側に圧力を受けて塑性変形する。雌スプライン11Aの歯の変形量はテーパ部12Bの外径の増加に伴って増大する。このように、雌スプライン11Aがテーパ部12Bにおいて徐々に塑性変形していくことで、アッパシャフト11とロアシャフト12との摺動抵抗が徐々に増大していき、車両の衝突エネルギーが吸収される。
テーパ部12Bの最小外径は、雄スプライン12Aの歯底円直径と等しくなるように形成されているので、雌スプライン11Aが雄スプライン12Aを超えてテーパ部12Bに到達した場合に、雌スプライン11Aの歯先は徐々にテーパ部12Bに摺接する。これにより、雌スプライン11Aの歯先が段差に衝突した場合のように摺動抵抗が急激に立ち上がり、ピーク荷重が生じることを防止することができる。
テーパ部12Bの最大外径は、雌スプライン11Aの歯底円直径以下になるように形成されているので、テーパ部12Bにおいて塑性変形した雌スプライン11Aをテーパ部12Bの最大外径部12BLを超えて通過させることができる。よって、雌スプライン11Aがテーパ部12Bにおいて停止して摺動抵抗が急激に立ち上がり、ピーク荷重が生じることを防止することができる。
テーパ部12Bを通過した雌スプライン11Aは小径部12Cの外周側に進入するが、小径部12Cにおいて雌スプライン11Aと小径部12Cとはほとんど接触しない。すなわち、アッパシャフト11とロアシャフト12との相対的な摺動量にかかわらず、雌スプライン11Aの歯はテーパ部12Bにおいてのみ塑性変形する。
図2Cに示すように、アッパシャフト11とロアシャフト12とは、アッパシャフト11の下端がロアシャフト12の小径部12Cに到達して、衝撃エネルギーを吸収し終えた位置で停止する。
図3に示すように、車両の衝突時、アッパシャフト11の下端の雌スプライン11Aがテーパ部12Bに摺接してから最大外径部12BLを超えるまでは、アッパシャフト11とロアシャフト12との摺動抵抗は相対的な摺動量に応じて増大する。このとき、テーパ部12Bの外径が徐々に増大するので、摺動抵抗が急激に上昇してピーク荷重が生じることはない。
その後、アッパシャフト11の下端の雌スプライン11Aがテーパ部12Bの最大外径部12BLを超えると、摺動抵抗は摺動量にかかわらずほぼ一定で推移する。このとき、テーパ部12Bを乗り越えた後の雌スプライン11Aは小径部12Cにおいてロアシャフト12にほとんど接触しないので、小径部12Cにおいては摺動抵抗が生じず、摺動抵抗の上昇が制限される。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
車両の衝突時の衝撃によってロアシャフト12とアッパシャフト11とが摺動する際、アッパシャフト11の雌スプライン11Aがロアシャフト12のテーパ部12Bから受ける面圧が徐々に上昇して雌スプライン11Aが塑性変形する。これにより、摺動抵抗が徐々に増大して衝撃エネルギーを緩やかに吸収することができるので、ピーク荷重が生じることを防止することができる。また、アッパシャフト11の雌スプライン11Aのうちテーパ部12Bを通過した部分はロアシャフト12の小径部12Cに対してほとんど接触しないので、雌スプライン11Aとロアシャフト12との摺動面積を一定に保持して摺動抵抗の過度な増加を防止することができる。
さらに、テーパ部12Bの最大外径は雌スプライン11Aの歯底円直径以下であるので、車両の衝突時に雌スプライン11Aがテーパ部12Bに圧接して塑性変形するとともに、塑性変形した雌スプライン11Aをテーパ部12Bの最大外径部12BLを超えて通過させることができる。よって、車両の衝突時にアッパシャフト11の下端の雌スプライン11Aがテーパ部12Bにおいて停止して摺動抵抗が急激に立ち上がり、ピーク荷重が生じることを防止することができる。
さらに、テーパ部12Bの最小外径は雄スプライン12Aの歯底円直径以下であるので、ロアシャフト12の外周面とテーパ部12Bの最小外径部12BSとの境界に下方へ向けて拡径する段差が形成されることがない。よって、車両の衝突時に雌スプライン11Aが雄スプライン12Aを超えてテーパ部12Bに到達した場合に、雌スプライン11Aが当該段差に衝突して摺動抵抗が急激に立ち上がり、ピーク荷重が生じることを防止することができる。
さらに、小径部12Cの外径は雌スプライン11Aの歯先円直径以下であるので、テーパ部12Bにおいて塑性変形して最大外径部12BLを通過した雌スプライン11Aは小径部12Cに摺接しない。よって、アッパシャフト11の下端の雌スプライン11Aがテーパ部12Bの最大外径部12BLを通過した後は、雌スプライン11Aとロアシャフト12との摺動面積をより確実に一定に保持することができる。よって、摺動抵抗の上昇が制限され、アッパシャフト11とロアシャフト12との摺動が途中で停止することを防止することができる。
さらに、雄スプライン12A及び雌スプライン11Aは図1Bに示すように刃先がフラットなスプラインである。したがって、面圧が相対的に低くなる歯先形状であっても、車両の衝突時における雌スプライン11Aとロアシャフト12との間の摺動により衝撃エネルギーを吸収することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、テレスコピック調整機構を有する衝撃吸収式ステアリングシャフト10を前提として説明したが、テレスコピック調整機構を有していない衝撃吸収式ステアリングシャフト20にも適用可能である。この場合、図4に示すように、ロアシャフト22の上端は、アッパシャフト21の下端側に設けられるカシメ部23に当接する位置まで挿入される。これにより、通常はアッパシャフト21とロアシャフト22とは相対移動することはなく、車両の衝突時にのみ相対移動する。なお、図4では、雄スプライン及び雌スプラインが図示されていないが、ロアシャフト22とアッパシャフト21とが重複する部分に互いの周方向の相対回転を規制する雄スプライン及び雌スプラインが形成されている。
このようなタイプの衝撃吸収式ステアリングシャフト20では上記実施形態と同様に、車両が障害物に衝突して衝撃吸収式ステアリングシャフト20に対して軸方向に衝撃荷重が作用すると、アッパシャフト21とロアシャフト22とが互いに軸方向に接近する方向に移動して、雌スプラインがテーパ部21Bにおいて塑性変形し、衝撃エネルギーが緩やかに吸収される。
さらに、上記実施形態では、衝撃吸収式ステアリングシャフト10がアッパシャフト11とロアシャフト12とから構成される場合について例示したが、これに加えてロアシャフト12の下端にジョイントを介して連結されるインターミディエイトシャフト30(図5)を備える場合にも本実施形態が適用可能である。この場合、図5に示すように、インターミディエイトシャフト30が、ロアシャフト12の下端に連結されるインナーシャフトとしての中間アッパシャフト31と、中間アッパシャフト31を摺動可能に収装するアウターシャフトとしての中間ロアシャフト32と、から構成される。
中間アッパシャフト31の外周面にはロアシャフト12と同様に全周にわたって雄スプライン31Aが形成され、中間ロアシャフト32の内周面にはアッパシャフト11と同様に全周にわたって雌スプライン32Aが形成される。さらに、中間アッパシャフト31には、途中から中間アッパシャフト31の上方へ行くほど外径が大きくなるように形成されるテーパ部31Bと、テーパ部31Bより上方側に形成される小径部31Cと、が形成される。
これにより、車両衝突時に中間アッパシャフト31と中間ロアシャフト32とが相対移動すると、中間ロアシャフト32の雌スプライン32Aが中間アッパシャフト31のテーパ部31Bにおいて塑性変形することで衝撃エネルギーを吸収することができる。
この場合も図4と同様に、中間ロアシャフト32の上端側にカシメ部を設け、中間アッパシャフト31の下端がカシメ部に当接する位置まで挿入される構成としてもよい。これにより、通常は中間アッパシャフト31と中間ロアシャフト32とは相対移動することはなく、車両の衝突時にのみ相対移動して衝撃エネルギーが吸収される。
また、衝撃吸収は、インターミディエイトシャフト30だけで行う構成であってもよいし、図1Aに示す衝撃吸収式ステアリングシャフト10とインターミディエイトシャフト30との両方で行う構成であってもよい。
さらに、上記実施形態では、ステアリングホイールに連結されるアッパシャフト11がアウターシャフトであり、出力シャフトに連結されるロアシャフト12がインナーシャフトである場合について例示したが、反対に、アッパシャフトがインナーシャフトでロアシャフトがアウターシャフトであってもよい。この場合、雄スプライン、テーパ部及び小径部はアッパシャフトの外周に形成され、雌スプラインはロアシャフトの内周に形成される。
さらに、上記実施形態では、ロアシャフト12の雄スプライン12Aとアッパシャフト11の雌スプライン11Aとを係合させているが、雄スプライン12A及び雌スプライン11Aは、必ずしも先端にフラットな面を有する台形状の歯を有するスプラインである必要はなく、その他の形状の歯を有するスプラインであってもよいし、歯先が鋭角であるセレーションであってもよい。
さらに、上記実施形態では、ロアシャフト12の外周にテーパ部12Bを形成するとともにアッパシャフト11の内周に雌スプライン11Aを形成し、車両衝突時にロアシャフト12とアッパシャフト11との相対移動によって雌スプライン11Aの歯が塑性変形することで衝撃吸収を行っているが、その他の衝撃吸収機構を組み合わせてもよい。
さらに、上記実施形態では、ロアシャフト12のテーパ部12Bには雄スプラインを形成していないが、ロアシャフト12のテーパ部12Bに雄スプラインを形成してもよい。
例えば、車両衝突時に相対移動するブラケットとカプセルとにそれぞれ嵌め込まれた衝撃吸収機構が、車両衝突時に破断することで衝撃吸収を行う構成を組み合わせてもよい。
さらに、例えば、アッパコラムチューブ側とロアコラムチューブ側とをS字形プレートで連結し、車両衝突時にアッパコラムチューブとロアコラムチューブとが相対移動するのに伴ってS字形プレートがしごかれることで衝撃吸収を行う構成を組み合わせてもよい。
10 衝撃吸収式ステアリングシャフト
11 アッパシャフト(アウターシャフト)
11A 雌スプライン(雌歯部)
12 ロアシャフト(インナーシャフト)
12A 雄スプライン(雄歯部)
12B テーパ部
12C 小径部

Claims (5)

  1. 一端が車両のステアリングホイールに連結され、前記車両の衝突時に収縮することで衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収式ステアリングシャフトであって、
    外周面に雄歯部が形成されるインナーシャフトと、
    内周面に雌歯部が形成され、前記インナーシャフトの一方側が挿入されて前記雌歯部が前記雄歯部と摺動可能に係合するアウターシャフトと、
    を備え、
    前記インナーシャフトは、前記雄歯部より前記インナーシャフトの他方側において前記他方側へ行くほど外径が大きく形成され前記車両の衝突時に衝撃を吸収するテーパ部と、前記テーパ部より前記他方側に形成され前記テーパ部の最大外径より外径が小さい小径部と、を有する、
    ことを特徴とする衝撃吸収式ステアリングシャフト。
  2. 前記テーパ部の最大外径は前記雌歯部の歯底円直径以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリングシャフト。
  3. 前記テーパ部の最小外径は前記雄歯部の歯底円直径以下である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衝撃吸収式ステアリングシャフト。
  4. 前記小径部の外径は前記雌歯部の歯先円直径以下である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の衝撃吸収式ステアリングシャフト。
  5. 前記雄歯部及び前記雌歯部はスプラインである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の衝撃吸収式ステアリングシャフト。
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