JP2018065463A - 中間シャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】中間シャフトの軸方向寸法が長い場合にも、保護チューブの全長を徒に長くせずに、適切な位置にて保護チューブのインナシャフトに対する軸方向の相対変位を阻止できる構造を実現する。【解決手段】中間シャフト3aを構成するインナシャフト7の軸方向中間部に設けられた括れ部13を跨ぐ様に、保護チューブ14を外嵌する。この保護チューブ14の軸方向一端側に隣接する部分には、衝突事故発生時に保護チューブ14が軸方向一端側へと相対変位する事を許容する第1止め輪16を係止し、この第1止め輪16から軸方向一端側に所定長さ分だけ離隔した部分には、保護チューブ14が軸方向一端側にそれ以上相対変位する事を阻止する為の第2止め輪18を固定する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用操舵装置を構成する中間シャフトのうち、衝突事故の際に衝撃エネルギを吸収しつつ折れ曲がる事で運転者を保護する、エネルギ吸収式の中間シャフトの改良に関する。
自動車用操舵装置は、図8に示す様に、運転者が操作するステアリングホイール1の動きを、ステアリングシャフト2及び中間シャフト3等の複数本のシャフトと、これら各シャフト2、3の端部同士を結合した自在継手4a、4bとを介して、図示しないステアリングギヤに伝達する様に構成している。この様に構成される自動車用操舵装置では、衝突時に運転者を保護する為、ステアリングシャフト2だけでなく、ステアリングシャフト2を挿通したステアリングコラム5及び中間シャフト3を、衝撃に伴うエネルギを吸収しつつ全長が縮まるエネルギ吸収式のものとする事が行われている。又、中間シャフト3に関しては、衝撃のエネルギを吸収しつつ、軸方向中間部で「く」字形に折れ曲がる構造とする事も、従来から考えられている(例えば特許文献1参照)。
前記特許文献1に記載された従来構造のエネルギ吸収式の中間シャフトは、アウタチューブの軸方向一端部とインナシャフトの軸方向他端部とを、相対回転不能にセレーション係合させる事により構成されている。又、インナシャフトの軸方向中間部には、インナシャフトに対する軸方向の相対変位を制限した状態で、保護チューブを外嵌している。保護チューブは、インナシャフトの軸方向中間部に形成された括れ部を跨ぐ様に覆っている。これにより、通常の使用状態(衝突事故未発生時)に於いては、操舵トルクのうちの大部分を保護チューブにより伝達し、操舵に伴って括れ部に大きな応力が加わらない様にしている。
衝突事故が発生した際には、中間シャフトに対して軸方向に亙る強い圧縮力が作用し、アウタチューブとインナシャフトとを軸方向に相対変位させる。これに基づき、アウタチューブから保護チューブに対し軸方向一端側に向いた強い力が作用し、保護チューブを括れ部の周囲から退避させる。そして、保護チューブの軸方向他端縁部が括れ部の径方向外側に存在する位置にて、保護チューブの軸方向一端部がインナシャフトの軸方向一端部に固定されたヨークの端面に突き当たり、保護チューブが軸方向にそれ以上相対変位する事が阻止される。そして、この様な状態で、中間シャフトに更に圧縮力が加わると、インナシャフトが括れ部にて折れ曲がる。これにより、衝突に基づくエネルギを吸収し、運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
特開2008−239081号公報
ところで、SUV車などに代表される大型車にあっては、普通乗用車に比べて、使用する中間シャフトの軸方向寸法が長くなる傾向がある。この為、前述した従来構造の場合の様に、衝突事故時に、ヨークの端面を利用して保護チューブが軸方向にそれ以上相対変位する事を阻止する場合には、保護チューブの全長を延長する必要がある。この結果、保護チューブの重量が増加し、中間シャフト全体の重量が嵩む原因になる。
本発明は、この様な事情に鑑みて、保護チューブの全長を徒に長くせずに、適切な位置にて保護チューブのインナシャフトに対する軸方向の相対変位を阻止できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の中間シャフトは、インナシャフトと、アウタチューブと、保護チューブと、第1ストッパと、第2ストッパとを備えている。
このうちのインナシャフトは、例えば全体が中実軸状に構成され、軸方向中間部に、このインナシャフトの他の部分に比べて断面積が十分に小さくなった括れ部(小断面積部)を有している。
又、前記アウタチューブは、例えば全体が中空筒状に構成され、軸方向一端側部分に前記インナシャフトの軸方向他端側部分が相対回転不能に挿入(内嵌)される。
前記保護チューブは、例えば全体が中空筒状に構成され、前記インナシャフトの軸方向中間部で且つ前記アウタチューブから外部に露出した部分に、前記括れ部を跨ぐ状態で外嵌される。
前記第1ストッパは、前記インナシャフトに固定されるものであり、このインナシャフトと前記アウタチューブとの軸方向に関する相対変位に基づき、このアウタチューブから前記保護チューブに対し軸方向一端側に向いた強い力が加わった場合のみ、この保護チューブが前記インナシャフトに対し軸方向一端側に相対変位する事を許容する。
前記第2ストッパは、前記インナシャフトとは別体に構成され、このインナシャフトに固定されるものであり、前記保護チューブの軸方向他端縁部が前記括れ部の径方向外側に存在する位置(保護チューブの軸方向他端縁部と括れ部とが径方向に重畳する位置)で、この保護チューブの前記インナシャフトに対する軸方向一端側への相対変位を阻止する。
上述の様な本発明を実施する場合、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記インナシャフトと前記アウタチューブとの嵌合部を構成する、このインナシャフトの外周面の軸方向一部及びこのアウタチューブの内周面の軸方向一部に、断面非円形状の塑性変形部をそれぞれ設ける事ができる。
この様な塑性変形部を設けるには、例えば、前記アウタチューブの軸方向一端部に前記インナシャフトの軸方向他端部を僅かに挿入した後、前記アウタチューブの軸方向一端部を工具により径方向外側から押し潰し、このアウタチューブの軸方向一端部内周面及び前記インナシャフトの軸方向他端部外周面を、例えば断面楕円形状に塑性変形させる。その後、前記アウタチューブと前記インナシャフトとを前記中間シャフトの全長を縮める様に軸方向に相対変位させて、前記アウタチューブの塑性変形部と前記インナシャフトの塑性変形部とを軸方向に離隔して配置する。
尚、この様にして形成される前記アウタチューブと前記インナシャフトとの嵌合部のうち、塑性変形部の形状が楕円形であるものは、一般的に楕円嵌合部と呼ばれる。
又、以上の様な構成を採用した場合には、前記アウタチューブと前記インナシャフトとの相対回転を防止できると共に、前記中間シャフトに所定値以上の大きさの圧縮力が加わった場合のみ、前記アウタチューブと前記インナシャフトとを前記中間シャフトの全長を縮める様に軸方向に相対変位させる事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記インナシャフトの外周面に雄セレーション溝を設け、前記アウタチューブの外周面及び前記保護チューブの内周面に雌セレーション溝をそれぞれ設ける事ができる。
又、本発明を実施する場合に、第1ストッパの形状並びにその取付構造及び取付位置は、特に問わない。
例えば、第1ストッパとして、欠円環状(C字形やE字形など)の止め輪を使用し、インナシャフトの外周面に形成した係止溝に対し、アウタチューブからの強い力が作用した場合のみ脱落する様に係止する構造を採用する事ができる。又は、第1ストッパとして、合成樹脂製のピンを使用し、保護チューブとインナシャフトとの間に、アウタチューブからの強い力が作用した場合のみ裂断する様に掛け渡す構造を採用する事もできる。
尚、第1ストッパを保護チューブよりも軸方向一端側に配置する場合には、この第1ストッパとして、インナシャフトの周囲から脱落する事なく、保護チューブと共にインナシャフトに対して軸方向一端側に相対変位するものか、又は、インナシャフトの周囲から確実に脱落するものを、好ましく使用する事ができる。
又、本発明を実施する場合に、第2ストッパの形状並びにその固定構造及び固定位置は、特に問わない。
例えば、第2ストッパとして、円環状(又は欠円環状)の止め輪を使用し、インナシャフトの外周面に対し少なくとも軸方向一端側への相対変位を不能に固定する構造を採用する事ができる。又は、第2ストッパとして、棒状(軸状)の止めピンを使用し、インナシャフトの外周面に開口する状態で形成した取付孔内に、軸方向端部(一端部又は両端部)を外部に突出させた状態で挿入する構造を採用する事もできる。
又、第2ストッパは、通常時の使用状態で、保護チューブよりも軸方向一端側に固定する事もできるし、軸方向に関して保護チューブと整合する位置に固定する事もできる。
尚、本発明の技術的範囲からは外れるが、インナシャフトの外周面のうち、雄セレーション溝が設けられた部分と設けられていない部分(下径のままの部分)との境界を、第2ストッパとして機能させたり、或いは、インナシャフトの外周面に段付加工を施す事により形成した段差面を、第2ストッパとして機能させる事もできる。
上述の様な構成を有する本発明によれば、軸方向寸法の長い中間シャフトを使用する場合にも、保護チューブの全長を徒に長くしなくても、適切な位置にてこの保護チューブのインナシャフトに対する軸方向の相対変位を阻止する事ができる。
本発明の実施の形態の第1例に関し、衝突事故の未発生時の状態の中間シャフトを示す、側面部(A)及び部分切断側面図(B)。 同じく図1(A)のA部に相当する拡大図。 同じく衝突事故発生時の初期状態を示す、図2に相当する図。 同じく衝突事故発生時の中期状態を示す、図2に相当する図。 同じく衝突事故発生時の後期状態を段階的に示す、図2に相当する図。 本発明の実施の形態の第2例の中間シャフトに関し、(A)は図2に相当する図であり、(B)は(A)のB−B断面図である。 本発明に適用可能な第1ストッパの6例を示す図。 自動車用操舵装置の1例を示す略側面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜5を参照しつつ説明する。本例の中間シャフト3aは、前記図8に示した構造と同様に、自動車用操舵装置を構成し、ステアリングシャフト2の動きをステアリングギヤに伝達するもので、衝撃エネルギを吸収しつつ、軸方向中間部で折れ曲がる、エネルギ吸収式の中間シャフトである。従って、本例の中間シャフト3aは、衝突事故の前後でその形状が変化する為、先ず、衝突事故の未発生時の状態(通常時の使用状態)に関して、図1、2を参照しつつ説明し、その後、衝突事故発生時の状態に関して、図3〜5を参照しつつ説明する。
中間シャフト3aは、金属製で中空円筒状のアウタチューブ6の軸方向一端側部分(図1〜6の左側部分)と、金属製で中実円柱状のインナシャフト7の軸方向他端側部分(図1〜6の右側部分)とを、互いの相対回転を不能に、且つ、軸方向に亙る強い圧縮力が作用した場合のみ、軸方向に関する相対変位を可能に嵌合させて成る。
この為に、アウタチューブ6の内周面には、雌セレーション溝8を形成している。これに対し、インナシャフト7の外周面には、雄セレーション溝9を形成している。そして、インナシャフト7の軸方向他端側部分を、アウタチューブ6の軸方向一端側部分に挿入する事で、雌セレーション溝8と雄セレーション溝9とをセレーション係合させている。尚、インナシャフト7にあっては、後述する第2止め輪18よりも軸方向他端側部分の外周面にのみ、雄セレーション溝9を形成する事もできる。
更に、本例の場合には、アウタチューブ6とインナシャフト7との嵌合部を、いわゆる楕円嵌合としている。即ち、この嵌合部を構成する、アウタチューブ6の軸方向一端部(先端部)の内周面、及び、インナシャフト7の軸方向他端部(先端部)の外周面に、断面形状が楕円形である塑性変形部10a、10bをそれぞれ形成している。尚、図1(B)には、塑性変形部10a、10bの形成範囲にそれぞれ波線を付している。この様な塑性変形部10a、10bは、アウタチューブ6とインナシャフト7とが軸方向に相対変位する際の抵抗となる。この為、この様な構成により、アウタチューブ6の軸方向一端側部分とインナシャフト7の軸方向他端側部分とを、互いの相対回転を不能に、且つ、軸方向に亙る強い圧縮力が作用した場合のみ、軸方向に関する相対変位を可能に嵌合している。
尚、上述した様な塑性変形部10a、10bは、例えば次の様にして形成する。
先ず、アウタチューブ6の軸方向一端部にインナシャフト7の軸方向他端部を僅かに挿入する。次いで、アウタチューブ6の軸方向一端部を工具により径方向外側から押し潰し、アウタチューブ6の軸方向一端部内周面及びインナシャフト7の軸方向他端部内周面を、断面楕円形状に塑性変形させて、当該部分に塑性変形部10a、10bを形成する。その後、アウタチューブ6とインナシャフト7とを、中間シャフト3aの全長を縮める様に軸方向に相対変位させて、中間シャフト3aの全長を通常の使用状態での所定の軸方向長さとする。これにより、アウタチューブ6の塑性変形部10aとインナシャフト7の塑性変形部10bとを、軸方向に離隔して配置する。尚、本例の中間シャフト3aは、大型車に使用されるものであり、一般的な普通乗用車に使用されるものに比べて軸方向寸法が長くなっている。
上述の様な構成を有する中間シャフト3aの軸方向両端部には、自在継手4a、4bが連結されている。この為に、アウタチューブ6の軸方向他端部には、一方の自在継手4aを構成するヨーク11が固定されている。これに対し、インナシャフト7の軸方向一端部には、他方の自在継手4bを構成するヨーク12が固定されている。
又、インナシャフト7の軸方向中間部で、且つ、アウタチューブ6から外部に露出した部分には、インナシャフト7の他の部分に比べて断面積が十分に小さくなった括れ部13が設けられている。
又、インナシャフト7の軸方向中間部には、括れ部13を跨ぐ(覆う)状態で、保護チューブ14が外嵌されている。保護チューブ14は、全体が中空円筒状に構成され、括れ部13よりも十分に長い軸方向寸法を有しており、内周面に雌セレーション溝15が形成されている。雌セレーション溝15は、インナシャフト7の外周面に形成された雄セレーション溝9のうち、括れ部13の軸方向両側に隣接する部分にセレーション係合している。本例の場合、保護チューブ14は、インナシャフト7の軸方向中間部に、圧入、かしめ、楕円嵌合、インジェクション嵌合等の固定手段により、通常の使用状態に於いては、インナシャフト7に対し軸方向に相対変位しない様に固定されている。尚、前記固定手段としては、楕円嵌合が、保護チューブ14を、その断面形状が円形から楕円形になる様に変形させた状態で、インナシャフト7に外嵌するだけで済む為、作業が簡易で作業工数を抑えられる面から好ましく採用できる。又、保護チューブ14の軸方向他端縁部14aは、径方向一端側(図1、2の下側)から他端側(図1、2の上側)に向かう程、軸方向一端側に向かう方向に傾斜している。これに対し、保護チューブ14の軸方向一端縁部は、中心軸に直交する仮想平面上に存在している。又、保護チューブ14の軸方向他端縁部14aと軸方向に対向する、アウタチューブ6の軸方向一端縁部6aは、中心軸に直交する仮想平面上に存在している。
本例の場合、保護チューブ14の軸方向一端側に隣接する部分に、特許請求の範囲に記載した第1ストッパに相当する第1止め輪16が設けられている。第1止め輪16は、全体が欠円環状(略C字形)に構成されており、その内径側部分を、インナシャフト7の外周面のうち、括れ部13が形成された部分よりも軸方向一端側部分に形成された係止溝17に係止している。そして、係止溝17から外部に露出した第1止め輪16の径方向外側部分を、保護チューブ14の軸方向一端面に全周に亙り対向(近接対向又は当接)させている。この様な第1止め輪16は、上述した様な保護チューブ14とインナシャフト7との間に設けた前記固定手段に拘らず、保護チューブ14がインナシャフト7に対して軸方向一端側に相対変位する傾向となった場合に、保護チューブ14がインナシャフト7に対して軸方向一端側に相対変位する事を制限する。つまり、本例の場合には、保護チューブ14がインナシャフト7に対して軸方向一端側に相対変位するのを、前記固定手段と第1止め輪16とで二重に防止しており、第1止め輪16が係止溝17から脱落しない限りに於いては、保護チューブ14がインナシャフト7に対して軸方向一端側に相対変位しない様にしている。
以上の様に、通常時の使用状態では、保護チューブ14が括れ部13を跨ぐ様に配置されている為、インナシャフト7がこの括れ部13で折れ曲がる事が防止される。又、操舵トルクは、主として保護チューブ14によって、インナシャフト7の後部から前部へと伝達される。この為、括れ部13に大きな応力が加わる事も防止される。
又、本例の場合には、第1止め輪16から軸方向一端側に所定長さ分だけ離隔した部分に、特許請求の範囲に記載した第2ストッパに相当する、金属製の第2止め輪18が設けられている。第2止め輪18は、インナシャフト7とは別体で、全体が円環状に構成されており、インナシャフト7の外周面のうち、係止溝17が形成された部分よりも軸方向一端側に、インナシャフト7に対する軸方向の相対変位を不能に固定されている。この様な第2止め輪18の固定方法は特に問わないが、例えば、インナシャフト7の外周面に形成した係止溝に脱落不能に係止する構造や、溶接、接着、圧入、かしめ、ねじ止め等、従来から知られた各種固定構造を必要に応じて適宜組み合わせて採用できる。
又、第2止め輪18の固定位置は、次の様に規制している。即ち、第2止め輪18に対し、保護チューブ14が直接又は第1止め輪16を介して突き当たり、保護チューブ14がインナシャフト7に対して軸方向一端側に相対変位する事が阻止された状態で、保護チューブ14の軸方向他端縁部14aが、括れ部13の径方向外側に位置する(軸方向他端縁部14aと括れ部13とが径方向に重畳する)様に、第2止め輪18の固定位置を規制している。この様な第2止め輪18は、インナシャフト7に対し軸方向一端側へと相対変位する保護チューブ14を適切な位置にとどめる(それ以上の相対変位を阻止する)為に設けられており、前記通常時の使用状態に於いては、その機能を発揮しない。
次に、衝突事故が発生した場合に就いて、図3〜5を参照しつつ、経時的に説明する。衝突事故が発生した場合には、1対の自在継手4a、4b同士を互いに近づける方向の圧縮力が作用する為、アウタチューブ6とインナシャフト7とが中間シャフト3aを収縮させる様に軸方向に相対変位(コラプス)する。本例の場合には、この様な相対変位が発生した際に、アウタチューブ6の内周面に形成した塑性変形部10aによりインナシャフト7の外周面を扱くと共に、インナシャフト7の外周面に形成した塑性変形部10bによりアウタチューブ6の内周面を扱く事により、衝突に伴うエネルギの一部を吸収する。
アウタチューブ6とインナシャフト7との相対変位が進行すると、図3に示した様に、このアウタチューブ6の軸方向一端縁部6aの円周方向一部が、保護チューブ14の軸方向他端縁部14aの径方向一端部に突き当たり、アウタチューブ6から保護チューブ14に対し軸方向一端側に向いた強い力が作用する。これにより、保護チューブ14とインナシャフト7との間に設けた楕円嵌合等の前記固定手段により生じる抵抗に反して、保護チューブ14がインナシャフト7に対して軸方向一端側に相対変位する傾向となる。そして、保護チューブ14が第1止め輪16を軸方向一端側に向けて強く押圧し、この第1止め輪16を係止溝17から脱落させる。この結果、保護チューブ14は、アウタチューブ6と共にインナシャフト7に対し軸方向一端側へと相対変位する。
保護チューブ14(及びアウタチューブ6)の軸方向一端側への相対変位が進行すると、図4に示した様に、保護チューブ14が、第2止め輪18に対して直接(又は第1止め輪16を介して間接的に)突き当たる。これにより、保護チューブ14の軸方向他端縁部14aが、括れ部13の径方向外側に存在する(軸方向他端縁部14aと括れ部13とが径方向に重畳する)適切な位置にて、保護チューブ14が軸方向にそれ以上相対変位する事が阻止される。
この様な状態から中間シャフト3aに対し更に圧縮力が加わると、図5の(A)→(B)に示した様に、保護チューブ14による折れ曲がり阻止力を喪失したインナシャフト7が、括れ部13にて折れ曲がる。具体的には、保護チューブ14の軸方向他端縁部14aとアウタチューブ6の軸方向一端縁部6aとが全周に亙り突き当たる様に折れ曲がった後、その方向に曲げが進行する。これにより、衝突事故に伴って自在継手4a、4b同士の間に加わった衝撃エネルギを吸収しつつ、これら両自在継手4a、4bが互いに近づく事を許容する。
以上の様な構成を有する本例の場合には、衝突事故の発生時に、インナシャフト7の軸方向中間部の外周面に固定した第2止め輪18により、保護チューブ14を適切な位置にとどめ、この保護チューブ14がインナシャフト7に対し軸方向にそれ以上相対変位する事を阻止できる。従って、本例の中間シャフト3aの様に、全長が長いものを使用した場合にも、保護チューブ14の全長を徒に長くしなくて済む。この結果、中間シャフト3aの重量が増大する事を抑制する事ができる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図6を参照しつつ説明する。本例の中間シャフト3bの特徴は、保護チューブ14の相対変位を阻止する為の第2ストッパとして、軸状(円柱状、円すい柱状又は角柱状)の止めピン19を使用した点にある。この止めピン19は、金属製で、インナシャフト7の直径寸法よりもその全長が長くなっている。そして、この様な構成を有する止めピン19を、インナシャフト7に直径方向に貫通する状態で形成された取付孔20に圧入固定している。そして、止めピン19の軸方向両端部を、インナシャフト7の外周面から突出させている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、保護チューブ14がインナシャフト7に対し軸方向一端側に相対変位する事を、容易に且つ確実に阻止する事ができる。
本発明を実施する場合に、第1ストッパ及び第2ストッパの形状及びその支持構造は、前述した実施の形態の各例で説明したものに限定されない。
例えば、第1ストッパとして、図7に示した様なもの使用する事ができる。
(A)に示したものは、弾性を有する断面円形状の線材を曲げ形成する事により造られており、欠円環状の止め輪本体と、止め輪本体の円周方向両端部から径方向外方に折れ曲がった1対の係止環部とを備えている。
(B)に示したものは、一般的にC型リングと呼ばれるもので、金属板を打ち抜き形成する事により造られており、欠円環状の止め輪本体と、止め輪本体の円周方向両端部から径方向外方に突出した1対の耳部とを備えている。
(C)に示したものは、一般的にE型リングと呼ばれるもので、金属板を打ち抜き形成する事により造られており、欠円環状の止め輪本体と、止め輪本体の円周方向両端部及び円周方向中央部から径方向内方に突出した3つの爪部とを備えている。
(D)に示したものは、円環部と、円環部の円周方向複数箇所から径方向内方に突出した複数の舌片とを備えている。
(E)に示したものは、例えば合成樹脂や銅、アルミニウムなどの鉄系材料に比べてせん断抵抗の低い材料から造られたもので、全体を欠円環状に構成している。
(F)に示したものも、(E)と同様に、鉄系材料に比べてせん断抵抗の低い材料から造られたもので、ピン状に構成している。
或いは、第1ストッパを、アウタチューブからの強い力が作用した場合のみ裂断する様に、保護チューブとインナシャフトとの間に架け渡された合成樹脂製のピンとする事もできる。
更に、第2ストッパに就いても、円環状や軸状以外の形状のものを使用する事ができ、溶接、接着、圧入、かしめ、ねじ止め等、従来から知られた各種固定構造によって、インナシャフトに対して固定する構造を採用できる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3、3a、3b 中間シャフト
4a、4b 自在継手
5 ステアリングコラム
6 アウタチューブ
6a 軸方向一端縁部
7 インナシャフト
8 雌セレーション溝
9 雄セレーション溝
10a、10b 塑性変形部
11 ヨーク
12 ヨーク
13 括れ部
14 保護チューブ
14a 軸方向他端縁部
15 雌セレーション溝
16 第1止め輪
17 係止溝
18 第2止め輪
19 止めピン
20 取付孔

Claims (3)

  1. 軸方向中間部に括れ部を有するインナシャフトと、
    軸方向一端側部分にこのインナシャフトの軸方向他端側部分が相対回転不能に挿入されるアウタチューブと、
    前記インナシャフトの軸方向中間部に前記括れ部を跨ぐ状態で外嵌される保護チューブと、
    前記インナシャフトに固定され、このインナシャフトと前記アウタチューブとの軸方向に関する相対変位に基づき、このアウタチューブから前記保護チューブに対し軸方向一端側に向いた力が加わった場合のみ、この保護チューブが前記インナシャフトに対し軸方向一端側に相対変位する事を許容する第1ストッパと、
    前記インナシャフトに固定され、前記保護チューブの軸方向他端縁部が前記括れ部の径方向外側に存在する位置で、この保護チューブの前記インナシャフトに対する軸方向一端側への相対変位を阻止する、このインナシャフトとは別体の第2ストッパと、
    を備える中間シャフト。
  2. 前記インナシャフトと前記アウタチューブとの嵌合部を構成する、このインナシャフトの外周面の軸方向一部及びこのアウタチューブの内周面の軸方向一部に、断面非円形状の塑性変形部がそれぞれ設けられている、請求項1に記載した中間シャフト。
  3. 前記インナシャフトの外周面に雄セレーション溝が設けられており、
    前記アウタチューブ内周面及び前記保護チューブの内周面に雌セレーション溝がそれぞれ設けられている、
    請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した中間シャフト。
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