JP2016072466A - 透光部材の製造方法、発光装置の製造方法及び透光部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状に延長する第1光反射部材を準備する第1の工程と、該第1光反射部材内に、透光性樹脂を充填して硬化させ、透光部材前駆体を得る第2の工程と、前記透光部材前駆体を、該第1光反射部材が延長する方向に交差する方向で切断して個片化する第3の工程と、を有する透光部材の製造方法。
【選択図】図1C
Description
しかし、このような複数の発光素子を備えた発光装置において、個々の発光素子をそれぞれ独立に点灯(発光)ないし制御する場合、点灯した発光素子に隣接する非点灯の発光素子があると、点灯した発光素子からの光によって、非点灯の発光素子が微小発光するという現象が生じる恐れがある。その一方、発光装置の発光素子の搭載数にかかわらず、各発光装置から照射される光の方向をより高精度に制御し、発光装置の見切り性を高めることが求められている。見切り性とは、発光方向への指向性が高いことを指す。
筒状に延長する第1光反射部材を準備する第1の工程と、
該第1光反射部材内に、透光性樹脂を充填して硬化させ、透光部材前駆体を得る第2の工程と、
前記透光部材前駆体を、前記第1光反射部材が延長する方向に交差する方向で切断して個片化する第3の工程とを有することを特徴とする。
上述した製造方法によって得られた透光部材を、発光素子の上面に固定する第4の工程と、
前記発光素子の側面を、第2光反射部材で被覆する第5の工程とを有することを特徴とする。
光反射性物質を含有する樹脂からなる板状体に貫通孔を有する第1光反射部材と、
前記貫通孔内に配置され、波長変換部材を含有する透光性樹脂とを備え、
前記第1光反射部材及び前記透光性樹脂の上面は、略同一面上にあることを特徴とする。
透光部材の製造では、まず、第1の工程において、第1光反射部材を準備する。そして、第2の工程において、第1の工程で準備した第1光反射部材に、準備した透光性樹脂を充填して硬化させて、透光部材前駆体を得る。第2の工程で得られた透光部材前駆体を、第3の工程において、第1光反射部材が延長する方向で切断することで、透光部材を作製する。
第1の工程において、筒状に延長した第1光反射部材を準備する。筒状とは、細長い棒状であって、中心が空洞であるものを意味する。例えば、パイプ状、チューブ状、管状と言い換えることができる。延長する方向とは、筒の高さ方向又は筒の直径に対する垂直方向を意味する。この延長する方向に対して垂直な断面における外径(直径)は、筒状に延長した第1光反射部材よりも短い。第1光反射部材は、剛性であってもよいし柔軟性を有していてもよい。
その断面の外径(直径)は、用いる発光素子のサイズ、形成する発光装置のサイズ等によって、適宜変更することができる。第1光反射部材の外径は、発光素子の上面よりも大きいことが好ましい。これにより、発光装置の見切り性を確保しやすい。第1光反射部材の外径は、形成される発光装置の実装基板の外縁以下の大きさであることが好ましい。これにより、後述する発光装置ごとに分離する工程において、分離しやすい。第1光反射部材の外径は延長方向に変化していてもよいが、一定であることが好ましい。外径は、例えば、数十μm〜数mm程度が挙げられる。内径は、例えば、十数μm〜数百μm程度が挙げられる。
第1光反射部材の内側の形状は、例えば、凹凸、曲面を有する形状としてもよい。個片化後に発光素子の上面に配置される側の第1光反射部材の内径は、発光素子の上面よりも小さくてもよい。
筒状の第1光反射部材の肉厚、つまり、1光反射部材の内径と外径とが一定の場合には、第1光反射部材を容易に形成できるため好ましい。
第1光反射部材は、例えば、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)等の光反射性物質を含むことができる。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等などが挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂(シリコーン変性エポキシ樹脂等)、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂(エポキシ変性シリコーン樹脂等)、ハイブリッドシリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂、ユリア樹脂、BTレジン、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
第2の工程において、透光性樹脂の準備、充填及び硬化を行う。透光性樹脂は、透光性を有するものであればよく、例えば、発光素子から出射される光に対する透過率が60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上の材料によって形成されていることが好ましい。
波長変換部材は、例えば、いわゆるナノクリスタル、量子ドットと称される発光物質でもよい。これらの材料としては、半導体材料、例えば、II−VI族、III−V族、IV−VI族半導体、具体的には、CdSe、コアシェル型のCdSxSe1-x/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。
第2の工程後、第2の工程によって得られた透光部材前駆体30の個片化を行う。この場合、硬化した透光性樹脂の略全周囲に第1光反射部材が配置される形態であれば、どのような形態に切断してもよい。これにより、発光装置の配光特性、特に見切り性を改善することができる。本来、発光素子からの光は拡散して放射状に出射されるため、発光面側に配置される透光部材の第1光反射部材で縁取られることで集約され、発光領域となる透光性樹脂から出射される光が明瞭に区切られる。従って、得られた第1光反射部材の切断は、第1光反射部材が延長する方向に交差する方向、特に、直交する方向に切断することが好ましい。これにより、透光部材において透光性樹脂の上面と下面の位置を一致させやすく、発光装置の見切り性を高めることができる透光部材を形成することができる。
切断は、個片化された透光部材が均一な厚みとなるように行うことが好ましい。例えば、個片化された透光部材の厚みは、数μm〜数mm程度、10〜1000μm程度、10〜500μm程度、さらに50〜300μm程度が挙げられる。個片化した後、研磨等を行って、所望の厚みとしてもよい。
得られた第1光反射部材を連続して切断する場合、各切断は、互いに平行に行うことが好ましく、同じ間隔(厚み)で行うことが好ましい。
発光装置は、第4の工程において、上述した透光部材を、発光素子の上面に固定し、第5の工程において、発光素子の側面を、第2光反射部材で被覆することによって形成することができる。ただし、後述するように、第4の工程と第5の工程は、この順に行うことが好ましいが、必ずしもこの順に行わなくてもよく、これらの工程を同時に又は逆の順序で行ってもよい。
第4の工程の前後、特に第4の工程の前に、発光素子を実装基板上に搭載することが好ましい。これにより、発光素子を実装基板に精度よく実装しやすい。1つの発光素子を1つの実装基板上に搭載してもよいし、複数の発光素子を複数の実装基板上に搭載してもよいし、複数の発光素子を1つの実装基板上に搭載してもよい。複数の発光素子を1つの実装基板上に搭載する場合、第5の工程の後に、発光装置ごとに分離する工程を行ってもよい。
第4の工程において、透光部材を発光素子上に固定する。つまり、発光装置における光取り出し面側に透光部材を配置する。
ここで用いる透光部材は、1つでもよいし、複数でもよい。ここで用いる発光素子は、1つでもよいし、複数でもよい。つまり、実施形態において製造する発光装置は、発光素子を1つのみ含むものであってもよいし、複数含むものであってもよい。
特に、発光装置の見切り性を確保するという観点から、1つの透光部材を1つの発光素子の上に固定することが好ましい。
発光素子は、サファイア等の絶縁性の半導体成長用の基板上に半導体層が積層されて形成されることがあるが、最終的に、この半導体成長用の基板が除去されたものであってもよい。
発光素子は、半導体層の反対側に電極が配置されているもの(両面電極)であってもよいが、同じ側に電極が配置されているものが好ましい。これによって、実装基板に対して電極を接合するフリップチップ実装することができる。発光素子をフリップチップ実装すると、発光素子の上面に透光部材を配置させやすいため好ましい。
このように、本実施形態では、発光素子の上面の大きさにかかわらず、透光部材の透光性樹脂の平面視の大きさによって、発光装置の発光面の大きさが決定される。
いずれの実装基板であっても、例えば、絶縁性の基材と、その表面に形成された導電性の端子又は配線パターンを有する。基材及び端子又は配線パターンを形成する材料、形状、大きさ等は、所望の発光装置の形態によって適宜選択することができる。
第5の工程において、発光素子の側面を第2光反射部材で被覆する。発光素子が複数配置されている場合には、隣接する発光素子(及び透光部材)間を充填するように第2光反射部材を設ける。これにより、見切り性の良い発光装置を形成することができる。さらに、発光素子が隣接して配置される場合における、非点灯の発光素子の微小発光現象を防止することが可能となり、また、発光装置の配光を精度よく制御することができる。第2光反射部材は、直接的に、つまり発光素子の側面と接触するように配置することが好ましい。第2光反射部材は、透光部材との接着性等との観点から、第1光反射部材を構成する材料と同じ材料、特に同じ樹脂を含むことが好ましい。上述した反射膜のなかから選択したもので形成してもよい。複数の層で構成されていてもよい。
図1Aに示すように、第1の工程において、筒状に延長した第1光反射部材11を準備する。第1光反射部材11は、シリコーン樹脂に、60重量%の光反射性物質であるTiO2を含有させて成形したものを用いることができる。そのサイズは、例えば、延長方向に垂直な断面の外径1300×400μm、肉厚50μm、延長方向の長さ200mmとすることができる。本実施例の第1光反射部材11は、その延長方向に垂直な断面において、外形が矩形であり、その中心に矩形の貫通孔を有する。すなわち、矩形の環状である。本実施例の第1光反射部材11の内側の形状は、延長方向において一定であり、第1光反射部材11の肉厚は略一定である。
実施例2に示される透光部材は、内側にテーパ形状が連続して配置される図2Aに示す第1光反射部材21を用いた以外は、実施例1と略同様の構成及び製造方法で形成される。
この第1光反射部材21は、例えば、射出成形によって筒状に成形された第1光反射部材を冷却する際に内側からプレスすることにより、内側にのみテーパ形状を複数形成することができる。このような形状は、予めレジスト等の可溶性の成形物を形成し、その周りに第1光反射部材を形成し、その後に成形物を溶解させて除去することによっても、形成可能である。つまり、テーパ形状を複数有する成形物を準備し、その側面に第1光反射部材を形成し、成形物を溶解させて除去することにより、図2Aに示される第1光反射部材を形成することができる。
透光部材前駆体30は、図2Aに示すように、幅狭及び幅広の部位の境界Bにおいて切断することにより、図2Bに示す透光部材23を得ることができる。
まず、第4の工程において、図3Aに示される実装基板に実装された発光素子14に、実施例1で得られた透光部材13を、透光性の接着部材等を介して発光素子14の上面に載置し、図3Bに示すように固定する。
第2光反射部材15は、透光部材13の下方にのみ配置しており、その上面が、透光部材13の下面と一致している。発光素子14と実装基板16との空間にも、第2光反射部材15が充填される。これによって、発光素子14から出射される光を、透光部材13に効率的に導入することができる。その結果、配光性及び見切り性の良好な発光装置を得ることができる。
実施形態1で得られた透光部材13に代えて、実施例2で得られた透光部材23を用いて、実施例3と同様にして発光装置を製造する。透光部材23における第1光反射部材21の外形は、図4に示すように、実施例1の透光部材13と同じであるが、透光性樹脂22の側面及び第1光反射部材の内側が、その上面から下面に幅広となっている。透光性樹脂22の下面の外縁は、発光素子の外縁の外側に配置される。このような形状によって、発光素子14から出射された光は、効率的に透光性樹脂22を通り、かつ、第1光反射部材21の内面がリフレクタの役割を果たすことで、より一層良好に発光装置から取り出される。
図5Aに示すように、複数の発光素子14を1つの実装基板36上に、規則的に配列して搭載する。また、図5Bに示すように、支持体37として剥離型の粘着シート上に、実装基板36上に配列した発光素子14にそれぞれ対応する位置に、複数の透光部材13を規則的に配列する。
第4の工程において、図5Cに示すように、平面視において、透光部材13の透光性樹脂12の外縁が、発光素子14の外縁より外側にそれぞれ配置するように、透光部材13を発光素子14上に一括して載置し、固定する。
第5の工程において、図5Dに示すように、透光部材13と支持体37とを固定したまま、第2光反射部材15を、透光部材13の下方に吐出することにより、その流動性を利用して、複数の発光素子14のそれぞれの全ての側面を一体的に被覆する。その後、図5Eに示すように、透光部材13から支持体37を剥離する。これにより、支持体37が第2光反射部材15のマスクとなり、第2光反射部材15を、主に、透光部材13の下方に配置することができる。
図5Fに示すように、発光素子14間の第2光反射部材15である切断位置Cで、ダイサーを用いて、実装基板36及び第2光反射部材15を切断することで、発光装置を得ることができる。
上記以外は、実質的に実施例3と同様の方法で製造することができる。
このような発光装置においても、実施例2の発光装置と同様の効果が得られる。
さらに、複数の発光装置が搭載される発光装置であっても、個々の発光素子をそれぞれ独立に点灯制御する際に、点灯した発光素子の光が、隣接する非点灯の発光素子方向に出射しにくく、非点灯の発光素子の微小発光を阻止することができる。
12a 透光性樹脂
12、22 硬化した透光性樹脂
30 透光部材前駆体
13、23 透光部材
14 発光素子
15 第2光反射部材
16、36 実装基板
37 支持体
Claims (17)
- 筒状に延長する第1光反射部材を準備する第1の工程と、
該第1光反射部材内に、透光性樹脂を充填して硬化させ、透光部材前駆体を得る第2の工程と、
前記透光部材前駆体を、前記第1光反射部材が延長する方向に交差する方向で切断して個片化する第3の工程とを有することを特徴とする透光部材の製造方法。 - 第2の工程において、前記透光性樹脂に波長変換部材を含有させる請求項1に記載の透光部材の製造方法。
- 第1の工程において、前記第1光反射部材を、光反射性物質及び樹脂により形成する請求項1又は2に記載の透光部材の製造方法。
- 第3の工程において、前記透光部材前駆体を、前記第1光反射部材の延長する方向に直交する方向で切断する請求項1〜3のいずれか1つに記載の透光部材の製造方法。
- 前記第1光反射部材を構成する前記樹脂に、前記透光性樹脂と同じものを用いる請求項3又は4に記載の透光部材の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1つの製造方法によって得られた透光部材を、発光素子の上面に固定する第4の工程と、
前記発光素子の側面を、第2光反射部材で被覆する第5の工程とを有することを特徴とする発光装置の製造方法。 - 第4の工程において、平面視、前記透光性樹脂の外縁よりも小さい前記発光素子を用い、前記透光性樹脂の外縁を、前記発光素子の外縁よりも外側に配置し、前記透光部材を前記発光素子に固定する請求項6に記載の発光装置の製造方法。
- 第4の工程において、平面視、前記透光部材の外縁よりも大きい前記発光素子を用い、前記透光部材の外縁を、前記発光素子の外縁よりも内側に配置し、前記透光部材を前記発光素子に固定し、
第5の工程において、さらに、前記発光素子の上面及び前記透光部材の側面を、前記第2光反射部材で被覆する請求項6に記載の発光装置の製造方法。 - 第4の工程の前後に、前記発光素子を実装基板上に搭載し、
第5の工程において、前記第2光反射部材を、前記発光素子の側面から前記基板の表面にわたって被覆する請求項6又は7に記載の発光装置の製造方法。 - 第4の工程の前後に、前記発光素子を実装基板上に搭載し、
第5の工程において、前記第2光反射部材を、前記透光部材の側面から前記実装基板の表面にわたって被覆する請求項6〜8のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。 - 第4の工程の前後に、
複数の前記発光素子を、1つの実装基板上に搭載する請求項6〜10のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。 - 第4の工程の前に、複数の前記透光部材を1つの支持体上に配列し、
第4の工程において、前記発光素子を前記支持体上の前記透光部材に配置してそれぞれ固定する請求項6〜11のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。 - 第5の工程の後、前記発光装置ごとに分離する請求項11又は12に記載の発光装置の製造方法。
- 第5の工程において、第2光反射部材として、光反射性物質及び前記透光性樹脂を用いる請求項6〜13のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
- 第5の工程において、前記第2光反射部材の上面を前記透光部材の下面と一致させる請求項6、7及び9〜14のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
- 第5の工程において、前記第2光反射部材の上面を前記透光部材の上面と一致させる請求項6〜15のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
- 光反射性物質を含有する樹脂からなる板状体に貫通孔を有する第1光反射部材と、
前記貫通孔内に配置され、波長変換部材を含有する透光性樹脂とを備え、
前記第1光反射部材及び前記透光性樹脂の上面は、略同一面上にあることを特徴とする透光部材。
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