JP2016071437A - 自動走行車両 - Google Patents

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【課題】互いに間隔をあけて並んでいる樹木や人工立設物などの間を、自動で走行可能な自動走行車両を提供する。【解決手段】2つの物体を目標物として設定する目標物設定部12と、2つの目標物を通る走行時の基準となる基準線を設定する基準線設定部13と、2つの目標物の間に所定側から入り込む進入走行と、基準線に沿って走行する直線走行と、所定側に抜け出す抜け出し走行と、目標物の側方を通過する側方通過走行とを実行する走行制御部16と、同位相四輪操舵機構50に出力する操舵制御信号による同位相四輪操舵機構50の操舵挙動を検出する操舵挙動検出部21と、操舵挙動検出部21によって検出された操舵挙動に基づいて走行車体と目標物との衝突可能性を判定する判定部22が備えられている。【選択図】図3

Description

本発明は、自動で走行する自動走行車両に関する。
従来、車両の位置を検出する際に、GPS(Global Positioning System)が用いられてきた。GPSを利用するには上空のGPS衛星からの電波を受信する必要があり、電波状況が悪い場所では受信が途切れてしまう。このため、例えば、GPSを用いて自動で車両を走行させる場合には、GPSを補完する方位センサなどが必要になる。GPSでは自車位置を検知することができるが、障害物や走行目標となる物体の位置を検知することができない。
特許文献1には、GPSではない移動体の位置計測装置が搭載された自走走行車両が記載されている。この位置計測装置は、所定の座標軸上における移動体の位置及び走行方向を推定演算する推定演算手段と、移動体の予定走行路に沿って間欠的に配設された基準点に対する移動体の相対位置を検出する相対位置検出手段とを備えている。
また、特許文献2に記載の移動体の位置計測装置は、移動経路の周囲に配置された設置位置が既知の2個以上の反射手段を備え、移動体から反射手段に対して光等を投射して、その反射光等により移動体の進行方向と反射光等の入射角度との間の相対角度を計測する。また、移動体には当該移動体の進行方向に沿った走行距離を計測する計測手段と、移動体の進行方向を向きとして計測する計測手段とが備えられ、反射手段の設置位置、移動体から見た反射手段に対する現在及びそれより一定時間前の相対角度、一定時間前から現在に至るまでの移動体の位置の変位量と向きの変位量から、移動体の絶対位置及び向きを演算する。
特開平7−159187号公報 特開平11−271043号公報
特許文献1に記載の技術では、予定走行路に沿って、予め光反射手段を設置しておく必要がある。また、特許文献2に記載の技術では、複数の反射板を予め設置しておき、当該設置位置を登録しておかなければならない。このため、特許文献1及び2に記載の技術では、移動体は予め光反射手段や反射板が設置されている場所でしか自動で走行することができない。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、予め光反射手段や反射板などを設置することなく、互いに間隔をあけて並んでいる樹木や人工立設物などの間を、自動で走行可能な自動走行車両を提供することにある。
本発明による自動走行車両は、走行前側の車輪と走行後側の車輪とが操舵可能な同位相四輪操舵機構を有する走行車体と、予め設定された範囲に向けて検出信号を送信し、前記検出信号に対する反射信号を取得して、前記予め設定された範囲に存在する物体を検出する物体検出部と、前記物体検出部により検出された2つの物体の位置に基づいて、当該2つの物体を目標物として設定する目標物設定部と、前記目標物設定部により設定された2つの目標物を通り、走行時の基準となる基準線を設定する基準線設定部と、前記基準線から前記走行車体までの距離である離間距離を演算する距離演算部と、前記目標物の位置及び前記離間距離に基づいて前記2つの目標物の間に所定側から入り込む進入走行と、前記2つの目標物の間を前記基準線に沿って走行する直線走行と、前記2つの目標物の間から前記所定側に抜け出す抜け出し走行と、前記目標物の前記所定側の側方を通過する側方通過走行とを実行する走行制御部と、前記走行制御部からの操舵指令に基づいて前記同位相四輪操舵機構に操舵制御信号を出力する操舵制御部と、前記操舵制御信号による前記同位相四輪操舵機構の操舵挙動を検出する操舵挙動検出部と、前記操舵挙動検出部によって検出された操舵挙動に基づいて前記走行車体と前記目標物との衝突可能性を判定する判定部とを備えている。
この構成によれば、物体検出部により検出された2つの物体の位置に基づいて、2つの目標物が設定される。基本的な走行においてはこの基準線から走行車体までの距離を所定値に維持するように、操舵制御信号が出力される。2つの目標物(物体)の間を走行する際には、手前側の目標物の側方を通り抜ける側方通過走行と、手前側の目標物の側方から2つの目標物の間に入り込んで行く進入走行と、2つの目標物の間を走行する直線走行と、遠方側の目標物を回避すべく2つの目標物の間から抜け出す抜け出し走行とを行う必要があり、全体としてこれらの走行はいわゆるジグザグ走行となっている。このジグザグ走行は、実質的には基準線から走行車体までの維持すべき距離を変えていくことで可能となる。本発明では、このジグザグ走行が、目標物の一方側でのみ行われるので、つまり基準線に関して一方側を走行するようにしているので、その自動走行は簡単化される。また、操舵機構が、走行前側の車輪と走行後側の車輪とが同方向に操舵可能な同位相四輪操舵機構として構成されており、前記進入走行及び抜け出し走行において前記同位相四輪操舵機構による前記走行車体の平行移動により進路変更が行われる。なお、本発明において、同位相四輪操舵機構なる語句は、いわゆるカニ走行が可能な操舵機構の総称として用いられており、走行前側の車輪または走行後側の車輪が1輪であってもよいし、3輪以上であってもよい。
さらに、進入走行及び抜け出し走行においては、走行車体の姿勢を変えずに斜めに走行(一般にはカニ走行とも呼ばれる)できるため(極端な場合は車体前後方向に対して直角に走行できるため)、目標物と走行車体の走行軌跡の正確な算定が簡単である。これにより、進入走行及び抜け出し走行であっても走行車体は目標物とできるだけ接近させて走行することができる。さらには、走行制御部からの操舵制御信号によって動作する同位相四輪操舵機構の操舵挙動、例えば操舵タイミングとその際の操舵角などが、操舵挙動検出部によって検出される。操舵機構が同位相四輪操舵機構であるので、判定部は、検出された操舵挙動に基づいて、走行車体の走行軌跡が迅速かつ簡単に算定することができ、走行車体と前記目標物との衝突可能性を判定することができる。これにより、例えば、果樹園の果樹のように、多数の物体が間隔をあけて並んでいるような場所での上述したジグザグ走行においても、果樹との衝突を高い信頼性で回避することが可能である。
判定部によって衝突可能性が判定された場合、走行車体を停止させることでその衝突は未然に防止される。一旦、走行車体を停止させると、自動走行管理者が近くにいない場合などでは、自動走行までに時間がかかるという不都合が生じる。また、目標物に近接して走行させる場合、わずかな操舵の遅れや早過ぎで、頻繁に衝突可能性が生じる可能性があり、自動走行管理者の負担が大きくなる。このような自動走行管理者の負担を軽減するため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記抜け出し走行時において前記判定部によって判定された衝突可能性を回避する抜け出し走行時衝突回避制御部が備えられている。衝突可能性が判定された場合、その衝突を避けるための自動走行アルゴリズムを走行時衝突回避制御部に構築しておくことで、自律的に衝突を回避する自動走行が可能となる。抜け出し走行時の衝突回避アルゴリズムの好適な1つは、走行車体を一旦後退走行させた後に再度操舵制御信号出力することによって回避することである。抜け出し走行時における衝突可能性は、操舵制御信号の遅れである可能性が高いので、適切な操舵開始点まで一旦後退すれば、元の抜け出し走行のための操舵制御信号で衝突のない抜け出し走行が実現する。
さらなる本発明の好適な実施形態の1つでは、前記進入走行時において前記判定部によって判定された衝突可能性を回避する進入走行時衝突回避制御部が備えられている。これにより、抜け出し走行とともに目標物との衝突可能性が高くなる進入走行においても、衝突可能性が判定された場合、その衝突を避けるための自動走行アルゴリズムを走行時衝突回避制御部に構築しておくことで、自律的に衝突を回避する自動走行が可能となる。進入走行時の衝突回避アルゴリズムの好適な1つは、操舵制御信号を中断して遅延させることで回避することである。進入走行時における衝突可能性は、操舵制御信号の出力タイミングが早すぎることから、走行車体が目標物に接触する可能性が高い。したがって、当該操舵制御信号の出力を一旦中断し、遅延させることで、走行車体を進入走行時の衝突を回避できる位置まで走行させ、その後に進入走行のための操舵を再開する。これにより、衝突のない進入走行が実現する。
目標物以外の物体が衝突可能性のある障害物として存在した場合でも、上述した抜け出し走行と側方通過走行と進入走行との組み合わせで、当該障害物を迂回することができる。このような、一連の抜け出し走行と側方通過走行と進入走行の走行制御を障害物回避のために流用するためには、その迂回経路は、前記所定側の方向への迂回経路とするとよい。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記目標物以外の物体である障害物が検出された場合、前記所定側の方向への迂回により前記障害物との衝突を回避するように構成されている。
自動走行車両の走行経路の一例を示す模式図である。 自動走行車両を模式的に示した側面図である。 自動走行車両の自動走行に係る機能部を模式的に示したブロック図である。 物体検出部の検出範囲を示す図である。 抜け出し走行から側方通過走行を経て進入走行に至る自動走行車両の走行状態を示す模式図である 抜け出し走行における操舵制御を説明するための模式図である。 抜け出し走行における衝突可能性の判定後の回避走行を示す模式図である。 進入走行における衝突可能性の判定後の回避走行を示す模式図である。
本発明に係る自動走行車両は、予め設定された区画内において目標物を設定し、当該目標物に基づいて自動で走行可能に構成される。以下、本実施形態の自動走行車両1について説明する。本実施形態では、自動走行車両1は、図1に示された例では、果樹園に間隔をあけて植えられている複数の果樹Kを走行目標物(単に目標物と略称される)Oとしてこの目標物Oの間に生えている草を刈り取りながら自動走行するよう構成されている。したがって、この自動走行車両1は、2つの目標物Oの間を結ぶ基準線SLとの距離が近く設定されている場合には、目標物Oである果樹Kが走行の邪魔となる場合には、当該果樹Kを一方方向に避けながら走行する一方側に偏ったジグザグ走行を行う。基準線SLとの距離が遠くて果樹Kが走行の邪魔とならない場合には、基準線SLからの距離を一定に維持しながらノーマル直線走行を行う。したがって、自動走行車両1の走行軌跡線(以下単に走行線と称する)は、ジグザグ走行の走行軌跡であるジグザグ走行線At、Ai、As、Aoとノーマル直線走行の走行軌跡であるノーマル走行線Anとからなる。
ジグザグ走行は、手前側の果樹Kである目標物Oの斜め後からスタートする図1の例では、手前側の目標物Oの側方を通り抜ける側方通過走行と、手前側の目標物Oの側方から2つの目標物Oの間に入り込んで行く進入走行と、2つの目標物Oの間を走行する直線走行と、遠方側の果樹Kである目標物Oを回避すべく2つの目標物Oの間から抜け出す抜け出し走行とからなる1つの走行単位の繰り返しである。図1では、側方通過走行の走行線には符号Atが付与され細点線で描かれ、進入走行の走行線には符号Aiが付与され太実線で描かれ、直線走行の走行線には符号Asが付与され細実線で描かれ、抜け出し走行の走行線には符号Aoが付与され太点線で描かれている。ノーマル直線走行は、維持する基準線SLからの離間距離が異なるだけで実質的には直線走行と同じであり、その走行線には符号Anが付与され細実線で描かれている。
自動走行車両1は、ジグザグ走行とノーマル直線走行との組み合わせで果樹園全体を走破するが、単一のジグザグ走行及びノーマル直線走行において果樹園の端部に達すると、線Bで示されるように前後進を繰り返して、自動走行車両1の位置を側方にずらすようにスイッチバックを行う。したがって、自動走行車両1は、果樹園の一方の端部から他方の端部に向って走行する場合と、果樹園の他方の端部から一方の端部に向って走行する場合とで進行方向を向く側が異なることになる。
図2には本実施形態の自動走行車両1の側面図が示される。図2に示されるように、自動走行車両1は、車輪2と走行車体3(以下単に車体3と略称される)とを備えて構成される。車輪2は、車体3の車長方向の一端側の第1車輪2A、及び車長方向の他端側の第2車輪2Bから構成される。車体3には、自動走行車両1の動力源であるエンジン4、エンジン4に供給する燃料が備蓄されている燃料タンク5、エンジン4により駆動される発電機6、発電機6により発電された電力を蓄電し、自動走行車両1が有する電気機器に電力供給するバッテリ7、自動走行車両1の自動走行を制御する自動走行制御装置10、バッテリ7から供給される電力に基づき第1車輪2Aの操向操作を行う第1車輪操向操作機構51、バッテリ7から供給される電力に基づき第2車輪2Bの操向操作を行う第2車輪操向操作機構52、エンジン4の回転力が入力され、草刈りに使用する刈り刃54を有する草刈装置53、第1車輪2A及び第2車輪2Bの少なくとも一方と草刈装置53とへのエンジン4の回転力の断接を行う動力伝達機構55を備えている。この実施形態では、第1車輪操向操作機構51と第2車輪操向操作機構52とが、自動操舵機構50を構成している。車体3の前後の端部には、衝突バッファレバー機構56が設けられている。この衝突バッファレバー機構56は、ばね力によって衝突の衝撃を緩和するとともに、衝突バッファレバー機構56のレバー変位を検出するセンサ(非図示)から衝突信号を出力する。衝突信号が出力されると自動走行車両1は緊急停止する。
図3には、自動走行車両1の自動走行に係る機能部を示すブロック図が示される。自動走行車両1は、自動走行制御装置10、第1車輪操向操作機構51、第2車輪操向操作機構52、動力伝達機構55の各機能部を備えて構成される。自動走行制御装置10は、物体検出部11、目標物設定部12、基準線設定部13、距離演算部14、走行範囲設定部15、走行制御部16、操舵制御部16A、物体数設定部17、物体計数部18、物体数判定部19、走行モード選択部20、操舵挙動検出部21、判定部22の各機能部を備えて構成され、各機能部は、自動走行車両1の自動走行に係る種々の処理を行うためにCPUを中核部材としてハードウェアまたはソフトウェア或いはその両方で構築されている。
物体検出部11は、予め設定されたスキャニング範囲に向けて検出信号を送信し、当該検出信号に対する反射信号を取得して、車体3の車長方向に沿って延長した車長延長線よりも車体3の両側方のうちの一方の側に存在する物体を検出する。予め設定されたスキャニング範囲とは物体検出部11の検出可能な範囲であり、本実施形態では図4に示されるような自動走行車両1を中心とする約270度の範囲Rである。検出信号とはレーザーや光や超音波等のように空中伝搬する信号である。このような検出信号は回転ミラーを通じてスキャニング送信され、物体に衝突すると反射される。物体検出部11は、検出信号を予め設定されたスキャニング範囲で送信し、衝突によって生じる反射信号を取得する。物体検出部11は、検出信号の送信方向(送信時のスキャン角度:回転ミラーの角度に対応する)に基づいて物体検出部11を基準とした物体が存在する方向(送信角度:θ1、θ2)を示す情報と、検出信号を送信してから反射信号を取得するまでの時間に基づいて演算した物体検出部11から物体までの距離を示す情報とを取得する。本実施形態では、物体検出部11は水平方向に、且つ、上述した範囲Rに対して例えば0.5度のスキャンピッチで検出信号を送信する。
車体3の車長方向とは、自動走行車両1の車体3の長さ方向である。したがって、車長延長線とは、自動走行車両1の長さ方向一端側の車幅方向中央部と、長さ方向他端側の車幅方向中央部とを結ぶ延長線にあたる。もちろん、自動走行車両1の長さ方向一端側の左端及び右端の一方と、長さ方向他端側の左端及び右端の一方とを結ぶ延長線であっても良い。車体3の両側方とは、車体3の進行方向前側を見て右側と左側である。したがって、一方の側とは、当該右側または左側が相当する。本実施形態では、図4に示されるように、物体検出部11が検出する範囲Rは自動走行車両1を中心とした全周囲のうち約270度の範囲である。このため、一方の側とは、全領域に亘って検出可能な側を意味し、具体的には図4に示されるように、自動走行車両1が紙面上側の方向に向って走行する場合には進行方向を見て左側が相当し、自動走行車両1が紙面下側の方向に向って走行する場合には進行方向を見て右側が相当する。このように物体検出部11は、自動走行車両1の片側に存在する物体を検出する。
目標物設定部12は、物体検出部11により検出された物体のうち、少なくとも2つの物体の位置に基づいて、当該少なくとも2つの物体を目標物Oとして設定する。物体検出部11は、図4に示されるように所定の範囲(図4ではRで示されている270度のスキャニング範囲)内に検出信号を送信する。このため、この範囲R内に存在する物体を検出する。ここで、本実施形態では自動走行車両1は果樹Kが植えられている果樹園を自動走行する。このため、果樹園内の果樹Kや果樹Kを支持する支柱の中から目標物Oが設定される。また、本実施形態では、自動走行車両1は少なくとも2つの物体を検出できれば目標物Oを設定することができる。このため、本実施形態では、目標物設定部12は範囲R内において物体検出部11により検出された物体から2つの物体を用いて目標物Oとして設定するとして説明する。
2つの目標物Oのうちの一方は、自動走行車両1から左側方を見て最も近い位置にある物体が選択される。図4の例では、符号O1を付したものが相当する。2つの目標物Oのうちの他方は、物体検出部11により検出された物体のうち、進行方向に沿って並んだ物体を用いて設定される。進行方向に並んだ物体とは、先に設定された目標物O1から見て自動走行車両1の進行方向奥側に位置する物体である。ここで、進行方向奥側には、図1に示されるように複数並んでおり、物体検出部11により複数検出されることもある。そこで、目標物設定部12は、現在、設定されている目標物Oから車長方向に沿って予め設定された距離内において新たな目標物Oを設定する。これにより、現在、設定されている目標物Oに近い位置にある物体を目標物Oとして設定することができるので、物体が配置されている形態に応じて自動走行車両1を走行させることが可能となる。また、予め設定された範囲内をフィルタリングして目標物Oを設定するので、目標物Oの設定に係る演算処理を軽減できる。このようなフィルタリングする範囲として、例えば基準線SLを中心とした幅180cmであって、進行方向奥側の目標物O2の前方150cm以上先とすると良い。さらには、果樹園においては予め設定された距離毎に果樹Kを植えているので、所定距離毎に目標物Oが設定されない場合には、物体検出部11が異常であるか否かを判定することもできる。上述した予め設定された距離とは、例えば目標物設定部12が検出可能であり、死角とならない範囲とすることも可能である。
本実施形態では、目標物設定部12により、先に設定された目標物O1から見て自動走行車両1の進行方向において最も近い物体が選択される。図4の例では、符号O2を付したものが相当する。自動走行車両1に関する目標物O1及び目標物O2の座標位置は、目標物O1に係る物体検出部11の検出結果から算定される自動走行車両1と目標物O1との間の距離及び自動走行車両1を中心とする目標物O1の角度:θ1と、目標物O2に係る物体検出部11の検出結果から算定される自動走行車両1と目標物O2との間の距離及び自動走行車両1を中心とする目標物O2の角度:θ2とに基づき、三角関数の公式を用いて演算することができる。目標物O1及び目標物O2の座標位置から目標物O1と目標物O2との間の距離は算定される。
ここで、自動走行車両1は、進行方向がどの方位であるかを自ら認識することができないので、自動走行車両1に対して予めユーザが進行方向を設定しておくと好適である。もちろん、自動走行車両1の長さ方向両端のうち、最初に進行する側の端部を設定しておき、当該端部が向いている側を進行方向として設定しても良い。
基準線設定部13は、目標物設定部12により設定された少なくとも2つの目標物Oを通り、走行時の基準となる基準線SLを設定する。目標物設定部12により設定された少なくとも2つの目標物Oとは、本実施形態では上述した目標物O1及び目標物O2である。基準線設定部13は、自動走行制御装置10内で用いる座標系において、この目標物O1と目標物O2とを直線で繋いで基準線SLを設定する。基準線SLは後述するように自動走行車両1が自動走行する際に基準として利用される。
距離演算部14は、基準線SLから車体3までの距離(離間距離)を演算する。基準線SLから車体3までの距離とは、上記座標系において基準線SLと車体3とを最短で繋いだ距離である。このため、車体3を通るように引いた基準線SLからの垂線上での距離にあたる。
走行範囲設定部15は、自動走行車両1が自動走行する走行経路に対して許容される走行範囲を設定する。本実施形態では自動走行車両1は自動走行しながら草を刈り取る。このため、自動走行車両1が自動走行する走行経路は、草を刈り取る経路に相当する。詳細は省略するが、刈り刃54は自動走行車両1の車体3の中央部の底面に車幅方向に亘って設けられる。自動走行車両1は果樹園の一方の端部から他方の端部まで自動走行する際に、先に走行した経路に対して刈り取る領域の一部(例えば20〜30cm)を重複させて自動走行する。上述した許容される走行範囲は、このような重複する幅の1/2〜1/3(例えば10〜15cm)程度に設定すると好適である。これにより、刈り取りムラの発生を防止できる。
走行制御部16は、基準線SLから車体3までの距離(離間距離)及び、目標物O1及び目標物O2から車体3までの距離に基づいて、自動走行車両1を走行させる。自動走行車両1に操舵が必要な場合には、操舵制御部16Aに操舵指令を与えて、第1車輪操向操作機構51及び第2車輪操向操作機構52を動作させ、第1車輪2A及び第2車輪2Bの操舵角を変更する。第1車輪2A及び第2車輪2Bの操舵角を検出する操舵センサ57が設けられている。
基準線SLから車体3までの距離は、上述した距離演算部14により演算され、順次、リアルタイムで走行制御部16に伝達される。走行制御部16には、直線走行制御部160、側方通過走行制御部161、進入走行制御部162、抜け出し走行制御部163が含まれている。直線走行制御部160は、直線走行及びノーマル直線走行のために用いられる。側方通過走行制御部161は、側方通過走行のために用いられている。進入走行制御部162と抜け出し走行制御部163とは、それぞれ、進入走行と抜け出し走行のために用いられている。この4つの走行制御部160〜163から実行すべき走行制御部を選択する選択指令は、走行モード選択部20が、基準線SLから車体3までの距離(離間距離)及び、目標物O1及び目標物O2から車体3までの距離に基づいて、出力する。
直線走行制御部160は、基準線SLから車体3までの距離を予め設定された範囲内に維持しながら、基準線SLに沿って自動走行車両1を走行させる。この実施形態では、直線走行においては、車体3の中心が基準線SLを超えないように、より好ましくは、車体3の中心と車体3の入り込んだ側の側端部(図1で進行方向左側の端部)との間に基準線SLが位置するように走行制御される。側方通過走行制御部161は、基本的には、基準線SLから車体3までの距離を目標物O1と接触しない位置に設定して、基準線SLに沿って自動走行車両1を走行させる。
抜け出し走行制御部163は、図5に示すように、直線走行における走行線(その走行線がAsで示されている)において、側方通過走行の走行線(その走行線がAiで示されている)の方に移動しても、車体3と目標物O1とが接触しない位置に達した段階で、直線走行から抜け出し走行に移行する。その後、自動走行車両1が側方通過走行での走行線(その走行線がAtで示されている)に達すると、側方通過走行に移行する。
この実施形態における抜け出し走行では、図5でも示されているように、第1車輪2Aと第2車輪2Bとが同位相となるように操舵される同位相操舵が行われるので、車体3の向きが変わることなしに自動走行車両1は直線走行の走行線Asから側方通過走行の走行線Atへ移動する。したがって、車体3の走行軌跡は簡単に算定することができる。その走行軌跡の算定をさらに簡単にするためには、同位相操舵の操舵角を一定しておくとよい。直線走行から抜け出し入走行のタイミングは、車体3の進行方向左側の先端の軌跡が目標物O1と干渉しないように決定される。
進入走行制御部162は、図5に示すように、側方通過走行(その走行線がAtで示されている)において、自動走行車両1が進行方向を変えて基準線SLの方に入り込んでいっても、車体3と目標物O1とが接触しない位置に達した段階で、側方通過走行から進入走行(その走行線がAiで示されている)に移行する。その後、自動走行車両1が直線走行(その走行線がAsで示されている)における基準線SLから車体3までの距離に達すると、直線走行に移行する。その際、2つの目標物O1とO2との間隔が短い場合、側方通過走行から基準線SLへの進入位置、つまり、側方通過走行から進入走行を経て直線走行するまでの入り込み距離が大きいと、抜け出し走行を行うために必要な車体3と目標物O1との距離が取れなくなってしまう。このことから、進入走行における、進入走行における基準線SLの一方側から基準線SLへの進入位置は、2つの目標物O1とO2との間の距離及び車体3の外形寸法をパラメータとし、車体3と目標物O1またはO2との距離が最小となる条件で、算定される最大値が採用される。
この実施形態における進入走行でも、図5でも示されているように、抜け出し走行と同様に、第1車輪2Aと第2車輪2Bとが同位相となるように操舵される同位相操舵が行われるので、車体3の向きが変わることなしに自動走行車両1は側方通過走行の走行線Atから直線走行の走行線Asへ移動する。したがって、側方通過走行から進入走行のタイミングは、車体3の進行方向左側の後端軌跡が目標物O1と干渉しないように決定される。
この場合でも、同位相操舵の操舵角を一定しておくと軌跡演算上は好都合である。直線走行から抜け出し入走行のタイミングは、車体3の進行方向左側の先端端の軌跡が目標物O1と干渉しないように決定される。
上述したように、自動走行車両1はエンジン4を動力源として走行する。また、第1車輪2A及び第2車輪2Bは、夫々操向操作可能に構成され、夫々第1車輪操向操作機構51及び第2車輪操向操作機構52により操向操作が行われる。また、エンジン4により発生された回転力は、第1車輪2A及び第2車輪2Bの少なくとも一方に動力伝達機構55を介して伝達される。第1車輪2A及び第2車輪2Bに対する動力の伝達は、双方に行って自動走行車両1を4輪駆動としても良いし、一方に行って2輪駆動としても良い。また、第1車輪2A及び第2車輪2Bの夫々は、左右一対で構成されても良いし、少なくとも一方が1輪で構成されていても良い。走行制御部16は、基準線SLから自動走行車両1までの距離が予め設定された範囲内に収まるように、第1車輪操向操作機構51、第2車輪操向操作機構52、及び動力伝達機構55を制御して、基準線SLに沿って走行させる。
自動走行車両1は、基準線SLに沿って走行しながら次の目標物Oとなる物体を検出する。現在の基準線SLの設定に係る進行方向前側の目標物O2に対する側方通過走行に入ると、当該目標物O2を進行方向手前側の目標物O1とし、新たに設定した目標物Oを進行方向奥側の目標物O2として設定する。これらの目標物O1及び目標物O2により基準線SLを設定し直して、当該基準線SLに沿って果樹園の一方の端部から他方の端部まで走行する。このように自動走行車両1は、目標物設定部12が目標物Oを更新しながら、果樹園の一方の端部から他方の端部まで走行する。
自動走行車両1は、果樹園の一方の端部から他方の端部まで基準線SLに沿って走行し、端部においてはスイッチバックをして、そこで設定された基準線SLに沿って走行する。本実施形態では、自動走行車両1は自車が果樹園の端部に達した否かを物体の数によって認識するよう構成されている。すなわち、物体数設定部17が区画内において物体検出部11が検出する物体の数を予め設定しておく。区画内において物体検出部11が検出する物体の数とは、自動走行車両1は、果樹園の一方の端部から他方の端部まで走行する際に目標物Oとして設定する物体の数である。物体数設定部17は、このような物体の数を予め設定し、記憶しておく。
この物体の数は、ユーザが自動走行車両1を自動走行させる前に、予め手動で入力して物体数設定部17に設定しておいても良いし、区画内に存在する物体の数を示すマップを物体数設定部17に読み込ませて自動で物体の数を設定しても良い。例えば、マップを用いて物体の数を設定する場合には、区画内に存在する物体の列数、及び夫々の列毎の物体の個数を記載しておくと良い。さらには、自動走行車両1は基準線SLに沿って草を刈り取りながら走行する前に例えばラジコン操作によりティーチング走行を行い、当該ティーチング走行時に物体数設定部17が区画内の物体の数を計数し、当該計数した物体の数を基準線SLに沿って走行する際に目標物Oとして設定される物体検出部11が検出する物体の数として設定することも可能である。これにより、物体数設定部17は物体検出部11が検出する物体の数を容易に設定することが可能となる。
物体計数部18は、区画の一方の端部から他方の端部に向って走行する際に、基準線SLの設定に用いた物体の数を計数する。物体計数部18は目標物設定部12が目標物Oを新たに設定した場合には、その旨を示す情報を取得し、当該新たに設定した目標物Oを用いて実際に基準線SLを設定に用いた物体の数を計数する。元々、進行方向奥側の目標物O2として設定していたものを、自動走行車両1の走行に応じて進行方向手前側の目標物O1として設定した場合には、双方を計数すると、同一の物体に係る目標物Oであることから重複して計数することになる。このような重複して計数することを避けるために、物体計数部18は、自動走行車両1が区画の一方の端部から他方の端部に向って走行する際に、予め決定された進行方向手前側に設定された目標物O1に係る物体及び進行方向奥側に設定された目標物O2に係る物体のいずれか一方のみを計数し、当該計数結果に1を加えておくことで、区画の一方の端部から他方の端部に至るまで基準線SLの設定に係る物体を計数することが可能となる。
物体数判定部19は、物体計数部18の係数結果が、物体数設定部17により設定された物体の数に達した場合に、自動走行車両1が区画の他方の端部に達したと判定する。これにより、走行制御部16はその位置で自動走行車両1を一旦、停車させ、当該停車した位置から自動走行車両1をスイッチバックさせて次に草を刈り取る分だけ位置をずらし、その位置から再度、目標物Oに基づき基準線SLを設定して自動走行しながら草を刈り取る。このようにして自動走行車両1は、自車で自動走行する際に基準となる基準線SLを設定し、自動走行することが可能となる。
次に、抜け出し走行及び進入走行における走行制御の具体例の1つを説明する。この実施形態では、抜け出し走行の開始タイミング、つまり直線走行から抜け出し走行への移行点は、常に、車体3と先の目標物Oとの間の基準線SLに沿った距離が所定値となった時である。同様に、進入走行の開始タイミング、つまり側方通過走行から進入走行への移行点は、常に、車体3と側方の目標物Oとの間の基準線SLに沿った距離が所定値となった時である。その際、抜け出し走行において、目標物Oが予め想定されている大きさを超えているような場合には、車体3と目標物Oとが干渉する。これを避けるための第1の解決策は、直線走行から抜け出し走行への移行点を後側に下げる(車体3と側方の目標物Oとの間の距離を所定値より大きくすることである。第2の解決策は、同位相操舵の操舵角を大きくすることである。この第1と第2の解決策の両方を行ってもよい。
次に、操舵挙動検出部21と判定部22とが行う衝突回避制御を説明する。操舵挙動検出部21は、第1車輪2A及び第2車輪2Bの操舵角を検出する操舵センサ57からの操舵角信号と走行制御部16からの位置情報(目標物Oからの距離を示す距離情報)とを組み合わせて、操舵挙動情報として判定部22に送る。判定部22は、操舵挙動情報に基づいて、抜け出し走行及び進入走行における車体3と目標物Oとの衝突可能性を判定する。衝突可能性が判定されると、判定部22は、その衝突を回避する回避制御を走行制御部16に指令する。
図6に、抜け出し走行における同位相操舵の様子が例示されており、図6の(a)は標準の大きさを有する目標物Oの場合を示しており、図6の(b)は標準をはるかに超える大きさを有する目標物Oの場合を示している。どちらの場合も、抜け出し走行の開始タイミングは同じであり、車体3と目標物Oとの間の距離が所定値:Lとなった時点である。目標物Oの大きさが標準の場合、所定の操舵角:δ1で抜け出し走行が行われる。操舵角:δ1は所定値:Lで抜け出し走行を開始しても車体3の外形軌跡と目標物Oとの間隔:dが許容範囲に収まるように設定されている。これに対して、目標物Oの大きさが標準をはるかに超えている場合、最初に所定の操舵角:δ1で抜け出し走行が行われるが、途中で車体3の外形軌跡と目標物Oとの間隔:dが危険範囲に入る。操舵挙動検出部21が、現状の操舵角:δ1を検出し、現状の操舵角:δ1では間隔:dが危険範囲に入ることを推定または実際に間隔:dが危険範囲に入ったことが検出されると、判定部22が衝突可能性を判定し、操舵角をδ1からδ2に大きくして、車体3の外形軌跡と目標物Oとの干渉を回避する回避制御の実行を指令する。なお、操舵角の制御は、間隔:dが許容値に収まるように連続的に行ってもよく、その場合にはPID制御が好ましい。
図7には、抜け出し走行での衝突回避が示されている。図7の(a)で示すように、所定の操舵角に設定された同位相操舵での抜け出し走行において、操舵挙動検出部21が現状の操舵角での抜け出し走行を続けた場合の車体3の軌跡を推定し、その推定軌跡が目標物Oに干渉する場合、判定部22が衝突可能性を判定する。このような衝突可能性が判定された場合の衝突回避制御が、図7の(b)と(c)とで示されている。つまり、この目標物Oに対しては、直線走行から抜け出し走行への移行が遅れたことになるので、まず、車体3を停止し、その後に後退走行させる(図7の(b))。後退走行距離は、衝突可能性のレベル、つまり推定軌跡と目標物Oとの干渉幅に基づいて算定してもよいし、予め設定された距離でもよい。後退走行の後、再び抜け出し走行を開始する(図7の(c))。
図8には、進入走行での衝突回避が示されている。図8の(a)で示すように、所定の操舵角に設定された同位相操舵での進入走行において、操舵挙動検出部21が現状の操舵角での進入走行を続けた場合の車体3の軌跡を推定し、その推定軌跡が目標物Oに干渉する場合、判定部22は、衝突可能性を判定する。このような衝突可能性が判定された場合の衝突回避制御が、図8の(b)と(c)とで示されている。つまり、この目標物Oに対しては、側方通過走行から進入走行への移行が早すぎたことになるので、一旦この進入走行中断し、操舵角を中立に戻し、直線走行させる(図8の(b))。直線走行距離は、衝突可能性のレベル、つまり推定軌跡と目標物Oとの干渉幅に基づいて算定してもよいし、予め設定された距離でもよい。直線走行の後、所定の操舵角での同位相操舵で再び進入走行を開始する(図8の(c))。
図7及び図8で示した抜け出し走行及び進入走行では、操舵角が一定であるので、自動走行制御、及び衝突の判定、衝突の回避制御が単純化され、制御系の構成が簡単となる。
上述した実施形態の説明では、自動走行車両1の走行時において、回避すべき物体は果樹Kである目標物Oだけであったが、実際には、予期しない障害物が存在する場合がある。このような場合でも、当該障害物を目標物Oとみなし、その障害物に対して、上述した同じ制御アルゴリズムを利用した、直線走行、抜け出し走行、側方通過走行、及び進入走行を行うことにより、障害物との衝突を回避しつつ、この障害物を通過することができる。したがって、障害物の回避経路は、障害物の一方側への迂回経路となる。また、その際、衝突可能性が判定された場合には、図7及び図8を用いて説明した衝突回避制御を適用することができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態では、自動操舵機構50は、第1車輪2Aの操舵角を操作する第1車輪操向操作機構51と第2車輪2Bの操舵角を操作する第2車輪操向操作機構52とから構成され、同位相操舵が可能であり、必要な場合、車体3の中心を旋回中心として旋回走行する逆位相操舵可能である。このような自動操舵機構50に代えて、第1車輪2Aまたは第2車輪2Bの一方だけの操舵角を操作するように構成してもよい。
(2)上記実施形態では、物体検出部11が果樹園の果樹Kや果樹Kを支持する支柱を検出するとして説明したが、果樹Kや支柱以外に、柵やフェンス等を検出するよう構成することも可能である。また、物体と、当該物体から予め設定された距離内にある他の物体とをグループ化して一つの物体として扱うように構成することも可能である。これにより、例えば果樹Kと当該果樹Kを支持する支柱とを一つの目標物Oとして設定することが可能となるので、目標物Oの設定に係る演算処理を軽減できる。
(3)上記実施形態では、物体計数部18の係数結果が、物体数設定部17により設定された物体の数に達した場合に自動走行車両1が区画の他方の端部に達したと物体数判定部19が判定し、走行制御部16は、区画の端部に達したと判定された場合に自動走行車両1を停車させるとして説明したが、走行制御部16は例えば走行距離やリモコン操作等によって区画の端部に達したと判定し、自動走行車両1を停車させるよう構成することも可能である。
(4)上記実施形態では、目標物設定部12が物体検出部11により検出された物体のうち、進行方向に沿って並んだ物体を用いて目標物Oを設定するとして説明したが、目標物設定部12は進行方向から外れた位置で検出された物体を用いて目標物Oを設定することも可能である。すなわち、例えば進行方向に沿った樹列に隣接する樹列を構成する果樹K等を補助目標物とし、当該補助目標物に基づいて基準線SLを設定すること可能である。この場合、元々の基準線SLの設定に用いた2つの目標物Oの間の距離と、2つの目標物Oの一方と前記補助目標物との距離と、前記2つの目標物Oの他方を基準とした2つの目標物Oの一方と前記補助目標物とのなす角とにより新たな基準線SLを設定することが可能である。これにより、目標物Oを設定し難い場合でも適切に自動走行車両1を自動走行させることが可能となる。なお、このような構成とすべく、基準線SLの設定に用いた2つの目標物Oの間の距離と、2つの目標物Oの一方と前記補助目標物との距離と、前記2つの目標物Oの他方を基準とした2つの目標物Oの一方と前記補助目標物とのなす角とを、その都度、記憶しておくと良い。
(5)上記実施形態では、目標物設定部12は、現在、設定されている目標物Oから予め設定された距離内において新たな目標物Oを設定するとして説明したが、目標物設定部12は、現在、設定されている目標物Oから予め設定された距離にかかわらず、新たな目標物Oを設定する構成とすることも可能である。
(6)自動走行車両1に、GPSなどの衛星航法が可能な自車位置検出機能が備えられており、目標物Oとなる果樹Kなどの物体の位置が地図情報として記録されている場合、基準線SLの位置は地図情報から算定でき、基準線SLからの離間距離は逐次検出される自車位置から算定できる。目標物設定部12は、自車位置に基づいて地図情報における果樹Kを探し出し、目標物Oを設定することができる。このような実施形態でも、逐次検出される自車位置と地図情報とに基づいて、上述した直進走行、抜け出し走行、側方通過走行、進入走行、さらにはノーマル直線走行を実行することができる。
(7)上記実施形態では、自動走行車両1が草の刈り取りを行いながら自動走行するとして説明したが、自動走行車両1を例えば運搬車両として用いることも可能であるし、他の用途に用いることも当然に可能である。
本発明は、自動で走行する自動走行車両に利用することが可能である。
1 :自動走行車両
2 :車輪
2A :第1車輪
2B :第2車輪
3 :走行車体(車体)
10 :自動走行制御装置
11 :物体検出部
12 :目標物設定部
13 :基準線設定部
14 :距離演算部
15 :走行範囲設定部
16 :走行制御部
160 :直線走行制御部
161 :側方通過走行制御部
162 :進入走行制御部
163 :抜け出し走行制御部
16A :操舵制御部
17 :物体数設定部
18 :物体計数部
19 :物体数判定部
20 :走行モード選択部
21 :操舵挙動検出部
22 :判定部
50 :自動操舵機構(同位相四輪操舵機構)
51 :第1車輪操向操作機構
52 :第2車輪操向操作機構
57 :操舵センサ
K :果樹
O :目標物(果樹K)
O1 :目標物(果樹K)
O2 :目標物(果樹K)
SL :基準線

Claims (6)

  1. 走行前側の車輪と走行後側の車輪とが操舵可能な同位相四輪操舵機構を有する走行車体と、
    予め設定された範囲に向けて検出信号を送信し、前記検出信号に対する反射信号を取得して、前記予め設定された範囲に存在する物体を検出する物体検出部と、
    前記物体検出部により検出された2つの物体の位置に基づいて、当該2つの物体を目標物として設定する目標物設定部と、
    前記目標物設定部により設定された2つの目標物を通り、走行時の基準となる基準線を設定する基準線設定部と、
    前記基準線から前記走行車体までの距離である離間距離を演算する距離演算部と、
    前記目標物の位置及び前記離間距離に基づいて前記2つの目標物の間に所定側から入り込む進入走行と、前記2つの目標物の間を前記基準線に沿って走行する直線走行と、前記2つの目標物の間から前記所定側に抜け出す抜け出し走行と、前記目標物の前記所定側の側方を通過する側方通過走行とを実行する走行制御部と、
    前記走行制御部からの操舵指令に基づいて前記同位相四輪操舵機構に操舵制御信号を出力する操舵制御部と、
    前記操舵制御信号による前記同位相四輪操舵機構の操舵挙動を検出する操舵挙動検出部と、
    前記操舵挙動検出部によって検出された操舵挙動に基づいて前記走行車体と前記目標物との衝突可能性を判定する判定部と、
    を備えた自動走行車両。
  2. 前記抜け出し走行時において前記判定部によって判定された衝突可能性を回避する抜け出し走行時衝突回避制御部が備えられている請求項1に記載の自動走行車両。
  3. 前記抜け出し走行時衝突回避制御部は、前記走行車体を一旦後退走行させた後に再度操舵制御信号出力することによって回避する請求項2に記載の自動走行車両。
  4. 前記進入走行時において前記判定部によって判定された衝突可能性を回避する進入走行時衝突回避制御部が備えられている請求項1から3のいずれか一項に記載の自動走行車両。
  5. 進入走行時衝突回避制御部は、操舵制御信号を中断して遅延させることで回避する請求項4に記載の自動走行車両。
  6. 前記目標物以外の物体である障害物が検出された場合、前記所定側の方向への迂回により前記障害物との衝突を回避する請求項1から5のいずれか一項に記載の自動走行車両。
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