JP6851589B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
第1方向及び前記第1方向と直交する第2方向の夫々に沿って間隔をあけて並ぶ状態で複数の位置固定の物体が存在する作業用区画において、前記作業用区画の周囲に位置するティーチング走行経路上を車体が走行するときに、前記物体検出部の検出情報に基づいて、前記作業用区画に格子状に並ぶ物体の前記第1方向及び前記第2方向夫々についての個数、前記第1方向及び前記第2方向夫々についての物体同士の間隔、及び、最も近い物体列から前記ティーチング走行経路までの距離を求めるティーチング処理手段と、
前記ティーチング処理手段にて求めた情報を保持する保持手段と、を備えている点にある。
本発明に係る作業車は、図1に示されるような予め設定された作業用区画としての果樹園Pの内部において、複数の果樹(樹木の一例)Kの間に生えている草を刈り取る草刈作業を行う。図1に示す例では、果樹園Pは、矩形状に区画された領域であって、第1方向D1及び第1方向D1と直交する第2方向D2の夫々に沿って間隔L1,L2をあけて並ぶ状態で、位置固定の物体としての複数の果樹が存在する領域である。
図3,10に示すように、作業車1は、走行車体2における長手方向の一端側に左右一対の第1車輪3Aを備え、長手方向の他端側に左右一対の第2車輪3Bを備えている。走行車体2には、動力源であるエンジン4が備えられ、走行車体2の下部における第1車輪3Aと第2車輪3Bとの間に草刈装置5が備えられている。走行車体2には、図示はしないが、エンジン4の動力を、第1車輪3Aと第2車輪3Bに伝達するとともに、草刈装置5に伝達する伝動機構が備えられている。伝動機構は、各車輪3A,3B及び草刈装置5に対する動力伝達を断続できるように構成されている。エンジン4の動力が各車輪3A,3B及び草刈装置5に伝達されることで、機体を走行させながら草刈作業を行うことができる。
ティーチング処理部100は、ティーチング走行経路TL上を車両が走行するときに、物体検出部18の検出情報に基づいて、果樹園Pに格子状に並ぶ果樹(物体)の個数、果樹同士の間隔、及び、最も近い果樹列からティーチング走行経路TLまでの距離を求める。ティーチング走行は、運転者が送信機14を操作することにより手動操縦に基づいて行われる。つまり、図1に示すように、果樹園Pの外周部に沿って第1方向及び第2方向夫々に走行することになる。
目標物設定処理により設定された少なくとも2つの目標物Oを通る基準線SLを設定する。つまり、図5に示すように、制御装置13内で用いる座標系において、この第1の目標物O1と第2の目標物O2とを直線で繋いで基準線SLを設定する。基準線SLは、物体検出部18により一つの物体として検出された検出結果のうち、夫々の中央部分を通るように直線で繋いだものである。尚、このとき後述する果樹の外径の情報も加味される。
上記したような座標系において、基準線SLから走行車体2までの距離を演算にて求める。この距離は、上記座標系において基準線SLと走行車体2とを最短で繋いだ距離、言い換えると、基準線SL上に位置する最も近い果樹列から走行車体2が位置するティーチング走行経路TLまでの距離に相当する。
上述したように、物体検出部18は水平方向に所定の微小単位角(ピッチ)毎に検出信号を送信する。例えば、物体の外径の演算を1ステップ毎に行うとすると、図7に示されるように、1ステップに係る物体の幅は、「L3×tanθ」で近似的に演算することができる(L3:物体までの距離、θ:1ステップでの検出角度)。この1ステップ分の物体の幅に、物体からの反射信号を受信したステップ数を掛けると、物体の外径を推定することができる。なお、上記の演算は、複数ピッチ毎に行ってもよく1ピッチ毎に行うことも可能である。
走行制御部102は、ティーチング処理部100にて求められて保持部101に保持されている情報と、物体検出部18の検出情報とに基づいて、車体を第1方向及び第2方向の夫々に沿って自動走行させる形態で、果樹園P内において果樹列に沿って車体を自動走行させる。
果樹列における第2方向D2一方側箇所としての果樹列の右側領域において、果樹列に最も近い走行経路を紙面上向きに走行して、走行車体2が端部側果樹の側方を通過すると、第2方向D2他方側箇所としての当該果樹列の左側領域に移動するように旋回走行させる。このときは、略U字状の経路で前進走行しながら旋回する。その後は、走行車体2は当該果樹列の左側領域を紙面下向きに走行する。このとき、旋回する前に紙面上向きに走行するときは、物体検出部18は左側(進行方向視で左側)に位置する果樹列を検出対象として検出作動し、旋回した後に紙面下向きに走行するときは、物体検出部18は右側(進行方向視で左側)に位置する果樹列を検出対象として検出作動する。
走行車体2が前記中間領域を紙面上側に向けて走行しているとき、次回の目標走行経路が中間部の幅方向中央位置を越える場合には、走行車体2が端部側果樹の側方を通過すると、左右向き姿勢になるように右方向に90度旋回したのち、そのまま直進状態で所定距離だけ後進し、さらに、紙面上下向き姿勢になるように90度右方向に旋回して、車体の向きが逆向きになるように方向転換させる。このように旋回することで、物体検出部18による検出対象が左側の果樹列となり、その果樹列を検出して、次回走行用の基準線SLを設定することができる。
走行車体2が最左側の紙面上下方向に沿う走行経路(ティーチング走行経路TLの一部に相当する)を紙面下側に向けて走行しているとき、端部側果樹Kの側方を通過すると、走行車体2の向きが紙面左右方向に沿う向きになるように略L字状に旋回走行させる。このとき、紙面左右方向すなわち、第2方向D2に沿う走行経路のうち、最外側に位置する目標走行経路(本実行ではティーチング走行経路TLの一部に相当する)が設定される。
すなわち、走行車体2が第三旋回処理によって向きを変更したのち、走行車体2が果樹列における第1方向D1一方側箇所を第2方向D2に沿って走行しているときに、果樹列の車体進行方向側端部に位置する端部側果樹の側方を通過するのに伴って、果樹列における第1方向D1他方側箇所に移動して第2方向D2に沿って走行するように略U字状に旋回させる第四旋回処理、及び、第1方向D1に離間する一対の果樹列の中間部を第2方向D2に沿って走行しているときに、果樹列の車体進行方向側端部に位置する端部側果樹の側方を通過するのに伴って、車体の向きが逆向きになるように方向転換させる第五旋回処理を実行する。
所定の果樹列の右横側を目標走行経路に沿って走行しているときに、障害物センサ19が検知作動すると、その時点で、走行車体2の走行を一時停止する。そして、物体検出部18にて検出された2つの果樹Kの位置の情報と、物体検出部18の検出結果とに基づいて、三角測量法により障害物の位置を判別して、その位置を保持部101に記憶保持しておく。その後、走行車体2を所定距離だけ後進させたのち、果樹列とは反対側に向けて障害物を避けながら迂回するように走行して目標走行経路に復帰させる。
以下、制御装置13による具体的な制御内容についてフローチャートに基づいて説明する。
物体検出部18は、所定の範囲について物体の検出を開始する(ステップ#1)。以後、物体検出部18は、ティーチング処理が終了するまで継続して物体の検出を行う。走行車体2の周囲において、少なくとも2つの物体が検出されると(ステップ♯2)、その2つの物体を、目標物Oとして設定する(ステップ#3)。尚、走行車体2が作業開始位置STに位置しているとき、物体検出部18は作業開始位置STに対応する果樹Kに設けられた反射体22を検出することで、開始位置にあることを認識することができる。
自動走行を行う場合には、無線操縦によって走行車体2を作業開始位置に移動して、草刈装置5を作動させて第1方向D1に向けて走行可能な状態でセットする。そして、自動入切スイッチ17を自動モードに切り換えると、自動走行制御を実行する。
図12に示すように、ティーチング処理の場合と同様な、物体検出部18による物体の検出(ステップ#11)、2つの物体検出の判別(ステップ#12)、目標物の設定(ステップ#13)を実行し、さらに、2つの目標物Oの位置に基づいて基準線SLを設定(ステップ#14)し、設定された基準線SLから走行車体2までの距離を演算にて求め(ステップ#15)、さらに、現在走行中の走行経路における果樹Kの個数を計数する(ステップ#16)。次に、第1方向D1に沿う走行制御処理(ステップ#17)、及び、第2方向に沿う走行制御処理(ステップ#18)を実行する。第1方向D1に沿う走行制御処理及び第2方向に沿う走行制御処理については後で説明する。
図13に示すように、第1方向D1に沿って走行車体2を走行させて、ステップ#14(図12参照)にて求められた基準線SLから走行車体2までの距離が目標範囲に収まるように自動操向処理を実行する(ステップ#21、#22)。目標範囲は、目標走行経路に対応する状態で設定された設定距離mに所定の許容範囲を持たせたもの(m±α)である。従って、作業車1は目標走行経路に沿って移動走行しながら草刈作業を実行する。この自動操向処理において、走行車体2の向き変更操作を行うときは、第1車輪3A及び第2車輪3Bのうち進行方向前部側に位置する車輪だけを揺動させて向きを変更する。目標操向経路に沿って走行車体2を走行させているときに、障害物センサ19が検知作動すると、上述したような障害物回避処理を実行する。
(1)上記実施形態では、目標物設定処理において、2つの果樹Kから2つの目標物Oを設定する構成としたが、この構成に代えて、3つ以上の果樹から3つ以上の目標物Oを設定する構成とすることも可能である。
100 ティーチング処理手段
101 保持手段
102 走行制御部
D1 第1方向
D2 第2方向
P 作業用区画
SL 基準線
TL ティーチング走行経路
Claims (5)
- 予め設定された検出用範囲に向けて検出信号を送信し、前記検出信号に対する反射信号を取得して、前記検出用範囲に存在する物体を検出する物体検出部と、
第1方向及び前記第1方向と直交する第2方向の夫々に沿って間隔をあけて並ぶ状態で複数の位置固定の物体が存在する作業用区画において、前記作業用区画の周囲に位置するティーチング走行経路上を車体が走行するときに、前記物体検出部の検出情報に基づいて、前記作業用区画に格子状に並ぶ物体の前記第1方向及び前記第2方向夫々についての個数、前記第1方向及び前記第2方向夫々についての物体同士の間隔、及び、最も近い物体列から前記ティーチング走行経路までの距離を求めるティーチング処理手段と、
前記ティーチング処理手段にて求めた情報を保持する保持手段と、を備えている作業車。 - 前記保持手段にて保持されている情報に基づいて、前記作業用区画内において物体列に沿って車体を自動走行させる走行制御部を備えている請求項1に記載の作業車。
- 前記ティーチング処理手段は、ティーチング走行経路上を車体が走行するとき前記物体検出部により検出された物体のうち、少なくとも2つの物体の位置に基づいて、当該少なくとも2つの物体を目標物として設定する目標物設定処理、前記目標物設定処理により設定された少なくとも2つの物体を通り、走行時の基準となる基準線を設定する基準線設定処理、及び、前記基準線から車体までの距離を演算する距離演算処理を実行し、
前記走行制御部は、前記基準線から前記車体までの距離を設定距離に維持する状態で前記基準線に沿って自動走行させる走行制御処理を実行する請求項2に記載の作業車。 - 前記ティーチング処理手段は、前記基準線設定処理において、車体が物体列に沿って走行しているときに、前記基準線に相当する物体列と隣接する物体列における2つの物体の位置に基づいて隣接する物体列についての位置情報を求めて前記保持手段に保持する請求項3に記載の作業車。
- 前記物体が地面に植えられた樹木である請求項1から4のいずれか1項に記載の作業車。
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