JP2016070493A - 配管の保温方法 - Google Patents

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圭佑 吉田
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Abstract

【課題】水素ガスを含有する高温ガスを流通させる配管において、効果的に熱ロスを低減できる配管の保温方法を提供することを課題とする。
【解決手段】水素ガスを5体積%以上含む高温ガスを流す配管において、配管の周囲の少なくとも一部が断熱材で覆われている、ことにより上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、水素を含む高温ガスを流す配管の保温方法に関する。
高温ガスを、配管を介して輸送する場合、金属製のパイプの内面にレンガやキャスタブルなどで断熱層を形成して、配管からの熱ロスを防ぐ方法が一般的である。このようにパイプの内部に断熱層を設けることで、パイプの温度を低く抑えることができ、パイプが高温になって強度劣化を生じることを防止することができる。また、同時に耐熱性の低い安価な材料のパイプを使用することができるというメリットもある。
このようにパイプの内部に断熱層を設けた配管を用いて高温ガスを流通させる必要があるプロセスには様々なものがある。
例えば、特許文献1等に開示されるフェロコークスの製造装置では、炭素含有物質と鉄含有物質からなる成型物を装入する装入工程、成型物を乾留しフェロコークスを製造する乾留工程、冷却ガス吹き込み羽口から冷却ガスを吹き込んでフェロコークスを冷却する冷却工程、炉頂部の排出口から炉内ガスを排出する炉内ガス排出工程、フェロコークス排出工程の5つの工程を有し、乾留ゾーン下部の高温ガス吹き込み羽口から800〜900℃の高温ガスを吹き込み、乾留ゾーンの中間部の低温ガス吹き込み羽口から400〜700℃の低温ガスを吹き込む構造の竪型乾留炉を用いている。
このようなフェロコークスの製造プロセスでは、上記の高温ガスや低温ガスとして、炉頂部の排出口から排出した炉内ガスの一部を加熱して循環することで、排出されるガス中の水素や一酸化炭素等の可燃ガスが希釈されるのを防いでいる。このため、水素を含む高い温度のガスを、配管を介して輸送する必要がある。
このような高温ガスを流通させる必要のあるプロセスでは、当然、配管輸送中のガス温度の低下を可能な限り低減させることが求められている。そのため、高温ガスを流通させる配管の熱ロスを低減することは大きな問題であった。
特開2011−57970号公報
本発明者らは、高温ガスを流通させる必要のあるプロセスの一つであるフェロコークス製造設備において、配管の熱ロスを低減させる方法を検討した。熱ロスの低減方法としては、パイプの内面に形成する断熱層の層厚を厚くすることが考えられるが、高温ガスの流通路の径を保ちながら、内面の断熱層を厚くするためには、パイプの径を大きくする必要がある。そのため、より大径のパイプに変える必要があり、大きな設備変更となってしまう。
そこで、パイプの径を変えずに熱ロスを低減するために、より熱伝導率の低い、気孔率の大きい材質に断熱層を変更して熱ロスを調べたところ、計算で想定した熱ロスよりも大きな熱ロスが生じていることがわかり、思ったほどの効果がないことがわかった。この理由を更に検討したところ、以下の事実を明らかにした。
図4は、断熱材として一般的に使用される断熱キャスタブル、断熱ボードおよび微細多孔断熱材の熱伝導率を、それぞれ温度を変えて測定した結果を示している。測定は、JIS_R2251-1「耐火物の熱伝導率の試験方法−第1部:熱線法(直交法)」に準じて行った。その際、大気雰囲気中での熱伝導率を測定すると共に、フェロコークス製造設備で流通させるガスを模擬するために、水素を20体積%含むガス雰囲気での熱伝導率も測定した。
図4に示すように、測定の結果、断熱キャスタブル、断熱ボードおよび微細多孔断熱材のいずれにおいても、水素を20体積%含むガス雰囲気での熱伝導率は同じ温度での大気雰囲気中での熱伝導率よりも有意に高いことが判る。しかも、温度が高いほど、両者の差が大きくなっている。この理由について、詳細には判明していないが、本発明者らは以下のように考えた。
一般に、断熱材には気孔が多く存在しており、この気孔中の空気の熱伝導率が断熱材の基質の熱伝導率よりも低いため、気孔の多い断熱材の方が断熱効果が大きい。ところが、水素ガスの熱伝導率は大気の熱伝導率よりも高いため、雰囲気中に水素が多くなり、気孔中のガスの水素濃度が高くなると、断熱材としての熱伝導率が大きくなってしまうと考えられる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、水素ガスを含有する高温ガスを流通させる配管において、効果的に熱ロスを低減できる配管の保温方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、水素ガスを5体積%以上含む高温ガスを流す配管において、配管の周囲の少なくとも一部が断熱材で覆われていることにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 水素ガスを5体積%以上含む高温ガスを流す配管の保温方法であって、
配管の周囲の少なくとも一部が断熱材で覆われている配管の保温方法。
(2) 高温ガスが、硫化水素ガスを1×10-7体積%以上含み、
さらに、配管の内部の少なくとも一部が配管腐食防止材で覆われている(1)に記載の配管の保温方法。
(3) 高温ガスは300℃以上である(1)または(2)に記載の配管の保温方法。
(4) 配管の材質がステンレスである(1)〜(3)のいずれかに記載の配管の保温方法。
(5) 配管の周囲の全周が断熱材で覆われている(1)〜(4)のいずれかに記載の配管の保温方法。
(6) 互いに異なる2層以上の断熱材で配管の周囲が覆われている(1)〜(5)のいずれかに記載の配管の保温方法。
本発明によれば、水素ガスを5体積%以上含有する高温ガスを流通させる配管において、断熱材を水素ガス雰囲気に曝すことなく配管の保温ができるので、パイプの径を大きくすることなく、効果的に熱ロスを低減できる。
本発明の配管の保温方法を好適に適用できるコークス炉の一例を概念的に示す図である。 本発明の配管の保温方法を実施した配管ユニットの一例を概念的に示す断面図である。 本発明の配管の保温方法を実施した配管ユニットの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の配管の保温方法の効果を説明するための、温度と断熱材の熱伝導率との関係を表すグラフである。 従来の配管の保温方法を実施した配管ユニットの一例を概念的に示す断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の配管の保温方法は、水素ガスを5体積%以上含む高温ガスを流す配管の保温方法であって、配管の周囲の少なくとも一部が断熱材で覆われている配管の保温方法である。
このような本発明の配管の保温方法は、例えば、フェロコークスの製造装置、コークス製造設備等に好適に適用可能である。
まず、本発明の配管の保温方法を適用したフェロコークスの製造装置について説明する。
図1は、本発明の配管の保温方法を好適に適用できるコークス炉の一例を概念的に示す図である。
図1に示すコークス炉30は、竪型のコークス炉(乾留炉)であり、水素ガスを5体積%以上含む高温ガスを流す配管の周囲を断熱材で覆って保温した以外は、基本的に、従来公知の竪型のコークス炉と同様の構成を有する。
コークス炉30は、成型物装入装置32と、竪型乾留炉本体34と、循環ガス冷却装置36と、低温ガス加熱装置38と、空気加熱器40と、高温ガス加熱装置42とを有する。
成型物装入装置32は、炭素含有物質と鉄含有物質との成型物を竪型乾留炉本体34の炉頂部から装入するものである。
竪型乾留炉本体34は、成型物装入装置32により、炉頂部から装入された成型物を連続的に乾留し、コークス中に金属鉄を生成させたフェロコークスを製造するものである。竪型乾留炉本体34は、上部の乾留ゾーンで成型物の乾留を、下部の冷却ゾーンでフェロコークスの冷却を行なうものであり、竪型乾留炉本体34の側方であって乾留ゾーンの中間部に相当する位置に低温ガス吹き込み羽口34aおよび34bを、竪型乾留炉本体34の側方であって乾留ゾーンの下部に相当する位置に高温ガス吹き込み羽口34cを有し、竪型乾留炉本体34の側方であって冷却ゾーンの下部に相当する位置に冷却ガス吹き込み羽口34dを有し、竪型乾留炉本体34の炉頂部に成型物の装入口と炉内ガスの排出口とを有し、竪型乾留炉本体34の下部にフェロコークスの排出口を有している。
循環ガス冷却装置36は、竪型乾留炉本体34の炉頂部から排出された循環ガスを冷却するものである。
循環ガス冷却装置36で冷却された循環ガスの一部は、低温ガス加熱装置38に供給され、残りの循環ガスは、冷却ガス吹き込み羽口34dから、竪型乾留炉本体34内に吹き込まれる。
低温ガス加熱装置38は、循環ガス冷却装置36から供給された循環ガスを加熱するものである。低温ガス加熱装置38により加熱された循環ガスは、一部が、低温ガス吹き込み羽口34a、34bから竪型乾留炉本体34内に吹き込まれる。また、残りのガスは、高温ガス加熱装置42に供給されて、さらに加熱される。
高温ガス加熱装置42は、低温ガス加熱装置38から供給された循環ガスをさらに加熱するものである。高温ガス加熱装置42により加熱された循環ガスは、高温ガス吹き込み羽口34cから竪型乾留炉本体34内に吹き込まれる。
ここで、低温ガス加熱装置38から低温ガス吹き込み羽口34a、34b、および、高温ガス加熱装置42に循環ガスを流す配管ユニット10a、10b、ならびに、高温ガス加熱装置42から高温ガス吹き込み羽口34cに循環ガスを流す配管ユニット10cは、本発明の配管の保温方法が適用される配管である。
この点は後に詳述する。
図示例において、低温ガス加熱装置38および高温ガス加熱装置42は、LNG(Liquefied Natural Gas 液化天然ガス)と空気とを燃焼させて、循環ガスを加熱するものである。
また、図示例においては、コークス炉30は、高温ガス加熱装置42での燃焼に用いる空気を加熱するための空気加熱器40を有する。空気加熱器40は、LNGと空気とを燃焼させて、高温ガス加熱装置42に供給する空気を加熱する。
なお、高温ガス加熱装置42に供給される空気に、低温ガス加熱装置38で燃焼させたガスおよび空気加熱器40で燃焼させたガスを混合してもよい。
また、図示例においては、低温ガス吹き込み羽口を2つ有する構成としたが、これに限定はされず、1つでも3つ以上有してもよい。同様に、図示例においては、高温ガス吹き込み羽口を1つ有する構成としたが、2つ以上有してもよい。
このような構成を有するコークス炉30の作用を説明する。
成型物装入装置32が、炭素含有物質と鉄含有物質との成型物を、竪型乾留炉本体34の炉頂部から装入し、乾留ゾーンで乾留後に冷却ゾーンで冷却して下部からフェロコークスを排出する。その際、炉頂部から排出された炉内ガス(循環ガス)は、循環ガス冷却装置36、低温ガス加熱装置38、あるいは、高温ガス加熱装置42を通過して竪型乾留炉本体34内に吹き込まれる。
乾留ゾーンでは、低温ガス加熱装置38で加熱された循環ガスが、低温ガス吹き込み羽口34a、34bから吹き込まれ、高温ガス加熱装置42で加熱された循環ガスが、高温ガス吹き込み羽口34cから吹き込まれて成型物を乾留する。
冷却ゾーンでは、循環ガス冷却装置36で冷却された循環ガスが、冷却ガス吹き込み羽口34dから吹き込まれてフェロコークスを冷却する。
これらの吹き込まれた循環ガスは、炉頂部の炉内ガスの排出口から排出されて、再び、循環ガス冷却装置36、低温ガス加熱装置38、あるいは、高温ガス加熱装置42に供給される。
このように、コークス炉30は、竪型乾留炉本体34が高さの異なる位置に設置された3段羽口を有し、乾留ゾーンの中間部に設置された羽口から低温ガスを、乾留ゾーンの下部に設置された羽口から高温ガスを、冷却ゾーンの下部に設置された羽口から冷却ガスを吹き込むことで、炭素含有物質と鉄含有物質との成型物を連続的に乾留してフェロコークスを製造する。このようにしてフェロコークスを製造することで、フェロコークス製造に必要な熱量を低位にすることができる。
ここで、低温ガス吹き込み羽口34a、34bから吹き込む低温ガスは炉頂ガス温度および乾留炉内の固体の昇温速度調整のために吹き込むガスであり、400℃〜700℃程度とすることが好ましい。また、高温ガス吹き込み羽口34cから吹き込む高温ガスは、固体の最高温度への昇温のために吹き込むガスであり、800℃〜1000℃程度とすることが好ましい。また、冷却ガス吹き込み羽口34dから吹き込む冷却ガスは、炉内での乾留により製造されたフェロコークスを冷却するために吹き込むガスであり、25℃〜80℃程度とすることが好ましい。
また、前述のとおり、炉内に吹き込まれるガスとして、炉頂部から排出される炉内ガスを循環させている。そのため、循環ガス中には、多量の水素を含んでいる。
従って、低温ガス加熱装置38で加熱された後、および、高温ガス加熱装置42で加熱された後の循環ガスは、水素を5体積%以上含む高温ガスであり、この高温ガスを流す配管ユニット10a、10bおよび10cは、本発明の配管の保温方法により保温(断熱)される。
なお、配管ユニット10a、10bおよび10cはそれぞれ異なる部位間の循環ガスを流す配管である以外は、基本的に同じ構成を有するので、以下の説明では、配管ユニット10a、10bおよび10cを、特に区別する必要が無い場合には、まとめて、配管ユニット10として説明する。
次に、本発明の配管の保温方法について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明に係る保温方法を実施した配管ユニット10の一例を概念的に示す断面図である。
配管ユニット10は、配管12と、配管12の外周を覆う、第1断熱材20、第2断熱材22および第3断熱材24を備える断熱材ユニット14とを有する。
配管12は、所定の径を有する通常の金属製の配管である。
配管12の材料としては特に限定はなく、鉄、ステンレス鋼等を用いることができる。配管12は、高温ガスを流通させるものであるため、より耐熱性の高いステンレスであるのが好ましい。
配管12を耐熱温度の高いステンレス配管とすることで、配管の強度劣化を低下させることができるので、高温ガスの圧力を高くしても安全な配管とすることができる。
また、水素を含む高温ガスの温度が300℃〜500℃程度の比較的低温である場合には、銅、黄銅、その他の金属製の配管を用いることができる。
断熱材ユニット14は、配管12の外周を覆って配管12を保温するものである。
図示例においては、断熱材ユニット14は、配管12の外周を覆う第1断熱材20と、第1断熱材20の外周に積層された第2断熱材22と、第2断熱材22の外周に積層された第3断熱材24とを備える。
第1断熱材20、第2断熱材22および第3断熱材24それぞれの材料としては特に限定はなく、従来公知の断熱材が各種利用可能である。例えば、断熱材として、耐火物粉末を骨材とした断熱キャスタブル、断熱ボード、固体の中に気体の小孔を多量に持つ微細多孔断熱材、ロックウール、ガラスウール等が各種利用可能である。
各種断熱材にはそれぞれ耐用温度があるので、ガスの温度条件、周囲の雰囲気の条件等を勘案して伝熱計算をすることで、それぞれの断熱材の耐用温度内となるように厚みを適宜決定することができる。
前述のとおり、従来、高温ガスを、配管を介して輸送する場合、金属製のパイプの内面にレンガやキャスタブルなどで断熱層を形成して、配管からの熱ロスを防ぐ方法が行われていた。
このような高温ガスを流通させる配管の熱ロスを低減する方法としては、パイプの内面に形成する断熱層の層厚を厚くすることが考えられるが、ガスの流通路の径を保ちながら、内面の断熱層を厚くするためには、パイプの径を大きくする必要があり、大きな設備変更となってしまうという問題があった。
そこで、パイプの径を変えずに熱ロスを低減するために、より熱伝導率の低い、気孔率の大きい材質に断熱層を変更することが考えられる。
しかしながら、本発明者らの検討によると、図3に示すように、気孔率の大きい断熱材は、水素を多量に含むガス雰囲気では、大気雰囲気中での熱伝導率よりも高くなることがわかった。
一般に、断熱材には気孔が多く存在しており、この気孔中の空気の熱伝導率が断熱材の基質の熱伝導率よりも低いため、気孔の多い断熱材の方が断熱効果が大きい。ところが、水素ガスの熱伝導率は大気の熱伝導率よりも高いため、雰囲気中に水素が多くなると、断熱材としての熱伝導率が大きくなってしまうと考えられる。特に、水素ガスの濃度が5体積%を下回る程度のガスであれば、断熱材の厚みを調整するといった方法で対応が可能であるが、5体積%以上となる場合には、熱伝導率の上昇が顕在化してくるため、実務上は問題となる。
これに対して、本発明においては、配管12の周囲の少なくとも一部を断熱材で覆うので、水素ガスを5体積%以上含有する高温ガスを流通させる配管であっても、断熱材を水素ガス雰囲気に曝すことなく配管の保温(断熱)ができる。これにより、配管ユニット10内を流れるガスの温度の低下を低減することができ、効果的に熱ロスを低減できる。
特に、高温ガスが300℃以上、あるいはさらに、400℃以上の温度の場合、水素ガス雰囲気中と大気雰囲気中での断熱材の熱伝導率の差が大きくなるため、上記の効果をより享受することができる。
また、本発明は、高温ガス中の水素ガスの割合が、15体積%以上、あるいはさらに、20体積%以上の高温ガスを流す配管により好適に適用することができる。水素ガスの割合が高いほど、大気雰囲気中での断熱材の熱伝導率との差が大きくなるため、上記の効果をより享受することができる。
さらに、本発明のように、配管12の外周に断熱材を配置することで、一旦、施工した後にも、実際の放熱状況に応じて、断熱材を更に外巻きすることで断熱性能を高めて放熱を低減することも可能となる。あるいは、例えば、断熱材が劣化した場合等でも、容易に断熱材を除去して、新たな断熱材を配置することができる。
また、第1断熱材20、第2断熱材22および第3断熱材24それぞれの厚さには、特に限定はなく、求められる断熱性能、流通させるガス量、各断熱材の熱伝導率、設置スペース等に応じて、適宜、決定すればよい。
また、図示例においては、断熱材ユニット14は、3つの断熱材を備える構成としたが、これに限定はされず、1つの断熱材からなる構成であってもよく、2つの断熱材を積層した2層構成としてもよく、あるいは、4層以上の構成であってもよい。
また、図示例においては、配管12の外周のみに断熱材を配置する構成としたが、さらに、配管12の内側にも断熱材を配置する構成としてもよい。
配管12の内側に断熱材を配置することで、配管12が高温のガスに曝されるのを防止して、配管が高温になるのを抑制して、配管の強度劣化を防止できる。
また、フェロコークスの製造プロセスのおける炉内ガスは、石炭が還元性雰囲気中で高温で乾留して生成するガスであるため、石炭中の硫黄分が水素と結合して発生した硫化水素を含有している。硫化水素は腐食性が強いガスであるため、炉内ガスを循環させる配管の腐食を防ぐことも重要である。
したがって、流通させる高温ガス中に、硫化水素ガス等の配管12の腐食の原因となるガスが含まれている場合には、配管の内側に腐食防止用キャスタブルを施工してもよい。
特に、高温ガスが硫化水素ガスを1×10-7体積%以上含む場合には、配管の内部の少なくとも一部が配管腐食防止材で覆われているのが好ましい。
このような構成の一例を、図3に示す配管ユニット50の断面図を用いて説明する。
図3に示す配管ユニット50は、配管12の内側が配管腐食防止材52で覆われている以外は、図1に示す配管ユニット10と同様の構成を有するので、同じ部位には同じ符号を付し、以下の説明では異なる部位を主に行う。
配管ユニット50は、配管12と、配管12の外周を覆う、第1断熱材20、第2断熱材22および第3断熱材24を備える断熱材ユニット14と、配管12の内周を覆う配管腐食防止材52とを有する。
配管腐食防止材52は、耐火骨材と水硬性セメントを混合した通常のキャスタブルからなるものであり、配管12の内側に施工されたものである。
配管腐食防止材52の材料としては、硫化水素ガスによる腐食を防止することができれば限定はなく、耐火キャスタブル、断熱キャスタブル等を用いることができる。配管ユニット内を流れるガスの温度は300℃以上であるため、流れるガスの温度とキャスタブルの通気率を考慮して、使用するキャスタブルを選定することが好ましい。
また、配管腐食防止材52の厚さ(施工厚み)には限定はなく、選定したキャスタブルの通気率等に応じて設定するのが好ましい。
このように配管12の内側に配管腐食防止材52を施工することで、流通させる高温ガス中に硫化水素等の腐食ガスが含まれている場合であっても、配管の腐食を防止できる。
以上、本発明の配管の保温方法について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔実施例1〕
実施例1として、図2に示すような配管12の外周を3層の断熱材ユニット14で覆って配管ユニット10を作製し、配管ユニット10内に5体積%以上の水素を含む高温ガスを流して熱ロスを測定した。
高温ガスは、表1に示すように、20体積%の水素ガスを含むガスを用いて、温度は650℃とした。
配管ユニット10の内径d1は150mmとした。
配管12の材質(鉄皮)は、一般構造用圧延鋼材であるSS400を用いた。配管12の厚さは6mmとした。すなわち、配管12の外径d2は162mmである。このSS400の27℃での熱伝導率は51.6W/m・Kである。
第1断熱材20の種類はブランケット状断熱材(イソライト工業株式会社製)とし、厚さは15mmとした。このブランケット状断熱材の大気雰囲気、1000℃での熱伝導率は0.30W/m・Kである。
第2断熱材22の種類はマイクロポーラス断熱材(マイクロサーム社製)とし、厚さは25mmとした。このマイクロポーラス断熱材の大気雰囲気、600℃での熱伝導率は0.04W/m・Kである。
第3断熱材24の種類は保温材(ニチアス株式会社製)とし、厚さは85mmとした。この保温材の大気雰囲気、70℃での熱伝導率は0.08W/m・Kである。
また、鉄皮、第1断熱材20、第2断熱材22および第3断熱材24の合計の熱抵抗を算出したところ、7.3(m2・K/W)であった。
また、配管ユニット10の外径は、412mmであった。
<評価>
表1に示す成分のガスを650℃まで昇温させて配管ユニット10内に吹込み、定常状態に到達した後、表面温度を測定し放散熱量を求めた。
外気温度、ガス温度およびガスの成分比から、ガスへの入熱量を算出すると1.11×103W/m2であった。
また、配管ユニット10表面の温度を測定したところ、57.7℃であった。この表面温度、外気温度から、抜熱量を算出すると、0.92×102W/m2であった。
従って、抜熱量/入熱量から熱ロスを算出すると、8.3%であった。
〔実施例2〜4〕
実施例2〜4として、配管12の材質(鉄皮)をそれぞれ表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして熱ロスを求めた。
各実施例の熱ロスは表2に示す。
〔比較例1〕
比較例1として、図5に示すように、配管102の内側に3層からなる断熱材ユニット104を形成して保温した配管ユニット100を用いた。
断熱材ユニット104としては、配管102側から順に第1断熱材110、第2断熱材112、第3断熱材114が積層されている。
すなわち、配管ユニット100は、最内側が第3断熱材114である。
配管ユニット100の内径d1は150mmとした。
配管102の材質(鉄皮)は、一般構造用圧延鋼材であるSS400を用いた。配管102の厚さは6mmとし、外径d2は494mmとした。このSS400の27℃での熱伝導率は51.6W/m・Kである。
第1断熱材110の種類は保温材(ニチアス株式会社製)とし、厚さは6mmとした。この保温材の大気雰囲気、500℃での熱伝導率は0.12W/m・Kである。
第2断熱材112の種類は断熱ボード(ニチアス株式会社製)とし、厚さは60mmとした。この断熱ボードの大気雰囲気、400℃での熱伝導率は0.11W/m・Kである。
第3断熱材114の種類は断熱キャスタブル(AGCプライブリコ株式会社製)とし、厚さは100mmとした。この断熱キャスタブルの大気雰囲気、800℃での熱伝導率は0.30W/m・Kである。
また、鉄皮、第1断熱材110、第2断熱材112および第3断熱材114の合計の熱抵抗を算出したところ、3.0(m2・K/W)であった。
<評価>
実施例1と同様にして熱ロスを求めたところ、18.5%であった。
〔比較例2〜4〕
比較例2〜4として、配管102の材質(鉄皮)をそれぞれ表3に示すように変更した以外は、比較例1と同様にして熱ロスを求めた。
各比較例の熱ロスは表3に示す。
〔比較例5〜8〕
比較例5〜8として、それぞれ、比較例1〜4の第2断熱材の種類をマイクロポーラス断熱材(マイクロサーム社製)とし、厚さは60mmとした以外は、比較例1〜4と同様にして熱ロスを求めた。
比較例5〜8は、鉄皮、第1断熱材110、第2断熱材112および第3断熱材114の合計の熱抵抗が7.3(m2・K/W)である。
各比較例の熱ロスは表4に示す。
表2〜表4に示すように、本発明の配管の保温方法の実施例である実施例1〜4は、断熱材を配管の内側に形成する比較例1〜8に対して、熱ロスが低減しているのがわかる。また、実施例1〜4は、配管の外側に断熱材を施工するので、施工が単純であり安価であった。また、実施例1〜4は、比較例1〜8に比して外径が小さくでき、断熱材ユニットの厚さを薄くできることがわかる。
〔実施例5〜8〕
次に、実施例5〜8として、図1に示すようなコークス炉30の配管に、それぞれ実施例1〜4と同様の断熱材ユニットを形成して、コークス炉30の操業中の配管における熱ロスを測定した。
具体的には、コークス炉30の低温ガス加熱装置38から低温ガス吹き込み羽口34a、34b、および、高温ガス加熱装置42に循環ガスを流す配管ユニット10a、10b、ならびに、高温ガス加熱装置42から高温ガス吹き込み羽口34cに循環ガスを流す配管ユニット10cにそれぞれ実施例1〜4と同様の断熱材ユニット14を形成した。
表1に示す成分のガスを乾留炉内に吹き込み、且つ、配管内を循環させながら下記表5に示す条件でコークス炉30の操業を行った。
定常状態に到達した後、乾留炉内の温度、ならびに、循環ガス配管内の温度を測定した。乾留炉内の温度は、ドラムに巻かれた3.2mmφのステンレス製シース熱電対をシリコンゴムのシール部を通過させ、その先端に錘を付けた後、ボールバルブを開け押棒で錘を順次、所定の穴から炉内に落とし、シース熱電対は装入物と共に約60〜80mm/minの速度で乾留炉内を降下しながら連続的に測定した。乾留炉上部の平均温度は350℃、中間部の平均温度は700℃、下部の平均温度は850℃であった。操業中の炉頂ガス成分を調べたところ表6の通りであった。
また、配管ユニット表面の温度測定は、配管ユニット10aと10bとの分岐位置、この分岐位置と低温ガス加熱装置との中間位置、低温ガス吹き込み羽口34a付近の位置、低温ガス吹き込み羽口34b付近の位置、低温ガス吹き込み羽口34aおよび34b直前の分岐位置の計5か所で行い、平均値を表面温度とした。
測定した表面温度、配管内のガス温度、外気温度から、入熱量、抜熱量を求めて熱ロスを算出した。
結果を表7に示す。
〔比較例9〜12〕
比較例9〜12として、それぞれ、第2断熱材の厚さを50mmとした以外は比較例1〜4と同様の構成の配管ユニットを用いて、実施例5と同様にして、コークス炉の操業中の配管における熱ロスを測定した。
結果を表8に示す。
〔比較例13〜16〕
比較例13〜16として、それぞれ、第2断熱材の厚さを50mmとした以外は比較例5〜8と同様の構成の配管ユニットを用いて、実施例5と同様にして、コークス炉の操業中の配管における熱ロスを測定した。
結果を表9に示す。
表7〜表9に示すように、実際のコークス炉の操業においても、本発明の配管の保温方法の実施例である実施例5〜8は、断熱材を配管の内側に形成する比較例9〜16に対して、熱ロスが低減しているのがわかる。また、循環ガスの配管の断熱材の厚みと放散熱量を低減できたことで、熱効率に優れた操業を長期的に安定して行うことが可能となった。
[実施例9]
実施例9として、図3に示すような配管12の内側に配管腐食防止材52を施工し、配管12の外周を3層からなる断熱材ユニット14で覆って配管ユニット50を作製し、配管ユニット50内に、5体積%以上の水素、および、1×10-7体積%以上の硫化水素ガスを含む高温ガスを流して熱ロスおよび腐食の有無を評価した。
高温ガスは、表10に示す成分比率の混合ガスを用いて、温度は650℃とした。
配管ユニット10の内径d1は150mmとした。
配管腐食防止材52は耐火キャスタブルとし、厚さは30mmとした。この耐火キャスタブルの大気雰囲気、800℃での熱伝導率は0.80W/m・Kである。
配管12の材質(鉄皮)は、一般構造用圧延鋼材であるSS400を用いた。配管12の厚さは6mmとした。すなわち、配管12の外径d2は222mmである。このSS400の27℃での熱伝導率は51.6W/m・Kである。
第1断熱材20の種類はブランケット状断熱材(イソライト工業株式会社製)とし、厚さは14mmとした。このブランケット状断熱材の大気雰囲気、1000℃での熱伝導率は0.30W/m・Kである。
第2断熱材22の種類はマイクロポーラス断熱材(マイクロサーム社製)とし、厚さは25mmとした。このマイクロポーラス断熱材の大気雰囲気、600℃での熱伝導率は0.038W/m・Kである。
第3断熱材24の種類は保温材(ニチアス株式会社製)とし、厚さは100mmとした。この保温材の大気雰囲気、70℃での熱伝導率は0.075W/m・Kである。
また、鉄皮、第1断熱材20、第2断熱材22および第3断熱材24の合計の熱抵抗を算出したところ、7.3(m2・K/W)であった。
また、配管ユニット10の外径は、547mmであった。
<評価>
実施例9、ならびに、先の実施例1および比較例5の配管ユニットについて、表10に示すガスA、ガスBおよびガスCの3種類のガスそれぞれを用いて、熱ロスの測定および配管の腐食の有無の確認を行った。
実施例9の配管ユニットにガスAを流した場合を実施例9−Aとし、ガスBを流した場合を実施例9−Bとし、ガスCを流した場合を実施例9−Cとした。同様に、実施例1の配管ユニットにガスAを流した場合を実施例1−Aとし、ガスBを流した場合を実施例1−Bとし、ガスCを流した場合を実施例1−Cとした。同様に、比較例5の配管ユニットにガスAを流した場合を比較例5−Aとし、ガスBを流した場合を比較例5−Bとし、ガスCを流した場合を比較例5−Cとした。
各実施例および比較例において、ガス温度を650℃まで昇温させて、配管ユニット10内に吹込み、定常状態に到達した後、表面温度を測定し放散熱量を求めた。外気温度、ガス温度およびガスの成分比から、ガスへの入熱量を算出すると1.15×103W/m2であった。
配管ユニット10の表面の温度を測定し、この表面温度、外気温度から、抜熱量を算出して、抜熱量/入熱量から熱ロスを算出した。
また、ガスを200時間流した後、配管12内部の腐食の有無を確認した。
ガスAの場合の結果を表11に示し、ガスBの場合の結果を表12に示し、ガスCの場合の結果を表13に示す。
表11に示すとおり、配管ユニットに、水素ガスを5体積%、硫化水素ガスを1×10-7体積%含むガスAを流した場合には、比較例5−Aに比べて、実施例1−Aおよび実施例9−Aでは熱ロスが少ないことがわかる。
また、実施例1−Aと実施例9−Aとの対比から、配管12の内側に配管腐食防止材52を施工することで、高温ガス中に硫化水素ガスが含まれている場合であっても、配管の腐食を防止できることがわかる。
また、表12に示すとおり、配管ユニットに、水素ガスを20体積%、硫化水素ガスを1×10-7体積%含むガスBを流した場合には、比較例5−Bに比べて、実施例1−Bおよび実施例9−Bでは熱ロスが少ないことがわかる。ここで、ガスBはガスAよりも水素ガスの割合が多いので、比較例との差がより大きくなっており、水素ガスの割合が15体積%以上、さらに、20体積%以上の高温ガスを流す配管により好適に適用できることがわかる。
また、表13に示すとおり、配管ユニットに、水素ガスを20体積%、硫化水素ガスを0.1×10-7体積%含むガスCを流した場合には、比較例5−Cに比べて、実施例1−Cおよび実施例9−Cでは熱ロスが少ないことがわかる。
また、ガスCは、高温ガス中の硫化水素ガスの割合が少ないので、配管12の内側に配管腐食防止材52を有さない実施例1−Cも、配管内部の腐食は、全く確認されなかった。したがって、硫化水素ガスを0.1×10-7体積%以上含む高温ガスを流す場合に、配管12の内側に配管腐食防止材52を施工するのが好ましいことがわかる。
[実施例10〜12]
実施例10〜12として、配管12の材質(鉄皮)をそれぞれ表14に示すように変更した以外は、実施例9と同様の配管ユニットを作製し、ガスBおよびガスDをそれぞれ流して熱ロスの測定および腐食の有無の確認を行った。
先と同様に、実施例10の配管ユニットにガスBを流した場合を実施例10−Bとし、ガスDを流した場合を実施例10−Dとした。実施例11および実施例12についても同様である。
ガスBの場合の結果を表14に示し、ガスDの場合の結果を表15に示す。
表14に示すとおり、実施例9−B〜実施例12−Bは、断熱材を配管の内側に形成する比較例9〜16に対して、熱ロスが低減しているのがわかる。
また、配管12の内側に配管腐食防止材52を施工することで、高温ガス中に硫化水素ガスが含まれている場合であっても、配管の腐食を防止できることがわかる。
さらに、表15に示すとおり、配管12の内側に配管腐食防止材52を施工することで、硫化水素ガスを1.0×10-5体積%含むガスDを流した場合でも、配管の腐食を防止できることがわかる。
〔実施例13〜16〕
次に、実施例13〜16として、図1に示すようなコークス炉30の配管に、それぞれ実施例9〜12と同様の断熱材ユニットを形成して、コークス炉30の操業中の配管における熱ロスを測定した。
具体的には、実施例5〜8と同様に、コークス炉30の配管ユニットにそれぞれ実施例9〜12と同様の断熱材ユニット14および配管腐食防止材52を形成して、同様の条件(表5に示す条件)でコークス炉30の操業を行った。
定常状態に到達した後、乾留炉内の温度、ならびに、循環ガス配管内の温度を前述と同様にして測定した。乾留炉上部の平均温度は350℃、中間部の平均温度は700℃、下部の平均温度は850℃であった。
腐食ガスを含め操業中の炉頂ガス成分を調べたところ表16のとおりであった。
また、前述と同様にして、配管ユニット表面の温度を測定した。
測定した表面温度、配管内のガス温度、外気温度から、入熱量、抜熱量を求めて熱ロスを算出した。
結果を表17に示す。
表17に示すように、実際のコークス炉の操業においても、本発明の配管の保温方法の実施例である実施例13〜16は、断熱材を配管の内側に形成する比較例9〜16に対して、熱ロスが低減しているのがわかる。また、循環ガスの配管の断熱材の厚みと放散熱量を低減できたことで、熱効率に優れた操業を長期的に安定して行うことが可能となった。
以上より本発明の効果は明らかである。
10、50、100 配管ユニット
12、102 鉄皮
14、104 断熱材ユニット
20、110 第1断熱材
22、112 第2断熱材
24、114 第3断熱材
30 コークス炉
32 成型物装入装置
34 竪型乾留炉本体
34a、34b 低温ガス吹き込み羽口
34c 高温ガス吹き込み羽口
34d 冷却ガス吹き込み羽口
36 循環ガス冷却装置
38 低温ガス加熱装置
40 空気加熱器
42 高温ガス加熱装置
52 配管腐食防止材

Claims (6)

  1. 水素ガスを5体積%以上含む高温ガスを流す配管の保温方法であって、
    前記配管の周囲の少なくとも一部が断熱材で覆われていることを特徴とする配管の保温方法。
  2. 前記高温ガスが、硫化水素ガスを1×10-7体積%以上含み、
    さらに、前記配管の内部の少なくとも一部が配管腐食防止材で覆われている請求項1に記載の配管の保温方法。
  3. 前記高温ガスは300℃以上である請求項1または2に記載の配管の保温方法。
  4. 前記配管の材質がステンレスである請求項1〜3のいずれか1項に記載の配管の保温方法。
  5. 前記配管の周囲の全周が前記断熱材で覆われている請求項1〜4のいずれか1項に記載の配管の保温方法。
  6. 互いに異なる2層以上の断熱材で前記配管の周囲が覆われている請求項1〜5のいずれか1項に記載の配管の保温方法。
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