JP2016069979A - 固定治具及び建物ユニットの輸送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷台に特殊な加工を施す必要がないうえに、積み込みを容易におこなうことが可能な固定治具を提供する。【解決手段】建物ユニット2をトラックの荷台1に積載して輸送する際に使用される固定治具3である。そして、建物ユニット2の下面に配置される下敷き領域31aと建物ユニットの側方から突出される張出し領域31bを有するプレート部31と、プレート部の下敷き領域に、上方に向けて突出されて建物ユニットの柱21の下面に形成された下面穴21aに挿入される柱用突起4と、張出し領域の横架材32の側端部32aと荷台とを挟んで締結する締結金具33とを備えている。さらに、柱用突起は、建物ユニットの側方から突出されるレバー部44の操作によって柱の下面に対する固定と解除の切り換えが可能な構成となっている。【選択図】図1

Description

本発明は、ユニット建物を構成する建物ユニットを工場から建築現場まで輸送する際に使用される固定治具、及びそれを使用した建物ユニットの輸送方法に関するものである。
従来、工場で製作された箱形の建物ユニットをトラックで輸送し、建築現場で荷降ろししてユニット建物に組み立てる工法が知られている(特許文献1−4参照)。
特許文献1には、建物ユニットをトラックの荷台に固定するための受け治具が開示されている。この受け治具は、トラックの荷台にあけられた截頭円錐状の嵌合孔に装着され、荷台の下面側から嵌合孔に挿入したボルトによって荷台に固定される。
また、特許文献2には、トラックの荷台の四隅に添え柱を立て、それらの添え柱に囲まれた空間に建物ユニットを収容して輸送する方法が開示されている。ここで、荷台には、添え柱の下端を挿入する凹部と、荷台の下面側から添え柱を固定するボルトを挿通させる挿通用孔部とが設けられている。
さらに、特許文献3には、柱の下端部が脚のように突出した建物ユニットを輸送するために、荷台に下端部を挿入する通孔を設けたトラックが開示されている。
一方、本出願の発明者らは、特許文献4に開示されているように荷台に特殊な加工を施す必要がないうえに、積み込みを容易におこなうことが可能な固定治具、及びそれを使用した建物ユニットの輸送方法の出願を既に行っている。
この特許文献4に開示された建物ユニットの輸送方法では、建物ユニットの柱脚部に予め固定治具を取り付けておき、その後、トラックの荷台に建物ユニットを積載する。
実用新案登録第2503497号公報 特許第3308354号公報 特開平8−68117号公報 特開2012−31718号公報
しかしながら、本出願の発明者らは、さらなる改良を施した固定治具、及びそれを使用した建物ユニットの輸送方法を発明するに至った。
そこで、本発明は、荷台に特殊な加工を施す必要がないうえに、積み込みを容易におこなうことが可能な固定治具、及びそれを使用した建物ユニットの輸送方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の固定治具は、建物ユニットをトラックの荷台に積載して輸送する際に使用される固定治具であって、前記建物ユニットの下面に配置される下敷き領域と前記建物ユニットの側方から突出される張出し領域を有するプレート部と、前記プレート部の下敷き領域に、上方に向けて突出されて前記建物ユニットの柱の下面に形成された下面穴に挿入される柱用突起と、前記プレート部の張出し領域と前記荷台とを挟んで締結する締結手段とを備え、前記柱用突起は、前記建物ユニットの側方から突出されるレバー部の操作によって前記柱の下面に対する固定と解除の切り換えが可能なことを特徴とする。
ここで、前記柱用突起は、円錐状のピン部と、前記ピン部の下部に設けられる回転軸部と、前記回転軸部を回転自在に収容させる鞘管部と、前記回転軸部の下端から側方に延伸される前記レバー部とを備え、前記柱の下面に対して固定する場合には、前記ピン部の一部が前記鞘管部よりも側方にはみ出して前記柱の下面の上方に配置された状態になる構成とすることができる。また、前記レバー部は、固定状態を維持させるロック機構を備えていることが好ましい。
また、前記プレート部の張出し領域は、前記下敷き領域に連続する板部と、前記板部上に設置される押え部とを有するとともに、前記締結手段は、前記押え部と前記荷台の縁部とに跨る本体部と、前記本体部から前記押え部又は前記荷台の下面に向けて突出量が調整可能な締結ボルトとを有し、前記本体部には前記押え部に対して正しい向きで装着させるための規制部が設けられている構成とすることもできる。
さらに、前記柱用突起は、上端に雌ネジ溝が設けられており、前記雌ネジ溝に対して長さ調整用のガイドピンのねじ込みが可能となっている構成であってもよい。
また、本発明の建物ユニットの輸送方法は、上記いずれかの固定治具を使用して建物ユニットを輸送する建物ユニットの輸送方法において、トラックの荷台の四隅に前記固定治具を取り付けるステップと、前記固定治具の柱用突起の上に前記建物ユニットの柱をそれぞれ降ろすステップとを備えたことを特徴とする。
さらに、上記いずれかの固定治具を使用して一方の側面にのみ外壁が取り付けられている建物ユニットを輸送する際の建物ユニットの輸送方法において、前記外壁が配置される側の前記固定治具の柱用突起を、それ以外の前記固定治具の柱用突起よりも前記外壁の厚さ分だけ前記荷台の中心側に設置するステップと、前記建物ユニットの中心が、前記荷台の幅方向の中心と略一致するように前記建物ユニットを積載するステップとを備えたことを特徴とする。
このように構成された本発明の固定治具は、建物ユニットの下面に一部が配置されて建物ユニットと連結されるプレート部と、プレート部の張出し領域と荷台とを挟んで締結する締結手段とを備えている。
そして、建物ユニットの柱の下面に形成された下面穴に挿入される柱用突起は、建物ユニットの側方から突出されるレバー部の操作によって柱の下面に対する固定と解除の切り換えが可能な構成となっている。
このため、この固定治具を使って建物ユニットを輸送する際には、トラックの荷台に特殊な加工を施さなくても、建物ユニットを荷台の上に固定することができる。また、挟んで締結する締結手段であれば締結箇所が限定されないため、容易に建物ユニットを荷台に積み込むことができる。
さらに、建物ユニットの側方から突出されるレバー部の操作によって固定と解除の切り替えができるので、作業性に優れているうえに、固定されているか否かを目視によって容易に確認することができる。
また、柱用突起による固定が、円錐状のピン部の一部が柱の下面の上方に配置されることで行われる構成であれば、単純な機構で確実に固定を行うことができる。さらに、レバー部の固定状態を維持させるロック機構を備えていれば、輸送中に固定が解除されることがなく、安心して輸送作業を行うことができる。
そして、締結手段の本体部に、プレート部の張出し領域の押え部に対して正しい向きで装着させるための規制部が設けられていれば、誤った向きによる不完全な締結を防ぐことができる。
また、柱用突起の上端に長さ調整用のガイドピンをねじ込むことができる構成となっていれば、必要に応じて柱用突起の長さを変更して積み込み作業を容易に行えるようにすることができる。
さらに、トラックの荷台の四隅に固定治具を先に取り付け、その固定治具の上に建物ユニットを積載する建物ユニットの輸送方法であれば、固定治具を取り付けるために吊り荷の下に入る必要がなく、安全に積み込み及び積み降ろし作業を行うことができる。
そして、建物ユニットの一方の側面にのみ外壁が取り付けられている場合は、柱用突起を外壁の厚さ分だけ荷台の中心側に設置することで、建物ユニットの中心と荷台の幅方向の中心とを一致させて、荷台の一方側から大きくはみ出すことを防ぐことができる。
本発明の実施の形態の固定治具に建物ユニットを設置した状態を拡大して説明する斜視図である。 固定治具を使って輸送される建物ユニットの構成を説明する斜視図である。 トラックの荷台の建物ユニットの四隅にあたる位置に固定治具を取り付けた状態を説明する平面図である。 固定治具の柱用突起及びレバー部の構成を説明する図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。 固定治具の柱用突起及びレバー部の構成を説明する図であって、(a)は図4(a)のA−A矢視方向で見た断面図、(b)はB−B矢視方向で見た断面図である。 締結手段の規制部の作用について説明する斜視図である。 実施例1の固定治具の柱用突起の構成を示した説明図である。 実施例1の固定治具の使用方法を示した説明図である。 実施例2の建物ユニットの輸送方法を示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の固定治具3がトラックの荷台1に取り付けられた構成を拡大して示した説明図である。
また、図2は、この固定治具3を使用して輸送される建物ユニット2の構成を説明する斜視図である。さらに、図3は、トラックの荷台1の建物ユニット2の四隅を載せる位置に固定治具3A−3D(3)を取り付けた状態を説明する平面図である。
まず、建物ユニット2の構成について図2を参照しながら説明する。なお、以下で説明する建物ユニット2の構成は一例であり、これに限定されるものではない。
この建物ユニット2の主構造は、隅角部に配置される4本の柱21,・・・と、その柱21,・・・の上端間に架け渡される天井梁27・・・と、柱21,・・・の下端間に床梁として差し渡される短辺梁22,22及び長辺梁23,23とによってボックス形のラーメン構造体(骨組構造体)に形成される。
また、図1,2に示すように、柱21と短辺梁22(又は長辺梁23)との接合部には、断面視略コ字形の接合枠材24A(24B)が配置される。すなわち、柱21の側面に接合枠材24A(24B)の端面が当接されて溶接によって接合がおこなわれ、接合枠材24A(24B)に対して短辺梁22(長辺梁23)が溶接によって接合される。
また、四角筒状の鋼管によって形成される柱21の下面は、鋼板によって蓋211がされており、その蓋211の略中央には下面穴21aが設けられている。
この建物ユニット2は、工場で製作され、トラックによって建築現場まで輸送される。建築現場では、複数の建物ユニット2,・・・を並べて連結することによってユニット建物(図示省略)が構築される。
そして、この建物ユニット2を損傷させることなく安全に建築現場まで輸送するために固定治具3(3A−3D)が使用される。なお、固定治具3A−3Dの構成は略同一であるため、以下では固定治具3の符号を使って構成について説明する。
この固定治具3は、図1,3に示すように、鋼板などによって成形される板状のプレート部31と、プレート部31に設けられる柱用突起4と、プレート部31を荷台1に固定するための締結手段としての締結金具33とを主に備えている。
このプレート部31には、建物ユニット2の下面に配置される下敷き領域31aと、建物ユニット2の側方から突出される張出し領域31bとが形成される。
この下敷き領域31aは、図1に示すように、柱21及び接合枠材24Aの下方に配置される領域である。これに対して張出し領域31bは、建物ユニット2の外側に飛び出している領域である。
そして、下敷き領域31a及び張出し領域31bは、柱用突起4が設けられる断面視略コ字形のカバー部311と、長方形板状の長板部312と、長板部312上に設置される横架材32とによって形成される。
ここで、カバー部311及び長板部312の一部が下敷き領域31aとなる。また、長板部312の残りが下敷き領域31aに連続する張出し領域31bの板部となり、横架材32が張出し領域31bの板部上に設置される押え部となる。
この横架材32は、図3に示すように、荷台1の幅方向に架け渡され、左右の長板部312,312の押え部となる。このような横架材32は、荷台1の横幅と略同じ長さの角形鋼管などによって形成される。
また、横架材32に対して長板部312,312をそれぞれ溶接しておくことで、長板部312,312の間隔を決められた間隔に正確に合わせることができる。
そして、横架材32の長手方向の両側の端部には、それぞれ図1に示すような側端部32aが設けられる。この側端部32aは、対向する一対の側板321,321と、側板321,321間に架け渡されるボルトなどの当材部322と、側板321,321の下端間を塞ぐ底板323とによって主に構成される。
一方、下敷き領域31aのカバー部311から上方に突出される柱用突起4は、図1,4,5に示すように、円錐状のピン部41と、ピン部41の下部に設けられる回転軸部42と、回転軸部42を回転自在に収容させる鞘管部43と、回転軸部42の下端から側方に延伸されるレバー部44とを備えている。
この柱用突起4のピン部41は、柱21の下面穴21aに対向させる下敷き領域31aの位置に設けられる。このピン部41の底面は、下面穴21aの直径より小さく成形されており、ピン部41を下面穴21aに挿通させた後にレバー部44を操作してスライドさせると、下面穴21a周辺の蓋211上にピン部41の一部が載って、固定されたことになる。
この柱用突起4の詳細について、図4,5を参照しながらさらに説明する。図4(a)のレバー部44が左側にある状態(実線)が解除状態を示しており、レバー部44が右側にある状態(二点鎖線)が固定状態を示している。
解除状態のときのピン部41の中心C1は、下面穴21aの中心と一致しており、蓋211の上下方向の移動がピン部41によって制限されることはない。一方、ピン部41の底面よりも直径の小さい円筒状の回転軸部42の軸心C2は、この中心C1から偏心した位置にある。
そして、レバー部44を図4(a)の矢印方向にまわすと、図4(b)に示すようにピン部41が下面穴21a上から左側にずれて、ピン部41の側部が蓋211上に載ることになる。この結果、蓋211の上下方向の移動がピン部41によって制限された固定状態となる。
また、回転軸部42及び鞘管部43を収容するカバー部311の側縁には、レバー部44が上述した解除状態又は固定状態以上にまわらないように規制するためのストッパ部46,46がそれぞれ設けられる。
さらにカバー部311には、回転軸部42の両側にロック機構としてのロック部45,45が設けられる。このロック部45,45は、解除状態又は固定状態を維持させるために設けられる。
ロック部45は、図5(b)に示すように、階段状に成形された薄板部材を、ボルト45aによってカバー部311に固定することで設けられる。レバー部44をまわしてロック部45に当てると、ロック部45が弾性変形によって持ち上がり、レバー部44の通過後に元の位置に戻る。
この結果、レバー部44が戻る方向への移動が規制されて、ロックされたことになる。要するにレバー部44は、図4(a)に示すように、ロック部45とストッパ部46との間に留まることになる。
また、レバー部44の先端にワイヤを連結しておき、ロック時にはそのワイヤの他端を例えば横架材32の外側面に取り付けられたパッチン錠(キャッチクリップ)に引っ掛けるようにしておくことで、ロックされていることが目視によって確認できるようになる。
なお、図ではロック部45を階段状に図示したが、これに限定されるものではない。例えば、長方形の鋼板の下面の先端側に帯状の突起部を取り付け、レバー部44をその突起部に当てて鋼板を弾性変形させる構成とすることもできる。薄板部材を階段状に成形する場合に比べて厚い鋼板を板バネとして使用することができるようになり、耐久性を向上させることができる。
このように構成されたプレート部31は、横架材32を介して締結金具33によって荷台1に固定される。この締結金具33は、図1,6に示すように、側面視略コ字形の上辺331bと下辺331aを有する本体部331と、本体部331の上辺331bに螺入される締結ボルト332と、下辺331aに取り付けられる規制部33aとを有している。
この締結ボルト332には、本体部331の上辺331bより上方に上ナット332aが装着され、上辺331bの下面に固着された下ナット332bにねじ込まれる。
横架材32の側端部32aを荷台1に固定するには、図1に示すように、締結金具33の本体部331の下辺331aを荷台1の下面に当て、側端部32aの当材部322の上方を覆わせた上辺331bから、当材部322に向けて締結ボルト332をねじ込ませる。そして、締結ボルト332の先端で当材部322を押し付ける力によって、横架材32が荷台1に締結される。
この締結金具33は、横架材32に対して正しい向きで取り付けられなければ、所望される締結力が発揮されない。そこで、締結金具33の本体部331を横架材32に対して正しい向きに取り付けるための規制部33aについて、図6を参照しながら説明する。
図6では、本体部331の上下の向きが正しい向きとは反対になっている。ここで、本体部331の下辺331aの内面(図6では下面)には、横架材32の一対の側板321,321間の間隔よりも広い長尺状の規制部33aが固着されている。
このため、誤った向き(上下反対の向き)で本体部331の下辺331aを側板321,321間に挿入しようとすれば、規制部33aが側板321に接触して挿入することができないため、作業者は装着する向きが間違っていることに気付くことができる。
次に、本実施の形態の固定治具3(3A−3D)を使用した建物ユニット2の輸送方法について説明するとともに、本実施の形態の固定治具3及びそれを使用した建物ユニット2の輸送方法の作用について説明する。
この建物ユニット2を積み込むトラックの荷台1は、図3に示すように、建物ユニット2の平面形状と略同じ又はそれよりも大きな長方形の平面形状をしている。ここで、荷台1の前方側の縁部を前縁11、右側の縁部を右縁12、後方側の縁部を後縁13、左側の縁部を左縁14とする。
まず、トラックの荷台1に対して、建物ユニット2の四隅を載せる予定の位置に固定治具3A−3Dの取り付けを行う。荷台1の後方に取り付けられる固定治具3A,3Bは、後縁13に平行に差し渡される横架材32によって長板部312,312の後端が押さえられ、締結金具33,33によって両方の側端部32a,32aが荷台1に締結される。
このように締結金具33の挟持による締結であれば、トラックの荷台1に特殊な加工を施さなくても、固定治具3A,3Bを荷台1の上に固定することができる。
さらに、締結ボルト332によって締め付ける構成の締結金具33であれば、締結ボルト332のトルク又は張力を管理することによって、所定の荷締め強度が確保されていることを容易に確認することができる。荷締めロープによって固定する従来の方法では、素材の伸縮が大きく荷締め強度を一定にするのが困難であるが、締結ボルト332によって締め付ける構成であれば、荷締め強度を安定させることができる。
一方、荷台1の前方に取り付けられる固定治具3C,3Dは、前縁11に平行に差し渡される横架材32によって長板部312,312の前端が押さえられ、締結金具33,33によって両方の側端部32a,32aが荷台1に締結される。
ここで、建物ユニット2の柱21,21の間隔に合わせて、横架材32に長板部312,312を予め溶接などで接合しておくことで、荷台1の幅方向の位置合わせを迅速に行うことができるようになる。
このようにして荷台1に固定された固定治具3A−3Dは、レバー部44が解除状態側に向けられ、ロック部45によって解除が維持された状態となっている。
そして、輸送する建物ユニット2の下方にフォークリフト(図示省略)の刃を差し込み、建物ユニット2を水平に持ち上げる。なお、建物ユニット2をクレーンで吊り上げる場合もある。
また、フォークリフトによってトラック近傍まで建物ユニット2を運んだ後に、建物ユニット2を荷台1よりも高い位置まで持ち上げ、荷台1の上方に建物ユニット2を水平状態のまま移動させる。
続いて、建物ユニット2を荷台1に向けて下げると、四隅の柱21,・・・のそれぞれにおいて、下面穴21aの中心と解除状態にある柱用突起4のピン部41の中心C1とが一致するため、下面穴21aがピン部41を通過して、柱21がカバー部311の上に設置される。
そこで、図4(a)に示すように、レバー部44を矢印方向にまわす操作をして、ピン部41の一部が側方にはみ出して柱21の蓋211の上方に配置された固定状態に切り替える。
このように操作されたレバー部44は、ロック部45によって固定状態が維持されることになるので、輸送中に固定が解除されることがなく、安心して輸送作業を行うことができる。
また、建物ユニット2の側方から突出されるレバー部44の操作によって固定と解除の切り替えができるので、作業性に優れているうえに、固定されているか否かをレバー部44の位置を目視することによって容易に確認することができる。
さらに、先にトラックの荷台1に固定治具3(3A−3D)を取り付け、その上に建物ユニット2を積載する方法であれば、固定治具を取り付けるために吊られた状態の建物ユニット2の下に入る必要がなく、安全に積み込み及び積み降ろし作業を行うことができる。
また、柱用突起4による固定が、円錐状のピン部41の側部が柱21の下面となる蓋211の上方に配置されることで行われる構成であれば、単純な機構で確実に固定を行うことができる。
さらに、固定治具3によって建物ユニット2を下端で固定する方法であれば、荷締めロープを建物ユニット2に架け渡す場合のように、押し当てられるロープの締め付け力によって建物ユニット2が変形したり、損傷したりすることがない。
また、固定治具3の締結金具33は、荷台1の高さで締結がおこなえるため、荷締めロープを建物ユニット2に架け渡す場合のように高所作業をおこなう必要がない。
さらに、建物ユニット2と荷台1との間にはプレート部31が介在するだけなので、角材を敷く従来の方法に比べて、養生の手間が省けるだけでなく、貨物の高さを低く設定することができ、輸送経路の選択肢を増やすことができる。
また、荷締めロープを建物ユニット2に架け渡す場合のようにロープが当たる箇所を緩衝材などで養生する必要がないため、その分の高さも低くすることができる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について、図7,8を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一符号や同一用語を使って説明する。
この実施例1で説明する固定治具6は、プレート部61に設けられる柱用突起62が前記した柱用突起4とは異なっている。それ以外の構成は、前記実施の形態で説明した固定治具3と同じであるため、詳細な説明は省略する。
この実施例1の柱用突起62は、截頭円錐状の円錐部621と、長さ調整用のガイドピン623とによって主に構成される。この円錐部621の上端には、雌ネジ溝622が設けられている。
一方、ガイドピン623の下部には、雄ネジ溝624が設けられている。そして、ガイドピン623の雄ネジ溝624を、円錐部621の雌ネジ溝622にねじ込むことで、柱用突起62の長さを調整することができる。
次に、図8を参照しながら、実施例1の固定治具6を使用した建物ユニット2の輸送方法の作用について説明する。
まず、トラックの荷台1の一方の縁部側(例えば右縁12側)には、円錐部621にガイドピン623がねじ込まれた長い柱用突起62を有する固定治具6を取り付ける。また、他方の縁部側(例えば左縁14側)には、円錐部621に短いガイドピン623Aがねじ込まれた短い柱用突起62Aを有する固定治具6Aを取り付ける。
そして、フォークリフトFによって建物ユニット2を持ち上げ、短い柱用突起62Aが取り付けられた荷台1の左縁14側にフォークリフトFを近付け、荷台1に向けて建物ユニット2を水平に降ろす。
この際、荷台1の右縁12側には、長い柱用突起62が取り付けられているので、長いガイドピン623を先に建物ユニット2の柱21の下面穴21aに通すことができる。
この下面穴21aにガイドピン623が通ることによって、建物ユニット2の位置合わせが行われる。引き続き建物ユニット2を下げていくと、短い柱用突起62Aに対して柱21の位置が合うので、その下面穴21aに短いガイドピン623Aを通す。
すなわち、固定治具6,6A間の距離が建物ユニット2の柱21,21間の距離に合わせてあるので、一方の柱21の下面穴21aに柱用突起62を通すだけで、他方の下面穴21aに容易に柱用突起62Aを通すことができる。
このように、建物ユニット2の一方側の固定治具6の柱用突起62を長くしておくことで、短い方の柱用突起62Aを容易に下面穴21aに通すことができるようになる。
また、細長いガイドピン623であれば、撓ませるなどして容易に下面穴21aに導くことができる。さらに、ガイドピン623,623Aが下面穴21aに挿通されれば、そのまま円錐部621も下面穴21aを通過させることができるので、円錐部621の上に柱21の蓋211を載せてしまい、変形や損傷させてしまう事態の発生を防ぐことができる。
また、後から降ろされる側の固定治具6Aの柱用突起62Aを短くしておくことで、仮に建物ユニット2が斜めになっても、下面穴21aに対して蓋211と干渉させることなく柱用突起62Aを通すことができる。
このように構成された実施例1の固定治具6,6Aは、柱用突起62の上端に任意の長さの長さ調整用のガイドピン623,623Aをねじ込むことができる構成となっているので、必要に応じて柱用突起62,62Aの長さを変更して積み込み作業を容易に行えるようにすることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態及び実施例1の建物ユニットの輸送方法とは別の形態の実施例2について、図9を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一符号や同一用語を使って説明する。
この実施例2では、前記実施の形態及び実施例で説明したいずれの固定治具3,6,6Aを使用してもよい。以下では、実施の形態の固定治具3を使って説明する。
実施例2で輸送される建物ユニット2Aには、図9に示すように、一方の側面にのみ外壁29が取り付けられている。そこで、トラックの荷台1の一方の縁部側(例えば左縁14側)では、この外壁29の厚さ分だけ荷台1の中心W側に固定治具3の柱用突起4を設置する。
そして、他方の縁部側(例えば右縁12側)では、通常通りの右縁12に沿った位置に固定治具3の柱用突起4を設置する。続いて、フォークリフトによって水平に持ち上げられた建物ユニット2Aを、荷台1に向けて降ろし、それぞれの柱用突起4,・・・に柱21,・・・の下面穴21a,・・・を通し、プレート部31,・・・上に柱21,・・・を載せる。
このように建物ユニット2Aの一方の側面にのみ外壁29が取り付けられている場合は、柱用突起4を外壁29の厚さ分だけ荷台1の中心W側に設置することで、建物ユニット2Aの中心と荷台1の幅方向の中心Wとを一致させて、荷台1の一方側から大きくはみ出すことを防ぐことができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例では、ボックスラーメン構造の建物ユニット2,2Aを輸送する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、壁構造の建物ユニットや鉄骨構造の建物ユニットを輸送する場合にも本発明を適用できる。
また、前記実施の形態では、締結手段として締結ボルト332を使用する締結金具33について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば開閉式のレバーを操作して圧接させる構成の締結手段などであってもよい。
さらに、前記実施の形態では、横架材32をプレート部31の押え部として、横架材32を締結金具33によって荷台1に締結する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、プレート部31を直接、締結金具33によって荷台1に締結する構成であってもよい。
また、前記実施の形態では、締結ボルト332を荷台1の上面側に配置して横架材32の側端部32aの当材部322に押し当てる構成について説明したが、これに限定されるものではなく、荷台1の下面側に配置された締結ボルトの先端を荷台1の下面側に押し当てる構成であってもよい。
1 荷台
12 右縁(縁部)
14 左縁(縁部)
2,2A 建物ユニット
21 柱
21a 下面穴
29 外壁
3,3A−3D 固定治具
31 プレート部
31a 下敷き領域
31b 張出し領域
32 横架材(張出し領域、押え部)
33 締結金具(締結手段)
331 本体部
332 締結ボルト
33a 規制部
4 柱用突起
41 ピン部
42 回転軸部
43 鞘管部
44 レバー部
45 ロック部(ロック機構)
6 固定治具
61 プレート部
62,62A 柱用突起
621 円錐部
622 雌ネジ溝
623,623A ガイドピン
W (荷台)中心

Claims (7)

  1. 建物ユニットをトラックの荷台に積載して輸送する際に使用される固定治具であって、
    前記建物ユニットの下面に配置される下敷き領域と前記建物ユニットの側方から突出される張出し領域を有するプレート部と、
    前記プレート部の下敷き領域に、上方に向けて突出されて前記建物ユニットの柱の下面に形成された下面穴に挿入される柱用突起と、
    前記プレート部の張出し領域と前記荷台とを挟んで締結する締結手段とを備え、
    前記柱用突起は、前記建物ユニットの側方から突出されるレバー部の操作によって前記柱の下面に対する固定と解除の切り換えが可能なことを特徴とする固定治具。
  2. 前記柱用突起は、円錐状のピン部と、前記ピン部の下部に設けられる回転軸部と、前記回転軸部を回転自在に収容させる鞘管部と、前記回転軸部の下端から側方に延伸される前記レバー部とを備え、
    前記柱の下面に対して固定する場合には、前記ピン部の一部が前記鞘管部よりも側方にはみ出して前記柱の下面の上方に配置された状態になることを特徴とする請求項1に記載の固定治具。
  3. 前記レバー部は、固定状態を維持させるロック機構を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の固定治具。
  4. 前記プレート部の張出し領域は、前記下敷き領域に連続する板部と、前記板部上に設置される押え部とを有するとともに、
    前記締結手段は、前記押え部と前記荷台の縁部とに跨る本体部と、前記本体部から前記押え部又は前記荷台の下面に向けて突出量が調整可能な締結ボルトとを有し、
    前記本体部には前記押え部に対して正しい向きで装着させるための規制部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の固定治具。
  5. 前記柱用突起は、上端に雌ネジ溝が設けられており、前記雌ネジ溝に対して長さ調整用のガイドピンのねじ込みが可能となっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の固定治具。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の固定治具を使用して建物ユニットを輸送する建物ユニットの輸送方法において、
    トラックの荷台の四隅に前記固定治具を取り付けるステップと、
    前記固定治具の柱用突起の上に前記建物ユニットの柱をそれぞれ降ろすステップとを備えたことを特徴とする建物ユニットの輸送方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の固定治具を使用して一方の側面にのみ外壁が取り付けられている建物ユニットを輸送する際の建物ユニットの輸送方法において、
    前記外壁が配置される側の前記固定治具の柱用突起を、それ以外の前記固定治具の柱用突起よりも前記外壁の厚さ分だけ前記荷台の中心側に設置するステップと、
    前記建物ユニットの中心が、前記荷台の幅方向の中心と略一致するように前記建物ユニットを積載するステップとを備えたことを特徴とする建物ユニットの輸送方法。
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