JP2016069803A - 溶剤担持用シート、シート防水構造および溶着法 - Google Patents

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Hirokazu Ikeda
浩和 池田
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Abstract

【課題】躯体に防水を施すシート防水構造において、第1および第2樹脂層を、これらの厚さ方向で重ねて生じる接合部位で、可溶性溶剤を用いて溶融して接合する際に、接合部位に可溶性溶剤を均一に供給することができる溶剤担持用シート、この溶剤担持用シートを用いて施工されたシート防水構造および溶剤担持用シートを用いたシート防水構造の施工に適用された溶着法を提供すること。
【解決手段】本発明の溶剤担持用シート80は、シート防水構造10において、防水シート(第1樹脂層)20および樹脂層(第2樹脂層)62を、接合部位64で、可溶性溶剤で溶着する溶着法に用いられるものである。溶剤担持用シート80は、繊維集合体を含み、繊維集合体に可溶性溶剤を担持させた状態で、接合部位64において、防水シート20と樹脂層62との間に配置され、繊維集合体に押圧力を付与した際に、これらの間に可溶性溶剤が浸出される。
【選択図】図2

Description

本発明は、躯体に防水を施すシート防水構造を施工する際に用いられる溶剤担持用シート、この溶剤担持用シートが用いられたシート防水構造、および、このシート防水構造の施工時に用いられる溶着法に関する。
近年、建築物の高耐久化が求められるに伴って、多くの建築物の屋上やベランダ等において、防水シート(樹脂シート)を敷設施工したシート防水構造が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
このシート防水構造では、例えば、床部の少なくとも一部を防水シートで覆う構成をなしているが、防水シートの床部(躯体)への固定は、複数の円盤状をなす固定ディスク(鋼板)を、所定の間隔で床部に固定ビス等を用いて固定し、さらに、これら固定ディスクにおいて、固定ディスクの上面に設けられた樹脂シート(ラミネートシート)と防水シートの下面とを接合することで、固定ディスクを介して床部と防水シートとが接合されることにより実施される。これにより、躯体に雨水等に対する防水が施されるとともに、風等に対して防水シートが引き剥がされることなく躯体に固定される。
このような構成のシート防水構造では、樹脂シートと防水シートとの接合は、例えば、これら同士が重なる接合部位において、樹脂シートと防水シートとの間に可溶性溶剤を供給し、防水シートと樹脂シートとを溶融して接合する溶着法を用いて実施される。
この場合、前記接合部位において、防水シートと樹脂シートとを強固に接合するには、樹脂シートと防水シートとの間にムラなく均一に可溶性溶剤を供給する必要がある。しかしながら、注射器や刷毛等の供給手段を用いてこれら同士の間に単に可溶性溶剤を供給するだけでは、特に樹脂シートの縁部に対応する位置等に、可溶性溶剤を均一に供給することができず、防水シート(第1樹脂層)と樹脂シート(第2樹脂層)とを強固に接合することができなかった。
さらに、かかる構成のシート防水構造では、複数の防水シートを、これらの縁部同士を重ねた状態として覆い、この縁部同士が重なる接合部位において防水シート同士を接合することで、その防水性が確保されるが、この接合部位における防水シート(第1、第2樹脂層)同士の接合についても、防水シートと樹脂シートとの接合と同様の問題が生じている。
特開2013−53517号公報
本発明の目的は、躯体に防水を施すシート防水構造において、第1樹脂層および第2樹脂層を、これらの厚さ方向で重ねて生じる接合部位で、可溶性溶剤を用いて溶融して接合する際に、第1樹脂層と第2樹脂層との接合部位に可溶性溶剤を均一に供給することができる溶剤担持用シート、この溶剤担持用シートを用いて施工されたシート防水構造、および、この溶剤担持用シートを用いたシート防水構造の施工に適用された溶着法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)に記載の本発明により達成される。
(1) 躯体に防水を施すシート防水構造において、樹脂材料をそれぞれ含有する第1樹脂層および第2樹脂層を、これらの厚さ方向で重ねて生じる接合部位で、可溶性溶剤を用いて溶融して接合する溶着法に用いられ、
繊維集合体を含み、該繊維集合体に前記可溶性溶剤を担持させた状態で、前記接合部位において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間に配置され、前記繊維集合体に押圧力を付与した際に、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の間に前記可溶性溶剤が浸出し得るよう構成されていることを特徴する溶剤担持用シート。
(2) 前記樹脂材料は、塩化ビニル系樹脂を含有する上記(1)に記載の溶剤担持用シート。
(3) 前記可溶性溶剤は、テトラヒドロフランを含有する上記(1)または(2)に記載の溶剤担持用シート。
(4) 前記繊維集合体は、樹脂繊維を含有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の溶剤担持用シート。
(5) 前記樹脂繊維は、前記可溶性溶剤に対して溶融する上記(4)に記載の溶剤担持用シート。
(6) 前記樹脂繊維は、塩化ビニル系樹脂を含有する上記(5)に記載の溶剤担持用シート。
(7) 当該溶剤担持用シートは、その厚さが0.1mm以上、2mm以下である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の溶剤担持用シート。
(8) 当該溶剤担持用シートは、その前記可溶性溶剤の担持量が0.00015mL/mm以上、0.0006mL/mm以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の溶剤担持用シート。
(9) 前記シート防水構造において、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層は、それぞれ、前記躯体が有する床部の少なくとも一部を覆う第1防水シートおよび第2防水シートである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の溶剤担持用シート。
(10) 前記シート防水構造において、前記第1樹脂層は、前記躯体が有する床部の少なくとも一部を覆う防水シートであり、
前記第2樹脂層は、前記防水シートと前記床部との間に介在して、前記防水シートを前記床部に固定するために用いられる樹脂シート付き固定ディスクが、その上面に備える樹脂シートである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の溶剤担持用シート。
(11) 躯体に防水を施すシート防水構造であって、
樹脂材料をそれぞれ含有する第1樹脂層および第2樹脂層と、
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とがこれらを厚さ方向で重ねて接合した接合部位において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とに挾持され、繊維集合体を含み該繊維集合体に可溶性溶剤を担持させ得る溶剤担持用シートとを有することを特徴とするシート防水構造。
(12) 躯体に防水を施すシート防水構造において、樹脂材料をそれぞれ含有する第1樹脂層および第2樹脂層を、これらの厚さ方向で重ねて生じる接合部位を、可溶性溶剤を用いて溶融して接合する溶着法であって、
繊維集合体を含む溶剤担持用シートを、前記繊維集合体に前記可溶性溶剤を担持させた状態で、前記接合部位において前記第1樹脂層と前記第2樹脂層の間に配置する第1の工程と、
前記繊維集合体に押圧力を付与して、溶剤担持用シートから前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の間に前記可溶性溶剤が浸出することで、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層を溶融して接合する第2の工程とを有することを特徴する溶着法。
本発明の溶剤担持用シートを用いた溶着法(本発明の溶着法)によれば、躯体に防水を施すシート防水構造において、第1樹脂層および第2樹脂層を、これらの厚さ方向で重ねて生じる接合部位で、可溶性溶剤を用いて溶融して接合する際に、可溶性溶剤を担持させた溶剤担持用シートからこの可溶性溶剤を、第1樹脂層と第2樹脂層との間の接合部位に対して、浸出させることにより、均一に供給することができる。したがって、かかる溶着法を適用して施工されたシート防水構造(本発明のシート防水構造)は、第1樹脂層と第2樹脂層とが、接合部位において、優れた強度で接合されたものとなる。
本発明の溶剤担持用シートの第1実施形態を示す斜視図である。 躯体に施工された本発明のシート防水構造における樹脂層付き固定ディスクに対応する位置での縦断面図である。 本発明の溶剤担持用シートの第2実施形態を示す斜視図である。 躯体に施工された本発明のシート防水構造における2つの防水シート同士が重なる位置での縦断面図である。 躯体に施工された従来のシート防水構造を部分的に取り出した部分斜視図である。 図5に示すシート防水構造のA−A線縦断面図である。
以下、本発明の溶剤担持用シート、シート防水構造および溶着法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、以下では、本発明の溶剤担持用シート、シート防水構造および溶着法の説明を行うのに先立って、従来のシート防水構造500の一例について説明する。
<シート防水構造>
図5は、躯体に施工された従来のシート防水構造を部分的に取り出した部分斜視図、図6は、図5に示すシート防水構造のA−A線縦断面図である。なお、以下の説明では、図5、6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図5では、説明の便宜上、シート防水構造の全体を示すことなく、躯体が備える床部と壁部とを部分的に図示している。
本実施形態では、シート防水構造500が施工された、屋上やベランダのような躯体(構造体)100を一例にして説明する。
躯体100は、床部101と、この床部101の外縁を取り囲むようにz方向に立設して設けられた壁部102とを有している。
シート防水構造500は、この躯体100、すなわち枠体をなす壁部102と、底部を構成する床部101とに対して施工されるものであり、防水シート20と、配置部材50と、樹脂層付き固定ディスク60と、固定ビス70とを有している。
配置部材50は、床部101と壁部102との境界部103に配置され、さらに、複数の樹脂層付き固定ディスク60は、所定(一定)の間隔を開けて床部101に固定ビス70により固定されており、この状態で、防水シート20は、配置部材50、樹脂層付き固定ディスク60および固定ビス70とともに床部101と壁部102とを覆っており、これにより、躯体100の防水性が確保される。
すなわち、日光や雨水には防水シート20が晒されることとなり、躯体100が直接的に日光や雨水に晒されることが防止されるため、躯体100の防水性が確保される。また、樹脂層付き固定ディスク60の上面と防水シート20の下面とが接合されており、これにより、樹脂層付き固定ディスク60を介して床部101と防水シート20とが接合され、その結果、風等に対して防水シート20が引き剥がされることなく躯体100に固定される。
複数(本実施形態では12個)の樹脂層付き固定ディスク(ラミネートシート付き固定ディスク)60は、前述の通り、所定(一定)の間隔を開けて床部101に固定ビス70により固定され、さらに、この状態で、樹脂層付き固定ディスク60の上面と防水シート20との下面とが接合されている。これにより、樹脂層付き固定ディスク60を介して床部101と防水シート20とが接合され、その結果、防水シート20は、風等に対して引き剥がされることなく躯体100に固定される。
この樹脂層付き固定ディスク60は、固定ディスク61と、この固定ディスク61の表面を被覆する樹脂で構成される樹脂層(樹脂シート)62とからなり、全体形状が円盤状をなし、そのほぼ中心部に厚さ方向に貫通する貫通孔63を有している。
この貫通孔63には、固定ディスク61を床部101側にして固定ビス70が挿通され、固定ビス70が備えるビス頭が、樹脂層付き固定ディスク60が備える座繰り部に嵌合した状態で、固定ビス70が床部101に捻じり込み固定されることで、床部101に樹脂層付き固定ディスク60が固定される。
また、樹脂層付き固定ディスク60は、前述の通り、貫通孔63を有する固定ディスク61と、この固定ディスク61の表面を被覆する樹脂層(ラミネートシート)62とで構成される。このように、固定ディスク61の表面を樹脂層62で被覆することで、固定ディスク61の腐食を確実に防止することができ、さらに、この樹脂層62により、樹脂層付き固定ディスク60の上面において、防水シート20の下面に対して確実に接合される。
固定ディスク(金属板)61は、平面視で真円状をなし、その縦断面形状が長方形状をなしている。すなわち、中心部側から縁部側に向かって厚さが一定の全体形状が円盤状をなすものである。また、その中心部に厚さ方向に貫通する貫通孔63を有している。
また、樹脂層62は、樹脂材料を含有する被覆層であり、固定ディスク61の表面(上面)を被覆して、その上面において、防水シート20の下面に対して接合している。
配置部材50は、前述の通り、床部101と壁部102との境界部103付近に配置されるものである。
この配置部材50は、金属板と、この金属板の表面を被覆する樹脂で構成される樹脂層とからなり、それぞれ全体形状が長方形状をなす底部51と立ち上がり面52とを有している。
これら底部51および立ち上がり面52は、それぞれ、境界部103に配置する際に、床部101および壁部102に対応するように位置設定され、本実施形態では、このような構成の配置部材50が境界部103に沿うように、1つ配置されている。
なお、本実施形態では、配置部材50が1つ、前記境界部103に配置されているが、防水が施工される躯体100の形状は、当然、様々であることから、配置部材50としては、複数の種類の形状のものが予め用意され、実際に施工される躯体100が備える境界部103の形状に合致するものが複数選択される。そして、これら配置部材50は、前記境界部103にその形状に対応するように、並べられる。
また、配置部材50は、金属板と、この金属板の表面を被覆する樹脂層とで構成される。このように、金属板の表面を樹脂層で被覆することで、金属板の腐食を確実に防止することができる。
防水シート20は、樹脂材料を含有する樹脂シートで構成され、配置部材50、樹脂層付き固定ディスク60および固定ビス70とともに床部101と壁部102とを覆うものである。
この防水シート20は、図5に示すように、長尺状(短冊状)をなすシート材(板材)であり、本実施形態では、y方向に並んで配置された2つの防水シート20が、x方向に沿って床部101および壁部102を覆っている。そして、2つの防水シート20は、y方向における縁部22において、互いに重なる接合部位25を形成しており、2つの防水シート20同士がこの接合部位25で接合されている。
これにより、日光や雨水には防水シート20が晒され、躯体100が直接的に日光や雨水に晒されることが防止されることから、躯体100の防水性が確保される。
以上のような構成のシート防水構造500は、例えば、以下に示すシート防水構造の施工方法により施工される。
<シート防水構造の施工方法>
本実施形態で説明するシート防水構造の施工方法は、樹脂層付き固定ディスク60と配置部材50とを、躯体100の所定の位置に配置する配置工程と、固定ビス70で床部101に樹脂層付き固定ディスク60を固定する固定工程と、複数(本実施形態では2つ)の防水シート20で床部101を樹脂層付き固定ディスク60とともに覆い、かつ、隣接する防水シート20同士をその縁部22で接合するとともに、防水シート20を樹脂層62に固着する固着工程とを有する。
以下、これら各工程について、詳述する。
[1]まず、シート防水構造500を施工すべき躯体100において、樹脂層付き固定ディスク(ラミネートシート付き固定ディスク)60と配置部材50とを、躯体100の所定の位置に配置する(配置工程)。
すなわち、配置部材50を、床部101と壁部102との境界部103に配置するとともに、複数(本実施形態では12個)の樹脂層付き固定ディスク60を、所定(一定)の間隔(ピッチ)を開けて床部101の上面に配置する。
なお、樹脂層付き固定ディスク60は、予め、樹脂層62で固定ディスク61の表面(上面)が被覆されたものが用意される。また、樹脂層62の固定ディスク61の表面への被覆、すなわち、樹脂層62と固定ディスク61との接合は、例えば、接着剤を介して接合する接着法、後述する溶着法および熱融着法等のいずれかを用いて行われる。
なお、接着法を用いて用意された樹脂層付き固定ディスク60は、接着剤(接着剤層)を介して樹脂層62と固定ディスク61とが接合され、溶着法および熱融着法を用いて用意された樹脂層付き固定ディスク60は、接着剤を介することなく樹脂層62と固定ディスク61とが接合されることになるが、樹脂層付き固定ディスク60は、これらの何れのものであってもよい。
[2]次に、各樹脂層付き固定ディスク60を、固定ビス70を用いて床部101に固定する(固定工程)。
より具体的には、各樹脂層付き固定ディスク60の貫通孔63に固定ビス70を挿通して、固定ビス70が備えるビス頭が、樹脂層付き固定ディスク60が備える座繰り部に嵌合した状態で、固定ビス70を床部101に捻じり込み固定する。これにより、樹脂層付き固定ディスク60が固定ビス70で床部101に固定される。
[3]次に、これら配置部材50、樹脂層付き固定ディスク60および固定ビス70とともに床部101と壁部102との表面を、複数(本実施形態では2つ)の防水シート20で覆い、かつ、隣接する防水シート20同士を接合するとともに、防水シート20を樹脂層付き固定ディスク60に固着する(固着工程)。
なお、防水シート20同士の接合は、長尺状をなす防水シート20のy方向における縁部22において、2つの防水シート20が互いに重なる接合部位25で接合することで行われている。
また、防水シート20の樹脂層付き固定ディスク60への固着は、樹脂層付き固定ディスク60の上面に位置する樹脂層62と、防水シート20の下面とが重なる接合部位64において接合することで行われている。
これにより、隣接する防水シート20同士が接合されるとともに、樹脂層付き固定ディスク60を介して床部101に防水シート20が接合され、その結果、躯体100(床部101)に防水シート20が固定される。
ここで、2つの防水シート20同士の接合、および、樹脂層付き固定ディスク60と防水シート20との接合は、通常、I)接合すべき各部材(樹脂層)を溶剤で溶融して接合する溶着法を用いることで行われるが、以下、この溶着法について説明する。
なお、以下では、溶着法を用いて、樹脂層付き固定ディスク60と防水シート20とを接合する場合を一例に説明する。
I)溶着法
溶着法を用いて、樹脂層付き固定ディスク60と防水シート20とを接合する場合、この溶着法では、防水シート20の敷設に先立って、樹脂層付き固定ディスク60が備える樹脂層62を溶融状態とする刷毛溶着法と、防水シート20の敷設の後に、樹脂層62を溶融状態とする注射溶着法とが挙げられる。
(I−1)刷毛溶着法
この刷毛溶着法では、まず、床部101および壁部102の表面に防水シート20を敷設するのに先立って、樹脂層付き固定ディスク60の上面、すなわち、樹脂層(ラミネートシート)62の上面に、刷毛ブラシ等を用いて、溶剤(可溶性溶剤)を塗布(供給)する。これにより、樹脂層62の上面が溶剤と接触し、その結果、溶融状態とされる。なお、溶剤としては、特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ニトロベンゼン、四塩化炭素、ピリジン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、トルエン、メチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類等が挙げられるが、中でも、テトラヒドロフランであることが好ましい。テトラヒドロフランは、揮発性に優れ、各種樹脂材料が溶解性を示すため、溶着法に用いる溶剤として好ましい。
次いで、床部101および壁部102の表面に防水シート20を敷設する。この際、樹脂層62と防水シート20とが重なる接合部位64において、樹脂層62の上面と防水シート20の下面とが重なり、これにより、防水シート20の下面が、樹脂層62の上面に塗布された溶剤と接触するため、溶融状態とされる。
次いで、防水シート20の上から樹脂層付き固定ディスク60を、作業員の手等により押圧することで、互いに溶融状態となっている防水シート20の下面と樹脂層62の上面とが接合され、その結果、防水シート20の下面が樹脂層62の上面に固定される。これにより、樹脂層付き固定ディスク60を介して床部101に防水シート20が接合される。
(I−2)注射溶着法
この注射溶着法では、まず、床部101および壁部102の表面に防水シート20を敷設する。
次いで、樹脂層62と防水シート20とが重なる接合部位64において、樹脂層付き固定ディスク60の上面、すなわち、樹脂層62の上面と、防水シート20の下面との間に、注射器を用いて、注射器が備える注射針が防水シート20を貫通した状態として、テトラヒドロフラン(THF)のような溶剤を選択的に供給する。これにより、樹脂層62の上面および防水シート20の下面が溶剤と接触し、その結果、これらの双方が溶融状態とされる。
次いで、注射針を防水シート20から抜いた後、防水シート20の上から樹脂層付き固定ディスク60を、作業員の手等により押圧することで、互いに溶融状態となっている防水シート20の下面と樹脂層62の上面とが接合され、その結果、防水シート20の下面が樹脂層62の上面に固定される。これにより、樹脂層付き固定ディスク60を介して床部101に防水シート20が接合される。
なお、溶着法(刷毛溶着法、注射溶着法)を用いた接合部位25における2つの防水シート20同士の接合は、上述した樹脂層付き固定ディスク60と防水シート20との接合において、樹脂層付き固定ディスク60に代えて、防水シート20を用いることで行い得る。
以上のような工程を経て、シート防水構造500が躯体100に施工される。
さて、このような溶着法を用いて躯体100に施工されるシート防水構造500では、シート防水構造500に優れた防水性を発揮させるために、接合部位64において、樹脂層付き固定ディスク60と防水シート20とが強固に接合される必要があり、さらに、接合部位25において、防水シート20同士が強固に接合される必要がある。そのため、樹脂層付き固定ディスク60と防水シート20との接合では、接合部位64において、樹脂層62と防水シート20との間にムラなく均一に溶剤が供給されることが求められ、さらに、防水シート20同士の接合では、接合部位25において、防水シート20同士の間にムラなく均一に溶剤が供給されることが求められる。
しかしながら、刷毛溶着法では、樹脂層62または防水シート20の上面に刷毛ブラシ等を用いて溶剤を塗布するため、作業員の熟練度および癖や、刷毛ブラシに含浸させる溶剤の含浸量によっては、塗りムラが生じ溶剤を均一に供給することは困難である。また、注射溶着法では、上側(床部101と反対側)に位置する防水シート20に、注射器が備える注射針を貫通させた状態として、防水シート20と樹脂層62との間または防水シート20同士の間に溶剤を注入する。そのため、特に、接合部位64または接合部位25の縁部に亘ってまで、溶剤を均一に供給することは、たとえ熟練度の高い作業員であっても困難を極める。その結果、接合部位64において樹脂層付き固定ディスク60と防水シート20とを、また、接合部位25において防水シート20同士を、それぞれ、強固に接合することができないという問題が生じる。
本発明の溶剤担持用シートは、かかる問題を解消するために用いられるものである。
<溶剤担持用シート>
以下、本発明の溶剤担持用シートについて詳述する。
<<第1実施形態>>
まず、接合部位64における樹脂層付き固定ディスク60(樹脂層62)と防水シート20との接合に適用される本発明の溶剤担持用シートの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の溶剤担持用シートの第1実施形態を示す斜視図であり、図2は、躯体に施工された本発明のシート防水構造における樹脂層付き固定ディスクに対応する位置での縦断面図である。なお、図2は、樹脂層付き固定ディスクに対応する位置をy方向から見た縦断面図である。また、以下の説明では、図1、図2中の上側を「上」、下側を「下」という。
図1に示す溶剤担持用シート80は、平面視で真円状をなし、その全体形状が円盤状をなしている。
この溶剤担持用シート80は、平面視形状が樹脂層付き固定ディスク60(樹脂層62)とほぼ一致するように形成され、シート防水構造(本発明のシート防水構造)10において、図2に示すように、樹脂層62上に配置される。すなわち、樹脂層62と防水シート20との間に配置されている。
また、溶剤担持用シート80は、その全体が繊維集合体で構成されており、これにより、気孔(空隙)を有する多孔体として構成される。そのため、この溶剤担持用シート80(繊維集合体)に溶剤を担持(含浸)させた状態とすることが可能となる。
そこで、前述したシート防水構造の施工方法において、溶着法を用いて樹脂層(第2樹脂層)62と防水シート(第1樹脂層)20とを接合部位64で接合する際に、樹脂層(第2樹脂層)62と防水シート(第1樹脂層)20との間に、溶剤を担持させた状態の溶剤担持用シート80を配置する。これにより、防水シート20の上から樹脂層付き固定ディスク60を、作業員の手等により押圧した際に、溶剤担持用シート80にも押圧力が付与され、防水シート20の下面と樹脂層62の上面との間に溶剤が浸出することで供給され、その結果、これらの双方が溶融状態となる。そのため、これら防水シート20の下面と樹脂層62の上面とが溶剤担持用シート80を介して接合され、その結果、防水シート20の下面に、樹脂層62の上面が固定される。これにより、樹脂層付き固定ディスク60を介して床部101に防水シート20が接合される。
このとき、溶剤担持用シート80に担持させる溶剤の担持量を所望の量に調整することができ、さらに、溶剤担持用シート80の平面視形状を樹脂層62の平面視形状とほぼ一致する形状としていることから、押圧力を付与することで、作業員の熟練度に依存することなく、接合部位64に位置する樹脂層62の上面および防水シート20の下面に、その縁部に亘ってまで均一に溶剤を供給することができる。そのため、接合部位64において、防水シート20と樹脂層62とを溶剤担持用シート80を介して優れた強度で接合することができる。
また、シート防水構造10では、樹脂層62の上面と防水シート20の下面とが直接接合されることなく、樹脂層62の上面と防水シート20の下面とが溶剤担持用シート80を介して接合されるが、溶剤担持用シート80が気孔を有する多孔体で構成される。そのため、溶剤担持用シート80への押圧を解除すると、この気孔内に溶融状態の樹脂層62および防水シート20が埋入し、この状態でそれぞれが固化することで、溶剤担持用シート80を介して防水シート20と樹脂層62とが接合されるため、かかる観点からも、防水シート20と樹脂層62とを優れた強度で接合することができる。
なお、溶着法のうち刷毛溶着法を用いる場合、床部101および壁部102の表面に防水シート20を敷設するのに先立って、樹脂層62の上面に、溶剤を担持させた状態の溶剤担持用シート80を配置した後、床部101および壁部102の表面に防水シート20を敷設するようにすればよい。
また、溶剤担持用シート80への溶剤の担持は、その方法について特に限定されず、例えば、未担持の状態の溶剤担持用シート80を樹脂層62の上面に配置した後、この溶剤担持用シート80に溶剤を塗布するようにしてもよいし、溶剤中に未担持の状態の溶剤担持用シート80を浸漬することで溶剤担持用シート80を担持した状態のものとし、その後、この溶剤担持用シート80を樹脂層62の上面に配置するようにしてもよい。なお、前者の場合、溶剤担持用シート80に塗布する溶剤の量を調整することで、溶剤担持用シート80に担持させる溶剤の担持量を設定することができ、後者の場合、溶剤担持用シート80が備える気孔の空孔率に応じて、溶剤担持用シート80に担持させる溶剤の担持量が設定される。
さらに、シート防水構造10の施工前に、予め用意する樹脂層付き固定ディスク60と溶剤担持用シート80との数量を一致させておき、この施工後に溶剤担持用シート80の数を確認することで、溶剤担持用シート80の樹脂層62の上面への配置の失念、ひいては、溶剤担持用シート80への溶剤の担持の失念を確実に防止することができる。
また、この場合、溶剤担持用シート80には、その表面に水色、黄色、緑色のように着色が施されていることが好ましい。これにより、溶剤担持用シート80に担持時と未担持時とで色彩に濃淡が生じ、溶剤を担持した状態を視認することができるため、作業員が溶剤担持用シート80への溶剤の担持を失念することを効果的に防止することができる。
また、溶着法のうち注射溶着法を用いる場合、床部101および壁部102の表面に防水シート20を敷設するのに先立って、樹脂層62の上面に、未担持の状態の溶剤担持用シート80を配置した後、床部101および壁部102の表面に防水シート20を敷設する。その後、注射器が備える注射針が防水シート20を貫通した状態として、注射器から樹脂層62と防水シート20との間に位置する溶剤担持用シート80に溶剤を選択的に供給するようにすればよい。
このような注射溶着法を用いても、接合部位64に対応して樹脂層62と防水シート20との間に溶剤担持用シート80が位置しており、この溶剤担持用シート80が溶剤を担持するダム材としての機能を発揮するため、接合部位64に位置する樹脂層62の上面および防水シート20の下面に、その縁部に亘ってまで均一に溶剤を供給することができる。
なお、樹脂層付き固定ディスク60(樹脂層62)と防水シート20との接合には、上述したI)溶着法の他、II)熱融着法を用いることも考えられるが、以下に示す理由によりI)溶着法が好ましく用いられる。
この熱融着法では、まず、床部101および壁部102の表面に防水シート20を敷設する。次いで、敷設された防水シート20の上面側から、樹脂層付き固定ディスク60に対応する位置で、高周波を当てる。これにより、固定ディスク61が加熱され、この熱が樹脂層62に伝達されることで樹脂層62が熱溶融状態とされる。次いで、防水シート20の上から樹脂層付き固定ディスク60を、作業員の手等により押圧することで、防水シート20の下面を樹脂層62の上面に固定させる。これにより、樹脂層付き固定ディスク60を介して床部101に防水シート20が接合される。
上記のようにして防水シート20の下面と樹脂層62の上面とが接合されるが、通常、防水シート20の上面側から、樹脂層付き固定ディスク60に高周波を当てる方法としては、高周波融着機が備える高周波ヘッドを、防水シート20の上から樹脂層付き固定ディスク60に押し当てる方法が用いられる。この高周波融着機は、大掛かりな装置であり、作業員毎に用意する必要があるためコスト面に問題がある。さらに、高電圧で使用されるため、降雨、降雪時においては、その使用が制限される。
溶剤担持用シート80の直径は、図2では、樹脂層62の直径とほぼ等しく設定されているが、樹脂層62の直径とほぼ等しいかまたは樹脂層62の直径より若干小さく設定されていることが好ましい。これにより、接合部位64に位置する樹脂層62の上面および防水シート20の下面に、その縁部に亘ってまで均一に溶剤を供給することができるとともに、樹脂層62の上面に供給された溶剤が樹脂層62の縁部から漏出して床部101に到達するのを的確に抑制または防止することができる。
また、溶剤担持用シート80の溶剤の担持量は、0.00015mL/mm以上、0.0006mL/mm以下であることが好ましく、0.0003mL/mm以上、0.0005mL/mm以下であることがより好ましい。これにより、樹脂層62の上面および防水シート20の下面の双方に、適切な量の溶剤を供給することができ、樹脂層62の上面および防水シート20の下面を確実に溶融状態とすることができるとともに、樹脂層62の上面に供給された溶剤が樹脂層62の縁部から漏出して床部101に到達するのを的確に抑制または防止することができる。
また、溶剤担持用シート80の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上、2mm以下であることが好ましく、0.5mm以上、1.5mm以下であることがより好ましい。
また、溶剤担持用シート80は、繊維集合体で構成されるが、この繊維集合体としては、例えば、織編物、不織布、短繊維の集合体等が挙げられる。なお、織編物とは、織物(織布)、編物またはこれに類するものを含むこととする。また、織物としては、例えば、平織、斜文織、朱子織されたものが挙げられる。また、編物としては、例えば、よこ編み(平編み)、たて編み(トリコット編み)、丸編み、平打ち、メリヤス編み等がなされたものが挙げられる。
さらに、繊維集合体を構成する繊維としては、特に限定されないが、例えば、綿、亜麻、ラミー、絹および羊毛等の天然繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド(ナイロン)、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリ塩化ビニルのような塩化ビニル系樹脂等の樹脂繊維(化学繊維)、またはこれら天然繊維および樹脂繊維のうちの2以上の組合せが挙げられる。これらの中でも、樹脂繊維であることが好ましい。これにより、溶剤の種類を適宜選択することで、樹脂層62および防水シート20ばかりでなく、溶剤担持用シート80をも溶剤により溶融状態とすることができる。そのため、樹脂層62、防水シート20および溶剤担持用シート80の3層間において界面を形成することなく、これらを一体的に接合することが可能となる。
さらに、樹脂繊維の中でも、塩化ビニル系樹脂を含有することが好ましい。これにより、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を含有するものを用いることで、溶剤担持用シート80をより確実に溶融状態とすることができるため、樹脂層62、防水シート20および溶剤担持用シート80をより一体的に接合することができる。
また、これらの繊維の太さは、その種類にもよるが、例えば、2μm以上、30μm以下であることが好ましく、3μm以上、15μm以下であることがより好ましい。これにより、溶剤担持用シート80としての強度を維持しつつ、前述したような範囲の気孔率を有する溶剤担持用シート80を容易に形成することができる。
なお、本実施形態では、溶剤担持用シート80を介して、防水シート20と樹脂層付き固定ディスク60とが接合されるが、この樹脂層付き固定ディスク60が有する固定ディスク61は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼板、鉄板のような鋼板、アルミ板、銅板等で構成されるが、鋼板であるのが好ましい。これにより、樹脂層付き固定ディスク60を優れた強度を有するものとすることができる。
また、固定ディスク61の厚さは、特に限定されないが、0.1mm以上、3mm以下程度であるのが好ましく、0.3mm以上、2.5mm以下程度であるのがより好ましい。
さらに、固定ディスク61の直径は、特に限定されないが、20mm以上、150mm以下程度であるのが好ましく、40mm以上、100mm以下程度であるのがより好ましい。
また、樹脂層(第2樹脂層)62を構成する樹脂(樹脂材料)としては、例えば、ポリ塩化ビニルのような塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、ポリ塩化ビニルであるのが好ましい。すなわち、溶剤担持用シート80および後述する防水シート20を構成する樹脂と、同種または同一であることが好ましい。これにより、溶剤担持用シート80を介した樹脂層62と防水シート20との密着性を向上させることができる。さらに、ポリ塩化ビニルは、溶剤溶着性に優れるため、前記効果をより顕著に発揮させることができるとともに、固定ディスク61の腐食をより確実に防止することができる。
なお、この樹脂層62を構成する樹脂には、後述する防水シート20の構成材料で挙げる可塑剤、安定化剤等の他の材料が含まれていてもよい。
また、樹脂層62の厚さは、特に限定されないが、0.1mm以上であるのが好ましく、0.3mm以上、1.8mm以下であるのがより好ましい。これにより、例えば、防水シート20が風で煽られることに起因して、樹脂層62に応力が作用したとしても、この樹脂層62おいて亀裂や破断が生じるのを的確に抑制することができる。
さらに、防水シート(第1樹脂層)20を構成する樹脂(樹脂材料)としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニルのような塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。これにより、防水シート20の溶剤溶着性を優れたものとすることができる。
なお、塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルを含む重合体、すなわちオリゴマー、プレポリマーおよびポリマーであれば特に限定されないが、例えば、塩化ビニルの単量重合体、または塩化ビニルと、酢酸ビニル、エチレン、もしくはプロピレン等との共重合体、およびこれらの2種以上の重合体の混合物等が挙げられる。
また、樹脂材料には、さらに、各種可塑剤、各種安定化剤、各種酸化防止剤、各種紫外線吸収剤、加工助剤、滑剤、充填材、難燃剤および色材等を含んでいてもよく、特に、可塑剤が含まれることが好ましい。これにより、防水シート20をより優れた柔軟性を有するものとすることができる。
なお、可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、DOP(ジオクチルフタレート)、DBP(ジブチルフタレート)、DIBP(ジイソブチルフタレート)、DHP(ジヘプチルフタレート)のようなフタル酸エステル系可塑剤、DOA(ジ−2−エチルヘキシルアジペート)、DIDA(ジイソデシルアジペート)、DOS(ジ−2−エチルヘキシルセバセート)のような脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、エチレングリコールのベンゾエート類のような芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、およびTOTM(トリオクチルトリメリテート)のようなトリメリット酸エステル系可塑剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、安定剤としては、例えば、グリシン亜鉛等が挙げられ、この場合の安定助剤としては、例えば、リン酸トリクレジル(TCP)、リン酸トリキシリル(TXP)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸2−エチルヘキシル・ジフェニルのような有機リン酸エステル等が挙げられる。
以上のことから、防水シート20は、塩化ビニル系樹脂と可塑剤とを含有する塩化ビニル系樹脂シートで構成されることが好ましい。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
なお、防水シート20は、前記樹脂シートの単層で構成されるものの他、例えば、その厚さ方向の途中に繊維層が介挿されたもの、すなわち、厚さ方向に積層された第1樹脂層と第2樹脂層との間に繊維層(繊維シート)が挾持された構成のものであってもよい。
この繊維層は、繊維の集合体で構成されたものであり、例えば、織布や不織布等のクロス、縦糸と横糸とで複数の格子を形成したネット等の繊維シートが挙げられるが、防水シート20を、このような繊維層を備えるものとすることにより、防水シート20の強度(引き裂き強度や引っ張り強度等)および耐久性(耐繰り返し疲労特性)を向上させることができる。
また、防水シート20の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.5mm以上、3mm以下程度であるのが好ましく、0.8mm以上、2mm以下程度であるのがより好ましい。これにより、床部101と壁部102とを、防水シート20により確実に覆うことができる。また、防水シート20が風で煽られることに起因して、この防水シート20に応力が作用したとしても、早期に防水シート20に亀裂が生じるのを的確に抑制することができる。
なお、本実施形態では、シート防水構造10の施工前には、樹脂層62と溶剤担持用シート80とは互いに接合されることなく樹脂層付き固定ディスク60と溶剤担持用シート80とは別体として存在し、シート防水構造10の施工時に、樹脂層62上に溶剤担持用シート80が配置される場合について説明したが、かかる構成に限定されず、溶剤担持用シート80は、シート防水構造10の施工前に、予め樹脂層62上に固定されていてもよい。すなわち、樹脂層付き固定ディスク60と溶剤担持用シート80とは、同一体として予め用意されるものであってもよい。
<第2実施形態>
次に、接合部位25における2つの防水シート20同士の接合に適用される本発明の溶剤担持用シートの第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の溶剤担持用シートの第2実施形態を示す斜視図であり、図4は、躯体に施工された本発明のシート防水構造における2つの防水シート同士が重なる位置での縦断面図である。なお、図4は、防水シート同士が重なる位置をx方向から見た縦断面図である。また、以下の説明では、図3、図4中の上側を「上」、下側を「下」という。
以下、第2実施形態の溶剤担持用シート85について、前記第1実施形態の溶剤担持用シート80との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図3に示す溶剤担持用シート85は、接合部位25における2つの防水シート(第1防水シート、第2防水シート)20同士の接合に適用され、その全体形状が異なること以外は、図1に示す溶剤担持用シート80と同様である。
すなわち、第2実施形態の溶剤担持用シート85は、2つの防水シート(第1、第2樹脂層)20のy方向における縁部22において、互いに重なる接合部位25の形状に対応して、その全体形状が長尺状(短冊状)をなしている。
この溶剤担持用シート85は、シート防水構造10において、図4に示すように、2つの防水シート20同士が互いに重なる接合部位25で、2つの防水シート20同士の間に、溶剤を担持させた状態で配置される。
これにより、2つの防水シート20を床部101の反対側から、作業員の手等により押圧することで、防水シート20同士の間に溶剤を供給することができるため、2つの防水シート20同士が溶剤担持用シート85を介して接合される。
なお、溶剤担持用シート85の幅は、例えば、0.5mm以上、3mm以下程度であるのが好ましく、0.8mm以上、2mm以下程度であるのがより好ましい。これにより、防水シート20同士が重なる接合部位25の幅が不必要に大きくなることなく、防水シート20同士を確実に接合することができる。
このような第2実施形態の溶剤担持用シート85によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の溶剤担持用シート、シート防水構造および溶着法について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の溶剤担持用シート、シート防水構造において、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
また、本発明の溶剤担持用シートは、前記実施形態では、その全体が繊維集合体で構成される場合について説明したが、かかる場合に限定されず、その一部が繊維集合体で構成されるもの、具体的には、例えば、その縁部が繊維集合体を固定する固定板(ガイド)で構成され、中心部が繊維集合体で構成されるものであってもよい。
さらに、本発明の溶着法には、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。
10 シート防水構造
20 防水シート
22 縁部
25 接合部位
50 配置部材
51 底部
52 立ち上がり面
60 樹脂層付き固定ディスク
61 固定ディスク
62 樹脂層
63 貫通孔
64 接合部位
70 固定ビス
80 溶剤担持用シート
85 溶剤担持用シート
100 躯体
101 床部
102 壁部
103 境界部
500 シート防水構造

Claims (12)

  1. 躯体に防水を施すシート防水構造において、樹脂材料をそれぞれ含有する第1樹脂層および第2樹脂層を、これらの厚さ方向で重ねて生じる接合部位で、可溶性溶剤を用いて溶融して接合する溶着法に用いられ、
    繊維集合体を含み、該繊維集合体に前記可溶性溶剤を担持させた状態で、前記接合部位において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間に配置され、前記繊維集合体に押圧力を付与した際に、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の間に前記可溶性溶剤が浸出し得るよう構成されていることを特徴する溶剤担持用シート。
  2. 前記樹脂材料は、塩化ビニル系樹脂を含有する請求項1に記載の溶剤担持用シート。
  3. 前記可溶性溶剤は、テトラヒドロフランを含有する請求項1または2に記載の溶剤担持用シート。
  4. 前記繊維集合体は、樹脂繊維を含有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の溶剤担持用シート。
  5. 前記樹脂繊維は、前記可溶性溶剤に対して溶融する請求項4に記載の溶剤担持用シート。
  6. 前記樹脂繊維は、塩化ビニル系樹脂を含有する請求項5に記載の溶剤担持用シート。
  7. 当該溶剤担持用シートは、その厚さが0.1mm以上、2mm以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の溶剤担持用シート。
  8. 当該溶剤担持用シートは、その前記可溶性溶剤の担持量が0.00015mL/mm以上、0.0006mL/mm以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の溶剤担持用シート。
  9. 前記シート防水構造において、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層は、それぞれ、前記躯体が有する床部の少なくとも一部を覆う第1防水シートおよび第2防水シートである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の溶剤担持用シート。
  10. 前記シート防水構造において、前記第1樹脂層は、前記躯体が有する床部の少なくとも一部を覆う防水シートであり、
    前記第2樹脂層は、前記防水シートと前記床部との間に介在して、前記防水シートを前記床部に固定するために用いられる樹脂シート付き固定ディスクが、その上面に備える樹脂シートである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の溶剤担持用シート。
  11. 躯体に防水を施すシート防水構造であって、
    樹脂材料をそれぞれ含有する第1樹脂層および第2樹脂層と、
    前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とがこれらを厚さ方向で重ねて接合した接合部位において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とに挾持され、繊維集合体を含み該繊維集合体に可溶性溶剤を担持させ得る溶剤担持用シートとを有することを特徴とするシート防水構造。
  12. 躯体に防水を施すシート防水構造において、樹脂材料をそれぞれ含有する第1樹脂層および第2樹脂層を、これらの厚さ方向で重ねて生じる接合部位を、可溶性溶剤を用いて溶融して接合する溶着法であって、
    繊維集合体を含む溶剤担持用シートを、前記繊維集合体に前記可溶性溶剤を担持させた状態で、前記接合部位において前記第1樹脂層と前記第2樹脂層の間に配置する第1の工程と、
    前記繊維集合体に押圧力を付与して、溶剤担持用シートから前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の間に前記可溶性溶剤が浸出することで、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層を溶融して接合する第2の工程とを有することを特徴する溶着法。
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