JP2016069625A - 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板 Download PDF

Info

Publication number
JP2016069625A
JP2016069625A JP2015124456A JP2015124456A JP2016069625A JP 2016069625 A JP2016069625 A JP 2016069625A JP 2015124456 A JP2015124456 A JP 2015124456A JP 2015124456 A JP2015124456 A JP 2015124456A JP 2016069625 A JP2016069625 A JP 2016069625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin composition
curable resin
resin
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015124456A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5876182B1 (ja
Inventor
岡田 和也
Kazuya Okada
和也 岡田
大地 岡本
Daichi Okamoto
大地 岡本
千穂 植田
Chiho Ueda
千穂 植田
健志 依田
Kenji Yoda
健志 依田
信人 伊藤
Nobuhito Ito
信人 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2015124456A priority Critical patent/JP5876182B1/ja
Priority to TW104124252A priority patent/TWI664494B/zh
Priority to KR1020150122377A priority patent/KR102374061B1/ko
Priority to CN201510640192.7A priority patent/CN105467762B/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP5876182B1 publication Critical patent/JP5876182B1/ja
Publication of JP2016069625A publication Critical patent/JP2016069625A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

【課題】 ロープロファイル化された基板に対し、優れた密着性を有し、かつエッチングレジスト、ソルダーレジスト等のレジストに要求される諸特性、例えば強靭性や電気特性等も高水準に維持することが可能な、硬化性組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板を提供する。【解決手段】 (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光塩基発生剤、および光重合開始剤の少なくとも一種、および(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物有することを特徴とする硬化性樹脂組成物そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板が得られた。【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、特にソルダーレジスト等のレジストとして好適に使用される、硬化性樹脂組成物に関する。
更に、本発明は、上記硬化性樹脂組成物のドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板に関する。
現在、民生用プリント配線板や、産業用プリント配線板のレジスト(ソルダーレジスト、エッチングレジスト)において、高精度、高密度の観点から、紫外線照射後、現像することにより画像形成し、熱及び光照射の少なくとも一方で仕上げ硬化(本硬化)する液状現像型フォトレジストが使用されている。
液状現像型レジストの中でも、環境問題への配慮から、現像液として希アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型が主流になっており、プリント配線板の製造において大量に使用されている。また、フォトレジストは、強靭性や優れた電気特性に加え、基板との密着性が良好であることが要求される。
密着性を向上させる方法の一つとしては、組成物ないしフィルムを基板に施与するに先立ち、化学研磨によって基板(銅箔等)を粗面化処理し、表面積を増やすことによって、アンカー効果を持たせる技術が広く用いられている。これによりレジスト用組成物またはドライフィルムと、基板との密着性が向上する。一方で、エレクトロニクス機器の軽薄短小化に伴うプリント配線板の高密度化に対応して、ファインピッチ化が急速に進展している。ファインピッチの基板は、使用する基板も小型薄層とされるために、完全な電気的性能を得るためには、粗面化において凹凸を抑制するいわゆるロープロファイル化も進んでいる(例えば、特許文献1)。
また近年では、表面実装への移行、また環境問題への配慮に伴う鉛フリー半田の使用などパッケージにかかる温度が非常に高くなる傾向がある。これに伴いパッケージ内外部の到達温度は著しく高くなり、従来の液状感光性レジストでは、熱衝撃により塗膜にクラックが発生したり、基板や封止材から剥離してしまうという問題からその改良が求められている。
このような問題を解消すべく、特許文献2には、(A)カルボキシル基含有樹脂(但し、エポキシ樹脂を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂を除く)、
(B)光重合開始剤、及び(C)エポキシ化ポリブタジエンを含有することを特徴とする希アルカリ水溶液により現像可能な光硬化性熱硬化性樹脂組成物が提案されている。
特開2008−285751号公報 特開2010−256728号公報
しかしながら、特許文献1では、小型薄層基板のロープロファイル化が必要とされるが、ロープロファイル化された粗面化水準では、エッチングレートも低減され、アンカー効果のみによって、レジスト用組成物と基板との密着性が必ずしも十分に得られるものではない。
しかしながら、特許文献2では、パッケージにかかる温度域が広範にわたる場合、前記特性は十分に満足し得るものとは言えず、さらなる改良の余地があった。
本発明の目的は、とりわけプライマー層等の付加的な層を設けることなく、ロープロファイル化された基板に対し、優れた密着性を有し、かつレジスト、特にパッケージ用のソルダーレジストに要求される諸特性、例えば強靭性や電気特性等も高水準に維持することが可能な、硬化性組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物は、
(A)アルカリ可溶性樹脂、
(B)光塩基発生剤、および光重合開始剤の少なくとも一種、および
(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物、
を含有することを特徴とする。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に(D)ブロック共重合体を含有してもよい。
上記(D)ブロック共重合体は下記式(I)
X−Y−XまたはX−Y−X´ (I)
(式中、XまたはX´はガラス転移点Tgが0℃以上のポリマー単位であり、Yはガラス転移点Tgが0℃未満のポリマー単位である)
で表されることが好ましい。
また、(D)ブロック共重合体のXまたはX´に極性基が含まれることが、さらに好ましい。
さらに、(D)ブロック共重合体の重量平均分子量は、10,000〜500,000とされることが好ましい。
(A)アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基含有樹脂、およびフェノール性水酸基含有樹脂の少なくとも一種であることが好ましい。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は、(E)反応性希釈剤を含むことが好ましい。
本発明では、硬化性樹脂組成物を、フィルム上に塗布、乾燥することにより、ドライフィルムが得られ、ドライフィルムを光照射後熱硬化させることにより硬化物が得られる。更にこの硬化物を有するプリント配線板が製造される。
本発明の硬化性樹脂組成物により、ロープロファイル化された銅箔等の基板に対し高い密着性を有し、ガラス転移点(Tg)、熱膨張係数(CTE)およびTCT(サーマルサイクルテスト)耐性等の物理特性に優れ、強靭性が高く、解像性に優れる他、絶縁抵抗値等の等の電気特性も良好なレジストが形成される。更に、本発明の硬化性樹脂組成物は、アルカリにより現像可能であるため、環境への負荷の小さい現像液によるパターン形成が可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光塩基発生剤、および光重合開始剤の少なくとも一種、および(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物含むことを特徴とする。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、単に組成物ともいう)は、プリント配線板の基板とされる銅箔をはじめとする金属およびポリイミド等のプラスチック素材の双方に対して、極めて優れた密着性を有する。これは、本発明の組成物の各成分全体によりもたらされる効果であるが、特に、イソシアネート変性骨格の一種である(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物を用いることにより、特に硬化したフィルムとしての状態で極めて優れた密着性、及び強靭性を有することとなる。さらに熱硬化性化合物、中でもエポキシ樹脂を用いた場合、エポキシ樹脂との反応率に起因して、高強靭性のフィルムが成形される。反応率としては90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
更に、本発明の組成物は、(さらにブロック共重合体を配合することにより、TCT(サーマルサイクルテスト)耐性が更に向上する。
特に、本発明の組成物は、(D)ブロック共重合体として、下式(I):
X−Y−XまたはX−Y−X´ (I)
(式中、XまたはX´はガラス転移点Tgが0℃以上のポリマー単位(ハードセグメント)であり、Yはガラス転移点Tgが0℃未満のポリマー単位(ソフトセグメント)である)で表される(D)ブロック共重合体を含むことが好ましい。
さらに、その中でも(D)ブロック共重合体のハードセグメント(XまたはX´)に極性基を含有する場合には、(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物との相溶性が向上し、より均一な組成物が得られるために、硬化フィルムとしての高強靭性および高密着性もフィルム全体にわたり均一に得られることとなるため、より好ましい。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物の各構成成分について詳しく説明する。
[成分(A):アルカリ可溶性樹脂]
本発明では、アルカリ可溶性樹脂を成分(A)として用いる。(A)アルカリ可溶性樹脂として、カルボキシル基含有樹脂、およびフェノール性水酸基含有樹脂の少なくとも一種が好ましく使用される。アルカリ可溶性樹脂を用いることにより、硬化性樹脂組成物により形成した塗膜を、現像を介してパターン形成することが可能となる。
カルボキシル基含有樹脂としては、アルカリ現像性を付与する目的で分子中にカルボキシル基を有している公知の各種カルボキシル基含有樹脂を使用できる。特に硬化性樹脂組成物が感光性を有する硬化性樹脂組成物である場合、分子中にエチレン性二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂である方が、硬化性や耐現像性の面において好ましい。そして、そのエチレン性二重結合は、アクリル酸もしくはメタアクリル酸又はそれらの誘導体由来のものが好ましい。
尚、エチレン性二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合、組成物中、光重合開始剤のエチレン性二重結合に対する逐次反応を生じさせるために、後述する反応性希釈剤として、分子中にエチレン性二重結合を含有する基を有する化合物、すなわち光重合性モノマーを併用するとよい。
カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)が好ましい。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、C-Cアルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物、及びポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキサイド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジアルコール化合物と、の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキサイド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジアルコール化合物と、の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等の2塩基酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその一部を無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等の2塩基酸無水物により変性させた酸無水物変性物と、カルボキシル基含有ジアルコール化合物と、他のジアルコール化合物と、の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(5)上述した(2)又は(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)上述した(2)又は(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物等、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)後述するような2官能又はそれ以上の多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(8)後述するような2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(9)ノボラックのごとき多官能フェノール化合物にエチレンオキサイドのごとき環状エーテル、プロピレンカーボネートのごとき環状カーボネートを付加させ、得られた水酸基を(メタ)アクリル酸で部分エステル化し、残りの水酸基に多塩基酸無水物を反応させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(10)上述した(1)〜(9)の樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、以下他の類似の表現についても同様である。
上記のようなカルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
このようなカルボキシル基含有樹脂の酸価は、40〜200mgKOH/gが好ましく、より好ましくは45〜120mgKOH/gとされる。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g以上であることによりアルカリ現像が良好に行われ、一方、200mgKOH/g以下であることにより現像液による露光部の溶解は回避されるため、必要以上にラインが痩せたり、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離が生じず、正常なレジストパターンの描画が可能とされる。
また、カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜500,000が好ましく、4,000〜350,000であるとより好ましい。重量平均分子量が2,000以上であると、実用に見合うタックフリー性能が得られ、露光後の塗膜の耐湿性が良好となり、解像度においても満足な硬化物が得られる。一方、重量平均分子量が500,000以下において、現像性、及び貯蔵安定性も良好となる。
このようなカルボキシル基含有樹脂の配合量は、全組成物中に、50〜85質量%、特に60〜70質量%であることが好ましい。配合量が50質量%以上であることにより、皮膜強度が十分とされる。一方、85質量%以下とすることより、組成物の粘性が程よく低下し、塗布性等の作業性が良好となる。
これらカルボキシル基含有樹脂は、列挙したものに限らず使用することができ、1種類でも複数種混合しても使用することができる。
フェノール性水酸基含有樹脂としては、フェノール性水酸基を有する化合物、例えば、ビフェニル骨格、或いはフェニレン骨格、又はその両方の骨格を有する化合物、又はフェノール性水酸基含有化合物、例えばフェノール、オルソクレゾール、パラクレゾール、メタクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール等とを用いて合成した、様々な骨格を有するフェノール性水酸基含有樹脂を用いてもよい。
例えばフェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類、ビスフェノールF、ビスフェノールS型フェノール樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ナフトールとアルデヒド類の縮合物、ジヒドロキシナフタレンとアルデヒド類との縮合物など公知慣用のフェノール樹脂を用いることができる。
かかるフェノール性水酸基含有樹脂の市販品としては、HF-1、H-60(明和化成株式会社製)、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2131(大日本印刷株式会社製)、ベスモールCZ−256−A(DIC株式会社製)、シヨウノールBRG−555、シヨウノールBRG−556(昭和電工株式会社製)、CGR−951(丸善石油化学株式会社製)、またはポリビニルフェノールのCST70、CST90、S−1P、S−2P(丸善石油化学株式会社製)等を挙げることができる。これらのフェノール性水酸基含有樹脂は、単独で、あるいは2種類以上を適宜組合せて用いることができる。
このようなフェノール性水酸基含有樹脂としては、上記列挙した以外の材料も使用可能であり、配合量は、全組成物中に、15〜35質量%、特に20〜30質量%であることが好ましい。配合量が15質量%以上であることにより、現像が良好に行われ、組成物のTgが上昇し、皮膜強度が十分とされる。一方、35質量%以下とすることより、組成物の粘度が低下しすぎず作業性が良好となる。
本発明では、成分(A)として、カルボキシル基含有樹脂及びフェノール性水酸基含有樹脂のいずれか一方、又はこれらの混合物を用いてもよい。
この中でも、現像性の観点から、カルボキシル基含有樹脂を用いることが好ましい。
[成分(B):光塩基発生剤および光重合開始剤の少なくとも一種]
本発明の組成物は、成分(B)として、光塩基発生剤及び光重合開始剤の少なくとも1種を含む。
光塩基発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより、カルボキシル基を有するポリイミド樹脂と熱硬化成分との付加反応の触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば2級アミン、3級アミンが挙げられる。
光塩基発生剤として、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。なかでも、オキシムエステル化合物、α−アミノアセトフェノン化合物が好ましい。α−アミノアセトフェノン化合物としては、特に、2つ以上の窒素原子を有するものが好ましい。
この他、光塩基発生剤としては、カルバメート誘導体、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
その他の光塩基発生剤として、WPBG-018(商品名:9-anthrylmethyl N,N’-diethylcarbamate)、WPBG-027(商品名:(E)-1-[3-(2-hydroxyphenyl)-2-propenoyl]piperidine)、WPBG-082(商品名:guanidinium2-(3-benzoylphenyl)propionate)、 WPBG-140 (商品名:1-(anthraquinon-2-yl)ethyl imidazolecarboxylate)等を使用することもできる。
さらに、後述の光重合開始剤の一部の物質が光塩基発生剤としても機能する。
本発明において用いられる光重合開始剤としては、公知のいずれのものも用いることができるが、中でも、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が好ましい。
この他、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する光重合開始剤を用いることもできる。これらの光重合開始剤については、以下に説明する。
光重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロピル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン、2−(アセトキシイミノ)−4−(4−クロロフェニルチオ)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−ブタノンが使用可能であり、市販品として、BASFジャパン株式会社製のCGI−325、イルガキュア(登録商標)OXE01、イルガキュアOXE02、ADEKA社製N−1919などが挙げられる。
また、分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤も好適に用いることができ、具体的には、下記一般式(II)で表されるカルバゾール構造を有するオキシムエステル化合物が挙げられる。
Figure 2016069625
(式中、Xは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換基を有していてもよい)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換基を有していてもよい)を表し、
Y、Zはそれぞれ、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換基を有していてもよい)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換基を有していてもよい)、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表し、
Arは、炭素数1〜10のアルキレン、ビニレン、フェニレン、ビフェニレン、ピリジレン、ナフチレン、チオフェン、アントリレン、チエニレン、フリレン、2,5−ピロール−ジイル、4,4’−スチルベン−ジイル、4,2’−スチレン−ジイルを表し、
nは0又は1の整数である)。
特に、上記式中、X、Yが、それぞれ、メチル基又はエチル基であり、Zがメチル又はフェニルであり、nが0であり、Arが、フェニレン、ナフチレン、チオフェン又はチエニレンであるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤を使用する場合の配合量は、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部、特に、0.5〜5質量部とすることが好ましい。0.01質量部以上10質量部以下とすることにより、塗膜が安定に形成されとともに、耐薬品性などの塗膜特性も保持され、またソルダーレジスト塗膜表面での光吸収が一定に保たれ、深部硬化性が良好とされる。
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、具体的には、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−ブタンー1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン株式会社製のイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379などが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、具体的には2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン株式会社製のルシリン(登録商標)TPO、BASFジャパン株式会社製のイルガキュア819などが挙げられる。
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤またはアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いる場合のそれぞれの配合量は、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0.01〜15質量部、特に0.5〜10質量部であることが好ましい。0.01質量部以上15質量部以下とすることにより、塗膜が安定に形成されるとともに、耐薬品性などの塗膜特性も保持され、また十分なアウトガスの低減効果が得られ、ソルダーレジスト塗膜表面での光吸収が一定に保たれ、更に深部硬化性が良好とされる。
チタノセン系光重合開始剤としては、具体的にはビス(シクロペンタジエニル)−ジ−フェニル−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−クロロ−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、3、4、5、6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン株式会社製のイルガキュア784などが挙げられる。
上記チタノセン系光重合開始剤を用いる場合の配合量は、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部であり、より好ましくは0.05〜3質量部、特に好ましくは、0.1〜2質量部である。0.05質量部以上5質量部以下とすることにより、深部硬化性が向上し、また大きなハレーションを引き起こすおそれがなくなる。
また、アシルオキシイミノ基を有する光重合開始剤の具体例としては,O,O’−コハク酸ジアセトフェノンオキシム,O,O’−コハク酸ジナフトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシムアクリレートースチレン共重合体などが挙げられる。
N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基を有する光重合開始剤の具体例としては、例えば、ジ−N−(p−ホルミルアミノ)ジフェニルメタン、ジ−N(p−アセエチルアミノ)ジフェニルメラン、ジ−N−(p−ベンゾアミド)ジフェニルメタン、4−ホルミルアミノトルイレン、4−アセチルアミノトルイレン、2,4−ジホルミルアミノトルイレン、1−ホルミルアミノナフタレン、1−アセチルアミノナフタレン、1,5−ジホルミルアミノナフタレン、1−ホルミルアミノアントラセン、1,4−ジホルミルアミノアントラセン、1−アセチルアミノアントラセン、1,4−ジホルミルアミノアントラキノン、1,5−ジホルミルアミノアントラキノン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジホルミルアミノビフェニル、4,4’−ジホルミルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基を有する光重合開始剤としては、例えば、ビス{{(2−ニトロベンジル)オキシ}カルボニル}ジアミノジフェニルメタン、2,4−ジ{{(2−ニトロベンジル)オキシ}トルイレン、ビス{{(2−ニトロベンジルオキシ)カルボニル}ヘキサン−1,6−ジアミン、m−キシリジン{{(2−ニトロ−4−クロロベンジル)オキシ}アミド}などが挙げられる。
(光開始助剤または増感剤)
光開始助剤または増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、及びキサントン化合物などを挙げることができる。これらの化合物は、光重合開始剤として用いることができる場合もあるが、光重合開始剤と併用して用いることが好ましい。また、光開始助剤または増感剤は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ベンゾイン化合物としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。
アントラキノン化合物としては、例えば2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどが挙げられる。
チオキサントン化合物としては、例えば2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
ケタール化合物としては、例えばアセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
ベンゾフェノン化合物としては、例えばベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
3級アミン化合物としては、例えばエタノールアミン化合物、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物、例えば、市販品では、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達株式会社製、ニッソキュアー(登録商標)MABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学株式会社製EAB)などのジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)などのジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬株式会社製、カヤキュアー(登録商標)EPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセティックス社製、Quantacure DMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製、Quantacure BEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬株式会社製、カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Van Dyk社製Esolol 507)などが挙げられる。3級アミン化合物としては、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物が好ましく、中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、最大吸収波長が350〜450nmにあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物及びケトクマリン類が特に好ましい。
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンの毒性が低いことから好ましい。ジアルキルアミノ基含有クマリン化合物は、最大吸収波長が350〜410nmと紫外線領域にあるため、着色が少なく、無色透明な感光性組成物はもとより、着色顔料を用い、着色顔料自体の色を反映した着色ソルダーレジスト膜を得ることが可能となる。特に、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オンが、波長400〜410nmのレーザー光に対して優れた増感効果を示すことから好ましい。
これらのうち、チオキサントン化合物及び3級アミン化合物が好ましい。特に、チオキサントン化合物が含まれることにより、深部硬化性を向上させることができる。
光開始助剤または増感剤を用いる場合の配合量としては、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。光開始助剤または増感剤の配合量が0.1質量部未満であると、十分な増感効果を得ることができない傾向にある。一方、20質量部を超えると、3級アミン化合物による塗膜の表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。より好ましくは、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部である。
光重合開始剤、光開始助剤、及び増感剤の総量は、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して35質量部以下であることが好ましい。35質量部を超えると、これらの光吸収により深部硬化性が低下する傾向にある。
なお、これら光重合開始剤、光開始助剤、及び増感剤は、特定の波長を吸収するため、場合によっては感度が低くなり、紫外線吸収剤として働くことがある。しかしながら、これらは組成物の感度を向上させることだけの目的に用いられるものではない。必要に応じて特定の波長の光を吸収させて、表面の光反応性を高め、レジストのライン形状及び開口を垂直、テーパー状、逆テーパー状に変化させるとともに、ライン幅や開口径の加工精度を向上させることができる。
[成分(C):オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物]
本発明の組成物は、成分(C)として少なくとも1個のオキサゾリドン環および少なくとも1個のグリシジル基を有する熱硬化性化合物を含む。
(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物は、1〜4個、好ましくは2個のオキサゾリドン環と、1〜4個のグリシジル基、好ましくは2〜4個のグリシジル基を有する化合物であることが好ましい。
すなわち、本発明では、下式
Figure 2016069625
(式中、XおよびYは、酸素原子を有し、さらに窒素原子を有してもよい炭化水素基であり、XおよびYの少なくとも一方は少なくとも1個のグリシジル基を有し、更に少なくとも1個のオキサゾリドン環を有してもよい)で表わされる化合物が成分(C)として用いられる。
上記において炭化水素基とは、例えばアルキル基、アルキレン基等の直鎖状の基、または
アリーレン、例えばフェニレン、ビフェニレン、またはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビスフェノールAC、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラックから選択される少なくとも1種の基から誘導された骨格を含む環状基を意味する。
成分(C)としては、特に下式(IV)
Figure 2016069625
で表わされる化合物が好ましく用いられる。
式(IV)中、Rは、置換基を有していてもよい2価の官能基、特に、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、例えばビフェニレン、またはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビスフェノールAC、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラックから選択される化合物から誘導された二価の基またはこれらの組み合わせ、それぞれ、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいオキシアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基)が挙げられる。)、好ましくはビフェニレン基、より好ましくは4,4'-ビフェニレン基を意味し、一方、Rは、単結合、または置換基を有していてもよい2価以上の官能基、特に、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、好ましくはフェニレン基、トルイレン基、より好ましくは1,4−フェニレン基を意味する。
上記において「アルキル基」としては、炭素数が1〜6、好ましくは1〜4の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。上記の中でも、直鎖状よりも分岐鎖状の方が高耐熱性となる傾向にあるため、好ましくはイソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基であり、より好ましくはtert−ブチル基である。
「アルキレン基」とは、前記定義「アルキル基」から任意の位置の水素原子をさらに1個除いて誘導される2価の基を意味し、例えば、炭素原子数1〜6、好ましくは1〜4、特に、メチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、トリメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、トリメチレン基等が挙げられる。
また、上記アリーレン基の「アリーレン基」としては、前記「アリール基」から、任意の位置の水素原子をさらに1個除いて誘導される2価の基、好ましくは炭素原子数6〜12の基を意味する。
置換基を有していてもよい、とは、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基またはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、アリール基、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)等を更に有してもよいことを意味する。
本実施形態の(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物の重量平均分子量は、好ましくは800以上であり、より好ましくは900以上、さらに好ましくは1000以上である。重量平均分子量が800以上であると、硬化物の耐熱性が高くなると同時に、密着性、強靭性が向上する傾向にある。ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算により測定した値をいう。
本実施形態の(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物がエポキシ化合物である場合、エポキシ当量は好ましくは200〜500であり、より好ましくは250〜400である。エポキシ当量が200以上であると、強靭性が大きくなり、500以下とすることにより、現像性が保たれる。エポキシ当量は、JIS−K−7236による電位差滴定法により測定した値をいう。
このような(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物の配合量は、
アルカリ可溶性樹脂の反応性官能基(a)の(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物の官能基(b)に対する比率が(a):(b)=1:1〜1:3が好ましく、(a):(b)=1:1〜1:2がより好ましい。(a):(b)=1:1以上とすることにより、組成物の密着性、強靭性が向上し、(a):(b)=1:3以下とすることにより組成物の現像性が維持される。
本実施形態のオキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物の製造方法としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート化合物と、ビフェニル骨格を有するグリシジル化合物とを、オキサゾリドン環形成触媒の存在下で反応させることにより、ほぼ理論量で得ることができる。イソシアネート化合物とグリシジル化合物は、当量比1:2〜1:10の範囲で反応させることが好ましく、これによりエポキシ樹脂硬化物の耐熱性及び耐水性が良好とされる。
本実施形態においては、オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物を得るための原料として、ビフェニル骨格を有するグリシジル化合物以外の他のグリシジル化合物を併用してもよい。その具体例としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等の2価フェノール類をグリシジル化した化合物;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4−〔1−〔4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール等のトリス(グリシジルオキシフェニル)アルカン類等をグリシジル化した化合物;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック等のノボラックをグリシジル化した化合物等が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
原料として用いるイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、メタンジイソシアネート、ブタン−1,1−ジイソシアネート、エタン−1,2−ジイソシアネート、ブタン−1,2−ジイソシアネート、トランスビニレンジイソシアネート、プロパン−1,3−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2−ブテン−1,4−ジイソシアネート、2−メチルブテン−1,4−ジイソシアネート、2−メチルブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、ヘプタン−1,7−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、ノナン−1,9−ジイソシアネート、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジメチルシランジイソシアネート、ジフェニルシランジイソシアネート、ω,ω’−1,3−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω’−1,3−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルナフタレンジイソシアネート、ω,ω’−1,5−ジメチルナフタレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,6−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−3,5−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−2,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,3’−ジメトキシビスフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ジフェニルサルフアイト−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジイソシアネート等の2官能イソシアネート化合物;
ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネートチオフォスフェート)−3,3’、4,4’−ジフェニルメタンテトライソシアネート等の多官能イソシアネート化合物;
上記イソシアネート化合物の2量体や3量体等の多量体、アルコールやフェノールによりマスクされたブロックイソシアネート及びビスウレタン化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。これらイソシアネート化合物は2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記のイソシアネート化合物の中でも、好ましくは2又は3官能イソシアネート化合物、より好ましくは2官能イソシアネート化合物、さらに好ましくはイソホロン、ベンゼン、トルエン、ジフェニルメタン、ナフタレン、ポリメチレンポリフェニレンポリフェニル、ヘキサメチレンから選ばれる骨格を有する2官能イソシアネート化合物が好ましく使用される。これらの材料の使用により耐熱性及び貯蔵安定性が向上する。
本願発明では特に、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート(別名:トリレン−2,4−ジイソシアネ−ト(2,4−TDI))、1−メチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,6−ジイソシアネート(別名:トリレン−2,6−ジイソシアネ−ト(2,6−TDI))、1−メチルベンゼン−3,5−ジイソシアネートが好ましく用いられる。
オキサゾリドン環形成触媒としては、同目的において従来使用される如何なる触媒も使用可能であり、特に限定されないが、例えば、
塩化リチウム、ブトキシリチウム等のリチウム化合物、3フッ化ホウ素等の錯塩;
テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩;
ジメチルアミノエタノール、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N−メチルモルホリン等の3級アミン;
トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;
アリルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ジアリルジフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムクロライド、エチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、テトラブチルホスホニウムアセテート・酢酸錯体、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムヨーダイド等のホスホニウム化合物;
トリフェニルアンチモン及びヨウ素の組み合わせ;
2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;
等が挙げられる。
本発明では、オキサゾリドン環形成触媒として、4級アンモニウム塩が好ましく使用される。
これらの触媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキサゾリドン環形成触媒の使用量は、特に限定されるものではなく、通常は原料となるグリシジル化合物とイソシアネート化合物の総量に対して5ppm〜20000ppmの範囲で使用され、好ましくは10ppm〜10000%、より好ましくは20〜5000ppm、さらに好ましくは20〜1000ppmの範囲で使用される。
[成分(D) : ブロック共重合体]
本発明では、付加的な成分(D)として、ブロック共重合体を用いることができる。
(D)ブロック共重合体とは、性質の異なる二種類以上のポリマーが、共有結合で繋がり長い連鎖になった分子構造の共重合体のことである。20℃〜30℃の範囲において固体であるものが好ましい。この範囲内において固体であればよく、この範囲外の温度においても固体であってもよい。上記温度範囲において固体であることによりドライフィルム化したときや基板に塗布し仮乾燥したときのタック性に優れる。
本発明で用いる(D)ブロック共重合体としては、以下の式(I)
X−Y−XまたはX−Y−X´ (I)
で表わされるブロック共重合体が好ましい。
上記式中、XまたはX´はガラス転移点Tgが0℃以上であるポリマー単位(ハードセグメント)である。さらにYはガラス転移点が0℃未満のポリマー単位(ソフトセグメント)である(以下これらのガラス転移点について、それぞれTgX/X´≧0℃、Tg<0℃とも表記する)。
ここで、(D)ブロック共重合体とは一般的に性質の異なる二種類以上のポリマーが、共有結合で繋がり長い連鎖になった分子構造の共重合体を意味する。上記の(D)ブロック共重合体を用いることにより、本発明の硬化性樹脂組成物から得られた硬化物に強靭性が与えられる。
各ポリマー単位のガラス転移点は、特に-80℃<Tg<0℃、及び0℃≦TgX/X´<150℃であることが好ましい。
また、式(I)の構造を含む(D)ブロック共重合体のうち、X及びX’は上述の(A)アルカリ可溶性樹脂との相溶性が高く、Yが(A)アルカリ可溶性樹脂との相溶性が低いものが好ましく、これにより所望の強靭性を有する硬化型組成物を得ることができる。
式(I)におけるX及びX’は、ポリメチルメタアクリレート(PMMA(Tg:140℃))等の(C-Cアルキル)メタアクリレート、ポリスチレン(PS)(Tg:100℃)などが好ましく、Yとしてはポリn−ブチルアクリレート(PBA)(Tg:-40℃)等のポリ(C1-Cアルキル)アクリレート、ポリブタジエン(PB)(Tg:-70℃)等C-C6ジエンなどが好ましい。
また本発明に用いる(D)ブロック共重合体としては3元以上のブロック共重合体が好ましく、リビング重合法により合成された分子構造が精密にコントロールされたブロック共重合体が本発明の効果を得る上でより好ましい。これは、リビング重合法により合成されたブロック共重合体は分子量分布が狭く、それぞれのユニットの特徴が明確になったためであると考えられる。用いるブロック共重合体の分子量分布は2.5以下が好ましく、更に好ましくは2.0以下である。
(D)ブロック共重合体の製造方法としては、例えば、特表2005−515281号、特表2007−516326号に記載の方法が挙げられる。
本発明に適用可能な(D)ブロック共重合体の市販品としては、3元系以上のものとしては、アルケマ社製のリビング重合を用いて製造されるアクリル系トリブロックコポリマーが挙げられる。具体例としては、ポリスチレン(Tgx1:100℃)−ポリブタジエン(Tg:-70℃)−ポリメチルメタアクリレート(Tgx2:140℃)に代表されるSBMタイプ、ポリメチルメタアクリレート(Tgx1:140℃)−ポリn−ブチルアクリレート(Tg:-40℃)−ポリメチルメタアクリレート(Tgx2:140℃)に代表されるMAMタイプ、更にはカルボン酸変性や親水基変性処理されたMAM NタイプやMAM Aタイプが挙げられる。SBMタイプとしてはE41、E40、E21、E20等が挙げられ、MAMタイプとしてはM51、M52、M53、M22、SM6290XD30等が挙げられ、MAM Nタイプとしては52N、22N、MAM AタイプとしてはSM4032XM10等が挙げられる。
また、クラレ社製のクラリティ等のメタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルより誘導されるブロック共重合を用いることも可能である。市販品としては、LA1114、LA2250、LA2140e、LA2330等が挙げられる。
(D)ブロック共重合体の重量平均分子量は、10,000〜500,000が好ましく、20,000〜400,000がより好ましく、50,000〜300,000とされると更に好ましい。重量平均分子量が10,000以上であると、目的とする強靭性が得られる。
一方、重量平均分子量が500,000以下であると、硬化性樹脂組成物の粘度が適当となり、印刷性、現像性が良好となる。
上記(D)ブロック共重合体の配合量は、(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物の固形分重量総和に対して0.5〜30質量%が好ましく、1〜20%がより好ましい。0.5質量%以上ではクラック耐性向上が期待でき、30質量%以下では硬化性樹脂組成物として現像性や塗布性が維持できるため好ましい。
本発明において、特に上記式(I)の構造を含むブロック共重合体を用いることにより、本発明の硬化性樹脂組成物から得られた硬化物に、特に優れた強靭性を付与することが可能とされる。本発明の硬化物は、現像によりレジストとしてパターニングされる工程、及びレジストとして適用される場合にも、上記式(I)の構造を含むブロック共重合体を含むことによりレジストの強靭性を保持するため、アルカリ現像や、ソルダーレジストとしての過酷な適用環境においてもクラックの発生、及びクラックが進行しにくく、基板を良好に保護する。
特に、組成物の硬化処理温度を、ハードセグメントのTg以上の温度とすることにより、強靭性に優れたレジストを得ることができる。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は、(E)反応性希釈剤を含むことが好ましい。
[成分(E):反応性希釈剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(E)反応性希釈剤を用いることができる。特に硬化性樹脂組成物が感光性を有する硬化性樹脂組成物である場合、硬化性や耐現像性の面において好ましい。本発明における反応性希釈剤は、分子中にエチレン性不飽和基を有する化合物であり、硬化性樹脂組成物の粘度調整、硬化性の促進や現像性の向上の為に用いられる。
このような化合物としては、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートが使用でき、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;上記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および上記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも1種などが挙げられる。
さらに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートのハーフウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物等が挙げられる。このようなエポキシアクリレート系樹脂は、指触乾燥性を低下させることなく、硬化性を向上させることができる。
本発明では、(E)反応性希釈剤を用いる場合、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のような反応性希釈剤の配合量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。配合量が、5質量部以上の場合、表面硬化性が向上しアルカリ現像の際に露光部へのダメージを低減する。一方、100質量部以下の場合、希アルカリ水溶液に対する溶解性を維持しつつ、ハレーションのない良好な解像性が得られる。
[熱硬化性化合物]
本発明では、上記各成分の他、更に上記(C)以外の熱硬化性化合物を用いることができる。具体例としては、上記以外、すなわちオキサゾリドン環を有さないエポキシ化合物、または多官能オキセタン化合物を用いることが好ましい。その中でも、エポキシ樹脂が好適に用いられる。
上記エポキシ化合物としては、液状、結晶性低分子量、半固形、固形の各材料を用いることができ、具体例としては、上記エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であり、公知のものをいずれも使用できる。分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、水素添加された2官能エポキシ化合物であってもよい。
多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
その他の液状2官能性エポキシ樹脂としては、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキシ樹脂を挙げることができる。
エポキシ化合物は、市販の製品を用いることも可能であり、例えばHP4032(DIC社製、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂、Tg:-5℃)、NC3000H、NC3000L(日本化薬社製、ビフェニル型エポキシ化合物、順にTg:20℃、30℃)、EPPN501H(日本化薬社製、トリフェニルグリジジルエーテル型エポキシ樹脂、Tg:20℃)、jER828、jER834、jER1001(三菱化学社、順に液状、半固形、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、順にTg:−20℃、0℃、30℃)、DEN431、DEN438(ダウケミカル社製、エポキシノボラック樹脂、順にTg:-10℃、0℃)、P201(日本化薬社製、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、Tg:5℃)、N870(DIC社製、変性ノボラック型樹脂、Tg:20℃)を用いることができる。
上記多官能オキセタン化合物としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマー又は共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、又はシルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂とのエーテル化物などが挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
ここで、熱反応性成分がベンゼン骨格を有する場合、耐熱性が向上するので、好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物が白色顔料を含有する場合、熱反応性成分は脂環式骨格であることが好ましい。これにより、光反応性を向上できる。
熱反応性成分は1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
[熱硬化触媒]
本発明では、さらに熱硬化触媒を用いることが好ましく、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などを使用することができる。
また、市販されているものとしては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT(登録商標)3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)などが挙げられる。特に、これらに限られるものではなく、エポキシ化合物やオキセタン化合物の熱硬化触媒、もしくはエポキシ基及び/又はオキセタニル基とカルボキシル基の反応を促進するものであればよく、単独で又は2種以上を混合して使用してもかまわない。
また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を熱硬化触媒と併用する。
これら熱硬化触媒の配合量は、熱硬化性化合物(成分(C)以外)の100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15.0質量部である。0.1質量部以上の場合、熱硬化成分の反応性が向上し、Tgの向上、CTEの低下が期待できる。一方、20質量部以下の場合、現像性を維持することができる。
[その他の任意成分]
本発明の硬化性組成物にはさらに、連鎖移動剤、密着促進剤、酸化防止剤、防錆剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、消泡剤及びレベリング剤の少なくとも1種、シランカップリング剤、フィラー、バインダー、難燃剤、チキソ化剤、防錆剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は、上記カルボキシル基含有樹脂の合成や組成物の調製のため、又は基板に塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、支持体(キャリアフィルム等)と、支持体上に形成された上記硬化性樹脂組成物からなる層とを備えたドライフィルムの形態とすることもできる。
ドライフィルム化に際しては、本発明の硬化性樹脂組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等でキャリアフィルム上に均一な厚さに塗布し、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、5〜150μm、好ましくは10〜60μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物を成膜した後、さらに、膜の表面に塵が付着防止等の目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。
剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、カバーフィルムを剥離するときに膜とキャリアフィルムとの接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。また、上記組成物をキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったドライフィルムの場合、ラミネーター等により硬化性樹脂組成物層が基材と接触するように基材上に張り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、樹脂絶縁層を形成できる。
本発明の硬化性組成物は、プリント配線板のパターン層の形成の各種レジストないし絶縁性材料として好適に用いることができ、中でもソルダーレジストや層間絶縁層の材料として有用である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、基材に対するスクリーン印刷、又はパターン状の光照射によりパターン形成・硬化させることができる。
本発明の硬化性組成物によるパターン形成方法では、
基材上に硬化性組成物を施与する工程(a)、
パターン状の光照射にて硬化性組成物に含まれる光重合開始剤を活性化して光照射部を硬化する工程(b)、及び
現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程(c)により、ネガ型パターンが形成される。
[工程(a):組成物層形成工程]
上記工程(a)は、基材に硬化性組成物からなる組成物層を形成する工程である。組成物層を形成する方法は、液状の硬化性組成物を基材上に、塗布、乾燥する方法や、硬化性組成物をドライフィルムにしたものを基材上にラミネートする方法によることができる。
硬化性組成物の基材への塗布方法は、ブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等の公知の方法を適宜採用することができる。また、乾燥方法は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等、蒸気による加熱方式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触させる方法、およびノズルより支持体に吹き付ける方法等、公知の方法が適用できる。
基材としては、予め回路形成されたプリント配線基材やフレキシブルプリント配線基材の他、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス−ポリイミド、ガラス布/不繊布−エポキシ樹脂、ガラス布/紙−エポキシ樹脂、合成繊維−エポキシ樹脂、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネートエステル等の複合材を用いた全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基材、セラミック基材、ウエハ基材等を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブンなど(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法及びノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
[工程(b):硬化工程]
工程(b)では、上記工程(a)の後に溶剤を揮発乾燥し、得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線、特に紫外線等の光照射)を行うことにより、パターニングが行われる。一態様(b−1)として硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤がエチレン性不飽和二重結合に対して逐次反応をすることにより、露光部(活性エネルギー線、特に紫外線等によりにより光照射された部分)が硬化する。かかる態様の場合、その後、アルカリ現像液に対してネガ型のパターン形成が可能となり、また、熱硬化も併せて行なうことで硬化性が向上する点で好ましい。
また、かかる態様においては、接触式(又は非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光もしくは直接描画装置により直接パターン露光する。これにより、露光部分の硬化性組成物に含まれる光塩基発生成分が塩基を発生させることにより、光照射部を硬化させる。
また他の態様(b−2)としてはネガ型のパターン状に光照射されることにより、硬化性組成物に含まれる光重合開始剤を活性化して光照射部が硬化する際に、光照射部で発生した塩基により、光重合開始剤が不安定化し、さらに塩基が発生、増殖することにより、光照射部の深部まで十分硬化する。
光照射に用いられる光照射機としては、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)、メタルハライドランプを搭載した光照射機、(超)高圧水銀ランプを搭載した光照射機、水銀ショートアークランプを搭載した光照射機、もしくは(超)高圧水銀ランプ等の紫外線ランプ、LEDを使用した直接描画装置を用いることができる。
活性エネルギー線としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光又は散乱光を用いることが好ましい。最大波長をこの範囲とすることにより、効率よく硬化性組成物の光反応性を向上させることができる。この範囲を用いていれば、レーザー光の場合、ガスレーザー、固体レーザーのいずれでもよい。また、その光照射量は膜厚等によって異なるが、一般には100〜1500mJ/cm、好ましくは300〜1500mJ/cmの範囲内とすることができる。
なお、パターン状の光照射用のマスクは、ネガ型のマスクを用いることができる。
工程(b)において、b−2の態様、すなわち、ネガ型のパターン状に光照射されることにより、硬化性組成物に含まれる光重合開始剤を活性化して光照射部が硬化する際に、光照射部で発生した塩基により、光重合開始剤が不安定化し、さらに塩基が発生、増殖することにより、光照射部の深部まで十分硬化した場合、更に加熱により光照射部を硬化することが好ましい(PEB:Post Exposure Bake)。これにより、工程(b)で発生した塩基が熱硬化成分に対して付加反応することより、深部まで硬化できる。
ただし、パターニングおいて、50μmレベルの小径の開口を設ける場合には、PEB処理を行わないほうが、開口にハレーションやアンダーカットが発生せず、解像度が良好となる。
加熱温度は、硬化性組成物のうち、光照射部は光照射後に熱硬化するが、未照射部は熱硬化しない温度であることが好ましい。
例えば、未照射の硬化性組成物の発熱開始温度又は発熱ピーク温度よりも低く、かつ、光照射した硬化性組成物の発熱開始温度又は発熱ピーク温度よりも高い温度で加熱することが好ましい。このように加熱することにより、光照射部のみを選択的に硬化することができる。
ここで、加熱温度は、例えば、40〜140℃、好ましくは60〜120℃である。加熱温度を40℃以上とすることにより、光照射部を十分に硬化できる。一方、加熱温度を140℃以下とすることにより、光照射部のみを選択的に硬化できる。加熱時間は、例えば、1〜120分、好ましくは10-80分である。加熱方法は、上記乾燥方法と同様である。
なお、未照射部では、光重合開始剤から塩基が発生しないため、熱硬化が抑制される。
[工程(c):現像工程]
工程(c)は、現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程である。現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等公知の方法によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エタノールアミンなどのアミン類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ水溶液またはこれらの混合液を用いることができる。
環境への配慮から、本発明の樹脂組成物はpH12未満の現像液により現像可能であることが好ましい。
[工程(d)]
上記パターン形成方法は、工程(c)の後に、さらなる光照射程(d)を含むことが好ましい。工程(c)の後にさらに紫外線照射等の光照射を行うことで、露光時に反応せずに残った反応性希釈剤等の光反応性成分を反応させることができる。光照射工程(d)における照射光の波長および光照射量(露光量)は、工程(b)と同じであってもよく、異なっていてもよい。好適な光照射量(露光量)は、150〜2000mJ/cmである。
[工程(e)]
上記パターン形成方法は、工程(c)の後に、さらに、熱硬化(ポストキュア)工程(e)を含むことが好ましい。
工程(c)の後に工程(d)と工程(e)をともに行う場合、工程(e)は、工程(d)の後に行うことが好ましいが、工程(d)の前に行っても良い。
工程(e)は、工程(b)、または工程(b)および工程(d)により光重合開始剤から発生した塩基により、パターン層を十分に熱硬化させる。工程(e)の時点では、未照射部を既に除去しているため、工程(e)は、未照射の硬化性組成物の硬化反応開始温度以上の温度で行うことができる。これにより、パターン層を十分に熱硬化させることができる。加熱温度は、例えば、150℃以上である。
以下、本発明を実施例等により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準であるものとする。
[実施例1〜20、および比較例1〜4]
<硬化性組成物の調製>
下記表1−1〜表1−3に記載した配合に従って、実施例1〜20、および比較例1〜4の材料をそれぞれ配合し、攪拌機にて予備混合することにより、各実施例及び比較例に係る硬化性樹脂組成物を調製した。
なお、本実施例および比較例で使用した(A)アルカリ可溶性樹脂1〜3、(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物A〜Cは以下のように合成した。この他の成分の詳細は表1−3の下方に付記する。
<アルカリ可溶性樹脂の合成例>
アルカリ可溶性樹脂1の合成:
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置、および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(昭和電工株式会社製、ショーノールCRG951、OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部及びトルエン119.4部を仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。
次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cmで16時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2g/eq.であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りアルキレンオキシドが平均1.08モル付加しているものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のアルキレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部及びトルエン252.9部を、撹拌機、温度計及び空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。
反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。
その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。
その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(カルビトールアセテート)118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。
次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部及びトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計及び空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させ、冷却後、固形物の酸価88mgKOH/g、固形分65%のカルボキシル基含有樹脂1を得た。
アルカリ可溶性樹脂2の合成:
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、ビスフェノールA456部、水228部、37%ホルマリン649部を仕込み、40℃以下の温度を保ち、25%水酸化ナトリウム水溶液228部を添加した、添加終了後50℃で10時間反応した。反応終了後40℃まで冷却し、40℃以下を保ちながら37.5%リン酸水溶液でpH4まで中和した。その後静置し水層を分離した。分離後メチルイソブチルケトン300部を添加し均一に溶解した後、蒸留水500部で3回洗浄し、50℃以下の温度で減圧下、水、溶媒等を除去した。得られたポリメチロール化合物をメタノール550部に溶解し、ポリメチロール化合物のメタノール溶液1230部を得た。
得られたポリメチロール化合物のメタノール溶液の一部を真空乾燥機中室温で乾燥したところ、固形分が55.2%であった。
得られたポリメチロール化合物のメタノール溶液500部、2,6−キシレノール440部を仕込み、50℃で均一に溶解した。均一に溶解した後50℃以下の温度で減圧下メタノールを除去した。その後シュウ酸8部を加え、100℃で10時間反応した。反応終了後180℃、50mmHgの減圧下で溜出分を除去し、ノボラック樹脂A 550部を得た。
更に、温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置及び撹拌装置を備えたオートクレーブに、上記のノボラック樹脂Aを130部、50%水酸化ナトリウム水溶液2.6部、トルエン/メチルイソブチルケトン(質量比=2/1)100部を仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、次に加熱昇温し、150℃、8kg/cmでエチレンオキシド45部を徐々に導入し反応させた。反応はゲージ圧0.0kg/cmとなるまで約4時間を続けた後、室温まで冷却した。この反応溶液に3.3部の36%塩酸水溶液を添加混合し、水酸化ナトリウムを中和した。この中和反応生成物をトルエンで希釈し、3回水洗し、エバポレーターにて脱溶剤して、水酸基価が175g/eq.であるノボラック樹脂Aのエチレンオキシド付加物を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りエチレンオキシドが平均1モル付加しているものであった。
このように得られたノボラック樹脂Aのエチレンオキシド付加物175部、アクリル酸50部、p−トルエンスルホン酸3.0部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部、トルエン130部を撹拌機、温度計、空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を吹き込みながら攪拌して、115℃に昇温し、反応により生成した水をトルエンと共沸混合物として留去しながら、さらに4時間反応させたのち、室温まで冷却した。得られた反応溶液を5%NaCl水溶液を用いて水洗し、減圧留去にてトルエンを除去したのち、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、不揮発分68%のアクリレート樹脂溶液を得た。
次に、撹拌器及び還流冷却器の付いた4つ口フラスコに、得られたアクリレート樹脂溶液312部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部、トリフェニルホスフィン0.3部を仕込み、この混合物を110℃に加熱し、テトラヒドロ無水フタル酸45部を加え、4時間反応させ、冷却後、不揮発分72%、固形分酸価65mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂2を得た。
アルカリ可溶性樹脂3の合成:
210部を撹拌機及び還流冷却器の付いた四つ口フラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、“エピクロン”(登録商標)N−680、エポキシ当量:210)を装填し、カルビトールアセテート96.4部を加え、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.46部と、反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.38部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸72部を徐々に滴下し、酸価が3.0mgKOH/g以下になるまで約16時間反応させた。
この反応生成物を80〜90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物76部を加え、8時間反応させ、冷却後、固形物の酸価78mgKOH/g、不揮発分65%のカルボキシル基含有樹脂3を得た。
<(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物の合成例>
オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物Aの合成:
反応器内に、ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:YX4000、三菱化学(株)製、エポキシ当量185g/eq)100質量部、及び、テトラブチルアンモニウムブロマイド(商品名:臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、和光純薬工業(株)製)0.04質量部を投入し、撹拌加熱し、内温を175℃にした。さらに、原料イソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネート(商品名:コロネートT80(登録商標)、日本ポリウレタン(株)製)11.8質量部を90分かけて反応器内に投入した。投入終了後、反応温度を175℃に保ち、4時間撹拌し、式(IV)で表される反応生成物を得た。
前記反応生成物をIR測定したところ、1750cm−1と910cm−1にピークが観測され、オキサゾリドン環とエポキシ基を含むことを確認した。更に、前記反応生成物のエポキシ当量を測定したところ、測定値250g/eqが求められた(オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物Aの生成)。
オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物Bの合成:
反応器内に、ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:YX4000、三菱化学(株)製、エポキシ当量185g/eq)100質量部、及び、テトラブチルアンモニウムブロマイド(商品名:臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、和光純薬工業(株)製)0.04質量部を投入し、撹拌加熱し、内温を175℃にした。さらに、原料イソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネート(商品名:コロネートT80(登録商標)、日本ポリウレタン(株)製)11.8質量部を90分かけて反応器内に投入した。投入終了後、反応温度を175℃に保ち、8時間撹拌し、式(IV)で表される反応生成物を得た。
前記反応生成物をIR測定したところ、1750cm−1と910cm−1にピークが観測され、オキサゾリドン環とエポキシ基を含むことを確認した。更に、前記反応生成物のエポキシ当量を測定したところ、測定値292g/eqが求められた(オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物Bの生成)。
オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物Cの合成:
反応器内に、ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:YX4000、三菱化学(株)製、エポキシ当量185g/eq)100質量部、及び、テトラブチルアンモニウムブロマイド(商品名:臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、和光純薬工業(株)製)0.04質量部を投入し、撹拌加熱し、内温を175℃にした。さらに、原料イソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネート(商品名:コロネートT80(登録商標)、日本ポリウレタン(株)製)11.8質量部を90分かけて反応器内に投入した。投入終了後、反応温度を175℃に保ち、15時間撹拌し、式(IV)で表される反応生成物を得た。
前記反応生成物をIR測定したところ、1750cm−1と910cm−1にピークが観測され、オキサゾリドン環とエポキシ基を含むことを確認した。更に、前記反応生成物のエポキシ当量を測定したところ、測定値395g/eqが求められた(オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物Cの生成)。
得られたすべての硬化性樹脂組成物に関し、下記1.〜6.の試験を実施した。
<1.ガラス転移点(Tg)、及び線膨張係数(CTEα1)の評価>
銅箔基板上に、硬化性樹脂組成物を、それぞれスクリーン印刷により乾燥膜厚約40μmになるように全面塗布した。これを、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、最適露光量(1000mJ/cm)にて、50mm×3mmの短冊状のネガマスクを施した状態で露光を行った。その後、30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターン層を得た。更に150℃にて60分加熱して、パターン層を硬化した。
上記により得られた評価基板の硬化被膜を銅箔より剥離し、評価を実施した。
測定は、TMA測定装置(株式会社島津製作所 機種名:TMA/SS6000)を用いて行い、TgとCTEα1(線膨張係数)(0℃−50℃)について評価を行った。評価基準は以下の通りである。
Tgの評価基準
◎…140℃以上
○…135℃以上140℃未満
△…125℃以上135℃未満
×…125℃未満
CTEα1の評価基準
◎…50ppm未満
○…50ppm以上60ppm未満
×…60ppm以上
<2.解像性評価>
めっき銅基板を、CZ8101を用い、エッチングレート1μmの条件にて粗面化処理し、粗面化された基板に対し、硬化性樹脂組成物を乾燥膜厚約20μmになるようにスクリーン印刷により全面塗布した。これを、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、最適露光量(1000mJ/cm)にて、パターン露光を行った。その後、30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターン層を得た。更に150℃にて60分加熱して、パターン層を硬化した。
上記により得られた評価基板の開口径を観測し、直径ごとにハレーション、アンダーカットの発生がないかを観察した。以下、観察結果において、ハレーション、アンダーカットのいずれも発生のない場合を「良好」とする。
◎…直径50μmにて良好な開口形成
○…直径70μmにて良好な開口形成
△…直径100μmにて良好な開口形成
×…直径100μmにて良好な開口の形成不可、または現像不可
<3.密着性評価>
18μmの銅箔を、CZ8101によりエッチングレート(i)0.7μm、(ii)1μmでそれぞれ粗面化処理し、粗面化された銅箔面に、硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷により乾燥膜厚約40μmになるように全面塗布した。
更に、ポリイミド(カプトン(登録商標))に対しても、硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷により乾燥膜厚約40μmになるように全面塗布した。
上記塗布された硬化性樹脂組成物を、それぞれ80℃で30分乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、最適露光量(1000mJ/cm)にて、全面露光を行った。その後、30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターン層を得た。更に150℃にて60分加熱して、パターン層を硬化した。上記銅箔を有するサンプル及びポリイミドを有するサンプルの双方を評価基板とした。
上記硬化後の評価基板の組成物側に2液性エポキシ系接着剤(アラルダイト)を塗布し、その上にエッチアウト基板を張り合わせた。
エポキシ系接着剤硬化後、絶縁層に接着している銅箔を1cm幅で切り出し、JIS K6854−1に準じ、90度剥離試験に付した。ピールゲージを用いてピール強度を測定した。
◎…ピール強度6N/m以上。
○…ピール強度5N/m以上、6N/m未満。
△…ピール強度4N/m以上、5N/m未満。
×…ピール強度4N/m未満。
<4.強靭性評価>
銅箔基板上に、硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷により乾燥膜厚約40μmになるように全面塗布した。これを、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、最適露光量(1000mJ/cm)にて、80mm×10mmの短冊状のネガマスクを施した状態で露光を行った。その後、30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で90秒間噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターン層を得た。更に150℃にて60分加熱して、パターン層を硬化した。
上記により得られた評価基板の硬化被膜を銅箔より剥離し、評価を実施した。測定は、引張試験機(株式会社島津製作所 機種名:AGS-G 100N)を用いて行い、破断点伸び率について評価を行った。評価基準は以下の通りである。
◎…破断点伸び率6%以上
○…破断点伸び率4%以上6%未満
△…破断点伸び率2%以上4%未満
×…破断点伸び率2%未満
<5.TCT(サーマルサイクルテスト)耐性>
2mmの銅ラインパターンが形成された基板に対し、硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷により乾燥膜厚約20μmになるように全面塗布した。これを、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、最適露光量(1000mJ/cm)にて、銅ライン上に3mm角のレジストパターンのネガマスクを施した状態で露光を行った。
その後、30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で90秒間噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターン層を得た。更に150℃にて60分加熱して、パターン層を硬化した。
上記により得られた評価基板を、−40℃〜120℃の温度サイクルが循環設定される冷熱サイクル機に入れ、TCTを行った。そして、500サイクル時、800サイクル時および1000サイクル時の評価基板の外観を目視にて観察した。評価基準は以下の通りである。
◎:1000サイクルで異常なし
○:800サイクルで異常なし、1000サイクルでクラック発生
△:500サイクルで異常なし、800サイクルでクラック発生
×:500サイクルでクラック発生
<6.電気特性(絶縁抵抗値)測定>
IPC B−25テストパターンのクシ型電極Bクーポンに対し、硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷により乾燥膜厚約20μmになるように全面塗布した。これを、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、最適露光量(1000mJ/cm)にて、80mm×10mmの短冊状のネガマスクを施した状態で露光を行った。その後、30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液を、スプレー圧0.2MPaの条件で90秒間噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターン層を得た。更に150℃にて60分加熱して、パターン層を硬化した。
上記により得られた評価基板のクシ型電極にDC100Vのバイアス電圧を印加し、85℃、85%R.H.の恒温恒湿槽にて1,000時間後の絶縁抵抗値を測定した。
Figure 2016069625

Figure 2016069625

Figure 2016069625

Figure 2016069625

Figure 2016069625

Figure 2016069625
表中に記載の成分は以下の通りである。
アルカリ可溶性樹脂4: HF-1(フェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製)をシクロヘキサノンで溶解したもの(固形分60%)
IrgOXE02: エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、BASFジャパン株式会社製
WPBG−0018:9−アントリルメチル‐N,N’-ジエチルカルバメイト)、和光純薬株式会社製 Irg907: 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、BASFジャパン株式会社製
ルシリン(登録商標)TPO: 2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、BASFジャパン株式会社製
jER828: Bis−A型液状エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製
DEN431: エポキシノボラック樹脂、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製
M52NDPM50: ブロック共重合ポリアクリル酸樹脂、ナノストレングスM52N(X‐Y‐X型(アクリルアミド含有)、Mw=100,000程度、アルケマ株式会社製)をDPMで溶解、固形分50%。
M53DPM30: ブロック共重合ポリアクリル酸樹脂、ナノストレングスM53(X‐Y‐X型(アクリルアミド非含有)、Mw=100,000〜300,000程度、アルケマ株式会社製)をジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)で溶解、固形分30%。
M53GDPM30:ブロック共重合ポリアクリル酸樹脂、ナノストレングスM53G(X−Y−X‘型(アクリルアミド非含有、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に対し、10%のグリシジルメタクリレート(GMA)を含有)、Mw=100,000〜300,000、アルケマ株式会社製)をDPMで溶解、固形分30%。
エポリードPB3600: エポキシ化ポリブタジエン、株式会社ダイセル製
KAYARAD DPHA: ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬株式会社製
2E4MZ: 2-エチル-4-メチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製
上記表中に示すように、実施例はいずれもガラス転移点(Tg)、及び線膨張係数(CTEα1)、解像性、密着性、強靭性、TCT(サーマルサイクルテスト)耐性、電気特性(絶縁抵抗値)の全ての特性においてバランス良く優れていることが確認された。これに対し、(C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物を含まない比較例1、2は銅やポリイミドに対する密着性が悪く、さらに比較例はガラス転移点(Tg)が低く、線膨張係数(CTEα1)が高いことが確認された。
また、実施例1〜15、および比較例1および2と異なり、実施例16〜20および比較例3および4では、各組成物に(D)ブロック共重合体を添加した。(D)ブロック共重合体を含む実施例16〜20では、TCT耐性が一貫して向上していることが確認された。

Claims (10)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂、
    (B)光塩基発生剤、および光重合開始剤の少なくとも一種、および
    (C)オキサゾリドン環を有する熱硬化性化合物、
    を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. さらに、(D)ブロック共重合体を含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(D)ブロック共重合体が下記式(I)

    X−Y−XまたはX−Y−X´ (I)

    (式中、XまたはX´はガラス転移点Tgが0℃以上のポリマー単位であり、Yはガラス転移点Tgが0℃未満のポリマー単位である)
    で表されることを特徴とする請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(D)ブロック共重合体のXまたはX´に極性基が含まれることを特徴とする請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(D)ブロック共重合体の重量平均分子量が10,000〜500,000であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、カルボキシル基含有樹脂、およびフェノール性水酸基含有樹脂の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. さらに、(E)反応性希釈剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を、フィルム上に塗布、乾燥して得られることを特徴とするドライフィルム。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物、または請求項8に記載のドライフィルムを光照射後熱硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
  10. 請求項9に記載の硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。
JP2015124456A 2014-09-30 2015-06-22 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板 Active JP5876182B1 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015124456A JP5876182B1 (ja) 2014-09-30 2015-06-22 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板
TW104124252A TWI664494B (zh) 2014-09-30 2015-07-27 Curable resin composition, dry film and cured product thereof, and printed wiring board having the same
KR1020150122377A KR102374061B1 (ko) 2014-09-30 2015-08-31 경화성 수지 조성물, 그의 드라이 필름 및 경화물, 및 이것을 갖는 프린트 배선판
CN201510640192.7A CN105467762B (zh) 2014-09-30 2015-09-30 固化性树脂组合物、其干膜和固化物、以及具有其的印刷电路板

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014202206 2014-09-30
JP2014202206 2014-09-30
JP2015124456A JP5876182B1 (ja) 2014-09-30 2015-06-22 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5876182B1 JP5876182B1 (ja) 2016-03-02
JP2016069625A true JP2016069625A (ja) 2016-05-09

Family

ID=55434720

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015124456A Active JP5876182B1 (ja) 2014-09-30 2015-06-22 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5876182B1 (ja)
KR (1) KR102374061B1 (ja)
CN (1) CN105467762B (ja)
TW (1) TWI664494B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016139127A (ja) * 2015-01-23 2016-08-04 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP2019045608A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP7066989B2 (ja) 2016-08-04 2022-05-16 Dic株式会社 酸基含有(メタ)アクリレート樹脂及びソルダーレジスト用樹脂材料

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6723788B2 (ja) * 2016-03-31 2020-07-15 太陽インキ製造株式会社 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
JP6767153B2 (ja) * 2016-04-25 2020-10-14 太陽インキ製造株式会社 ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
CN106832221B (zh) * 2017-02-17 2017-12-29 佛山市三求光固材料股份有限公司 含噁唑烷酮结构光固化热固化树脂、其制备方法及含有其的感光阻焊材料
JP6387444B1 (ja) * 2017-07-10 2018-09-05 太陽インキ製造株式会社 積層構造体、ドライフィルムおよびフレキシブルプリント配線板
CN114874658A (zh) * 2021-12-03 2022-08-09 佛山市西伦化工有限公司 一种抗蚀刻的uv油墨及其制备方法
CN115057973A (zh) * 2022-07-05 2022-09-16 浙江荣泰科技企业有限公司 一种高耐温浸渍树脂、制备方法及其用途

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5458215A (en) * 1977-10-18 1979-05-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd Portable sprayer
JP3322909B2 (ja) * 1991-08-15 2002-09-09 旭化成エポキシ株式会社 エポキシ樹脂組成物
JP2002169281A (ja) * 2000-09-20 2002-06-14 Showa Highpolymer Co Ltd 硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物
TWI228639B (en) * 2000-11-15 2005-03-01 Vantico Ag Positive type photosensitive epoxy resin composition and printed circuit board using the same
JP3391780B1 (ja) * 2001-09-28 2003-03-31 昭和高分子株式会社 感光性樹脂組成物
JP4501670B2 (ja) * 2004-12-15 2010-07-14 Dic株式会社 レジストインキ組成物
JP2007153978A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Nippon Shokubai Co Ltd 酸変性エポキシ(メタ)アクリレートおよび画像形成用感光性樹脂組成物
JP5129642B2 (ja) 2007-04-19 2013-01-30 三井金属鉱業株式会社 表面処理銅箔及びその表面処理銅箔を用いて得られる銅張積層板並びにその銅張積層板を用いて得られるプリント配線板
JP5253989B2 (ja) * 2008-12-18 2013-07-31 旭化成イーマテリアルズ株式会社 イソシアネート変性エポキシ樹脂
JP5216682B2 (ja) 2009-04-27 2013-06-19 太陽ホールディングス株式会社 光硬化性熱硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板
JP5847814B2 (ja) * 2011-06-17 2016-01-27 太陽インキ製造株式会社 光硬化性熱硬化性樹脂組成物
JP5458215B1 (ja) * 2013-03-11 2014-04-02 太陽インキ製造株式会社 光硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにそれらを用いて形成された硬化皮膜を有するプリント配線板
JP5729495B2 (ja) * 2014-01-24 2015-06-03 日立化成株式会社 感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、ソルダーレジスト及びプリント配線板

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016139127A (ja) * 2015-01-23 2016-08-04 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP7066989B2 (ja) 2016-08-04 2022-05-16 Dic株式会社 酸基含有(メタ)アクリレート樹脂及びソルダーレジスト用樹脂材料
JP2019045608A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
KR20160038732A (ko) 2016-04-07
TWI664494B (zh) 2019-07-01
TW201619696A (zh) 2016-06-01
JP5876182B1 (ja) 2016-03-02
CN105467762A (zh) 2016-04-06
KR102374061B1 (ko) 2022-03-14
CN105467762B (zh) 2020-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5876182B1 (ja) 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルムおよび硬化物、並びにこれを有するプリント配線板
JP5043516B2 (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いて得られるプリント配線
TWI704169B (zh) 硬化性樹脂組成物,乾薄膜,硬化物及印刷電路板
JP5315441B1 (ja) 光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
JP5183425B2 (ja) 難燃性光硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板
WO2010016258A1 (ja) 難燃性光硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板
JP5854600B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP2018189851A (ja) 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物および電子部品
JP5043775B2 (ja) 難燃性光硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板
WO2017138379A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
JP5193565B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物及びその硬化物パターン、並びに該硬化物パターンを具備するプリント配線板
WO2011010457A1 (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP5113298B2 (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いて得られるプリント配線板
JP5852633B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、これを有するプリント配線板、及び硬化物の製造方法
JP5681243B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
WO2007077837A1 (ja) アルカリ現像可能な硬化性組成物及びその硬化物
JP4814134B2 (ja) 硬化性組成物及びその硬化物
TW201945844A (zh) 硬化性樹脂組成物、乾膜、硬化物,及電子零件
JP5575858B2 (ja) 難燃性光硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板
JP7405768B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物および電子部品
JP5433209B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板
JP2024065105A (ja) 硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物の硬化物の製造方法、ならびに該硬化物を備えるプリント配線板の製造方法
JP2005232283A (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5876182

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250