JP2016065337A - ポリエステル系複合繊維およびそれを用いた繊維構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融紡糸時の繊維内部のポリエステル系エラストマーとポリエステル間の融着を防ぎ、中空率のムラを抑制することで、操業性よく高い嵩高性と圧縮後回復性を持つ繊維構造物の提供。【解決手段】ポリエステル(A)と無機粒子を0.01〜5質量%含有するポリエステル系エラストマー(B)がサイドバイサイド型に配されている複合繊維であり、該複合繊維は繊維長手方向に中空部を有しているポリエステル系複合繊維。ポリエステル系エラストマー(B)に無機粒子を含有させることで溶融紡糸時の降温時の結晶化速度及び結晶化温度を高め、繊維内部のポリエステル系エラストマー(B)とポリエステル(A)間の融着を防ぎ、中空率のムラを抑制するポリエステル系複合繊維の製造方法【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエステル系複合繊維およびそれを用いた繊維構造物に関するものである。
従来、掛布団や敷布団の寝装寝具、ダウンジャケットおよびシュラフの詰綿等としてポリエステル系繊維が広く用いられている。ポリエステル系繊維は、嵩高性に優れ、繊維製造時の製糸性、不織布等の製品に加工する際の加工性が良好である。しかしながら、製品を長期使用するとへたっていき、嵩高が低下するという課題があった。
この課題点を解消するために、ポリエステル系繊維を樹脂や低融点ポリマーで接着した樹脂綿や固綿などが提案されたが、この提案の場合、接着力が弱い、接着部の耐久性が低く使用中に接着点が破壊され形態が大きく変化し、反撥性が大きく低下する、接着剤が固く成形されるためクッション性の乏しいものしか得られない等の欠点があった。一方、ポリエステル系エラストマーのような高弾性ポリマーからなる繊維が提案されたが、この提案の場合は、弾性回復性に優れているものの、摩擦や収縮特性から製糸工程や製品加工工程での工程不良の課題があった。
上記の課題を解決すべく、製糸性、加工性や嵩高性に優れるポリエステルと、弾性があり回復性に優れるポリエステル系エラストマーからなる複合繊維が提案されている。
例えば、低融点ポリエステル系エラストマーとポリエステルからなる中空サイドバイサイド複合繊維が提案されている(特許文献1参照)。この複合繊維を用いた繊維集合体は繊維長手方向の中空部に起因した高い嵩高性と圧縮後回復性が得られる。しかしながら、ポリエステル系エラストマー特有の高い弾性により、溶融紡糸直後のガイド類通過時にポリエステル系エラストマー側が大きくひしゃげてしまい、繊維内部のポリエステル系エラストマーとポリエステル間で単数個または複数個の融着を起こし、中空率のムラが大きくなってしまう課題があった。
そこで本発明の目的は、繊維内部のポリエステル系エラストマーとポリエステル間の融着を防ぎ、中空率のムラを抑制することで、操業性よく高い嵩高性と圧縮後回復性を持つ繊維構造物を提供することにある。
本発明者等は、溶融紡糸時の降温時の結晶化速度および結晶化温度に着目し、鋭意努力の結果、低融点ポリエステル系エラストマーに無機粒子を含有させることで、溶融紡糸時の降温時の結晶化速度および結晶化温度を高め、繊維内部のポリエステル系エラストマーとポリエステル間の融着を防ぐことができることを見出した。
すなわち、本発明は、上記目的を達成せんとするものであって、本発明のポリエステル系複合繊維は、ポリエステル(A)と、ポリエステル系エラストマー(B)がサイドバイサイド型に配されている複合繊維であり、該複合繊維は繊維長手方向に中空部を有しており、該ポリエステル系エラストマー(B)は無機粒子を0.01〜5質量%含有していることを特徴とするポリエステル系複合繊維である。
本発明のポリエステル系複合繊維の好ましい態様によれば、前記ポリエステル系エラストマー(B)の融点と前記ポリエステル系エラストマー(B)の結晶化温度の差が40℃以下である。
本発明のポリエステル系複合繊維の好ましい態様によれば、前記ポリエステル(A)の 融点は前記ポリエステル系エラストマー(B)の融点より20℃以上高い。
本発明のポリエステル系複合繊維の好ましい態様によれば、繊維横断面における前記中空部の中空率は5〜50%である。
本発明のポリエステル系複合繊維の好ましい態様によれば、前記のポリエステル(A)と前記のポリエステル系エラストマー(B)の割合は、質量比で(A)/(B)=90/10〜40/60の範囲である。
また、本発明の繊維構造物は、複数のポリエステル系短繊維によって構成される繊維構造物において、前記のポリエステル系複合繊維が混綿されてなる繊維構造物である。
本発明の繊維構造物の好ましい態様によれば、前記のポリエステル系複合繊維同士が交絡し、その交点がポリエステル系エラストマー(B)によって熱接着されている、または/および前記のポリエステル系複合繊維と他のポリエステル系短繊維が交絡し、その交点がポリエステル系エラストマー(B)によって熱接着されていることである。
本発明の繊維構造物の好ましい態様によれば、前記のポリエステル系短繊維と前記のポリエステル系複合繊維との割合は、質量比で、ポリエステル系短繊維/ポリエステル系複合繊維=99/1〜70/30である。
本発明によれば、繊維内部のポリエステル系エラストマーとポリエステル間の融着を抑制し、中空度を損なうことなく、良好な嵩高性、圧縮後回復性に寄与するポリエステル系複合繊維およびその複合繊維を用いた繊維構造物を得ることができる。
本発明のポリエステル系複合繊維は、ポリエステル(A)と無機粒子を0.01〜5質量%含有するポリエステル系エラストマー(B)がサイドバイサイド型に配されている複合繊維であり、該複合繊維は繊維長手方向に中空部を有していることを特徴とするポリエステル系複合繊維である。
本発明で用いられるポリエステル(A)は、繊維形成能を有していれば良い。ポリエステル(A)として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられるが、好ましくはポリエチレンテレフタレートである。
また、本発明で用いるポリエステル系エラストマー(B)は、結晶性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールまたは非晶性ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体であれば良い。ハードセグメントとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリブチレンナフタレートなどが、また、ソフトセグメントとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびポリヘキサメチレングリコールなどが挙げられるが、好ましくはハードセグメントがポリブチレンテレフタレートであり、ソフトセグメントがポリテトラメチレングリコールである。
ポリエチレンテレフタレートは、ポリエステル系エラストマーとの界面親和性が良好であるため、ポリエステル系エラストマーとポリエステルとの層間の接着性が良い。
ポリエステル(A)の最適な固有粘度(IV:オルソクロロフェノール溶媒を用いて、25℃の温度で測定)は、0.60〜0.75であり、より好ましくは0.64〜0.72である。
ポリエステル系エラストマー(B)は上記のような共重合組成であることにより、結晶性を有するものであるが、無機粒子を含有することによって降温時の結晶化速度および結晶化温度を向上させることができ、溶融紡糸工程において、繊維内部中空部分の融着、単糸間の融着を生じることなく、操業性よく紡糸することが可能となる。
ポリエステル系エラストマー(B)は、ポリエステル系エラストマー(B)の質量に対して無機粒子を0.01〜5質量%含有するものであり、好ましくは0.5〜3質量%が好ましい。
無機粒子の含有量が0.01質量%未満であると、降温時の結晶化速度および結晶化温度を向上させることができない場合がある。一方、5質量%を超えると、無機粒子の含有量が多くなりすぎ、紡糸、延伸時の操業性が悪化する傾向がある。
また、本発明のポリエステル系複合繊維の好ましい態様によれば、前記ポリエステル系エラストマー(B)の融点と結晶化温度の差が40℃以下である。より好ましくは前記ポリエステル系エラストマー(B)の融点と結晶化温度の差が30℃以下である。ポリエステル系エラストマー(B)の融点と結晶化温度の差が小さいほど、溶融紡糸後結晶化までの時間が短く、繊維内部の中空部の融着や繊維間の融着を抑制する効果がある。前記ポリエステル系エラストマー(B)の融点と結晶化温度の差が40℃を超える場合、溶融紡糸の際に結晶化が始まるのが遅く、繊維内部または繊維間で融着を起こす場合がある。
無機粒子としては、無機系微粒子や、硫酸塩等を使用することが好ましい。
無機系微粒子としては、中でもタルクなどの珪素酸化物を主成分としたものが好ましく、平均粒径3μm以下もしくは比表面積15m2/g以上の無機系微粒子を用いることが好ましい。上記平均粒径もしくは比表面積を満足していない場合、結晶化速度および結晶化温度向上の機能に乏しく、本発明のポリエステル複合短繊維として後述する(1)式を満足することが困難となる傾向がある。
無機系微粒子として含有させる硫酸塩は、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウムなどを挙げることができ、中でも結晶化速度および結晶化温度向上の効果の点から、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウムが好ましい。
これらの無機粒子を添加する方法としては、粉体のまま、あるいはジオールスラリーの形態でポリエステル系エラストマーを製造する際の任意の段階で添加すればよい。中でも、結晶化速度および結晶化温度向上の効果を良好なものとするには、エチレングリコール等のグリコールにスラリー状態あるいは溶解させた状態で添加することが好ましい。
本発明で用いられるポリエステル(A)およびポリエステル系エラストマー(B)には、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてのヒンダードフェノール誘導体、着色顔料、安定剤、蛍光剤、抗菌剤、消臭剤、強化剤、および難燃剤などを添加してもよい。
ポリエステル(A)の融点は、繊維構造物製造時に熱接着させる際に融解しない必要があるため、好適には220℃以上280℃以下であることが適当である。
また、ポリエステル系エラストマー(B)の融点は、低すぎると耐熱性が低下し、高すぎると繊維構造物製造時、熱接着しにくくなるため、90℃以上220℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは120℃以上185℃以下の範囲が適当である。
本発明のポリエステル系複合繊維の好ましい態様によれば、ポリエステル(A)の融点がポリエステル系エラストマー(B)の融点よりも20℃以上高いことが好ましく、30℃以上高いことがより好ましい。ポリエステル(A)とポリエステル系エラストマー(B)の融点差が20℃未満となる場合、加工時にポリエステル系エラストマー(B)のみを溶融させる熱処理温度のコントロールが困難となりやすい。
融点および結晶化温度は、PerkinElmer社製、Diamond DSCを使用し、昇温速度20℃で測定、融解ピーク温度、および結晶化ピーク温度で求めた。
本発明のポリエステル系複合繊維は、ポリエステル(A)とポリエステル系エラストマー(B)とが、サイドバイサイド型に配し、かつ繊維断面内側に中空を有する形態が好ましい態様である。
本発明の複合繊維は、繊維長手方向に中空部を有し、繊維長手方向に垂直の方向、すなわち繊維横断面で見た場合には、繊維断面の内部に空洞部を有する。空洞部は、繊維中心に位置していても良いし、中心からずれて位置する偏心でも良いが、好ましくは繊維中心に位置するのが良い。さらには、空洞部の断面形状は、丸形や多角形等のいずれの形状でも良い。
本発明のポリエステル系複合繊維は、繊維横断面における面積割合として、その中空部の中空率が5〜50%であることが好ましく、より好ましくは15〜40%である。中空率が5%未満の場合には、嵩高性と圧縮後回復性への寄与が少なく、また、中空率が50%を超えると製糸が困難となる傾向がある。この中空率は、繊維横断面拡大写真によって、中空部分を含めた繊維断面の全面積に対する中空部分面積の割合を算出し、%で表示することができる。
本発明のポリエステル系複合繊維は、ポリエステル(A)とポリエステル系エラストマー(B)の割合が、質量比で(A)/(B)=40/60〜90/10の範囲であることが好ましく、より好ましくは質量比で(A)/(B)=50/50〜80/20の範囲である。
ポリエステル系エラストマー(B)の割合が10質量%未満になると、熱接着性と圧縮後回復性に劣る場合があり、また、60質量%を超えると、嵩高性が低下し、さらに摩擦や収縮特性の問題から、製糸も困難となる場合がある。
また、本発明の複合繊維の単糸の断面形状は特に限定するものではなく、丸型のみならず扁平型、トリローバル型等の異形断面や四角形や三角形等の多角形状のものでもよい。
本発明のポリエステル系複合繊維の単繊維繊度は、0.7〜15.0dtexの範囲であることが好ましく、より好ましくは1.5〜7.0dtexである。
本発明のポリエステル系複合繊維の繊維長は、他繊維との絡合性やカード工程通過性等の観点から、好ましくは10〜80mmであり、より好ましくは30〜70mmである。
本発明のポリエステル系複合繊維は、例えば、ポリエステル(A)とポリエステル系エラストマー(B)を用いて、複合溶融紡糸装置によって複合断面となる口金孔から230〜300℃の温度で200〜500g/分の吐出量、900〜1700m/分の速度で巻き取り、未延伸糸を得る。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率2.0〜4.0倍、延伸温度70〜100℃で延伸、捲縮を付与、仕上げ油剤水溶液をスプレーで付与し、45〜170℃の温度で5〜30分乾燥した後、切断して得ることができる。
また、上述した本発明のポリエステル系複合繊維を用いて繊維構造物が提供される。
繊維構造物は本発明のポリエステル系複合繊維単独で構成されるものでもよいが、複数のポリエステル系短繊維によって構成される繊維構造物において、本発明のポリエステル系複合繊維が混綿されている繊維構造物がより好ましい。
繊維構造物は本発明のポリエステル系複合繊維単独で構成されるものでもよいが、複数のポリエステル系短繊維によって構成される繊維構造物において、本発明のポリエステル系複合繊維が混綿されている繊維構造物がより好ましい。
本発明のポリエステル系複合繊維と他のポリエステル系短繊維とを混合する方法としては、例えば、各々の短繊維を積層して開繊機を通過させた後に、風送および/またはカード機で混合する方法を採用することができる。また、短繊維とする前のトウ同士を重ねて同時にカットすることにより混合させた後、開繊機を通過させ、風送および/またはカード機で混合する方法を採用してもよい。
このようにして得られる繊維構造物用混合原綿は、本発明で得られるポリエステル系複合繊維の内、ポリエステル系エラストマー(B)部分の融点以上、ポリエステル(A)部分の融点未満の温度で熱処理され、ポリエステル系複合繊維同士が交絡した交点がポリエステル系エラストマー(B)によって熱接着されている、または/およびポリエステル系複合繊維と他のポリエステル系短繊維が交絡した交点がポリエステル系エラストマー(B)により熱接着されて、繊維構造物が製造される。この熱処理は、任意の段階で行うことができる。
上記熱接着点では、ポリエステル系エラストマー(B)が接着剤としての役割を果たしており、ポリエステル系エラストマー(B)はゴム弾性を持つため、接点でのゴム弾性が発現し、圧縮後回復性に寄与する。
また、上記熱接着されている交点では、ポリエステル系複合繊維においてポリエステル系エラストマー(B)の大部分が熱により融かされ、ポリエステル(A)のみが残り、アルファベットのCが連なった様な状態となっている箇所があり、その箇所は嵩高性に寄与し、圧縮後回復性に寄与する。
さらには、繊維交点において各繊維同士が熱接着されているため、得られた繊維構造物を長期使用した場合の圧縮後回復性の低下も少ない。
本発明のポリエステル系複合繊維は、圧縮された場合に、接着点以外においてもポリエステル系エラストマー(B)部分自体が持つ弾性力により、圧縮から解放された際に速やかに元の形状に戻るため、繊維構造物においても圧縮後回復性に優れている。
本発明のポリエステル系複合繊維を用いた繊維構造物において、他のポリエステル系短繊維と本発明のポリエステル系複合繊維との割合が、質量比でポリエステル系短繊維/本発明のポリエステル系複合繊維=99/1〜70/30の範囲であることが好ましい。繊維構造物において、本発明のポリエステル系複合繊維が入っていることは必須であり、多すぎると初期嵩高が低くなってしまうことがある。より好ましい範囲は、質量比でポリエステル系短繊維/本発明のポリエステル系複合繊維=97/3〜80/20の範囲である。
また、繊維構造物には本発明のポリエステル系複合繊維が含まれていれば良く、さらには、混綿する他のポリエステル系短繊維は1品種以上であれば良く、好ましくは1〜4品種である。
他のポリエステル系短繊維を構成するポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリブチレンナフタレートなどが挙げられるが、好ましくはポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートである。また、他のポリエステル系短繊維の単繊維繊度は、0.5〜20dtexが好ましく、より好ましくは0.7〜10dtexである。
本発明のポリエステル系複合繊維を用いた繊維構造物の形態は、丸、四角および三角など、どの形をとっていても良く、側地などに入れても良い。本発明の繊維構造物は、ダウンジャケット、シュラフ、寝具およびクッションなどの用途に好適に用いられる。
次に、本発明のポリエステル系熱複合繊維について、実施例を用いて詳細に説明する。
1.融点、結晶化温度
前記の方法により測定した。
2.中空率
前記の方法により測定した。
3.紡糸操業性
下記の3段階で評価した。
○:紡糸時の糸切れ回数が2回/トン以下である。
×:紡糸時の糸切れ回数が3回/トン以上である。
4.融着性
繊維の断面写真にて単繊維100本を観察したときの繊維内部のポリエステル系エラストマーとポリエステル間で単数個または複数個融着を起こしている単繊維の数で評価した。下記の3段階で評価した。
○:融着を起こしている単繊維の数が1個以下である。
×:融着を起こしている単繊維の数が2個以上である。
1.融点、結晶化温度
前記の方法により測定した。
2.中空率
前記の方法により測定した。
3.紡糸操業性
下記の3段階で評価した。
○:紡糸時の糸切れ回数が2回/トン以下である。
×:紡糸時の糸切れ回数が3回/トン以上である。
4.融着性
繊維の断面写真にて単繊維100本を観察したときの繊維内部のポリエステル系エラストマーとポリエステル間で単数個または複数個融着を起こしている単繊維の数で評価した。下記の3段階で評価した。
○:融着を起こしている単繊維の数が1個以下である。
×:融着を起こしている単繊維の数が2個以上である。
(実施例1)
ポリエステル系複合繊維として、ポリエステル(A)とポリエステル系エラストマー(B)をサイドバイサイド型に配し、かつ中空を有する複合繊維(ポリエステル(A)とポリエステル系エラストマー(B)の複合比は、質量比で50:50)を、下記の方法で製造した。
ポリエステル系複合繊維として、ポリエステル(A)とポリエステル系エラストマー(B)をサイドバイサイド型に配し、かつ中空を有する複合繊維(ポリエステル(A)とポリエステル系エラストマー(B)の複合比は、質量比で50:50)を、下記の方法で製造した。
ポリエステル(A)としてIVが0.65であるポリエチレンテレフタレート(融点260℃)を、ポリエステル系エラストマー(B)としてタルクを0.5重量%含有し、ポリブチレンテレフタレートのハードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソフトセグメントによるブロック共重合体(融点175℃、結晶化温度150℃)とを、それぞれ溶融し、中空複合繊維となる吐出孔(スリット幅0.10mmのスリット4つが円周上に配置されている吐出孔)を300孔有する紡糸口金を通して紡糸温度275℃、吐出量300g/分で溶融紡糸し、口金から紡糸された繊維に、20℃の温度の空気を80m/分の流れで吹き付けて冷却させた後、非イオン系の紡糸油剤を付与し、引き取り速度1100m/分で一旦、缶に納めることにより未延伸糸トウを得た。次いで、得られた未延伸糸トウを2.83倍の延伸倍率で、温度90℃の液浴を用いて1段延伸を施し、スタフィングボックスを用いて10山/25mmの機械捲縮を付与し、85℃の温度で15分乾燥し、長さ44mmに切断して、単繊維繊度が3.3dtex、繊維長が38mm、中空率17%のポリエステル系複合繊維を製造した。
得られたポリエステル系複合繊維は紡糸操業性、融着性ともに優れるものであった。結果を表1に示す。
(実施例2〜3)
タルクの添加量を、表1に示す含有量に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。
タルクの添加量を、表1に示す含有量に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。
得られたポリエステル系複合繊維は紡糸操業性、融着性ともに優れるものであった。結果を表1に示す。
(実施例4)
ポリエステル(A)としてIVが0.65であるポリエチレンテレフタレート(融点230℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。結果を表1に示す。
ポリエステル(A)としてIVが0.65であるポリエチレンテレフタレート(融点230℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
ポリエステル系エラストマー(B)を、ポリブチレンテレフタレートのハードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソフトセグメントによるブロック共重合体(融点190℃、結晶化温度170℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。結果を表1に示す。
ポリエステル系エラストマー(B)を、ポリブチレンテレフタレートのハードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソフトセグメントによるブロック共重合体(融点190℃、結晶化温度170℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。結果を表1に示す。
得られたポリエステル系複合繊維は紡糸操業性、融着性ともに優れるものであった。結果を表1に示す。
(比較例1)
タルクの添加量を、表1に示す含有量に変更し、ポリエステル系エラストマー(B)を、ポリブチレンテレフタレートのハードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソフトセグメントによるブロック共重合体(融点175℃、結晶化温度133℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。
タルクの添加量を、表1に示す含有量に変更し、ポリエステル系エラストマー(B)を、ポリブチレンテレフタレートのハードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソフトセグメントによるブロック共重合体(融点175℃、結晶化温度133℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。
得られたポリエステル系複合繊維の中空率は14%であり、実施例1に比べて乏しく、紡糸操業性、融着性ともに悪いものであった。結果を表1に示す。
(比較例2)
タルクの添加量を表1に示す含有量に変更し、ポリエステル系エラストマー(B)を、ポリブチレンテレフタレートのハードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソフトセグメントによるブロック共重合体(融点175℃、結晶化温度153℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。
タルクの添加量を表1に示す含有量に変更し、ポリエステル系エラストマー(B)を、ポリブチレンテレフタレートのハードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソフトセグメントによるブロック共重合体(融点175℃、結晶化温度153℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。
得られたポリエステル系複合繊維は、融着性に優れるが、紡糸操業性は悪いものであった。結果を表1に示す。
Claims (5)
- ポリエステル(A)と、ポリエステル系エラストマー(B)がサイドバイサイド型に配されている複合繊維であり、該複合繊維は繊維長手方向に中空部を有しており、該ポリエステル系エラストマー(B)は無機粒子を0.01〜5質量%含有していることを特徴とするポリエステル系複合繊維
- 前記ポリエステル系エラストマー(B)の融点と前記ポリエステル系エラストマー(B)の結晶化温度の差が40℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系複合繊維。
- 前記ポリエステル(A)の融点が前記ポリエステル系エラストマー(B)の融点よりも20℃以上高いことを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系複合繊維。
- 繊維横断面における前記中空部の中空率が5〜50%である請求項1に記載のポリエステル系複合繊維。
- 請求項1記載のポリエステル系複合繊維を用いた繊維構造物。
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