JP2016064935A - 水素デリバリーシステム、そのための水素ステーションおよび水素発生設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素ステーションで簡易に水素を製造することで、水素ステーションへの高圧の水素輸送の回数を低減する。
【解決手段】メタル鉄供給基地から、水素発生設備を備えた水素ステーションまで、多孔質または粉状のメタル鉄を気密に装填してなるコンテナを用いてメタル鉄を搬送する工程A、そのメタル鉄を用いて該水素発生設備で水素を製造し、得られた水素を該水素ステーションで顧客に販売する工程B、および工程Bで生成した反応後の酸化鉄含有コンテナをメタル鉄供給基地に回送する工程Cからなる水素デリバリーシステムであって、前記の工程Bにおいて、該水素発生設備における反応室として該メタル鉄装填ままのコンテナを適用すること、そしてこの反応室に温水、水蒸気または過熱水蒸気の一種または二種以上を供給して水素を生成すること、を特徴とする水素デリバリーシステムである。
【選択図】図1
【解決手段】メタル鉄供給基地から、水素発生設備を備えた水素ステーションまで、多孔質または粉状のメタル鉄を気密に装填してなるコンテナを用いてメタル鉄を搬送する工程A、そのメタル鉄を用いて該水素発生設備で水素を製造し、得られた水素を該水素ステーションで顧客に販売する工程B、および工程Bで生成した反応後の酸化鉄含有コンテナをメタル鉄供給基地に回送する工程Cからなる水素デリバリーシステムであって、前記の工程Bにおいて、該水素発生設備における反応室として該メタル鉄装填ままのコンテナを適用すること、そしてこの反応室に温水、水蒸気または過熱水蒸気の一種または二種以上を供給して水素を生成すること、を特徴とする水素デリバリーシステムである。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気自動車の燃料電池に水素を補給するための水素デリバリーシステムに係り、詳しくは、水素生産工場から各水素ステーションに水素ガスを供給する量と、各水素ステーションで製造する自製水素量のバランスを図りながら、地域差や車数などの変動要因に経済的に有利に対応できるようにした水素デリバリーシステム、並びにそのための水素ステーションおよび水素発生設備に関する。
水素燃料電池で発電して電動機を駆動する電気自動車の普及には、電気自動車それ自身の性能アップはもとより、適切な水素供給体制の構築が不可欠である。すなわち、車載の燃料タンクに水素を適宜充填できるような水素ステーションを、従来のガソリンスタンドと併用或は独立して設置することが欠かせない。
このために、工場生産された水素を水素トレーラーやローダー等で水素ステーションに搬送し、そこに設置された蓄圧器からデイスペンサーを経て車載燃料タンクに補給する、いわゆるオフサイト方式による水素デリバリーシステムと、水素ステーションに水素発生装置を建設して水素を自製し、その水素を水素圧縮機→蓄圧器→デイスペンサーを経て該燃料タンクに補給する、いわゆるオンサイト方式による水素デリバリーシステムが提案され、いずれも水素圧40MPaおよび70MPaでの車載燃料タンクへの供給システムとして、我が国でも試験的に稼働された。
オフサイトおよびオンサイト方式とも一長一短があるが、オフサイト方式では、水素トレーラー、ローダー、カードル等による搬送では、一回の搬送量に限界がある点が指摘されている。例えば水素ステーションにおいて1日200台程度の車に水素を供給しようとすると、余程大型車両にするか高圧輸送でなければ、1日2−3回の搬送では間に合わず、頻繁な搬送を余儀なくされることが予想される。頻繁な搬送では、搬送時の事故による危険回避のための対策も重要課題となるほか、搬送費用も嵩むことになる。大型車両や高圧輸送にも限界があるので、この点の課題が懸案となっている。
他方、オンサイト方式では、水素ステーションまたはその近傍に水素発生設備を据え付けるのであるから、その設備は、簡易かつ安全に水素が製造できる装置構成を必要とするほか、経済的かつ省資源的に運用できるものでなければならず、その規模の大小にも柔軟に対応できることが必要となる。水素ステーションに設置する水素発生設備の代表的なものに、都市ガス/LPG分解法やメタノール分解法に代表される各種炭化水素含有ガスを改質して水素を生成する方式と、水の電気分解で水素を発生する方式が提案されている。両方式ともそれぞれ長短があるが、ガス改質方式では同伴する水素以外の成分を除去するための設備(通常はPSA装置:pressure swing adsorptionが適用される)を必要とすること、Off Gasの処理設備を要すること、設備の小型化には限界があることなどから、比較的規模の大きな水素ステーション用としての適用が期待されている。反面、小規模の水素ステーションへの適用は経済的にも運用面でも問題が多く、さらなる技術改良が求められている。水の電解方式では、理想的には自然エネルギーによる発電方式との組み合わせによる省エネルギー運転が期待されているが、現状では購入電力での稼働が余儀なくされており、石化資源の低減(well to wheel)を目的とする水素社会の実現には、電力→電解→水素→燃料電池→車載モータ駆動の多段階ステップの効率向上に一層の技術開発が必要とされている。
このような状況から、工場生産の水素の搬送量を減らして、水素ステーション側での事情(地域差、車数、車種、人口密度などの違いや変動)に応じて、水素ステーションに設置した水素発生設備において適量の水素を生産するシステムも検討されている。オフサイト方式とオンサイト方式の組み合わせで対応しようとする提案である。この場合に要求されるのは、地域差などによる水素ステーションの事情がどうであろうとも、出来得るならば全国的に同じ原理で簡易に駆動する水素発生設備を各水素ステーションに設置することである。ガス改質方式や電解方式の水素発生設備も検討されているものの、水素ステーションの各々の事情に応じて適応できるような画一的なシステムの実現には困難が予想される。このため、水素発生設備を備えた水素ステーションを全国的に分布させることは簡単なことではなく、ガソリンスタンドのように全国的な各所に規格的に普及し得るような具体的な水素デリバリーシステムを実現しようにも、多くの解決されるべき課題が残されている。だが、取扱い易く安価な水素製造原料を用いて小規模でも安全かつ簡便に水素を製造できるならば、その実現のために貢献できると考えられる。
数ある水素製造法のうちの一つとして、安価で入手が容易な鉄と水を用いる方法,すなわち、鉄またはFeOの水蒸気酸化による水素の製造法(Steam-Iron法)がある。このうち、下記(1)式に従う鉄の水素蒸気酸化を、鉄微粉や多孔質のメタル鉄を用いて行なう方法は、比較的低温で水が分解して水素が発生する。
3Fe+4H2O(g) → Fe3O4+2H2(g) …(1)
3Fe+4H2O(g) → Fe3O4+2H2(g) …(1)
例えば非特許文献1には、Fe3O4のナノ粒子を還元して得たナノ鉄粉を(1)式の反応で水素を発生させ、得られたFe3O4を再び還元するという酸化還元サイクルを500℃以下で行う方法が記載されている。
特許文献1には、海綿鉄を粉砕したときに、その粉砕直後の粒子の表面が活性状態にあることから、その粉砕直後または粉砕と同時に水と接触させると水素が発生しやすくなる現象を利用して、ボールミル内に海綿鉄と水を装入して非酸素下で微粉砕することにより水素を発生させる方法が記載されている。特許文献2には、粒子の内外連通の細孔をもつスポンジ状の鉄粒子からなる比表面積の大きな水素発生媒体が記載されており、このスポンジ状の構造をもつ水素発生媒体によれば400〜650℃の温度に加熱して水蒸気と反応させると良好な収率で水素を製造できると記載されている。
Otsuka C. et al. Int. Hydrogen Energy (2003), 28, p335-342
非特許文献1に記載の方法は、水素発生反応と生成した酸化鉄の還元反応とを、同じ設備と温度範囲で行う酸化還元サイクルを実現しようとするものである点で、各水素ステーションでこの方法を実施するには設備的にも負担が大きくなり運転の操作・管理も煩雑になる。また、ナノ領域の酸化鉄の還元時の焼結を防止するために添加する焼結防止剤が前記(1)式の反応効率や水素収率を低下させるし、焼結が完全に防止できないとサイクル進行ごとに水素収率が低下して、水素ステーションにおけるメインテナンスが怠れない。
特許文献1の方法では、海綿鉄を機械的に粉砕しながら反応させるのであるから、この方法を各所の水素ステーションで実施するには、粉砕機とその付帯設備が煩雑になり運転と制御を完全に自動化するための費用が嵩むし、ガス漏れ対策や防音対策なども必要になる。特許文献2に記載のスポンジ状の鉄粒子は水蒸気と反応させると良好に水素を発生するとしても、それには400〜650℃の反応温度を必要としている。そして特許文献2には、このスポンジ状水素媒体を用いて、どのようにして安全かつ経済的な水素デリバリーシステムを構築するかについての教示はない。
したがって本発明の課題は、電気自動車の燃料電池に水素を補給する水素ステーションを全国的に建設して水素ガスを電気自動車に販売する水素デリバリーシステムを一層普及させるべく、オフサイト方式による一回当たりの水素搬送量の限界の問題を回避すること、そして、水素ステーションの事情に応じて各水素ステーションで簡易かつ経済的に水素ガスを製造し販売できるような水素デリバリーシステムを実現することにある。
そのために本発明によれば、メタル鉄供給基地から、水素発生設備を備えた水素ステーションまで、多孔質または粉状のメタル鉄を気密に装填してなるコンテナを用いてメタル鉄を搬送する工程A、そのメタル鉄を用いて該水素発生設備で水素を製造し、得られた水素を該水素ステーションで顧客に販売する工程B、および工程Bで生成した反応後の酸化鉄含有コンテナをメタル鉄供給基地に回送する工程Cからなる水素デリバリーシステムであって、前記の工程Bにおいて、該水素発生設備における反応室として該メタル鉄装填ままのコンテナを適用すること、そして、この反応室に温水、水蒸気または過熱水蒸気の一種または二種以上を供給して水素を生成すること、を特徴とする水素デリバリーシステムを提供する。この水素デリバリーシステムは、前記の工程Cで回送された酸化鉄含有のコンテナ(反応済コンテナと言う)を、多孔質または粉状のメタル鉄を気密に装填されたコンテナ(反応用コンテナと言う)に再生するコンテナ再生工場をメタル鉄供給基地の内または外に設け、その酸化鉄からメタル鉄への還元処理には、水素ガスを用いて固相還元を行う水素デリバリーシステムとすることができる。また、反応済コンテナから再生したメタル鉄とは別に、新たな多孔質または粉状のメタル鉄を気密に装填したコンテナ(新反応性コンテナという)を作製するさいには、新反応性コンテナに装填される新たなメタル鉄として炭素含有量が0.1質量%以下のものを用いるのがよい。
さらに本発明によれば、水素発生設備、水素圧縮機、蓄圧器およびデイスペンサーを備えた水素ステーションにおいて、前記の水素発生設備が、メタル鉄を気密に装填してなるコンテナを着脱可能にセットして構成される反応帯域と、この反応帯域のコンテナと水源とを接続する配管路と、そして該配管路に介装される温水器、水蒸気発生装置または過熱水蒸気発生装置の一種または二種以上とからなり、この水素発生設備で得られる水素を前記の水素圧縮機に導く構成とした水素ステーションを提供する。さらに、水素発生設備、水素圧縮機、蓄圧器およびデイスペンサーを備えた水素ステーションにおいて、前記の水素発生設備が、メタル鉄を気密に装填してなるコンテナを着脱可能にセットして構成される反応帯域と、この反応帯域のコンテナと水源とを接続する配管路と、そして該配管路に介装される温水器、水蒸気発生装置または過熱水蒸気発生装置の一種または二種以上とからなり、この水素発生設備で得られる水素を前記の水素圧縮機に導く構成としたうえ、さらに外部から当該水素ステーションに搬入される水素を前記の水素圧縮機または蓄圧器に導く構成とした水素ステーションを提供する。
さらに本発明によれば、電気自動車に水素ガスを供給する水素ステーションに付設される水素発生設備であって、容器内にメタル鉄を気密に装填してなるコンテナが脱着可能にセットされる反応帯域と、この反応帯域と水源とを接続する配管路と、該配管路に介装される温水器、水素発生装置または過熱水蒸気発生装置の一種または二種以上とからなる、水素ステーション用の水素発生設備を提供する。この水素発生設備では、その反応帯域のガス出側の管路において、少なくとも水分離器、水素圧縮機および蓄圧器が備えられる。
本発明によると、水素ステーションへの水素搬送量を低減できる結果、大型車両による高圧水素の頻繁な搬送を回避できる。また、水素の搬送はメタル鉄に置き換えられるので、水素搬送時の危険が回避される。そして、水素ステーションごとの事情による必要水素量の違いに対しても、同じ規格の反応性コンテナを用いて自製水素量を簡便に補給できる。
図1に図解的に示したように、本発明の水素デリバリーシステムは、メタル鉄供給基地1から、水素発生設備を備えた水素ステーション2まで、多孔質または粉状のメタル鉄を気密に装填してなるコンテナ3を用いて鉄粉粒体を搬送する工程A、そのメタル鉄を用いて該水素発生設備で水素を製造し、得られた水素を該水素ステーションで顧客に販売する工程B、および工程Bで生成した反応後の酸化鉄含有のコンテナ3をメタル鉄供給基地1に回送する工程Cからなり、これらの工程A、BおよびCを適切なコンテナ3を用いて連携して実施する。すなわち、前記(1)式の反応物であるメタル鉄(Fe)の搬送と生成物の酸化鉄(Fe3O4)の回送をコンテナ3で行い、(1)式の反応を該コンテナ3内で実施する。他方の反応物である水、水蒸気または過熱水蒸気(H2O)は水素ステーションで現地調達し、他方の生成物である水素(H2)は水分離のあと圧縮して販売する。反応物のメタル鉄(Fe)の搬送と生成物の酸化鉄(Fe3O4)の回送に用いるコンテナ3は、これを水素ステーションの水素発生設備にセットするときに、その形状・寸法・構造がその設備の反応帯域に適応するように画定してあり、メタル鉄装填ままのコンテナ自身を水素発生設備の反応室として機能させる。
このため、メタル鉄が気密に装填されたコンテナを、本明細書において“反応用コンテナ”と略称し、また、水素発生設備の反応帯域から外された酸化鉄含有のコンテナを、“反応済コンテナ”と略称する。また、反応済コンテナ内の酸化鉄から還元した還元鉄(多孔質または粉状のメタル鉄)を装填するのではなく、これとは別に、新たな多孔質または粉状のメタル鉄を用いてこれを気密に装填したコンテナを“新反応性コンテナ”という。
メタル鉄供給基地1は、該コンテナを必要とする各水素ステーションからの要求に対処できる規模および設備を備えた体制とするが、単なるコンテナの集配業務のみならず、回収されてくる反応済コンテナから反応用コンテナへの再生を担う基地として機能させるのが望ましい。
本発明のビジネスモデルでは、この再生技術として、該コンテナを酸化鉄のメタル鉄への還元反応を行わせる反応室として利用する再生法、または該コンテナから酸化鉄をいったん取り出して還元炉装入原料としてメタル鉄とする再生法を採用できる。いずれの再生法も、その規模の大小はあるにせよ、酸化鉄の還元設備で再生することになるが、かような還元設備を持つコンテナ再生工場はメタル鉄供給基地内または外に設けることができる。
前者のコンテナを反応室とする再生法、或は後者の還元炉を用いる再生法とも、水素ガスを還元剤として固相還元するのがよい。これは(1)式の逆反応であるが、この反応で、還元剤である水素をメタル鉄に変えて水素ステーションに搬送し、水素ステーションで(1)式の反応で水素に戻すことを意味する。すなわち水素の搬送に代えて、メタル鉄を搬送することで、前述の水素搬送の問題に対処できることになる。そして水素ガスを還元剤として固相還元することにより、還元剤からのメタル鉄の汚染(不純物成分の含有や同伴・付着)の問題を回避できる。これは、水素ステーションで生成する水素から不純物除去に要する負荷を減らす点で水素ステーションの設備軽減に寄与する。
新反応性コンテナについては、これを水素ステーションで反応済コンテナとなり、また反応性コンテナに再生されるというサイクルを繰り返すスタート用のメタル鉄が装填されるものである。したがって、最初のメタル鉄が純度の低いものであると、途中の水素還元処理で除去や低減するものもあるが、不純物によっては、水素ステーションでの水素製造にとって好ましくない弊害をもたらすことも予想される。このため最初のメタル鉄は純度の高いものを用いるのが望ましく、S、P、As、Cなどの非金属元素量はできるだけ低いものを使用するのが良い。とくに鉄中炭素については、反応途中で炭化物類や炭酸ガス類を生成するのを抑えるために、最初のメタル鉄としては炭素含有量が0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.08質量%以下のものを用いるのがよい。最初のメタル鉄の純度は再生サイクルが繰り返されたとしても実質上維持されるので、本発明の水素デリバリーシステムでは最初のメタル鉄の純度が重要となる。
本発明において、反応性コンテナに気密に装填されているメタル鉄の形態、並びにコンテナの材質・形状・構造・寸法などは、規模や地域差などの水素ステーション2側の事情に拘わらず、少なくともそのメタル鉄供給基地1が受け持つエリア内では、それほど変動のない所定のものとして流通させるのが良い。また、水素ステーション2に備える水素発生設備での水素生成量の調整は、設備規模の大小ではなく、その反応帯域にセットする反応性コンテナの稼働数の増減で行うのがよい。これにより、水素ステーション2の水素発生設備もそのエリア内においてに同機種の機器構成とすることができ、メンテ体制を一律化できる。
メタル鉄の形態については、多孔質または粉状のものが好ましく、いずれも比表面積が大きくて表面活性のものが好ましい。多孔質のメタル鉄としては、コンテナ3内に装填された状態で内部まで気体が透過できるポーラスな形態(スポンジ状または海綿状)であれば、その形状は、塊状,粒状、バルク状のいずれであっても適用できる。このような多孔質のメタル鉄としては、平均径1〜10cm、好ましくは1〜5cm程度の大きさの多孔質の粒子の集合体(これを本明細書では“粒状海綿鉄”と呼ぶことにする)であるのが好ましい。
一方、粉状のメタル鉄としては、微粉ほど反応性がよく、ナノ鉄粉ではその表面活性に優れるので、一層反応性がよくなる。反面、微粒になるほど、生成する水素ガスへの微粒子同伴や反応室内での層厚制限などの取り扱い上に負荷がかかる。しかし、粉状のメタル鉄を用いた場合には、その粒径や粒度分布によらず、前記(1)式の反応で生成する酸化鉄はもとの粒子形状が崩れて微粉化しやすく、これを水素ガスでメタル鉄に固相還元するさいには、通常は焼結を起こして多孔質のメタル鉄、つまり海綿状のメタル鉄になり易い。したがって、最初は粉状のメタル鉄をコンテナに装填していても、それから得られた反応済コンテナから再生するさいには、海綿状のメタル鉄が装填された反応性コンテナにする方が、もとの粉状のメタル鉄のものに再生するよりも、容易になる。とくに装填前に粒度調節を行えば、望ましい“適正な粒状海綿鉄”が装填された反応性コンテナに再生できる。したがって、純度の良好な粉状のメタル鉄を最初の鉄源として利用し、これを再生の過程で海綿状のメタル鉄に形態変化させることが可能であり、やがて、粒度、気体透過性、純度、活性、粒度などが一定の値に収斂した反応性と取扱い性の良好な“粒状海綿鉄”装填のコンテナを流通させることが可能となる。
コンテナ3は、水素発生設備の反応室を兼ねることから耐熱性、耐酸化、耐水素性、高温強度等の特性を備え、また搬送や組み立て加工の点でも靭性、加工性、溶接性、耐摩耗性等の特性を備えた材料で構成する。例えばこのような特性をもつステンレス鋼で作成する。還元処理をコンテナ内で行う再生法を採用する場合には、酸化物系の耐火材料を用いることもできる。コンテナ3の大きさについては、搬送の面からはメタル鉄500〜8000Kg、好ましくは800〜5000Kg程度の海綿状のメタル鉄または粉状のメタル鉄を装填でき、かつメタル鉄の充填容積の0.2〜3倍程度の内部空間が残存できるような内容積を持つのが良い。また、コンテナ3には、ガス導入口とガス排出口が設けられ、両者とも外気と内部空間とを遮断する開閉ダンパまたは開閉弁が設置される。メタル鉄が装填された反応性コンテナが水素発生設備に接続されるまでの間は、該ダンパまたは弁を閉じた状態に維持され、メタル鉄はコンテナ内に外気と遮断された気密状態に保持される。このガス導入口とガス排出口は、メタル鉄を装填するための装入口を兼ねることができ、また反応後の酸化鉄主体の反応物を排出する排出口を兼ねることができる。場合によっては、該物質の装入口や排出口をガス導入口とガス排出口とは別に設けてもよい。
このように構成されたコンテナは、例えばフレーム枠内に固定され、フレームと一体的に搬送され、また反応帯域に一体的にセットされるのが便宜である。フレーム枠に側壁、天板、底板などを取り付けて外箱とし、この外箱内にコンテナを固定してもよい。また、コンテナを二重容器に構成しておき、その間隙に断熱材を装填するなり空隙を設けて、水素生成反応および酸化鉄の還元反応時に、断熱構造をもつ反応室として機能させることもできる。必要に応じてフレーム枠または外箱に車輪やキャスターが取り付けられる。
いずれにしても、本発明においてこのコンテナは、水素ステーションに備えられた水素発生設備の水素発生反応を行わせる反応室として機能させるものである。このため、前記のコンテナのガス導入口は、該水素発生設備で調達する反応物(すなわち、温水、水蒸気または過熱水蒸気)の供給管との間で、着脱可能に連結できる接続構造をもち、他方、前記ガス排出口は、水素発生設備で生成する水素含有ガスの処理系統へと導く管路に着脱可能に連結できる接続構造をもつ。換言すれば、このコンテナと水素ステーションの水素発生設備とは、メタル鉄を気密に装填してなるコンテナをそのまま反応帯域の反応室としてセットできるような、着脱自在でかつ気密に連結できる配管接続構造を有している。
本発明の水素デリバリーシステムでは、水素ステーションに簡易な水素発生装置を建設して水素を製造して車載燃料タンクに供給するが(工程B)、そのさい、この工程Bでの水素製造負荷をはかるため、次のような手段i)〜iv)を採用する。
i)定型化されたコンテナ内に、メタル鉄供給基地で活性状態にあるメタル鉄を気密に装填し、その活性状態を保ったまま水素ステーションに搬送する。
ii)このメタル鉄装填のコンテナを、前述のとおり、水素発生設備において前掲(1)式の水素生成反応を行わせるための反応室として、これを該設備に気密にセットしてから、内部に他方の反応物H2Oを導いて該反応を行わせる。そのさい、反応開始までは、気密に封入されたときと実質的に同様のメタル鉄の活性化状態を維持させる。
iii)反応後の酸化鉄含有コンテナは、その設備から外してメタル鉄供給基地に返送し、その再生は水素ステーションの業務外とする。
iv)(1)式の反応における他方の反応物H2Oについては、温水器、水蒸気発生装置または過熱水蒸気発生装置の稼働によって該反応帯域に供給し、その温度管理については供給されるコンテナのメタル鉄の活性状態や反応状況に応じて適切な範囲に設定し、また系内に設置した温度計、圧力計、流量計、水素濃度計などの検出値を用いて、反応温度のほか、反応物H2Oの供給量や圧力等を自動制御で管理する。とくに、過熱水蒸気発生装置の稼働により、過熱水蒸気の高いエンタルピーを利用してメタル鉄の速やかな温度上昇を行わせる。
i)定型化されたコンテナ内に、メタル鉄供給基地で活性状態にあるメタル鉄を気密に装填し、その活性状態を保ったまま水素ステーションに搬送する。
ii)このメタル鉄装填のコンテナを、前述のとおり、水素発生設備において前掲(1)式の水素生成反応を行わせるための反応室として、これを該設備に気密にセットしてから、内部に他方の反応物H2Oを導いて該反応を行わせる。そのさい、反応開始までは、気密に封入されたときと実質的に同様のメタル鉄の活性化状態を維持させる。
iii)反応後の酸化鉄含有コンテナは、その設備から外してメタル鉄供給基地に返送し、その再生は水素ステーションの業務外とする。
iv)(1)式の反応における他方の反応物H2Oについては、温水器、水蒸気発生装置または過熱水蒸気発生装置の稼働によって該反応帯域に供給し、その温度管理については供給されるコンテナのメタル鉄の活性状態や反応状況に応じて適切な範囲に設定し、また系内に設置した温度計、圧力計、流量計、水素濃度計などの検出値を用いて、反応温度のほか、反応物H2Oの供給量や圧力等を自動制御で管理する。とくに、過熱水蒸気発生装置の稼働により、過熱水蒸気の高いエンタルピーを利用してメタル鉄の速やかな温度上昇を行わせる。
一般に、オフサイト方式の水素ステーションでは、デイスペンサーに供給する水素圧を所定の値に維持するために、水素圧縮機および蓄圧器を施設するのが通常である。本発明の場合も、インサイト方式でありながら、水素発生設備の付帯設備として水素圧縮機および蓄圧器を施設する。そして、これらは工場生産された水素を搬入するさいにも所定の水素圧を維持するために利用できるようにする。
すなわち、本発明にしたがう水素ステーションでは、メタル鉄を気密に装填してなるコンテナを着脱可能にセットして構成される反応帯域と、この反応帯域のコンテナと水源とを接続する配管路と、そして該配管路に介装される温水器、水蒸気発生装置または過熱水蒸気発生装置の一種または二種以上と、からなる水素発生設備を施設したうえ、この水素発生設備で得られる水素を前記の水素圧縮機に導く構成とし、さらに当該水素ステーションに外部から搬入される水素も前記の水素圧縮機または蓄圧器に導くことができる構成とする。
水素発生設備で用いる温水器、水蒸気発生装置または過熱水蒸気発生装置は、温水、水蒸気または過熱水蒸気をメタル鉄装填のコンテナ内に供給できるものであればよい。温水、水蒸気または過熱水蒸気のいずれを供給するかは、使用するメタル鉄の形態並びに同伴または含有する他の成分や不純物の種類や量によって適切に選択し、また、反応開始後においてこれらを切り替えて供給できる機器配置とすることもできる。一般に、ナノ鉄粉のように比表面積が非常に大きなメタル鉄粉の場合には、表面に酸化膜などの保護膜が生成していない状態では表面活性が強く、これと接すると温水でも水分子の分解反応が進行するし、同様に、大きな比表面積をもつように多孔質としたメタル鉄の場合でもほぼ同じことがいえる。ただし、可能な限り無酸素の状態にした温水または温水+蒸気を用いる。もちろん、無酸素の飽和水蒸気(スチーム)を用いて有利に水素を製造でき、蒸気に水のミストが混在した水蒸気(スチーム)の温度が高いほど、従ってスチーム圧が高いほど、この反応は進行しやすくなる。また、過熱水蒸気を用いる場合には、低圧でも高温の状態でメタル鉄と反応させることができるので(市場で入手できる過熱水蒸気発生装置の機種によっては700〜800℃のような高温の過熱水蒸気を手軽に得ることができる)、反応帯域を必ずしも耐圧設計を要しない点、高い反応温度(100超え〜800℃)が簡易に得られる点、さらには、その高いエンタルピーによりメタル鉄を速やかに加熱できる点で有利である。
本発明の水素発生設備で用いる過熱水蒸気発生装置は、無酸素の過熱水蒸気(実質的に水ミストや壁面水流等の水を同伴せず、空気および酸素ガスを実質的に含まない100℃超え〜800℃の温度の過熱水蒸気の気体)を発生する装置を意味する。このような過熱水蒸気発生装置は、例えば日本電熱株式会社製のIH−ROBOや富士電機株式会社製のIHSS(Induction Heating Super Steamer)等が知られている。また過熱器をもつボイラーで過熱水蒸気を発生させることもできる。このような公知の過熱水蒸気発生装置は、メタル鉄の温度を高める加熱装置としても機能し得る。また、メタル鉄の形態や量に応じて、過熱水蒸気発生装置を温水器や水蒸気発生装置と組み合わせることにより、反応効率の良い運転を行うこともできる。例えば、最初に過熱水蒸気をメタル鉄内装のコンテナに導入してメタル鉄を加熱してから、温水やスチームを供給する方法で、(1)式の反応速度や反応温度をコントロールできる。もっとも、過熱水蒸気だけで、(1)式の反応を開始から終点まで進行させることも可能である。この場合には比較的低圧(0.1〜0.3MPa)での操業ができるので、耐圧設計の負荷が軽減する。このように本発明の水素発生設備が過熱水蒸気発生装置を備えることにより、(1)式の反応挙動に及ぼすメタル鉄の形態や組成などに応じて、過熱水蒸気供給の発停、温度、量などを制御因子として、望ましい反応速度に制御することが可能となる。メタル鉄として前述の粒状海綿鉄を反応物に用いる場合には、まず乾いた状態にある粒状海綿鉄に過熱水蒸気で予熱と初期反応を行ない、次いでメタル鉄が所定の温度に達したら水蒸気発生装置から水蒸気を供給する態様を選択できる。
前記(1)式の生成である水素ガスは、冷却器または水分離器で同伴する水分を分離したうえで、前述の圧縮機を経て蓄圧器に送られる。他方の生成物の酸化鉄は、コンテナに内装されたまま反応帯域から外され、“反応済コンテナ”としてメタル鉄供給基地に戻され(工程C)、既述のように“反応性コンテナ”再生に供される。
図2に、回収されてくる反応済コンテナから内容物を取り出して反応性コンテナに再生する場合の工程を図解した。この場合は、前述のようにコンテナ再生工場をメタル鉄供給基地内または外に設け、集荷ステーションに集められた使用済コンテナから内容物を取り出す。この内容物を、必要に応じて、解砕、混合、粉砕、還元助剤配合、不純物・夾雑物の分別、造粒、整粒などの予備処理を行い、還元炉に装入し、水素ガスで固相還元する。この酸化鉄の固相還元により、多孔質のメタル鉄が得られる。得られたメタル鉄は、必要に応じて、解砕、粉砕、整粒などの処理を経て、粒状海綿鉄や粉状のメタル鉄として空コンテナに気密に装填して反応性コンテナに再生する。そのさい、炉排出からコンテナ装填まで還元鉄の表面活性を維持するように非酸化性雰囲気下で処理するのが好ましく、また、一層の活性を引き出すために新たな破断面が露出する破砕処理や、還元剤による表面処理を必要に応じて行う。再生された反応性コンテナはメタル鉄供給基地から各水素ステーションに搬送され、工程A、BおよびCの工程サイクルを繰り返す。そのさい、コントロールされた還元処理のもとでサイクルが繰り返されると、所望の性質を具備した、好ましい態様の(例えば粒状海綿鉄装填の)反応性コンテナがそのエリアで流通する水素デリバリーシステムが形成されるようになる。
図3は、本発明に従う水素ステーションの例を示した機器配置系統図である。図3において、4は水素圧縮機、5は蓄圧器、Dis.はデイスペンサーを示す。水素圧縮機4には、当該水素ステーションでの自製水素6または水素生産工場からの搬入水素7が送り込まれる。水素圧縮機4で圧縮された高圧水素ガス8は蓄圧器5に送られ、蓄圧器5で所定の圧に保たれた水素がデイスペンサーDis.に供給される。
自製水素6は水素ステーションの水素発生設備で製造されるが、この水素発生設備は、容器内にメタル鉄を気密に装填してなるコンテナ3が脱着可能にセットされる反応帯域9と、この反応帯域9と水源10とを接続する配管路11と、この配管路11に介装される過熱水蒸気発生装置12とから構成されており、さらに、反応帯域9のガス出側の配管路13において、冷却器14、水分離器15、フィルタ16が備えられており、これらを経た自製水素6が水素圧縮機4に送り込まれる。
反応帯域9には、複数個のコンテナ3(図例では3個)が配管路11および13に対して並行にセットされ、各々の断続およびその稼働数を任意に調整できるように配管路11と13には切換弁が介装される。各コンテナ3は外箱17の中に固定されており、コンテナ3と外箱17は一体品としてとして取り扱われる。すなわち一体品として搬入および搬出が行われ、反応帯域9でのセッテイングでは内側のコンテナ3と配管路11および13とが導通するように連結される。
過熱水蒸気発生装置12は貫流ボイラー形式のものであり、バーナー19からの燃焼ガス流20の上流側から(下から上に)順に、蒸発器21、過熱器22、排熱回収器23が本体24内に(図例では竪型に)設置されており、水源10からポンプ25によって給送される水は、まず排熱回収器23に入って予熱され、次いで蒸発器21で蒸発して気水分離器26に入る。気水分離器26では、水ミストや壁膜水と蒸気が混在した流体から液体(水)が系外に分離され、実質的に気体(蒸気)だけとなったガス流が過熱器22で加熱されて過熱水蒸気となり、これが反応帯域9に送り込まれる。なお、27は気水分離器26をバイパスするバイパス管であり、過熱水蒸気に代えて通常の水蒸気(気液混在流)を反応帯域9に流したいときや、非常時などに、このバイパス管27を利用して気水分離器26での処理を止めるか処理量を減らす。
水源10には水道水を用いているが、この水道水を水処理槽28で軟水化処理と脱気・脱酸素処理したあと、大気と遮断した状態でタンク29に蓄えたうえで、配管路11にポンプ25によって給水する。またガス系の配管路13に介装された冷却器14への冷却水もタンク29から配管Pおよびポンプ30で通水し、還り水Qはタンク29に戻す。冷却器14および水分離器15において系内のガス流から生成してくるドレン等はタンク29に戻さずに別系統で処理する。
図4は、本発明に従う水素ステーションの他の例を示した機器配置系統図である。図4の例においても、図3の例と同様に、水素ステーションでの自製水素6と水素生産工場からの搬入水素7とが水素圧縮機4に送り込まれ、水素圧縮機4で圧縮された高圧水素ガス8が蓄圧器5に送られ、蓄圧器5で所定の圧に保たれた水素がデイスペンサー(図示を省略)に供給される。この水素発生設備では、メタル鉄32が気密に装填されたコンテナ3が脱着可能にセットされた反応帯域9と水源10とを接続する配管路11において、過熱水蒸気発生装置12と、水蒸気発生装置33および温水器34が介装されている。
本例の過熱水蒸気発生装置12は、管内の貫流水35をシーズヒーター36と接触させて水蒸気を発生する電気式の水蒸気発生部と、その飽和水蒸気を誘導加熱式に過熱する過熱水蒸気発生部とからなり、後者は、金属管37をその外側のコイル38によって誘導加熱することにより、金属管37内を流れる水の同伴しない飽和水蒸気を100℃超え〜500℃の温度にまで直接的に過熱して過熱水蒸気を得る。水蒸気発生装置33はヒーター39を加熱源とする電熱式ボイラーであり、41は流量調整用の絞り弁を示す。温水器34もヒーター40を加熱源とした電気温水器である。過熱水蒸気発生装置12、水蒸気発生装置33および温水器34には、それぞれポンプ42,43および44によって水タンク29から給水され、それら個別の発停と流量制御により、ヘッダー45を経て個別に反応帯域9のコンテナ3内に導入される。水源10の水導水は、水処理槽28で軟水化処理と脱気・脱酸素処理したあと大気と遮断した状態でタンク29に蓄えられる。
反応帯域9のコンテナ3は、下部にガス導入口46を、上部にガス排出口56をもつ円筒容器からなり、その内部には、底部にセラミック製の通気性ベッド47を設けたうえ、その上に、粒状海綿鉄からなるメタル鉄32が、上部空間48を残して、予めメタル鉄供給基地でコンテナ3内に装填されている。ガス導入口46は水蒸気等の供給側の配管路11に対して連結ジョイント49によって脱着可能に接続され、またガス排出口56は配管路13に対して連結ジョイント50によって脱着可能に接続される。ガス導入口46から連結ジョイント49に至るコンテナ側管路には開閉弁51が、同様に、ガス排出口56のコンテナ側管路にも開閉弁52が備えられており、平時(運搬・貯蔵時)はこれらの開閉弁51,52は閉成される。
水素ガス側の配管路13には、先例と同じく、冷却器14、水分離器15、フイルタ16が設置され、必要に応じてこれらにガスが通流されるが、本例では水素圧縮機4に至る前の管路に、プレ圧縮機53が設置されており、このプレ圧縮機53で圧縮された水素ガスは、圧縮水素ガスから水を分離する高圧式の水分離器54を経て予備蓄圧器55に送られ、この予備蓄圧器55から自製水素6が、必要に応じてメインの水素圧縮機4を経て、メインの蓄圧器5に給装される。
水素燃料電池を搭載する電気自動車用の水素を製造し販売できるほか、鉄粉や海綿鉄の新たな用途を提供する。
1 メタル鉄供給基地
2 水素ステーション
3 コンテナ
4 水素圧縮機
5 蓄圧器
6 自製水素
7 搬入水素
9 反応帯域
10 水源
11 反応帯域のコンテナと水源とを接続する配管路
12 過熱水蒸気発生装置
13 反応帯域のコンテナと水素圧縮機とを接続する配管路
32 メタル鉄
33 水蒸気発生装置
34 温水器
53 プレ圧縮機
55 予備蓄圧器
2 水素ステーション
3 コンテナ
4 水素圧縮機
5 蓄圧器
6 自製水素
7 搬入水素
9 反応帯域
10 水源
11 反応帯域のコンテナと水源とを接続する配管路
12 過熱水蒸気発生装置
13 反応帯域のコンテナと水素圧縮機とを接続する配管路
32 メタル鉄
33 水蒸気発生装置
34 温水器
53 プレ圧縮機
55 予備蓄圧器
Claims (7)
- メタル鉄供給基地から、水素発生設備を備えた水素ステーションまで、多孔質または粉状のメタル鉄を気密に装填してなるコンテナを用いてメタル鉄を搬送する工程A、そのメタル鉄を用いて該水素発生設備で水素を製造し、得られた水素を該水素ステーションで顧客に販売する工程B、および工程Bで生成した反応後の酸化鉄含有コンテナをメタル鉄供給基地に回送する工程Cからなる水素デリバリーシステムであって、前記の工程Bにおいて、該水素発生設備における反応室として該メタル鉄装填ままのコンテナを適用すること、そしてこの反応室に温水、水蒸気または過熱水蒸気の一種または二種以上を供給して水素を生成すること、を特徴とする水素デリバリーシステム。
- 工程Cで回送された酸化鉄含有のコンテナ(反応済コンテナと言う)を、多孔質または粉状のメタル鉄を気密に装填されたコンテナ(反応用コンテナと言う)に再生するコンテナ再生工場をメタル鉄供給基地の内または外に設け、その酸化鉄からメタル鉄への還元処理には水素ガスを用いて固相還元を行う請求項1に記載の水素デリバリーシステム。
- 反応済コンテナから再生したメタル鉄とは別に、新たな多孔質または粉状のメタル鉄を気密に装填したコンテナ(新反応性コンテナという)を作製するさいには、新反応性コンテナに装填される新たなメタル鉄として炭素含有量が0.1質量%以下のものを用いる請求項2に記載の水素デリバリーシステム。
- 水素発生設備、水素圧縮機、蓄圧器およびデイスペンサーを備えた水素ステーションにおいて、前記の水素発生設備が、メタル鉄を気密に装填してなるコンテナを着脱可能にセットして構成される反応帯域と、この反応帯域のコンテナと水源とを接続する配管路と、そして該配管路に介装される温水器、水蒸気発生装置または過熱水蒸気発生装置の一種または二種以上とからなり、この水素発生設備で得られる水素を前記の水素圧縮機に導く構成とした水素ステーション。
- 水素発生設備、水素圧縮機、蓄圧器およびデイスペンサーを備えた水素ステーションにおいて、前記の水素発生設備が、メタル鉄を気密に装填してなるコンテナを着脱可能にセットして構成される反応帯域と、この反応帯域のコンテナと水源とを接続する配管路と、そして該配管路に介装される温水器、水蒸気発生装置または過熱水蒸気発生装置の一種または二種以上とからなり、この水素発生設備で得られる水素を前記の水素圧縮機に導く構成としたうえ、さらに外部から当該水素ステーションに搬入される水素を前記の水素圧縮機または蓄圧器に導く構成とした水素ステーション。
- 電気自動車に水素ガスを供給する水素ステーションに付設される水素発生設備であって、容器内にメタル鉄を気密に装填してなるコンテナが脱着可能にセットされる反応帯域と、この反応帯域と水源とを接続する配管路と、該配管路に介装される温水器、水蒸気発生装置または過熱水蒸気発生装置の一種または二種以上とからなる、水素ステーション用の水素発生設備。
- 該反応帯域のガス出側の配管路において、少なくとも水分離器、水素圧縮機および蓄圧器が備えられている請求項6に記載の水素発生設備。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014193122A JP2016064935A (ja) | 2014-09-22 | 2014-09-22 | 水素デリバリーシステム、そのための水素ステーションおよび水素発生設備 |
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Cited By (3)
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JP2020506871A (ja) * | 2017-02-03 | 2020-03-05 | ギャラクシー エフシーティー スンディリアン ブルハド | バッファタンクを備えた水素ガス発生システムおよび方法 |
JP2020193134A (ja) * | 2019-05-30 | 2020-12-03 | 津田 訓範 | 副生水素生成装置 |
WO2023015924A1 (zh) * | 2021-08-12 | 2023-02-16 | 昌黎县兴国精密机件有限公司 | 一种用于高炉或竖炉富氢冶炼的车载供氢方法及设备 |
-
2014
- 2014-09-22 JP JP2014193122A patent/JP2016064935A/ja active Pending
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