JP4440377B2 - 超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置 - Google Patents

超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超臨界流体又は亜臨界流体によって固形物を処理する反応装置に関し、さらに詳述すると、高圧の反応器内に固形物を自在に送入する固形物送入装置を備えた反応装置、高圧の反応器内から固形物を自在に排出する固形物排出装置を備えた反応装置、並びに、上記固形物送入装置及び固形物排出装置を備えた反応装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超臨界水、超臨界二酸化炭素、亜臨界水等の高温高圧状態の媒体の存在下で反応を行わせる、いわゆる水熱反応、特に超臨界水又は亜臨界水の存在下の水熱反応は、PCB、ダイオキシン等に代表される有害廃棄物の処理や、資源リサイクルとして行われるPETボトル等の資源回収処理等に適用され、有用な環境保全技術として注目されている。
【0003】
ところで、高圧の水熱反応の対象物が、ダイオキシン含有飛灰や、PETボトル等の固形物の場合、固形物は、気体や液体とは異なり、取扱いが厄介で、反応器に対象物を投入することが技術的に難しい。従来から、固形物を反応器に投入する方法として、基本的には、次の3つがある。
【0004】
[第1の従来例]
第1の従来例は、対象固形物を微粉砕し、水と混合してスラリー状にして反応器に送入するやり方である。図3は第1の従来例の構成を示すフローシートである。第1の従来例では、微粉砕した対象固形物を水と混合して調製したスラリーを高圧スラリーポンプ12により反応器14に供給する。反応により生成した反応生成物は、冷却器16により冷却された後、反応器14内の圧力を制御する圧力制御弁18を経て排出される。
【0005】
[第2の従来例]
第2の従来例は、対象固形物をそのままの形態で反応器に投入し、次いで反応器を閉止して運転するバッチ式のやり方である。図4は第2の従来例の構成を示すフローシートである。第2の従来例では、先ず、開閉自在な投入口を備えた反応器20に対象固形物22を充填する。充填後、水を高圧ポンプ24により昇圧し、加熱器26で所定温度に加熱した後、反応器20に供給し、対象固形物22を反応させる。反応生成物は、冷却器28により冷却された後、反応器20内の圧力を制御する圧力制御弁30を経て排出される。
【0006】
[第3の従来例]
第3の従来例は、対象固形物を高圧シリンジポンプにより反応器に送入するやり方である。図5は第3の従来例の構成を示すフローシートである。第3の従来例では、予め、高圧シリンダポンプ32によって対象固形物33を反応器34に充填し、次いで高圧ポンプ36で水を昇圧し、加熱器38で所定温度に昇温しつつ反応器34に連続的に供給し、反応器34の反応状態が定常状態になった段階で、再び、対象固形物を高圧シリンジポンプ32によって反応器34に圧入して、反応を進行させる。反応生成物は、冷却器40により冷却された後、反応器34内の圧力を制御する圧力制御弁42を経て排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した第1から第3の従来例には、それぞれ、以下に説明するような問題があった。
【0008】
第1の従来例では、対象固形物を数mm以下の粒径まで微粉砕する必要があって、そのためには、粉砕に多大なエネルギーが必要になり、経済的に実用化が難しいという問題である。技術的にも、スラリーの流動性を維持するためには、スラリー濃度に制限があり、さらには、微粉砕したスラリー中の対象固形物が反応器までの供給配管内に堆積し、供給配管を閉塞させるという問題があって、供給配管の設計を含めて、様々な制約が装置設計面にあるという問題である。
【0009】
第2の従来例では、予め、対象固形物をそのままの形態で反応器内に充填するので、微粉砕の必要はなく、配管閉塞のトラブルも生じない。しかし、バッチ式であるために、所望の反応条件で反応を進行させることが困難である。例えば、通常の水熱反応は、反応器の温度を200℃以上にすることが多く、その加熱には、反応器を外部ヒーターにより加熱する方法や、水を加熱して反応器に供給する方法などがあるが、いずれの方法であっても、予め対象固形物を反応器内に充填した後、対象固形物が目標温度に達するまで数十分以上の時間を要することが殆どである。このため、対象固形物は、複雑な温度履歴を受けることになり、目標温度に達する前に、対象固形物が液状化して反応器から流出したり、固形物の形態で存在したとしても、物質構造が変化したりする可能性がある。また、反応終了後、再度、対象固形物の処理を行う際には、先ず、反応器の圧力を低下させて反応器を開放し、次いで固形物を充填した後、再び昇圧する必要があって、処理効率が低いという問題がある。
【0010】
第3の従来例では、反応器の反応状態が定常状態に到達した後に、対象固形物を反応器に供給するので、対象固形物は温度履歴を殆ど受けず、所望の反応を行わせることができる。しかし、高圧シリンジポンプによって対象固形物を、直接、反応器に圧入するので、高圧シリンジポンプと反応器を結ぶ供給配管に対象固形物が残留し勝ちであって、高圧シリンジポンプにより対象固形物の全量を反応器に供給することが困難である。また、供給配管内に多量の対象固形物が残留すると、供給配管の閉塞が生じ、更には、供給配管内に残留した対象固形物が副反応により副生生成物に転化し、完全に対象固形物を処理できないという問題がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、固形物を粉砕することなく、そのままの形態で高圧下の反応器に固形物を自在に送入できるようにした固形物送入装置、及び、高圧下の反応器から固形物を自在に排出できるようにした固形物排出装置の一方又は両方を備えた超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、下記第1〜第3の発明に係る超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置を提供する。
【0013】
[第1の発明]
超臨界流体又は亜臨界流体によって固形物を処理する反応装置であって、
超臨界流体又は亜臨界流体による反応を行う反応器と、
前記反応器に導入する固形物を収容する送入室と、
前記送入室の上方に設置され、前記送入室に固形物を導入するための第1の開閉弁と、
前記送入室の下方に設置され、前記送入室から前記反応器に固形物を導入するための第2の開閉弁と、
前記反応器から流出管を通じて流出する流体の一部を前記送入室に注入して、前記反応器と前記送入室とを均圧にする均圧手段と
を具備し、
前記均圧手段により前記反応器と前記送入室とを均圧にし、前記第2の開閉弁を開放したときに、前記送入室内の固形物が重力により前記反応器内に下降するように、前記送入室と前記反応器とが前記第2の開閉弁を介して接続されていることを特徴とする超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置。
【0014】
[第2の発明]
超臨界流体又は亜臨界流体によって固形物を処理する反応装置であって、
超臨界流体又は亜臨界流体による反応を行う反応器と、
前記反応器から排出された固形物を収容する排出室と、
前記排出室の上方に設置され、前記反応器から前記排出室に固形物を導入するための第3の開閉弁と、
前記排出室の下方に設置され、前記排出室から外部に固形物を排出するための第4の開閉弁と、
前記反応器から流出管を通じて流出する流体の一部を前記排出室に注入して、前記反応器と前記排出室とを均圧にする均圧手段と、
前記反応器の固形物排出開口の開口縁に下端で接し、上方に向かって延びる筒状体として形成され、かつ筒状体の筒壁を介して筒壁内外を連通させるようにした内部に固形物が収容されるガイドと
を具備し、
前記均圧手段により前記反応器と前記排出室とを均圧にし、前記第3の開閉弁を開放したときに、前記ガイド内の固形物が重力により前記排出室内に下降するように、前記ガイドと前記排出室とが前記第3の開閉弁を介して接続されていることを特徴とする超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置。
【0015】
[第3の発明]
超臨界流体又は亜臨界流体によって固形物を処理する反応装置であって、
超臨界流体又は亜臨界流体による反応を行う反応器と、
前記反応器に導入する固形物を収容する送入室と、
前記送入室の上方に設置され、前記送入室に固形物を導入するための第1の開閉弁と、
前記送入室の下方に設置され、前記送入室から前記反応器に固形物を導入するための第2の開閉弁と、
前記反応器から流出管を通じて流出する流体の一部を前記送入室に注入して、前記反応器と前記送入室とを均圧にする第1の均圧手段と、
前記反応器から排出された固形物を収容する排出室と、
前記排出室の上方に設置され、前記反応器から前記排出室に固形物を導入するための第3の開閉弁と、
前記排出室の下方に設置され、前記排出室から外部に固形物を排出するための第4の開閉弁と、
前記反応器から流出管を通じて流出する流体の一部を前記排出室に注入して、前記反応器と前記排出室とを均圧にする第2の均圧手段と、
前記反応器の固形物送入開口の開口縁に上端で接し、前記反応器の固形物排出開口の開口縁に下端で接する筒状体として形成され、かつ筒状体の筒壁を介して筒壁内外を連通させるようにした内部に固形物が収容されるガイドと
を具備し、
前記第1の均圧手段により前記反応器と前記送入室とを均圧にし、前記第2の開閉弁を開放したときに、前記送入室内の固形物が重力により前記反応器内に下降するように、前記送入室と前記反応器とが前記第2の開閉弁を介して接続されているとともに、
前記第2の均圧手段により前記反応器と前記排出室とを均圧にし、前記第3の開閉弁を開放したときに、前記ガイド内の固形物が重力により前記排出室内に下降するように、前記ガイドと前記排出室とが前記第3の開閉弁を介して接続されていることを特徴とする超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置。
【0016】
第1の発明では、送入室、第1の開閉弁、第2の開閉弁及び均圧手段が固形物送入装置を構成している。第2の発明では、排出室、第3の開閉弁、第4の開閉弁及び均圧手段が固形物排出装置を構成している。第3の発明では、送入室、第1の開閉弁、第2の開閉弁及び第1の均圧手段が固形物送入装置を構成し、排出室、第3の開閉弁、第4の開閉弁及び第2の均圧手段が固形物排出装置を構成している。
【0017】
第1の発明では、第1の開閉弁、送入室及び第2の開閉弁は、これらを固形物が直線状に下降するように構成されていることが好ましい。第2の発明では、ガイド、第3の開閉弁、排出室及び第4の開閉弁は、これらを固形物が直線状に下降するように構成されていることが好ましい。第3の発明では、第1の開閉弁、送入室、第2の開閉弁、ガイド、第3の開閉弁、排出室及び第4の開閉弁は、これらを固形物が直線状に下降するように構成されていることが好ましい。
【0018】
第1の発明では、内外の圧力が同じになるように構成されたホルダを使用し、固形物を上記ホルダの内部に格納した状態で送入室及び反応器に導入することができる。第2の発明では、固形物を上記ホルダの内部に格納した状態でガイドに導入することができる。第3の発明では、固形物を上記ホルダの内部に格納した状態で送入室及びガイドに導入することができる。
【0019】
上述したホルダは、送入する固形物を格納するものであって、内外を連通させる連通性の材料、例えば網体、多孔板等で形成された籠状の箱体である。ホルダは反応器内で反応して消失するものでも、非反応性で反応に与かることなく、そのままの形態で残るものでも良い。
【0020】
ホルダを使用しない第1〜第3の発明に係る反応装置は、塊状又は粒状の固形物で、比較的粘着性が低い固形物の処理に適していて、例えば固形物を超臨界水酸化処理する超臨界水酸化反応装置として最適である。固形物を反応器内で反応により消失するカプセル等に収容して、送入室に投入しても良い。
【0021】
ホルダを使用する第1〜第3の発明に係る反応装置は、汚泥等の粘着性の高い固形物の処理に適していて、例えば固形物を超臨界水酸化処理する超臨界水酸化反応装置として最適である。
【0022】
第3の発明に係る反応装置は、固形物送入装置を反応器内のガイドに連続させることにより、固形物の送入、及び固形物又は固形物の反応残渣の排出を容易に行うことができる。第3の発明に係る反応装置は、例えば固形物を超臨界水酸化処理する超臨界水酸化反応装置として最適である。
【0023】
第1及び第の発明で使用する送入室は、送入する固形物又はホルダを収容し、待機させる室であって、好ましくは管状体を使用する。
【0024】
第1及び第の発明で使用する第1及び第2の開閉弁は、送入室の横幅寸法と同じ弁開口を有する開閉弁を使用することが好ましく、例えばボール弁、ゲート弁等を使用する。
【0025】
また、第1及び第の発明では、送入室及び第2の開閉弁は、好ましくは、それらの長手方向中心線が1本の直線上に在るように反応器に接続されている。但し、それらの長手方向中心線がなす直線は、反応器の横方向中心線に対して直交する必要はなく、傾斜していても良い。
【0026】
1の発明で設けた均圧手段及び第3の発明で設けた第1の均圧手段は、送入室を反応器と同じ圧力にするもので、反応器から一部流体を抜き出して送入室に注入するものである
【0027】
及び第の発明で使用する排出室は、排出した固形物又はホルダを収容し、待機させる室であって、好ましくは管状体を使用する。
【0028】
及び第の発明で使用する第3及び第4の開閉弁は、排出室と同じ横幅寸法の弁開口を有する開閉弁を使用することが好ましく、例えばボール弁、ゲート弁等を使用する。
【0029】
第2及び第3の発明におけるガイド、第3の開閉弁、及び排出室は、好ましくは、それらの長手方向中心線が1本の直線上に在るように反応器に接続されている。但し、それらの長手方向中心線がなす直線は反応器の横方向中心線に対して直交する必要はなく、傾斜していても良い。
【0030】
の発明で設けた均圧手段及び第3の発明で設けた第2の均圧手段は、排出室を反応器と同じ圧力にするもので、反応器から一部流体を抜き出して排出室に注入するものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
【0032】
[実施形態例1]
本実施形態例は、固形物の超臨界水酸化反応装置に第の発明に係る反応装置を適用した実施形態の例であって、図1は本実施形態例の超臨界水酸化反応装置の構成を示すフローシートである。
【0033】
本実施形態例における固形物送入装置50は、図1に示すように、固形物の超臨界水酸化反応装置52(以下、簡単に反応装置52と言う)の反応器54に固形物を送入するために設けられた装置である。
【0034】
反応装置52は、固形物を収容し、超臨界水酸化処理を施す反応器54と、反応器54を加熱する加熱器56と、水を昇圧して反応器54に送水する高圧ポンプ58と、昇圧した水を余熱する余熱器60とを備えている。反応器54には、固形物を送入する開口55が設けてある。また、反応装置52は、反応生成物流体を流出させる流出管61に、反応器54から流出した反応生成物流体を冷却する冷却器62と、反応器54の圧力を制御する圧力制御弁64とを備えている。
【0035】
固形物送入装置50は、内部に固形物を格納したホルダ66を高圧の反応器54内に送入する固形物送入装置であって、送入室68と、送入室68の上下にそれぞれ設けられ、ホルダ66が通過できる第1の開閉弁70及び第2の開閉弁72と、第2の開閉弁72と反応器54の固形物送入開口との間に設けられ、ホルダ66を反応器54内に下降させる下降管74と、送入室68を反応器54と同じ圧力にする均圧管76とを備えている。
【0036】
送入室68は、固形物を格納したホルダ66を収容し、待機させる空間であって、下降管74と同じ内径の管体で形成されている。第1及び第2の開閉弁70、72は、下降管74の内径と同じ径の弁開口を有するボール弁である。下降管74の下端は、反応器54の固形物送入開口55に接続されている。
【0037】
第2の開閉弁72を開放したとき、ホルダ66が重力により送入室68から反応器54内に下降するように、送入室58、第2の開閉弁72、及び下降管74は、反応器54の横方向中心線に直交して、固形物送入開口55上に直線状に接続されている。
【0038】
均圧管76は、均圧開閉弁78を備え、冷却器62の下流の流出管61から分岐された分岐管であって、反応生成物を送入室68に注入することにより、送入室68を反応器54と均圧することができる。
【0039】
本実施形態例の固形物送入装置50を使って固形物の送入実験を行い、以下に説明するように、所定通り、機能することを確認した。孔径1mmの多孔板で形成された直径10mm、長さ40mmの円筒状ホルダをホルダ66として使用し、平均粒径5mmのPET樹脂をホルダ66に充填し、第2の開閉弁72及び均圧開閉弁78をそれぞれ閉にし、第1の開閉弁70を開放して、ホルダ66を送入室58に送入した。反応器54の内容積は100ccである。第1の開閉弁70を閉止し、均圧開閉弁78を開放した後、高圧ポンプ58により水を25mL/minの流量で昇圧し、予熱器60により水を加熱して水の供給温度を400℃とするとともに、反応器54を加熱器56で加熱し、反応器54の内部温度を400℃に昇温した。反応器54の圧力を圧力制御弁64により25MPaに制御し、均圧管76を介して、送入室68も25MPaに均圧されている。反応器54の内部温度が400℃、25MPaの定常状態に達した段階で、第2の開閉弁72を開放し、PET樹脂を格納したホルダ66を反応器54に落下させた。 反応器落下したPET樹脂は、瞬時に400℃まで昇温され、400℃、25MPaで超臨界水酸化反応を行った。
【0040】
[実施形態例2]
本実施形態例は、固形物の超臨界水酸化反応装置に第3の発明に係る反応装置を適用した実施形態の一例であって、図2は本実施形態例の超臨界水酸化反応装置の構成を示すフローシートである。
【0041】
本実施形態例における反応器80は、超臨界水酸化反応装置82(以下、簡単に反応装置82と言う)の反応器として構成されている。反応装置82は、反応器80の構成が異なること、実施形態例1のホルダ66とは異なる構成のホルダ84を使用すること、及び固形物を排出する固形物排出装置81を備えていることを除いて、実施形態例1の反応装置52と同じ構成を備えている。
【0042】
反応器80は、図2に示すように、固形物送入開口55の直下に、固形物送入開口55と同じ寸法の固形物排出開口86を有し、固形物送入開口55と固形物排出開口86との間にガイド88を備え、ガイド86内にホルダ84を収容するようになっている。
【0043】
ガイド88は、ホルダ84が反応器80内で移動しないように保持する手段として設けられており、上端で固形物送入開口55の開口縁に接し、下端で固形物排出開口86の開口縁に接し、反応器80を縦方向に延在する円筒体として形成されている。ガイド88は、固形物送入装置50の下降管74と同じ内径を有し、ガイド88の筒壁を介して内外を連通させるように、金網で形成されている。金網の材料には、反応器80内での反応により損傷されないものを使用する。
【0044】
ホルダ84は、実施形態例1で使用したホルダ66と同じ構成のホルダ本体84aと、その下部に設けられた脚部84bとから構成されている。
【0045】
固形物排出装置81は、排出室90と、排出室90の上下にそれぞれ設けられ、ホルダ84が通過できる第3及び第4の開閉弁92、94と、排出室90を反応器80と同じ圧力にする第2の均圧管95とを備えている。
【0046】
排出室90は、第3の開閉弁92を介して固形物排出開口86に接続され、ガイド88から排出されたホルダ84を収容し、待機させる空間であって、ガイド88と同じ内径の管体で形成されている。
【0047】
第3及び第4の開閉弁92、94は、排出室90の内径と同じ径の弁開口を有するボール弁である。第3の開閉弁92は、反応器80内にホルダ84のホルダ本体84aが位置するように、ホルダ84の脚部84bと同じ長さの排出管96を介して反応器80の固形物排出開口86に取り付けてある。
【0048】
第3の開閉弁92を開放したとき、ホルダ84が重力によりガイド88から排出室90内に下降するように、ガイド88、第3の開閉弁92、及び排出室90は、反応器80の横方向中心線に直交して、固形物排出開口86から直線状に垂下するように接続されている。
【0049】
第2の均圧管95は、均圧開閉弁97を備え、均圧管76から分岐された分岐管であって、反応生成物を排出室90に注入することにより、排出室90を反応器80と均圧することができる。
【0050】
本実施形態例の反応器80は、反応後もホルダ84内に固形物が残留し、その固形物をホルダ84ごと排出させる場合等に好適に使用することができる。また、反応装置82の運転中にホルダ84を送入することもできる。
【0051】
運転中は、第3及び第4の開閉弁92、94は閉、均圧開閉弁97は開である。反応装置82の運転中にホルダ84を排出させる際には、先ず、第3の開閉弁92を開放して、ホルダ84をガイド88から排出室90に落下させる。次いで、第3の開閉弁92及び均圧開閉弁97を閉止し、第4の開閉弁94を開放して、ホルダ84を外部に排出する。
【0052】
尚、ホルダ84を反応器80に送入する際には、実施形態例1の固形物送入装置50と同様にして行う。
【0053】
これにより、反応器80内の温度及び圧力を変動させないようにして、固形物を供給し、排出することができる。
【0054】
実施形態例1及び2で、必要に応じて、ホルダが接する、開閉弁、下降管等の部品を外部から冷却することにより、ホルダが反応器に滞在する時間を除いて、反応器内の温度による固形物への影響を低減することができる。
【0055】
また、ホルダ84に代えて、実施形態例1で使用したホルダ66を使用することもできる。その際には、第3の開閉弁92を反応器80の固形物排出開口86に直接接続する。
【0056】
【発明の効果】
第1及び第の発明によれば、高圧の反応器内と同じ圧力の送入室を反応器上に設け、送入室から固形物又は固形物を格納したホルダを反応器内に自然落下させることにより、固形物を粉砕するためにエネルギーを消費する必要もなく、連続運転中の反応器内に固形物を確実、かつ容易に送入できる反応装置を実現している。
【0057】
また、第及び第の発明によれば、高圧の反応器内と同じ圧力の排出室を反応器下に設け、高圧の反応器内から固形物又は固形物を格納したホルダを排出室に自然落下させて排出することにより、連続運転中の反応器内から固形物を確実、かつ容易に排出する反応装置を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態例1の超臨界水酸化反応装置の構成を示すフローシートである。
【図2】 実施形態例2の超臨界水酸化反応装置の構成を示すフローシートである。
【図3】 第1の従来例の構成を示すフローシートである。
【図4】 第2の従来例の構成を示すフローシートである。
【図5】 第3の従来例の構成を示すフローシートである。
【符号の説明】
形物送入装置
52 実施形態例1の超臨界水酸化反応装置
54 実施形態例1の超臨界水酸化反応装置の反応器
55 固形物送入開口
56 加熱器
58 高圧ポンプ
60 余熱器
61 流出管
62 冷却器
64 圧力制御弁
66 ホルダ
68 送入室
70 第1の開閉弁
72 第2の開閉弁
74 下降管
76 均圧管
78 均圧開閉弁
80 実施形態例2の超臨界水酸化反応装置の反応器
81 固形物排出装置
82 実施形態例2の超臨界水酸化反応装置
84 ホルダ
86 固形物排出開口
88 ガイド
90 排出室
92 第3の開閉弁
94 第4の開閉弁
95 第2の均圧管
96 排出管
97 均圧開閉弁

Claims (6)

  1. 超臨界流体又は亜臨界流体によって固形物を処理する反応装置であって、
    超臨界流体又は亜臨界流体による反応を行う反応器と、
    前記反応器に導入する固形物を収容する送入室と、
    前記送入室の上方に設置され、前記送入室に固形物を導入するための第1の開閉弁と、
    前記送入室の下方に設置され、前記送入室から前記反応器に固形物を導入するための第2の開閉弁と、
    前記反応器から流出管を通じて流出する流体の一部を前記送入室に注入して、前記反応器と前記送入室とを均圧にする均圧手段と
    を具備し、
    前記均圧手段により前記反応器と前記送入室とを均圧にし、前記第2の開閉弁を開放したときに、前記送入室内の固形物が重力により前記反応器内に下降するように、前記送入室と前記反応器とが前記第2の開閉弁を介して接続されていることを特徴とする超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置。
  2. 内外の圧力が同じになるように構成されたホルダを具備し、前記固形物を前記ホルダの内部に格納した状態で前記送入室及び反応器に導入することを特徴とする請求項に記載の超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置。
  3. 超臨界流体又は亜臨界流体によって固形物を処理する反応装置であって、
    超臨界流体又は亜臨界流体による反応を行う反応器と、
    前記反応器から排出された固形物を収容する排出室と、
    前記排出室の上方に設置され、前記反応器から前記排出室に固形物を導入するための第3の開閉弁と、
    前記排出室の下方に設置され、前記排出室から外部に固形物を排出するための第4の開閉弁と、
    前記反応器から流出管を通じて流出する流体の一部を前記排出室に注入して、前記反応器と前記排出室とを均圧にする均圧手段と、
    前記反応器の固形物排出開口の開口縁に下端で接し、上方に向かって延びる筒状体として形成され、かつ筒状体の筒壁を介して筒壁内外を連通させるようにした内部に固形物が収容されるガイドと
    を具備し、
    前記均圧手段により前記反応器と前記排出室とを均圧にし、前記第3の開閉弁を開放したときに、前記ガイド内の固形物が重力により前記排出室内に下降するように、前記ガイドと前記排出室とが前記第3の開閉弁を介して接続されていることを特徴とする超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置。
  4. 内外の圧力が同じになるように構成されたホルダを具備し、前記固形物を前記ホルダの内部に格納した状態で前記ガイドに導入することを特徴とする請求項に記載の超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置。
  5. 超臨界流体又は亜臨界流体によって固形物を処理する反応装置であって、
    超臨界流体又は亜臨界流体による反応を行う反応器と、
    前記反応器に導入する固形物を収容する送入室と、
    前記送入室の上方に設置され、前記送入室に固形物を導入するための第1の開閉弁と、
    前記送入室の下方に設置され、前記送入室から前記反応器に固形物を導入するための第2の開閉弁と、
    前記反応器から流出管を通じて流出する流体の一部を前記送入室に注入して、前記反応器と前記送入室とを均圧にする第1の均圧手段と、
    前記反応器から排出された固形物を収容する排出室と、
    前記排出室の上方に設置され、前記反応器から前記排出室に固形物を導入するための第3の開閉弁と、
    前記排出室の下方に設置され、前記排出室から外部に固形物を排出するための第4の開閉弁と、
    前記反応器から流出管を通じて流出する流体の一部を前記排出室に注入して、前記反応器と前記排出室とを均圧にする第2の均圧手段と、
    前記反応器の固形物送入開口の開口縁に上端で接し、前記反応器の固形物排出開口の開口縁に下端で接する筒状体として形成され、かつ筒状体の筒壁を介して筒壁内外を連通させるようにした内部に固形物が収容されるガイドと
    を具備し、
    前記第1の均圧手段により前記反応器と前記送入室とを均圧にし、前記第2の開閉弁を開放したときに、前記送入室内の固形物が重力により前記反応器内に下降するように、前記送入室と前記反応器とが前記第2の開閉弁を介して接続されているとともに、
    前記第2の均圧手段により前記反応器と前記排出室とを均圧にし、前記第3の開閉弁を開放したときに、前記ガイド内の固形物が重力により前記排出室内に下降するように、前記ガイドと前記排出室とが前記第3の開閉弁を介して接続されていることを特徴とする超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置。
  6. 内外の圧力が同じになるように構成されたホルダを具備し、前記固形物を前記ホルダの内部に格納した状態で前記送入室及びガイドに導入することを特徴とする請求項に記載の超臨界流体又は亜臨界流体による反応装置。
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