JP2009106816A - 分解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超臨界又は亜臨界状態でのプラスチック成形品等の分解において、突沸の発生を抑制しつつ、高温高圧の反応槽内より反応液を効率的に取り出し回収することのできる、新しい分解装置を提供する。
【解決手段】超臨界又は亜臨界の状態において被分解物を水熱分解する反応槽1とともに、反応槽1内から高温高圧状態の反応液19を取り出す排出配管2を備えた分解装置において、反応槽1又は排出配管2は、排出配管2からの反応液19の取り出しに伴う反応槽1内の液面低下によって発生する突沸を防止する突沸防止手段3を有することとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物プラスチック等を超臨界又は亜臨界の状態で反応させて水熱分解する分解装置に関するものである。
従来より、例えば、有害物を無害化分解することや、食品廃棄物等を分解して再資源化することや、プラスチック廃棄物を分解して有機酸、アルコール等のプラスチックの合成原料やFRP中の補強繊維等を回収して再利用できるようにするために、超臨界又は亜臨界状態の水熱反応によって分解する方法(例えば、特許文献1参照)や様々な装置の構成が提案されている。
しかしながら、超臨界又は亜臨界の状態でのプラスチックの分解においては、FRPからのガラス繊維や炭素繊維等の補強繊維の回収を伴う場合をはじめ、破砕した粒状のプラスチックを含む被処理混合液は固液混合のスラリー状となるため、連続的に反応槽内に原料を供給し、連続的に反応槽内から反応液を取出すことは、必ずしも容易ではないという問題がある。その理由は、第1には、スラリー液を高温高圧で送液するポンプが高価であり、固形物による部品の磨耗等の耐久性に問題が生じやすいことであり、第2には、反応性を確保しつつ、反応槽に残留した未反応固形物の全量排出が困難であることによる。特にプラスチックがFRP(繊維強化プラスチック)の場合、比重の重いガラス繊維や炭酸カルシウム等の無機物成分が未反応のまま残り、沈降性の高いこれらの成分を伴う反応液の排出は難しい。
したがって、このような場合には、回分式の反応装置が採用される。回分式の反応装置はバッチ処理であり、投入した原料は1バッチの反応後そのまま全量抜き出される操作となる。反応生成物を含む反応液を反応槽から取り出すにあたっては、反応槽内は液体を超臨界又は亜臨界状態にしているために高温・高圧の状態にあることから、反応槽内を常温にまで冷却する必要がある。また、反応液を取り出すために反応槽内を常圧にまで減圧する必要がある。
しかしながら、常温常圧まで反応液を冷却するには長時間必要であり、1バッチの処理時間を長引かせる主要因となっていた。そこで、従来、冷却により常圧まで圧力が下がるのを待たずに、反応液液温100℃以上の高温高圧状態で反応槽から反応液の取り出しをおこなっている。100℃以上の高温高圧状態からの排出であれば、反応槽内圧が大気圧以上のため、反応槽内の系を外部の系に開放することにより、特別な取り出し手段を設けることなく排出させることが可能である。しかしながら、高温高圧状態の反応液の排出時、反応液の取り出しに伴う反応槽内の液面低下により反応槽内の気相の圧力が低下し、気相と液相の飽和状態が崩れ、液相が沸騰する、いわゆる突沸が生じる。液相の突沸が生じると、発生した気泡に同伴して反応液が持ち上げられ、反応槽の上方に取り付けられている原料を供給するための配管や弁等に反応液中の固形分が進入して配管閉塞等を引き起こすおそれがあるという問題があった。
国際公開第2004/041917号パンフレット
本発明は、上記のとおりの背景から、従来の問題点を解消し、超臨界又は亜臨界状態でのプラスチック成形品等の分解において、突沸の発生を抑制しつつ、高温高圧の反応槽内より反応液を効率的に取り出し回収することのできる、新しい分解装置を提供することを課題としている。
本発明の分解装置は以下のことを特徴としている。
第1には、超臨界又は亜臨界の状態において被分解物を水熱分解する反応槽とともに、反応槽内から高温高圧状態の反応液を取り出す排出配管を備えた分解装置において、反応槽又は排出配管は、排出配管からの反応液の取出しに伴う反応槽内の液面低下によって発生する突沸を防止する突沸防止手段を有することを特徴とする。
第2には、第1の発明において、突沸防止手段が、反応槽内の気相領域に気体を供給する反応槽気体供給手段であり、反応槽に配設されていることを特徴とする。
第3には、第1の発明において、突沸防止手段が、排出配管に液体を供給して排出配管内に液体を溜める配管液体供給手段であり、排出配管に配設されていることを特徴とする。
第4には、第1の発明において、突沸防止手段が、排出配管に気体を供給して排出配管内の圧力を高める配管気体供給手段であり、排出配管に配設されていることを特徴とする。
第5には、第1の発明において、突沸防止手段が、排出配管からの反応液の排出流量を調整する排出弁であり、排出配管に配設されていることを特徴とする。
上記の第1の発明によれば、反応槽又は排出配管に、排出配管からの反応液の取出しに伴う反応槽内の液面低下によって発生する突沸を防止する突沸防止手段が設けられていることにより、突沸の発生を抑制しつつ、反応槽内から高温高圧状態の反応液を効率的に取り出し回収することができる。
突沸防止手段が反応槽内上部の気相領域に気体を供給する反応槽気体供給手段である第2の発明によれば、反応液の排出時、反応槽内圧を反応槽内の液相温度の飽和蒸気圧以上に保つことができる。これにより、排出配管からの反応液の取出しに伴う反応槽内の液面低下によって気相圧力が低下することを防止し、反応槽内の液相の突沸の発生を抑制することが可能である。
突沸防止手段が排出配管に液体を供給して排出配管内に液体を溜める配管液体供給手段である第3の発明によれば、反応液の排出初期に生じる反応槽内の液面の急激な低下が抑えられ、反応槽内の液相の突沸の発生を抑制することが可能である。
また、突沸防止手段が排出配管に気体を供給して排出配管内の圧力を高める配管気体供給手段である第4の発明及び突沸防止手段が排出配管からの反応液の排出流量を調整する排出弁である第5の発明についても、上記第3の発明と同様に、反応液の排出初期に生じる反応槽内の液面の急激な低下が抑えられ、反応槽内の液相の突沸の発生を抑制することが可能である。
本発明の分解装置は、超臨界又は亜臨界の状態において被分解物を水熱分解する反応槽とともに、反応槽内から高温高圧状態の反応液を取り出す排出配管を備え、反応槽又は排出配管には、排出配管からの反応液の取り出しに伴う反応槽内の液面低下によって発生する突沸を防止する突沸防止手段が設けられている。そしてこの突沸防止手段により、反応槽内から高温高圧状態の反応液を効率的に取り出し回収することができる。したがって、常温常圧まで反応液を冷却することなく反応液の排出が可能になって1バッチの処理時間の短縮化が図れるとともに、突沸の発生に伴う配管閉塞等の問題を防止することができる。ここで「高温高圧状態」とは、反応液の沸点よりも高い温度またはその近傍の温度で、かつ常圧よりも高い圧力にある状態をいう。
本発明の分解装置は、上記のとおりの特徴を有するものであって、プラスチック成形品の分解による有機酸、アルコール等のプラスチック原料の回収や、FRP中の補強繊維等の無機物の回収をはじめ、ダイオキシン、PCB等の有機物の分解、木質材の分解によるリグニン、エタノールの回収、魚類、肉類等の食品タンパク質廃棄物の分解による有機酸、アミノ酸、アルコール等の回収等のために適用され、顕著な効果を奏することになる。
以下に本発明の分解装置について、その実施形態について説明する。もちろん、本発明は以下の実施形態によって限定されるものではない。
<実施形態1>
図1は、本発明に係る分解装置の一実施形態を示した概要構成図である。
この実施形態の分解装置は、超臨界状態又は亜臨界状態の流体で被分解物としてのプラスチック成形品を水熱分解する反応槽1が円筒形で耐圧製に形成されており、反応槽1の底部には底弁8が設けられ、反応槽1内の高温高圧状態の反応液19(被分解物を水熱分解した後の分解物を含む流体)を取り出す排出配管2の一端がこの底弁8に接続され、他端は反応液19の回収槽9が接続されている。排出配管2の途中には反応液19を冷却するための円筒多管式熱交換器等の冷却器10が設けられており、この冷却器10によって反応液19が冷却され、冷却した反応液19が回収槽9に蓄えられるようになっている。排出配管2には反応槽1内の反応液19を取り出すための底弁8が排出配管2の入口部に設けられ、この底弁8の開閉によって反応液19の取り出しがおこなわれる。
反応槽1の外周にはヒーターや熱媒ジャケット等で形成される加熱手段11が設けてあり、温度センサー等で形成される温度検出器12が反応槽1内に差し込んで設けてある。また、反応槽1の上部には反応槽1の上部内の圧力を測定する圧力ゲージなどで形成される圧力検出手段13が設けてある。この温度検出器12及び圧力検出手段13で反応槽1内の温度、圧力をそれぞれ検出しながら、加熱手段11で反応槽1内を加熱することによって、検出される温度と圧力に基づいて加熱手段11を制御して最適温度での加熱をおこなうことができる。
本実施形態では、突沸防止手段3として、反応槽1内の気相領域に気体を供給する高圧エアポンプ等の反応槽気体供給手段4が接続された気体供給管41が反応槽1上部に接続されている。気体供給管41には気体供給用開閉弁42が設けられており、この気体供給用開閉弁42を開けることによって反応槽気体供給手段4から導入された気体が反応槽1に供給される。供給される気体の種類としては、反応液19に化学的に影響を及ぼすものでなければ特に制限されず、例えば、不活性ガス、空気等が挙げられる。
反応槽1内の気相領域への気体の供給は、反応槽1からの反応液19の排出の全期間中、反応槽1内の気相圧力がその液相温度の飽和蒸気圧未満の圧力に低下しないように、気体供給用開閉弁42を開閉してなされる。例えば、図1に示すように、温度検出器12、圧力検出手段13及び気体供給用開閉弁42はそれぞれ、開閉弁制御手段43に電気的に接続され、温度検出器12と圧力検出手段13によって検出される反応槽1内の温度と圧力に応じて、気体供給用開閉弁42の開閉を調整し、反応槽1内の気相圧力を制御できるようにしてある。
具体的には、温度検出器12と圧力検出手段13によって反応槽1の液相温度と気相圧力を検出し、検出した反応槽1内の気相圧力がその液相温度の飽和蒸気圧未満になるようであれば気体供給用開閉弁42を開き、気体を供給して反応槽1内の気相圧力を上昇させるようにし、反応槽1内の気相圧力がその液相温度の飽和蒸気圧以上であれば気体供給用開閉弁42を絞って気体の供給を止める。これによって、反応液19の排出の全期間中、常時、反応槽1内の気相圧力をその液相温度の飽和蒸気圧以上の圧力に保つようにしている。
従来では、反応液19の沸点よりも高い温度と、常圧よりも高い圧力にある高温高圧状態の反応液19を取り出すために、反応槽1の底弁8を開くと、反応槽1内では反応液19の取り出しに伴う液面低下によって気相の圧力が低下し、気相と液相の飽和状態が崩れて液相が沸騰し、いわゆる突沸が生じていたが、本実施形態では、反応槽気体供給手段4による反応槽1内への気体の供給によって、反応液19の排出の全期間中、常時、反応槽1内の気相圧力の低下を防止して液相温度の飽和蒸気圧以上の圧力に保つことから、気相と液相の飽和状態の崩れによる液相の沸騰が抑制され、液相の突沸が防止される。
また、反応槽1には、反応槽1内に投入されるプラスチック成形品と流体とを混合する攪拌手段14が設けてある。本実施形態において分解するプラスチック成形品としては、特に制限されるものではないが、不飽和ポリエステル樹脂成形品等の熱硬化性樹脂成形品を用いることができる。そしてプラスチック成形品は分解反応がし易くなるように粉砕して粉粒状にし、水等の流体と共に反応槽1に投入するが、プラスチック成形品は通常疎水性であるため水等の流体と馴染みにくく、しかも粉砕したプラスチック成形品の粉粒体は空気を噛んでいるために液面に浮き易い。このようにプラスチック成形品と流体との混合が不十分であると、プラスチック成形品の分解の効率が悪くなる。
このために本実施形態では、プラスチック成形品と流体との混合を十分なものとするために、攪拌装置16を備えた前処理槽15が原料供給配管17を介して反応槽1に接続されている。そしてプラスチック成形品の粉粒体と水等の流体とを前処理槽15に投入し、攪拌装置16で十分に攪拌して流体中にプラスチック成形品を混合して、流体中にプラスチック成形品が馴染んだスラリー状にした後、液送ポンプ18で原料供給配管17を通してプラスチック成形品と流体のスラリーを反応槽1に供給するようにしており、プラスチック成形品の分解が効率良くおこなわれるようにしている。
また、反応槽1に供給されたプラスチック成形品の粉粒体が流体中を反応槽1下部に沈降して分解反応が受け難くなることを防止したり、また加熱時にプラスチック成形品の粉粒体が反応槽1内面に固着したりすることを防止するなど、プラスチック成形品の粉粒体の流体に対する攪拌混合性を高めて流体との反応効率を向上させるために、プラスチック成形品は最大粒子径が5mm以下になるように粉砕して使用するのが好ましい。プラスチックの最大粒子径は小さいほど望ましいものであり、粉砕可能であればいくら小さくてもよい。
プラスチック成形品を分解して回収するにあたっては、まずプラスチック成形品と水等の流体とを前処理槽15に投入して十分に攪拌し、反応槽1に供給する。このようにプラスチック成形品と流体とを反応槽1に供給した後、反応槽1を密閉状態にし、プラスチック成形品と流体を攪拌手段14で攪拌しながら加熱手段11で加熱する。
そして、温度検出器12で反応槽1内の温度を、圧力検出手段13で反応槽1内の圧力を、それぞれ検出しながら加熱手段11による加熱をおこない、検出された温度と圧力に応じて加熱を制御することによって、反応槽1内の流体が超臨界状態又は亜臨界状態になる温度・圧力を維持し、この超臨界状態又は亜臨界状態の流体を反応触媒としてプラスチック成形品を分解することができるものである。例えばプラスチック成形品として不飽和ポリエステル樹脂成形品を、流体として水を用いる場合、プラスチック濃度10〜15wt%、分解温度180〜250℃、圧力1.0〜4.0MPaに調整し、水を超臨界状態又は亜臨界状態に維持して1〜4時間反応させることによって、不飽和ポリエステル樹脂をエステル交換反応させ、スチレンマレイン酸共重合体や多価アルコール等のモノマーに加水分解することができる。
所定の分解時間経過後、底弁8を操作することにより、排出配管2から反応液19を排出する。反応槽1内圧は大気圧以上であるため、底弁8を開くだけで反応液19は反応槽1から排出される。高温高圧状態で排出された反応液19は、冷却器10によりその液体の常圧での飽和温度(水では100℃)以下まで冷却され、回収槽9に貯留される。
<実施形態2>
図2は、本発明に係る分解装置の別の一実施形態を示した概要構成図である。なお、図1に示した部分と同一の部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
反応液19の取り出しに伴う反応槽1内の液面低下によって発生する突沸は、その多くが取り出し初期の液面の急激な低下によって生じている。本発明者は、この反応液19の取り出し初期において反応槽1からの取り出し量(排出量)を抑制することが、反応槽1の液相の突沸防止に寄与することを実験的に確認した。すなわち、反応液19の取り出し初期において、反応液19の排出量を抑制することで、反応槽1内の液面の急激な低下を抑え、突沸を防止するものである。本実施形態はこのような知見に基づいてなされたものである。
この実施形態では、突沸防止手段3として、排出配管2に液体を供給して排出配管2内に液体を溜めるための液送ポンプ等の配管液体供給手段5が接続された配管液体供給管51が排出配管2に接続されている。配管液体供給管51には液体供給用開閉弁52が設けられており、この液体供給用開閉弁52を開けることによって配管液体供給手段5から導入された液体が排出配管2に供給される。排出配管2には、供給された液体を貯留するため貯留用開閉弁53が設けられ、配管液体供給管51と排出配管2との接続部よりも下流側に設置される。本実施形態では排出配管2の出口部に貯留用開閉弁53を設けているがこれに限定されるものではない。排出配管2の途中に貯留用開閉弁53を設けていてもよく、例えば、冷却器10の入口側に設けてもよい。もちろん、貯留用開閉弁53が配管液体供給管51と排出配管2との接続部よりも下流側に設置されるように、言い換えれば、貯留用開閉弁53の上流側の排出配管2に配管液体供給管51が接続されることが考慮される。
配管液体供給手段5による排出配管2への液体の供給は、反応槽1から反応液19を取り出す前に、反応槽1の底弁8を閉じ、排出配管2内の気体が抜けかつ供給する液体が貯留できる程度に排出配管2の貯留用開閉弁53を閉じた状態でおこなわれ、排出配管2内に液体が十分に充たされるまで続く。排出配管2内に液体を貯留した後は、液体供給用開閉弁52を閉じて配管液体供給手段5による液体の供給を終了する。プラスチック成形品の分解終了後、反応槽1から反応液19を取り出すときには、まず反応槽1の底弁8と排出配管2の貯留用開閉弁53を開ける。その際、排出配管2内に貯留された液体が慣性抵抗となり、反応液19の取り出し初期において反応槽1からの反応液19の排出量が抑制され、これによって反応槽1内の液面の急激な低下が抑えられて反応槽1の液相の突沸が防止される。排出配管2内に貯留された液体は、最終的には、反応液19と共に排出配管2から回収槽9へと排出される。
配管液体供給手段5で供給する液体の種類としては、粘性が高いものほど慣性抵抗が大きくなり、反応液19の取り出し初期において反応槽1からの反応液19の排出量が抑制されて好ましいが、回収槽9に排出された反応液19をリサイクルすることを考えると、反応液19や反応液19中の分解物と分離が容易であって、化学的に影響を与えないものであることが好ましい。好適なものとして、例えば、水熱分解反応に使用する流体と同じ種類のものが挙げられる。また、使用する液体の種類によって粘性が変わるため、貯留用開閉弁53の排出配管2への設置箇所を適宜設定して排出配管2内に貯留する液量を調整し、これによって慣性抵抗を調整することができる。
本実施形態では、使用する液体の種類とその種類に応じた排出配管2内に貯留する液量を予め定めておくようにしても良い。具体的には、反応液19の取り出し初期において反応槽1内の液面の急激な低下により突沸が生じるので、突沸が生じるおそれのある、取り出し初期の液面の低下速度を試運転等で予め求めておき、この低下速度から取り出し初期の所定時間内における反応液19の排出量Aを求める。そして、取り出し初期の所定時間内における反応液19の排出量がこの排出量Aを下回るように、使用する液体の種類と排出配管2内に貯留する液量とを設定する。
従来では、高温高圧状態の反応液19の取り出しにおいて、反応槽1内圧が大気圧以上のため、反応槽1内の系を外部の系に開放することにより、容易に反応液19を排出させることが可能であった。その反面、反応液19の取り出し初期においては、反応槽1内の系を外部の系に開放することに伴い反応槽1内の液面が急激に低下し、これによって反応槽1の液相に突沸が生じていた。本実施形態では、配管液体供給手段5によって排出配管2に貯留した液体を慣性抵抗とし、反応液19の取り出し初期における反応槽1内の液面の急激な低下を抑えて液相の突沸を防止できる。
<実施形態3>
図3は、本発明に係る分解装置のさらに別の一実施形態を示した概要構成図である。なお、図1−2に示した部分と同一の部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態は上記実施形態2と同様、反応液19の取り出し初期において反応液19の排出量を抑制し、反応槽1内の液面の急激な低下を抑え、突沸を防止するものである。
本実施形態では、突沸防止手段3として、排出配管2に気体を供給して排出配管2内の圧力を高めるための高圧エアポンプ等の配管気体供給手段6が接続された配管気体供給管61が排出配管2に接続されている。配管気体供給管61には開閉弁62が設けられており、この開閉弁62を開けることによって配管気体供給手段6から導入された気体が排出配管2に供給される。排出配管2には圧力調整用開閉弁63が設けられ、配管気体供給管61と排出配管2との接続部よりも下流側に設置される。本実施形態では排出配管2の出口部に圧力調整用開閉弁63を設けているがこれに限定されるものではない。排出配管2の途中に圧力調整用開閉弁63を設けていてもよく、例えば、冷却器10の入口側に設けてもよい。もちろん、圧力調整用開閉弁63が配管気体供給管61と排出配管2との接続部よりも下流側に設置されるように、言い換えれば、圧力調整用開閉弁63の上流側の排出配管2に配管気体供給管61が接続されることが考慮される。
排出配管2に供給する気体の種類としては、反応液19に化学的な影響を及ぼすものでなければ特に制限されず、例えば、不活性ガス、空気等が挙げられる。
配管気体供給手段6による排出配管2への気体の供給は、反応槽1から反応液19を取り出す前に、反応槽1の底弁8と排出配管2の圧力調整用開閉弁63を閉じた状態でおこなわれ、排出配管2内の圧力が反応槽1内の液温の飽和蒸気圧と同じ、もしくはそれよりもやや下回る圧力(例えば1割程度下回る圧力)になるまで続く。このように排出配管2内を所定の圧力まで高めた後は、開閉弁62を閉じて配管気体供給手段6による気体の供給を終了する。プラスチック成形品の分解終了後、反応槽1から反応液19を取り出すときには、まず反応槽1の底弁8と排出配管2の圧力調整用開閉弁63を開ける。その際、排出配管2内が所定の圧力まで高められているので、反応液19の取り出し初期において反応槽1からの反応液19の排出量が抑制され、これによって反応槽1内の液面の急激な低下が抑えられて反応槽1の液相の突沸が防止される。
なお、排出配管2には圧力ゲージ等で形成される圧力検出部64が設けられており、この圧力検出部64で排出配管2内の圧力を検出している。そして、この圧力検出部64で検出した排出配管2内の圧力が、温度検出器12で検出した反応槽1内の温度の飽和蒸気圧と同じ、もしくはそれを下回る圧力になるように開閉弁62の開閉を調整し、排出配管2への気体の供給を制御している。
<実施形態4>
図4は、本発明に係る分解装置のさらに別の一実施形態を示した概要構成図である。なお、図1−3に示した部分と同一の部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態は上記実施形態2−3と同様、反応液19の取り出し初期において反応液19の排出量を抑制し、反応槽1内の液面の急激な低下を抑え、突沸を防止するものであるが、本実施形態では、反応液19の排出量を直接的に調整する排出弁7が突沸防止手段3として、排出配管2に設けられている。この排出弁7は排出配管2の入口部に電磁弁等で形成され、開度を連続的に調整できるようになっており、この開度の調整によって反応液19の排出量が調整される。
上述したように、反応液19の取り出し初期において反応槽1内の液面の急激な低下により突沸が生じるので、突沸が生じるおそれのある、取り出し初期の液面の低下速度を試運転等で予め求めておき、この低下速度から取り出し初期の所定時間内における反応液19の排出量Aを求める。そして、取り出し初期の所定時間内における反応液19の排出量がこの排出量Aを下回るように排出弁7の開度を絞っておき、その後、徐々に排出弁の開度を上げていって反応液19を排出する。
本実施形態では、反応液19の排出流量を検出する流量計71が排出配管2に設けられ、排出弁7及び流量計71が制御手段72に電気的に接続されている。そして、流量計71で検出される反応液19の排出流量に応じて、制御手段72で排出弁7の開度が調整できるようになっており、これによって反応液19の排出量が調整される。
このように、本実施形態では反応液19の取り出し初期において反応液19の排出量を直接的に排出弁7で調整しているため、取り出し初期の反応液19の取り出しに伴う反応槽1内の液面の急激な低下による突沸が防止される。
実施形態1の分解装置の概要構成図である。 実施形態2の分解装置の概要構成図である。 実施形態3の分解装置の概要構成図である。 実施形態4の分解装置の概要構成図である。
符号の説明
1 反応槽
2 排出配管
3 突沸防止手段
4 反応槽気体供給手段
41 気体供給管
42 気体供給用開閉弁
43 開閉弁制御手段
5 配管液体供給手段
51 配管液体供給管
52 液体供給用開閉弁
53 貯留用開閉弁
6 配管気体供給手段
61 配管気体供給管
62 開閉弁
63 圧力調整用開閉弁
64 圧力検出部
7 排出弁
71 流量計
72 制御手段
19 反応液

Claims (5)

  1. 超臨界又は亜臨界の状態において被分解物を水熱分解する反応槽とともに、反応槽内から高温高圧状態の反応液を取り出す排出配管を備えた分解装置において、反応槽又は排出配管は、排出配管からの反応液の取り出しに伴う反応槽内の液面低下によって発生する突沸を防止する突沸防止手段を有することを特徴とする分解装置。
  2. 突沸防止手段が、反応槽内の気相領域に気体を供給する反応槽気体供給手段であり、反応槽に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の分解装置。
  3. 突沸防止手段が、排出配管に液体を供給して排出配管内に液体を溜める配管液体供給手段であり、排出配管に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の分解装置。
  4. 突沸防止手段が、排出配管に気体を供給して排出配管内の圧力を高める配管気体供給手段であり、排出配管に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の分解装置。
  5. 突沸防止手段が、排出配管からの反応液の排出流量を調整する排出弁であり、排出配管に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の分解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010059489A (ja) * 2008-09-04 2010-03-18 Sumitomo Metal Mining Co Ltd オートクレーブの圧力調整方法
JP2019042647A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 長野精工金属株式会社 被処理物の熱分解処理装置および被処理物の熱分解処理方法

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