JP5110054B2 - 分解装置と分解液の排出方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、廃棄物プラスチック等を超臨界又は亜臨界状態の流体にて分解する分解装
置と分解液の排出方法に関するものである。
従来から、国際公開第2005/092962号パンフレットに示されるように、不飽和ポリエステル樹脂などのプラスチックを分解してリサイクルする技術が開発されており、その技術の一つとして、プラスチックを耐圧製の分解槽内で超臨界水や亜臨界水など、超臨界又は亜臨界状態の流体と接触させることによって、プラスチックを加水分解する方法が提案されている。
このようにプラスチックを分解槽内で超臨界又は亜臨界状態の流体によって分解した後、分解液を分解槽から取り出すにあたって、分解槽内は流体を超臨界又は亜臨界状態にするため、高温・高圧の状態にあるので、分解槽内を常温にまで冷却する必要があり、また分解液を取り出すために分解槽内を常圧にまで減圧する必要がある。しかしながら、常温常圧まで分解液を冷却するには長時間必要であり、1バッチの処理時間を長引かせる主要因となっていた。
国際公開第2005/092962号パンフレット
そこで、本発明者らは、特願2007−248203号として、分解槽内の圧力が常圧まで下がるのを待たずに、分解液温度100℃以上の高温高圧状態で分解液を分解槽に接続された排出配管から排出させ、排出配管の途中にある冷却器にて冷却して分解液を取り出す分解装置を提案している。この分解装置は、図3に示すように、被分解物を超臨界又は亜臨界状態の流体にて分解する分解槽1を備えた分解装置において、排出配管6の途中に設けられる分解液16を冷却する冷却器10と、冷却器10の出口側又は入口側の流量調整開閉弁7と、冷却器10の出口側の分解液16の温度を検出して分解液16の温度が沸点以下となるように流量調整開閉弁7の開度を調整する制御手段を備えている。
しかしながら、上記分解装置においては、分解液16の排出により分解槽1内の分解液量が減少すると、分解槽1内の圧力は低下する。それに伴い、排出配管6を流れる分解液16の流速は低下し、排出配管6中に固形分が付着しやすくなるという問題があった。
また、分解装置の省スペース化を図るために排出配管6を立ち上げて設置すると、分解槽1内の分解液16が最後まで排出されないという問題があった。
本願発明は、上記背景技術に鑑みてなしたものであり、その目的は、高温高圧の分解槽内より分解液を効率的に短時間で取り出し回収することができ、排出配管を流れる分解液の流速低下に伴う固形分の排出配管への付着を防止し、分解槽内の分解液を最後まで排出することができる分解装置と分解液の排出方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明は、被分解物を超臨界又は亜臨界状態の流体にて分解する分解槽と、分解槽内から分解液を排出する排出配管とを備えた分
解装置において、排出配管の途中に設けられる分解液を冷却する冷却器と、排出用開閉弁とを有し、分解槽に気体を供給して分解液の排出を補助する気体供給手段と、分解槽内の圧力を検出する圧力検出手段をも備えて構成され、排出用開閉弁は、所定の反応時間経過後に分解液が分解槽にて、所定温度まで冷却された後に、常圧より高い分解槽内圧を保持した状態で開放されるものであり、気体供給手段は、圧力検出手段によって検出された分解槽内の圧力が所定値以下になった場合に、一旦、排出配管から分解液を排出するのを停止し、気体供給手段は排出配管から気体を供給し、分解槽内の圧力が所定値以上になった場合に、再び、排出配管から分解液を排出し、分解槽内の圧力が所定値以上になるよう気体を供給して分解液の排出に伴う分解槽内の圧力低下を補うものであることを特徴としている。
本願請求項記載の発明は、被分解物を超臨界又は亜臨界状態の流体にて分解槽で分解し、分解終了後、排出配管から分解液を排出する分解液の排出方法であって、排出配管の途中に分解液を冷却する冷却器と、排出用開閉弁とを設け、分解槽に気体を供給して分解液の排出を補助する気体供給手段と、分解槽内の圧力を検出する圧力検出手段をも備え、所定の反応時間経過後に分解液を分解槽にて、所定温度まで冷却した後に、常圧より高い分解槽内圧を保持した状態で排出用開閉弁を開放して分解液の排出を開始するとともに、圧力検出手段によって検出された分解槽内の圧力が所定値以下になった場合に、一旦、排出配管から分解液を排出するのを停止し、気体供給手段は排出配管から気体を供給し、分解槽内の圧力が所定値以上になった場合に、再び、排出配管から分解液を排出し、分解液の排出に伴う分解槽内の圧力低下を補うことを特徴としている。
本願請求項1記載の発明の分解装置においては、排出配管の途中に設けられる分解液を冷却する冷却器と、排出用開閉弁とを有し、排出用開閉弁は、所定の反応時間経過後に分解液が分解槽にて、所定温度まで冷却された後に、常圧より高い分解槽内圧を保持した状態で開放されるものであることにより、高温高圧の分解槽内より分解液を効率的に短時間で取り出し回収することができる。また、分解槽に気体を供給して分解液の排出を補助する気体供給手段と、分解槽内の圧力を検出する圧力検出手段をも備え、気体供給手段は、圧力検出手段によって検出された圧力に従って、分解槽内の圧力が所定値以上になるよう気体を供給して分解液の排出に伴う分解槽内の圧力低下を補うものであることにより、分解槽内の分解液を最後まで排出することができ、しかも排出配管を流れる分解液の流速低下に伴う固形分の付着を効果的に防止することができる。
本願請求項記載の発明の分解装置においては、特に、分解液の流れ方向と逆の方向から気体の供給を行うことにより、分解液中に含まれる固形分が溜まりやすい排出口や排出
用開閉弁に滞留する固形分を、押し流すことができ、閉塞を効果的に防止することができる。また、分解槽内の圧力低下を防止して、分解液の流速低下に伴う固形分の排出配管への付着をより確実に防止することができる。
本願請求項記載の発明の分解液の排出方法においては、排出配管の途中に分解液を冷却する冷却器と、排出用開閉弁とを設け、所定の反応時間経過後に分解液を分解槽にて、所定温度まで冷却した後に、常圧より高い分解槽内圧を保持した状態で排出用開閉弁を開放して分解液の排出を開始することにより、高温高圧の分解槽内より分解液を効率的に短時間で取り出し回収することができる。また、分解槽に気体を供給して分解液の排出を補助する気体供給手段と、分解槽内の圧力を検出する圧力検出手段をも備え、分解槽内の圧力が所定値以上になるよう圧力検出手段によって検出された圧力に従って気体を供給して、分解液の排出に伴う分解槽内の圧力低下を補うことにより、分解槽内の分解液を最後まで排出することができ、しかも排出配管を流れる分解液の流速低下に伴う固形分の付着を効果的に防止することができる。特に、分解液の流れ方向と逆の方向から気体の供給を行うことにより、分解液中に含まれる固形分が溜まりやすい排出口や排出用開閉弁に滞留する固形分を、押し流すことができ、閉塞を効果的に防止することができる。また、分解槽内の圧力低下を防止して、分解液の流速低下に伴う固形分の排出配管への付着をより確実に防止することができる。
本願発明の参考実施形態である分解装置を示す概要構成図である。 本願発明の実施形態である分解装置を示す概要構成図である。 従来例である分解装置を示す概要構成図である。
図1は、本願発明の参考実施形態である分解装置を示している。この分解装置は、被分解物2を超臨界又は亜臨界状態の流体3にて分解する分解槽1と、分解槽1内から分解液16を排出する排出配管6とを備えた分解装置において、排出配管6の途中に設けられる分解液16を冷却する冷却器10と、冷却器10の出口側又は入口側の流量調整開閉弁7と、冷却器10の出口側の分解液16の温度を検出する温度検出器25とを有し、分解槽1に気体4を供給して分解液16の排出を補助する気体供給手段で構成されている。また、分解槽1に被分解物2を供給する原料供給配管17と、分解槽1内から分解液16を排出するための排出用開閉弁5と、排出配管6の排出流量を検出する排出流量検出手段9と、分解槽1内の圧力を検出する圧力検出手段14とを備えている。ここで、気体供給手段は原料供給配管17から気体4を供給するものである。
以下、この実施形態の分解装置を、より具体的詳細に説明する。図1に示すように、被分解物2を超臨界又は亜臨界状態の流体3にて分解する円筒形で耐圧性の分解槽1を備えており、この分解槽1の上部に被分解物2を供給する原料供給配管17が接続されている。原料供給配管17の分解槽1側には原料供給弁21が設けられており、原料供給弁21を開放することによって被分解物2が分解槽1に供給される。
被分解物2は、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機充填材やガラス繊維等の無機繊維を含む繊維強化プラスチック等のプラスチック成形品であり、分解槽1内での流体3との攪拌混合性を高めて反応効率を向上させるために、粒径が1−30mm程度、好ましくは最大粒子径が10mm以下になるように粉砕して使用するのが好ましい。このように粉砕された粉粒状のプラスチックが原料供給配管17を通じて分解槽1に供給される。
分解槽1の上部には、流体3を供給する流体供給配管19が接続されている。流体供給配管19の分解槽1側には流体供給弁22が設けられており、流体3は、流体供給弁22を開放して分解槽1内に供給され、超臨界又は亜臨界状態で被分解物2の反応触媒として作用して被分解物2が分解される。このような流体3の種類としては、水やアルコール等であり、この流体3に水酸化ナトリウム等のアルカリが共存されていてもよい。
分解槽1の外周にはヒーターや熱媒ジャケット等で形成される加熱手段12が設けてあり、温度センサー等で形成される温度検出手段15が分解槽1内に差し込んで設けられている。また、分解槽1には内部の圧力を測定する圧力ゲージなどで形成される圧力検出手段14が設けられている。被分解物2の分解処理においては、この温度検出手段15及び圧力検出手段14で分解槽1の温度、圧力をそれぞれ検出しながら、加熱手段12で分解槽1内を加熱することによって、検出される温度と圧力に基づいて加熱手段12を制御して最適温度での加熱を行うようにしている。この圧力検出手段14は、気体供給配管18から気体4を供給する際にも分解槽1の内圧を検出しており、検出される圧力に基づいて気体供給弁23を閉止して気体4の供給を停止するようにしている。
分解槽1には、分解槽1に供給される被分解物2と流体3を混合する攪拌手段13が設けられている。攪拌手段13は、回転軸と、回転軸に取り付けられた攪拌翼を有しており、分解槽1の上部に設けたモータで回転軸を回転駆動することにより、分解槽1内の被分解物2と流体3を攪拌混合する。
分解槽1には、配管で構成される安全弁管路が形成されて、安全弁管路の途中に安全弁20が設けられている。安全弁20は、被分解物2の分解処理時における高温高圧下において、内圧の異常上昇による分解槽1の破損などを防止するための安全機構を有する弁である。
分解槽1の底部には排出配管6の一端が排出口8を介して接続され、排出配管6の他端は分解液回収槽11に接続されており、排出配管6には排出用開閉弁5が設けられている。ここで、分解槽1内の高温高圧状態の分解液16(被分解物2を分解した後の分解物を含む流体3)は排出用開閉弁5を開くことによって排出され、排出配管6を通じて分解液回収槽11に回収される。排出配管6の途中には分解液16を冷却するための円筒多管式熱交換器等の冷却器10が設けられており、冷却器10によって分解液16が冷却され、冷却した分解液16が分解液回収槽11に蓄えられるようになっている。
また、排出配管6には分解液16の流量を調整するための流量調整開閉弁7が、排出用開閉弁5よりも下流側に位置する冷却器10の入口側に設けられている。この流量調整開閉弁7は、電磁弁等で形成されて連続的に開度を調整できるようになっており、開度に応じて分解液16の流量の調整ができるようになっている。流量調整開閉弁7は冷却器10の出口側に設けてもよいが、この場合冷却器10を耐圧製の圧力容器にする必要がある。さらに排出配管6には、分解液16の流量を検出する流量検出手段9が排出用開閉弁5と流量調整開閉弁7との間の位置に設けられている。
温度検出器25は、冷却器10の出口側の分解液16の温度を検出するものである。ここで、分解液16の沸点よりも高い温度と、常圧よりも高い圧力にある高温高圧状態の分解液16を取り出すために、排出用開閉弁5を開け、流量調整開閉弁7で流量を調整してから、冷却器10において冷却水によって分解液16を冷却する。そして、流量調整開閉弁7は、冷却器10の出口側の分解液16の温度によってその開度が調整される。この開度の調整は温度検出器25によって出口側の分解液16の温度を直接または間接的に検知し、この出口側の温度が設定された分解液16の沸点温度よりも高い場合は流量調整開閉弁7を絞ることにより、また、低い場合には開くことにより行われる。このような開度の調整は、分解槽1内の分解液16が全量排出されるまで行われることになる。なお、流量調整開閉弁7の開度調整は、固定であっても、温度検出器25によって検出される冷却器10の出口側の分解液温度に応じて、流量調整開閉弁7の開閉を制御できるようにしてもよい。
気体供給配管18は原料供給弁21の上流側の原料供給配管17に接続されている。気体4としては、空気や窒素等であり、分解液16と反応しないものがよい。例えば気体4として空気を供給する場合には、一端を大気中に開放させた管体の他端を原料供給配管17に接続し、ポンプで空気を供給して気体供給手段を形成している。また、窒素ガス、アルゴンガス等を供給する場合には、これらの気体4を封入したボンベなどを気体供給配管18に接続して気体供給手段を形成している。この場合、気体供給弁23を開閉することにより気体4の供給を調整している。
次に、分解装置の動作について説明する。上記のように形成される分解装置にあって、まず、排出用開閉弁5を閉止し、流体供給弁22を開放し、流体3を流体供給配管19より分解槽1に供給する。供給量は分解槽1での重量変化をロードセルで管理してもよいし、流体供給配管19に積算流量計を設け、その値で管理してもよい。流体3の供給は流体供給弁22を閉止することにより停止する。被分解物2は原料供給弁21を開放し、原料供給配管17より粉体の状態で所定量、分解槽1に供給する。供給量は、流体3と同じく分解槽で1の重量変化を管理してもよいし、原料供給配管17が接続されている原料貯槽での重量減少より管理してもよい。被分解物2の供給は原料供給弁21を閉止することにより停止する。
次いで、被分解物2は粉体であるため原料供給配管17への粉体の付着による原料供給弁21閉止時の不具合等のトラブルが予測されるため、原料供給完了後、気体供給弁23を開放して気体供給配管18より気体4を供給し、原料供給配管17の付着物を吹き飛ばして洗浄する。付着物はそのまま、分解槽1へ供給され、気体4はこの洗浄工程中に開放される安全弁20から外部に排出される。
なお、被分解物2と流体3の投入方法としては、被分解物2と流体3との混合を十分なものとするために、攪拌装置を備えた前処理槽で被分解物2と流体3を所定量混合した後、スラリー状にして、スラリー液の移送が可能な液送ポンプで原料供給配管17を通して分解槽1に供給してもよい。この場合、上記に示す気体4による洗浄工程は不要である。
このように被分解物2と流体3とを分解槽1に供給した後、分解槽1を密閉状態にし、被分解物2と流体3を攪拌手段13で攪拌しながら加熱手段12で加熱する。
そして、温度検出手段15で分解槽1内の温度を、圧力検出手段14で分解槽1内の圧力を、それぞれ検出しながら加熱手段12による加熱を行ない、検出された温度と圧力に応じて加熱を制御することによって、分解槽1内の流体3が超臨界又は亜臨界状態になる温度・圧力を維持し、この超臨界又は亜臨界状態の流体3を反応触媒として被分解物2を分解することができるものである。例えば被分解物2として不飽和ポリエステル樹脂成形品を、流体3として水を用いる場合には、不飽和ポリエステル樹脂成形品濃度10〜30wt%、分解温度200〜260℃に調整し、水を超臨界又は亜臨界状態に維持して30分〜4時間反応させることによって、不飽和ポリエステル樹脂を、スチレンマレイン酸共重合体や多価アルコール等のモノマーに加水分解することができる。また、被分解物2としてFRP(繊維強化プラスチック)を用いると、分解液16にはFRP中のガラス繊維や炭酸カルシウム等の無機物がそのまま固形分として含まれることになる。
所定の反応時間経過後、分解槽1の冷却を行う。例えば加熱手段12を熱媒ジャケットで構成した場合などは、熱媒自体を別途設置した冷却手段で冷却し、冷えた状態の熱媒油を循環させ、外部冷却するものである。分解槽1内温度が、所定温度(排出開始温度)に下がるまで冷却を継続する。排出開始温度は、常圧での飽和温度以上であればよく、分解槽1での冷却効率が鈍化し、かつ、排出配管6の冷却器10の伝熱面積が過大になったり、吐出圧力が過大になったりしないことを考慮して120〜160℃程度が妥当である。本例では130℃に設定している。このとき分解槽1内圧は飽和蒸気圧に等しい0.27MPaである。
分解液16の排出工程では、排出用開閉弁5及び流量調整開閉弁7を操作することにより、排出配管6から分解液16を排出する。分解槽1内圧は0.27MPaと大気圧以上であるため、排出用開閉弁5及び流量調整開閉弁7を開くだけで分解液16は分解槽1から排出される。高温高圧状態で排出された分解液16は、冷却器10によりその液体の常圧での飽和温度(水では100℃)以下まで冷却され、分解液回収槽11に貯留される。排出の完了は、分解槽1の重量変化をロードセルで管理してもよいし、流量検出手段9が排出流量を検出しなくなることで管理してもよい。
このとき、分解液16は加圧された状態で排出されるため、流速も早く、排出時間を短縮する効果があると共に、排出配管6での無機物等の分解液16中に含まれる固形分の沈降を抑制することができる。
しかし、分解槽1内の分解液16は、排出するにつれて容量が減少し、それにともない気相部分の容積が膨張して増える。温度Tが一定の場合、ボイルの法則よりPV=一定であるから、分解槽1内の圧力が低下して、分解液16の排出流量が減少する。
そのため、本参考実施形態では、流量検出手段9にて排出配管6の排出流量を検出し、排出流量が所定値(例えば初期流量の70%)以上に維持されるように、気体供給配管18より気体4を供給して分解槽1内の圧力を一定に制御する。気体4の供給量は気体供給弁23の開度制御などによって行う。このような制御は、分解液16の排出初期から行ってもよいし、排出初期は気体4の供給を行わず、所定流量(例えば初期流量の70%)以下になった時点で、行うようにしてもよい。
また、分解槽1内の圧力を圧力検出手段14で検出し、分解槽1内の圧力が所定値(例えば0.2MPa)以上に維持されるように、気体供給配管18より気体4を供給して分解槽1内の圧力を一定に制御してもよい。気体4の供給量は気体供給弁23の開度制御などによって行う。
さらに、分解槽1内の圧力を圧力検出手段14で検出し、分解槽1内の圧力が所定値(例えば0.15MPa)以下になった場合に、一旦、排出用開閉弁5を閉止して分解液1の排出を停止し、分解槽1内の圧力が排出基準圧(例えば0.2MPa)になるまで気体4を供給してもよい。再度、排出用開閉弁5を開放して分解液16の排出を行う。
したがって、排出配管6の途中に設けられる分解液16を冷却する冷却器10と、冷却器10の出口側又は入口側の流量調整開閉弁7と、冷却器10の出口側の分解液16の温度を検出する温度検出器25を有することにより、高温高圧の分解槽1内より分解液16を効率的に短時間で取り出し回収することができる。また、分解槽1に気体4を供給して分解液16の排出を補助する気体供給手段を備えることにより、分解液16の排出に伴う分解槽1内の内圧低下を補い、分解槽1内の分解液16を最後まで排出することができ、しかも排出配管6を流れる分解液16の流速低下に伴う固形分の付着を効果的に防止することができる。さらに、分解液16を揚水することも可能であり、分解液回収槽11を分解槽1の直下におく必要がなく、排出配管6を立ち上げて設備全体の高さを抑えることにより、省スペースで設備コストを低減することが可能である。
図2は、本願発明の実施形態である分解装置を示している。ここでは、上記参考実施形態と相違する事項についてのみ説明し、その他の事項(構成、作用効果等)については、上記参考実施形態と同様であるのでその説明を省略する。この分解装置の気体供給手段は排出配管6から気体4を供給するものである。
気体供給配管18は流量調整開閉弁7の上流側の排出配管6に逆止弁24を介して接続されている。分解液回収槽11への端部が開放されていると、気体4が放出されてしまうため、分解液回収槽11側の流量調整開閉弁7を閉止して、気体4を供給し、分解槽1内の圧力を高めるものである。この場合、分解槽1内の圧力が所定値(例えば0.15MPa)以下になった場合に、一旦、流量調整開閉弁7を閉止して分解液16の排出を停止し、排出用開閉弁5を開放したまま、分解槽1内の圧力が排出基準圧(例えば0.2MPa)になるまで排出配管6の途中に接続された気体供給配管18より気体4を供給する。そして、排出基準圧に達した時点で、気体供給弁23を閉止して気体4の供給を停止し、流量調整開閉弁7を開放して、再度、分解液16の排出を再開する。ここでは、分解槽1内の圧力に応じて、気体4の供給を制御しているが、流量検出手段9にて検出される排出配管6の排出流量に応じて、気体4の供給を制御してもよい。
したがって、分解液16の流れ方向と逆の方向から気体4の供給を行うことにより、無機物等の分解液16中に含まれる固形分が溜まりやすい排出口8や排出用開閉弁5に滞留する固形分を、押し流すことができ、閉塞を効果的に防止することができる。また、分解槽1内の圧力低下を防止して、分解液16の流速低下に伴う固形分の排出配管6への付着をより確実に防止することができる。
1 分解槽
2 被分解物
3 流体
4 気体
5 排出用開閉弁
6 排出配管
9 排出流量検出手段
10 冷却器
14 圧力検出手段
16 分解液
17 原料供給配管
25 温度検出器

Claims (2)

  1. 被分解物を超臨界又は亜臨界状態の流体にて分解する分解槽と、分解槽内から分解液を排出する排出配管とを備えた分解装置において、排出配管の途中に設けられる分解液を冷却する冷却器と、排出用開閉弁とを有し、分解槽に気体を供給して分解液の排出を補助する気体供給手段と、分解槽内の圧力を検出する圧力検出手段をも備えて構成され、排出用開閉弁は、所定の反応時間経過後に分解液が分解槽にて、所定温度まで冷却された後に、常圧より高い分解槽内圧を保持した状態で開放されるものであり、気体供給手段は、圧力検出手段によって検出された分解槽内の圧力が所定値以下になった場合に、一旦、排出配管から分解液を排出するのを停止し、気体供給手段は排出配管から気体を供給し、分解槽内の圧力が所定値以上になった場合に、再び、排出配管から分解液を排出し、分解液の排出に伴う分解槽内の圧力低下を補うものであることを特徴とする分解装置。
  2. 被分解物を超臨界又は亜臨界状態の流体にて分解槽で分解し、分解終了後、排出配管から分解液を排出する分解液の排出方法であって、排出配管の途中に分解液を冷却する冷却器と、排出用開閉弁とを設け、分解槽に気体を供給して分解液の排出を補助する気体供給手段と、分解槽内の圧力を検出する圧力検出手段をも備え、所定の反応時間経過後に分解液を分解槽にて、所定温度まで冷却した後に、常圧より高い分解槽内圧を保持した状態で排出用開閉弁を開放して分解液の排出を開始するとともに、圧力検出手段によって検出された分解槽内の圧力が所定値以下になった場合に、一旦、排出配管から分解液を排出するのを停止し、気体供給手段は排出配管から気体を供給し、分解槽内の圧力が所定値以上になった場合に、再び、排出配管から分解液を排出し、分解液の排出に伴う分解槽内の圧力低下を補うことを特徴とする分解液の排出方法。
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