JP2016062784A - 透明電極付き基板及びその製造方法 - Google Patents

透明電極付き基板及びその製造方法 Download PDF

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貴久 藤本
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Abstract

【課題】金属材料のロスを少なく、金属細線フィルムを製造する。【解決手段】透明フィルム基板100の少なくとも一面上にメッシュ状の金属電極層が形成された透明電極付き基板の製造方法において、透明フィルム基板にマスク材料1001を形成し、マスク材料の所定部分に透明フィルム基板表面まで貫通する開口部を形成する開口部形成工程と、開口部に下地層201を形成する下地層形成工程と、マスク材料を透明フィルム基板から剥離するマスク材料剥離工程と、下地層上に金属層210を接するように無電解めっきにより形成する金属層形成工程とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、透明フィルム基材上に透明電極層が形成された透明電極付き基板に関する。
タッチパネルやディスプレイなどの表示デバイス、LEDなどの発光デバイス、太陽電池などの受光デバイスに用いられる透明電極付き基板では、シート抵抗として表される電気特性の制御が重要である。このような透明電極の材料としては、酸化インジウムを主成分とした透明導電性酸化物が用いられることが多い。酸化インジウムには酸化スズなどの金属酸化物を添加することで、種々の特性を付与することが可能である。
一般的な透明電極付き基板の構造としては、フィルムなどの軟質基板上に透明電極薄膜が形成され、パターニングされたものが知られているが、酸化インジウムのような透明導電性酸化物は、結晶化のために高温製膜または製膜後の熱処理が必要であり、その温度はフィルム基板の耐熱性によって決定され、加えて透明導電性酸化物の導電性は金属のそれより劣るため、必然的に透明導電性酸化物を用いた透明電極の電気特性は8×10−5〜3×10−4Ωcmが限界とされている。
一方で、より低抵抗な透明電極用材料として金属ナノワイヤーを分散させた樹脂や金属メッシュが考案されており、実用化に向けた取り組みが盛んである。特に金属メッシュは、特許文献1に記載されているように、金属配線をさらに細線にすることで、メッシュ状且つ透光性(透明)にするものである。
このような金属配線を形成する技術として、他に、特許文献2や特許文献3や特許文献4も知られている。また、銅を含んだ複数の金属層を積層した配線基板として、特許文献5や特許文献6が知られている。
特開2007−109858号公報 特開2000−357671号公報 特開2009−272571号公報 特開平7−297523号公報 特開平9−55575号公報 特開2013−96003号公報
ところで、フィルム等の基板に金属を形成する好ましい方法として、スパッタリング法、めっき法などが代表例として挙げられる。一方で基板に金属メッシュを形成する場合には、上記の方法に加えて金属ペーストを印刷して形成する方法がある。印刷による方法では、直接、狙いとするメッシュ形状、即ち電極を形成することが可能となる一方、金属ペーストは、金属単膜と比較して抵抗率が高いため、金属ペーストの断面積、或いは高さを確保する必要がある。このため、金属が視覚で認識されやすくなり、透明電極として好ましいと言えない。
スパッタリング法やめっき法で金属膜を形成する方法では、金属特有の特性を発現させることが容易であるため、細線形状にしても低抵抗率を維持することが可能である。金属細線に用いる金属膜はサブミクロン〜ミクロン単位の厚みを有するため、めっきによる形成が有利である。細線を形成するためには、全面製膜後にパターニングを行うサブトラクティブ法の他、薄膜下地層を製膜してからレジストを塗布し、レジストの開口部のみに金属層をさらに積層し、レジストの除去後、上記薄膜下地層の除去を行なうセミアディティブ法や、レジスト塗布前に電極形成を行わず、レジスト塗布後に金属細線パターンを後から形成するアディティブ法がある。
サブトラクティブ法では全面製膜後にパターンを施すため、例えば98%の開口率を達成するためには、98%の膜を除去する必要があり、材料のロスを生じることになる。一方、アディティブ法は、通常、材料のロスは少ないものの、先にパターンを形成するため、めっき製膜として電解めっきを採用する際の給電方法に課題があり、具体的には金属膜厚がレジスト厚みに制限を受け形成困難になる。
上記特許文献2、3は、ここでいうセミアディティブ法に分類されるが、全面に形成された下地層を全面に製膜した後にレジストによりマスクが形成されており、マスク除去後に下地層が除去されるため、材料ロスを生じる。
特許文献4では、ネガ型レジストを用いてアディティブ法によって銅の積層を行なっている。5μm以下の細線パターンを安価かつ簡便に作製するためには、ポジ型レジストが適しているが、特許文献6の手法でポジ型レジストを用いた場合にはレジストが溶解するためアルカリ性である無電解めっき溶液が使用できない。さらに、特許文献6のパターンは、線幅40μm程度であることから、特許文献6の手法では、タッチパネル用の金属細線フィルムの作製が困難であるといえる。
また、特許文献5は、サブトラクティブ法を想定しており、原理的に材料ロスが多くなる方式である。特許文献6は、めっきにより形成しているが、粒子を形成している点で、本願で必要とする細線の形成は困難であると言える。
そこで本発明者らが鋭意検討した結果、無電解銅めっきを用いたアディティブ法により、高さが5μm以下、且つ高さの面内均一性のよい銅細線パターンを作製する方法を見出し、金属細線付きフィルムを生産性良く生産可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の製造方法は、透明フィルム基板の少なくとも一面上にメッシュ状の金属電極層が形成された透明電極付き基板の製造方法において、上記透明フィルム基板にマスク材料を形成し、該マスク材料の所定部分に透明フィルム基板まで貫通する開口部を形成する開口部形成工程と、該開口部に下地層を形成する下地層形成工程と、該マスク材料を剥離する剥離工程と、無電解めっきによって金属層を下地層に接するように形成する金属層形成工程とを備えている。
また、上記各工程は洗浄工程を有することが好ましく、上記金属層は無電解めっき法により0.2〜5μmの膜厚に形成されることが好ましい。さらに、上記開口部の面積は、前記透明フィルム基板の面積の5%以下であることが好ましい。
本発明によれば、フィルム基板上に黒色金属製膜が可能な積層した後に、レジストを剥離することによって、アルカリ溶液である無電解銅めっき用液を使用して、面内均一性の高い銅細線パターンを作製することが可能となる。これにより、金属のロスが少なく、生産性が高く、パターンの非視認性に優れた透明電極付き基板を提供することができる。
透明電極付き基板の製造工程の一実施形態を説明する概略図である。 透明電極付き基板のパターン形成例を示した平面図である。
[透明電極付き基板の構成]
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1には、本発明にかかる透明電極付き基板の製造工程が示されている。透明フィルム基材100上にはマスク材料1001が形成されている。マスク材料とは、パターン等を被転写対象に転写する際の原版になるものであり、本発明では、細線のパターニングが容易な公知のフォトリソグラフィ技術に用いるフォトレジスト材料(ポジ/ネガ共に)を用いることが好適である。マスク材料1001の開口部は、フィルム基材100が剥き出しとなっている。このフィルム基板上に無電解めっきにより下地層201が形成されている。
下地層201は、透明フィルム基材101との密着性向上や色相の調整のために形成され、さらにその後の無電解めっき法による金属膜形成の際のベースとなる層である。マスク材料1001は下地層201形成後に除去される。マスク材料1001の膜厚は、通常1〜5μm程度であり、下地層201の膜厚(0.01〜0.5μm)と比べて十分に厚い。
なお、本発明にかかる製造方法について、説明の簡素化のために透明フィルム基材の片面のみ形成された構成となっているが、両面に形成する場合にも同様の方法を適用可能である。透明フィルム基材100を構成する透明フィルムは、少なくとも可視光領域において無色透明であるものが好ましい。
マスク材料1001は、上述のように感光性フォトレジスト材料が最も好ましく使用できる。金属は、本質的に光を透過させないので、可能な限り細線とする必要がある。細線の線幅は0.5〜10μmが好ましく、特に1〜5μmが好ましい。このような線幅とするための好適な手段としては、フォトリソグラフィ法によるマスク材料のパターニングが代表例として挙げられる。
この他、電子線や放射線による描画、レーザースクライブやインプリント法による転写・パターニングなどがあるが、上記線幅の細線パターニングが形成されることが重要である。また、本発明は細線を形成するものであるので、マスク材料が除去された空間が線状の形状となっており、且つ、その線幅が上記範囲内であることが必須である。マスク材料1001の形成される膜厚は、0.5〜3μm程度が好ましく適用される。
下地層201には、密着性および色目の観点で材料を選定する必要があり、銅を使用することもできるが、ニッケルまたはニッケル合金を使用することが好ましい。ニッケル合金を用いる場合には、リン、チタン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、銅、タングステンなどから1〜2種選択したものとの合金が適用でき、特にニッケル−リン系の合金が好適に使用できる。このような材料を用いた場合の色目は、人間に視覚される程度が低いため、金属細線基板を透明電極として適用する場合に重要な要素と考えられる。
ディスプレイなどの表示デバイスに組み込まれたフィルムを人間の目で見た場合、銅の色は金属光沢が強いため目に留まりやすい。一方で、ニッケル合金などを形成した透明電極は黒味を帯びるため、ディプレイのブラックマトリクスと重なり判別し難くなる。さらに、本発明の透明電極付き基板は、両面に金属細線が形成されることもあるため、黒味を帯びさせる処理は、基板と金属層との間だけでなく、金属層の表面にも形成されることがあってもよい。金属層の表面に処理される方法としては、公知技術である黒化処理を施すことで容易に達成可能である。下地層201の膜厚は0.01〜0.5μm程度が好ましく、特に0.03〜0.2μmが好ましい。これにより密着性と(金属光沢を最小限に抑えた)色目の調整が可能となる。
金属層210は導電性と生産性の観点から銅を用いることが最も好ましい。金属層210の膜厚は、必要とされる抵抗により決定されるが、0.2〜5μmが好ましく、さらには0.3〜1.5μmが特に好ましい。0.2μm以上とすることで、細線でも十分な導電性を維持することができる。導電体の導電性は、その断面積に比例するので、細線の場合には厚みを大きくすることで導電性を確保することが好ましい。また、5μm以下とすることで、金属細線の非視認性を良好なものとすることができる。高すぎる金属細線は、斜視では金属光沢による非視認性の低下が起こる虞がある。細線の線幅は0.5〜10μmが好ましく、特に1〜5μmが好ましい。
金属細線の抵抗は、一般的な透明導電性酸化物(酸化インジウムなど)の測定に用いられる四探針型は使用できず、渦電流抵抗測定法や各細線の抵抗を測定するなどの方法を適用する。渦電流抵抗測定法で測定した抵抗値は、片面のみの金属細線形成で1〜1500Ω/□となる。渦電流抵抗測定法は、電磁場の遮蔽により抵抗を決定する手法なので、金属細線の線幅や膜厚だけでなく、金属細線同士の間隔にも依存する。
本発明の透明電極付き基板の光線透過率は85%以上であることが好ましく、特に90%以上であると好ましい。本発明における光線透過率は、透明フィルム基材の光線透過率から金属細線による遮蔽率を差し引いたものとなる。このため、透明フィルム基材には光学特性を向上させるために、光学調整層を設けることが可能であり、例えば、屈折率の異なる層を積層させることで低反射構造にすることや、透過・反射光の干渉を利用して、特定の波長の光を強調することなどができる。
[透明電極付き基板の製造方法]
以下、本発明の好ましい実施の形態について、透明電極付き基板の製造方法に沿って説明する。本発明の製造方法では、透明フィルム上にハードコートなど透明誘電体層を備える透明フィルム基材100が用いられる。さらにマスク材料1001は、ロールトゥロール方式のウェットコーティング法が採用できる(基材準備工程)。ウェットコーティング法は、スリットコーティング・グラビアコーティング・ダイコーティングなどの公知の方法を任意に選択して採用することができる。この他、フィルム型のマスク材料(フィルムレジスト等)も使用可能である。下地層201から金属層210は無電解めっき法により形成される(製膜工程)。
(基材準備工程)
透明フィルム基材100を構成する透明フィルムは、少なくとも可視光領域で無色透明であり、透明電極層形成温度における耐熱性を有していれば、その材料は特に限定されない。透明フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。中でも、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましく用いられる。
透明フィルム基材100の厚みは特に限定されないが、10μm〜400μmが好ましく、20μm〜200μmがより好ましい。厚みが上記範囲内であれば、透明フィルム基材10が耐久性と適度な柔軟性とを有し得るため、その上に各透明誘電体層および透明電極層をロールトゥロール方式により生産性高く製膜することが可能である。透明フィルム基材100としては、二軸延伸により分子を配向させることで、ヤング率などの機械的特性や耐熱性を向上させたものが好ましく用いられる。
一般に、延伸フィルムは、延伸による歪が分子鎖に残留するため、加熱された場合に熱収縮する性質を有している。このような熱収縮を低減させるために、延伸の条件調整や延伸後の加熱によって応力を緩和し、熱収縮率を0.2%程度あるいはそれ以下に低減させるとともに、熱収縮開始温度が高められた二軸延伸フィルム(低熱収縮フィルム)が知られている。透明電極付き基板の製造工程における基材の熱収縮による不具合を抑止する観点から、このような低熱収縮フィルムを基材として用いることも提案されている。
透明フィルム基材100の片面または両面にハードコート層等の機能性層が形成されたものであってもよい。透明フィルム基材に適度な耐久性と柔軟性を持たせるためには、ハードコート層の厚みは1〜10μmが好ましく、3〜8μmがより好ましく、5〜8μmがさらに好ましい。ハードコート層の材料は特に制限されず、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等を、塗布・硬化させたもの等を適宜に用いることができる。また、密着性を向上させるために基材100に易接着層を積層することも可能である。
マスク材料1001は、フォトリソグラフィ法によりパターニングが可能な材料が用いられ、液状のフォトレジスト材料や感光性フィルム材料が好ましく用いることができる。これら以外にも、レーザースクライブ可能なフィルム、即ちレーザーの波長に吸収を示す材料を用いることもできる。上記の線幅を達成するためには、レーザースクライブよりも、フォトリソグラフィによるパターニングの方が容易である。マスク材料1001は透明基材100上の全面に均一に塗工され、その後フォトリソグラフィ法またはレーザースクライブ法で所望のパターンを形成する方法が最も簡便である。
マスク材料1001は、その後の下地層201形成時に溶解・剥離しない材質であることが重要である。例えば下地層201形成用のめっき液の液性が酸性の場合には、酸性液に易溶のマスク材料を使用しないという選定が必要である。(開口部形成工程)
マスク材料1001は透明フィルム基材100上に形成される(図1a参照)。マスク材料1001はインクジェットプリント法やマイクロコンタクトプリント法のように、直接パターンを形成することもできるが、全面にフォトレジスト材料を塗布し、それをフォトリソグラフィ法でパターニングする方法が簡便である。フォトリソグラフィによって形成されたパターンは、後に金属細線が形成される箇所が開口部となり、透明フィルム基材100が剥き出しとなっている。
(下地層形成工程)
剥き出しとなった透明フィルム基材100上に、無電解めっき法により下地層201と金属層210が順に形成される。めっき法は、一般的に無電解めっき法と電解めっき法に分類されるが、本発明においては、下地層201と金属層210はともに無電解めっき法で形成されることが好ましい。下地層201は絶縁体基板であるフィルム上に形成されるため、電解めっきによる形成は不可能である。金属層210は形成するパターンによっては、電気めっき法によって積層することも可能であるが、独立した配線にはめっき不可能であり、かつ、細線パターンの抵抗が高いために面内の膜厚分布が非常に悪くなることが想定される。一方、無電解めっきであれば、独立した配線にもめっき可能であり、導電性に左右されないため均一な面内分布を有した細線パターンを作製することが可能となる。
下地層201製膜前に、前処理工程として、UVや酸等によるクリーニング工程、密着性を向上させるような工程を適宜行なうことが好ましい。(マスク材料剥離工程)
また、下地層201形成後に、マスク材料1001は除去される(図1(b)(c)参照)。除去方法は公知のリソグラフィ技術を適用することができる。マスク材料1001を除去することで、金属層210を安定的に形成することが可能となる。アディティブ法は従来から半導体基板の製造に適用されているバッチ式の手法であるが、無電解銅めっきは溶液の安定性の観点からアルカリ性の溶液を使用することが好ましく、この溶液を使用すると該マスク材料が金属層210の積層中に剥離する。これによって、薬液中に多くの不純物が混ざり連続してめっきすることが不可能となる。本発明では、連続してめっきするため下地層201形成後、すなわち金属層210形成前にマスク材料を除去する工程を行っている。この工程が従来のアディティブ法と異なる点である。
(金属層形成工程)
マスク材料を除去した後、無電解銅めっきによって金属細線電極を形成する。図1(d)には、金属細線断面を矩形状に形成した形態が示されている。
無電解めっきの条件は変更することが可能であり、上記のように異方性成長を促すことで、本図のような矩形とすることも可能であるが、必ずしも矩形である必要はなく、下地層から等方的に成長し、矩形の角がとれたような略半楕円形の断面形状とすることもできる。
上記各工程はロールトゥロールプロセス(インライン)で行い、工程の前後に純水による洗浄・リンスと乾燥による洗浄工程を実施した。この際の洗浄・リンス工程は、ロールトゥロールやバッチ式に関係なく、各工程後に実施するのが好ましい。
また、金属層の面積は5%以下であること、つまり、下地層201と金属層が形成される部分は、当該部分とマスク材料1001部分を合わせた面積(透明フィルム基板の面積)の5%以下であることが好ましい。開口部の面積が5%以上であると、光線透過率85%以上を達成するのが困難になるからである。
[透明電極付き基板の用途]
本発明の透明電極付き基板は、ディスプレイや発光素子、光電変換素子等の透明電極として用いることができ、タッチパネル用の透明電極として好適に用いられる。中でも、透明電極層が低抵抗であることから、静電容量方式タッチパネルに好ましく用いられる。
本発明における透明電極付き基板は、元来金属から構成されているため、引き回し用の配線や集電極を別工程で形成する必要がなく、プロセスの簡略化や材料コストの削減の観点からも好ましい。
また、本発明の製造方法によれば、図1の(c)から(d)の工程において透明フィルム基板がむき出しになり、例えば、半導体の製造においては半導体材料の薬品によりダメージを受け、欠陥準位を形成するなど、半導体特性に悪影響を与える可能性があるため好ましくないが、本発明に係るフィルム基板では、基板上への電気的な特性に関するダメージは皆無であり、さらに光学特性への影響も非常に小さいと想定されることから、問題なく使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本実施例では、本発明の製造方法による特性を明確に示すため片面製膜としているが、両面に形成してもプロセスは同じである。
各電極層の膜厚は、透明電極付き基板の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた値を使用する。
各工程はロールトゥロールプロセスで実施し、各薬液処理後には、純水による洗浄を行い、必要に応じて乾燥を行なう。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(フィルム厚み:100μm)上に、ロールトゥロールプロセスでマスク材料1001を塗工する。塗工はスリットコーティング方式を採用し、ポジ型レジスト(商品名:TMSR8900、東京応化製)を膜厚2μmとなるように塗工する。塗工は紫外光に暴露されないよう、イエロールーム雰囲気で実施する(第1工程)。
上記フィルム上に、フォトリソグラフィによりパターニングを施す。そのパターンの形成例を図2に示している。フォトリソグラフィは、予めフォトマスクを設置した紫外光露光機により露光し、ステップアンドリピートのプロセスによりロールトゥロールで実施する。実線部はレジストが除去された開口部である。端部(図中1001-1)は約10mmの開口幅を設けており、バスバー部(図中1001−2)は約1mmの開口部、パターン部(図中1001−3)は3μmの開口部を設ける。本工程もイエロールーム雰囲気で実施する(第2工程)。
上記フィルム上に、下地層201に対応するニッケル−リン合金を無電解めっき法にて0.1μmの膜厚で形成する。めっき液には鉛不含タイプのニッケル−リン無電解めっき液(商品名:トップニコロン、奥野製薬社製)を用い、50℃の液温中で実施する。リンの含有率は、TEM/EDX測定により、約5%である(第3工程)。
このフィルムからマスク材料を除去する。除去には2%KOHを用い、室温で浸漬させることで行なう(第4工程)。
さらにこの上に、金属層に対応する銅を1.0μmの膜厚で、無電解めっき法により形成する。めっき液には、無電解銅めっき液(商品名:TSPカッパー、奥野製薬社製)を用い、50℃の液温中で実施する(第5工程)。
以上の工程(1)〜(5)により、金属細線を有する透明電極付き基板を作製する。得られた金属細線の線幅は3.5μmであり、高さ(膜厚)は1.1μmである。また、渦電流式抵抗測定装置(商品名:EC−80、ナプソン株式会社製)を用いたシート抵抗の値は、100Ω/□である。図2中の四角枠内を1つの構成単位と捉えた場合の光線透過率は91%である(全光線透過率測定装置、商品名:NDH7000、日本電色社製)。この時、細線パターンの高さの面内均一性は、±10%である。
[実施例2]
実施例1の工程(4)について、膜厚を0.02μmにした以外は、実施例1と同様にして透明電極付き基板を作製する。また、渦電流式抵抗測定装置(商品名:EC−80、ナプソン株式会社製)を用いたシート抵抗の値は、100Ω/□である。図2中の四角枠内を1つの構成単位と捉えた場合の光線透過率は91%である(全光線透過率測定装置、商品名:NDH7000、日本電色社製)。この時、細線パターンの高さの面内均一性は、±10%である。
[実施例3]
実施例1の工程(1)について、レジスト材料の厚みを4μmとし、工程(4)において、金属層に対応する銅を3μm製膜する。シート抵抗の値は、35Ω/□であり、図2中の四角枠内を1つの構成単位と捉えた場合の光線透過率は91%である(全光線透過率測定装置、商品名:NDH7000、日本電色社製)。この時、細線パターンの高さの面内均一性は、±10%である。
[比較例1]
実施例1の工程(5)について、無電解めっきではなく硫酸銅水溶液を用いた電解メッキにより1.0μmの銅の製膜を行う。面内均一性が悪く、部分的にCuの析出が確認されない。
[比較例2]
実施例1の工程(3)の後、マスク材料剥離工程である(4)を行わず、金属層製膜工程である工程(5)を実施する。この結果、サンプルを10分以上薬液に浸すと、マスク材料が金属層製膜工程中剥離し、薬液漕の中にレジスト材料の破片が散乱し、フィルム上に細線パターンを製膜することができない。
100:透明フィルム基材
201:下地層
210:金属導電層
1001:マスク材料

Claims (6)

  1. 透明フィルム基板の少なくとも一面上にメッシュ状の金属電極層が形成された透明電極付き基板の製造方法において、
    前記透明フィルム基板にマスク材料を形成し、該マスク材料の所定部分に前記透明フィルム基板表面まで貫通する開口部を形成する開口部形成工程と、
    前記開口部に下地層を形成する下地層形成工程と、
    前記マスク材料を前記透明フィルム基板から剥離するマスク材料剥離工程と、
    前記下地層上に接するように金属層を無電解めっきにより形成する金属層形成工程と、を備えることを特徴とする透明電極付き基板の製造方法。
  2. 前記下地層は無電解めっき法により0.01〜0.5μmの膜厚に形成される請求項1に記載の透明電極付き基板の製造方法。
  3. 前記金属層は無電解めっき法により0.2〜5μmの膜厚に形成される請求項1又は2に記載の透明電極付き基板の製造方法。
  4. 前記金属層の面積が前記透明フィルム基板の面積の5%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の透明電極付き基板の製造方法。
  5. 前記メッシュ状の金属細線幅が0.5〜10μmである請求項1〜4のいずれかに記載の透明電極付き基板の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の透明電極付き基板の製造方法により製造された基板であって、
    前記金属層の長手方向に直交する方向の断面は、半楕円形状であることを特徴とする透明電極付き基板。
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