JP2016061656A - 自動分析装置 - Google Patents

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智司 松本
Tomoji Matsumoto
智司 松本
英一 東
Hidekazu Azuma
英一 東
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Abstract

【課題】要求仕様を低く抑えることが可能な、マルチモジュールタイプの自動分析装置を提供する。【解決手段】自動分析装置は、検体と試薬との反応液を収容する複数の反応管を保持する反応テーブルと、複数の反応管が浸される恒温水を収容する恒温槽38aと、試薬を保持する第1試薬庫32aと、反応液を測定する測光部36aと、分析動作を実行するために反応テーブルと第1試薬庫32aと測光部36aとを制御する個別制御部21aとを有する複数の分析部20と、恒温槽38aへの前記恒温水の給水動作、恒温槽38aからの前記恒温水の排水動作、及び前記恒温水の加熱動作のうち少なくとも1つに関して前記複数の分析部20を統括して制御する統括制御部14と、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、自動分析装置に関する。
自動分析装置は、血液や尿などの患者体液(検体)から、その成分濃度を化学反応や電気化学的に測定することにより、測定結果を定性、定量的に算出し、その値から各種疾病を判断するために使用される。自動分析装置には、例えば、処理量に応じた複数のタイプがある。大量の検査を行う環境では、大量処理を行うことができるマルチモジュールタイプの自動分析装置が利用される場合がある。マルチモジュールタイプの自動分析装置は、複数の分析ユニットを連結した構造を有する。このような自動分析装置は、連結した分析ユニットの数に応じて処理量を多くすることができる。一方で、このようなマルチモジュールタイプの自動分析装置は、単独で存在する自動分析装置のように使用することを想定して仕様が決められている場合がある。例えば、マルチモジュールタイプの自動分析装置は、その最大定格電力に、構成される複数の分析ユニット各々の最大電力の合計電力を要求する。また、排水能力に、構成される複数の分析ユニット各々が同時に排水した場合の総排水量を設備側に要求する。つまり、マルチモジュールタイプの自動分析装置は、それを設置する設備に対する要求仕様が高いことが問題となる場合がある。
特開平11−271309号公報 特開2012−255663号公報 特開2011−27555号公報 特開2010−223736号公報 特開2008−249442号公報 特開平7−128235号公報 特開昭53−102094号公報 特開2012−18103号公報 特開2011−149905号公報 特開平8−338847号公報 特開平8−338846号公報 特開平2−80962号公報 特開平2−42361号公報 特開2007−322325号公報 特開平11−108909号公報
目的は、要求仕様を低く抑えることが可能な、マルチモジュールタイプの自動分析装置を提供することにある。
本実施形態に係る自動分析装置は、検体と試薬との反応液を収容する複数の反応管を保持する反応テーブルと、前記複数の反応管が浸される恒温水を収容する恒温槽と、前記試薬を保持する試薬庫と、前記反応液を測定する測定部と、分析動作を実行するために前記反応テーブルと前記試薬庫と前記測定部とを制御する個別制御部とを有する複数の分析部と、前記恒温槽への前記恒温水の給水動作、前記恒温槽からの前記恒温水の排水動作、及び前記恒温水の加熱動作のうち少なくとも1つに関して前記複数の分析部を統括して制御する統括制御部と、を具備することを特徴とする。
図1は、本実施形態に係る自動分析装置の全体構成の概略を示す図である。 図2は、本実施形態に係る自動分析装置の分析部の分析機構の外観の一例を示す図である。 図3は、図1の給水部と排水部の構成の一例を示す図である。 図4は、本自動分析装置の起動時における給水動作を説明する説明図である。 図5は、本自動分析装置の稼働中における給水動作を説明する説明図である。 図6は、本自動分析装置の一連の分析処理の終了時における排水動作を説明する説明図である。 図7は、本自動分析装置の稼働中における排水動作を説明する説明図である。 図8は、本自動分析装置の時分割モードにおける統括制御部と複数の個別制御部との間の信号の送受信手順を説明するための説明図である。 図9は、図8に対応し、時分割モードの加熱動作に係る電力を説明するためのタイムチャートである。 図10は、本自動分析装置の電力分散モードにおける統括制御部と複数の個別制御部との間の信号の送受信手順を説明するための説明図である。 図11は、図10に対応し、電力分散モードの加熱動作に係る電力を説明するためのタイムチャートである。 図12は、加熱動作のモードの使い分けを説明するための説明図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る自動分析装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本実施形態に係る自動分析装置の全体構成の概略を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る自動分析装置1(以下、単に自動分析装置1と呼ぶ。)は、コンソール10、複数の分析部20(分析部20a,20b及び20c)および検体提供装置50を有する。自動分析装置1は、複数の分析部20と検体提供装置50とが連結して構成される。
コンソール10は、出力部11、入力部12、記憶部13、データ処理部15、及び統括制御部14を有する。
出力部11は、印刷部112と表示部111とを有する。出力部11は、複数の分析部20各々のデータ処理部15で発生された検量線のデータと分析データとを、印刷または表示として出力する。印刷部112は、例えば、プリンタ等の出力デバイスを用いて、検量線のデータと分析データを、プリンタ用紙に所定のレイアウトで印刷する。表示部111は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ等のモニタを備える。表示部111は、検量線のデータと分析データとを所定のレイアウトで表示する。また、表示部111は、各測定項目に関する被検試料の液量、試薬の液量、測光ビームの波長等の分析条件を設定するための分析条件設定画面、被検試料に関して被検体IDや被検体名等を設定するための被検体情報設定画面、被検試料ごとの測定項目を選択するための測定項目選択画面等を表示する。
入力部12は、キーボード、マウス、各種ボタン、タッチキーパネル等の入力デバイスを有する。入力部12は、本自動分析装置1に対して、操作者が指示情報を入力するための、ユーザインターフェースとして機能する。指示情報は、例えば、各測定項目の分析条件、被検試料ごとに測定する測定項目、および定常動作時における加熱動作のモード等が該当する。入力部12は、入力デバイスを介して操作者により入力された指示情報を、操作信号として統括制御部14へ出力する。また、入力部12を介して操作者により入力された情報は、記憶部13に記憶されてもよい。
データ処理部15は、複数の測光部36各々から出力された被検データに基づいて、分析データを発生する。以下、被検データから分析データが発生されるまでの手順である。まず、データ処理部15は、標準試料の濃度の異なる複数の標準データに基づいて、標準試料に対応する検量線のデータを発生する。検量線は、吸光度と特定成分の濃度(または、活性値等)の関係を表した関係線である。検量線のデータは、記憶部13に記憶される。データ処理部15は、検量線のデータと被検データとに基づいて、被検試料に含まれる特定成分の濃度(または活性値)等に関する分析データを発生する。発生された分析データは、記憶部13に記憶されるとともに、出力部11へ出力される。なお、検量線のデータは、予め記憶部13に記憶されていてもよい。
記憶部13は、ハードディスク等の記憶媒体を有する。記憶部13は、本自動分析装置1で発生された各種データを記憶する。具体的には、記憶部13は、複数の測光部36により測定された測光データを記憶する。また、記憶部13は、検量線のデータを、対応する標準試料と関連付けて記憶する。なお、検量線のデータは、予め記憶されていてもよい。さらに、記憶部13は、データ処理部15により発生された分析データを、対応する被検試料と関連付けて記憶する。また、記憶部13は、本自動分析装置1の複数種類の動作手順、分析部20の複数種類の動作手順等を記憶する。
統括制御部14は、複数の分析部20各々と検体提供装置50とを統括して制御する。統括制御部14は、入力部12を介して入力された分析項目、検体数等に基づいて、本自動分析装置1の動作手順を作成する。この動作手順には、複数の分析部20各々の動作手順及び検体提供装置50の動作手順が含まれる。統括制御部14は、作成した動作手順に従って、検体提供装置50を制御し、複数の分析部20各々に対して複数の検体容器53−1を提供する。また、複数の分析部20各々の個別制御部21は、作成された動作手順に従って、分析部20を構成する各要素を制御する。これにより、本自動分析装置1の一連の分析処理が実行される。
統括制御部14は、複数の分析部20における給水動作、排水動作、及び恒温水の加熱動作のうち少なくとも1つに関して総合的に制御するために、複数の個別制御部21を統括する。複数の分析部20(分析部20a、分析部20b及び分析部20c)は、それぞれ対応する複数の個別制御部21(個別制御部21a、個別制御部21b及び個別制御部21c)を有する。複数の個別制御部21は、統括制御部14からの給水指示を受信すると、それぞれ対応する複数の給水部42(給水部42a、給水部42b及び給水部42c)に対して、具体的な給水動作を実行するための制御信号を発生する。複数の個別制御部21は、統括制御部14からの排水指示を受信すると、それぞれ対応する複数の排水部43(排水部43a、排水部43b及び排水部43c)に対して、具体的な排水動作を実行するための制御信号を発生する。また、複数の個別制御部21は、統括制御部14からの加熱指示を受信すると、それぞれ対応する複数の加熱部40(加熱部40a、加熱部40b及び加熱部40c)に対して、具体的な加熱動作を実行するための制御信号を発生する。本自動分析装置1の給水動作、排水動作、及び恒温水の加熱動作の詳細は後述する。
検体提供装置50は、統括制御部14の制御に従って、検体が収容された検体容器53−1を分析部20に提供する装置である。検体提供装置50は、検体保管機構51と搬送機構52とを有する。検体保管機構51は、複数の分析部20と並列して配置される。検体保管機構51は、複数の検体ラック装填機構53を有する。検体ラック装填機構53は、図示しない検体ラック保管機構と検体ラック輸送路とから構成される。検体ラック保管機構は、複数の検体ラックを保持する。複数の検体ラックは、検体ラック保管機構においてルーチンに従う順序で配列されている。検体ラックは、複数の検体がそれぞれ収容された複数の検体容器53−1を着脱可能に保持するための容器である。例えば、検体ラック装填機構53に保持された複数の検体ラックを1つの単位として、分析部20への搬送、及び分析が実施される。検体ラック輸送路は、サンプル吸引位置に検体容器53−1を移動させるための移動路である。搬送機構52は、複数の分析部20に沿って複数の搬送路54を形成する。搬送路54は、検体保管機構51に保管されている検体ラック装填機構53を、複数の分析部20各々に移動させるための機構である。複数の搬送路54は、複数の検体ラック装填機構53を複数の分析部各々にスムーズに提供するために構成される。具体的には、複数の搬送路54は、特定の搬送路54を使用して分析部20bに検体ラック装填機構53が提供されている場合においても、他の搬送路54を使用して、他の検体ラック装填機構53を分析部20aまたは分析部20cに提供できるように形成される。
図2は、本実施形態に係る自動分析装置1の分析部20aの分析機構の外観の一例を示す図である。なお、分析部20b及び分析部20cは、分析部20aと同一の構成を備える。ここでは、分析部20aを例に構成を説明するが、分析部20b及び分析部20cに関する説明は、分析部20aの説明と同様である。
図2に示すように、分析機構30aは、反応ユニット31a、第1試薬庫32a、第2試薬庫33a、サンプルアーム311a、第1試薬アーム321a、第2試薬アーム331a、撹拌機構34a、洗浄機構35a、及び測光部36aを備える。
反応ユニット31aは、反応テーブル37aと恒温槽38aとを有する。反応テーブル37aは、円環状に配列された複数の反応管37a−1を保持する。例えば、反応テーブル37aは、円周上に等間隔で一列に配置された165個の反応管37a−1を保持する。反応テーブル37aは、ある一定のサイクルで所定の角度だけ回転して停止する間欠的回転動作を行う。
恒温槽38aは、水槽39aと加熱部40aで構成される。
水槽39aは、円環形状を有する。水槽39aには、純水に微生物の繁殖等を抑制するための添加剤を加えた混合液(以下、恒温水と呼ぶ。)が収容される。恒温水に、反応テーブル37aに保持された反応管37a−1の一部が浸される。添加剤は、例えば、ユーザにより投入される。水槽39a内の恒温水の温度は、図示しない水温計により常時測定される。測定された温度は、個別制御部21aによる水温管理のために用いられる。また、水槽39aには、給水口及び排水口が設けられている。
加熱部40aは、個別制御部21aの制御に従って、恒温槽38aに貯水されている恒温水を加熱する。その結果、恒温水は昇温される。
加熱部40aは、図示しない電熱器と電力供給部を有する。電力供給部は、個別制御部21aの制御に従って、加熱電力を電熱器に供給する。つまり、電力供給部は、電源回路等である。電力供給部は、出力電力が可変に構成される。電力供給部は、個別制御部21aにより加熱開始指示が出力されたのを契機に電熱器への加熱電力の供給を開始する。このとき、電力供給部は、個別制御部21aから出力された電力供給指示に応じた加熱電力を発生する。電力供給指示には、電熱器の加熱電力値を表すコードが含まれる。
電熱器は、恒温水を直接加熱できるように水槽39a内に配置される。しかしながら、電熱器は、水槽39a外に配置されてもよい。電熱器が配置される水槽39a外は、例えば水槽39a内の恒温水を循環させる循環流路中である。電熱器は、電力供給部から供給された加熱電力により温められる。電熱器が温められることで、恒温水が加熱される。また、電力供給部は、個別制御部21aにより加熱調整指示が出力されたのを契機に電熱器に供給する加熱電力を変更する。このとき、電力供給部は、現在、電熱器に供給している加熱電力を、個別制御部21aから出力された電力供給指示に応じた加熱電力に変更する。電熱器の加熱電力が大きい程、単位時間あたりの恒温水の温度上昇率は高い。例えば、電力供給指示が「最大加熱電力の50%」の場合、これにより、電熱器は、最大加熱電力の50%の加熱電力に応じた温度に温められる。そして、電力供給部は、個別制御部21aにより加熱停止指示が出力されたのを契機に電熱器への加熱電力の供給を停止する。これにより、電熱器は停止し、恒温水の加熱が終了される。この加熱部40aの一連の動作が加熱動作である。
給水部42aは、個別制御部21aの制御に従って、恒温槽38aに対する給水動作を実行する。排水部43aは、個別制御部21aの制御に従って、恒温槽38aに対する排水動作を実行する。
以下、図3を参照して、給水部42aと排水部43aの構成と動作について説明する。
図3は、図1の給水部42aと排水部43aの構成の一例を示す図である。図3に示すように、本自動分析装置1は、貯水部421、給水ポンプ422、共通給水管423、複数の個別給水管424(個別給水管424a、424b及び424c)、複数の個別給水弁425(個別給水弁425a、425b及び425c)、複数の恒温槽38(恒温槽38a、38b及び38c)、複数の個別排水弁431(個別排水弁431a、431b及び431c)、複数の個別排水管432(個別排水管432a、432b及び432c)、共通排水管433、及び複数の電磁弁駆動部44(電磁弁駆動部44a、44b及び44c)を有する。複数の個別給水弁425は、それぞれ対応する複数の個別給水管424に設けられ、複数の個別排水弁431は、それぞれ対応する複数の個別排水管432に設けられる。貯水部421は、外部の純水発生装置に接続される。純水発生装置は、純水を発生する。純水発生装置で発生された純水は、貯水部421に貯蔵される。貯水部421に貯蔵されている純水の量は、統括制御部14により管理されている。統括制御部14は、貯水部421に貯蔵されている純水の量が所定の量よりも少なくなったのを契機に、純水要求指示を純水発生装置に出力する。純水発生装置は、純水要求指示に応じて、純水を貯水部421に供給する。これにより、貯水部421は所定の量以上の純水を貯蔵する。
まず、恒温槽38aに対する給水動作を例に、給水部42aによる給水動作を説明する。給水部42aは、電磁弁駆動部44a、貯水部421、共通給水管423、個別給水弁425a、及び個別給水管424aで構成される。個別給水弁425aは、電磁弁駆動部44aが駆動されることにより開閉する電磁弁等である。電磁弁駆動部44aは、個別制御部21aから出力されたON/OFF信号に従って、駆動される。図3に示すように、恒温槽38aは、個別給水管424a、共通給水管423、及び共通の給水ポンプ422を介して、貯水部421に接続される。
恒温槽38aに対する給水動作において、共通の給水ポンプ422aは、統括制御部14の制御に従って駆動されることで、貯水部421aから純水を汲み出す。また、給水弁425aは、個別制御部21aの制御に従って電磁弁駆動部44aが駆動されることで開放される。これにより、共通の給水ポンプ422aにより汲み出された純水が、開放されている給水弁425aが開放されている恒温槽38aに供給される。こうして、本自動分析装置1は、貯水部421aに貯蔵されている純水を、恒温槽38aに給水することができる。
なお、図3に示す構成は一例である。図3に示す構成において、給水部42a、42b及び42cは、共通給水管423及び貯水部421を共有する。しかしながら、分析部20a、20b及び20cは、それぞれ対応する個別貯水部421a、421b及び421cを備えてもよい。このとき、例えば、恒温槽38aは、個別給水管を介して貯水部421aに接続される。個別給水管には、個別給水ポンプが設けられる。個別制御部21aの制御に従って、個別給水ポンプが駆動されることにより、貯水部421aから純水が汲み出され、恒温槽38aに供給される。貯水部421aは、個別給水管を介して純水発生装置に接続される。純水発生装置は、個別制御部21aから純水要求指示が出力されたのを契機に、純水を個別給水管を介して貯水部421aに供給する。
また、図3に示す構成において、本自動分析装置1は、複数の分析部20にそれぞれ対応する複数の個別給水弁425を有する。しかしながら、本自動分析装置1は、複数の個別給水弁425に代わって、共通の流路切替部を備えてもよい。このとき、統括制御部14は、共通の給水ポンプ422を駆動するとともに、流路切替部を制御することで、貯水部421から汲み出された純水の給水先を切り替える。
次に、恒温槽38aに対する排水動作を例に、排水部43aによる排水動作を説明する。排水部43aは、電磁弁駆動部44a、共通排水管433、排水弁431a、及び個別排水管432aで構成される。個別排水弁431aは、電磁弁駆動部44aが駆動されることにより開閉する電磁弁等である。電磁弁駆動部44aは、個別制御部21aから出力されたON/OFF信号に従って、駆動される。図3に示すように、恒温槽38aは、個別排水管432a及び共通排水管433を介して外部(本自動分析装置1を設置する設備側の)排水口に接続される。
恒温槽38aに対する排水動作において、個別制御部21aの制御に従って電磁弁駆動部44aが駆動されることで個別排水弁431aが開放される。これにより、恒温槽38aに貯水されている恒温水が排水される。なお、図3に示す構成において、排水部43a、43b及び43cは、共通排水管433を共有する。
図2の説明に戻る。
第1試薬庫32aは、反応ユニット31aの内側に配置される。第1試薬庫32aは、検体の検査項目に選択的に反応する第1試薬が収容された複数の第1試薬容器32a−1を保持する。第1試薬庫32aは、分注対象の第1試薬が収容された第1試薬容器32a−1が第1試薬吸引位置に配置されるように回動する。
第2試薬庫33aは、反応テーブル37aの近傍に配置される。第2試薬庫33aは、第2試薬が収容された複数の第2試薬容器33a−1を保持する。第2試薬庫33aは、分注対象の第2試薬が収容された第2試薬容器33a−1が第2試薬吸引位置に配置されるように回動する。
反応テーブル37aと検体ラック装填機構53との間には、サンプルアーム311aが配置される。サンプルアーム311aの先端には、サンプル分注プローブが取り付けられている。サンプルアーム311aは、サンプル分注プローブが上下動可能なように支持している。また、サンプルアーム311aは、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能にサンプル分注プローブを支持している。サンプル分注プローブの回動軌跡に沿って、サンプル吸引位置や反応テーブル37a上の検体吐出位置が配置される。サンプル吸引位置は、検体ラック装填機構53に保持された検体容器53−1からサンプルを吸引する所定の位置である。サンプル分注プローブは、サンプル吸引位置に配置されている検体容器53−1から検体を吸引し、反応テーブル37a上の検体吐出位置に配置されている反応管37a−1に検体を吐出する。
反応ユニット31aと第1試薬庫32aとの間には、第1試薬アーム321aが配置される。第1試薬アーム321aの先端には第1試薬分注プローブが取り付けられている。第1試薬アーム321aは、第1試薬分注プローブを上下動可能に支持する。また、第1試薬アーム321aは、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能に第1試薬分注プローブを支持している。第1試薬分注プローブの回動軌跡は、第1試薬庫32a上の第1試薬吸引位置と反応テーブル37a上の第1試薬吐出位置とを通る。第1試薬分注プローブは、第1試薬庫32a上の第1試薬吸引位置に配置されている第1試薬容器32a−1から第1試薬を吸引し、反応テーブル37上の第1試薬吐出位置に配置されている反応管37a−1に第1試薬を吐出する。
反応ユニット31aの外周近傍には第2試薬アーム331aが配置される。第2試薬アーム331aの先端には第2試薬分注プローブが取り付けられている。第2試薬アーム331aは、第2試薬分注プローブを上下動可能に支持する。また、第2試薬アーム331aは、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能に第2試薬分注プローブを支持している。第2試薬分注プローブの回動軌跡は、第2試薬庫33a上の第2試薬吸引位置と反応テーブル37a上の第2試薬吐出位置とを通る。第2試薬分注プローブは、第2試薬庫33a上の第2試薬吸引位置に配置されている第2試薬容器33a−1から第2試薬を吸引し、反応テーブル37a上の第2試薬吐出位置に配置されている反応管37a−1に第2試薬を吐出する。
反応テーブル37aの外周近傍には撹拌機構34aが配置される。撹拌機構34aは、反応テーブル37a上の撹拌位置に配置された反応管37a−1内の検体と第1試薬との混合液、または、検体と第1試薬と第2試薬との混合液を攪拌する。
反応テーブル37aの外周近傍には、洗浄機構35aが設けられている。洗浄機構35aは、個別制御部21aによる制御に従って作動する。具体的には、洗浄機構35aは、洗浄ノズルと乾燥ノズルとを有する。洗浄機構35aは、反応テーブル37a上の洗浄位置にある反応管37a−1を洗浄ノズルで洗浄し、乾燥ノズルで乾燥させる。
反応テーブル37a近傍には、測光部36aが設けられている。測光部36aは、分析個別制御部22による制御に従って作動する。具体的には、測光部36aは、光源と光検出器とを有する。光源は、反応テーブル37a内の測光位置にある反応管37a−1内の混合液に向けて光を照射する。なお、混合液は、標準試料等であってもよい。光検出器は、測光位置と反応管37a−1を挟んで光源に対向する位置に配置される。光検出器は、光源から照射され反応管37a−1及び混合液を透過した光、反応管37a−1及び混合液により反射された光、あるいは、反応管37a−1及び混合液により散乱された光を検出する。光検出器は、検出された光の強度に応じた値を有するデータ(以下、測光データと呼ぶことにする。)を発生する。本実施形態では、被検試料と試薬の混合液に対応する測光データを、被検データと呼ぶ。一方、標準試料と試薬の混合液に対応する測光データを、標準データと呼ぶ。測光部36aは、測光データをデータ処理部15に出力する。
以下、本自動分析装置1における、恒温槽38aに対する給水動作、恒温槽38aに対する排水動作、及び恒温水の加熱動作に係る処理についてそれぞれ図を参照して説明する。統括制御部14は、複数の個別制御部21各々と信号の授受を行うことで、複数の分析部20各々の動作を総合的に管理している。本実施形態において、特に、複数の分析部20各々における、給水動作、排水動作及び加熱動作が特徴的である。具体的には、給水動作及び排水動作は、時分割で実行される。また、加熱動作は、時分割または電力分散により実行される。以下、給水動作、排水動作及び加熱動作について図を参照して説明する。
(給水動作)
本自動分析装置1の給水動作において、複数の分析部20のうち、一分析部20で給水動作が行われているときに、他の分析部20で給水動作が行われない。言い換えると、統括制御部14は、恒温水の給水動作が複数の分析部20の間で異なるタイミングで実行させるために、複数の個別制御部21を統括して制御する。具体的には、統括制御部14は、同時に複数の分析部20各々に対する給水動作が行われないように、複数の個別制御部21各々に対して、給水開始指示を出力する。
本実施形態では、本自動分析装置1の起動時における給水動作と本自動分析装置1の稼働中における給水動作を、それぞれ図4と図5を参照して説明する。
まず、本自動分析装置1の起動時における給水動作について、図4を参照して説明する。
図4は、本自動分析装置1の起動時における給水動作を説明する説明図である。図4では、入力部12、統括制御部14、及び複数の個別制御部21各々との間の信号の送受信手順を表している。図4で説明する本自動分析装置1の起動時における給水動作は、起動後のユーザ指示に従って、給水指示が入力された場合を想定する。なお、起動後の給水動作は、起動時のプログラムに組み込まれており、自動的に行われてもよい。
起動時の給水動作において、統括制御部14は、一恒温槽38に対する給水動作が完了したのを契機に、他の恒温槽38に対する給水動作が開始されるように、複数の個別制御部21各々に対して順次、給水開始指示を出力する。
例えば、図4に示すように、まず、入力部12を介して給水指示が入力されたのを契機に、統括制御部14は、給水ポンプ422を駆動するとともに、個別制御部21aに対して、給水開始指示を出力する。個別制御部21aは、統括制御部14から給水開始指示が出力されたのを契機に、給水部42aに対して制御信号を出力する。具体的には、個別制御部21aは、電磁弁駆動部44aに対して、個別給水弁425aを開放させるための制御信号を出力する。これにより、個別給水弁425aが開放され、給水ポンプ422により貯水部421から汲み出された純水が、分析部20aの恒温槽38aに給水される。個別制御部21aは、恒温槽38aに一定量の純水が貯蔵されたのを契機に、電磁弁駆動部44aに対して、個別給水弁425aを閉鎖させるための制御信号を出力する。また、個別制御部21aは、統括制御部14に対して、給水完了通知を出力する。これにより、分析部20aの恒温槽38aに対する給水動作が完了する。
次に、統括制御部14は、個別制御部21aから給水完了通知が出力されたのを契機に、個別制御部21bに対して、給水開始指示を出力する。個別制御部21bは、統括制御部14から給水開始指示が出力されたのを契機に、前述の給水動作のために、給水部42bに対して、制御信号を出力する。個別制御部21bは、分析部20bの恒温槽38bに対する給水動作が完了すると、統括制御部14に対して、給水完了通知を出力する。
最後に、統括制御部14は、個別制御部21bから給水完了通知が出力されたのを契機に、個別制御部21cに対して、給水開始指示を出力する。個別制御部21cは、統括制御部14から給水開始指示が出力されたのを契機に、前述の給水動作のために、給水部42cに対して制御信号を出力する。個別制御部21cは、分析部20cの恒温槽38cに対する給水動作が完了すると、統括制御部14に対して、給水完了通知を出力する。
以上の処理により、本自動分析装置1の起動時における給水動作が完了される。
次に、本自動分析装置1の稼働中における給水動作について、図5を参照して説明する。
図5は、本自動分析装置1の稼働中における給水動作を説明する説明図である。図5では、統括制御部14、及び複数の個別制御部21各々との間の信号の送受信手順を表している。図5で説明する本自動分析装置1の稼働中における給水動作は、恒温水の交換時において、後述の排水動作が完了した後に、自動的に行われる場合を想定する。なお、排水動作後の給水動作は、入力部12を介したユーザ指示に従って行われてもよい。
稼働中の給水動作において、統括制御部14は、複数の分析部20のうち、一分析部20の個別制御部21から給水開始要求が出力されたのを契機に、他の分析部20の動作状況に応じて、一分析部20(給水開始要求先)の個別制御部21に対して給水開始指示または給水待機指示を出力する。例えば、統括制御部14は、他の分析部20で給水動作が行われている場合において、一分析部20の個別制御部21に対して給水待機指示を出力する。これにより、統括制御部14は、一分析部20を給水動作の待機状態にさせる。一方、統括制御部14は、他の分析部20で給水動作が行われていない場合において、一分析部20の個別制御部21に対して給水開始指示を出力する。これにより、一分析部20の恒温槽38に対する給水動作が開始される。
例えば、図5に示すように、個別制御部21a、21b、及び21c各々は、排水動作が完了した後、給水開始要求を統括制御部14に対して出力する。図5に示すように、個別制御部21aから統括制御部14に対して給水開始要求が出力されたタイミングにおいて、他の分析部20(分析部20b及び分析部20c)で給水動作が行われていない。そのため、統括制御部14は、給水ポンプ422を駆動するとともに、個別制御部21aに対して、給水開始指示を出力する。同様に、個別制御部21cから統括制御部14に対して給水開始要求が出力されたタイミングにおいて、他の分析部20(分析部20a及び分析部20b)で給水動作が行われていない。そのため、統括制御部14は、給水ポンプ422を駆動するとともに、個別制御部21cに対して、給水開始指示を出力する。個別制御部21a及び21cは、統括制御部14から給水開始指示が出力されたのを契機に、前述の給水動作のために、それぞれ給水部42a及び42cに対して制御信号を出力する。これにより、分析部20a及び20cにそれぞれ対応する恒温槽38a及び38cに対する給水動作が行われる。
一方、個別制御部21bから統括制御部14に対して給水開始要求が出力されたタイミングにおいて、他の分析部(分析部20a)で給水動作が行われている。そのため、統括制御部14は、個別制御部21bに対して、給水待機指示を出力する。これにより、統括制御部14は、分析部20bを給水動作の待機状態にさせる。そして、統括制御部14は、分析部20aの個別制御部21aから給水完了通知が出力されたのを契機に、個別制御部21bに対して給水開始指示を出力する。個別制御部21bは、統括制御部14から給水開始指示が出力されたのを契機に、前述の給水動作のために、給水部42bに対して制御信号を出力する。これにより、分析部20bの恒温槽38bに対する給水動作が行われる。
以上の処理により、本自動分析装置1の稼働中における給水動作が完了される。
以上説明した、本自動分析装置1の給水動作によれば、同時に複数の恒温槽38各々に対して純水使用量がピークの一つとなる給水動作が行われない。したがって、複数の分析部20を備える本自動分析装置1で一度に使用される水の量のピークを分散し、単独の分析部20を備える自動分析装置1と同等程度に抑えることができる。これにより、複数の分析部20を備える本自動分析装置1の貯水部421の大きさを、単独の分析部20を備える自動分析装置1の貯水部421程度の大きさにすることができる。また、複数の分析部20を備える本自動分析装置1に接続される純水発生装置は、単独の分析部20を備える自動分析装置1に用いられる純水発生装置と同等程度の規模のものでよい。さらに、複数の分析部20を備える本自動分析装置1の共通の給水ポンプ422は、単独の分析部20を備える自動分析装置1の給水ポンプ422と同等程度の給水能力があればよく、共通給水管423は、個別給水管424a等と同等程度の径であればよい。したがって、本自動分析装置1の給水動作によれば、本自動分析装置1の要求仕様を抑えることができる。
なお、本自動分析装置1の給水動作には、純水を使用する動作が複数の恒温槽38各々で同時に行われないという1つの特徴がある。したがって、本実施形態では、純水を使用する量の多い恒温槽への給水動作を例に説明したが、統括制御部14は、純水を使用する他の構成要素に対し、同様の制御を行ってもよい。例えば、統括制御部14は、恒温槽への給水動作の外にも、測定が済んだ反応液を収容している反応管37a−1を洗浄する洗浄機構35aに対する給水動作が複数の分析部20の間で重ならないように制御するようにしても良い。
(排水動作)
本自動分析装置1の排水動作において、複数の分析部20のうち、一分析部20で排水動作が行われているときに、他の分析部20で排水動作が行われない。言い換えると、統括制御部14は、恒温水の排水動作が複数の分析部20の間で異なるタイミングで実行させるために、複数の個別制御部21を統括して制御する。具体的には、統括制御部14は、同時に複数の恒温槽38各々に対する排水動作が行われないように、複数の個別制御部21各々に対して、排水開始指示を出力する。
以下、本自動分析装置1の一連の分析処理の終了時における排水動作と本自動分析装置1の稼働中における排水動作について、それぞれ図6と図7を参照して説明する。一連の分析処理の終了時は、分析部20a、20b及び20c各々に用意された全てのロットの分析処理が全て完了した時を表す。
まず、本自動分析装置1の一連の分析処理の終了時における排水動作について、図6を参照して説明する
図6は、本自動分析装置1の一連の分析処理の終了時における排水動作を説明する説明図である。図6では、入力部12、統括制御部14、及び複数の個別制御部21各々との間の信号の送受信手順を表している。図6で説明する本自動分析装置1の一連の分析処理の終了時における排水動作は、ユーザにより排水指示が入力された場合を想定する。なお、一連の分析処理が終了後の排水動作は、本自動分析装置1の動作手順に組み込まれており、自動的に行われてもよい。
一連の分析処理が終了時の排水動作において、統括制御部14は、一恒温槽38に対する排水動作が完了したのを契機に、他の恒温槽38に対する排水動作が開始されるように、複数の個別制御部21各々に対して順次、排水開始指示を出力する。
例えば、図6に示すように、まず、入力部12を介して排水指示が入力されたのを契機に、統括制御部14は、個別制御部21aに対して、排水開始指示を出力する。個別制御部21aは、統括制御部14から排水開始指示が出力されたのを契機に、排水部43aに対して制御信号を出力する。具体的には、個別制御部21aは、電磁弁駆動部44aに対して、個別排水弁431aを開放させるための制御信号を出力する。これにより、個別排水弁431aが開放され、恒温槽38aに貯水されている恒温水が排水される。個別制御部21aは、恒温水の排水が完了したのを契機に、電磁弁駆動部44aに対して、個別排水弁431aを閉鎖させるための制御信号を出力する。また、個別制御部21aは、統括制御部14に対して排水完了通知を出力する。これにより、分析部20aの恒温槽38aに対する排水動作が完了する。
次に、統括制御部14は、個別制御部21aから排水完了通知が出力されたのを契機に、個別制御部21bに対して、排水開始指示を出力する。個別制御部21bは、統括制御部14から排水開始指示が出力されたのを契機に、前述の排水動作のために、排水部43bに対して制御信号を出力する。個別制御部21bは、分析部20bの恒温槽38bに対する排水動作が完了すると、統括制御部14に対して、排水完了通知を出力する。
最後に、統括制御部14は、個別制御部21bから排水完了通知が出力されたのを契機に、個別制御部21cに対して、排水開始指示を出力する。個別制御部21cは、統括制御部14から排水開始指示が出力されたのを契機に、前述の排水動作のために、排水部43cに対して制御信号を出力する。個別制御部21は、分析部20cの恒温槽38cに対する排水動作が完了すると、統括制御部14に対して、排水完了通知を出力する。
以上の処理により、本自動分析装置1の一連の分析処理の終了時における排水動作が完了される。
次に、本自動分析装置1の稼働中における排水動作について、図7を参照して説明する。
図7は、本自動分析装置1の稼働中における排水動作を説明する説明図である。図7では、統括制御部14、及び複数の個別制御部21各々との間の信号の送受信手順を表している。図7で説明する本自動分析装置1の稼働中における排水動作は、自動的に排水動作が開始される場合を想定する。自動的に排水動作が行われるときは、一分析部20において1つのロットの分析処理の終了後に次のロットの分析処理が開始される前、一定時間経過後、及び恒温水の品質が劣化した時等が該当する。恒温水は、一定時間経過すると微生物等が発生し、その品質が低下する場合がある。恒温水の品質の低下は、測光データの誤差要因となり得る。そのため、恒温水は、設定されたロットの分析処理の途中であっても、一定時間経過後および恒温水の品質劣化の特定時に交換される場合がある。なお、複数の恒温槽38に対する排水動作は、入力部12を介したユーザ指示に従って個別に行われてもよい。
稼働中の排水動作において、統括制御部14は、複数の分析部20のうち、一分析部20の個別制御部21から排水開始要求が出力されたのを契機に、他の分析部20の動作状況に応じて、一分析部20(排水開始要求先)の個別制御部21に対して排水開始指示または排水待機指示を出力する。例えば、統括制御部14は、他の分析部20で排水動作が行われている場合において、一分析部20の個別制御部21に対して排水待機指示を出力する。これにより、統括制御部14は、一分析部20を排水動作の待機状態にさせる。一方、統括制御部14は、他の分析部20で排水動作が行われていない場合において、一分析部20の個別制御部21に対して排水開始指示を出力する。これにより、一分析部20の恒温槽38に対する排水動作が開始される。
例えば、図7に示すように、個別制御部21a、21b、及び21c各々は、分析処理が終了したのと同時に、排水開始要求を統括制御部14に対して出力する。図7に示すように、個別制御部21aから統括制御部14に対して排水開始要求が出力されたタイミングにおいて、他の分析部(分析部20b及び分析部20c)で排水動作が行われていない。そのため、統括制御部14は、個別制御部21aに対して、排水開始指示を出力する。同様に、個別制御部21cから統括制御部14に対して排水開始要求が出力されたタイミングにおいて、他の分析部(分析部20a及び分析部20b)で排水動作が行われていない。そのため、統括制御部14は、個別制御部21cに対して、排水開始指示を出力する。個別制御部21a及び21cは、統括制御部14から排水開始指示が出力されたのを契機に、前述の排水動作のために、それぞれ排水部43a及び43cに対して制御信号を出力する。これにより、分析部20a及び20cにそれぞれ対応する恒温槽38a及び38cに対する排水動作が行われる。
一方、個別制御部21bから統括制御部14に対して排水開始要求が出力されたタイミングにおいて、他の分析部(分析部20a)で排水動作が行われている。そのため、統括制御部14は、個別制御部21bに対して、排水待機指示を出力する。これにより、統括制御部14は、分析部20bを排水動作の待機状態にさせる。そして、統括制御部14は、分析部20aの個別制御部21aから排水完了通知が出力されたのを契機に、個別制御部21bに対して排水開始指示を出力する。個別制御部21bは、統括制御部14から排水開始指示が出力されたのを契機に、前述の排水動作のために、排水部43bに対して制御信号を出力する。これにより、分析部20bの恒温槽38bに対する排水動作が行われる。
以上の処理により、本自動分析装置1の稼働中における排水動作が完了される。
以上説明した、本自動分析装置1の排水動作によれば、同時に複数の恒温槽38各々に対して排水量がピークの一つである排水動作が行われない。したがって、複数の分析部20を備える本自動分析装置1で一度に排水される水の量のピークを、単独の分析部20を備える自動分析装置1と同等程度に抑えることができる。これにより、複数の分析部20を備える本自動分析装置1を設置する場合に、設備側に要求される排水口の大きさは、単独の分析部20を備える自動分析装置1を設置する場合に、設備側に要求される排水口と同等程度でよい。したがって、本自動分析装置1の排水動作によれば、本自動分析装置1の要求仕様を抑えることができる。
(加熱動作)
本自動分析装置1は、加熱動作の異なる第1モードと第2モードを備える。第1モードを時分割モードと呼ぶ。第2モードを電力分散モードと呼ぶ。
以下、本自動分析装置1の時分割モードの加熱動作について図8と図9を参照して説明し、電力分散モードの加熱動作について図10と図11を参照して説明する。
(時分割モード)
まず、時分割モードについて図8と図9を参照して説明する。
図8は、本自動分析装置1の時分割モードにおける統括制御部14と複数の個別制御部21との間の信号の送受信手順を説明するための説明図である。時分割モードは、複数の加熱部40各々で重複して恒温水の加熱動作を行われないモードである。言い換えると、統括制御部14は、恒温水の加熱動作が複数の分析部20の間で異なるタイミングで実行させるために、複数の個別制御部21を統括して制御する。具体的には、統括制御部14は、重複して複数の加熱部40各々で加熱動作が行われないように、複数の個別制御部21各々に対して、加熱開始指示を出力する。具体的には、統括制御部14は、複数の分析部20のうち、一分析部20の個別制御部21から加熱開始要求が出力されたのを契機に、他の分析部20の動作状況に応じて、一分析部20の個別制御部21に対して加熱開始指示または加熱待機指示を出力する。統括制御部14は、他の分析部20で加熱動作が行われている場合において、一分析部20の個別制御部21に対して加熱待機指示を出力する。これにより、統括制御部14は、一分析部20を加熱動作の待機状態にさせる。一方、統括制御部14は、他の分析部20で加熱動作が行われていない場合において、一分析部20の個別制御部21に対して加熱開始指示を出力する。これにより、一分析部20で加熱動作が開始される。
具体的には、図8に示すように、個別制御部21a、21b、及び21c各々は、恒温水の水温が予め設定した閾値以下になったのを契機に、統括制御部14に対して加熱開始要求を出力する。図8に示すように、個別制御部21aから統括制御部14に対して加熱開始要求が出力されたタイミングにおいて、他の分析部20で加熱動作が行われていない。そのため、統括制御部14は、個別制御部21aに対して、加熱開始指示を出力する。個別制御部21aは、統括制御部14から加熱開始指示が出力されたのを契機に、加熱部40aに対して制御信号を出力する。具体的には、個別制御部21aは、加熱部40aに対して、電力供給指示を出力する。電力供給部は、個別制御部21aから出力された電力供給指示に応じた加熱電力を発生し、電熱器に対して供給する。電熱器は、電力供給部から供給された加熱電力により温められる。電熱器が温められることで、恒温水が加熱される。そして、個別制御部21aは、恒温水が所定の水温にまで昇温されたのを契機に、加熱部40aに対して加熱停止指示を出力する。また、個別制御部21aは、統括制御部14に対して、加熱完了通知を出力する。これにより、分析部20aの恒温水の加熱動作が完了される。
なお、時分割モードにおいて、電熱器に供給する加熱電力値は、電熱器の最大加熱電力の100%である。しかしながら、時分割モードにおける電熱器に供給する加熱電力値は、入力部12を介したユーザ指示に従って適宜変更が可能である。このとき、加熱電力値は、複数の分析部20各々で個別に設定されてもよい。
一方、図8に示すように、個別制御部21b及び個別制御部21c各々から統括制御部14に対して加熱開始要求が出力されたタイミングにおいて、分析部20aで加熱動作が行われている。そのため、統括制御部14は、個別制御部21b及び個別制御部21c各々に対して、加熱待機指示を出力する。これにより、統括制御部14は、分析部20b及び分析部20c各々を加熱動作の待機状態にさせる。そして、統括制御部14は、分析部20aの個別制御部21aから加熱完了通知が出力されたのを契機に、加熱開始要求を出力した順序が早い個別制御部21bに対して、加熱開始指示を出力する。個別制御部21bは、統括制御部14から加熱開始指示が出力されたのを契機に、前述の加熱動作のために、加熱部40bに対して制御信号を出力する。これにより、分析部20bの恒温水の加熱動作が行われる。
そして、統括制御部14は、分析部20bの個別制御部21bから加熱完了通知が出力されたのを契機に、個別制御部21cに対して、加熱開始指示を出力する。個別制御部21cは、統括制御部14から加熱開始指示が出力されたのを契機に、前述の加熱動作のために、加熱部40cに対して制御信号を出力する。これにより、分析部20cの恒温水の加熱動作が行われる。
以上の処理により、本自動分析装置1の時分割モードによる加熱動作が完了される。
以上説明した、本自動分析装置1の時分割モードによる加熱動作の効果について、図9を参照して説明する。
図9は、図8に対応し、時分割モードの加熱動作に係る電力を説明するためのタイムチャートである。総電力値PTは、複数の分析部20各々の加熱動作に係る加熱電力の合計値を示している。期間Ta、期間Tb及び期間Tcは、それぞれ分析部20a、分析部20b及び分析部20cで加熱動作が行われている期間に対応する。加熱電力値P20a、加熱電力値P20b、及び加熱電力値P20cは、それぞれ分析部20aの電熱器、分析部20bの電熱器、及び分析部20cの電熱器に供給される加熱電力Pの値を示している。ここでは、説明を簡単にするため、加熱電力値P20a、加熱電力値P20b、及び加熱電力値P20cは同一の値に設定されているものとする。
統括制御部14は、同時に複数の加熱部40各々で加熱動作が行われないように、複数の個別制御部21各々に対して、加熱開始指示を出力することができる。そのため、図9に示すように、期間Taに、分析部20b及び分析部20cから加熱開始要求があっても、分析部20b及び分析部20cで加熱動作は開始されない。統括制御部14は、分析部20aの加熱動作が完了した後、分析部20bの加熱動作が開始され、分析部20bの加熱動作が完了した後、分析部20cの加熱動作が開始されるように、個別制御部21b及び個別制御部21cに対して加熱開始指示を出力する。言い換えると、時分割モードにおいて、複数の分析部20各々の加熱動作の重なる期間はない。したがって、複数の分析部20を備える本自動分析装置1は、総電力値PTを、一分析部20の電熱器に供給される加熱電力値に抑えることができる。一分析部20の電熱器に供給される加熱電力が同一の場合、図9に示すように、総電力値PTは一定にすることができる。
一般的に、自動分析装置において、恒温水の加熱動作は消費電力の大きい動作のうちの1つである。本自動分析装置1は、総電力値PTのピークを一分析部20の電熱器に供給される加熱電力値に抑えることができる。つまり、本自動分析装置1の時分割モードによる加熱動作により、本自動分析装置1を設置するために設備側に要求される電源容量を、単独の分析部20を備える自動分析装置1を設置するために設備側に要求される電源容量と同等程度に抑えることができる。したがって、本自動分析装置1の時分割モードによる加熱動作によれば、本自動分析装置1の要求仕様を抑えることができる。
(電力分散モード)
次に、電力分散モードについて図10と図11を参照して説明する。
図10は、本自動分析装置1の電力分散モードにおける統括制御部14と複数の個別制御部21との間の信号の送受信手順を説明するための説明図である。電力分散モードでは、複数の分析部20で重複して加熱動作を行うことができる。ただし、複数の分析部20各々の電熱器に供給される加熱電力の値は、統括制御部14により決定される。このとき、統括制御部14は、恒温水の加熱動作を複数の分析部20で重複して実行させるときの複数の分析部20各々の加熱電力が、恒温水の加熱動作を一分析部20で実行させるときの加熱電力よりも低くなるように、複数の分析部20各々の電熱器に供給される加熱電力の値を決定する。
統括制御部14は、個別制御部21から加熱開始要求が出力されたのを契機に、これから加熱動作を重複して実行させる分析部20の数に基づいて、これから加熱動作を重複して実行させる分析部20各々に出力する電力供給指示を決定する。具体的には、複数の分析部20各々の電熱器の最大加熱電力を100%とし、統括制御部14は、100%を上述の数で除算することにより、電力供給指示を決定する。例えば、これから1つの分析部20に加熱動作をさせる場合、統括制御部14は、電力供給指示を「100%」に決定する。また、これから2つの分析部20に重複して加熱動作をさせる場合、統括制御部14は、電力供給指示を「50%」に決定する。統括制御部14は、個別制御部21から加熱開始要求が出力されたのを契機に、当該個別制御部21に対して、加熱開始指示とともに電力供給指示を出力し、加熱動作中の分析部20の個別制御部21に対して加熱調整指示とともに電力供給指示を出力する。
以下、図10を参照して、電力分散モードを具体的に説明する。図10に示すように、個別制御部21a、21b、及び21c各々は、恒温水の温度が予め設定した閾値以下になったのを契機に、統括制御部14に対して加熱開始要求を出力する。
図10に示すように、個別制御部21aから統括制御部14に対して加熱開始要求が出力されたタイミングにおいて、他の分析部20で加熱動作が行われていない。そのため、統括制御部14は、電力供給指示を「100%」に決定する。そして、統括制御部14は、個別制御部21aに対して、加熱開始指示とともに電力供給指示「100%」を出力する。個別制御部21aは、統括制御部14から加熱開始指示が出力されたのを契機に、加熱部40aに対して制御信号を出力する。具体的には、個別制御部21aは、加熱部40aに対して、電力供給指示を出力する。電力供給部は、個別制御部21aから出力された電力供給指示「100%」に応じた加熱電力を発生し、電熱器に対して供給する。
一方、図10に示すように、個別制御部21bから統括制御部14に対して加熱開始要求が出力されたタイミングにおいて、分析部20aで加熱動作が行われている。言い換えると、これから2つの分析部20で重複して加熱動作が行われる。そのため、統括制御部14は、電力供給指示を「50%」に決定する。そして、統括制御部14は、個別制御部21bに対して加熱開始指示とともに電力供給指示「50%」を出力し、個別制御部21aに対して加熱調整指示とともに電力供給指示「50%」を出力する。個別制御部21bは、統括制御部14から加熱開始指示が出力されたのを契機に、電力供給指示「50%」に応じた加熱動作のために、加熱部40bに対して制御信号を出力する。個別制御部21aは、統括制御部14から加熱調整指示が出力されたのを契機に、電力供給指示「50%」に応じた加熱動作のために、加熱部40aに対して制御信号を出力する。具体的には、個別制御部21aは、加熱部40aに対して、電力供給指示「50%」を出力する。これにより、電力供給部は、発生する加熱電力を電力供給指示「100%」に応じた加熱電力から電力供給指示「50%」に応じた加熱電力に変更し、電熱器に対して供給する。つまり、個別制御部21bから統括制御部14に対して加熱開始要求された後、分析部20a及び分析部20b各々において、最大加熱電力の「50%」に対応する加熱能力による加熱動作が行われる。
さらに、図10に示すように、個別制御部21cから統括制御部14に対して加熱開始要求が出力されたタイミングにおいて、分析部20a及び分析部20bで加熱動作が行われている。言い換えると、これから3つの分析部20で重複して加熱動作が行われる。そのため、統括制御部14は、電力供給指示を「33%」に決定する。そして、統括制御部14は、個別制御部21cに対して加熱開始指示とともに電力供給指示「33%」を出力し、個別制御部21a及び個別制御部21bに対して加熱調整指示とともに電力供給指示「33%」を出力する。個別制御部21cは、統括制御部14から加熱開始指示が出力されたのを契機に、電力供給指示「33%」に応じた加熱動作のために、加熱部40cに対して制御信号を出力する。個別制御部21a及び個別制御部21bは、統括制御部14から加熱調整指示が出力されたのを契機に、電力供給指示「33%」に応じた加熱動作のために、それぞれ加熱部40a及び加熱部40bに対して制御信号を出力する。これにより、個別制御部21cから統括制御部14に対して加熱開始要求された後、分析部20a、分析部20b及び分析部20b各々において、最大加熱電力の「33%」に対応する加熱能力による加熱動作が行われる。
そして、分析部20a,分析部20b及び分析部20c各々の加熱動作が順次終了され、本自動分析装置1の電力分散モードによる加熱動作が完了される。
以上説明した、本自動分析装置1の電力分散モードによる加熱動作の効果について、図11を参照して説明する。
図11は、図10に対応し、電力分散モードの加熱動作に係る電力を説明するためのタイムチャートである。総電力値PTは、複数の分析部20各々の加熱動作に係る加熱電力の合計値を示している。期間Tは、本自動分析装置1で加熱動作が行われている期間であり、期間T1、期間T2及び期間T3で構成される。期間T1は、期間Ta、期間Tbの一部、及び期間Tcの一部で構成される。言い換えると、期間T1には、1つの分析部20(分析部20aだけ)で加熱動作が行われている期間と、同時に2つの分析部20(分析部20a及び分析部20b)で重複して加熱動作が行われている期間と、同時に3つの分析部20(分析部20a、分析部20b及び分析部20c)で重複して加熱動作が行われている期間が含まれる。期間T2は、期間Tbの一部及び期間Tcの一部で構成される。言い換えると、期間T2は、同時に2つの分析部20(分析部20b及び分析部20c)で重複して加熱動作が行われている期間に対応する。期間T3は、期間Tcの一部で構成される。言い換えると、期間T3は、1つの分析部20(分析部20c)で加熱動作が行われている期間に対応する。期間Ta、期間Tb及び期間Tcは、それぞれ分析部20a、分析部20b及び分析部20cの加熱動作が開始されてから完了するまでの期間に対応する。期間Taは、期間Ta1、期間Ta2及び期間Ta3で構成される。期間Ta1、期間Ta2及び期間Ta3は、それぞれ分析部20aの電熱器が最大加熱電力P20aの100%、50%及び33%に対応する加熱電力で加熱動作が実行されている期間に対応する。期間Tbは、期間Tb1及び期間Tb2で構成される。期間Tb1及び期間Tb2は、それぞれ分析部20bの電熱器が最大加熱電力P20bの50%及び33%に対応する加熱電力で加熱動作が実行されている期間に対応する。期間Tcは、分析部20cの電熱器が最大加熱電力P20cの33%に対応する加熱電力で加熱動作が実行されている期間に対応する。加熱電力値P20a、加熱電力値P20b、及び加熱電力値P20cは、それぞれ分析部20aの電熱器の最大加熱電力、分析部20bの電熱器の最大加熱電力、及び分析部20cの電熱器の最大加熱電力を示している。ここでは、説明を簡単にするため、最大加熱電力P20a、最大加熱電力P20b、及び最大加熱電力P20cは同一の値(加熱電力P20)とする。言い換えると、分析部20a、分析部20b及び分析部20c各々の電熱器が同一のものとする。
統括制御部14は、これから加熱動作を行う分析部20の数に基づいて、電力供給指示を決定することができる。そのため、統括制御部14は、図11の期間T1のように、加熱動作が行われている分析部20の数が1つの場合、2つの場合、及び3つの場合であっても、総電力値PTを一定にすることができる。このときの総電力値PT1は、単独の分析部20の電熱器の最大加熱電力の「100%」に一致する。つまり、総電力値PT1は、分析部20の電熱器の最大加熱電力Piに一致する。したがって、複数の分析部20を備える本自動分析装置1は、総電力値PTを、一分析部20の電熱器に供給される加熱電力値に抑えることができる。一分析部20の電熱器に供給される加熱電力が同一の場合、図11に示すように、期間T1の総電力値PTは一定値となる。このときの総電力値PTは、一分析部20の電熱器の最大加熱電力の電力値の100%に対応する。そして、加熱動作中の複数の分析部20のうち、一分析部20で加熱動作が完了した後でも、加熱動作中の他の分析部20の電熱器に供給される加熱電力は変更されない。
つまり、本自動分析装置1の電力分散モードによる加熱動作により、本自動分析装置1を設置するために設備側に要求される電源容量を、単独の分析部20を備える自動分析装置1を設置するために設備側に要求される電源容量と同等程度に抑えることができる。したがって、本自動分析装置1の電力分散モードによる加熱動作によれば、本自動分析装置1の要求仕様を抑えることができる。なお、複数の分析部20各々の電熱器が異なるものであった場合においても、同様の効果を得られる。
なお、図10及び図11で説明した電力分散モードの加熱動作では、加熱動作中の複数の分析部20のうち、一分析部20で加熱動作が完了した後でも、加熱動作中の他の分析部20の電熱器に供給される加熱電力は変更されない。しかしながら、加熱動作中の複数の分析部20のうち、一分析部20の加熱動作の完了後、加熱動作中の他の分析部20の電熱器に供給される加熱電力が大きくなるように変更されてもよい。つまり、統括制御部14は、個別制御部21から加熱開始要求が出力されたのを契機に、加熱動作中の分析部20に対して、加熱調整指示とともに電力供給指示を出力していたが、個別制御部21から加熱完了通知が出力されたのを契機に、加熱動作中の分析部20に対して、加熱調整指示とともに電力供給指示を出力してもよい。
具体的には、図11において、統括制御部14は、期間T1から期間T2に移行するタイミング、つまり、分析部20aの加熱動作が完了したのを契機に、個別制御部21b及び個別制御部21c各々に対して加熱調整指示とともに電力供給指示を出力する。図11に示すように、分析部20aの加熱動作完了後に、分析部20b及び分析部20cで加熱動作が継続されている。したがって、統括制御部14は、電力供給指示を「50%」に決定する。これにより、分析部20b及び分析部20c各々の電力供給部は、発生する加熱電力を電力供給指示「33%」に応じた加熱電力から電力供給指示「50%」に応じた加熱電力に変更し、電熱器に対して供給する。つまり、分析部20aの加熱動作の完了後、分析部20b及び分析部20c各々の加熱動作は、電熱器の最大加熱電力の「33%」に対応する加熱能力による加熱動作から、「50%」に対応する加熱能力による加熱動作に切り替わる。
以上のように、電力分散モードにおいて、統括制御部14は、個別制御部21から加熱完了通知が出力されたのを契機に、加熱動作中の分析部20に対して、加熱電力が大きくするための電力供給指示を出力する。これにより、加熱動作中の分析部20の加熱能力は高くなる。具体的には、本自動分析装置1で加熱動作が行われている期間Tにおいて、総電力値PTを、単独の分析部20の電熱器に供給される最大加熱電力で一定にすることができる。これにより、本自動分析装置1は、前述の効果に加え、前述した電力分散モードよりも、効率良く複数の分析部20各々の加熱動作を行うことができる。
また、ここまで説明した電力分散モードにおいて、本自動分析装置1の加熱動作に係る総電力値は、単独の分析部20の電熱器の最大加熱電力程度に抑えられる。これにより、複数の分析部20を有する本自動分析装置1を設定するために設備側に要求される電源容量を、単独の分析部20を備える自動分析装置1を設置するために設備側に要求される電源容量と同等程度に抑えることができる。しかしながら、設備側の電源容量が、単独の分析部20の電熱器の最大加熱電力よりも大きい場合、本自動分析装置1の加熱動作に係る総電力値は、単独の分析部20の電熱器の最大加熱電力よりも大きくてもよい。このような場合、統括制御部14は、電力閾値と加熱動作中の分析部20の数とに基づいて、電力供給指示を決定する。電力閾値は、複数の分析部20各々の電熱器の加熱電力の合計値の閾値である。言い換えると、電力閾値は、本自動分析装置1の加熱動作に係る総電力値の閾値である。電力閾値は、入力部12を介したユーザ指示に従って適宜変更が可能である。なお、電力閾値は、本自動分析装置1が設置された設備側の電源容量に応じて、統括制御部14により自動的に決定されてもよい。統括制御部14は、総電力値PTが、電力閾値以下になるように、複数の分析部20各々の加熱動作を制限する。
具体的には、統括制御部14は、電力閾値を超えないように、電力供給指示を決定する。つまり、統括制御部14は、これから2つの分析部20で加熱動作が行われる場合、電力閾値を超えない範囲であれば、例えば、当該2つの分析部20各々の個別制御部21に対して出力する電力供給指示を「60%」、「70%」等に決定してもよい。例えば、電力閾値が単独の分析部20の加熱動作の最大加熱電力の200%(2倍)に設定されている場合を想定する。例えば、これから1つの分析部20で加熱動作が行われる場合、統括制御部14は、当該1つの分析部の個別制御部21に対して出力する電力供給指示を「100%」に決定する。また、これから2つの分析部20で加熱動作が行われる場合、統括制御部14は、当該2つの分析部20各々の個別制御部21に対して出力する電力供給指示を「100%」に決定する。また、これから3つの分析部20で加熱動作が行われる場合、統括制御部14は、当該3つの分析部20各々の個別制御部21に対して出力する電力供給指示を「66%」に決定する。
このように、統括制御部14が、電力閾値を超えない範囲で、複数の分析部20各々の加熱電力を決定できることで、本自動分析装置1は、設備側で用意された電源容量に応じて、複数の分析部20各々の加熱動作を効率良く行うことができる。
また、本自動分析装置1は、加熱動作のモードとして、時分割モードと電力分散モードを備える。本自動分析装置1において、どちらのモードを使用するかは、ユーザ指示に従って適宜設定されてもよいし、動作手順に設定されてもよい。時分割モードの電力分散モードに対する利点は、1つの分析部20の恒温水の加熱動作を開始してから、恒温水を所定の温度まで加熱させるまでの時間が短い点にある。これにより、いち早く1つの分析部20の測定可能な状態にすることができる。また、電力分散モードの時分割モードに対する利点は、1つの分析部20の恒温水の加熱動作中に、他の分析部20の恒温水の加熱動作が要求されれば、同時に複数の分析部20各々の恒温水を加熱することができる点にある。これにより、他の分析部20の加熱動作が待機状態にならないので、待機中に他の分析部20の恒温水の温度が低くなりすぎたことが要因となる、測定のやり直し等を防止することができる。
図12は、加熱動作のモードの使い分けを説明するための説明図である。図12に示すように、時分割モードは、本自動分析装置1の起動時の、複数の分析部20に対して同時に加熱動作が必要となる場合に設定されるのが好適である。このように設定されることで、いち早く測定可能な状態の分析部20を確保することができ、最初の検体の測定結果を早く得られる。また、図12に示すように、電力分散モードは、本自動分析装置1で分析が開始されてから終了されるまでの間の稼働中の加熱動作に設定されるのが好適である。こうすることで、恒温水の温度低下による測定のやり直しを防止することができる。ただし、本自動分析装置1で分析が開始されてから終了されるまでの間の加熱動作のモードは、ユーザ指示に従って、時分割モードと電力分散モードから選択されてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…自動分析装置、10…コンソール、11…出力部、111…表示部、112…印刷部、12…入力部、13…記憶部、14…統括制御部、15…データ処理部、20a、20b、20c…分析部、21a、21b、21c…個別制御部、31a、31b、31c……反応ユニット、32a、32b、32c…第1試薬庫、33a、33b、33c…第2試薬庫、34a、34b、34c…撹拌機構、35a、35b、35c…洗浄機構、36a、36b、36c…測光部、37a、37b、37c…反応テーブル、38a、38b、38c…恒温槽、39a、39b、39c…水槽、40a、40b、40c…加熱部、42a、42b、42c…給水部、43a、43b、43c…排水部、50…検体提供装置、51…検体保管機構、52…搬送機構、53…検体ラック装填機構、54…搬送路

Claims (7)

  1. 検体と試薬との反応液を収容する複数の反応管を保持する反応テーブルと、前記複数の反応管が浸される恒温水を収容する恒温槽と、前記試薬を保持する試薬庫と、前記反応液を測定する測定部と、分析動作を実行するために前記反応テーブルと前記試薬庫と前記測定部とを制御する個別制御部とを有する複数の分析部と、
    前記恒温槽への前記恒温水の給水動作、前記恒温槽からの前記恒温水の排水動作、及び前記恒温水の加熱動作のうち少なくとも1つに関して前記複数の分析部を統括して制御する統括制御部と、
    を具備することを特徴とする自動分析装置。
  2. 前記統括制御部は、前記恒温水の給水動作を前記複数の分析部間で異なるタイミングで実行させること、
    を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
  3. 前記統括制御部は、前記恒温水の排水動作を前記複数の分析部間で異なるタイミングで実行させること、
    を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
  4. 前記統括制御部は、前記恒温水の加熱動作を前記複数の分析部間で異なるタイミングで実行させること、
    を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
  5. 前記統括制御部は、前記恒温水の加熱動作を前記複数の分析部で重複して実行させるときの前記複数の分析部各々の加熱電力を、前記恒温水の加熱動作を前記複数の分析部の一で実行するときの加熱電力よりも低くすること、
    を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
  6. 前記統括制御部は、前記恒温水の加熱動作の制御に関して第1モードと第2モードとを有し、
    前記第1モードでは、前記恒温水の加熱動作が前記複数の分析部間で異なるタイミングで実行され、
    前記第2モードでは、前記恒温水の加熱動作が前記複数の分析部で重複して実行され、
    前記第2モードにおける前記複数の分析部各々の加熱電力は前記第1モードにおける加熱電力よりも低いこと、
    を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
  7. 前記統括制御部は、前記自動分析装置の起動時に前記第1モードを適用し、前記自動分析装置の稼働中に前記第2モードを適用すること、
    を特徴とする請求項6記載の自動分析装置。
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