JP2023113026A - 自動分析装置 - Google Patents

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Kiwamu Kodama
雄貴 下平
Yuki Shimodaira
崇浩 瀬町
Takahiro Semachi
裕也 小森
Yuya Komori
勇 松田
Isamu Matsuda
進一 長谷川
Shinichi Hasegawa
誠 小笠原
Makoto Ogasawara
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【課題】各分析サイクルでの試薬吐出時の試薬温度間の変動を低減させ、分析精度の維持を図ること。【解決手段】実施形態に係る自動分析装置は、試薬分注機構と、試薬庫と、昇温部と、制御部と、を備えている。前記試薬分注機構は、分析サイクル毎に、試薬の分注動作を行うノズルを有する。前記試薬庫は、試薬を冷却し保管する試薬庫。前記昇温部は、前記ノズルを昇温する。前記制御部は、前記試薬分注機構及び前記昇温部を制御する。前記制御部は、次の分析サイクルで前記分注動作が間欠している場合、前記分注動作が開始される分析サイクルの少なくとも直前の分析サイクルにおいて、前記ノズルからダミー流体を吸引し、前記吸引したダミー流体を前記昇温部で昇温し、前記昇温したダミー流体を前記ノズルから吐出する動作を行うように、前記試薬分注機構及び前記昇温部を制御する。【選択図】 図5

Description

本発明の実施形態は、自動分析装置に関する。
自動分析装置では、既定の時間間隔である分析サイクル毎に、複数の反応容器が所定の距離を移動した後に停止して、洗浄位置、サンプル吐出位置、試薬吐出位置の順に各停止位置への移動を繰り返す。洗浄位置に停止した反応容器に、洗浄ユニットを使用して洗浄が行われる。サンプル吐出位置に停止した洗浄された反応容器に、サンプル分注プローブを使用して試料が分注される。試薬吐出位置に停止した試料が分注された反応容器に、試薬分注プローブを使用して試薬が分注された後、測光ユニットを使用して反応容器内に分注された試料と試薬の混合液が測定される。洗浄位置に停止した測定後の混合液を収容した反応容器に対して洗浄が行われ、試料に対する検査項目の分析を終了する。
また、サンプル分注プローブ及び試薬分注プローブの各分注プローブは、分析サイクル毎に洗浄される。また、試料及び試薬の分注終了毎に洗浄される。
このような自動分析装置では、分析精度を維持するため、複数の試料間で分析の順序に関わらず安定した温度の試薬吐出が求められている。このため、自動分析装置では、試薬を加熱するためのヒータを有する試薬分注プローブを用いることがある。当該試薬分注プローブは、分注動作において、試薬庫内で保冷された試薬を吸引して所定の温度まで加熱し、当該所定の温度の試薬を反応容器に吐出することが可能である。
以上のような自動分析装置は、本発明者の検討によれば、連続する分析サイクルにおいて、先行する分析サイクル内で分注動作を行うか否かに応じて、後続する分析サイクルでの試薬吐出時の試薬温度に差が生じてしまう。分析精度を維持するためには、各分析サイクルでの試薬吐出時の試薬温度間の変動を低減させることが望ましい。
特許第6549329号公報
本発明が解決しようとする課題は、各分析サイクルでの試薬吐出時の試薬温度間の変動を低減させ、分析精度の維持を図ることである。
実施形態に係る自動分析装置は、試薬分注機構と、試薬庫と、昇温部と、制御部と、を備えている。前記試薬分注機構は、分析サイクル毎に、試薬の分注動作を行うノズルを有する。前記試薬庫は、試薬を冷却し保管する試薬庫。前記昇温部は、前記ノズルを昇温する。前記制御部は、前記試薬分注機構及び前記昇温部を制御する。前記制御部は、次の分析サイクルで前記分注動作が間欠している場合、前記分注動作が開始される分析サイクルの少なくとも直前の分析サイクルにおいて、前記ノズルからダミー流体を吸引し、前記吸引したダミー流体を前記昇温部で昇温し、前記昇温したダミー流体を前記ノズルから吐出する動作を行うように、前記試薬分注機構及び前記昇温部を制御する。
図1は、本実施形態に係る自動分析装置の機能構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示される分析機構の構成を示す図である。 図3は、図2に示される試薬分注プローブ、および試薬分注ユニットの構成を示す図である。 図4は、本実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。 図5は、本実施形態におけるヒータ出力の時間推移を説明するための模式図である。 図6は、比較例におけるヒータ出力の時間推移を説明するための模式図である。 図7は、本実施形態の変形例の動作を説明するためのフローチャートである。 図8は、本実施形態の変形例に係る分析機構の構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら、自動分析装置の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る自動分析装置の機能構成を示すブロック図である。図1に示される自動分析装置1は、分析機構2、解析回路3、駆動機構4、入力インタフェース5、出力インタフェース6、通信インタフェース7、記憶回路8、および制御回路9(制御部)を備える。自動分析装置1は、測定対象の検体と試料との混合液を測定することにより、検体内の成分を測定する。
分析機構2は、標準試料または被検試料(これは検体とも呼ばれる)などの試料と、この試料に設定される各検査項目で用いられる試薬とを混合する。分析機構2は、試料と試薬との混合液を測定し、例えば吸光度で表される標準データおよび被検データを生成する。
解析回路3は、分析機構2により生成される標準データおよび被検データを解析することで、検量データおよび分析データなどを生成するプロセッサである。解析回路3は、記憶回路8から解析プログラムを読み出し、読み出した解析プログラムに従って検量データおよび分析データなどを生成する。例えば、解析回路3は、標準データに基づき、標準データと、標準試料について予め設定された標準値との関係を示す検量データを生成する。また、解析回路3は、被検データと、この被検データに対応する検査項目の検量データとに基づき、濃度値および酵素の活性値として表される分析データを生成する。解析回路3は生成した検量データおよび分析データなどを制御回路9へ出力する。
駆動機構4は、制御回路9の制御に従い、分析機構2を駆動させる。駆動機構4は、例えば、ギア、ステッピングモータ、ベルトコンベア、およびリードスクリューなどにより実現される。
入力インタフェース5は、制御回路9に接続され、操作者又はネットワークから入力される操作指示や各種情報を電気信号へ変換し、電気信号を制御回路9へ出力する。例えば、入力インタフェース5は、操作者から、または病院内ネットワークNWを介して、分析対象である試料を特定する情報と、当該試料の検査項目を指定する情報とを含む分析依頼情報の入力を受け付ける。分析依頼情報は、当該試料に係る検査項目の分析パラメータなどを更に含んでもよい。また例えば、入力インタフェース5は、操作者から、シャットダウン指示の入力を受け付ける。入力インタフェース5は、例えば、マウス、キーボード、および操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパッドなどにより実現される。
なお、本明細書において、入力インタフェース5は、マウス、キーボード、およびタッチパッドなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、自動分析装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路9へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース5の例に含まれる。
出力インタフェース6は、制御回路9に接続され、制御回路9から供給される信号を出力する。出力インタフェース6は、例えば、表示回路、印刷回路、および音声デバイスなどにより実現される。表示回路は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、およびプラズマディスプレイなどを含む。また、表示回路には、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換し、ビデオ信号を外部へ出力する処理回路が含まれてもよい。印刷回路は、例えば、プリンタなどを含む。また、印刷回路には、印刷対象を表すデータを外部へ出力する出力回路が含まれてもよい。音声デバイスは、例えば、スピーカなどを含む。また、音声デバイスには、音声信号を外部へ出力する出力回路が含まれてもよい。
通信インタフェース7は、例えば、病院内ネットワークNWと接続する。通信インタフェース7は、病院内ネットワークNWを介してHIS(Hospital Information System)とデータ通信を行う。尚、通信インタフェース7は、病院内ネットワークNWと接続する検査部門システム(Laboratory Information System:LIS)を介してHISとデータ通信を行ってもよい。
記憶回路8は、磁気的記録媒体、光学的記録媒体、または半導体メモリなどの、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体などを含む。尚、記憶回路8は、必ずしも単一の記憶装置により実現される必要は無い。例えば、記憶回路8は、複数の記憶装置により実現されてもよい。
また、記憶回路8は、解析回路3で実行される解析プログラム、および制御回路9に備わる機能を実現するための制御プログラムを記憶している。記憶回路8は、入力インタフェース5により入力を受け付けた分析依頼情報と、制御回路9により設定及び更新される実行情報を記憶する。実行情報は、分析依頼情報に基づいて実行される分析の進捗を表す情報である。また、記憶回路8は、解析回路3により生成される分析データを検査項目毎に記憶する。記憶回路8は、操作者から入力された検査オーダ、または通信インタフェース7が病院内ネットワークNWを介して受信した検査オーダを記憶する。
制御回路9は、自動分析装置1の中枢として機能するプロセッサである。制御回路9は、記憶回路8に記憶されている制御プログラムを実行することで、実行した制御プログラムに対応する機能を実現する。尚、制御回路9は、記憶回路8で記憶されているデータの少なくとも一部を記憶する記憶領域を備えてもよい。
図2は、図1に示される分析機構の構成を示す図である。図2に示される分析機構2は、反応ディスク201、恒温部202、ラックサンプラ203、第1試薬庫204、および第2試薬庫205を備える。また、分析機構2は、試料分注アーム206、試料分注プローブ207、第1試薬分注アーム208、第1試薬分注プローブ209、第2試薬分注アーム210、第2試薬分注プローブ211、電極ユニット212、測光ユニット213、洗浄ユニット214、および攪拌ユニット215を備える。
以下では、まず、反応ディスク201、恒温部202、ラックサンプラ203、第1試薬庫204、および第2試薬庫205について説明する。
反応ディスク201は、複数の反応容器2011を、環状に配列させて保持する。反応ディスク201は、複数の反応容器2011を所定の経路に沿って搬送する。具体的には、反応ディスク201は、駆動機構4により、既定の時間間隔(以下、分析サイクルと称する)、例えば4.5秒、或いは9.0秒で回動と停止とが交互に繰り返される。反応容器2011は、例えば、ガラス、ポリプロピレン(polypropylene:PP)またはアクリルにより形成されている。
恒温部202は、所定の温度に設定された熱媒体を貯留し、貯留する熱媒体に反応容器2011を浸漬させることで、反応容器2011に収容される混合液を昇温する。
ラックサンプラ203は、測定を依頼された試料を収容する複数の試料容器を保持可能な試料ラック2031を、移動可能に支持する。図2に示す例では、5本の試料容器を並列して保持可能な試料ラック2031が示されている。
ラックサンプラ203には、試料ラック2031が投入される投入位置から、測定が完了した試料ラック2031を回収する回収位置まで試料ラック2031を搬送する搬送領域が設けられている。搬送領域では、短手方向に整列された複数の試料ラック2031が、駆動機構4により、方向D1へ移動される。
また、ラックサンプラ203には、試料ラック2031で保持される試料容器を所定の試料吸引位置へ移動させるため、試料ラック2031を搬送領域から引き込む引き込み領域が設けられている。試料吸引位置は、例えば、試料分注プローブ207の回動軌道と、ラックサンプラ203で支持されて試料ラック2031で保持される試料容器の開口部の移動軌道とが交差する位置に設けられる。引き込み領域では、搬送されてきた試料ラック2031が、駆動機構4により、方向D2へ移動される。
また、ラックサンプラ203には、試料が吸引された試料容器を保持する試料ラック2031を搬送領域へ戻すための戻し領域が設けられている。戻し領域では、試料ラック2031が、駆動機構4により、方向D3へ移動される。
第1試薬庫204は、試薬及びダミー流体を冷却し保管する。具体的には、第1試薬庫204は、標準試料および被検試料に含まれる所定の成分と反応する第1試薬を収容する試薬容器100を複数保冷し、例えば純水であるダミー試薬(ダミー流体)を収容する試薬容器100dを1つ保冷する。但し、第1試薬庫204は、ダミー試薬を収容する試薬容器100dを複数保冷してもよい。本実施形態中、ダミー流体は、試料の分析動作には使用せず、試薬庫内の試薬の温度と略同一温度に冷却保管された流体である。ダミー流体としては、例えば、試薬庫に冷却保管された純水が適宜、使用可能となっている。ダミー流体が純水などの液体である場合、ダミー流体をダミー試薬とも呼ぶ。ダミー試薬は、ダミー流体の一例である。また、図2では図示していないが、第1試薬庫204は、着脱自在な試薬カバーにより覆われている。第1試薬庫204内には、試薬ラックが回転自在に設けられている。試薬ラックは、複数の試薬容器100,100dを円環状に配列して保持する。試薬ラックは、駆動機構4により、分析サイクル毎に回動及び停止される。
第1試薬庫204上の所定の位置には、第1試薬吸引位置が設定されている。第1試薬吸引位置は、例えば、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、試薬ラックに円環状に配列される試薬容器100,100dの開口部の移動軌道とが交差する位置に設けられる。
第2試薬庫205は、試薬及びダミー試薬を冷却し保管する。具体的には、第2試薬庫205は、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する試薬容器100を複数保冷し、純水であるダミー試薬を収容する試薬容器100dを1つ保冷する。但し、第2試薬庫205は、ダミー試薬を収容する試薬容器100dを複数保冷してもよい。また、図2では図示していないが、第2試薬庫205は、着脱自在な試薬カバーにより覆われている。第2試薬庫205内には、試薬ラックが回転自在に設けられている。試薬ラックは、複数の試薬容器100,100dを円環状に配列して保持する。試薬ラックは、分析サイクル毎に回動及び停止される。なお、第2試薬庫205で保冷される第2試薬は、第1試薬庫204で保冷される第1試薬と同一成分、且つ同一濃度の試薬であってもよい。
第2試薬庫205上の所定の位置には、第2試薬吸引位置が設定されている。第2試薬吸引位置は、例えば、後述される第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、試薬ラックに円環状に配列される試薬容器100,100dの開口部の移動軌道とが交差する位置に設けられる。
次に、試料分注アーム206、試料分注プローブ207、第1試薬分注アーム208、第1試薬分注プローブ209、第2試薬分注アーム210、第2試薬分注プローブ211、電極ユニット212、測光ユニット213、洗浄ユニット214、および攪拌ユニット215について説明する。
試料分注アーム206は、反応ディスク201とラックサンプラ203との間に設けられている。試料分注アーム206は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、且つ水平方向に回動自在に設けられている。試料分注アーム206は、一端に試料分注プローブ207を保持する。
試料分注プローブ207は、試料分注アーム206の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、ラックサンプラ203上の試料ラック2031で保持される試料容器の開口部が位置するようになっている。
また、試料分注プローブ207の回動軌道上には、試料分注プローブ207が吸引した試料を反応容器2011へ吐出するための試料吐出位置が設けられている。試料吐出位置は、試料分注プローブ207の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道との交点に相当する。
また、試料分注プローブ207は、駆動機構4によって駆動され、ラックサンプラ203上の試料ラック2031で保持される試料容器の開口部の直上、または試料吐出位置において上下方向に移動する。
また、試料分注プローブ207は、制御回路9の制御に従い、直下に位置する試料容器から試料を吸引する。また、試料分注プローブ207は、制御回路9の制御に従い、吸引した試料を、試料吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。試料分注プローブ207は、吸引および吐出の一連の分注動作を、例えば、1つの分析サイクルの間に1回実施する。
第1試薬分注アーム208は、例えば、反応ディスク201と第1試薬庫204との間に設けられている。第1試薬分注アーム208は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、且つ水平方向に回動自在に設けられている。第1試薬分注アーム208は、一端に第1試薬分注プローブ209を保持する。
第1試薬分注プローブ209は、第1試薬分注アーム208の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、第1試薬及びダミー試薬を吸引するための第1試薬吸引位置が設けられている。また、第1試薬分注プローブ209の回動軌道上には、第1試薬分注プローブ209が吸引した試薬を反応容器2011へ吐出するための第1試薬吐出位置が設定されている。第1試薬吐出位置は、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道との交点に相当する。同様に、第1試薬分注プローブ209の回動軌道上には、第1試薬分注プローブ209が吸引したダミー試薬を排水用の流路(図示せず)へ吐出するためのダミー試薬吐出位置が設定されている。ダミー試薬吐出位置は、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、排水用の流路との交点に相当する。
第1試薬分注プローブ209は、駆動機構4によって駆動され、回動軌道上の第1試薬吸引位置、第1試薬吐出位置又はダミー試薬吐出位置において上下方向に移動する。また、第1試薬分注プローブ209は、制御回路9の制御に従い、第1試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器100から第1試薬を吸引する。また、第1試薬分注プローブ209は、制御回路9の制御に従い、吸引した第1試薬を、第1試薬吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。同様に、第1試薬分注プローブ209は、制御回路9の制御に従い、第1試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器100dからダミー試薬を吸引する。また、第1試薬分注プローブ209は、制御回路9の制御に従い、吸引したダミー試薬を、ダミー試薬吐出位置の直下に位置する排水用の流路へ吐出する。第1試薬分注プローブ209は、第1試薬又はダミー試薬に対する吸引および吐出の一連の分注動作を、例えば、1つの分析サイクルの間に1回実施する。
第2試薬分注アーム210は、例えば、反応ディスク201と第2試薬庫205との間に設けられている。第2試薬分注アーム210は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、且つ水平方向に回動自在に設けられている。第2試薬分注アーム210は、一端に第2試薬分注プローブ211を保持する。
第2試薬分注プローブ211は、第2試薬分注アーム210の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、第2試薬及びダミー試薬を吸引するための第2試薬吸引位置が設けられている。また、第2試薬分注プローブ211の回動軌道上には、第2試薬分注プローブ211が吸引した試薬を反応容器2011へ吐出するための第2試薬吐出位置が設定されている。第2試薬吐出位置は、第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道との交点に相当する。同様に、第2試薬分注プローブ211の回動軌道上には、第2試薬分注プローブ211が吸引したダミー試薬を排水用の流路(図示せず)へ吐出するためのダミー試薬吐出位置が設定されている。ダミー試薬吐出位置は、第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、排水用の流路との交点に相当する。
第2試薬分注プローブ211は、駆動機構4によって駆動され、回動軌道上の第2試薬吸引位置、第2試薬吐出位置又はダミー試薬吐出位置において上下方向に移動する。また、第2試薬分注プローブ211は、制御回路9の制御に従い、第2試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器100から第2試薬を吸引する。また、第2試薬分注プローブ211は、制御回路9の制御に従い、吸引した第2試薬を、第2試薬吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。同様に、第2試薬分注プローブ211は、制御回路9の制御に従い、第2試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器100dからダミー試薬を吸引する。また、第2試薬分注プローブ211は、制御回路9の制御に従い、吸引したダミー試薬を、ダミー試薬吐出位置の直下に位置する排水用の流路へ吐出する。第2試薬分注プローブ211は、第1試薬又はダミー試薬に対する吸引および吐出の一連の分注動作を、例えば、1つの分析サイクルの間に1回実施する。
図3は、図2に示される試薬分注プローブ、および試薬分注ユニットの構成を示す図である。図3には、第1試薬分注プローブ209および第1試薬分注アーム208に関する試薬分注ユニット2080などが示されている。以降では、第1試薬分注プローブ209について説明するが、これに限定されない。試薬分注ユニット2080は、第2試薬分注プローブ211についても、同様の構成で用いられてよい。
図3に示される試薬分注ユニット2080はチューブ2081、シリンジ2082、プランジャ2083、タンク2084、ポンプ2085、および開閉弁2086を備える。
具体的には、試薬分注ユニット2080は、一端が第1試薬分注プローブ209に接続される弾性体であるチューブ2081、チューブ2081の他端部に接続されるシリンジ2082、およびシリンジ2082の下端部に設けられた開口に勘合するプランジャ2083を備える。
また、試薬分注ユニット2080は、チューブ2081およびシリンジ2082の内部に充填される圧力伝達媒体を貯留するタンク2084を備える。圧力伝達媒体は、例えば、純水などである。
また、試薬分注ユニット2080は、タンク2084に貯留された圧力伝達媒体を吸引するためのポンプ2085を備える。試薬分注ユニット2080は、吸引した圧力伝達媒体を洗浄水として、シリンジ2082およびチューブ2081を介して第1試薬分注プローブ209へ供給する。この洗浄水は純水であり、洗浄液の一例である。洗浄液は純水に限定されない。試薬分注ユニット2080は、ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給機構の一例である。
また、試薬分注ユニット2080は、シリンジ2082とポンプ2085との間を連通する流路を開閉する開閉弁2086を備える。開閉弁2086は、制御回路9の制御によって流路を開閉させる。開閉弁2086は、例えば、電磁弁である。
第1試薬又はダミー試薬を吸引する際には、シリンジ2082とポンプ2085との間の流路は、開閉弁2086により閉鎖される。駆動機構4がプランジャ2083を矢印L1方向へ駆動させることにより、第1試薬分注プローブ209は、第1試薬吸引位置において、試薬容器100内の第1試薬又は試薬容器100d内のダミー試薬を吸引する。以降では、試薬分注ユニット2080によって、第1試薬分注プローブ209が試薬を吸引することを吸引動作と呼ぶ。
第1試薬分注プローブ209は、ノズル2091、ヒータ2092、およびセンサ2093を備える。ノズル2091は、例えば、ガラスで成形された流路管であり、下端に開口を有する。ノズル2091の下端は、第1試薬分注プローブ209の先端側を示し、ノズル2091の上端は、第1試薬分注アーム208側を示す。ヒータ2092は、例えば、電熱線に相当し、ノズル2091に沿って配置される。また、ヒータ2092は、ノズル2091に沿った、試薬を収容する部分に巻き付けられている。電熱線の素材は、例えば、ニクロム線および鉄クロム線などである。センサ2093は、例えば、温度センサである。温度センサとしては、例えば、サーミスタ、測温抵抗体、熱電対、および温度センサICなどが用いられる。
第1試薬分注プローブ209は、吸引する試薬の量に関係無く、ヒータ2092が巻き付けられている部分に収まるように試薬をノズル2091に収容する。即ち、ノズル2091は、試薬分注ユニット2080の吸引動作により、第1試薬又はダミー試薬を収容する。ノズル2091に収容された第1試薬又はダミー試薬は、ヒータ2092により加熱される。
ヒータ2092は、制御回路9の制御により、ノズル2091に収容された第1試薬又はダミー試薬を加熱する。ヒータ2092は、ノズルを昇温する昇温部の一例である。
センサ2093は、例えば、ノズル2091の中央付近に配置される。センサ2093は、配置された周囲の温度を測定する。例えば、センサ2093は、ヒータにおける所定の位置の温度を測定する。センサ2093は、測定された温度の情報(温度情報)を制御回路9へと出力する。センサ2093からの温度情報は、制御回路9において、ノズル2091内の第1試薬又はダミー試薬の温度を目標温度(37℃)に制御する温度制御に用いられる。温度制御としては、例えば、PI制御(比例積分制御)又はPID制御(比例積分微分制御)が適宜、使用可能となっている。
第1試薬又はダミー試薬を吐出する際には、駆動機構4がプランジャ2083を矢印L2方向へ駆動させることにより、第1試薬分注プローブ209は、第1試薬吐出位置に位置する反応容器2011内へ第1試薬を吐出し、ダミー試薬吐出位置に位置する排水用の流路へダミー試薬を吐出する。
第1試薬又はダミー試薬の分注が終了した後、シリンジ2082とポンプ2085との間の流路は、開閉弁2086により開放される。ポンプ2085は、駆動機構4により駆動され、第1試薬分注プローブ209へ圧力伝達媒体を供給する。第1試薬分注プローブ209は、分析サイクル毎に、試薬の分注動作を行うノズルを有する試薬分注機構の一例である。試薬の分注動作は、試薬庫内の試薬を吸引し、吸引した試薬を昇温部で昇温し、昇温した試薬を吐出する動作である。
電極ユニット212は、反応容器2011内に吐出された試料と試薬との混合液の電解質濃度を測定する。電極ユニット212は、イオン選択性電極(Ion Selective Electrode:ISE)および参照電極を有する。電極ユニット212は、制御回路9の制御に従い、測定対象のイオンを含む混合液について、ISEと参照電極との間の電位を測定する。電極ユニット212は、電位を測定したデータを標準データまたは被検データとして解析回路3へと出力する。
測光ユニット213は、反応容器2011内に吐出された試料と試薬との混合液における所定の成分を光学的に測定する。測光ユニット213は、光源および光検出器を有する。測光ユニット213は、制御回路9の制御に従い、光源から光を照射する。照射された光は、反応容器2011の第1側壁から入射され、第1側壁と対向する第2側壁から出射される。測光ユニット213は、反応容器2011から出射された光を、光検出器により検出する。
具体的には、例えば、光検出器は、反応容器2011内の標準試料と試薬との混合液を通過した光を検出し、検出した光の強度に基づき、吸光度などにより表される標準データを生成する。また、光検出器は、反応容器2011内の被検試料と試薬との混合液を通過した光を検出し、検出した光の強度に基づき、吸光度などにより表される被検データを生成する。測光ユニット213は、生成した標準データおよび被検データを解析回路3へ出力する。
洗浄ユニット214は、電極ユニット212または測光ユニット213において混合液の測定が終了した反応容器2011の内部を洗浄する。この洗浄ユニット214は、反応容器2011を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給ポンプ(図示せず)を備えている。また、洗浄ユニット214は、洗浄液供給ポンプから供給された洗浄液の反応容器2011内への吐出や、反応容器2011内の混合液、及び洗浄液の各液体の吸引を行う洗浄ノズルを備えている。
攪拌ユニット215は、反応ディスク201の外周近傍に設けられている。攪拌ユニット215は、攪拌子を有し、この攪拌子により、反応ディスク201上の攪拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている試料および第1試薬の混合液を攪拌する。または、攪拌ユニット215は、反応容器2011内に収容されている試料、第1試薬、および第2試薬の混合液を攪拌する。
次に、本実施形態に係る制御回路9の機能について述べる。例えば、制御回路9は、動作プログラムを実行することで、システム制御機能91およびダミー制御機能92を有する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによってシステム制御機能91およびダミー制御機能92が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて制御回路を構成し、各プロセッサが制御プログラムを実行することによりシステム制御機能91およびダミー制御機能92を実現しても構わない。
制御回路9は、システム制御機能91により、例えば、入力インタフェース5から入力される入力情報などに基づき、自動分析装置1における各部を統括して制御する。具体的には、制御回路9は、分析依頼情報に基づく実行情報の設定及び更新動作、反応ディスク201の回動動作、試料ラック2031の移動動作、試料分注プローブ207の回動・分注動作、試薬ラックの回動動作、第1試薬分注プローブ209の回動・分注・温度制御の動作、及び第2試薬分注プローブ211の回動・分注・温度制御の動作などを制御する。
また、制御回路9は、読み出した制御プログラムに従って、ダミー制御処理に係る各機能を実行する。上記各機能には、例えば、ダミー制御機能92などがある。尚、上記各機能には、システム制御機能91の一部の機能が含まれてもよい。
制御回路9は、ダミー制御機能92により、ダミー試薬に関して、試薬ラックの回動動作、第1試薬分注プローブ209の回動・分注の動作、及び第2試薬分注プローブ211の回動・分注の動作などを制御する。制御回路9は、試薬分注機構及び昇温部を制御する制御部の一例である。制御回路9は、次の分析サイクルで分注動作が間欠している場合、当該分注動作が開始される分析サイクルの少なくとも直前の分析サイクルにおいて、ノズル2091がダミー試薬(ダミー流体)を吸引し、当該吸引したダミー試薬をヒータ2092で昇温し、当該昇温したダミー試薬をノズル2091から吐出する動作を行うように、第1試薬分注プローブ209、第2試薬分注プローブ211及びヒータ2092を制御する。ダミー試薬としては、例えば、試薬庫内の試薬の温度と略同一温度のダミー流体が、適宜、使用可能となっている。
次に、以上のように構成された自動分析装置の動作例について図4のフローチャート及び図5の模式図を用いて説明する。この動作例は、理解を容易にするため、2つの試薬分注プローブのうちの第1試薬分注プローブ209の動作について述べるが、第2試薬分注プローブ211の動作についても同様である。制御回路9は、例えば、自動分析装置1の起動時において、記憶回路8に記憶されている制御プログラムを読み出し、システム制御機能91及びダミー制御機能92を実行する。システム制御機能91の実行中、制御回路9は、第1試薬分注プローブ209に関して、ステップST1~ST11、ST13の処理を実行する。また、ダミー制御機能92の実行中、制御回路9は、第1試薬分注プローブ209に関して、破線で囲んだステップST12、ST14~ST16の処理を実行する。なお、以降の説明では、プローブなどの動作において、駆動機構4が各部を駆動する際の「駆動機構4により」、或いは「駆動機構4によって駆動され」などの記載を省略する。また、特に記載しない限り、何れの動作も、制御回路9が各部を制御するものとする。これらのことは他のフローチャートでも同様である。
始めに、自動分析装置1は、既に起動しており、第1試薬庫204及び第2試薬庫内の試薬容器100,100dが8℃の温度に保冷されているとする。また、記憶回路8には、入力を受け付けた分析依頼情報が制御回路9により記憶されているとする。
(ステップST1)
制御回路9は、分析対象である試料を特定する情報と、当該試料の検査項目を指定する情報とを含む分析依頼情報を記憶回路8から読み出す。読み出した分析依頼情報は、例えば、複数の試料の各々を分析対象としているとする。
(ステップST2)
ステップST1の後、制御回路9は、分析依頼情報に基づいて実行される分析の進捗を表す実行情報を作成し、当該実行情報を記憶回路8内に設定する。実行情報は、例えば、試料を特定する情報と、検査項目を指定する情報と、分析サイクル毎に各部の動作を示すサイクル情報と、当該各部の動作の実行済み/未実行を示す情報と、を関連付けて分析の進捗を示している。ここで、各部の動作としては、例えば、反応ディスク201の回動動作、試料ラック2031の移動動作、試料分注プローブ207の回動・分注動作、試薬ラックの回動動作、第1試薬分注プローブ209の回動・分注動作、第2試薬分注プローブ211の回動・分注動作などを含んでいる。
(ステップST3)
ステップST2の後、制御回路9は、第1試薬分注プローブ209におけるノズル2091の温度制御を開始する。例えば、制御回路9は、ノズル2091の温度を37℃に維持するためのPI制御(比例積分制御)を開始する。しかる後、センサ2093は、ノズル2091の温度を測定し、測定した温度の情報を制御回路9に出力する。制御回路9は、センサ2093が測定した温度の情報に基づいて、ノズル2091の温度を37℃に制御するようにヒータ2092をPI制御する。ステップST3で開始した温度制御は、自動分析装置1の動作が終了するまで継続して実行される。
(ステップST4)
しかる後、制御回路9は、実行情報に基づいて、次の分析サイクルに分注動作があるか否かを判定する。具体的には、制御回路9は、実行情報に基づいて、次の分析サイクルに、第1試薬分注プローブ209における第1試薬の吸引・吐出動作があるか否かを判定する。
(ステップST5)
ステップST4の結果、次の分析サイクルに分注動作がある場合(ST4:Yes)、制御回路9は、駆動機構4により、試薬ラックの試薬容器100及び第1試薬分注プローブ209を第1試薬吸引位置に回動させた後、第1試薬分注プローブ209を下降させる。しかる後、制御回路9は、第1試薬分注プローブ209に対し、第1試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器100から第1試薬を吸引させる。これにより、第1試薬分注プローブ209のノズル2091は、8℃の温度に保冷された第1試薬を収容する。
(ステップST6)
ステップST5の後、ノズル2091の温度は、8℃に保冷された第1試薬の収容に伴って低下する。ヒータ2092は、制御回路9からのPI制御により、ノズル2091に収容された第1試薬を加熱し、第1試薬を37℃まで昇温させる。
(ステップST7)
ステップST6の後、制御回路9は、駆動機構4により、第1試薬分注プローブ209を上昇させ、第1試薬吐出位置に回動させた後、下降させる。しかる後、制御回路9は、第1試薬分注プローブ209に対し、第1試薬吐出位置の直下に位置する反応容器2011に37℃の第1試薬を吐出させる。
(ステップST8)
第1試薬の吐出後、制御回路9は、駆動機構4により、第1試薬分注プローブ209を上昇させ、排水用の流路の位置に回動させた後、下降させる。なお、後述するダミー試薬の吐出後の場合には、第1試薬分注プローブ209が排水用の流路の位置にあるので、この回動動作は省略される。しかる後、制御回路9は、試薬分注ユニット2080からタンク2084内の洗浄水を第1試薬分注プローブ209に供給し、第1試薬分注プローブ209のノズル2091から排水用の流路に洗浄水を吐出させる。これにより、ノズル2091は洗浄される。なお、ノズル2091内で吐出されなかった洗浄水は、ノズル2091に残存している。このとき、洗浄水の温度は、例えば20℃であり、室温に略一致する。
(ステップST9)
ステップST8に並行して、ノズル2091の温度は、20℃の洗浄水の通過及び残存に伴って低下する。ヒータ2092は、制御回路9からのPI制御により、ノズル2091に残存した洗浄水を加熱し、洗浄水を37℃まで昇温させる。
(ステップST10)
ステップST9の後、制御回路9は、ある試料に対してステップST7の試薬の吐出やステップST8のノズルの洗浄を含む各部の動作が実行済みであることに応じて、当該ある試料に関する各部の動作の実行済みを表すように実行情報を更新する。
(ステップST11)
ステップST10の後、制御回路9は、更新後の実行情報に基づいて、分析依頼情報に基づく全ての分析が終了したか否かを判定し、終了した場合には、各部を所定の待機位置に移動させ、処理を終了する。また、否の場合(未実行の分析がある場合)には、ステップST4に戻る。
(ステップST12)
ステップST4の結果、次の分析サイクルに分注動作がない場合(間欠している場合、ST4:No)、制御回路9は、実行情報に基づいて、次のサイクル以降の間欠が連続n回以下か否かを判定する(但し、nは正の整数)。
(ステップST13)
ステップST12の判定の結果、否の場合(間欠が連続n回を超える場合、ST12:No)には、制御回路9は、実行情報に基づいて、1分析サイクルの時間間隔だけ待機し、ステップST8に移行する。
(ステップST14~ST16)
なお、ステップST12~ST13は、任意の付加的事項であり、省略してもよい。例えば、当該省略を行うことにより、ステップST4の結果、次の分析サイクルに分注動作がない場合(間欠している場合、ST4:No)、後述するステップST14~ST16に示すように、ダミー試薬の分注動作を行うようにしてもよい。
一方、ステップST12の判定の結果、間欠が連続n回以下の場合には、制御回路9は、試薬分注の間欠を行う連続n回の分析サイクルの各々において、後述するダミー試薬の分注動作を行う。但し、係るダミー試薬(ダミー流体)の分注動作は、間欠を行う連続n回の分析サイクルの各々に行う必要は無く、試薬の分注動作が開始される分析サイクルの少なくとも直前の分析サイクルに行えばよい。すなわち、制御回路9は、次の分析サイクルで(試薬の)分注動作が間欠している場合、(試薬の)分注動作が開始される分析サイクルの少なくとも直前の分析サイクルにおいて、ダミー試薬の分注動作を行うよう、第1試薬分注プローブ209及びヒータ2092を制御すればよい。本実施形態では、試薬の分注動作が間欠する連続n回の分析サイクルの各々において、ダミー試薬の分注動作を行う。ここで、ダミー試薬の分注動作は、試薬庫内の試薬の温度と略同一温度のダミー試薬をノズル2091から吸引し、吸引したダミー試薬をヒータ2092で昇温し、昇温したダミー試薬をノズル2091から吐出する動作である。ダミー試薬の分注動作は、以下のステップST14~ST16に示すように実行される。
(ステップST14)
ステップST12の判定の結果、間欠が連続n回以下の場合には、制御回路9は、駆動機構4により、試薬ラックの試薬容器100d及び第1試薬分注プローブ209を第1試薬吸引位置に回動させた後、下降させる。しかる後、制御回路9は、第1試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器100dに対し、第1試薬分注プローブ209のノズル2091からダミー試薬を吸引させる。これにより、第1試薬分注プローブ209のノズル2091は、8℃の温度に保冷されたダミー試薬を収容する。
(ステップST15)
ステップST14の後、ノズル2091の温度は、8℃に保冷されたダミー試薬の収容に伴って低下する。ヒータ2092は、制御回路9からのPI制御により、ノズル2091に収容されたダミー試薬を加熱し、ダミー試薬を37℃まで昇温させる。
(ステップST16)
ステップST15の後、制御回路9は、駆動機構4により、第1試薬分注プローブ209を上昇させ、排水用の流路の位置に回動させた後、下降させる。しかる後、制御回路9は、第1試薬分注プローブ209のノズル2091から排水用の流路に37℃のダミー試薬を吐出させる。ダミー試薬の吐出後、ステップST8に移行して、前述同様に処理を実行する。
以上のようなステップST12、ST14~ST16によれば、次の分析の前に連続n回以下の間欠がある場合、ダミー試薬の吸引・昇温・吐出を行うことにより、ノズル2091の温度環境が、第1試薬の吸引・昇温・吐出を行う場合と同様に維持される。このため、1回目の第1試薬の吸引・昇温・吐出の場合と、2回目以降の第1試薬の吸引・昇温・吐出の場合との間で、ヒータ2092の出力が同様に推移する。
図5は、本実施形態におけるヒータ出力の時間推移を示す模式図である。図5中、縦軸はヒータ2092の出力を示し、横軸は時間を示す。また、図5中、洗浄間の分析サイクル毎に、間欠、ダミー分注、試薬分注、のいずれかが実行される。以下、間欠の場合の分析サイクルを間欠サイクルと呼び、ダミー分注の場合の分析サイクルをダミーサイクルと呼ぶ。同様に、試薬分注の場合の分析サイクルを試薬分注サイクルと呼ぶ。
間欠サイクルIc1においては、ステップST8の洗浄水により20℃に低下したノズル2091の温度をステップST9で37℃に昇温させ、ステップST10、ST11、ST4、ST12の後、ステップST13で待機する。この間欠サイクルIc1中、ヒータ2092の出力は、20℃から37℃への昇温時に右上がりとなり、待機時に右下がりとなるよう、推移する。
1回目のダミーサイクルDc1においては、ステップST8の洗浄水により20℃に低下したノズル2091の温度をステップST9で37℃に昇温させ、ステップST10、ST11、ST4、ST12の後、ステップST14のダミー試薬により8℃に低下したノズル2091の温度をステップST15で37℃に上昇させ、ステップST16を行う。このダミーサイクルDc1中、ヒータ2092の出力は、20℃から37℃への昇温時に右上がりとなり、37℃に到達した後に下がり、8℃から37℃への昇温時に更に右上がりとなり、37℃に到達後、右下がりとなるよう、推移する。ダミーサイクルDc1中、破線で囲むダミー分注時のヒータ出力の推移は、間欠サイクルIc1には見られない。
2回目のダミーサイクルDc2においては、1回目のダミーサイクルDc1と同様に、ステップST8~ST11、ST4、ST12、ST14~ST16が実行される。ダミーサイクルDc2中、ヒータ2092の出力は、20℃から37℃への昇温時に右上がりとなり、37℃に到達した後に下がり、8℃から37℃への昇温時に更に右上がりとなり、37℃に到達後、右下がりとなるよう、推移する。ダミーサイクルDc2中、破線で囲むダミー分注時のヒータ出力の推移は、直前のダミーサイクルDc1にも見られる。
但し、2回目のダミーサイクルDc2開始時のヒータ2092の出力は、1回目のダミーサイクルDc1開始時のヒータ2092の出力よりも高い。これは、2回目のダミーサイクルDc2開始時のヒータ出力が、直前のダミーサイクルDc1のヒータ出力に影響され、1回目のダミーサイクルDc1開始時のヒータ出力が、直前の間欠サイクルIC1のヒータ出力に影響されることによる。ここで、1回目のダミーサイクルDc1のヒータ出力は、ダミーサイクルDc1中に8℃のダミー試薬を昇温したことに伴い、間欠サイクルIc1のヒータ出力よりも高くなっている。従って、2回目のダミーサイクルDc2開始時のヒータ出力は、1回目のダミーサイクルDc1開始時のヒータ出力よりも高くなっている。
1回目の試薬分注サイクルRc1においては、ステップST8の洗浄水により20℃に低下したノズル2091の温度をステップST9で37℃に昇温させ、ステップST10、ST11、ST4の後、ステップST5の第1試薬により8℃に低下したノズル2091の温度をステップST6で37℃に上昇させ、ステップST7を行う。これに伴い、ヒータ2092の出力は、20℃から37℃への昇温時に右上がりとなり、37℃に到達した後に下がり、8℃から37℃への昇温時に更に右上がりとなり、37℃に到達後、右下がりとなるよう、推移する。このような試薬分注サイクルRc1におけるヒータ出力の推移は、直前のダミーサイクルDc2におけるヒータ出力の推移と同様である。
また、1回目の試薬分注サイクルRc1開始時のヒータ2092の出力は、2回目のダミーサイクルDc2開始時のヒータ2092の出力に略同一である。これは、1回目の試薬分注サイクルRc1開始時のヒータ出力が、直前の2回目のダミーサイクルDc2のヒータ出力に影響され、2回目のダミーサイクルDc2開始時のヒータ出力が、直前の1回目のダミーサイクルDc1のヒータ出力に影響されることによる。ここで、1回目と2回目のダミーサイクルDc1,DC2のヒータ出力は、いずれも8℃のダミー試薬を昇温したことに伴い、互いに略同一である。従って、1回目の試薬分注サイクルRc1開始時のヒータ出力は、2回目のダミーサイクルDc2開始時のヒータ出力に略同一である。
以下、連続する2回目以降の試薬分注サイクルRc2、Rc3、・・・のヒータ2092の出力は、それぞれ直前の試薬分注サイクルRc1、Rc2、・・・のヒータ出力が互いに略同一のため、互いに同様に推移する。
上述したように本実施形態によれば、自動分析装置は、分析サイクル毎に、試薬の分注動作を行うノズルを有する試薬分注機構と、試薬を冷却し保管する試薬庫と、ノズルを昇温する昇温部と、試薬分注機構及び昇温部を制御する制御部と、を備えている。制御部は、次の分析サイクルで分注動作が間欠している場合、分注動作が開始される分析サイクルの少なくとも直前の分析サイクルにおいて、ノズルからダミー流体を吸引し、吸引したダミー流体を昇温部で昇温し、昇温したダミー流体をノズルから吐出する動作を行うように、試薬分注機構及び昇温部を制御する。
これにより、試薬の分注動作が開始される分析サイクルの少なくとも直前の分析サイクルにおいて、ダミー流体の分注動作が行われる。従って、各分析サイクルでの試薬吐出時の試薬温度間の変動を低減させ、分析精度の維持を図ることができる。この場合、吸引されるダミー流体は、試薬温度間の変動を低減させる観点から、試薬の温度に近い温度をもつことが好ましく、試薬の温度と略同一温度をもつことが、より好ましい。
補足すると、ダミー流体の分注動作を用いない比較例では、例えば図6に示すように、図5中のダミーサイクルDc1,Dc2に代えて、間欠サイクルIc2,Ic3が実行される。これに伴い、比較例では、1回目の試薬分注サイクルRc1開始時のヒータ出力と、2回目以降の試薬分注サイクルRc2~Rc4開始時のヒータ出力とに差異が生じている。差異の要因として、直前の分注動作(における保冷した試薬吸引)の有無が挙げられる。詳しくは、2回目以降の試薬分注サイクルRc2~Rc4のように、直前の分注動作がある場合、自動分析装置1は、冷却された試薬をノズル2091から吸引し、ノズル2091内の試薬を昇温し、当該試薬を吐出し、直後にノズル2091内の洗浄動作を実施する。これに対し、1回目の試薬分注サイクルRc1のように、直前の分注動作がない場合、試薬吸引によるノズル2091の温度変動が無い状態でノズル2091の洗浄動作を実施する。このように直前の分注動作の有無により、ノズル2091の温度変化が異なるため、試薬吸引時におけるノズル2091の温度分布に差異が生じ、試薬吐出時のノズル2091の温度分布にも差が発生する。この結果、比較例では、1回目の試薬分注サイクルRc1と、2回目以降の試薬分注サイクルRc2~Rc4との間での試薬吐出時の試薬温度に差が生じてしまう。これに対し、本実施形態によれば、1回目の試薬分注サイクルRc1の少なくとも直前にダミー分注サイクルを行うので、1回目以降の試薬分注サイクルRc1~Rc4での試薬吐出時の試薬温度間の変動を低減させることができる。また、このような本実施形態によれば、検査項目の順序によるバラつき要因(直前の分注動作の有無)を排除し、吐出時の試薬温度の安定性を向上させることができる。これにより、自動分析装置1の性能安定性の向上に寄与することができる。
また、本実施形態によれば、試薬庫は、試薬及びダミー流体を冷却し保管する。従って、前述した作用効果に加え、吸引時のダミー流体の温度を保管庫内の試薬の温度と略同一の温度に調整することを容易に実現することができる。
また、本実施形態によれば、ダミー流体は、純水である。従って、前述した作用効果に加え、例えば、純水である洗浄水をダミー流体に用いることができるので、ダミー流体を容易に準備することができる。
(変形例)
なお、上記実施形態では、試薬庫内にダミー流体を冷却し保管したが、これに限定されない。例えば、分析機構2は、試薬庫内の試薬容器100dに代えて、図8に示すように、ダミー流体を冷却し保管する冷却部220を更に備えてもよい。具体的には、冷却部220は、制御回路9に制御され、純水であるダミー試薬(ダミー流体)を収容する少なくとも1つの容器221を冷却する。このとき、冷却部220がダミー試薬を冷却する温度は8℃であり、試薬庫が試薬を冷却する温度と略同一温度となっている。なお、ダミー試薬を冷却する温度としては、試薬庫内の試薬の温度と略同一温度に限らず、例えば、試薬庫内の試薬の温度に近い温度としてもよい。試薬庫内の試薬の温度と略同一温度とは、例えば、8℃±2℃の範囲内の温度としてもよい。また、試薬庫内の試薬の温度に近い温度とは、例えば、8℃±5℃の範囲内の温度としてもよい。但し、ダミー試薬を冷却する温度としては、例えば、水が凍らない温度で且つ室温より低い温度の範囲(例、1℃~15℃)内にあれば、任意の温度が適用可能である。いずれにしても、ダミー試薬を冷却する温度は、試薬温度間の変動を低減させる観点から、試薬庫内の試薬の温度に近い温度をもつことが好ましく、試薬庫内の試薬の温度と略同一温度をもつことが、より好ましい。また、図8に示す冷却部220上の所定の位置には、ダミー試薬吸引位置が設定されている。ダミー試薬吸引位置は、例えば、第1試薬分注プローブ209及び第2試薬分注プローブ211の各々の回動軌道と、冷却部220に保管される容器221の開口部の移動軌道とが交差する位置に設けられる。但し、これに限らず、冷却部220としては、第1試薬分注プローブ209に対応する第1冷却部と、第2試薬分注プローブ211に対応する第2冷却部とを別々に設けてもよい。この場合、第1冷却部上のダミー試薬吸引位置は、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、第1冷却部に保管される容器の開口部の移動軌道とが交差する位置に設けられる。同様に、第2冷却部上のダミー試薬吸引位置は、第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、第2冷却部に保管される容器の開口部の移動軌道とが交差する位置に設けられる。いずれにしても、冷却部220を備える場合、試薬庫の試薬の保管容量を減らすことなく、前述した作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、ダミー流体が純水である場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ダミー流体は、冷気であってもよい。この場合、変形例に述べた冷却部を設けずに、且つ試薬庫の試薬の保管容量を減らすことなく、前述した作用効果を得ることができる。補足すると、ダミー流体が冷気である場合、例えば試薬庫内にノズルを侵入させ、冷気を吸引させてもよい。冷気であれば、試薬庫内の試薬設置スペースを占有することなく実施することができる。但し、冷気と純水では熱容量が異なるため、吸引時間や試薬庫内の待機時間やヒータ出力などのパラメータを調整してもよい。
また、上記実施形態では、ヒータ2092の制御手法としてPI制御を用いたが、これに限定されない。例えば、ヒータ2092の制御手法としてPID制御を用いてもよい。あるいは、ヒータ2092の制御手法として、試薬及びダミー試薬の分注量などの測定条件や、ノズル2091の周囲温度、洗浄水の水温などの環境条件に合わせた制御プロファイルを作成し、当該制御プロファイルを制御回路9が用いてもよい。
また、上記実施形態では、ダミー流体(ダミー試薬)の補充について述べなかったが、ダミー流体が純水などの液体の場合、ダミー試薬の補充を自動的に行ってもよい。補充方法としては、入力インタフェース5がシャットダウン指示の入力を受け付けると、制御回路9がシャットダウン動作のタイミングなどに、試薬分注機構をダミー試薬の置き場(試薬庫又は冷却部)に移動させ、洗浄水供給機構がノズルに洗浄水を供給し、ノズルから当該置き場に洗浄水(純水)を吐出させてもよい。すなわち、制御回路9は、シャットダウン指示の入力を受け付けると、ダミー試薬である洗浄水を補充する動作を行うように試薬分注機構及び洗浄水供給機構を制御し、当該補充する動作の後、当該自動分析装置のシャットダウンを行う。従って、ユーザがダミー試薬を補充する手間を省くことができる。また、自動分析の途中で補充する場合に比べ、シャットダウン時に補充する場合には、次の起動時までに十分な時間が経過してダミー試薬の温度を試薬の温度と略同一の温度にできるので、好ましい。補足すると、自動分析の途中でダミー試薬の純水を補充する場合、補充した20℃の純水がダミー試薬として機能するように、例えば、8℃の試薬と略同一温度まで冷却するための待ち時間が必要となる。このため、シャットダウン時に補充する方が好ましい。
また、上記変形例では、ダミー流体の残量確認について述べなかったが、ノズルの静電容量による液面検知などの一般的な試薬残量検知の手法を使用し、補充前後(吐出前後)の残量確認を行うようにしてもよい。この場合、制御回路9は、システム制御機能91の一部として、ノズル2091の静電容量により液面を検知する検知部を更に備えている。すなわち、検知部は、試薬の分注動作を行う場合、当該試薬の液面を検知する機能である。本変形例では、ダミー試薬の残量確認を行う場合、当該検知部がダミー試薬の液面を検知する。なお、ダミー試薬の残量確認は、補充前だけ実行してもよく、補充後だけ実行してもよい。これに伴い、制御回路9は、シャットダウン指示の入力を受け付けると、検知部によりダミー流体の液面を検知し、検知した結果に基づいて、洗浄水を補充する動作を行うように試薬分注機構及び洗浄水供給機構を制御する。係る変形例は、例えば図7に示すように、実施してもよい。
図7は、本変形例に係る動作を説明するためのフローチャートである。自動分析装置1は、例えば、ユーザの操作に応じて、朝に起動され、日中に分析動作を実行し、1日の終わりにステップST21~ST25に示すように、シャットダウン動作が行われるとする。
入力インタフェース5は、ユーザの操作に応じて、シャットダウン指示の入力を受け付ける(ステップST21)。
制御回路9は、シャットダウン指示の入力を受け付けると、図示しない検知部により、現在のダミー流体の液面を検知する(ステップST22)。
制御回路9は、検知した結果に基づいて、洗浄水であるダミー試薬を補充する動作を行うように試薬分注機構及び洗浄水供給機構を制御する(ステップST23)。
当該補充する動作の後、制御回路9は、図示しない検知部により、補充後のダミー流体の液面を検知する(ステップST24)。なお、制御回路9は、補充後の液面の検知結果が正常範囲にあるか否かを判定し、判定結果を出力インタフェース6に出力してもよい。例えば、制御回路9は、検知結果が正常範囲にある場合、数秒程度の所定時間だけ終了メッセージを出力インタフェース6に出力し、ステップST25に進んでもよい。また、制御回路9は、検知結果が正常範囲にない場合、警報メッセージを出力インタフェース6に出力し、ステップST25に進むための確認ボタンの操作を促してもよい。
しかる後、制御回路9は、シャットダウン指示に基づいて、自動分析装置1のシャットダウンを実行する。
図7に示す変形例によれば、ユーザがダミー試薬の残量を確認し補充する手間を省くことができる。
(他の実施形態)
上記実施形態及び変形例では、生化学検査を実施する自動分析装置への適用について説明したが、これに限らない。例えば、上記実施形態及び変形例は、血液凝固分析検査を実施する自動分析装置へ適用されてもよい。
他の実施形態に係る自動分析装置は、血液凝固分析検査を実施可能であり、図1と同様の構成となっている。以下では、図1を用いて説明する。
分析機構2は、駆動機構4に駆動され、環状の反応ディスク201に保持された反応容器2011を搬送する。分析機構2は、分析サイクル毎に、搬送される反応容器2011に対し、試料である血液検体、及び試薬の分注動作を行う。ここで、分析機構2は、駆動機構4を介して制御回路9に制御され、次の分析サイクルで試薬の分注動作が間欠している場合、当該分注動作が開始される分析サイクルの少なくとも直前の分析サイクルにおいて、ノズル2091からダミー流体を吸引し、吸引したダミー流体をヒータ2092で昇温し、昇温したダミー流体をノズル2091から吐出する動作を行う。本実施形態中、吸引されるダミー流体の温度は、試薬庫内の試薬の温度と略同一温度となっている。但し、上記変形例と同様に、ダミー流体の温度は、これに限定されない。
分析機構2は、血液検体と、各検査項目で用いられる試薬とを混合する。また、分析機構2は、検査項目によっては、所定の倍率で希釈した標準液と、この検査項目で用いられる試薬とを混合する。尚、混合液は、例えば、生体の酵素反応に最適な37℃に恒温して反応される。
分析機構2は、血液検体、または標準液と、試薬との混合液の光学的な物性値を連続的に測定する。この測定により、例えば、透過光強度、または吸光度、および散乱光強度などで表される標準データ、および被検データが生成される。
解析回路3は、分析機構2により生成される標準データ、および被検データを解析することで、血液検体の凝固に関する検量データ、および分析データを生成するプロセッサである。解析回路3は、例えば、記憶回路8から解析プログラムを読み出し、読み出した解析プログラムに従って標準データ、および被検データを解析する。
具体的には、解析回路は、例えば、被検データを解析することで、混合液中の凝固の過程を測定する。解析回路3は、例えば、反応が強い試薬が添加された混合液の解析については、透過光を検出して得られる被検データを解析する。解析回路3は、例えば、反応が弱くて遅い試薬を添加した混合液の解析については、散乱光を検出して得られる被検データを解析する。解析回路3は、被検データに基づいて血液凝固反応についての受光強度変化を取得する。解析回路3は、受光強度変化としての反応曲線から、血液検体の凝固に関する情報、例えば、凝固終了点、凝固点、および凝固時間などを算出する。
また、解析回路3は、検査項目によっては、算出した凝固時間と、この被検データに対応する検査項目の検量データとに基づき、濃度値などを算出する。解析回路3は、凝固終了点、凝固点、凝固時間、および濃度値などを含む分析データを制御回路9へ出力する。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、各分析サイクルでの試薬吐出時の試薬温度間の変動を低減させ、分析精度の維持を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 自動分析装置
2 分析機構
3 解析回路
4 駆動機構
5 入力インタフェース
6 出力インタフェース
7 通信インタフェース
8 記憶回路
9 制御回路
91 システム制御機能
92 ダミー制御機能
100,100d 試薬容器
201 反応ディスク
202 恒温部
203 ラックサンプラ
204 第1試薬庫
205 第2試薬庫
206 試料分注アーム
207 試料分注プローブ
208 第1試薬分注アーム
209 第1試薬分注プローブ
210 第2試薬分注アーム
211 第2試薬分注プローブ
212 電極ユニット
213 測光ユニット
214 洗浄ユニット
215 攪拌ユニット
220 冷却部
221 容器
2011 反応容器
2031 試料ラック
2080 試薬分注ユニット
2081 チューブ
2082 シリンジ
2083 プランジャ
2084 タンク
2085 ポンプ
2086 開閉弁
2091 ノズル
2092 ヒータ
2093 センサ

Claims (7)

  1. 分析サイクル毎に、試薬の分注動作を行うノズルを有する試薬分注機構と、
    試薬を冷却し保管する試薬庫と、
    前記ノズルを昇温する昇温部と、
    前記試薬分注機構及び前記昇温部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、次の分析サイクルで前記分注動作が間欠している場合、前記分注動作が開始される分析サイクルの少なくとも直前の分析サイクルにおいて、前記ノズルからダミー流体を吸引し、前記吸引したダミー流体を前記昇温部で昇温し、前記昇温したダミー流体を前記ノズルから吐出する動作を行うように、前記試薬分注機構及び前記昇温部を制御する、自動分析装置。
  2. 前記試薬庫は、前記試薬及び前記ダミー流体を冷却し保管する、請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記ダミー流体を冷却し保管する冷却部、を更に備えた請求項1に記載の自動分析装置。
  4. 前記ダミー流体は、純水又は冷気である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動分析装置。
  5. 前記ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給機構と、
    シャットダウン指示の入力を受け付ける入力インタフェースと、
    を更に備え、
    前記制御部は、前記シャットダウン指示の入力を受け付けると、前記ダミー流体である前記洗浄水を補充する動作を行うように前記試薬分注機構及び前記洗浄水供給機構を制御し、前記補充する動作の後、当該自動分析装置のシャットダウンを行う、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動分析装置。
  6. 前記ノズルの静電容量により液面を検知する検知部を更に備え、
    前記制御部は、前記シャットダウン指示の入力を受け付けると、前記検知部により前記ダミー流体の液面を検知し、前記検知した結果に基づいて、前記洗浄水を補充する動作を行うように前記試薬分注機構及び前記洗浄水供給機構を制御する、請求項5に記載の自動分析装置。
  7. 前記検知部は、前記試薬の分注動作を行う場合、前記試薬の液面を検知する、請求項6に記載の自動分析装置。
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