JP2016061194A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒内から排出された排気ガスの温度が低い場合には、その温度を上昇して、一方、排気ガスの温度が高い場合には、その温度を降下して、酸化触媒を活性化すると共に、還元触媒の浄化率の低下を抑制して、排気ガスの浄化率を向上できる排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】熱交換器34、蓄熱放熱器40、熱交換器34と蓄熱放熱器40との間を循環する媒体35を備え、排気ガスの温度Tgが活性化温度T1以下になる場合には、熱交換器34の熱交換と蓄熱放熱器40の放熱によって排気ガスの温度Tgを活性化温度T1超にすると共に、排気ガスの温度Tgが浄化率低下温度T2以上になる場合には、熱交換器34の熱交換と蓄熱放熱器40の蓄熱によって排気ガスの温度Tgを浄化率低下温度T2未満にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気ガス浄化装置に関し、より詳細には、筒内から排出された排気ガスの温度が低い場合には、その温度を上昇して、一方、排気ガスの温度が高い場合には、その温度を降下して、酸化触媒を活性化すると共に、還元触媒の浄化率の低下を抑制して、排気ガスの浄化率を向上できる排気ガス浄化装置に関する。
排気通路に排気ガス浄化装置を設けたディーゼルエンジンが提案されている。この排気ガス浄化装置は、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を酸化する酸化触媒と排気ガス中の窒素酸化物を還元するSCR触媒(選択的還元触媒)やLNT触媒(窒素酸化物吸蔵還元触媒)などの還元触媒とを上流から順に配置している。
排気ガス中の窒素酸化物の浄化率を向上するためには、排気ガスの温度を酸化触媒や還元触媒が活性化する温度に昇温することが必要となる。
これに関して、排気ガス浄化装置の各触媒を加熱する加熱装置を設け、その加熱装置が熱交換器を介して周囲から熱を奪うように構成された冷却装置の冷媒によって加熱される構成にした装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この装置は、所定の温度よりも触媒の温度が低いときには、冷却装置の冷媒が加熱装置内に移動することで、触媒の温度を昇温している。
一方、この装置は、所定の温度よりも触媒の温度が高いときには、冷却装置の冷媒が加熱装置に移動することを防止して、必要以上に加熱装置によって触媒を昇温しないようにしている。
しかしながら、上記の装置では、触媒の温度を加熱装置によって上昇することはできるが、降下させることができない。例えば、SCR触媒は450度以上の高温になると、還元剤のアンモニアの酸化が促進されるので、還元剤としてのアンモニアの量が低減して窒素酸化物の還元が抑制されてしまう。また、LNT触媒は450度以上の高温になると、リッチ状態以外でも吸蔵した窒素酸化物が排出されるので、窒素酸化物の還元が抑制されてしまう。そのため、上記の装置では、触媒の温度が高温になった際に排気ガス中の窒素酸化物の浄化率が低下していた。
特開平9−13960号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その課題は、筒内から排出された排気ガスの温度が低い場合には、その温度を上昇して、一方、排気ガスの温度が高い場合には、その温度を降下して、酸化触媒を活性化すると共に、還元触媒の浄化率の低下を抑制して、排気ガスの浄化率を向上できる排気ガス浄化装置を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の排気ガス浄化装置は、内燃機関の筒内から排出さ
れた排気ガスが通過する排気通路に、排気ガス中の窒素酸化物を酸化する酸化触媒と排気ガス中の窒素酸化物を還元する還元触媒とを上流から順に配置した排気ガス浄化装置において、前記排気ガス浄化装置の外周を覆う熱交換器、該熱交換器に接続された蓄熱放熱器、及び該熱交換器と該蓄熱放熱器との間で媒体を循環させる循環配管を備え、前記排気ガス浄化装置内の排気ガスの温度が前記酸化触媒の窒素酸化物の酸化が活性化される活性化温度以下になる場合には、前記蓄熱放熱器により蓄熱された熱が前記媒体へ放熱されて、前記熱交換器により該媒体の熱が前記排気ガス浄化装置へ伝熱されて、該排気ガス浄化装置内の排気ガスの温度を、該活性化温度超を目標に上昇させると共に、前記排気ガス浄化装置内の排気ガスの温度が前記還元触媒の窒素酸化物の浄化率が低下する浄化率低下温度以上になる場合には、前記熱交換器により前記排気ガス浄化装置の熱が前記媒体へ伝熱されて、前記蓄熱放熱器により該媒体の熱が蓄熱されて、該排気ガス浄化装置内の排気ガスの温度を、該浄化率低下温度未満を目標に下降させる構成にしたことを特徴とするものである。
なお、ここでいう蓄熱放熱器とは、例えば、潜熱を利用したヒートポンプや化学反応の熱を利用したヒートポンプのことである。
本発明の排気ガス浄化装置によれば、熱交換器と蓄熱放熱器とを循環する媒体によって、排気ガス浄化装置内の排気ガスの温度を活性化温度超、浄化率低下温度未満を目標に上昇及び下降することで、筒内から排出された排気ガスの温度が低温時には、酸化触媒と還元触媒とを活性化し、酸化触媒で窒素酸化物、一酸化炭素及び炭化水素を酸化して、還元触媒で窒素酸化物を還元する。一方、排気ガスの温度が高温時には、還元触媒の温度の上昇を抑制して、還元触媒での浄化率の低下を抑制する。これにより、排気ガスの温度の低温時と高温時との両方の排気ガスの浄化率を向上できる。
本発明の排気ガス浄化装置の第一実施形態を例示する説明図である。 図1の蓄熱放熱器を例示する説明図であり、放熱時の状態を示す。 図1の蓄熱放熱器を例示する説明図であり、蓄熱時の状態を示す。 本発明の排気ガス浄化装置の第二実施形態を例示する説明図である。 本発明の排気ガス浄化装置の第三実施形態を例示する説明図である。 本発明の排気ガス浄化装置の第四実施形態を例示する説明図である。
以下、本発明の排気ガス浄化装置の実施形態について説明する。図1は、本発明の第一実施形態の排気ガス浄化装置30Aの構成を示す。なお、図中の矢印は媒体35の流れを示している。
この排気ガス浄化装置30Aは、ディーゼルエンジン(以下、エンジン)10に設けられて排気ガス中の窒素酸化物(NOx)の浄化や微粒子状物質(PM)の捕集を行うものである。
このエンジン10においては、車両の走行時などにおいて吸気バルブ11からピストン12が往復する筒内13に吸入された空気と燃料噴射弁14から筒内13に噴射された燃料とが混合されて燃焼して、排気ガスとなって排気バルブ15から排気されている。
吸入空気は、外部から吸気通路20へ吸入されて、ターボチャージャ21のコンプレッサ21aにより圧縮されて高温になり、インタークーラー22で冷却された後に、吸気スロットル23により吸入空気としてインテークマニホールド24を経て吸気バルブ11か
ら筒内13に吸入されている。
排気ガスは、筒内13から排気バルブ15を経由してエキゾーストマニホールド25から排気通路26へ排気されて、ターボチャージャ21のタービン21bを駆動させた後に、排気ガス浄化装置30Aで浄化されて大気へと放出されている。また、排気ガスの一部は、EGR通路27に設けられたEGRクーラー28で冷却された後に、EGRバルブ29によりインテークマニホールド24に供給されて吸入空気に混合されている。
排気ガス浄化装置30Aには、酸化触媒31と尿素水噴射弁32と還元触媒としてのSCR触媒(選択的還元触媒)33aとが上流から順に配置されている。排気ガスがこの排気ガス浄化装置30Aを通過すると、酸化触媒31で排気ガス中の一酸化窒素が二酸化窒素に酸化される。次いで、SCR触媒33aでは、尿素水噴射弁32から噴射された尿素水の加水分解により生じたアンモニアを還元剤とした各SCR反応によって排気ガス中の窒素酸化物が還元される。
このような排気ガス浄化装置30Aにおいて、排気ガス浄化装置30Aの外周を覆う熱交換器34と、その熱交換器34に接続された蓄熱放熱器40と、熱交換器34と蓄熱放熱器40との間で媒体35を循環させる循環配管36、37とを備えている。
熱交換器34は、筒状に形成されて、その内周は排気ガス浄化装置30Aの酸化触媒31及びSCR触媒33aのそれぞれの外周を覆うように接触している。この熱交換器34と蓄熱放熱器40とは循環配管36、37とのそれぞれを介して環状に接続されている。なお、循環配管36、37とのそれぞれにチェックバルブを設けて媒体35の流れを一方向に限定するとよい。この実施形態では、循環配管36は媒体35が熱交換器34から蓄熱放熱器40へ移動する管であり、循環配管37は媒体35が蓄熱放熱器40から熱交換器34へ移動する管である。
媒体35は、筒内13から排出された排気ガスが低温時に、熱交換器34との熱交換による温度の下降及び蓄熱放熱器40との熱交換による温度の上昇により生じる圧力差、又は排気ガスが高温時に、熱交換器34との熱交換による温度の上昇及び蓄熱放熱器40との熱交換による温度の下降により生じた圧力差によって、熱交換器34と蓄熱放熱器40との間を循環している。この媒体35は、例えば水などの流体である。
蓄熱放熱器40は、図2に示すように、化学反応系蓄熱材H1を有したケミカルヒートポンプで構成されている。この蓄熱放熱器40は、接続管41により互いに接続された反応部42と蒸発凝縮部43とを有している。また、蓄熱放熱器40は、接続管41に配置された接続弁44と、反応部42に配置された熱交換部45とを有している。
化学反応系蓄熱材H1としては、反応温度域の低い有機系ではなく、副反応が無く、且つ高い正逆の反応選択性を有する無機系が好ましく、塩化カルシウム系、硫酸カルシウム系、酸化マグネシウム系、及び酸化カルシウム系などの水和脱水反応するものを例示できる。また、アンモニアを用いる酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、及び塩化バリウムなども例示できる。この実施形態では、水和脱水反応する無機系の化学反応系蓄熱材H1を用いている。
この蓄熱放熱器40は、予め実験などにより蓄熱放熱器40の反応部42及び蒸発凝縮部43の圧力と、化学反応系蓄熱材H1の濃度と、循環する媒体35の流量と、熱交換部45の熱効率との少なくとも一つを調節して、筒内13から排出された排気ガスの温度Tgが活性化温度T1以下の場合に反応部42で水和反応が生じ、温度Tgが浄化率低下温度T2以上の場合に脱水反応が生じるように設定されている。
活性化温度T1は、170度以上、300度以下の値に設定されている。排気ガス浄化装置30Aが酸化触媒31とSCR触媒33aとを備えている場合には、酸化触媒31が活性化される200度以上が好ましい。この活性化温度T1が200度以上に設定されると、酸化触媒31の活性化に加えて、尿素水噴射弁32から噴射された尿素水の加水分解も促進されるので、SCR触媒33aにおける各SCR反応も促進される。
浄化率低下温度T2は、300度以上、450度未満の値に設定されている。還元触媒としてSCR触媒33aを用いる場合には、450度以上で還元剤であるアンモニアの酸化が促進されることによって、SCR触媒33aでの各SCR反応が抑制される。なお、この浄化率低下温度T2は300度以上、400度以下に設定されることが好ましい。
なお、蓄熱放熱器40はケミカルヒートポンプに限定されない。例えば、蓄熱材として溶融塩系蓄熱材を用いたヒートポンプを用いてもよい。この溶融塩蓄熱材としては、アルカリ硝酸塩、フッ化物、アルカリ水酸化物、アルカリ炭酸塩、及びアルカリ塩化物などを例示できる。
但し、蓄熱放熱器40としては、単位体積当たりの蓄熱量が溶融塩などの顕熱、潜熱蓄熱と比べて大きく、反応条件(圧力、濃度)の選択により各種の操作温度域に対応でき、且つ長期に亘る熱貯蔵が可能な点から化学反応系蓄熱材を用いたケミカルヒートポンプが好ましい。
また、この排気ガス浄化装置30Aは、尿素水噴射弁32を制御すると共に、蓄熱放熱器40の接続弁44を制御する制御装置38を備えている。
この排気ガス浄化装置30Aの動作について説明する。なお、制御装置38はエンジン10が始動したときに、接続弁44を制御して接続管41を開放し、エンジン10が停止したときに、接続弁44を制御して接続管41を遮断している。
この排気ガス浄化装置30Aおいては、排気ガス浄化装置30A内の排気ガスの温度Tgが活性化温度T1以下になる場合には、蓄熱放熱器40により蓄熱した熱が媒体35へ放熱されて、熱交換器34により媒体35の熱が排気ガス浄化装置30Aへ伝熱される。これにより、排気ガス浄化装置30A内の排気ガスの温度Tgを、活性化温度T1超を目標に上昇する。また、排気ガス浄化装置30A内の排気ガスの温度Tgが浄化率低下温度T2以上になる場合には、熱交換器34により排気ガス浄化装置30Aの熱が媒体35へ伝熱されて、蓄熱放熱器40により媒体35の熱が蓄熱される。これにより、排気ガス浄化装置30A内の排気ガスの温度Tgを、浄化率低下温度T2未満を目標に下降する。
例えば、エンジン10の始動時などの筒内13から排出された排気ガスの温度が200度以下の低温のときには、蓄熱放熱器40では蓄熱した熱が媒体35へ伝熱されて、媒体35の温度Twが上昇する。
このとき、図2に示すように、蒸発凝縮部43で水が蒸発することで生じた水蒸気が、平衡圧力差のみによって反応部42へと移動する。この際、反応部42内では化学反応系蓄熱材H1と水蒸気との水和反応が起こり、温熱が生成され、一方の蒸発凝縮部43では、水の蒸発潜熱により冷熱が生成される。
このようにして、蓄熱放熱器40に蓄熱された熱が放熱し、熱交換部45から媒体35への伝熱によって、媒体35の温度Twは活性化温度T1以上に上昇する。
そして、熱交換器34では媒体35から排気ガス浄化装置30Aへ熱が伝熱されて、媒体35の温度Twが低下する。このとき、排気ガス浄化装置30A内の排気ガスの温度Tgは媒体35の温度Tw、つまり活性化温度T1超を目標に上昇する。
また、排気ガスの温度Tgが低温のときには、熱交換器34側の媒体35は低圧の水蒸気、あるいは水となると共に、蓄熱放熱器40側の媒体35は高圧の水蒸気となるので、媒体35は蓄熱放熱器40から熱交換器34へと移動する。
例えば、エンジン10の高負荷運転時などの筒内13から排出された排気ガスの温度が400度以上の高温のときには、熱交換器34では排気ガス浄化装置30Aから媒体35へ熱が伝熱されて、媒体35の温度Twが上昇する。この排気ガス浄化装置30Aから媒体35への伝熱によって、排気ガス浄化装置30A内の排気ガスの温度Tgは浄化率低下温度T2未満を目標に下降する。
そして、蓄熱放熱器40では温度Twが上昇した媒体35から蓄熱放熱器40へ熱が伝熱されて、媒体35の温度Twが低下する。
このとき、図3に示すように、蓄熱放熱器40の反応部42では、化学反応系蓄熱材H1’と水との水和物に熱交換部45から熱が与えられ、脱水反応が進行する。この際に発生した水蒸気により、反応部42内の圧力は蒸発凝縮部43内の圧力より高くなる。この圧力差によって、水蒸気は反応部42から蒸発凝縮部43へと移動し、蒸発凝縮部43内で凝縮して水となる。このようにして、媒体35の熱が蓄熱放熱器40に蓄熱される。
また、排気ガスの温度が高温のときには、熱交換器34側の媒体35は高圧の水蒸気となると共に、蓄熱放熱器40側の媒体35は低圧の水蒸気、あるいは水となるので、媒体35は熱交換器34から蓄熱放熱器40へと移動する。
上記の第一実施形態の排気ガス浄化装置30Aによれば、熱交換器34と蓄熱放熱器40とを循環する媒体35によって、排気ガス浄化装置30A内の排気ガスの温度Tgを活性化温度T1超、且つ浄化率低下温度T2未満を目標に昇降する。
これにより、筒内13から排出された排気ガスの温度Tgが低温時には、酸化触媒31とSCR触媒33aとを活性化して、酸化触媒31で窒素酸化物、一酸化炭素及び炭化水素を酸化して浄化すると共に、SCR触媒33aで尿素水の加水分解により生じたアンモニアにより窒素酸化物を還元して浄化する。また、排気ガスの温度Tgが高温時には、SCR触媒33aの温度の上昇を抑制して、排気ガス中の窒素酸化物の浄化率の低下を抑制している。従って、筒内13から排出された排気ガスの温度Tgが低温時と高温時との両方の浄化率の低下を向上できる。
具体的には、従来技術の排気ガス浄化装置と比較して、低温時の窒素酸化物の浄化率を10%以上向上でき、高温時の窒素酸化物の浄化率を5%以上向上できる。
また、媒体35が圧力差によって熱交換器34と蓄熱放熱器40との間を循環するので、排気ガスの温度Tgを検出したり、弁装置によって媒体35の移動を制御したりすることが必要ないので、装置の簡素化には有利となる。
特に、上記の排気ガス浄化装置30Aは、活性化温度T1を200度以上、300度以下に設定すると共に、浄化率低下温度T2を300度以上、400度以下に設定するので、排気ガスの温度Tgを200度超、且つ400度未満を目標にしている。これにより、エンジン10の始動時から酸化触媒31を活性化すると共に尿素水の加水分解を促進して
排気ガスの浄化率を向上できる。また、エンジン10の高負荷時のSCR触媒33aの浄化率の低下を抑制して、排気ガスの浄化率を向上できる。
図4は、本発明の第二実施形態の排気ガス浄化装置30Bの構成を示す。この排気ガス浄化装置30Bは、第一実施形態の尿素水噴射弁32とSCR触媒33aに代えて、LNT触媒(窒素酸化物吸蔵還元触媒)33bを備えている。LNT触媒33bは、酸化雰囲気で窒素酸化物を吸蔵し、還元雰囲気で吸蔵した窒素酸化物を放出して還元する還元触媒である。
また、この排気ガス浄化装置30Bは、活性化温度T1が200度以上、300度以下に設定され、浄化率低下温度T2が300度以上、400度以下に設定されている。
この排気ガス浄化装置30Bによれば、第一実施形態と同様に筒内13から排出された排気ガスの温度Tgが低温時と高温時との両方の窒素酸化物の浄化率を向上できる。特に、エンジン10の始動時から酸化触媒31を活性化すると共に尿素水の加水分解を促進して排気ガスの浄化率を向上できる。また、エンジン10の高負荷時のLNT触媒33bの浄化率の低下を抑制して、排気ガスの浄化率を向上できる。
図5は、本発明の第三実施形態の排気ガス浄化装置30Cの構成を示す。この排気ガス浄化装置30Cは、第一実施形態の構成に加えて、酸化触媒31とSCR触媒33aとの間に排気ガス中の微粒子状物質を捕集する捕集フィルタ39を介設している。
また、この排気ガス浄化装置30Cは、活性化温度T1が200度以上、250度以下に設定され、且つ浄化率低下温度T2が300度以上、350度以下に設定されている。
この排気ガス浄化装置30Cによれば、第一実施形態の効果に加えて、活性化温度T1を200度以上、250度以下に設定することによって、酸化触媒31を活性化して酸化触媒31での二酸化窒素の生成を促進する。また、浄化率低下温度T2を300度以上、350度以下に設定することによって、酸化触媒31で生成された二酸化窒素が捕集フィルタ39で微粒子状物質を酸化除去する前に一酸化窒素に戻らないように保持できる。これにより、排気ガスの浄化率を向上すると共に、捕集フィルタ39で捕集された微粒子状物質のパッシブ再生の頻度を向上できる。これにより、アクティブ再生の回数を減らすことができるので燃費の向上には有利となる。具体的には、従来技術の排気ガス浄化装置と比較して、アクティブ再生の回数を三分の一以下に低減できる。
なお、ここでいうパッシブ再生とは、捕集フィルタ39に捕集された微粒子状物質を酸化触媒31で生成された二酸化窒素の酸化力によって酸化除去して、捕集フィルタ39を再生する方法である。また、アクティブ再生とは、捕集フィルタ39に捕集された微粒子状物質を排気ガスに未燃燃料を供給して、強制的に捕集フィルタ39を暖機することによって燃焼除去して、捕集フィルタ39を強制再生する方法である。
図6は、本発明の第四実施形態の排気ガス浄化装置30Dの構成を示す。この排気ガス浄化装置30Dは、第三実施形態の構成に加えて、循環配管36、37のそれぞれに流量調節弁50、51を配置している。また、酸化触媒31の入口側とSCR触媒33aの入口側とのそれぞれに排気ガスの温度Tgを検出する温度センサ52、53を配置している。
この構成によれば、温度センサ52、53で酸化触媒31の入口側とSCR触媒33aの入口側との排気ガスの温度Tgを検出して、熱交換器34から蓄熱放熱器40へ流入する媒体35の流量及び蓄熱放熱器40から熱交換器34へ流入する媒体35の流量を流量
調節弁50、51で調節できるので、排気ガスの温度Tgの管理には有利となる。
なお、上記の実施形態では、ディーゼルエンジン10を例に説明したが、本発明はガソリンエンジンにも適用可能である。
また、上記の実施形態では、制御装置38がエンジン10の始動及び停止に合わせて接続弁44を制御する構成を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、エンジン10の始動及び停止に合わせて接続弁44を制御する構成に加えて、排気ガスの温度Tgが活性化温度T1未満の場合には、接続弁44を制御して接続管41を開放し、温度Tgが活性化温度T1以上、且つ浄化率低下温度T2以下の場合には、接続弁44を制御して接続管41を遮断し、温度Tgが浄化率低下温度T2超の場合には、接続弁44を制御して接続管41を開放する構成にしてもよい。
10 ディーゼルエンジン
13 筒内
26 排気通路
30A〜30D 排気ガス浄化装置
31 酸化触媒
33a SCR触媒
33b LNT触媒
34 熱交換器
35 媒体
39 捕集フィルタ
40 蓄熱放熱器
T1 活性化温度
T2 浄化率低下温度

Claims (5)

  1. 内燃機関の筒内から排出された排気ガスが通過する排気通路に、排気ガス中の窒素酸化物を酸化する酸化触媒と排気ガス中の窒素酸化物を還元する還元触媒とを上流から順に配置した排気ガス浄化装置において、
    前記排気ガス浄化装置の外周を覆う熱交換器、該熱交換器に接続された蓄熱放熱器、及び該熱交換器と該蓄熱放熱器との間で媒体を循環させる循環配管を備え、
    前記排気ガス浄化装置内の排気ガスの温度が前記酸化触媒の窒素酸化物の酸化が活性化される活性化温度以下になる場合には、前記蓄熱放熱器により蓄熱された熱が前記媒体へ放熱されて、前記熱交換器により該媒体の熱が前記排気ガス浄化装置へ伝熱されて、該排気ガス浄化装置内の排気ガスの温度を、該活性化温度超を目標に上昇させると共に、
    前記排気ガス浄化装置内の排気ガスの温度が前記還元触媒の窒素酸化物の浄化率が低下する浄化率低下温度以上になる場合には、前記熱交換器により前記排気ガス浄化装置の熱が前記媒体へ伝熱されて、前記蓄熱放熱器により該媒体の熱が蓄熱されて、該排気ガス浄化装置内の排気ガスの温度を、該浄化率低下温度未満を目標に下降させる構成にしたことを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 前記蓄熱放熱器を前記媒体と熱交換するケミカルヒートポンプで構成した請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
  3. 前記還元触媒をアンモニアにより窒素酸化物を還元する選択的還元触媒で構成し、前記活性化温度を200度以上、300度以下に設定すると共に、前記浄化率低下温度を300度以上、400度以下に設定した請求項1又は2に記載の排気ガス浄化装置。
  4. 前記還元触媒を、酸化雰囲気で窒素酸化物を吸蔵し、還元雰囲気で吸蔵した窒素酸化物を放出して還元する窒素酸化物吸蔵還元触媒で構成し、前記活性化温度を200度以上、300度以下に設定すると共に、前記浄化率低下温度を300度以上、400度以下に設定した請求項1又は2に記載の排気ガス浄化装置。
  5. 前記酸化触媒と前記還元触媒との間に排気ガス中の微粒子状物質を捕集する捕集フィルタを介設し、前記活性化温度を200度以上、250度以下に設定すると共に、前記浄化率低下温度を300度以上、350度以下に設定した請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化装置。
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