JP2014039900A - 触媒反応装置及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニアの熱分解を防いで安定的に作動する暖機機能を有し、使用温度環境に依らず高い触媒活性を発現する触媒反応装置を提供する。
【解決手段】ガスを浄化する浄化触媒を有する触媒反応部と、アンモニアが固定化されるときに放熱し、アンモニアが脱離するときに蓄熱する化学蓄熱材を有する触媒暖機手段と、アンモニアを吸着する吸着材を有し、アンモニアの着脱により前記触媒暖機手段との間でアンモニアを授受するアンモニア着脱手段と、触媒反応部と触媒暖機手段との間に配置され、熱媒を含み、該熱媒が気体状態と液体状態との間を相転移することで、触媒反応部と触媒暖機手段との間の熱交換を行なう熱交換手段とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、化学蓄熱材を利用した触媒反応装置及び車両に関する。
近年、地球の環境保全の一環として二酸化炭素の排出削減が強く求められており、省エネルギー化や排熱利用を促進する技術に対する取り組みが盛んに行なわれている。その例の1つとして、高効率に蓄熱する技術が研究されており、例えば、単位体積又は単位質量あたりの蓄熱量が大きく長期間の蓄熱が可能な化学蓄熱技術が挙げられる。
化学蓄熱技術としては、金属塩にアンモニアを固定化する技術が挙げられ、例えば、アルカリ土類金属や遷移金属の塩化物がアンモニアを吸蔵又は放出する際、発熱又は吸熱することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
具体的な一例として、加熱源の供給により内部に装入された金属塩化物のアンミン錯体から放出されるアンモニアガス圧力を保持する固相反応器と、該固相反応器に接続されアンモニアガスを冷却水の供給により凝縮する凝縮器を備えたケミカル蓄熱装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、下記の可逆反応を利用し、低温環境下では酸化カルシウムに水を供給して発熱反応を行なわせることで、排気ガスの浄化装置の浄化触媒を暖機する触媒暖機装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
CaO + HO ⇔ Ca(OH)+ Q (可逆反応)
これに関連する技術として、燃焼装置からの排気ガスで蒸発させた液体を蓄熱装置に供給し、酸化カルシウム等の蓄熱材と液体とが化学反応したときの発熱で触媒部を暖機する触媒暖機装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平6−109388号公報 特開昭59−208118号公報 特開2011−106355号公報
Bull.Chem.Soc.Jpn.77(2004)123
しかしながら、上記従来の技術のうち、ケミカル蓄熱装置は、アンモニアガスを凝縮する凝縮器を備えるため、気/液相変化を制御する機構が必要であり、装置が複雑化する傾向がある。
酸化カルシウム等の蓄熱材に水を反応させて暖機する触媒暖機装置では、水を必要とするため、氷点下での作動は困難である。また、水蒸気を反応させる場合、低温下で蒸気圧が低いために蒸発器と蓄熱材とを近接配置する必要がある。さらに、酸化カルシウムなどは、水を反応させて暖機した後の再生反応(例:CaO+HO←Ca(OH)+Q)に400℃以上の熱が必要とされる。そのため、再生時にエンジンから排出された排出ガスからその熱を得ようとすると長時間を要し、運転状態によっては再生が完了せず、次の始動時に暖機が行なえない可能性がある。
また、上記のようにアンモニアを金属塩に固定化する技術は知られており、アンモニアを固定化(吸着等)する際の発熱反応を利用した暖機方法を採用した場合、アンモニアは氷点下でも凍結しにくいため、始動や低温での再生が可能である。しかしながら、アンモニアは、400℃以上になるような高温下に曝されると、水素と窒素とに熱分解しやすく、暖機機能を安定的に保てない懸念がある。
例えばディーゼルエンジンを備えた車両などは、エンジンから排出される排出ガス中に、一般に窒素酸化物(NO)や一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)などに加え、煤、燃料やエンジンオイルの燃えかすである可溶有機成分(SOF:Soluble Organic Fraction)等の炭素質を主成分とする粒子状物質(Particulate Matter;以下、PMと略記することがある。)が含まれている。そのため、排出ガス中の粒子状物質を減少させるためのフィルタ〔DPF(=Diesel particulate filter);以下、DPF〕を設け、排出ガスの浄化が行なわれている。このDPFには、基材に貴金属を担持させたDPF触媒もある。そして、DPFに堆積したPMの燃焼処理により、DPFのPMを除去することが行なわれるが、PM除去は400℃以上に及ぶ高温度で行なわれる。したがって、このような排気系においては、上記のようにアンモニアの熱分解が起きやすく、DPFを備えた排気系への適用は難しい。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、アンモニアの熱分解を防いで安定的に作動する暖機機能を有し、使用温度環境に依らず高い触媒活性を発現する触媒反応装置、及び使用温度環境に依らず、安定的に排出ガスの浄化が行なわれる車両を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、以下の知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。即ち、
アンモニアが化学蓄熱材において脱着するときの吸発熱反応を利用すると、氷点下となる低温環境下でも暖機機能を維持することが可能である。その一方、例えばディーゼルエンジンのようにPM除去を目的とした高温処理などが行なわれる排気系では、高温に曝される場合がある。例えばディーゼルエンジンのPM処理時には、排出ガスの温度範囲が400℃以上にも及ぶ。このような温度範囲では、アンモニアは熱分解を起こし、所期の暖機機能を継続的に維持できない場合がある。通常はアンモニアが化学蓄熱材に吸着して発熱することで暖機が行なわれるが、暖機終了後は、次の暖機にそなえてアンモニアを回収し、化学蓄熱材をアンモニアが吸着した状態に再生することで、暖機を繰り返し行なうことが可能になる。暖機機能を長期的に保持する観点からは、アンモニアが直接高温に曝されない工夫が必要であり、熱交換に相変化する熱媒を利用すると、大きい熱のやり取りを迅速にかつ効率よく行なえ、熱媒の流通制御により断熱効果も期待できる。
前記目的を達成するために、第1の発明である触媒反応装置は、ガスを浄化する浄化触媒を有する触媒反応部と、アンモニアが固定化されるときに放熱し、アンモニアが脱離するときに蓄熱する化学蓄熱材を有する触媒暖機手段と、アンモニアを吸着する吸着材を有し、アンモニアの着脱により前記触媒暖機手段との間でアンモニアを授受するアンモニア着脱手段と、触媒反応部と触媒暖機手段との間に配置され、熱媒を含み、該熱媒が気体状態と液体状態との間を相転移することで、触媒反応部と触媒暖機手段との間の熱交換を行なう熱交換手段とを設けて構成されている。
第1の発明においては、エンジン等の内燃機関から排出される排出ガスを浄化する浄化触媒が設けられた触媒反応部に対して、アンモニアの着脱により吸発熱する化学蓄熱材を用いた触媒暖機手段を付設することで、浄化触媒の暖機が安定的に行なえ、低温環境下(氷点下を含む)での触媒活性を向上させる。暖機機能をそなえるにあたり、第1の発明では、更に、触媒暖機手段で浄化触媒を暖機するときにはアンモニアを脱離し、暖機後は次の暖機にそなえてアンモニアを吸着するアンモニア着脱手段と、触媒反応部と前記触媒暖機手段との間に配置されて、熱媒が気体状態と液体状態との間を相転移することで、触媒反応部と触媒暖機手段との間の熱交換を行なう熱交換手段と、が配設されている。
このような構成であることで、通常、触媒温度が常温(25℃)以下にあると、排出ガスに対する触媒活性が不足するところ、暖機時にはアンモニアが化学蓄熱材に固定化して発熱し、その熱は触媒暖機手段と熱交換手段との間で熱媒が気体状態に相変化(気化)することで熱交換され、さらに熱交換手段と触媒反応部との間で気体状態の熱媒が液体状態に凝縮することで熱交換される。このようにして、化学蓄熱材での反応熱が熱媒を介して被暖機材である触媒反応部に輸送され、浄化触媒は昇温されることになる。
暖機完了後は、ディーゼルエンジンを搭載する自動車等にPM除去のために設けられるDPFの浄化モードのように、エンジン等の内燃機関から400℃以上に及ぶ高温の排出ガスが排出されることがある。このような高温の排出ガスにアンモニアが曝されると、アンモニアは熱分解を起こし、所期の暖機機能を保てない場合がある。しかし、第1の発明では、暖機後に流通する排出ガスにより浄化触媒が昇温するに伴ない、熱媒を介して触媒暖機手段の化学蓄熱材も昇温し、化学蓄熱材が所定温度以上に達すると化学蓄熱材に固定化されていたアンモニアは次第に脱離する。脱離したアンモニアは、アンモニア着脱手段に再固定化され、アンモニア着脱手段は次の暖機にそなえて再生される。そして、化学蓄熱材に残留するアンモニアは、高温に曝されて分解するおそれがあるが、熱交換手段中の熱媒を排出することで熱交換手段には蒸気が希薄に存在する状態が形成され、希薄状態の形成により触媒暖機手段と被暖機材(触媒反応部)との間に熱抵抗ができる。これにより、化学蓄熱材が高温に曝されてアンモニアが熱分解する現象は回避され、暖機に使用されるアンモニアの熱分解の最小化が図られる。
以上のように、本発明においては、アンモニアを熱輸送のための媒体として用いることで、低温環境下(氷点下を含む)で安定的な暖機機能が確保されると共に、相変化を利用することで迅速な暖機が達成され、高温の被浄化ガスが流通する流通系に適用したときのアンモニアの熱分解も防止される。よって、第1の発明によれば、触媒による排ガス浄化機能が安定的に発現される触媒浄化システムを構築することができる。
第1の発明に係る触媒反応装置は、熱媒を貯留する熱媒貯留部、熱媒貯留部と熱交換手段とを連通し熱媒貯留部及び熱交換手段の間に熱媒を流通する熱媒流通部、並びに熱媒流通部に設けられ、熱媒の流通量を調節する流通調節部を含む熱媒循環系統をさらに備え、熱媒循環系統により、熱媒が熱媒貯留部と熱交換手段との間を循環して流通する態様が好ましい。
熱交換手段は、熱媒循環系統により熱媒を密閉された循環系統内に確保し、熱媒が循環流通されることで、安定した熱交換効率を確保することができる。また、弁などの流通調節部を備えることで、暖機時あるいは暖機前後の各状態に合わせて、熱媒を所定領域に保持しあるいは流通、排出させることができる。これにより、効率良く熱交換し、あるいは断熱効果を発現することが可能である。
少なくとも熱媒貯留部と熱交換手段との間に、弁などの流通調節部が設けられることで、暖機時あるいは暖機前後の各状態に合わせて、熱交換効率を良好な状態に変化させることができる。例えば、触媒反応器を暖機するときは、熱媒が熱交換手段に流通するように流通調節部を調節し、暖機完了後には、高温の排出ガスが流通して昇温した触媒反応部と触媒暖機手段との間の断熱性を高めるため、熱媒が熱交換手段から排出されるように流通調節部を調節することが好ましい。
暖機開始時における熱交換手段の内部温度(Ta)は、熱媒貯留部の内部温度(Tb)と同温以下であることが有利である。Ta≦Tbの関係にあることで、熱媒貯留部から熱交換手段への熱媒輸送が容易になる。また、暖機完了後は(暖機後の熱交換手段の内部温度:Ta’)、Tb≦Ta’となることで、熱媒を熱交換手段から排出し、熱媒を熱媒貯留部に戻して循環利用に供することができる。このとき、熱交換手段は熱媒が希薄な状態になり、触媒反応部及び触媒暖機手段間の熱抵抗(断熱性)が大きくなり、アンモニアの熱分解を防ぐことができる。
熱交換手段は、熱媒貯留部の配設位置に対して重力方向側に配置されていることが好ましい。熱交換手段と熱媒貯留部とが重力方向に向かってこの順に配設されていることで、重力により熱媒が流通し、熱媒貯留部から触媒暖機部への熱媒の供給を確保することができる。
熱媒は、400℃以上700℃以下の温度領域で分解しないものが好適に使用される。上記のように例えば、ディーゼルエンジンのようにPM除去を目的とした高温処理などが行なわれる排気系では、高温に曝される場合があるが、熱媒が熱分解を起こすと、熱交換効率を安定的に保てないばかりか、暖機毎に熱媒を確保しなければならない煩雑さを排除できない。
第1の発明において、触媒反応部が断面円形の筒形状に構成され、前記触媒反応部の外周面に熱交換手段を有し、前記熱交換手段の外周面に前記触媒暖機手段を有する形態が好ましい。つまり、筒形状の軸心方向と直交する断面において、触媒反応部の曲面をなす外周面に設けられた熱交換手段の外周面に触媒暖機手段が配置されている形態である。
断面円形とは、排出ガスの流通方向と直交する断面が円形であることをいい、真円のみならず楕円形などのように一般に円形に類するものとして捉えられる形状も含む。
円筒形状に構成されていることで、軸芯方向が水平方向と平行になるように置いたときに、熱交換手段において、重力方向に熱媒が流通しやすく熱媒は壁面をつたって移動することになるため、熱交換効率がよい。
第1の発明における熱交換手段は、触媒暖機手段との熱交換が可能な部位における熱媒接触面(例えば、熱媒が流通する熱交換手段における触媒暖機手段との熱交換が可能な部位における内壁面)の少なくとも一部に多孔層を有していることが好ましい。多孔層は、その孔において熱媒を保持し、熱交換が行なわれる面に沿って熱媒を均一的に存在させることができる。これにより、熱交換手段の熱交換を行なう面における熱交換の均一性、熱交換効率を高めることができる。
多孔層としては、多孔構造を与えることができるゼオライト、活性炭、シリカ、及び粘土鉱物の少なくとも一種を含む層に構成されていることが好ましい。
前記多孔層のほか、触媒暖機手段との熱交換が可能な部位における熱媒接触面(例えば、熱媒が流通する熱交換手段における触媒暖機手段との熱交換が可能な部位における内壁面)の少なくとも一部に溝部(例えば、溝や窪み状のグルーブ(groove)構造や、網細現象を持つ例えばメッシュ状等のウィック構造)を有していることが好ましい。溝部は、熱媒を(例えば水の場合は水の表面張力により)保持しやすく、熱交換が行なわれる面に熱媒を均一的に存在させることができる。これにより、熱交換手段の熱交換を行なう面における熱交換の均一性、熱交換効率を高めることができる。
触媒暖機手段及び熱交換手段の少なくとも一方は、補強用構造体を備えていることが好ましい。触媒暖機手段の化学蓄熱材は、アンモニアを着脱する際に膨張又は収縮することがあり、触媒暖機手段は内部の体積変化の影響で破損する場合がある。また、触媒暖機手段の近隣に配設された熱交換手段も、触媒暖機手段の形状変化の影響を受けて破損する場合がある。そのため、補強用構造体を付設することで、化学蓄熱材の体積の膨張又は収縮に耐え、あるいは膨張又は収縮を吸収して、耐久性能を高めることができる。
第1の発明においては、上記のように、更に、熱媒を貯留する熱媒貯留部、熱媒貯留部と熱交換手段とを連通し熱媒貯留部及び熱交換手段の間に熱媒を流通する熱媒流通部、及び熱媒流通部に設けられ、熱媒の流通量を調節する流通調節部を含む熱媒循環系統を有している場合、浄化触媒の温度が所定の閾値温度T1未満であるときには、流通調節部の調節により熱媒貯留部から熱交換手段に熱媒を流通し、浄化触媒の温度が所定の閾値温度T2以上であるときには、流通調節部の調節により熱交換手段内の熱媒が熱媒貯留部に戻されるように、流通調節部による熱媒の流通を制御する制御手段を更に備えている態様が好ましい。
これにより、浄化触媒の温度がT1未満の低温域にあるときには、浄化触媒と熱交換可能な熱交換手段に熱媒を送り、熱媒を気化し、気化した熱媒と浄化触媒との間で熱交換することで暖機が進行し、暖機後など、浄化触媒の温度がT2以上の温度域にあるときには、触媒暖機手段が高温環境に曝されるのにそなえて熱媒を熱媒貯留部に戻し、熱交換手段内に熱抵抗を形成するので、安定的にアンモニアの熱分解を防止することができる。
第1の発明における触媒暖機手段は、化学蓄熱材の少なくとも一種として金属塩化物を用いて構成された態様が好ましく、アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、及び遷移金属の塩化物からなる群から選択される金属塩化物を有している態様がより好ましい。
金属塩化物は、高い蓄熱密度(kJ/kg)が得られる点で好適であり、浄化触媒の暖機機能を高めることができる。アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、及び遷移金属の塩化物は、暖機機能をより高める点で有用である。
なお、蓄熱密度は、アンモニアの脱離により金属塩化物1kgあたりに蓄熱される熱量(kJ)を示す。
第1の発明におけるアンモニア着脱手段は、活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、シリカゲル、及び粘土鉱物からなる群から選択された物理吸着材を用いて構成することができる。
物理吸着材である活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、シリカゲル、粘土鉱物は、触媒暖機手段に導入するためのアンモニアを脱離し、あるいは暖機終了後に触媒暖機手段から脱離したアンモニアを再吸着する場合に、アンモニア1molの脱離あるいは吸着に要する熱量が化学吸着材に比べて小さく、少ない熱量でアンモニアの授受を行なうことができる。
第1の発明に係る触媒反応装置では、触媒暖機手段を構成する化学蓄熱材の少なくとも一種がMgCl、MnCl、CoCl、又はNiClであることが好ましい。MgCl、MnCl、CoCl、又はNiClは、高い蓄熱密度(kJ/kg)が得られ、暖機機能をより高める点で有用である。
次に、第2の発明は、
内燃機関と、内燃機関から排出された排出ガスが流入する第1の発明である触媒反応装置とを設けて構成された車両である。
第2の発明である車両では、内燃機関から排出された排出ガスが本発明の触媒反応装置に送られ、浄化されるので、使用環境が低温域(氷点下を含む)である場合でも、安定的に浄化機能を発現させることができる。これにより、車両から排出される排出ガスの有害成分の除去が高効率に行なわれる。
第2の発明は、内燃機関としてディーゼルエンジンを備えており、更に、該ディーゼルエンジンから排出された排出ガスの流通方向における触媒反応装置の下流に、排出ガス中の粒子状物質(PM)を減少させる炭素質浄化手段(例えばDPF)を設けて構成されていることが好ましい。
炭素質浄化手段では、PMが堆積し、そのフィルタ壁面に堆積したり壁内部に流れ込んで蓄積されたPMがフィルタの細孔を詰まらせる一因となるため、例えば400℃以上の高温の排出ガスを流通し、PMを除去処理するDPF再生モードが実行される場合がある。このような場合に、暖機時に使用されたアンモニアが400℃程度の高温下に曝されるのを防ぎ、アンモニアが水素と窒素に熱分解するのを防ぐので、暖機機能を長期に亘り安定的に維持することができる。
本発明によれば、アンモニアの熱分解を防いで安定的に作動する暖機機能を有し、使用温度環境に依らず高い触媒活性を発現する触媒反応装置が提供される。また、
本発明によれば、使用温度環境に依らず、安定的に排出ガスの浄化が行なわれる車両が提供される。
本発明の実施形態の暖機機能を有する触媒反応装置20が搭載された自動車の熱系統の一部を示した概略構成図である。 本発明の実施形態のガス浄化装置の構成例を具体的に示す概略斜視図である。 各金属塩化物における蓄熱温度と蓄熱密度との関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態のガス浄化装置の構成例を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第1実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第1実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第1実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第1実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第1実施形態の暖機制御ルーチンを示す流れ図である。 本発明の第2実施形態のガス浄化装置の構成例を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第2実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第2実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第2実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第2実施形態のガス浄化装置の動作例の一部を説明するための概略断面図である。 本発明の第3実施形態のガス浄化装置の構成例を示す概略断面図である。 本発明の第4実施形態のガス浄化装置の構成例を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の触媒反応装置及びこれを備えた車両の実施形態について具体的に説明する。但し、本発明においては、以下に示す実施形態に制限されるものではない。
(第1実施形態)
本発明の触媒反応装置及びこれを備えた車両の第1実施形態を図1〜図10を参照して説明する。本実施形態では、まず初めに暖機機能を有する触媒反応装置20が適用された車両としての自動車の熱系統について簡単に説明し、続いて自動車に搭載された触媒反応装置20について詳細に説明する。
本実施形態の自動車は、図1に示すように、内燃機関の一例であるディーゼルエンジン10と、ディーゼルエンジンから排出された排出ガス(以下、「排ガス」ともいう。)を浄化する触媒反応装置20と、排ガス中に含まれる炭素質の粒子状物質(PM)を除去する炭素質除去手段であるPM除去用フィルタ(DPF:Diesel particulate filter)90と、を排ガスの排出方向に順次設けて構成されている。ディーゼルエンジン10及び触媒反応装置20等は、制御装置100と電気的接続されている。
本実施形態は、ディーゼルエンジンを備えており、その排出ガス中のPMが堆積したDPFのPM除去時には、400℃以上に及ぶ高温の排出ガスが流通することになり、触媒反応装置20は400℃以上の高温に曝されることになる。後述するように、触媒反応装置20がアンモニアを使用した暖気機能を備えている場合、アンモニアが高温下に曝されて熱分解する懸念がある。本実施形態の触媒反応装置20は、後述するようにガス浄化装置30において、触媒反応器40と暖機用蓄熱反応器50との間に熱交換器72を備えることで、この熱交換器での熱交換能及び断熱能の調節により、暖機機能を良好に保ちつつアンモニアの熱分解が防止されるので、長期にわたり装置中のアンモニア分圧、すなわち暖気機能を保持することが可能である。
なお、PM除去用フィルタ(DPF)90には、一般にDPF用基材又はこれに触媒金属を担持したDPF触媒が使用される。DPFの例としては、コージェライトや炭化珪素、金属などのハニカム基材等の多孔質状の壁材の内部もしくは表面に、白金(Pt)やパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属を担体に担持した触媒粒子が担持された触媒を使用することができる。
本実施形態の触媒反応装置20は、図1に示すように、浄化触媒及びその暖気機構である暖機用蓄熱反応器を有する排ガス浄化用のガス浄化装置30と、アンモニアガス(以下、NHと略記することがある。)の吸着・脱離が可能なアンモニア着脱手段の例であるNH着脱器60と、熱交換用の熱媒を循環流通する熱媒循環系統70とを備えている。
排出ガスを浄化する浄化触媒を備えたガス浄化装置において、浄化触媒は、一般に常温(例えば25℃)以下の温度領域で、本発明の場合は200℃以下の温度領域での触媒活性が低い。そのため、例えばエンジン始動時や始動後に排ガス温度が上昇するまでの運転中など、排出ガスの温度が低いときには、所望とする浄化性能が得られないことがある。これは、特に氷点下などの低温環境下でエンジン始動する場合等において、顕著に現れる。本実施形態では、浄化触媒を予め暖機するための暖気機構として、アンモニアを用いた暖機機構を備えていることで、低温環境下において触媒活性が高く維持され、ガス浄化が促進される。殊に暖機機構である暖機用蓄熱反応器は、水を利用した発熱反応によるのではなく、以下に示すようにアンモニアの吸着に伴なう発熱反応を利用するので、氷点下で利用できる。さらに、暖機用蓄熱反応器と触媒反応器との間に熱交換器72を備えていることで、暖機時には相変化を利用して迅速な暖機が行なえ、暖機後には触媒反応器からの高温を遮断する断熱性が付与される。これにより、暖機に寄与するアンモニアの熱分解及びこれに伴なう暖機機能の低下が防止される。
ガス浄化装置30は、内蔵された浄化触媒で排ガスを浄化する触媒反応部の例である触媒反応器40と、暖機機構として、浄化触媒の暖機を行なう暖気手段の例である暖機用蓄熱反応器50と、触媒反応器40と暖機用蓄熱反応器50との間で熱交換機能と断熱機能とを発現する熱交換手段の例である熱交換器72とを設けて構成されている。
触媒反応器40は、ハニカム構造を形成するハニカムモノリス担体(支持基材)と、その基材上に設けられた触媒粒子が担持された触媒層とで構成されている。触媒反応器40に排出ガスが導入されると、HC、CO等のガス成分が浄化触媒により分解、除去される。支持基材の具体的な例としては、SiC製ハニカム基材、コージェライト製ハニカム基材、メタルハニカム基材などが挙げられる。また、触媒粒子としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属の粒子が挙げられ、該粒子を担持する担体としては、二酸化ジルコニウム(ZrO)や酸化アルミニウム(Al)、シリカ、シリカ−アルミナ、セリア(CeO)、ゼオライトなどの酸化物の粒子が挙げられる。
また、触媒反応器40には、触媒層の温度の検出するための温度検出センサが取り付けられており、暖機時などに触媒の温度を検出することができる。
暖機用蓄熱反応器50は、図2及び図4に示すように、触媒反応器40の周囲に設けられた熱交換器72を覆って、触媒反応器40中の浄化触媒との間で熱交換が行なえるように配設されている。暖機用蓄熱反応器の具体的な構造を、図2を参照して説明する。
図2に示されるように、暖機用蓄熱反応器50には、触媒反応器40を構成しているハニカムモノリス担体42の外周面に設けられた熱交換器72の外周面に沿って配設された複数の板状の蓄熱材52と、複数の蓄熱材上及び複数の蓄熱材間を被覆する多孔質体54とが設けられている。つまり、多孔質体54は、化学蓄熱材とアンモニア供給口との間に配置されている。多孔質体54の周囲には、多孔質体の全面を覆って外装材56が配置され、多孔質体54の孔を通ってNHが流通するための流路が形成されている。
外装材56には、アンモニアガス(NH)を導入するためのアンモニア供給口であるNH導入口58が取り付けられている。NH導入口58からNHが導入されると、導入されたNHが多孔質体54中を流通して複数の蓄熱材52の位置まで達することで、複数の蓄熱材52はNHと接触する。このとき、NHは各蓄熱材と反応するが、この反応はNHの吸着に伴なう発熱反応であり、発生した熱は触媒の暖機に利用される。
板状の蓄熱材52は、化学蓄熱材である塩化マグネシウム(MgCl)の粉末をプレスすることで、板状に成形されたものである。本実施形態では、図2のように、板状の成形体である蓄熱材を複数配置して構成した例を示している。しかしながら、蓄熱材は、必ずしも板状の成形体を並べて構成されている必要はなく、熱交換器72の外周面に沿ってその全面に単一の連続層として蓄熱材が配置されてもよい。
本実施形態の暖機用蓄熱反応器50においては、化学蓄熱材としてMgCl(塩化マグネシウム)が設けられており、下記の可逆反応により、浄化触媒の暖機を要求に応じて繰り返し行なえるようになっている。すなわち、アンモニアが蓄熱材に固定化(吸着)されるとき(下記の可逆反応(1)において右方向に進む反応時)に放熱し、アンモニアが蓄熱材から脱離するとき(下記の可逆反応(1)において左方向に進め反応時)に蓄熱する。
MgCl・2NH+ 4NH ⇔ MgCl・6NH + Q[kJ] …(1)
化学蓄熱材は、MgClに限られるものではなく、アンモニアの吸着時に発熱反応を生じる化合物を適用することができる。化学蓄熱材としては、反応器における蓄熱密度をより高める観点から、金属塩化物が好ましく、例えば、アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、又は遷移金属の塩化物がより好ましく、LiCl、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MnCl、CoCl、又はNiClが特に好ましい。金属塩化物は、一種単独で用いるほか、二種以上を併用してもよい。
LiCl、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MnCl、CoCl、NiClの各金属塩化物について、蓄熱温度(℃)と蓄熱密度(kJ/kg)との関係を図3に示す。蓄熱温度(℃)は、各金属塩化物について、アンモニアを脱離できる温度の一例を示している。蓄熱密度(kJ/kg)は、各金属塩化物1kg当たりがアンモニアの脱離により蓄熱できる熱量(kJ)を示している。図3に示すように、LiCl、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MnCl、CoCl、及びNiClは、約800kJ/kg〜1400kJ/kgの高い蓄熱密度を示す。また、蓄熱温度は、金属塩化物の種類によって異なり、約30℃〜220℃の範囲である。
本実施形態においては、アンモニア圧や温度に合わせて、金属塩化物の種類を適宜選定することができる。したがって、熱利用の対象に合わせ、アンモニア圧や温度を選定できる幅が広がる。例えば、アンモニアの吸着温度を低くする場合には、BaCl、CaCl、SrClを選択することができ、これに対してアンモニアの吸着温度が比較的高い場合は、MgCl、MnCl、CoCl、又はNiClを選択することができる。
成形方法については、特に限定はなく、例えば、化学蓄熱材及び必要に応じてバインダー等の他の成分を含む蓄熱材(又は蓄熱材を含むスラリー)を、加圧成形、押出成形等の公知の成形方法を適用することができる。成形時の圧力は、例えば20〜100MPaとすることができ、20〜40MPaが好ましい。
熱交換器72は、図2及び図4に示すように、触媒反応器40と暖機用蓄熱反応器50との間に、両方の反応器の曲面に沿って設けられており、熱媒の流通が可能なようになっている。熱交換器72は、その内周面の全面が触媒反応器40の外周面と接触し、またその外周面の全面が暖機用蓄熱反応器50の内周面と接触しており、触媒反応器40と暖機用蓄熱反応器50との間の熱交換が効率良く行なえる構造になっている。
熱交換器72には、図2及び図4に示すように、熱媒を給排するための熱媒給排口82、84が設けられている。この熱媒給排口82には、バルブV2を有する熱媒流通管76の一端が接続されており、熱媒給排口84には、バルブV3を有する熱媒流通管78の一端が接続されている。熱媒流通管76の他端及び熱媒流通管78の他端は、それぞれ熱媒貯留器74と接続されている。これにより、熱媒貯留器74と熱交換器72との間を熱媒が循環する循環系統(熱媒循環系統)が構築されている。具体的には、熱媒貯留器74から送り出された熱媒は、熱媒流通管76を流通して熱交換器72に導入され、熱交換器72において熱交換に供された後、熱媒流通管78を流通して熱媒貯留器74に戻されるようになっている。本実施形態では、まず流通調節部であるバルブV2を開くことで、熱媒貯留器74から所定量の熱媒が熱交換器72に導入され、その後、他の流通調節部であるバルブV3を開くことで熱交換器72内から排出され、熱媒貯留器に戻される。
熱媒としては、例えば、水、水溶性有機溶剤(エタノール等のアルコール類やエチレングリコール等のグリコール類)、又はこれらの混合液などを使用することができる。中でも、ディーゼルエンジンのようにPM除去を目的とした高温処理などが行なわれる排気系では、熱媒も高温に曝される場合があるため、400℃以上700℃以下の温度領域で分解しないものが好ましい。本実施形態では、水が用いられている。
熱交換器72では、暖機時において、暖機用蓄熱反応器50から放熱された際、暖機用蓄熱反応器50と接する器壁を介して熱媒(本実施形態では水)が吸熱して昇温し、気化する(本実施形態では水蒸気となる)。気化した熱媒(水蒸気)は、暖機用蓄熱反応器50と接する側とは逆側の、触媒反応器40と接する器壁を介して放熱し、凝縮する。このようにして、触媒反応器の浄化触媒が昇温されることになる。
このとき、例えば水が気化するときの気化熱、凝縮熱は、非常に大きいため、暖機用蓄熱反応器50と触媒反応器40との間で大きな熱量を迅速に熱交換することが可能であり、浄化触媒の暖機効率に優れている。
暖機完了後、熱交換器内には、水蒸気及び凝縮液(水)が存在しており、排ガス温度の上昇に伴なって触媒反応器が昇温し、触媒反応器40と接する器壁を介して気化反応も進行するため、暖機用蓄熱反応器50は熱交換器内の水蒸気を媒介として昇温する。排ガスの温度域は、暖機用蓄熱反応器50の化学蓄熱材の再生温度以上に達するため、化学蓄熱材に固定化されていたアンモニアは脱離して、再びNH着脱器60に戻る。このようにして、化学蓄熱材及びNH着脱器60は、次の暖機にそなえて再生される。
本実施形態では、熱媒の流通がコントロールされる熱交換器72が、暖機用蓄熱反応器50と触媒反応器40との間に存在し、暖機時には、熱交換器における熱媒の相転移を利用した熱交換により、暖機用蓄熱反応器による暖機機能を良好に発揮させることができる。また、DPFにおいてPMが燃焼処理される際に高温の排ガスが触媒反応器内を流通するときには、熱交換器72において熱抵抗が形成されるので、暖機用蓄熱反応器50が400℃以上の温度に曝されてアンモニアが熱分解するのを回避することができる。
NH着脱器60は、アンモニアを吸着する吸着材として物理吸着材である活性炭が内部に設けられており、NHが流通するNH流通管62によって、暖機用蓄熱反応器50と連通されている。NH着脱器60は、浄化触媒の暖気時には、アンモニアガスを排出して暖機用蓄熱反応器50に供給し、暖気終了後は、暖機用蓄熱反応器50から排出されたアンモニアガスを再び吸着して回収する。このように、NH着脱器60を設けることにより、暖機用蓄熱反応器50との間でアンモニアの授受が行なえるようになっている。
NH流通管62には、バルブV1が取り付けられており、バルブV1の開閉によりアンモニアの供給、回収が行なえる。暖機時には、暖機用蓄熱反応器にアンモニアを供給するため、バルブV1を開き、暖機が完了したときには、アンモニアを再び固定化して再生を終えるのを待って、バルブV1を閉じる。バルブV1を閉状態にすることで、暖機に用いるアンモニアを長期間保持でき、所望に応じて行なわれる暖機を安定的に行なうことができる。
アンモニアを物理吸着する物理吸着材が用いられていることにより、アンモニアの固定化及び脱離に要する熱量をより小さくすることができ、低エネルギーでアンモニアの着脱が容易に行なえる。例えば、アンモニア1molの固定化及び脱離に要する熱量は、化学蓄熱材(例えば、LiCl、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MnCl、CoCl、NiCl、等)では40〜60kJ/molであるのに対して、物理吸着材では20〜30kJ/molに抑えることができる。
本実施形態では、図4に示されるように、NH着脱器60は、NH流通管62を介して暖機用蓄熱反応器50と連通しており、NH着脱器60と、暖機用蓄熱反応器50やNH流通管62との間のアンモニア圧に差があると、その圧力差によりアンモニアガスを流通させることができる。例えば浄化触媒を暖気する場合には、NH着脱器60中にはアンモニアが吸着されてアンモニア分圧が暖機用蓄熱反応器50やNH流通管62中に比べて高い状態にあるため、NH流通管62に取り付けられたバルブV1を開状態にすることで、アンモニアガスを暖機用蓄熱反応器50に供給することが可能である。
アンモニアが供給されることによる暖機用蓄熱反応器50での発熱温度は、バルブV1を開状態にしたままでも、例えばNH分圧が一定の範囲に調節されていることで、吸着材におけるアンモニアの着脱で生じる吸発熱が一定の可逆反応のもとで発生するため、所望の温度(150℃付近一定)に維持される。
吸着材としては、多孔体を用いることができる。多孔体としては、吸着(好ましくは物理吸着)によるアンモニアの固定化及び脱離の反応性をより向上させる観点から、細孔径が10nm以下の孔を有する多孔体が好ましい。細孔径の下限は、製造適性等の観点から、0.5nmが好ましい。
多孔体としては、前記同様の観点から、平均1次粒子径が50μm以下の1次粒子が凝集して得られた1次粒子凝集体である多孔体が好ましい。平均1次粒子径の下限は、製造適性等の観点から1μmが好ましい。
吸着材の例としては、本実施形態で用いられている活性炭のほか、例えば、メソポーラスシリカ、ゼオライト、シリカゲル、粘土鉱物等が挙げられる。また、前記活性炭としては、BET法による比表面積が800m/g以上2500m/g以下(より好ましくは1800m/g以上2500m/g以下)の活性炭が好ましい。前記粘土鉱物としては、非架橋の粘土鉱物であっても、架橋された粘土鉱物(架橋粘土鉱物)であってもよい。粘土鉱物の例として、セピオライト等が挙げられる。
本発明においては、アンモニアの圧力や温度に合わせて、吸着材(好ましくは多孔体)の種類を適宜選定することができる。吸着によるアンモニアの固定化及び脱離の反応性をより向上させる観点からは、吸着材は、活性炭を少なくとも含む態様に構成されていることが好ましい。
吸着材(好ましくは物理吸着材)を用いてアンモニアの授受により吸発熱する蓄熱材を構成する場合、蓄熱材に占める吸着材の含有比率は、アンモニアの固定化及び脱離の反応性をより高く維持する観点から、80体積%以上が好ましく、90体積%以上がより好ましい。
吸着材を用いた蓄熱材を成形体として利用する場合、蓄熱材は、吸着材に加えてバインダーを含有していることが好ましい。バインダーを含有することで、成形体の形状がより維持され易くなるので、吸着によるアンモニアの固定化及び脱離の反応性がより向上する。
また、蓄熱材は、必要に応じて、吸着材及びバインダー以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分の例として、カーボンファイバーや金属繊維等の熱伝導性無機材料等が挙げられる。
前記バインダーとしては、水溶性バインダーが好ましい。水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、トリメチルセルロース等が挙げられる。
吸着材及びバインダーを用いて蓄熱材を構成する場合、蓄熱材中におけるバインダーの含有比率は、成形体の形状をより効果的に維持する観点から、5体積%以上が好ましく、10体積%以上がより好ましい。
成形体の成形方法については、特に限定はなく、例えば、吸着材(及び必要に応じバインダー等の他の成分)を含む蓄熱材(又は蓄熱材を含むスラリー)を、加圧成形、押し出し成形、等の公知の成形手段により成形する方法が挙げられる。成形時の圧力は、例えば20〜100MPaとすることができ、20〜40MPaが好ましい。
熱媒循環系統70は、図4に示すように、熱媒74Aを貯留する熱媒貯留部の例である熱媒貯留器74と、熱交換器72の熱媒吸排口82と熱媒貯留器74とを連通する熱媒流通管76と、熱交換器72の熱媒吸排口84と熱媒貯留器74とを連通する熱媒流通管78と、熱媒流通管76、78に取り付けられた熱媒調節部の例であるバルブV2、V3とを設けて構成されている。
本実施形態では、熱交換器72が、熱媒貯留部74に対して重力方向側に配設されており、重力により熱媒が熱媒貯留部74から熱交換器72に流入できるようになっている。熱媒貯留器74には、熱媒を一時的に貯留することができる。
熱媒流通管76には、バルブV2が取り付けられており、このバルブV2を開くことで、熱交換器72に熱媒を流入することができる。また、熱媒流通管78には、バルブV3が取り付けられており、暖機時にはこのバルブV3を閉じて熱交換器内に水(熱媒)を溜め、暖機後はバルブV3を開き、排出することができるようになっている。バルブには、公知の弁を適宜選択することができる。
本実施形態では、熱媒流通管にバルブ(弁)が取り付けられた例を示したが、弁に代えてあるいは弁と共に、熱媒の流通を調節するためにポンプを備えた構成でもよい。
触媒反応装置が作動する温度域としては、−30℃以上250℃以下の範囲とすることができる。また、触媒反応装置内のアンモニア圧(作動圧)は、例えば、0.1atm以上10atm以下の範囲とすることができる。
次に、本実施形態の触媒反応装置20の動作を図5〜図9を参照して説明する。
イグニッションスイッチ(IGスイッチ)をオンし、ディーゼルエンジンが始動された始動時点では、触媒反応器40の浄化触媒は低温であり、暖機が必要なため、まず図5に示すように、バルブV2を開き、熱媒貯留器74に貯留されている熱媒である水が、熱媒流通管76を通じて熱交換器72に導入される。熱交換器72内では、図5のように、水が熱媒導入口82から導入され、熱媒貯留器と熱交換器がほぼ同温(同じ環境条件)下にあるときには、導入された水は、重力により熱媒流通管76を通じて熱交換器内に流入する。このとき、バルブV1、V3は、閉状態になっている。
このように、水を重力により導入するため、熱交換が行なわれる器壁をつたって落下し、この器壁の表面に液膜が形成されやすくなる。これにより、器壁面での熱交換、具体的には水の気化分布(水蒸気生成量分布)を均一化する効果が期待される。
熱交換器72に所定量の水が満たされると、熱交換可能な状態であるため、図6に示すように、バルブV2を閉じた後、バルブV1を開き、NH着脱器60からアンモニアガスを暖機用蓄熱反応器50に導入する。NH着脱器60では、アンモニアがあらかじめ吸着された状態にあり、NH着脱器60中のアンモニア圧とNH流通管及び暖機用蓄熱反応器50中のアンモニア圧との差圧が大きいため、バルブの開放に追随して圧力差によりアンモニアガスがNH流通管を通じて暖機用蓄熱反応器50に送られる。暖機用蓄熱反応器50内では、図2のように、アンモニアガスがNH導入口58から導入され、導入されたアンモニアガスは、多孔質体54中を流通して蓄熱材52の各々と接触する。各蓄熱材は、前記可逆反応(1)に示すように、アンモニアと反応して発熱する。
蓄熱材52での発熱により、熱交換器内の水は、図7のように、暖機用蓄熱反応器50との間の熱交換(吸熱)により昇温、気化し、水蒸気が形成される。このとき、熱交換器72の内部は、蓄熱材52からの熱量で水が気化する内圧に調節されている。一方で、水の気化により生成した水蒸気は、触媒反応器40との間で熱交換(放熱)し、凝縮する。凝縮により生成した水は、図7のように触媒反応器40と接する側の器壁面をつたって落下することになる。本実施形態では、このような相変化を伴なって、触媒反応器の浄化触媒は昇温されることになる。
このようにして、蓄熱材の発熱を利用して、浄化触媒を所定の温度(例えば150℃)に暖機する。このとき、ディーゼルエンジンから排出された例えば100℃の排ガスは、例えば150℃の浄化触媒で浄化された後に排出されることになる。
本実施形態のNH着脱器60は、必ずしも物理吸着材を加温、加熱する機構は必要とされないが、氷点下などの低温環境下でのアンモニアの脱離をより効果的に行なう等の観点から、熱交換器として、水やアルコール類又はこれらの混合物等の熱媒を流通し、物理吸着材と熱媒との間で熱交換して物理吸着材を加熱する加熱器が配設されてもよい。
目標とする温度(例えば150℃)に浄化触媒が暖機されて暖気が終了した後は、排ガス温度の上昇に伴ない、浄化触媒(触媒反応器40)の温度が上昇する。そして、熱交換器72内の水蒸気及び水(凝縮水)は、触媒反応器40との間で熱交換(吸熱)し、気化反応も進行して、熱交換器72内に存在する水蒸気によって暖機用蓄熱反応器50との間の熱交換が促進される。つまり、器内の水蒸気は、暖機用蓄熱反応器50との間で熱交換(放熱)し、凝縮する。凝縮により再び生成した水は、図8のように暖機用蓄熱反応器50と接する側の器壁面をつたって落下する。このような相変化が起きることで、暖機用蓄熱反応器50の化学蓄熱材は昇温される。図8に示すように、バルブV1を開状態にして、触媒反応器40に例えば200℃の排ガスが送られていると、MgClに配位(吸着)していたNHが高い圧力で脱離する。そうすると、逆に暖機用蓄熱反応器50中のアンモニア圧がNH着脱器60及びNH流通管中のアンモニア圧より高くなり、その差圧によりアンモニアガスがNH流通管を通じてNH着脱器60に戻る。このように、排ガス温度の上昇に伴なう浄化触媒の昇温により、暖機時に吸着したアンモニアガスがNH着脱器60に再吸着されるので、次の暖機にそなえて、NH着脱器60が再生(蓄熱)される。このときのNH脱離は、吸熱反応のため、排ガス温度は、導入時温度より低くなる。
再生が終了したときには、バルブV1を閉じる。再生終了は、NH着脱器60に吸着されているアンモニア圧から判定することができる。
NH着脱器60の再生(蓄熱)終了後には、図9に示すように、バルブV1、V2を閉じたままバルブV3を開き、熱交換器72と熱媒貯留器74とを連通する。このとき、熱交換器72内の水蒸気及び凝縮水は熱媒貯留器74に自動的に輸送され、熱交換器72内の圧力は熱媒貯留器74の温度に対応する蒸気圧となる。これにより、熱交換器72の内部は、希薄な蒸気が存在する程度の状態(温度:排ガス温度、圧力:熱媒貯留器の温度に対応する蒸気圧)になるため、暖機用蓄熱反応器50と触媒反応器40とは熱交換器72で断熱される。その後、バルブV3を閉じる。
このようにして、暖機用蓄熱反応器50中のアンモニアが高温に曝されるのを防ぐことができる。
ディーゼルエンジンを備えた本実施形態の自動車では、DPF中に堆積したPMを燃焼除去してDPFを再生するための処理が行なわれる。この場合、PM除去用フィルタ(DPF)90の再生処理は、例えば600℃の高温で行なわれるため、図1及び図9に示すように、DPF90の排ガス流通方向上流に配置された触媒反応器40にも600℃の高温ガスが流通する。したがって、触媒反応器を暖機する暖機用蓄熱反応器50は、600℃の高温環境に曝されることになる。
本実施形態では、暖機用蓄熱反応器50と触媒反応器40との間に、水(熱媒)の相変化を利用した熱交換器を設け、熱交換機能と断熱機能とを付与することにより、暖機機能を良好に発現させつつ、アンモニアの熱分解による暖機機能の低下が防止されている。これにより、ガス浄化装置30における触媒の暖機機能及び排出ガスの浄化機能を、長期に亘り安定的に保持することが可能である。
以上のように、触媒反応器40と暖機用蓄熱反応器50との間に熱媒の相変化を利用した熱交換器72が設けられることで、暖機前後の所定のタイミングに合わせて、熱交換と断熱の両機能を発現させる。これにより、アンモニアガスが高温に曝されるのを防いで暖機機能を安定的に保持するとともに、浄化触媒の触媒活性を使用環境に依ることなく安定的に保持することが可能になる。
次に、本実施形態のディーゼルエンジン(内燃機関)を制御する制御手段である制御装置100による制御ルーチンのうち、触媒反応装置20において、触媒反応器40を暖機し、暖機後にDPF中に堆積したPMを燃焼除去してDPFを再生するDPF再生モードの実行に合わせて断熱機能を与える暖機制御ルーチンを中心に、図10を参照して説明する。
イグニッションスイッチ(IGスイッチ)のオンにより、制御装置100の電源がオンされると、システムが起動され、触媒反応装置20における暖機を制御するための暖機制御ルーチンが実行される。なお、システムの起動は、自動で行なう以外に手動で行なうようにしてもよい。
本ルーチンが実行されると、まず触媒反応器40の浄化触媒による浄化機能が正常に働くか否か、すなわち暖機が必要か否かを判断するため、ステップ100において、浄化触媒に取り付けられた温度検出センサにより触媒温度を検出し、検出された温度が、排出ガスの浄化が行なえる所定の閾値温度T1(例えば150〜200℃、本実施形態では180℃)未満であるか否かが判定される。
ステップ100において、検出された浄化触媒の温度が所定温度T1未満であると判定されたときには、排出ガスの浄化が良好に行なわれる温度に達しておらず、触媒温度を昇温(暖機)する必要があるため、ステップ120に移行する。ステップ120において、図5に示すように、バルブV2を開き、熱媒貯留器74に貯留されている熱媒(水)を熱交換器72に導入する。また、ステップ100において、検出された浄化触媒の温度が所定温度T1以上であると判定されたときには、既に排出ガスの浄化が行なえる温度に達しており、暖機の必要がなく有害ガスを除去可能であるため、そのまま本ルーチンを終了する。
次に、ステップ140において、暖機に向けてNH着脱器60のアンモニア圧が計測され、アンモニア圧が所定の圧力Pを超えているか否か、すなわち暖機に必要なアンモニアがNH着脱器60中に吸着されている状態にあるか否かが判定される。ステップ140において、アンモニア圧が圧力Pを超えていると判定されたときは、暖機を開始できる状態にあるため、次のステップ160において、図6に示すように、バルブV1を開き、バルブV2を閉じる。これにより、NH流通管62を通じてアンモニアガスが暖機用蓄熱反応器50に送られ、暖機が開始される。このとき、バルブV3は、閉状態である。
そして、ステップ200において、再びNH着脱器60中のアンモニア圧が計測され、アンモニア圧が所定の圧力P以上に達しているか否か、すなわち暖機が終了し、暖機用蓄熱反応器50のアンモニアが脱離して化学蓄熱材の再生が完了している状態にあるか否かが判定される。
本実施形態では、NH着脱器60中のアンモニア圧を計測しているが、触媒反応器40の浄化触媒の温度が所定温度(例えば化学蓄熱材がアンモニアを脱離する温度)以上に達しているか否かを判定し、化学蓄熱材の再生完了を判定してもよい。
ステップ200において、アンモニア圧が圧力P以上に達していると判定されたときは、暖機用蓄熱反応器50の化学蓄熱材が再生開始可能な温度にまで昇温し、脱離したアンモニアが再びNH着脱器60に戻って(図8参照)、NH着脱器の再生が完了した状態となっているので、次のステップ220でバルブV1を閉じ、さらにステップ240においてバルブV3を開く。一方、ステップ200において、未だアンモニア圧が圧力P未満であると判定されたときには、暖機用蓄熱反応器50の化学蓄熱材からのアンモニアの脱離が完了しておらず、継続する必要がある。そのため、アンモニア圧が圧力P以上に到達するまで、待機する。アンモニア圧が圧力P以上に達したと判定されたときに、次のステップ220に移行する。
上記のようにバルブV1を閉じてアンモニアの回収を終え、図9に示すように、バルブV3を開くことで、熱交換器72中の熱媒を熱媒貯留器74に回収する。このとき、熱媒貯留器74の方が熱媒流通管78内より蒸気圧が低いため、熱媒は熱媒流通器72に戻る。回収後は、熱交換器72の内部は、希薄な蒸気が存在する程度の状態(温度:排ガス温度、圧力:熱媒貯留器の温度に対応する蒸気圧)になるため、暖機用蓄熱反応器50と触媒反応器40とは熱交換器72で断熱されることになる。
そして、その後のステップ260においてバルブV3を閉じ、本ルーチンを終了する。
上記の実施形態では、化学蓄熱材としてMgClを、吸着材として物理吸着材である活性炭を用いた場合を中心に説明したが、これらに限られず、MgCl及び活性炭以外の上記した他の化学蓄熱材、物理吸着材を用いた場合にも、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第2実施形態)
本発明の内燃機関の第2実施形態について図11〜図16を参照して説明する。本実施形態は、前記第1実施形態において、触媒反応器40と暖機用蓄熱反応器50との間に配設された熱交換器72において、内壁にゼオライト層が設けられ、第1実施形態の熱媒循環系統70に代えて、熱交換手段の他の例である熱媒循環系統170を備えた構成となっている。
なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の自動車は、第1実施形態と同様に、図1に示すようにディーゼルエンジン10と触媒反応装置20とPM除去用フィルタ90とを排ガスの排出方向に順次設けて構成されており、触媒反応装置20は、第1実施形態と同様にガス浄化装置30とNH着脱器60とを備えると共に、さらに熱媒循環系統170を備えている。
本実施形態のガス浄化装置30は、図11に示すように、内蔵された浄化触媒で排ガスを浄化する触媒反応部の例である触媒反応器40と、暖機機構として、浄化触媒の暖機を行なう暖気手段の例である暖機用蓄熱反応器50と、触媒反応器40と暖機用蓄熱反応器50との間で熱交換機能と断熱機能とを発現する熱交換手段の例である熱交換器72とを設けて構成されている。
熱交換器72の暖機用蓄熱反応器50と接する器壁の内壁面には、多孔層としてのゼオライト層86が設けられている。このゼオライト層86は、ゼオライトを用いて多孔構造に形成されており、熱交換器72内に水(熱媒)が導入されたときに、水又は水蒸気を保持して壁面に熱媒をより均一に存在させることができる。
第1実施形態で説明した通り、暖機時にNH着脱器60からアンモニアが供給されて暖機用蓄熱反応器50において発熱すると、熱交換器72の暖機用蓄熱反応器50と接する器壁を介して熱交換が行なわれる。そのため、熱媒である水との間の熱交換が高効率に行なわれない場合、水の気化が迅速かつ均一に進行せず、暖機機能も損なわれる。また、暖機後に化学蓄熱材からアンモニアを脱離させて再生する場合も同様である。本実施形態では、熱交換する内壁面での熱交換効率をより高める観点から、ゼオライト層が付設されている。
ゼオライト層86は、ゼオライト粉末をシリカ系接着剤(例えば東亜合成社製のアロンセラミック(登録商標)シリーズ)と共に混合することにより塗布液を調製し、この塗布液を塗布、乾燥させた後に、焼成(90〜150℃)することによって形成されたものである。本実施形態では、ゼオライトとして、東ソー社製のHSZ−390HUAを用いて形成されている。
ゼオライト層の厚みとしては、300〜600μmの範囲とすることができる。
ゼオライト層の平均孔径としては、熱媒を保持しやすい点で、1〜10Åの範囲が好ましい。平均孔径は、水の吸着等温線により孔径分布を求め、その孔径平均を算出することにより求められる。
多孔層としては、ゼオライトを用いるほか、多孔構造を形成し得る材料を用いることによって、多孔構造が設けられていればよい。多孔構造を形成し得る材料としては、シリカ、活性炭、及び粘土鉱物などを使用することができる。
熱媒循環系統170は、図11に示すように、触媒反応器40と暖機用蓄熱反応器50との間に配設されて、熱媒給排口84において熱交換を担う熱交換器72と接続されている。熱媒循環系統170は、熱媒74Aを貯留する熱媒貯留器174と、熱交換器72の熱媒吸排口84と熱媒貯留器174とを連通する熱媒流通管178とを設けて構成されている。
本実施形態では、熱交換器72が、熱媒貯留部174に対して反重力方向側に配設されており、熱交換器72と熱媒貯留部174との間の蒸気圧の差を利用して、熱媒が熱媒貯留部174から熱交換器72に流入するようになっている。熱媒貯留器174には、熱媒を一時的に貯留することができる。
次に、本実施形態の触媒反応装置20の動作を図12〜図16を参照して説明する。
イグニッションスイッチ(IGスイッチ)をオンし、ディーゼルエンジンが始動された始動時点では、触媒反応器40の浄化触媒は低温で暖機が必要なため、まず図12に示すように、バルブV3を開き、熱媒貯留器174に貯留されている熱媒である水を、熱媒流通管178を通じて熱交換器72に導入する。熱媒貯留器174、熱媒流通管178、及び熱交換器72がほぼ同温(同じ環境条件)下にあるときには、バルブV3を開くと、熱交換器72中のゼオライト層での蒸気圧が熱媒貯留器174の蒸気圧より低いことにより、熱交換器72に水蒸気が導入されることになる。このとき、熱媒貯留器174中の水を加熱しておいてもよい。水蒸気は、熱交換器72中のゼオライト層86に吸着されるので、暖機用蓄熱反応器50との間で熱交換する器壁面において、熱媒をより均一に存在させることが可能になり、面内の気化分布を均一化することができる。
そして、熱媒貯留器174中の熱媒(水)がなくなるか、あるいは熱媒が残る場合は水蒸気が飽和状態になる温度に達したときに、バルブV3を閉じる。
熱交換器72が水蒸気で満たされると、熱交換可能な状態であるため、図13に示すように、バルブV1を開き、NH着脱器60からアンモニアガスを暖機用蓄熱反応器50に導入する。NH着脱器60では、アンモニアがあらかじめ吸着された状態にあり、NH着脱器60中のアンモニア圧とNH流通管及び暖機用蓄熱反応器50中のアンモニア圧との差圧が大きいため、バルブの開放に追随して圧力差によりアンモニアガスがNH流通管を通じて暖機用蓄熱反応器50に送られる。暖機用蓄熱反応器50内では、図2のように、アンモニアガスがNH導入口58から導入され、導入されたアンモニアガスは、多孔質体54中を流通して蓄熱材52の各々と接触する。各蓄熱材は、前記可逆反応(1)に示すように、アンモニアと反応して発熱する。
蓄熱材52での発熱により、熱交換器72内のゼオライトに吸着している水分は、暖機用蓄熱反応器50との間の熱交換(吸熱)により昇温、気化し、水蒸気が形成される。このとき、熱交換器72の内部は、蓄熱材からの熱量で水が気化する内圧に調節されている。一方で、水の気化により生成した水蒸気は、触媒反応器40との間で熱交換(放熱)し、凝縮する。これにより、触媒反応器は暖機される。凝縮により生成した水は、図14のように、触媒反応器40と接する側の器壁面をつたって落下する。本実施形態では、このような相変化を伴なって、触媒反応器の浄化触媒は昇温されることになる。
目標とする温度(例えば150℃)に浄化触媒が暖機されて暖気が終了した後は、排ガス温度の上昇に伴ない、浄化触媒(触媒反応器40)の温度が上昇する。そして、熱交換器72内の水蒸気及び水(凝縮水)は、触媒反応器40との間で熱交換(吸熱)し、気化反応も進行して、熱交換器72内に存在する水蒸気によって暖機用蓄熱反応器50との間の熱交換が促進される。つまり、器内の水蒸気は、暖機用蓄熱反応器50との間で熱交換(放熱)し、凝縮する。凝縮により再び生成した水は、図15のように暖機用蓄熱反応器50と接する側の器壁面をつたって落下する。このような相変化が起きることで、暖機用蓄熱反応器50の化学蓄熱材は昇温される。このとき、図15に示すように、MgClに配位(吸着)していたNHが高い圧力で脱離する。そうすると、逆に暖機用蓄熱反応器50中のアンモニア圧がNH着脱器60及びNH流通管中のアンモニア圧より高くなり、その差圧により図15に示すように、アンモニアガスがNH流通管を通じてNH着脱器60に戻る。
このように、排ガス温度の上昇に伴なう浄化触媒の昇温により、暖機時に吸着したアンモニアガスがNH着脱器60に再吸着されるので、次の暖機にそなえて、NH着脱器60が再生(蓄熱)される。このときのNH脱離は、吸熱反応のため、排ガス温度は、導入時温度より低くなる。
再生が終了したときには、バルブV1を閉じる。再生終了は、NH着脱器60に吸着されているアンモニア圧から判定することができる。
NH着脱器60の再生(蓄熱)終了後には、図16に示すように、バルブV1を閉じたままバルブV3を開き、熱交換器72と熱媒貯留器174とを連通する。このとき、熱交換器72内の水蒸気及び凝縮水は熱媒貯留器174に自動的に輸送され、熱交換器72内の圧力は熱媒貯留器174の温度に対応する蒸気圧となる。これにより、熱交換器72の内部は、希薄な蒸気が存在する程度の状態(温度:排ガス温度、圧力:熱媒貯留器の温度に対応する蒸気圧)になるため、暖機用蓄熱反応器50と触媒反応器40とは熱交換器72で断熱される。その後、バルブV3を閉じる。
このようにして、暖機用蓄熱反応器50中のアンモニアが高温に曝されるのを防ぐことができる。
(第3実施形態)
本発明の触媒反応装置及びこれを備えた車両の第3実施形態について図17を参照して説明する。本実施形態は、前記第1実施形態において、触媒反応器40と暖機用蓄熱反応器50との間に配設された熱交換器72の熱交換を担う壁に、グルーブやウィックを設けた構成となっている。
なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
図17に示されるように、熱交換器72の暖機用蓄熱反応器50と接する器壁の内壁面にグルーブ(groove)構造やウィック構造からなる溝部88が形成されている。溝部88を形成することで、第2実施形態のゼオライト層と同様に熱媒を保持する機能を持たせている。グルーブ構造やウィック構造を有する器壁の内壁面は、凹状の溝が施されており、この溝部において水(熱媒)をその表面張力により保持しやすく、液膜を形成することができる。これより、熱交換が行なわれる器壁の表面に熱媒を均一的に存在させて、面内の気化分布を均一化することができる。
グルーブ(groove)構造とは、溝や窪み状の凹みが形成された構造をさし、熱交換器の内壁に形成されたものである。また、ウィック構造とは、網細現象を持つメッシュ状等に形成された構造をさし、やはり内壁に形成されたものである。これらの溝部は、壁面に対してプレス、切削等をすることにより形成されたものである。
(第4実施形態)
本発明の触媒反応装置及びこれを備えた車両の第4実施形態について図18を参照して説明する。本実施形態は、前記第1実施形態において、触媒反応器40の内部を複数に分割した構成となっている。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
図18に示されるように、ガス浄化装置30に備えられている触媒反応器40は、ハニカム構造を形成するハニカムモノリス担体(支持基材)と、その基材上に設けられた触媒粒子が担持された触媒層とで構成されている。そして、触媒層は、熱交換器72と連通する流路172、173が設けられることで、ガス流通方向に長い4つの触媒領域140A、140B、140C、140Dに分割された構造になっている。
流路172、173は、熱交換器72と連通されて熱媒(水)が流通することで、暖機用蓄熱反応器50との間の熱交換により、触媒層内部からも暖機可能な構成となっている。これにより、より迅速に暖機を完了することが可能になる。
10・・・ディーゼルエンジン(内燃機関)
20・・・触媒反応装置
30・・・ガス浄化装置
40・・・触媒反応器(触媒反応部)
50・・・暖気用蓄熱反応器(触媒暖機手段)
52・・・板状の蓄熱材
54・・・多孔質体
60・・・NH着脱器(アンモニア着脱手段)
70,170・・・熱媒循環系統
72・・・熱交換器(熱交換手段)
86・・・ゼオライト層(多孔層)
88・・・溝部
90・・・PM除去用フィルタ(DPF;炭素質浄化手段)
100・・・制御装置
V1〜V3・・・バルブ

Claims (17)

  1. ガスを浄化する浄化触媒を有する触媒反応部と、
    アンモニアが固定化されるときに放熱し、アンモニアが脱離するときに蓄熱する化学蓄熱材を有する触媒暖機手段と、
    アンモニアを吸着する吸着材を有し、アンモニアの着脱により前記触媒暖機手段との間でアンモニアを授受するアンモニア着脱手段と、
    前記触媒反応部と前記触媒暖機手段との間に配置され、熱媒を含み、該熱媒が気体状態と液体状態との間を相転移することで、触媒反応部と触媒暖機手段との間の熱交換を行なう熱交換手段と、
    を備えた触媒反応装置。
  2. 前記アンモニア着脱手段は、前記吸着材として、アンモニアを物理吸着する物理吸着材を有する請求項1に記載の触媒反応装置。
  3. 熱媒を貯留する熱媒貯留部、前記熱媒貯留部と前記熱交換手段とを連通し熱媒貯留部及び熱交換手段の間に熱媒を流通する熱媒流通部、並びに前記熱媒流通部に設けられ、熱媒の流通量を調節する流通調節部を含む熱媒循環系統をさらに備え、前記熱媒循環系統により熱媒が前記熱媒貯留部と前記熱交換手段との間を循環して流通する請求項1又は請求項2に記載の触媒反応装置。
  4. 少なくとも前記熱媒貯留部と前記熱交換手段との間に前記流通調節部を有する請求項3に記載の触媒反応装置。
  5. 暖機開始時の前記熱交換手段の内部温度は、前記熱媒貯留部の内部温度以下である請求項3又は請求項4に記載の触媒反応装置。
  6. 前記熱交換手段は、前記熱媒貯留部の配設位置に対して重力方向側に配置されている請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の触媒反応装置。
  7. 前記熱媒は、400℃以上700℃以下の温度領域で分解しない請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の触媒反応装置。
  8. 前記触媒反応部は、断面円形の筒形状に構成されており、
    前記触媒反応部の外周面に熱交換手段を有し、前記熱交換手段の外周面に前記触媒暖機手段を有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の触媒反応装置。
  9. 前記熱交換手段の、前記触媒暖機手段との熱交換が可能な部位における熱媒接触面の少なくとも一部に、多孔層及び溝部の少なくとも一方を有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の触媒反応装置。
  10. 前記多孔層は、ゼオライト、活性炭、シリカ、及び粘土鉱物の少なくとも一種を含む層である請求項9に記載の触媒反応装置。
  11. 前記触媒暖機手段及び前記熱交換手段の少なくとも一方は、補強用構造体が付設されている請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の触媒反応装置。
  12. 熱媒を貯留する熱媒貯留部、前記熱媒貯留部と前記熱交換手段とを連通し熱媒貯留部及び熱交換手段の間に熱媒を流通する熱媒流通部、及び前記熱媒流通部に設けられ、熱媒の流通量を調節する流通調節部を含む熱媒循環系統をさらに備え、
    前記浄化触媒の温度が所定の閾値温度T1未満であるときには、前記流通調節部の調節により前記熱媒貯留部から前記熱交換手段に前記熱媒を流通し、前記浄化触媒の温度が所定の閾値温度T2以上であるときには、前記流通調節部の調節により前記熱交換手段内の熱媒が熱媒貯留部に戻されるように、前記流通調節部による熱媒の流通を制御する制御手段を更に備えた請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の触媒反応装置。
  13. 前記触媒暖機手段は、前記化学蓄熱材の少なくとも一種として金属塩化物を含む請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の触媒反応装置。
  14. 前記金属塩化物が、アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、及び遷移金属の塩化物からなる群から選択される請求項13に記載の触媒反応装置。
  15. 前記アンモニア着脱手段は、前記吸着材として、活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、シリカゲル、及び粘土鉱物からなる群から選択される少なくとも1種を有する請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の触媒反応装置。
  16. 内燃機関と、内燃機関から排出された排出ガスが流入する請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の触媒反応装置とを備えた車両。
  17. 前記内燃機関としてディーゼルエンジンを備え、
    更に、排出ガス流通方向における前記触媒反応装置の下流に炭素質浄化手段を備えた請求項16に記載の車両。
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