JP2016060595A - デカール装置および液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体に発生した大きなカールを小さなスペースでデカールすることができるデカール装置、およびこのデカール装置を備える液体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクが付着された用紙Pを搬送する搬送ローラー(19b)と、用紙の搬送方向Yと交差する方向(X)に沿う軸線を有し、搬送ローラーよりも用紙の搬送方向上流側に用紙が通過可能な軸間スペースSJを有して配設された2つの軸(61,62)と、用紙が2つの軸の軸間スペースを通過する状態で搬送ローラーによる用紙の搬送が開始された後、前記2つの軸の少なくとも一方の軸を、前記搬送方向と交差しかつ前記軸線の方向と交差する方向において前記2つの軸の位置が入れ替わる方向であって、前記媒体と接触する方向である入替方向へ移動させる軸移動部60と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、媒体に発生するカールを矯正するデカール装置、およびこのデカール装置を備える液体噴射装置に関する。
従来から、液体噴射装置の一種として、媒体の一例である用紙に液体を噴射する液体噴射ヘッドを備え、搬送される用紙に対して液体としてのインクを液体噴射部から噴射して付着させることにより用紙へ画像等の印刷を行うインクジェット式のプリンターが知られている。このようなプリンターにおいては、用紙に付着したインクに起因して付着面が伸長することによって用紙が湾曲する現象、すなわちカールが発生することがある。
特に、用紙の搬送方向と交差する幅方向に渡ってインクを噴射可能な液体噴射ヘッド(ラインヘッド)を液体噴射部として備えるプリンターにおいては、用紙の幅方向に渡ってインクが略同時に噴射されることによって、用紙に付着するインクの液量が多くなる場合がある。このような場合、発生する用紙のカールが大きくなり、例えば、搬送ローラーによって用紙が搬送される媒体搬送路においてカールした用紙が円滑に搬送されずにジャム状態となったり、用紙に再び印刷を行う際に、搬送される用紙が液体噴射ヘッドに接触して擦られたりする虞がある。
そこで、用紙に発生したカールを矯正つまりデカールするため、2つのローラー対(搬送ローラー)によって搬送される用紙(記録媒体)を、2つのローラー対間に配置された可動ローラー対間に挟み、その可動ローラー対を上下方向に移動させることによってデカールする構成を備えたデカール装置が従来提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−70342号公報
しかしながら、従来のデカール装置では、デカールの効果を高めようとする場合、デカールローラー(可動ローラー対)を用紙の搬送時に上下に大きく移動(変位)させる必要がある。このため、デカールローラーを移動させるための構造が複雑化したり、デカールローラーを移動させるために大きなスペースが必要となったりする課題がある。したがって、従来のデカール装置では、デカールローラーを大きく上下方向へ移動させることは実際には難しいために、大きいカールに対するデカールの効果が小さいという課題がある。
なお、こうした実情は、用紙に発生したカールを、用紙の搬送時に矯正(デカール)するように構成されたデカール装置においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、媒体に発生した大きなカールを小さなスペースでデカールすることができるデカール装置、およびこのデカール装置を備える液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するデカール装置は、液体が付着された媒体を搬送する搬送ローラーと、前記媒体の搬送方向と交差する方向に沿う軸線を有し、前記搬送ローラーよりも前記媒体の搬送方向上流側に前記媒体が通過可能な軸間スペースを有して配設された2つの軸と、前記媒体が前記2つの軸の軸間スペースを通過する状態で前記搬送ローラーによる当該媒体の搬送が開始された後、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸を、前記搬送方向と交差しかつ前記軸線の方向と交差する方向において前記2つの軸の位置が入れ替わる方向であって、前記媒体と接触する方向である入替方向へ移動させる軸移動部と、を備える。
この構成によれば、媒体と接触する方向へ移動してその位置が入れ替わる入替方向に移動する2つの軸に対して媒体が巻き付いて搬送されるので、媒体に発生したカールが大きい場合でも、軸の入れ替わりに必要なだけの小さなスペースでデカールすることができる。
上記デカール装置においては、前記搬送ローラーを第1搬送ローラーとしたとき、前記2つの軸に対して当該第1搬送ローラーの搬送方向上流側に、前記媒体を前記第1搬送ローラーの搬送方向とは反対方向に搬送する第2搬送ローラーを備え、前記軸移動部は、前記第1搬送ローラーによって前記媒体が搬送される際に、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸を前記入替方向へ移動させるとともに、前記第2搬送ローラーによって前記媒体が前記第1搬送ローラーの搬送方向とは反対方向に搬送される際に、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸を前記入替方向へ移動させることが好ましい。
この構成によれば、媒体の搬送方向における前端と後端の双方においてデカールすることができるので、媒体の全体領域においてデカールすることが可能である。
上記デカール装置においては、前記軸線の方向において前記2つの軸のそれぞれの両端を保持する保持部を備え、前記軸移動部は、前記保持部を回転させることによって、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸を前記入替方向へ移動させることが好ましい。
この構成によれば、保持部を回転させるという簡易な構造によって、2つの軸を媒体と接触するように移動させ、軸に媒体が巻き付いた状態にすることができる。
上記デカール装置において、前記2つの軸のそれぞれの中心と前記保持部の回転中心とが直線状に並び、かつ前記保持部の回転中心から前記2つの軸のそれぞれの中心までの距離が等しいことが好ましい。
この構成によれば、2つの軸は、それらの軸外径間の最大距離を直径とする円内で回転移動する。したがって、デカール装置の占有スペースを最少にすることが可能である。
上記デカール装置において、前記軸移動部は、搬送される前記媒体において発生しているカールの向きに応じて、前記保持部の回転方向を変えることが好ましい。
この構成によれば、保持部の回転により、発生しているカールの向きとは反対側に媒体が曲がるように媒体を2つの軸に巻き付けた状態にすることができる。したがって、カールの向きに合わせて適切にデカールすることができる。
上記デカール装置において、前記2つの軸のうちの一方の軸は、他方の軸よりも曲率半径の小さい軸であり、前記軸移動部は、前記一方の軸が前記他方の軸よりも前記媒体の搬送方向の下流側に位置するように前記保持部を回転させることが好ましい。
この構成によれば、搬送方向の下流側において媒体を小さな曲率で曲げることができるので、媒体に発生した大きなカールをデカールすることができる。
上記デカール装置において、前記軸移動部は、前記媒体の剛性に応じて前記保持部の回転量を変えることが好ましい。
この構成によれば、例えば比較的小さいカールが発生する剛性の高い媒体に対しては、軸への巻き付き量が少なくなるように回転量を少なくする。こうすることによって、媒体に発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
上記デカール装置において、前記軸移動部は、前記媒体に付着した前記液体の液量割合に応じて前記保持部の回転量を変えることが好ましい。
この構成によれば、例えば付着した液量割合が多いために比較的大きいカールが発生する媒体に対しては、軸への巻き付き量が多くなるように回転量を多くする。こうすることによって、媒体に発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
上記デカール装置において、前記軸移動部は、前記媒体がさらされている温度と湿度に応じて前記保持部の回転量を変えることが好ましい。
この構成によれば、さらされている温度と湿度に応じて比較的小さいカールが発生する媒体に対しては、軸への巻き付き量が少なくなるように回転量を少なくする。こうすることによって、媒体に発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
上記デカール装置において、温度が予め定められた基準温度よりも高く、かつ湿度が予め定められた基準湿度よりも高い場合、前記保持部の回転量を大きくすることが好ましい。
この構成によれば、カール量が大きくなる温度と湿度にさらされている媒体を適切にデカールすることが可能である。
上記デカール装置において、前記軸移動部は、前記媒体に前記液体が付着してからの経過時間に応じて前記保持部の回転量を変えることが好ましい。
この構成によれば、液体が付着してからの経過時間に応じて乾燥が進むことによってそのカール量の発生が変化する媒体に対しては、その変化するカール量に応じて回転量を変える。こうすることによって、媒体に発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
上記デカール装置において、前記軸移動部は、前記媒体を形成する繊維の並び方向が前記搬送方向と交差する方向である場合は、前記媒体を形成する繊維の並び方向が前記搬送方向に沿う方向である場合よりも前記保持部の回転量を大きくすることが好ましい。
この構成によれば、繊維の並び方向に応じてカール量の発生が変化する媒体に対しては、その変化するカール量に応じて回転量を変える。こうすることによって、媒体に発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
上記デカール装置において、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸は、軸の外周面に前記液体に対する撥液処理が施されていることが好ましい。
この構成によれば、軸に対して液体が付着することが抑制されるので、媒体に付着した液体が擦れることなく安定して媒体面に維持される。
上記デカール装置において、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸は、軸の外周面が曲率半径の異なる複数の円弧面で形成されていることが好ましい。
この構成によれば、軸に対して媒体が巻き付く面である軸の外周面の曲率半径を変えることができるので、媒体に発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
上記デカール装置において、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸は、媒体の移動に従って回転する従動ローラーであることが好ましい。
この構成によれば、軸に巻き付いた状態で搬送される媒体の搬送負荷を抑制することができる。
上記課題を解決する液体噴射装置は、上記構成を有するデカール装置と、前記液体を前記媒体に対して噴射する液体噴射部と、を備える。
液体噴射装置の一例としてのプリンターの実施形態を示す模式構造図。 プリンターが備えるデカール装置の模式構造図で、(a)はその側面図、(b)はその斜視図。 (a)〜(d)は、デカール装置のデカール動作を模式的に示す動作説明図。 (a)〜(c)は、デカールされる際に用紙に作用する力に関する説明図。 (a)〜(e)は、用紙の全体領域がデカールされるデカール装置のデカール動作を模式的に示す模式構造図。 (a)〜(c)は、保持部の回転中心位置に応じたデカール装置の占有スペースを示す模式図。 互いに曲率半径の異なる軸を有するデカール装置の模式図。 軸の外周面が曲率半径の異なる2つの円弧面で形成されている軸を有するデカール装置の模式図。 (a)〜(d)は、用紙のカール量に応じて2つの軸が回転調節される状態を示す模式図。 用紙に付着した液体の液量割合を模式的に示す説明図。 温度と湿度に応じた用紙のカール量を模式的に示す説明図。 用紙に液体が付着してからの経過時間に応じた用紙のカール量を模式的に示す説明図。 (a)〜(c)は、変形例のデカール装置の動作を模式的に示す模式構成図。
以下、液体噴射装置の一実施形態として、液体の一例であるインクを噴射する液体噴射ヘッドを液体噴射部として備え、シート状の媒体の一例である用紙にインクを噴射して文字や図形などを含む画像を印刷するインクジェット式のプリンターについて、図を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置の一例としてのプリンター11は、装置本体としての筐体12内に、用紙Pを鉛直方向の重力方向−Z側から支持する支持台13と、用紙Pに液体を噴射する液体噴射部14と、用紙Pが搬送される媒体搬送路20を備えている。また、複数のローラー(ローラー対)によって構成され、用紙Pを媒体搬送路20に沿って搬送する搬送部29を備えている。
プリンター11は、図1における紙面表裏方向を用紙Pの幅方向Xとし、この幅方向Xと交差する方向を搬送方向Yとして用紙Pを支持台13上および媒体搬送路20に沿って搬送する(図2(b)参照)。液体噴射部14は、用紙Pの搬送方向Yと交差する幅方向Xの略全域に渡ってインクを同時に噴射可能なラインヘッドを液体噴射ヘッドとしてその重力方向−Z側となる下部に備え、支持台13上を搬送される用紙Pに対して鉛直方向の反重力方向+Z側からインクを噴射して付着させ、用紙Pに画像を印刷する。印刷された用紙Pは、駆動ローラーと従動ローラーのローラー対で構成された搬送ローラーとしてそれぞれ機能する排紙ローラー18や他の複数の送りローラー19a〜送りローラー19gなどによって、液体噴射部14から媒体搬送路20に搬送される。
本実施形態では、媒体搬送路20は、用紙Pを液体噴射部14から媒体搬送路20の端部に設けられた媒体排出口26まで搬送する媒体排出路25と、用紙Pを液体噴射部14に供給する媒体供給路とを有している。媒体供給路は、第1媒体供給路21と第2媒体供給路22と第3媒体供給路23とによって構成される。
媒体排出路25には、5つの搬送ローラー、すなわち送りローラー19a,19b,19c,19d,19eが備えられている。用紙Pは、備えられたこれらの送りローラー19a,19b,19c,19d,19eによって媒体排出路25を媒体排出口26まで搬送される。なお、媒体排出路25は、筐体12においてカバー12Fとは反対側の一側面に開閉可能に備えられた排紙台12Hが図中二点鎖線で示すように開状態とされたとき、その排紙台12Hに対して、印刷された用紙Pが、印刷面を上にして排出される図示しない排出口が設けられている。
また、媒体排出路25には、液体噴射部14により印刷された用紙Pが媒体排出口26まで搬送される間において、液体噴射部14により印刷された用紙Pの印刷面を内側にして湾曲する湾曲路と、この湾曲路から媒体排出口26へ向かって用紙Pが一方向に搬送される直線路とが設けられている。用紙Pは、この湾曲路および直線路を搬送されることによって、その印刷面が鉛直方向において反重力方向+Z側に向く状態から重力方向−Z側に向く状態に反転する。この結果、用紙Pは、媒体排出路25を通ることによって、その印刷面が載置台70の載置面71と対峙する状態となって、媒体排出口26から、反重力方向+Z側に向かう先上がりの排出方向を有して媒体搬送路20外へ排出される。媒体排出口26から排出された用紙Pは重力方向−Zへ移動(落下)して、液体噴射部14の反重力方向+Z側(上側)に重なるように配置された載置台70に、図1において二点鎖線で示すように筐体12の壁部12Wに一端が当接するとともに積層状態で載置される。
第1媒体供給路21では、筐体12の一側面に備えられたカバー12Fを開けることによって露出する挿入口12aが設けられ、この挿入口12aから挿入される用紙Pが液体噴射部14へ搬送される。すなわち、挿入口12aへ挿入された用紙Pは、ホッパー12bによって第1駆動ローラー41aに押し付けられ、第1駆動ローラー41aの回転駆動によって搬送されて第1駆動ローラー41aと第1従動ローラー41bとの間に挟まれた後、第1駆動ローラー41aの回転駆動によって液体噴射部14へ向かって搬送される。
第2媒体供給路22では、筐体12の重力方向側となる底部に挿抜可能に備えらえた用紙カセット12cに積層可能に載置される用紙Pが液体噴射部14へ搬送される。すなわち、用紙カセット12cに積層状態で載置された用紙Pは、最上位の用紙Pがピックアップローラー16aで送り出され、分離ローラー16bで一枚ずつに分離された後、第2駆動ローラー42aと第2従動ローラー42bとの間に挟まれ、第2駆動ローラー42aの回転駆動によって液体噴射部14へ向かって搬送される。
第3媒体供給路23では、用紙Pに対して両側の紙面に印刷する両面印刷を行う場合に、液体噴射部14によって片側の紙面が印刷済みとされた用紙Pが、再び液体噴射部14へ搬送される。すなわち、液体噴射部14よりも用紙Pの搬送方向Y下流側には、媒体排出路25の途中に設けられた分岐機構27の動作によって媒体排出路25から分岐する分岐搬送路24が媒体搬送路20として設けられている。分岐搬送路24には、正転と逆転の双方の回転が可能な駆動ローラーと従動ローラーのローラー対で構成された搬送ローラーとして機能する分岐搬送路ローラー44が分岐機構27の下流側に設けられている。
片側の紙面が印刷された用紙Pは、両面印刷に際して液体噴射部14側から載置台70側に向かって一旦この分岐搬送路24へ、正転する分岐搬送路ローラー44によって搬送される。このとき分岐搬送路24へ搬送された用紙Pはその搬送方向Yの先端側の一部Peが媒体排出口26から飛び出した場合、載置台70に積層状態で載置された用紙Pとは接触しないようにその飛び出し位置が設定されている。
その後、分岐搬送路24へ搬送された用紙Pは、逆転する分岐搬送路ローラー44によって分岐搬送路24を載置台70側から液体噴射部14側へ逆搬送される。このとき、逆搬送される用紙Pは第3媒体供給路23へ搬送され、送りローラー19f,19gによって液体噴射部14に向かって搬送される。
第3媒体供給路23の下流側は湾曲路とされ、この湾曲路には、搬送ローラーとして機能する第3駆動ローラー43aと第3従動ローラー43bが設けられている。用紙Pは、第3駆動ローラー43aと第3従動ローラー43bとの間に挟まれ、第3駆動ローラー43aの回転駆動によってこの湾曲路を搬送されることによって用紙Pの印刷面を外側にして湾曲し、印刷されていない紙面が液体噴射部14と対向するように反転して液体噴射部14へ向かって搬送される。
それぞれの媒体供給路を液体噴射部14へ向かって搬送される用紙Pは、液体噴射部14の搬送方向Y上流側に配設されたローラー対で構成された整列ローラー15まで搬送されたのち、回転が停止した整列ローラー15にその先端が突き当たる。そして、用紙Pは、このような整列ローラー15へ突き当たった状態によって搬送方向Yに対する傾きが補正(スキュー取り)される。そして傾きが補正された用紙Pは、その後の整列ローラー15の回転駆動によって、整列状態となって液体噴射部14側へ搬送される。
整列ローラー15によって液体噴射部14側に搬送された用紙Pは、液体噴射部14に対して用紙Pの搬送方向Yの上流側に配設された紙送りローラー17や搬送方向Yの下流側に配設された排紙ローラー18などによって、液体噴射部14に対向しながら搬送される。この搬送される用紙Pに対して、対向する液体噴射部14からインクが噴射されて、その紙面(印刷面)に噴射されたインクが付着して印刷が行われる。
なお、図1に示すように、プリンター11には、筐体12内に空間12Sが設けられ、この空間12Sに、液体噴射部14に供給するインクを貯留する液体貯留部30が備えられている。すなわち液体貯留部30は、チューブなどによって構成される図示しないインク供給路を介して、貯留したインクを液体噴射部14に供給し、液体噴射部14は供給されたインクを噴射する。
液体貯留部30は、複数種類(ここでは4つの色)のインクを夫々貯留する液体貯留体としてのインクカートリッジ31,32,33,34と、各インクカートリッジ31,32,33,34が装着される枠体35を含んで構成されている。各インクカートリッジ31,32,33,34は幅方向Xを長手方向とする略直方体形状を有し、一面が開口する箱形状とされた枠体35に対して、その開口を介し、長手方向を挿抜方向として挿抜可能に装着される。
さて、プリンター11には、液体が付着した用紙Pに発生するカールを矯正(デカール)するデカール装置が媒体搬送路20において備えられている。本実施形態では、図1に示すように、媒体搬送路20の4か所において、第1デカール装置51、第2デカール装置52、第3デカール装置53、および第4デカール装置54がデカール装置としてそれぞれ配設されている。なお、これらを区別しない場合は、単にデカール装置と呼称する。
各デカール装置は、それぞれのデカール装置において搬送される用紙Pに発生しているカールに応じて、そのカールをデカール(矯正)するデカール動作を行う。ここで、プリンター11にて発生する用紙Pのカールの状態について説明する。なお、用紙Pのデカール動作については、後ほど説明する。
まず、用紙Pにインクが付着した場合、用紙Pが付着したインクの水分(溶媒)を含むことによって、インクの付着面側であり印刷面側となる表面側の水分量と、印刷面側とは反対側の裏面側の水分量とに差が生じる。この水分量の差に応じて用紙Pの膨張具合が表裏面で異なるために表面(印刷面)が凸面となるカールが発生した状態となる。この印刷面が凸面となったカールを1次カールと称する。
次に、膨張した用紙Pの表面側において、時間の経過とともに付着したインクが乾燥してインクの水分量が減少することによって用紙Pの材料の分子レベルでの結合により用紙Pが収縮する。このとき、用紙Pにおいて、インクの付着面側となる表面側の収縮量と、反対側の裏面側の収縮量とに差が生じる。この収縮量の差に応じて用紙Pの収縮具合が表裏面で異なるために1次カールの状態とは逆方向、すなわち表面(印刷面)が凹面となるカールが発生した状態となる。この印刷面が凹面となったカールを2次カールと称する。したがって、各デカール装置は、用紙Pに発生しているカールの発生状態、すなわち1次カールの状態か2次カールの状態かに応じて、換言すれば用紙Pの湾曲方向に応じて用紙Pをデカールする。
例えば、プリンター11において高速印刷が行われる場合、各デカール装置を搬送される用紙Pは、インクの付着後の経過時間が短く水分量があまり減少していない(乾いていない)ので、1次カールの状態となっている。この場合は、デカール装置51〜54は、印刷面が凸面となってカールしている用紙Pをデカールする。なお、1次カールの状態となっている用紙Pは、媒体排出路25や分岐搬送路24を搬送される際に湾曲路において湾曲方向と逆方向に湾曲されるが、用紙Pは、搬送路の形成面(湾曲面)に押し付けられることなく円滑に搬送されるので、発生しているカールは殆ど矯正されない。
一方、プリンター11において印刷された用紙Pが低速で搬送される場合、各デカール装置を搬送される用紙Pは、インクの付着後の経過時間が長く、水分量が多く減少して(乾いて)いるので、2次カールの状態となっている。この場合は、各デカール装置は、印刷面が凹面となってカールしている用紙Pをデカールする。
もとより、各デカール装置は、液体噴射部14からの媒体搬送路20の経路長がそれぞれ異なるために、印刷された用紙Pがそれぞれのデカール装置に到達するまでの経過時間には差異が存在する。このため、各デカール装置は、この経過時間の差異に応じて発生するカール、つまり1次カールまたは2次カールに応じて用紙Pをデカールする。なお、用紙Pは1次カールの状態から2次カールの状態になる途中で、原理的にカールが抑制された状態になる場合がある。したがって各デカール装置のうち、用紙Pがこのようにカールが抑制された状態となって搬送されるデカール装置においては、用紙Pをデカールする必要はない。
また、用紙Pの表裏両面に印刷を行う両面印刷の場合は、表面側が印刷済みの用紙Pに対して裏面側にインクを付着させることによって、用紙Pの裏面側の水分量が多くなる。このとき、表面側のインクの乾燥が進まず水分量があまり減少していない場合(乾いていない場合)は、表面側の水分量と、印刷面側である裏面側の水分量との差異が小さくなるので、印刷面側である裏面側が凸面となる1次カールの発生は抑制される。
一方、表面側のインクの乾燥が進んで水分量が多く減少している場合(乾いている場合)は、表面側の水分量と、印刷面側である裏面側の水分量との差異が大きくなるので、用紙Pは、印刷面側である裏面側が凸面となる1次カールが発生する。その後、両面印刷された用紙Pが媒体排出口26から排出されるまでの経過時間が短く、用紙Pが1次カールの状態にある場合は、デカール装置(ここでは第2デカール装置52)において1次カールに対する用紙Pのデカール動作が行われる。一方、両面印刷された用紙Pが媒体排出口26から排出されるまでの経過時間が長く、用紙Pにおいてカールの発生が抑制された状態、あるいは2次カールが発生した状態となった場合は、デカール装置(ここでは第2デカール装置52)において用紙Pのカール動作を行わないか、あるいは2次カールに対するデカール動作が行われる。
第1デカール装置51は、媒体排出路25において、最も液体噴射部14寄りの送りローラー19aと、その搬送方向Y側に位置する送りローラー19bとの間に設けられている。この第1デカール装置51は、筐体12においてカバー12Fとは反対側の一側面に開閉可能に備えられ、図中二点鎖線で示すように開状態とされた排紙台12Hに、媒体排出路25の途中から用紙Pが印刷面を上にして排出される場合に、スタック性を良くするべくその用紙Pに発生しているカールを矯正する。
第2デカール装置52は、媒体排出路25において、最も媒体排出口26寄りの送りローラー19eと、その搬送方向Yの上流側に位置する送りローラー19dとの間に設けられている。第2デカール装置52は、載置台70に、媒体排出口26から用紙Pが印刷面を下にして排出される場合に、スタック性を良くするべくその用紙Pに発生しているカールを矯正する。
第3デカール装置53は、分岐搬送路24において、分岐機構27と分岐搬送路ローラー44との間に設けられている。第3デカール装置53は、用紙Pに両面印刷を行う場合、用紙Pが分岐搬送路24へ搬送(順搬送)される際に、分岐搬送路24に沿って円滑に搬送されるようにカールを矯正する。また、その後、用紙Pが分岐搬送路24から第3媒体供給路23へ搬送(逆搬送)される際にも、搬送される用紙Pのカールを矯正する。すなわち、第3デカール装置53は、用紙Pの搬送方向における両端部のカールを矯正(デカール)する(図5(a),(e)参照)。
第4デカール装置54は、第3媒体供給路23において、送りローラー19gと第3駆動ローラー43a(第3従動ローラー43b)との間の湾曲路に設けられている。第3デカール装置53は、用紙Pに両面印刷を行う場合、用紙Pが第3媒体供給路23を円滑に搬送されるようにカールを矯正する。このように、デカール装置は、湾曲路に配設されてもよく、その後、用紙Pが液体噴射部14へ搬送される際に、液体噴射部14に接触しないようにカールを矯正することも可能である。
各デカール装置に対応して、搬送ローラーよりも搬送方向Yの下流側に用紙Pを検出する検出センサー55がそれぞれ配設されている。各デカール装置は、検出センサー55が搬送される用紙Pの先端Ps(図3(b)参照)を検出することによって、用紙Pのカールを矯正するデカール動作を行う。
次に、デカール装置について、その具体的な構成を説明する。本実施形態では、第1デカール装置51、第2デカール装置52、第3デカール装置53、および第4デカール装置54は同様な構成を有している。したがって、ここでは、第1デカール装置51を一例として、デカール装置の構成について説明する。
図2(a),(b)に示すように、第1デカール装置51は、インクが付着された用紙Pを搬送する搬送ローラーとしての送りローラー19bと、送りローラー19bよりも用紙Pの搬送方向Yの上流側に、用紙Pの搬送方向Yと交差する方向(幅方向X)に沿う軸線を有する第1軸61及び第2軸62の2つの軸と、を備えている。第1軸61と第2軸62は用紙Pが通過可能な軸間スペースSJを有し、その軸線方向においてそれぞれの両端に備えられた保持部65によって保持されている。
本実施形態では、第1軸61および第2軸62は同一の形状かつ同一の構成を有し、各保持部65に両端が保持された円柱形状の固定軸63と、この固定軸63のまわりを回転する円筒形状の回転ローラー64とを有して構成されている。すなわち、第1軸61と第2軸62は、その軸線方向においてそれぞれの両端に備えられた保持部65によって回転可能に保持される回転ローラー64とされている。
また、第1デカール装置51には、保持部65に設けられた回転軸66を中心に保持部65をモーターなどの駆動源によって回転させ、第1軸61と第2軸62を、搬送方向Yと交差し、かつ、その軸線の方向と交差する方向において互いの位置が入れ替わる方向である入替方向に回転移動させる軸移動部60が備えられる。本実施形態では、第1軸61と第2軸62の双方とも移動可能とされ、回転軸66は保持部65において第1軸61の軸心と第2軸62の軸心との軸心間における中間点に位置するように設けられている。すなわち、2つの軸の中心(軸心)と、保持部65の回転中心(回転軸66の中心)が直線状に並び、かつ保持部65の回転中心から2つの軸の中心までの距離が等しくなるように設けられている。
また、各デカール装置において、軸移動部60によって保持部65が回転させられるとき、媒体搬送路20を構成する部材は、回転移動する第1軸61および第2軸62に接触しないように設けられている。
例えば、第1デカール装置51が配設された媒体排出路25において、保持部65と送りローラー19a,19bとのそれぞれの間には、媒体排出路25の上側を構成する上ガイド部材25Aと、媒体排出路25の下側を構成する下ガイド部材25Bとが備えられている。この上ガイド部材25Aと下ガイド部材25Bは、例えば送りローラー19aによって媒体排出路25を搬送される用紙Pに対して、その先端がカールしていても、第1軸61と第2軸62の軸間スペースSJを通過するように誘導するとともに、送りローラー19bに挟持されて搬送されるように案内する。また、上ガイド部材25Aと下ガイド部材25Bは、軸移動部60によって保持部65が回転させられるとき、移動する第1軸61および第2軸62と接触しないように設けられている。
次に、本実施形態のデカール装置の作用すなわちデカール動作について説明する。
もとより、各デカール装置では搬送される用紙Pに対して同様のデカール動作が行われる。そして、本実施形態では、第1デカール装置51、第2デカール装置52、および第4デカール装置54は一方向へ搬送される用紙Pをデカールし、第3デカール装置53は、一方向および一方向とは反対方向の双方向へ搬送される用紙Pをデカールする。なお、以下の説明において、印刷された用紙Pは、インクが付着した印刷面側が膨張することによって印刷面側が凸となって湾曲した1次カールの状態となっているものとする。
まず、図3(a)〜(d)を参照して、一方向へ搬送される用紙Pに対するデカール動作の一例として、第1デカール装置51におけるデカール動作について説明する。もとより、他のデカール装置についても同様のデカール動作が行われる。
図3(a)に示すように、第1デカール装置51では、カール状態となった用紙Pは、その搬送方向Yの先端側が重力方向−Z側に下がった状態で、送りローラー19aの回転によって搬送される。このとき、図中実線で示すように媒体排出路25を搬送される用紙Pは、下ガイド部材25Bによって案内され、図中破線で示すように、その先端部が第1軸61と第2軸62の軸間スペースSJを通過するように誘導される。そして、軸間スペースSJを通過した用紙Pの先端部は、図中二点鎖線で示すように再び下ガイド部材25Bによって案内され、送りローラー19bに挟まれるように案内される。
なお、本実施形態では、軸移動部60(図2(b)参照)によって回転させられる前の保持部65の初期位置は、第1軸61と第2軸62との間の軸間スペースSJを用紙Pが通過しやすいように、第1軸61と第2軸62とが用紙Pの搬送方向Yに対して略直交する鉛直方向に並ぶ位置とされている。また、この初期位置では、第1軸61が第2軸62に対して反重力方向+Z側の上側に位置する状態とされている。
図3(b)に示すように、次に用紙Pが送りローラー19bによって挟まれて搬送され、その先端Psが検出センサー55によって検出されると、軸移動部60は保持部65を回転させる。すなわち、軸移動部60は、用紙Pが軸間スペースSJを通過する状態で搬送ローラーである送りローラー19bによる用紙Pの搬送が開始された後、搬送方向Yと交差しかつ軸線の方向と交差する方向において第1軸61と第2軸62の2つの軸の位置が入れ替わる方向、つまり入替方向に保持部65を回転させる。ここでは、保持部65が回転する方向となる入替方向は、第1軸61と第2軸62の2つの軸の位置が入れ替わるように移動する方向であって、第1軸61と第2軸62の2つの軸が用紙Pと接触する方向である。すなわち、保持部65が入替方向に回転移動すると、印刷面が反重力方向+Z側となる上側とされて搬送される用紙Pに対して、第1軸61が搬送方向Yの下流側において接触し第2軸62が搬送方向Yの上流側において接触する。
図3(c)に示すように、本実施形態では、軸移動部60は、保持部65を初期位置(図中二点鎖線)に対して入替方向に略90度回転させる。このように回転させることで、用紙Pは、搬送方向Yの上流側において第2軸62に対してカールの湾曲方向と同じ方向に湾曲する状態で巻き付くとともに、搬送方向Yの下流側において第1軸61に対してカールの湾曲方向と反対方向に湾曲する状態で巻き付く。
図3(d)に示すように、さらに、軸移動部60は、必要に応じて、保持部65を初期位置に対して90度以上回転させることも可能である。このように保持部65が回転させられることで、用紙Pは、第1軸61および第2軸62に対して、それぞれの巻き付き量が多くなった状態で巻き付く。なお、第1軸61の回転移動に伴って、用紙Pが下ガイド部材25Bと接触する場合は、例えば、下ガイド部材25Bにおいて、その接触部分を変位可能な弾性材料で形成し、用紙Pへ力が加わらないように抑制する。同様に、第2軸62の回転移動に伴って、用紙Pが上ガイド部材25Aと接触する場合は、例えば、上ガイド部材25Aにおいて、その接触部分を変位可能な弾性材料で形成し、用紙Pへ力が加わらないように抑制する。
そして、第1デカール装置51において、図3(c),(d)に示すように保持部65が回転し、第1軸61および第2軸62に巻き付いた状態とされた用紙Pが、搬送ローラーである送りローラー19bによって搬送されることによって、用紙Pのカールが矯正されるデカール動作が行われる。この用紙Pに対するデカール動作の原理について簡単に説明する。
図4(a)に示すように、第1デカール装置51のデカール動作時において、送りローラー19a,19b間を搬送される用紙Pに対して、第2軸62への巻き付き部分の両端には力F1、力F2が作用し、第1軸61への巻き付き部分の両端には力F3、力F4が作用する。そして、力F1と力F2との合力となる力F5によって、用紙Pは第2軸62の表面である外周面に押し付けられ、力F3と力F4との合力となる力F6によって、用紙Pは第2軸62の外周面に押し付けられる。
力F1〜力F4については、用紙Pの巻き付き角をθとし、用紙Pと第1軸61および第2軸62との間の摩擦抵抗をμとすると、周知のオイラーのベルト理論より次の式(A)の関係が成り立つ。
F2=F1eμθ、F2=F3、F4=F3eμθ=F1e2μθ…(A)
したがって、ここでは説明を省略するが、式(A)の関係から、力F1と力F2との合力となる力F5、および力F3と力F4との合力となる力F6は、力F1とμとθとによって表される式となり、その大きさは力F1に比例することになる。
図4(b)に示すように、この結果、力F5に対する力F6の比率、すなわちF6/F5の値は、μ=0.4とした場合、θが0度から180度までの間において、1から3.5まで徐々に上昇する。換言すれば、巻き付き量が多くなる(巻き付き角θが大きくなる)と、第2軸62よりも第1軸61の方が、相対的に用紙Pを強く押し付ける状態となる。このため、用紙Pは、カールしている湾曲方向とは反対側に強い力で湾曲させられながら搬送されることによって、押し付けられている第1軸61の外周面によって扱かれ、カールが矯正されるデカール動作が行われる。
ところで、図4(b)に示すように、第1軸61および第2軸62において回転ローラー64が円滑に回転する場合がある。この一例として、例えば抵抗なく回転する摩擦係数μ=0の場合は、力F6と力F5とは同じ大きさとなる。このような場合においても、第1デカール装置51において、用紙Pに対するデカール動作が周知のハウジンガー効果により行われる。
すなわち、図4(c)に示すように、まず第2軸62において力F5により用紙Pが降伏応力σaを超えて塑性変形したのち、次に第1軸61において力F6により用紙Pが反対側に曲げられた場合、用紙Pは、最初から第1軸61において力F6により曲げられる場合の降伏応力σbよりも小さい降伏応力σcで塑性変形する。換言すれば、力F5と力F6とが同じであっても、第1軸61への巻き付きによる湾曲による塑性変形の方が大きくなるので、用紙Pは、カールしている湾曲方向とは反対側に湾曲させられながら搬送されることによって、カールが矯正されるデカール動作が行われる。
次に、第3デカール装置53にて行われる双方向へ搬送される用紙Pに対するデカール動作について説明する。すなわち、第3デカール装置53は、搬送方向Yの下流側の分岐搬送路ローラー44を第1搬送ローラーとしたとき、2つの第1軸61および第2軸62に対して当該第1搬送ローラーの搬送方向Yの上流側に、用紙Pを第1搬送ローラーの搬送方向Yとは反対方向に搬送する第2搬送ローラーとしての送りローラー19fを備える。そして、軸移動部60は、第1搬送ローラー(分岐搬送路ローラー44)によって用紙Pが分岐搬送路24に進入するように搬送される際に第1軸61および第2軸62の位置が入れ替わるように移動させる。さらに、送りローラー19f(第2搬送ローラー)によって用紙Pが第1搬送ローラーの搬送方向Yとは反対方向、すなわち第3媒体供給路23に進入するように搬送される際に第1軸61および第2軸62の位置が入れ替わるように移動させる。
図5(a)〜(e)を参照して、第3デカール装置53でのデカール動作を説明する。
図5(a)に示すように、媒体搬送路20を搬送される用紙Pは、第3デカール装置53によってデカールされる前の状態では、搬送方向Yの前端および後端の双方において、上面が凸の状態でカールしている。
続いて図5(b)に示すように、用紙Pが排紙ローラー18によって搬送され、第3デカール装置53において軸間スペースを通過後、分岐搬送路ローラー44の正転によって搬送(順搬送)されるとともに、第1軸61が搬送方向Yの下流側へ移動するように保持部65が回転することによってデカール動作が開始される。このとき、第1軸61から用紙Pの搬送方向Yの先端までの前側領域L1は、原理的にデカールされない非デカール領域となり、図5(c)に示すように、後側領域L2がデカールされる。
次に図5(d)に示すように、用紙Pが、分岐搬送路ローラー44の逆転によって反対方向に搬送(逆搬送)され、第3デカール装置53において軸間スペースを通過後、今度は送りローラー19fが搬送ローラーとなって用紙Pを搬送(逆搬送)する。このとき、第1軸61が逆搬送される用紙Pの搬送方向Yの下流側に移動するように保持部65が回転することによって、用紙Pのデカール動作が開始される。このデカール動作により、図5(e)に示すように、非デカール領域であった用紙Pの前側領域L1はデカールされ、用紙Pは、その搬送方向Yにおける両端部まで、つまり用紙Pの全体領域がデカールされる。
なお、図5(b)において破線で示すように、用紙Pの後端が排紙ローラー18によって搬送されない状態となっても、用紙Pは、図示しない媒体搬送路20内を搬送されることによって第2軸62に接触する状態が維持されて第1軸61に巻き付いた状態が継続する。用紙Pは、この第1軸61に巻き付いた状態で、正転する分岐搬送路ローラー44によって搬送されるので、継続してデカールされる。したがって、用紙Pの搬送方向Yの下流側に位置する分岐搬送路ローラー44が第3デカール装置53を構成する。また、図5(d)において破線で示すように、逆搬送される用紙Pの搬送方向Yの後端が分岐搬送路ローラー44によって搬送されない状態となっても、用紙Pは、図示しない媒体搬送路20内を搬送されることによって第2軸62に接触する状態が維持されて第1軸61に巻き付いた状態が継続する。用紙Pは、この第1軸61に巻き付いた状態で、回転する送りローラー19fによって搬送されるので、継続してデカールされる。したがって、この場合は、用紙Pの搬送方向Yの下流側に位置する送りローラー19fが第3デカール装置53を構成する。
ところで、この第3デカール装置53および第4デカール装置54は、真直ぐではなく湾曲したり屈曲したりしている媒体搬送路20に配設されている。したがって、図3(a)〜(d)を参照して説明したデカール動作において、媒体搬送路20に沿って湾曲や屈曲しながら移動する用紙Pの搬送方向Yの曲がり具合に対応して、保持部65の回転量が調節される。
また、上記実施形態においては、軸移動部60は、搬送される用紙Pにおいて発生しているカールの向きに応じて、保持部65の回転方向を変えることが行われる。すなわち、上記実施形態では印刷面側が凸となって湾曲したカール状態(1次カールの状態)となった用紙Pが搬送されるものとしているが、例えば、付着したインクが乾燥することによって印刷面側が凹となって湾曲するカール状態(2次カールの状態)となった用紙Pが搬送される場合がある。このような場合は、印刷面が反重力方向+Z側となる上側とされて搬送される用紙Pに対して、図3(b)において示す方向とは逆の方向、すなわち第1軸61が搬送方向Yの上流側において接触し、第2軸62が搬送方向Yの下流側において接触するように、軸移動部60は保持部65を回転させる。
このように回転させることによって、用紙Pは、搬送方向Yの上流側において第1軸61に対してカールの湾曲方向と同じ方向に湾曲する状態で巻き付く一方、搬送方向Yの下流側において第2軸62に対してカールの湾曲方向と反対方向に湾曲する状態で巻き付く。印刷面が凹のカール状態となった用紙Pは、この第2軸62への巻き付きによってデカールされる。
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)用紙Pと接触する方向へ移動してその位置が入れ替わる2つの軸(第1軸61と第2軸62)に対して用紙Pが巻き付いて搬送されるので、用紙Pに発生したカールが大きい場合でも、軸の入れ替わりに必要なだけの小さなスペースでデカールすることができる。
(2)保持部65を回転させるという簡易な構造によって、2つの軸(第1軸61と第2軸62)を用紙Pと接触するように移動させ、第1軸61および第2軸62に用紙Pが巻き付いた状態にすることができる。
(3)用紙Pの搬送方向Yにおける前端と後端の双方においてデカールすることができるので、媒体の全体領域においてデカールすることが可能である。
(4)保持部65の回転により、発生しているカールの向きとは反対側に用紙Pが曲がるように用紙Pを2つの軸(第1軸61および第2軸62)に巻き付けた状態にすることができる。したがって、カールの向きに合わせて適切にデカールすることができる。
(5)2つの軸(第1軸61と第2軸62)は、それらの軸外径間の最大距離を直径とする円内で回転移動する。したがって、デカール装置の占有スペースを最少にすることが可能である。
(6)第1軸61あるいは第2軸62に巻き付いた状態で搬送される用紙Pは、用紙Pが押し付けられている回転ローラー64の外周面(ローラー面)が用紙Pと一緒に移動(回転)するので、用紙Pの搬送負荷を抑制することができる。
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、保持部65の回転中心となる回転軸66は、必ずしも保持部65において第1軸61と第2軸62との軸心間における中間点に位置するように設けられなくてもよい。この変形例の一例について図を参照して説明する。
図6(a)に示すように、保持部65の回転軸66が第1軸61と第2軸62の軸心間の距離LJにおける中間点(距離LJ/2)に位置する上記実施形態の場合は、図面右側に示すように、第1軸61と第2軸62は、それらの軸外径間の最大距離SAを直径とする円内で回転移動する。したがって、プリンター11においてデカール装置の占有スペースが最も少なくなる。
図6(b)に示すように、本変形例の一例として、保持部65の回転軸66が第1軸61と第2軸62の軸心間の距離LJにおける第2軸寄り(距離LJ/4)に位置するようにしてもよい。この場合、図面右側に示すように、第1軸61と第2軸62は、軸外径間の最大距離SAよりも大きな寸法SBを直径とする円内で回転移動する。したがって、プリンター11においてデカール装置の占有スペースが少し多くなるが、第1軸61を第2軸62よりも大きく移動させることができる。したがって、この構成は、第2軸に比べて第1軸61を大きく移動可能とされた構成のプリンター11において有効である。
図6(c)に示すように、本変形例の他例として、保持部65の回転軸66が第2軸62の軸心に位置するようにしてもよい。この場合、図面右側に示すように、第1軸61と第2軸62は、双方が移動することなくそのうちの一方の軸である第1軸61が入替方向に移動することによって、軸外径間の最大距離SAよりもさらに大きな寸法SCを直径とする円内で回転移動する。したがって、プリンター11においてデカール装置の占有スペースがさらに多くなるが、第2軸62を移動させることなく第1軸61のみを移動させる。したがって、この構成は、第2軸62が移動できずに第1軸61のみを移動可能とされた構成のプリンター11において有効である。もとより、保持部65の回転軸66が第1軸61の軸心に位置するようにして、第2軸62が入替方向に移動するようにしてもよい。すなわち、第1軸61と第2軸62の2つの軸のうち少なくとも一方の軸が入替方向に移動するようにしてもよい。
なお、回転軸66は、第1軸61の軸心と第2軸62の軸心とを結ぶ線上に設けられることが好ましい。もとより、回転軸66は、保持部65において、第1軸61の軸心と第2軸62の軸心とを結ぶ線上から外れた位置に設けられても差し支えない。
・上記実施形態において、第1軸61と第2軸62の2つの軸のうちの一方の軸は、他方の軸よりも曲率半径の小さい軸であり、軸移動部60は、一方の軸が他方の軸よりも用紙Pの搬送方向の下流側に位置するように保持部65を回転させるようにしてもよい。
図7に示すように、例えば、第1デカール装置51において、第1軸61の回転ローラー64の直径を、第2軸62の回転ローラー64の直径よりも小さくする。こうすることによって、図面右側に示すように、用紙Pの搬送方向Yの下流側に位置する第1軸61に対して接触する用紙Pは、曲率半径の小さい軸の外周面に押し付けられて小さい曲率で曲げられる。この結果、用紙Pは、第1軸61によって小さい曲率で曲げられることによって塑性変形しやすくなる。
なお、ここでは図示を省略するが、印刷面側が凹となって湾曲するカール状態となった用紙Pが搬送される場合は、その印刷面が反重力方向+Z側となる上側とされて搬送される用紙Pに対して、搬送方向Yの下流側に位置する第2軸62の回転ローラー64の直径を、第1軸61の回転ローラー64の直径よりも小さくする。あるいは、印刷面側が凸となって湾曲するカール状態となった用紙Pが搬送される場合において用紙Pの上側に位置する第1軸61を、印刷面側が凹となって湾曲するカール状態となった用紙Pが搬送される場合において、用紙Pが軸間スペースSJを通過する前に用紙Pの下側に位置するように第2軸62と入れ替えてもよい。こうすることによって搬送方向Yの下流側に位置する回転ローラー64の直径を、上流側に位置する回転ローラー64の直径よりも小さくして用紙Pをデカールすることができる。
この図7に示す変形例によれば、上記実施形態での効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(7)搬送方向Yの下流側において用紙Pを小さな曲率で曲げることができるので、用紙Pに発生した大きなカールをデカールすることができる。
・上記実施形態において、第1軸61と第2軸62の2つの軸のうちの少なくとも一方の軸は、回転ローラー64でなくてもよい。そしてこの一方の軸は、軸の外周面が曲率半径の異なる複数の円弧面で形成されていることとしてもよい。
図8に示すように、例えば、第1軸61を、その軸の外周面が大きい曲率半径Raと小さい曲率半径Rbとの2つの異なる曲率面(円弧面)を有する軸とする。ここでは、小さい曲率半径Rbは、第2軸62の回転ローラー64の半径よりも小さくされている。さらに、第1軸61は、その軸端に設けられた従動歯車Gbが回転することによって、曲率面が回転する回転軸とする。そして保持部65において回転軸66を中心として回転可能に取り付けられた駆動歯車Gaが回転することによって従動歯車Gbが回転させられ、この従動歯車Gbの回転に応じて第1軸61が回転する構成とされている。
このような2つの異なる曲率面を有する第1軸61が、用紙Pの搬送方向Yの下流側に位置して用紙Pをデカールする際には、図面右側に示すように、小さい曲率半径Rbの曲率面に用紙Pが接触するように第1軸61を回転させる。こうすることによって、第1軸61に対して巻き付く用紙Pは、小さい曲率で曲げられる。この結果、用紙Pは小さい曲率で曲げることによって塑性変形しやすくなる。
なお、本変形例において、大きい曲率半径Raを第2軸62の回転ローラー64の半径よりも小さくし、デカール動作において、この大きい曲率半径Raの曲率面に対して用紙Pが巻き付くようにしてもよい。こうすれば、第1軸61に対して巻き付く用紙Pに対して、小さい曲率半径Rbの場合に生ずる塑性変形よりも少ない塑性変形とすることができる。
この図8に示す変形例によれば、上記実施形態での効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(8)第1軸61に対して用紙Pが巻き付く面の曲率半径を変えることができるので、用紙Pに発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
・上記実施形態において、軸移動部60は、例えば搬送される用紙Pの種類を印刷データから取得し、取得した用紙Pの種類によって定まる剛性に応じて保持部65の回転量を変えるようにしてもよい。すなわち、剛性が高い用紙Pは、剛性が低い用紙Pよりもインクの付着による膨張が抑制され、カール量が小さくなる。そこで、デカール装置においては、用紙Pに発生するカール量に応じてデカール量を調節することが好ましい。このデカール量の調節動作について、第1デカール装置51を一例として、図を参照して説明する。
図9(a)に示すように、本変形例では、第1デカール装置51において、基準となる剛性の用紙Pが搬送される場合、軸移動部60は保持部65を90度回転させて第1軸61と第2軸62に用紙Pを巻き付け、デカール動作を行うように設定されているものとする。
図9(b)に示すように、第1デカール装置51において基準となる剛性よりも高い剛性の用紙Pが搬送される場合、軸移動部60は保持部65を90度よりも小さい角度分回転させて第1軸61と第2軸62に用紙Pを巻き付け、デカール動作を行う。すなわち、保持部65の回転量を少なくすることで第1軸61への用紙Pの巻き付け量を少なくし、デカール量が少なくなるように調節する。
図9(c)に示すように、逆に、第1デカール装置51において基準となる剛性よりも低い剛性の用紙Pが搬送される場合、軸移動部60は保持部65を90度よりも大きい角度分回転させて第1軸61と第2軸62に用紙Pを巻き付け、デカール動作を行う。すなわち、保持部65の回転量を多くすることで第1軸61への用紙Pの巻き付け量を多くし、デカール量が多くなるように調節する。
なお、図9(d)に示すように、第1デカール装置において基準となる剛性よりも相当に低い剛性の用紙Pが搬送される場合では、軸移動部60は、第1軸61の位置と第2軸62の位置とが入れ替わる180度の回転よりも大きな回転量で保持部65を回転させることが可能とされている。
この変形例によれば、上記実施形態での効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(9)例えば比較的小さいカールが発生する剛性の高い媒体に対しては、軸への巻き付き量が少なくなるように回転量を少なくするなど、用紙Pの剛性に応じて用紙Pに発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
・上記実施形態において、軸移動部60は、用紙Pに付着したインクの液量割合に応じて保持部65の回転量を変えるようにしてもよい。インクの液量割合は、例えば、用紙Pに最大解像度の画像が印刷されるときの各画素領域のそれぞれに、液体噴射部14に用紙Pの幅方向に渡って複数個備えられたノズルから、1つの種類(色)のインクが最大液量で噴射されたときの用紙Pに付着するインクの総液量に対する、実際に印刷される画像のインクの総液量の割合として算出される。なお、実際に印刷されるときのインクの総液量は、例えば、軸移動部60が印刷データから取得する。
図10に、本変形例で用いられる液量割合の一例を示す。すなわち、図面上側に示すように、液体噴射部14のノズルから、搬送方向Yの長さが寸法Lyで、幅方向Xの長さが寸法Lxの大きさの最大解像度時の全ての画素領域に対して、最大液量のインクが噴射されドットD1が形成された場合、液量割合は100%である。また、図面中央に示すように、最大解像度時の個数に対して半数の画素領域に対してドットD1が形成された場合や、最大解像度時の全ての画素領域に対して最大液量の半分の液量のインクが噴射されてドットD2が形成された場合は、液量割合は50%である。さらに、図面下側に示すように、最大解像度時の個数の4分の1の個数の画素領域に対してドットD1が形成された場合や、最大解像度時の個数の半数の画素領域に対してドットD2が形成された場合は、液量割合は25%である。
本変形例では、液量割合50%を基準となる液量割合として、例えば第1デカール装置51において軸移動部60が保持部65を90度回転させる(図9(a)参照)。そして、液量割合25%の場合は、90度よりも小さい角度分回転させて第1軸61と第2軸62に用紙Pを巻き付け、デカール動作を行う(図9(b)参照)。一方、液量割合100%の場合は、90度よりも大きい角度分回転させて第1軸61と第2軸62に用紙Pを巻き付け、デカール動作を行う(図9(c)参照)。
さらに、1つの画素領域に対して、1つ以上の色のインクが付着する場合は、液量割合は100%以上となる。例えば、各画素領域に対して黒色、シアン色、マゼンタ色、黄色の4色のインクが付着される場合は、液量割合400%となる。このような場合は、第1軸61の位置と第2軸62の位置とが入れ替わる180度の回転よりも大きな回転量で保持部65を回転させる(図9(d)参照)。
この変形例によれば、上記実施形態での効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(10)例えば付着した液量割合が多いために比較的大きいカールが発生する用紙Pに対しては、第1軸61(第2軸62)への巻き付き量が多くなるように保持部65の回転量を多くする。こうすることによって、用紙Pに発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
・上記実施形態において、軸移動部60は、用紙Pがさらされている温度と湿度に応じて保持部65の回転量を変えるようにしてもよい。用紙Pに発生するカールは、そのカール量(湾曲の大きさや湾曲部の曲率半径など)が温度と湿度に影響されることが知られている。そこで、温度と湿度に応じてデカール量を変えることが好ましい。なお、ここでは図示を省略するが、プリンター11の筐体12内には、例えば液体噴射部14や媒体搬送路20の近傍など用紙Pがさらされている領域の温度および湿度を計測可能な温度センサーおよび湿度センサーが配設されている。そして、軸移動部60は計測された温度と湿度を取得する。
図11に、プリンター11において、計測された温度と湿度に応じて発生するカール量の一例を示す。ここでは、発生するカール量の大きさが、「大」「中」「小」の三段階に区分されている。すなわち、温度(°C)が値T2〜値T4であって湿度(%)が値H2〜値H4である中温中湿の領域範囲においてカール量は「小」とされる。そして、これ以外の領域において、温度(°C)が値T1〜値T3であって湿度(%)が値H1〜値H3である低温低湿の領域範囲と、温度(°C)が値T3〜値T5であって湿度(%)が値H3〜値H5である高温高湿の領域範囲と、においてカール量は「大」とされる。また、温度(°C)が値T1〜値T3であって湿度(%)が値H3〜値H5である低温高湿の領域範囲と、温度(°C)が値T3〜値T5であって湿度(%)が値H1〜値H3である高温低湿の領域範囲と、においてカール量は「中」とされる。
これは、用紙Pが低温低湿にさらされている場合、用紙Pは付着したインクによる膨張率が大きく、かつ乾燥し難いので、発生するカール量が大きくなるからである。一方、用紙Pが高温高湿にさらされている場合は、用紙Pは付着したインクによる膨張率は小さいものの乾燥度合が大きいので、発生するカール量が大きくなるからである。また、用紙Pが中温中湿にさらされている場合、用紙Pは付着したインクによる膨張率および乾燥度合ともに抑制されるので、発生するカール量は小さくなるからである。このように、用紙Pは、さらされている温度と湿度に応じてそのカール量が異なるため、温度と湿度に応じてカール量が区分される。なお、値T1〜値T5、および値H1〜値H5は、実際に使用されるプリンター11の環境に応じた値とされる。例えば値T1は10(°C)、値T5は40(°C)とされ、値H1は20(%)、値H5は80(%)とされる。
そして、本変形例では、例えば第1デカール装置51において、用紙Pのカール量が「中」となる温度と湿度が、予め基準温度と基準湿度として定められ、軸移動部60が取得した温度と湿度がそれぞれ基準温度と基準湿度である場合に、軸移動部60が保持部65を90度回転させる(図9(a)参照)。そして、軸移動部60が取得した温度と湿度が、基準温度と基準湿度であるカール量が「小」の場合は、90度よりも小さい角度分回転させて第1軸61と第2軸62に用紙Pを巻き付け、デカール動作を行う(図9(b)参照)。一方、軸移動部60が取得した温度と湿度が、基準温度よりも高く、かつ基準湿度よりも高いカール量が「大」の場合は、保持部65を90度よりも大きい角度分回転させて第1軸61と第2軸62に用紙Pを巻き付け、デカール動作を行う(図9(c)参照)。すなわち、保持部65の回転量を多くすることで第1軸61への用紙Pの巻き付け量を多くし、デカール量が多くなるように調節する。
この変形例によれば、上記実施形態での効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(11)さらされている温度と湿度に応じて比較的小さいカールが発生する用紙Pに対しては、第1軸61(第2軸62)への巻き付き量が少なくなるように保持部65の回転量を少なくする。こうすることによって、用紙Pに発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
(12)また、カール量が大きくなる温度(高温)と湿度(高湿)にさらされている媒体を適切にデカールすることが可能である。
・上記実施形態において、軸移動部60は、用紙Pにインクが付着してからの経過時間に応じて保持部65の回転量を変えるようにしてもよい。用紙Pは、付着したインクによってカールが発生した後、時間の経過とともにインクが蒸発するため、そのカール量が減少する。そこで、このような経過時間に応じてデカール量を変えることが好ましい。
図12に、プリンター11において、計測された経過時間と発生するカール量の一例を示す。ここでは、25%、50%、100%の3つの液量割合について用紙に発生するカール量の変化具合が示されている。例えば、液量割合25%の場合は、用紙Pには経過時間が凡そ1秒でカール量が最大になり、その後徐々にカール量が減少する。液量割合50%の場合は、用紙Pには経過時間が凡そ2秒でカール量が最大になり、その後徐々にカール量が減少する。液量割合100%の場合は、用紙Pには経過時間が凡そ2〜3秒でカール量が最大になり、その後徐々にカール量が減少する。換言すれば、用紙Pのカール量は、液量割合が異なっていても、インクの付着してからの経過時間に応じて変化する。
したがって、本変形例では、搬送される用紙Pについて、各デカール装置に到達した時点での経過時間に応じて、その液量割合によって定まるカール量の変化に合わせてデカール量を調節する。なお、各デカール装置への到達までの経過時間は、液体噴射部14から各デカール装置までの用紙Pの搬送距離を用紙Pの搬送速度で除することによって算出され、ここでは軸移動部60によってその算出処理が行われる。
例えば、第1デカール装置51では、基準となる経過時間が2秒とされ、このとき軸移動部60が保持部65を90度回転させる(図9(a)参照)。そして、算出された経過時間が2秒以上の場合はカール量が小さくなくなるので、90度よりも小さい角度分回転させて第1軸61と第2軸62に用紙Pを巻き付け、デカール動作を行う(図9(b)参照)。一方、算出された経過時間が2秒以下であって1秒以上の場合はカール量が大きくなるので、90度よりも大きい角度分回転させて第1軸61と第2軸62に用紙Pを巻き付け、デカール動作を行う(図9(c)参照)。
なお、図12に示したように、用紙Pのカール量が最大になるときの経過時間は液量割合によって異なる。したがって、本変形例においては、各デカール装置において液量割合に応じて基準となる経過時間が設定されることが好ましい。
この変形例によれば、上記実施形態での効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(13)インクが付着してからの経過時間に応じて乾燥が進むことによってそのカール量の発生が変化する用紙Pに対しては、その変化するカール量に応じて回転量を変える。こうすることによって、用紙Pに発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
・上記実施形態において、軸移動部60は、用紙Pを形成する繊維の並び方向が搬送方向Yと交差する方向である場合は、用紙Pを形成する繊維の並び方向が搬送方向Yに沿う方向である場合よりも保持部65の回転量を大きくするようにしてもよい。
すなわち、用紙Pは繊維の並び方向と交差する方向に曲がりやすく、インクが付着した場合には、繊維の並び方向と交差する方向に大きくカールすることが知られている。したがって、用紙Pの繊維の並び方向が第1軸61(第2軸62)の軸線方向に沿う方向である場合は、軸線方向と交差する方向に比べて用紙Pに発生しているカール量が大きくなるので、軸移動部60は保持部65の回転量を大きくする。
ちなみに、本変形例では、軸移動部60が印刷データから搬送される用紙が縦向きか横向きかデータを取得する。そして、ここではプリンター11において搬送される用紙Pについては、その繊維の並び方向は用紙の縦方向(長手方向)であるとし、用紙が横向きで搬送される場合に、軸移動部60は保持部65の回転量を大きくする。
この変形例によれば、上記実施形態での効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(14)繊維の並び方向に応じてカール量の発生が変化する用紙Pに対しては、その変化するカール量に応じて回転量を変える。こうすることによって、用紙Pに発生したカール量に応じて適切にデカールすることができる。
・上記実施形態において、第1軸61と第2軸62の2つの軸のうちの少なくとも一方の軸は、軸の表面である外周面にインクに対する撥液処理が施されていることとしてもよい。各デカール装置では、第1軸61または第2軸62の外周面に用紙Pのインクの付着した印刷面が接触したり擦れたりすることが生じる。そこで、用紙Pの印刷面が接触あるいは擦れる対象となる軸の外周面に撥液処理を施すことが好ましい。
この変形例によれば、上記実施形態での効果(1)〜(6)に加えて次の効果を得る。
(15)第1軸61または第2軸62に対してインクが付着することが抑制されるので、用紙Pに付着したインクが擦れることなく安定して紙面(印刷面)に維持される。
・上記実施形態において、第1軸61および第2軸62の2つの軸は、必ずしも、そのうちの1つが用紙Pの搬送に伴って回転する回転ローラー64、つまり従動ローラーとされなくてもよい。例えば、第1軸61および第2軸62の2つの軸は、双方とも駆動源によって回転駆動される駆動ローラーとされてもよいし、2つの軸は駆動ローラーと従動ローラーの組み合わせとされてもよい。また、2つの軸は、双方とも保持部65に回転が拘束された状態で固定された固定軸とされてもよいし、駆動軸と固定軸の組み合わせとされてもよい。要は、用紙Pに発生したカールを効果的にデカールできる構成であれば、2つの軸は、必ずしも回転ローラー64とされなくてもよい。
なお、ここでの詳細な説明は省略するが、2つの軸において駆動ローラーとされた軸については、用紙Pに対するデカール動作が行われる際に、駆動ローラーに用紙Pが円滑に巻き付くようにその回転速度が調節される。例えば、駆動ローラーの回転速度(周速)は、保持部65(第1軸61および第2軸62)に対する搬送方向Yの前後の搬送ローラーによる用紙Pの搬送速度と同じ用紙Pの搬送速度が得られる速度か、あるいは、わずかに用紙Pの搬送速度が遅くなる速度に調節される。
・上記実施形態において、第1軸61および第2軸62の2つの軸は、必ずしも保持部65の回転によって、搬送方向Yと交差し、かつ、軸線の方向と交差する方向において互いの位置が入れ替わる入替方向に移動させられなくてもよい。例えば、2つの軸は、鉛直方向に沿って上下方向に移動することによって互いの位置が入れ替わる入替方向に移動させられる構成とされてもよい。その構成について、第3デカール装置53に採用した例を、図を参照して説明する。
図13(a)に示すように、第3デカール装置53において、第1軸61および第2軸62は筐体12内に固定された保持部68に上下方向に設けられた長穴69に沿って、その両側の軸端部が図示しないスライド機構によって入替方向となる上下方向に移動可能とされている。そして、デカール動作前の初期位置では、第1軸61が反重力方向+Z側(上側)に、第2軸62が重力方向−Z側(下側)に、鉛直方向において用紙Pが通過する軸間スペースSJを設けてそれぞれ位置している。
次に、図13(b)に示すように、用紙Pが排紙ローラー18によって搬送され、第3デカール装置53において軸間スペースSJを通過後、分岐搬送路ローラー44の正転によって搬送(順搬送)されるとともに、スライド機構によって第1軸61が長穴69に沿って下方へ、第2軸62が長穴69に沿って上方へ移動する。第1軸61と第2軸62とがこのような入れ替わった位置となることによってデカール動作が開始される。
次に図13(c)に示すように、用紙Pが、分岐搬送路ローラー44の逆転によって反対方向に搬送(逆搬送)され、第3デカール装置53において軸間スペースSJを通過後、今度は送りローラー19fが搬送ローラーとなって用紙Pを搬送(逆搬送)する。このときは、第1軸61が逆搬送される用紙Pの下側から長穴69に沿って上方に移動し、第2軸62が上側から長穴69に沿って下方へ移動する。第1軸61と第2軸62とがこのような入れ替わった位置となることによってデカール動作が開始される。
この変形例によれば、第1軸61および第2軸62を従来例のように大きく移動させることなく、スライド移動させるという簡易な構造によって、2つの軸を用紙Pと接触するように移動させ、第1軸61および第2軸62に用紙Pが巻き付いた状態にすることができる。
・上記実施形態において、液体噴射部14は、用紙Pの幅方向Xの略全域に渡ってインクを噴射可能な液体噴射ヘッドを備える所謂ラインヘッドの構成に限らない。例えば、液体噴射部14は、用紙Pの搬送方向Yと交差する方向に往復移動するキャリッジにインクを噴射する液体噴射ヘッドを備える所謂シリアルヘッドの構成であってもよい。
・上記実施形態において、液体噴射装置としてのプリンター11は、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体、流体として流して噴射できる固体を含む)を噴射したり吐出したりして記録を行う流体噴射装置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して印刷を行う液状体噴射装置であってもよい。また、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体(粉粒体)を例とする固体を噴射する粉粒体噴射装置(例えばトナージェット式印刷装置)であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。なお、本明細書において「流体」とは、気体のみからなる流体を含まない概念であり、流体には、例えば液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、液状体、流状体、粉粒体(粒体、粉体を含む)などが含まれる。
11…プリンター(液体噴射装置の一例)、12…筐体(装置本体)、14…液体噴射部、51…第1デカール装置(デカール装置)、52…第2デカール装置(デカール装置)、53…第3デカール装置(デカール装置)、54…第4デカール装置(デカール装置)、60…軸移動部、61…第1軸、62…第2軸、65,68…保持部、LJ…距離、Y…搬送方向、Ra,Rb…曲率半径、SJ…軸間スペース、P…用紙(媒体の一例)。

Claims (16)

  1. 液体が付着された媒体を搬送する搬送ローラーと、
    前記媒体の搬送方向と交差する方向に沿う軸線を有し、前記搬送ローラーよりも前記媒体の搬送方向上流側に前記媒体が通過可能な軸間スペースを有して配設された2つの軸と、
    前記媒体が前記2つの軸の軸間スペースを通過する状態で前記搬送ローラーによる当該媒体の搬送が開始された後、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸を、前記搬送方向と交差しかつ前記軸線の方向と交差する方向において前記2つの軸の位置が入れ替わる方向であって、前記媒体と接触する方向である入替方向へ移動させる軸移動部と、
    を備えるデカール装置。
  2. 前記搬送ローラーを第1搬送ローラーとしたとき、前記2つの軸に対して当該第1搬送ローラーの搬送方向上流側に、前記媒体を前記第1搬送ローラーの搬送方向とは反対方向に搬送する第2搬送ローラーを備え、
    前記軸移動部は、前記第1搬送ローラーによって前記媒体が搬送される際に、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸を前記入替方向へ移動させるとともに、前記第2搬送ローラーによって前記媒体が前記第1搬送ローラーの搬送方向とは反対方向に搬送される際に、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸を前記入替方向へ移動させる請求項1に記載のデカール装置。
  3. 前記軸線の方向において前記2つの軸のそれぞれの両端を保持する保持部を備え、
    前記軸移動部は、前記保持部を回転させることによって、前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸を前記入替方向へ移動させる請求項1または2に記載のデカール装置。
  4. 前記2つの軸のそれぞれの中心と前記保持部の回転中心とが直線状に並び、かつ前記保持部の回転中心から前記2つの軸のそれぞれの中心までの距離が等しい請求項3に記載のデカール装置。
  5. 前記軸移動部は、搬送される前記媒体において発生しているカールの向きに応じて、前記保持部の回転方向を変える請求項3または4に記載のデカール装置。
  6. 前記2つの軸のうちの一方の軸は、他方の軸よりも曲率半径の小さい軸であり、
    前記軸移動部は、前記一方の軸が前記他方の軸よりも前記媒体の搬送方向の下流側に位置するように前記保持部を回転させる請求項3ないし5のいずれか一項に記載のデカール装置。
  7. 前記軸移動部は、前記媒体の剛性に応じて前記保持部の回転量を変える請求項3ないし6のいずれか一項に記載のデカール装置。
  8. 前記軸移動部は、前記媒体に付着した前記液体の液量割合に応じて前記保持部の回転量を変える請求項3ないし7のいずれか一項に記載のデカール装置。
  9. 前記軸移動部は、前記媒体がさらされている温度と湿度に応じて前記保持部の回転量を変える請求項3ないし8のいずれか一項に記載のデカール装置。
  10. 温度が予め定められた基準温度よりも高く、かつ湿度が予め定められた基準湿度よりも高い場合、前記保持部の回転量を大きくする請求項9に記載のデカール装置。
  11. 前記軸移動部は、前記媒体に前記液体が付着してからの経過時間に応じて前記保持部の回転量を変える請求項3ないし10のいずれか一項に記載のデカール装置。
  12. 前記軸移動部は、前記媒体を形成する繊維の並び方向が前記搬送方向と交差する方向である場合は、前記媒体を形成する繊維の並び方向が前記搬送方向に沿う方向である場合よりも前記保持部の回転量を大きくする請求項3ないし11のいずれか一項に記載のデカール装置。
  13. 前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸は、軸の外周面に前記液体に対する撥液処理が施されている請求項1ないし12のいずれか一項に記載のデカール装置。
  14. 前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸は、軸の外周面が曲率半径の異なる複数の円弧面で形成されている請求項1ないし13のいずれか一項に記載のデカール装置。
  15. 前記2つの軸のうちの少なくとも一方の軸は、媒体の移動に従って回転する従動ローラーである請求項1ないし14のいずれか一項に記載のデカール装置。
  16. 請求項1ないし15のいずれか一項に記載のデカール装置と、
    前記液体を前記媒体に対して噴射する液体噴射部と、
    を備える液体噴射装置。
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