JP2016060387A - タイヤ用騒音低減装置および空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高速走行用タイヤで、時速300km以上などの高速走行をしたときであっても、タイヤの熱によるバンド部材の塑性変形を抑止することができ、そうした高速走行のもとでも騒音低減機能を十分に発揮することができるタイヤ用騒音低減装置と、該騒音低減装置を備えた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】多孔質材料からなる吸音材と、該吸音材をタイヤ内面に装着するための環状に形成されたバンド部材とを備えたタイヤ騒音低減装置において、前記バンド部材を熱可塑性樹脂で構成するとともに、該バンド部材に耐熱性補強層を付設し、該耐熱性補強層は、連続した前記バンド部材を全周巻き回し、かつ該耐熱性補強層の周方向の両端部付近に貫通孔が設けられ、該貫通孔を通して耐熱性補強層係止部材が、前記バンド部材と接合されてなることを特徴とするタイヤ用騒音低減装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ用騒音低減装置および空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤ分野において、多孔質材料からなる吸音材と、該吸音材をタイヤ内面に装着するためのバンド部材を備えたタイヤ用騒音低減装置が知られている(特許文献1−2)。
該バンド部材として、その材質と全体の形状によって弾性特性を有するように構成されたものが知られており、その代表的な形状は帯状である。すなわち、帯状の長尺の板材が、全体に環状に成形されて設置され、タイヤ内腔内でその弾性復元力によって、多孔質材料からなる吸音材をタイヤ内面方向に向けて押しつけるように付勢し、該吸音材の保持がされるように構成されている(特許文献1の特許請求の範囲、特許文献2の段落0016)。
該バンド部材の材質は、熱可塑性合成樹脂製あるいは金属製のものなどが知られているが、該バンド部材自体の成形性や、多孔質材料からなる吸音材と熱融着を利用した接合が可能であるなどの接合加工性に優れている点で、特に、熱可塑性合成樹脂製のバンド部材が実用的なものとして検討されてきている(特許文献2−3)。
国際公開第2005/012007号 特開2006−306285号公報 特開2010−950号公報
しかし、従来、騒音低減装置が用いられていたタイヤサイズに比べて、非常に高速(例えば、300km/時以上)での走行が可能に設計されたタイヤに対して、熱可塑性合成樹脂製バンド部材を用いたタイヤ用騒音低減装置を適用した場合、吸音材の質量によってバンド部材が大きな張力を受け、さらにタイヤの発熱によって該バンド部材を構成する熱可塑性合成樹脂が軟化することにより、該バンド部材が塑性変形(通常は、伸びる変形)をしてしまう場合があった。
バンド部材がそうした塑性変形をした場合、弾性特性に基づく吸音材の正常な保持をすることができず、騒音低減装置の機能を十分に発揮することができないばかりか、耐久性が損なわれて、騒音低減装置の破壊につながるおそれもあった。
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、高速走行用タイヤで、時速300km以上などの高速走行をしたときであっても、タイヤの熱によるバンド部材の塑性変形を抑止することができ、そうした高速走行のもとでも騒音低減機能を十分に発揮することができるタイヤ用騒音低減装置と、該騒音低減装置を備えた空気入りタイヤを提供することにある。
上述した目的を達成する本発明のタイヤ用騒音低減装置は、以下の(1)の構成を有する。
(1)多孔質材料からなる吸音材と、該吸音材をタイヤ内面に装着するための環状に形成されたバンド部材とを備えたタイヤ騒音低減装置において、前記バンド部材を熱可塑性樹脂で構成するとともに、該バンド部材に耐熱性補強層を付設し、該耐熱性補強層は、連続した前記バンド部材を全周巻き回し、かつ該耐熱性補強層の周方向の両端部付近に貫通孔が設けられ、該貫通孔を通して耐熱性補強層係止部材が、前記バンド部材と接合されてなることを特徴とするタイヤ用騒音低減装置。
かかる本発明のタイヤ用騒音低減装置において、好ましくは、以下の(2)〜(11)のいずれかの構成を有する。
(2)前記耐熱性補強層が、その周方向の両端部が重なり合うオーバーラップ部を構成し、かつ該オーバーラップ部において、少なくとも一部が重なり合う位置に前記貫通孔が設置されていることを特徴とする上記(1)に記載のタイヤ用騒音低減装置。
(3)前記耐熱性補強層の周方向両端部のオーバーラップ部は、前記貫通孔を有するとともにタイヤ幅方向に拡張した耐熱性補強層拡張部を有し、該耐熱性補強層拡張部が前記バンド部材の裏側(バンド部材の内周面側)に折り返されて、バンド部材内周面において、該貫通孔を通して、該バンド部材と同じ材料で構成されている耐熱性補強層係止部材が該バンド部材と接合されてなることを特徴とする上記(2)記載のタイヤ用騒音低減装置。
(4)前記耐熱性補強層係止部材とバンド部材は、同一の熱可塑性樹脂で構成され、前記耐熱補強層係止部材とバンド部材との接合が熱溶着によることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置。
(5)前記バンド部材および前記耐熱性補強層の合計断面積が10〜200mm2 であり、それぞれの断面積〈mm2 〉と100℃における引張強さ〈部材長手方向〉〈MPa〉の積の合計が400N以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置。
(6)前記耐熱性補強層は、荷重たわみ温度(ASTM D648(1.82MPa))が150℃以上である樹脂層であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置。
(7)前記耐熱性補強層の周方向の両端部付近に設けられた貫通孔に加え、該耐熱性補強層の非両端部箇所にも貫通孔が設けられ、該非両端部貫通孔を通して耐熱性補強層係止部材が、該バンド部材と接合されてなることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置。
(8)前記多孔質材料からなる吸音材が、全周にわたり連続した環状をなして存在しているものであり、前記耐熱性補強層係止部材が該吸音材を間に挟んで前記バンド部材と接合されていることを特徴とする上記(7)記載のタイヤ用騒音低減装置。
(9)前記多孔質材料からなる吸音材が、不連続である複数個の吸音材が列状をなして全周にわたり存在しているものであり、前記耐熱性補強層係止部材が、前記吸音材が存在している位置で該吸音材を間に挟んで前記バンド部材と接合されてなることを特徴とする上記(7)記載のタイヤ用騒音低減装置。
(10)前記多孔質材料からなる吸音材が、不連続である複数個の吸音材が列状をなして全周にわたり存在しているものであり、前記耐熱性補強層係止部材が、前記吸音材が存在していない位置で該吸音材と前記バンド部材が接合されてなることを特徴とする上記(7)記載のタイヤ用騒音低減装置。
(11)前記吸音材を間に挟み前記バンド部材と接合されている箇所で使用されている前記耐熱性補強層係止部材が、バンド部材を構成する樹脂と同一の熱可塑性樹脂で構成され、前記吸音材を間に挟んだ該耐熱性補強層係止部材と該バンド部材との接合が、熱溶着によることを特徴とする上記(8)または(9)記載のタイヤ用騒音低減装置。
また、本発明の空気入りタイヤは、以下の(12)の構成を有する。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置を、タイヤ内腔内に備えてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
請求項1にかかる本発明のタイヤ用騒音低減装置によれば、高速走行用タイヤで、特に時速300km以上などの高速走行をしたときであっても、タイヤの熱によるバンド部材の塑性変形を抑止することができ、耐久性良く、騒音低減機能を十分に発揮することができるタイヤ用騒音低減装置を提供することができる。この効果は、まず、バンド部材の塑性変形が、耐熱性補強層が付設されていることによって抑制されること、さらに、該耐熱性補強層自体もその両端部付近でバンド部材と機械的に固定されていることによりバンド部材との位置関係がずれないことの相乗効果によって、高速回転・高温下でもその耐熱性補強層を付設した効果が耐久性良く得られることによる。その結果、バンド部材を設けた効果および吸音材を設けた効果を、それぞれ耐久性良く十分に発揮させることができることになるのである。
請求項2〜11のいずれかにかかる本発明のタイヤ用騒音低減装置によれば、上述した請求項1にかかる本発明の効果を、より明確に有した本発明のタイヤ用騒音低減装置が実現できる。
請求項12にかかる本発明の空気入りタイヤによれば、上述した請求項1〜11のいずれかにかかる本発明のタイヤ用騒音低減装置を装着した空気入りタイヤが提供され、時速300km以上などの高速走行をしたときであっても、タイヤの熱によるバンド部材の塑性変形が抑止され得て、耐久性良く、騒音低減機能を発揮する空気入りタイヤが提供される。
(a)、(b)は、いずれも本発明のタイヤ用騒音低減装置の一実施態様例の外観斜視図である。 (a)は耐熱性補強層4の周方向の両端部付近に貫通孔5が設けられている状態の1例を示し、(b)は該貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示し、(c)は、貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示した概略モデル図であり、耐熱性補強層4の両端部の接合は突き合わせ形態によるものである。 (a)は耐熱性補強層4の周方向の両端部付近に貫通孔5が設けられている状態の1例を示し、(b)は該貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示し、(c)は、貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示した概略モデル図であり、耐熱性補強層4の両端部の接合はオーバーラップ形態によるものである。 (a)は耐熱性補強層4の周方向の両端部付近に貫通孔5が設けられている状態の1例を示し、(b)は該貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示し、(c)は、貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示した概略モデル図であり、耐熱性補強層4の両端部の接合はオーバーラップ形態による他の態様例を示したものである。 (a)は耐熱性補強層4の周方向の両端部付近に貫通孔5が設けられている状態の1例を示し、(b)は該貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示し、(c)は、貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示した概略モデル図であり、耐熱性補強層4の両端部の接合はオーバーラップ形態による更に他の態様例を示したものである。 (a)〜〈g〉は、耐熱性補強層4の両端部の接合をオーバーラップ形態による場合の、更に他の態様例を説明するものである。 (a)〜〈c〉は、耐熱性補強層係止部材6が吸音材2を間に挟んでバンド部材3と接合されるように構成した構造をモデル的に示したものであり、(a)は側面図、(b)は上方斜めからみた斜視図、(c)は下方斜めからみた斜視図である。 (a)は、本発明のタイヤ用騒音低減装置をタイヤ内腔部に装填した本発明にかかる空気入りタイヤの態様例を説明する一部破砕断面斜視図であり、(b)はその要部の拡大図である。
以下、更に詳しく本発明のタイヤ用騒音低減装置と空気入りタイヤについて、説明する。
本発明のタイヤ用騒音低減装置1は、図1(a)、(b)にその一実施態様例の外観斜視図を示したように、多孔質材料からなる吸音材2と、該吸音材2をタイヤ内面に装着するための環状に形成されたバンド部材3とを備えたタイヤ騒音低減装置において、バンド部材3を熱可塑性樹脂で構成するとともに、該バンド部材3に耐熱性補強層4が付設されている。さらに、該耐熱性補強層4は、熱可塑性樹脂で環状に構成されたバンド部材3を全周巻き回し(図1(a)、(b))、かつ、図2(a)〜(c)に示しているように、耐熱性補強層4の周方向の両端部付近に貫通孔5が設けられ、該貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6が、バンド部材3と接合されてなることを特徴とするものである。
図2において、(a)は耐熱性補強層4の周方向の両端部付近に貫通孔5が設けられている状態の1例を示し、(b)は該貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示している。(c)は、貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示しているものである。
この図2においては、耐熱性補強層4は、両端部における耐熱性補強層を突き合わせる態様で貫通孔5を設け、双方にまたがるように耐熱性補強層係止部材6を設置しているが、耐熱性補強層4の両端部は、オーバーラップさせてバンド部材3を巻き回すように構成してもよい。図2(a)は耐熱性補強層4の周方向の両端部付近に貫通孔5が設けられている状態の1例であり、(b)は該貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示し、(c)は貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示した(b)のA−A断面モデル図である。
その耐熱性補強層4の両端部をオーバーラップさせてバンド部材3を巻き回すように構成した貫通孔の周辺付近のモデル図を図3に示した。図3(a)は耐熱性補強層4の周方向の両端部付近に貫通孔5が設けられている状態の1例であり、(b)は該貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示し、(c)は貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示した(b)のA−A断面モデル図である。この態様では、両端部がオーバーラップされていて、両端の貫通孔5が重ねられて、その貫通孔5に共通の耐熱性補強層係止部材6が通される。このように貫通孔5を重ねて使用すれば、より強い固定強度を得ることができる。
耐熱性補強層係止部材6は、耐熱性補強層に貫通された孔を通り、該耐熱性補強層を中間に介して、バンド部材3と接合固定されるものであればよく、その形状、形態など、特に限定されるものではない。例えば、リベット、ハトメ、ボルトナット、溶着部材などを用いた機械的固定方式のものを使用するものである。
図4と図5は、それぞれ、(a)は耐熱性補強層4の周方向の両端部付近に貫通孔5が設けられている状態の1例を示し、(b)は該貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示し、(c)は、貫通孔5を通して耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されている状態の1例を示した概略モデル図であり、耐熱性補強層4の両端部の接合がオーバーラップ形態による他の態様例を示したものである。
耐熱性補強層4の厚さは1mm以下とするのが好ましい。さらに好ましくは500μm以下である。1mmよりも厚いような場合には、より明確な段差がタイヤ内面と接する側に形成されることになるので、タイヤ内面を損傷することがあり好ましくない。
さらに、耐熱性補強層4の厚さは、バンド部材の厚さとの関係でも好ましい範囲がある。すなわち、一般に、バンド部材は繰り返し曲げ変形に強い材料であるが耐熱性が弱いため、本発明では耐熱性補強層4を用いるのであるが、該耐熱性補強層4は繰り返し曲げに強くないため、薄くすることが有意義である。従って、曲げ変形に寄与が大きい両者の「厚み」に関しては、バンド部材を相対的に厚くして耐熱性補強層を相対的に薄くするのが、より効果的で好ましい組み合わせである。特に、本発明者らの各種知見によれば、耐熱性補強層の厚みはバンド部材の厚みの1/5〜1/100の範囲とすることが好ましく、より好ましくは1/10〜1/150とすることであり、一般に、耐熱性補強層の厚みは20〜200μmの範囲内であることが最も好ましい。
このように熱可塑性樹脂で構成されたバンド部材3に対して、耐熱性補強層4をタイヤ周方向で全周巻き回して設けることにより、例えば、300km/時以上などの極めて高速で走行可能なタイヤに多孔質材料からなる吸音材2を適用した場合でも、タイヤの発熱による熱がバンド部材3に対して伝わりにくくなり、バンド部材3を構成する樹脂が熱により軟化することが抑制され、その結果、バンド部材3が塑性変形(伸びる)してしまうことが抑制されることなる。
したがって、本発明のタイヤ用騒音低減装置によれば、吸音材をタイヤ内面に装着するための環状に形成された熱可塑性樹脂製のバンド部材の塑性変形が、該バンド部材に対し耐熱性補強層を付設していることによって抑制されること、さらに、該耐熱性補強層自体もその両端部付近でバンド部材と機械的に固定されていることによりバンド部材との位置関係がずれないことの相乗効果により、高速回転・高温下でもその耐熱性補強層を付設した効果が耐久性良く得られ、ひいては、バンド部材を設けた効果、吸音材を設けた効果を、それぞれ耐久性良く十分に発揮させることができるのである。
なお、該耐熱性補強層4をバンド部材3に接合させるために、粘着剤や接着剤を用いるとの手段のみによる場合、それら粘着剤あるいは接着剤が、加えられる熱と張力により流動性を有するようになり、該耐熱性補強層4自体は伸びたりしないものの、該耐熱性補強層4が滑るように周方向端部どうしがその間隔距離を広げるようにずれてしまうことが考えられる。本発明では、そのような問題に対しても、特に上述したように両端部付近において、貫通孔5を設けて、両端部の双方にまたがるように耐熱性補強層係止部材6を該貫通孔を通して設置することにより、上述したずれの問題はなく、バンド部材3の塑性変形を効果的に抑制することができる。なお、本発明では、耐熱性補強層4をバンド部材3に接合させるために、粘着剤や接着剤を用いることを併用してもよい。
耐熱性補強層4は、バンド部材3に対して、タイヤ周方向で全周に連続して巻き回して設けることが重要である。タイヤ内での発熱はタイヤ全体に及ぶものだからである。さらに、タイヤ周方向で1周を超えて複数周巻き回すようにしてもよい。耐熱性と補強効果の双方をより大きく良好に得ることができるからである。
耐熱性補強層4は、図1(a)、(b)は、バンド部材3と同一幅のものを示したものであるが、バンド部材3よりも幅が小さいものでもよい。バンド部材3の全幅に対して設けなくても補強を得ることができるからであり、好ましくは耐熱性補強層4の幅は、バンド部材の全幅wの(0.5〜1)倍であって、さらに周方向に延びる中心線をバンド部材の中心線とほぼ一致させて設けるのがよい。
貫通孔5は、通常のタイヤサイズ程度のものであれば、一般に直径が1.0〜10mmの円形状とするのが好ましいが、特に限定されず、同程度の換算直径を有する楕円形状のものなどでもよい。また、貫通孔5の孔面積は、上記寸法と対応して、通常のタイヤサイズ程度のものであれば、一般に0.78mm2 〜78mm2 の範囲内とするのがよい。ただ、貫通孔5の好ましい径は、その耐熱性補強層4の幅とも関係して定められることも重要であり、耐熱性補強層4の幅の0.05〜0.5倍とすることが好ましい。なお、上記の面積や径、幅比率に関して、複数の貫通孔が存在する場合には、それらの合計値を用いて上記の関係を満足するように構成すればよい。
バンド部材3はタイヤ周方向に連続的に延在するように、帯状でかつ全体は環状に成形されている。このバンド部材3は弾性復元力に基づいて吸音材2をタイヤ内面に保持する。このように構成される騒音低減装置1は、通常の空気入りタイヤに対して着脱自在であり、その着脱作業が容易である。本発明では、このバンド部材3に対して、耐熱性補強層4をタイヤ周方向上で設けるものであり、耐熱性補強層4はバンド部材3に対して基本的に補強をするものなので、両者は実質的に一体的にて接合されているものが好ましく、前述したように、粘着剤や接着剤を周方向の全体で用いることは好ましいものである。
バンド部材3は、繰り返し曲げ変形に対して耐久性の優れた樹脂を使用することが好ましく、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)を使用することが好ましい。耐熱性補強層4は、バンド部材3の持つ繰り返し曲げ変形に対する高耐久特性を低下させることなく、張力に耐え得る補強をするため、またバンド部材3に耐熱性を効果的に与えるために、バンド部材3の外周側に該耐熱性補強層4を設ける(図1(a)、(b))ことが特に好ましい。ただし、内周側に設けることでも効果は得られるので、外周側と内周側の双方に設けるようにしてもよい。
バンド部材3の最も好ましい態様は、耐久性の点からバンド部材3の本体はポリプロピレン樹脂を用いて構成し、耐熱性補強層は樹脂シートで構成することである。該樹脂シート(耐熱性補強層)のバンド部材3側の面上には、粘着層を設けて、バンド部材3に耐熱性補強層4の粘接着が容易にできるように構成されていることが最も好ましい。貫通孔5を通した耐熱性補強層係止部材6によるバンド部材3との接合を補助的に強くすることができるからであり、また、該係止部材6がある箇所以外でも両者の接合状態を保つことができるので、耐熱性補強層を設けることの効果を、特に耐久性良く維持、発揮させることができるようになるからである。該粘着層は耐熱性の点でアクリル系またはゴム系の接着剤が好ましい。
バンド部材3は、タイヤ周方向で全周にわたり設けられているものが、吸音材の保持効果を恒久的にかつ高度に得る上で好ましい。さらに、タイヤ周方向で全周にわたり該バンド部材に対して耐熱性補強層4が設けられていることが、本発明の効果をより大きく得る上で好ましい。
また、耐熱性補強層が、図2〜図5に示したような周方向の両端部をオーバーラップさせた部分を有する場合は、図6(a)〜〈g〉に示したように、該オーバーラップ部に、貫通孔5を有するとともにタイヤ幅方向に拡張した耐熱性補強層拡張部7を有し、該耐熱性補強層拡張部7が前記バンド部材3の裏側(バンド部材の内周面側(タイヤの内腔側))に折り返されて(図6(a)〜〈c〉)、バンド部材3の内周面側において、貫通孔5を通してバンド部材3と同じ材料で構成されている耐熱性補強層係止部材6をバンド部材3と接合させて構成する(図6(d)〜〈e〉、(f)〜〈g〉)ことが好ましい。耐熱性補強層係止部材6は、その存在が突起となるため、外周面よりもタイヤの内周面側に該係止部材6を設けることがタイヤ内面との接触がより均一になるため好ましいものである。
すなわち、耐熱性補強層が、貫通孔5を有するとともにタイヤ幅方向に拡張した耐熱性補強層拡張部7を有する形状・構成にした場合には、図6に示したように、バンド部材3の裏側(内周面側)に、該耐熱性補強層拡張部7を折り返すことができて、それにより、バンド部材3の裏側(バンド部材の内周面側(タイヤの内腔側))で、貫通孔5を設けて、そのバンド部材3の裏側の貫通孔を通して、耐熱性補強層係止部材6がバンド部材3と接合されるように全体の構成をすることができる。これは、上述のようにオーバーラップ部を設けるように構成した場合(図3〜図6)、あるいは、突き合わせ方式により本発明を構成した場合のいずれにおいても構成できるものであり、いずれにおいても、タイヤ内面と接する側に耐熱性補強層係止部材6を設けなくてもよくなるので、バンド部材とタイヤ内面との接触をより均一ものにでき、好ましいものである。
耐熱性補強層係止部材6とバンド部材3は、同一の熱可塑性樹脂で構成し、耐熱補強層係止部材6とバンド部材3との接合が熱溶着によることが好ましい。同一の熱可塑性樹脂であれば熱溶着が容易となり、より強固な接合一体化ができるからである。
また、本発明者らの知見によれば、本発明の効果を良好に得るために、バンド部材3および耐熱性補強層4のタイヤ幅方向断面での合計断面積が10〜200mm2 であり、それぞれの断面積(mm2 ))と100℃における引張強さ〈部材長手方向〉〈MPa 〉の積の合計が400N以上であることが好ましい。ここで、100℃における引張強さ(部材の長手方向)とは、JIS K7161−1994.3.3による値である。より好ましくは、それぞれの断面積(mm2 )と100℃における引張強さ(部材の長手方向)(MPa)の積の合計価は500N以上であることである。
本発明において、バンド部材に対し設けられる「耐熱性補強層」とは、該補強層の荷重たわみ温度(ASTM D648(1.82MPa))が、バンド部材の同荷重たわみ温度よりも高いものをいう。一般には、該耐熱性補強層は、荷重たわみ温度(ASTM D648耐熱温度(連続))が150℃以上である樹脂シート、または樹脂繊維からなる織布であることが、耐熱特性を良好に発揮できる点で好ましい。より好ましくは、荷重たわみ温度(ASTM D648(1.82MPa))が180℃以上の樹脂シートである。
また、耐熱性補強層の周方向の両端部付近に設けられた貫通孔に加え、該耐熱性補強層の非両端部箇所にも貫通孔(以下、「非両端部貫通孔」という)が設けられ、該非両端部貫通孔を通して、耐熱性補強層係止部材が該バンド部材と接合されていることも、全体のバンド部材・耐熱性補強層の接合一体化効果を更に上げて、それにより耐熱補強層を設けた効果をより大きくできる点で好ましい。
多孔質材料からなる吸音材は、図1(a)に示したように、全周にわたり連続した環状の吸音材1をなして存在しているものであってよい。あるいは、図1(b)に示したように、不連続である複数個の吸音材1が、互いに適宜の間隔をあけて列状をなして環状を呈して全周にわたって存在しているものであってよい。
多孔質材料からなる吸音材が、図1(a)に示したように、全周にわたり連続した環状の吸音材1をなして存在している態様の場合、耐熱性補強層係止部材6が吸音材2を間に挟んでバンド部材3と接合されるように構成することも好ましい。
この態様の構造の概要を図7に示した。この場合、耐熱性補強得は、図6に示したような耐熱性補強層拡張部7を有し、該耐熱性補強層拡張部7がバンド部材3の裏側(バンド部材の内周面側(タイヤの内腔側))に折り返されて(図6(a)〜〈c〉)、バンド部材3の内周面側において、貫通孔5を通してバンド部材3と同じ材料で構成されている耐熱性補強層係止部材6をバンド部材3と接合させて構成する(図6(d)〜〈e〉、(f)〜〈g〉)ことが重要であり、バンド部材3の内周面側において、例えば、V字型を呈してかつその先端部でバンド部材と接合される耐熱性補強層係止部材6を使用することにより、実現することができる。この場合、耐熱性補強層係止部材が、バンド部材を構成する樹脂と同一の熱可塑性樹脂で構成されていることにより、前記吸音材を間に挟んだ該耐熱性補強層係止部材と該バンド部材との接合を、熱溶着方式により行うことができ、より強固な3者(吸音材、耐熱性補強層、耐熱性補強層係止部材の3者)間の接合を実現することができる。
あるいは、図1(b)に示したように、多孔質材料からなる吸音材として、不連続である複数個の吸音材2が、互いに適宜の間隔をあけて列状をなして環状を呈して全周にわたって存在している場合は、さらに2つの場合があり、吸音材が存在している箇所に耐熱性補強層4の周方向の両端部が位置する場合には、耐熱性補強層係止部材6が吸音材2を間に挟んでバンド部材3と接合されるように構成することも好ましい。あるいは、吸音材が存在していない箇所に耐熱性補強層4の周方向の両端部が位置する場合には、吸音材2と関係なく、耐熱性補強層係止部材6をバンド部材3と接合するように構成することでよい。
前者の耐熱性補強層係止部材6が吸音材2を間に挟んでバンド部材3と接合されるように構成するには、図7で説明したのと同様の耐熱性補強層係止部材6を用いればよい。
上述した耐熱性補強層係止部材6の態様は、耐熱性補強層4に前述した非両端部貫通孔を設けて、該非両端部貫通孔を通して、耐熱性補強層係止部材を該バンド部材と接合する場合にも採用でき、吸音材2が存在する位置か、あるいは、存在しない位置かによって、吸音材2を間に挟んで耐熱性補強層係止部材6をバンド部材3と接合するか、あるいは、吸音材2と関係なく、耐熱性補強層係止部材6をバンド部材3と接合するか、いずれかの構成をとればよい。
多孔質材料からなる吸音材として、図1(b)のような不連続である複数個の吸音材2が、互いに適宜の間隔をあけて列状をなして環状を呈して全周にわたって存在している場合は、少なくともそれぞれの吸音材において各2箇所は図7で説明したのと同様の耐熱性補強層係止部材6を用いて、吸音材を間に挟んで耐熱性補強層係止部材6とバンド部材3とを接合するのがよい。
上述した本発明のタイヤ用騒音低減装置をタイヤ内腔部に装填した本発明にかかる空気入りタイヤの態様例を図8に示す。
図8において、空気入りタイヤTは、トレッド部10と、左右一対のビード部11と、これらトレッド部とビード部11とを互いに連接するサイドウォール部12とを備えている。そして、トレッド部10の内面には、図1にモデルを示したリング状のタイヤ用騒音低減装置1が装着されている。
タイヤ用騒音低減装置1は、多孔質材料からなる吸音材2と、該吸音材2をタイヤ内面に装着するためのバンド部材3とを備えている。吸音材2は多数の内部セルを有し、その多孔質構造に基づいて所定の吸音特性を有している。吸音材2の多孔質材料としては発泡ポリウレタンを用いるとよい。
バンド部材3はタイヤ周方向に連続的に延在するように、帯状でかつ全体は環状に成形されている。このバンド部材3は弾性復元力に基づいて吸音材2をタイヤ内面に保持する。このように構成される騒音低減装置1は、通常の空気入りタイヤに対して着脱自在であり、その着脱作業が容易である。本発明では、このバンド部材3に対して、耐熱性補強層4をタイヤ周方向上で全周にわたり設けている。
バンド部材3と耐熱性補強層4は、バンド部材3に対して基本的に補強をするものなので、両者は実質的に一体的にて接合されているものが好ましい。本発明によれば、バンド部材3の高温に基づく塑性変形が、耐熱性補強層4が付設されていることによって抑制され、さらに、該耐熱性補強層4自体もその両端部付近でバンド部材3と機械的に固定されていることによって、バンド部材3との位置関係がずれることもない。
本発明によれば、これらの相乗効果によって、高速回転・高温下でもその耐熱性補強層4を付設した効果が耐久性良く得られることとなり、その結果、バンド部材3を設けた効果および吸音材2を設けた効果を、それぞれ耐久性良く十分に発揮させることができることになるものであり、優れた空気入りタイヤが実現される。
以下、実施例により、本発明について具体的に説明する。
実施例1、比較例1、比較例2
試験タイヤとして、タイヤサイズ275/35R20 100Yの試験タイヤを準備し、各試験タイヤの内腔に、図3に示した構造を有する本発明にかかるタイヤ騒音低減装置(実施例1)、本発明によらないタイヤ騒音低減装置2種(比較例1、比較例2)を装着した。
比較例1は耐熱性補強層を特に有さないものである。比較例2は耐熱性補強層を有しているが、バンド部材との接合を両面粘着剤で行って固定したもので、本発明の実施例1品のように、耐熱性補強層の両端部で貫通孔と係止部材を用いた機械的固定を特別には行っていないものである。
各試験タイヤは、いずれも吸音材はウレタンフォームで構成し、バンド部材はタイヤ全周に環状に存在する弾性バンド部材(厚さ1.5mm)とし、吸音材は複数の吸音材が全周にわたり存在するが、5個に分断されて存在するものとした(図1(b))。
係止部材とバンド部材は、いずれも熱可塑性樹脂(ポリプロピレン樹脂、荷重たわみ温度(ASTM D648耐熱温度(1.82MPa)58℃)製とした。
本発明の実施例1品で用いた耐熱性補強層は、ポリイミド樹脂フィルムシート(厚さ30μm(弾性バンド部材の厚さの1/50))とし、バンド部材と同一幅の帯状の該樹脂フィルムシートを、アクリル樹脂製の両面粘着剤(市販の日東電工製 5000NS)によってバンド部材に貼り合わせ、さらに、両端部付近に貫通させて開けた直径5mmの円形孔に、耐熱性補強層係止部材としてポリプロピレン製薄板を用い、超音波溶着機を使用して、該係止部材と吸音材とバンド部材の3者の接合一体化を行った。
比較例2品で使用した両面粘着剤は、実施例1でも使用した市販の日東電工製 5000NSを用いた。
実施例1と比較例2で使用した耐熱性補強層は、いずれも1周全部にわたり、バンド部材に付設した。
各試験タイヤの試験は、走行速度300km/時間で合計2時間の連続走行とした(タイヤ空気圧270kPa、負荷荷重5.6kN)。各試験走行を終了した後、各試験タイヤ内の騒音低減装置のバンド部材について耐熱補強層の剥がれの発生の有無を調べて評価した。
実施例2
実施例2として、弾性バンド部材の厚さを1.2mm、耐熱性補強層の厚さを60μm(弾性バンド部材の厚さの1/20)とした以外は、実施例1と同様にして試験タイヤを製造し、同様に試験を行い評価した。
各試験タイヤを評価した結果、実施例1のタイヤは、剥がれの発生はなく、変形や損傷の発生も認められなかった。実施例2のタイヤも、剥がれの発生はなく、変形や損傷の発生は認められなかった。
比較例1のタイヤは、高熱のもとで張力が加わり発生したと解されるバンド部材の変形伸びが発生していた。その変形は、既にタイヤ騒音低減装置の耐久性、吸音性能の低下を招いていると判断できるものであった。比較例2のタイヤは、比較例1のものよりは良好であったが、耐熱補強層の両端部の間隔が開き、バンド部材の塑性変形による伸び変形の発生が認められた。このため吸音材の保持が完璧な状態ではないと解される状態が生じており、タイヤ用騒音低減内としては、比較的短期間内での破壊が予想される状態だった。
1:タイヤ用騒音低減装置
2:多孔質材料からなる吸音材
3:弾性固定バンド
4:耐熱性補強層
5:貫通孔
6:耐熱性補強層係止部材
7:耐熱性補強層拡張部
10:トレッド部
11:ビード部
12:サイドウォール部
T:空気入りタイヤ

Claims (12)

  1. 多孔質材料からなる吸音材と、該吸音材をタイヤ内面に装着するための環状に形成されたバンド部材とを備えたタイヤ騒音低減装置において、前記バンド部材を熱可塑性樹脂で構成するとともに、該バンド部材に耐熱性補強層を付設し、該耐熱性補強層は、連続した前記バンド部材を全周巻き回し、かつ該耐熱性補強層の周方向の両端部付近に貫通孔が設けられ、該貫通孔を通して耐熱性補強層係止部材が、前記バンド部材と接合されてなることを特徴とするタイヤ用騒音低減装置。
  2. 前記耐熱性補強層が、その周方向の両端部が重なり合うオーバーラップ部を構成し、かつ該オーバーラップ部において、少なくとも一部が重なり合う位置に前記貫通孔が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用騒音低減装置。
  3. 前記耐熱性補強層の周方向両端部のオーバーラップ部は、前記貫通孔を有するとともにタイヤ幅方向に拡張した耐熱性補強層拡張部を有し、該耐熱性補強層拡張部が前記バンド部材の裏側(バンド部材の内周面側)に折り返されて、バンド部材内周面において、該貫通孔を通して、該バンド部材と同じ材料で構成されている耐熱性補強層係止部材が該バンド部材と接合されてなることを特徴とする請求項2記載のタイヤ用騒音低減装置。
  4. 前記耐熱性補強層係止部材とバンド部材は、同一の熱可塑性樹脂で構成され、前記耐熱補強層係止部材とバンド部材との接合が熱溶着によることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置。
  5. 前記バンド部材および前記耐熱性補強層の合計断面積が10〜200m2 であり、それぞれの断面積〈mm2 〉と100℃における引張強さ〈部材長手方向〉〈MPa〉の積の合計が400N以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置。
  6. 前記耐熱性補強層は、荷重たわみ温度(ASTM D648(1.82MPa))が150℃以上である樹脂層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置。
  7. 前記耐熱性補強層の周方向の両端部付近に設けられた貫通孔に加え、該耐熱性補強層の非両端部箇所にも貫通孔が設けられ、該非両端部貫通孔を通して耐熱性補強層係止部材が、該バンド部材と接合されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置。
  8. 前記多孔質材料からなる吸音材が、全周にわたり連続した環状をなして存在しているものであり、前記耐熱性補強層係止部材が該吸音材を間に挟んで前記バンド部材と接合されていることを特徴とする請求項7記載のタイヤ用騒音低減装置。
  9. 前記多孔質材料からなる吸音材が、不連続である複数個の吸音材が列状をなして全周にわたり存在しているものであり、前記耐熱性補強層係止部材が、前記吸音材が存在している位置で該吸音材を間に挟んで前記バンド部材と接合されてなることを特徴とする請求項7記載のタイヤ騒音低減装置。
  10. 前記多孔質材料からなる吸音材が、不連続である複数個の吸音材が列状をなして全周にわたり存在しているものであり、前記耐熱性補強層係止部材が、前記吸音材が存在していない位置で該吸音材と前記バンド部材が接合されてなることを特徴とする請求項7記載のタイヤ用騒音低減装置。
  11. 前記吸音材を間に挟み前記バンド部材と接合されている箇所で使用されている前記耐熱性補強層係止部材が、バンド部材を構成する樹脂と同一の熱可塑性樹脂で構成され、前記吸音材を間に挟んだ該耐熱性補強層係止部材と該バンド部材との接合が、熱溶着によることを特徴とする請求項8または9記載のタイヤ用騒音低減装置。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載のタイヤ用騒音低減装置を、タイヤ内腔内に備えてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
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