JP2016060350A - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転席側の斜め前方に向かって移動する乗員を、膨張を完了させたエアバッグによって円滑に保護可能な助手席用エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】助手席16前方のインパネ1の収納部位に収納されたエアバッグ31が、作動時、助手席16に着座した乗員PMを保護可能に、展開膨張する助手席用エアバッグ装置30である。エアバッグは、後面32cを、前方移動する乗員を受け止める前突用拘束面40として、膨張を完了させる本体バッグ部32と、前突用拘束面に連なって後方に延びる側面側を、運転席13側の斜め前方に移動する乗員の頭部Hを受け止め可能な斜突用拘束面55として膨張を完了させる補助バッグ部50と、を備える。補助バッグ部は、斜め前方に移動する乗員の頭部の受け止め時における運転席側への移動時、ステアリングホイール6に当接して支持される支持部65を備える。
【選択図】図15
【解決手段】助手席16前方のインパネ1の収納部位に収納されたエアバッグ31が、作動時、助手席16に着座した乗員PMを保護可能に、展開膨張する助手席用エアバッグ装置30である。エアバッグは、後面32cを、前方移動する乗員を受け止める前突用拘束面40として、膨張を完了させる本体バッグ部32と、前突用拘束面に連なって後方に延びる側面側を、運転席13側の斜め前方に移動する乗員の頭部Hを受け止め可能な斜突用拘束面55として膨張を完了させる補助バッグ部50と、を備える。補助バッグ部は、斜め前方に移動する乗員の頭部の受け止め時における運転席側への移動時、ステアリングホイール6に当接して支持される支持部65を備える。
【選択図】図15
Description
本発明は、展開膨張したエアバッグが、助手席に着座した乗員の前方に移動する車両の前面衝突時だけでなく、運転席側方向の斜め前方に移動する車両の斜突時にも、助手席に着座した乗員(特に頭部)を受け止め可能に、展開膨張する構成の助手席用エアバッグ装置に関する。
従来、助手席用エアバッグ装置としては、エアバッグが、膨張完了時に助手席に着座した乗員の前方を覆う本体バッグ部と、本体バッグ部の後端側における左右方向の端部近傍から後方に突出する補助バッグ部と、を備える構成のものがあった(例えば、特許文献1〜3参照)。
これらの従来の助手席用エアバッグ装置では、エアバッグが、膨張完了時に、助手席に着座した乗員の前方に加えて、斜め前方も覆い可能とするように、補助バッグ部を備える構成であった。しかしながら、これらの従来の助手席用エアバッグ装置では、車両が斜め衝突やオフセット衝突等の斜突時に、乗員が運転席側の斜め前方に大きく移動するような場合、補助バッグ部が乗員の頭部を受け止めた状態で、エアバッグ全体が運転席側に大きく倒れ、乗員の頭部が補助バッグ部から外れる虞れも生ずる。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、運転席側の斜め前方に向かって移動する乗員を、膨張を完了させたエアバッグによって円滑に保護可能な助手席用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る助手席用エアバッグ装置は、車両の助手席前方のインストルメントパネルに配置される収納部位に、折り畳まれて収納されたエアバッグが、作動時、助手席に着座した乗員を保護可能に、膨張用ガスを流入させて、前記収納部位から後方側へ展開膨張する構成とした助手席用エアバッグ装置であって、
前記エアバッグが、
膨張完了時の後面を、車両の前面衝突時の前方に移動する乗員を受け止める前突用拘束面として、膨張を完了させる本体バッグ部と、
前記前突用拘束面における車両の運転席側の縁から後方へ突出する膨張形状として、前記前突用拘束面に連なって後方に延びる側面側を、車両の斜突時における運転席側の斜め前方に移動する乗員の頭部を受け止め可能な斜突用拘束面、として、前記本体バッグ部の後端側における運転席側で膨張を完了させる補助バッグ部と、
を備えて構成され、
前記補助バッグ部が、斜め前方に移動する乗員の頭部の受け止め時における運転席側への移動時、運転席前方のステアリングホイールに当接して支持される支持部を備えて構成されていることを特徴とする。
前記エアバッグが、
膨張完了時の後面を、車両の前面衝突時の前方に移動する乗員を受け止める前突用拘束面として、膨張を完了させる本体バッグ部と、
前記前突用拘束面における車両の運転席側の縁から後方へ突出する膨張形状として、前記前突用拘束面に連なって後方に延びる側面側を、車両の斜突時における運転席側の斜め前方に移動する乗員の頭部を受け止め可能な斜突用拘束面、として、前記本体バッグ部の後端側における運転席側で膨張を完了させる補助バッグ部と、
を備えて構成され、
前記補助バッグ部が、斜め前方に移動する乗員の頭部の受け止め時における運転席側への移動時、運転席前方のステアリングホイールに当接して支持される支持部を備えて構成されていることを特徴とする。
本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、作動時、エアバッグが膨張し、本体バッグ部と補助バッグ部とが膨張を完了させて、乗員が前方移動すれば、乗員の頭部や胴部を含めた上半身が本体バッグ部の前突用拘束面に受け止められて、乗員が保護される。また、車両が斜め衝突やオフセット衝突等した際の車両の斜突時、乗員が運転席側の斜め前方に移動すれば、乗員の頭部は、補助バッグ部の斜突用拘束面に受け止められて、乗員頭部が保護される。その際、乗員の頭部が、乗員の上半身とともに、運転席側の斜め前方に大きく移動して、補助バッグ部が、乗員の頭部を受け止めつつ、本体バッグ部とともに、運転席側の前方へ倒れようとしても、支持部が運転席前方のステアリングホイールに当接して支持されることととなる。そのため、補助バッグ部が、斜め前方へ移動せず、逆に、ステアリングホイールの反力を受けて、乗員の頭部を安定して受け止めて保護することができる。またその際、本体バッグ部も、補助バッグ部の移動規制により、運転席側への倒れ込みが防止されて、乗員の上半身を安定して受け止めることができる。その結果、エアバッグは、斜突時に、運転席側の斜め前方に倒れても、乗員を的確に受け止めて保護することができる。
したがって、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、運転席側の斜め前方に向かって移動する乗員を、膨張を完了させたエアバッグによって円滑に保護することができる。
そして、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、エアバッグの支持部は、膨張完了時における補助バッグ部の前面側や側面側に配設させることができる。
支持部を膨張完了時における補助バッグ部の前面側に配設させている場合には、補助バッグ部の前面側の支持部がステアリングホイールの後面側に支持されれば、ステアリングホイールに係止された状態となって、補助バッグ部が、前方移動を停止された状態として、乗員頭部を受け止めることができる。
支持部を膨張完了時における補助バッグ部の側面側に配設させている場合には、補助バッグ部の側面側の支持部がステアリングホイールの後面側から外周面側に支持されれば、車幅方向に沿う運転席側への移動を防止された状態で、補助バッグ部が、乗員頭部を受け止めることができる。
そして、支持部が補助バッグ部の運転席側の側面側に配設されている場合には、支持部は、ステアリングホイールの操舵時に把持するリング部における助手席側の部位を収納可能なずれ規制用凹部、を備えて構成されることが望ましい。
このような構成では、ずれ規制用凹部にステアリングホイールのリング部が収納されれば、補助バッグ部は、リング部と摺動することを抑制され、換言すれば、前方側への移動を規制されて、乗員頭部を受け止めることができる。
この場合のずれ規制用凹部は、ずれ規制用凹部の底部付近に先端を結合させて、元部側をエアバッグの内周側の部位に結合させて、ずれ規制用凹部の底部付近をエアバッグの内側に引っ張るテザーにより、形成することが望ましい。
このような構成では、補助バッグ部の運転席側の側面側の壁部にタック等を設けて凹部を形成する場合に比べて、容易に、深く、かつ、広いエリアで、凹部を形成することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置30は、図1〜3に示すように、助手席16の前方のインストルメントパネル(インパネ)1の部位(助手席側部)3に搭載されている。助手席用エアバッグ装置30は、助手席側部3に折り畳まれて収納されるエアバッグ31と、エアバッグ31に膨張用ガスGを供給する二つのインフレーター93と、折り畳まれたエアバッグ31とインフレーター93とを収納保持するケース95と、折り畳まれたエアバッグ31の上方を覆うエアバッグカバー97と、を備えて構成される。
なお、本明細書において、前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両Vの前後・上下・左右の方向と一致するものである。
エアバッグカバー97は、図1に示すように、インパネ1の助手席側部3に配設され、膨張するエアバッグ31に押されて前後両側に開くドア97a,97bを備えて構成されている。ドア97a,97bの周囲には、下方に延びる側壁97cが突設されている。
ケース95は、図1に示すように、折り畳まれたエアバッグ31の収納部位を構成するもので、上方を開口させた板金製の略直方体形状として、長方形板状の底壁部95aと、底壁部95aの外周縁から上方に延びる周壁部95cと、を備えて構成される。底壁部95aには、左右に並設された二つのインフレーター93の各本体部93aを下方から挿入する円形の開口95bが設けられ、各開口95bの周縁には、リテーナ91の各ボルト91aを挿通させる取付孔(図符号省略)が形成されている。二つの開口95bは、エアバッグ31の後述する流入用開口35,36(図2,4参照)に対応して、二つ形成されている。周壁部95cの上端には、エアバッグカバー97の側壁97cを係止する係止爪部95dが形成されている。
なお、ケース95の底壁部95aや周壁部95cには、インパネリンホースから延びるブラケットに取付固定される図示しない取付片部が配設されている。換言すれば、これらの図示しない取付片部は、助手席用エアバッグ装置30を車両Vのボディ側に連結固定させる役目を果たす。
各インフレーター93は、それぞれ、円柱状の本体部93aと、本体部93aの外周面に配設される四角環状のフランジ部93cと、を備えて構成され、本体部93aの上部には、膨張用ガスGを吐出するガス吐出口93bが形成されている。フランジ部93cには、リテーナ91のボルト91aを挿通させる貫通孔(図符号省略)が形成されている。
リテーナ91は、それぞれ、左右のインフレーター93とエアバッグ31とをケース95に取付固定するもので、エアバッグ31の二つの開口35,36(図2,4参照)の周縁にそれぞれ配設されることから、二つ使用され、それぞれ、本体部93aを挿通可能な四角環状として、四隅に下方に突出するボルト91aを配設させている。各リテーナ91は、それぞれ、各ボルト91aをエアバッグ31の取付孔37から突出させて、エアバッグ31内の開口35,36(図2,4参照)の周縁に配置され、さらに、各ボルト91aを、ケース95の底壁部95aの開口95bの周縁とインフレーター93のフランジ部93cとに、貫通させ、そして、各ボルト91aにナット92を締結させることにより、ケース95の底壁部95aに対して、各インフレーター93とエアバッグ31とを取付固定している。
エアバッグ31は、図4〜7に示すように、略四角錘形状として膨張する本体バッグ部32と、本体バッグ部32の後端部32b側における運転席13側(すなわち、実施形態では左側)で、略直方体形状として膨張する補助バッグ部50と、を備えて構成されている。
本体バッグ部32は、膨張完了形状として、収納部位としてのケース95から後方に延びるように膨張し、前方側に向かって上下方向の幅寸法を狭めて、前端部32a側を左右に延ばしたような略四角錘形状とし、外周壁33として、上面側の上壁部33a、下面側の下壁部33b、運転席13側とした左側面32e側の左壁部33c、右側面32d側の右壁部33d、後面32c側の後壁部33eを有して構成されている。
そして、本体バッグ部32は、膨張完了時の略鉛直方向に沿って配設される後面32cを、前突用拘束面40としており、前突用拘束面40は、車両Vの前面衝突時、助手席16に着座している乗員PMの前方移動時に、その乗員PMの頭部Hや胸部Bを含めた上半身UBを受け止めるように配設されている。また、本体バッグ部32は、前端部32a側の下面を、ケース95の底壁部95aに取り付けられる取付部34としている。取付部34には、各インフレーター93を下方から挿入させ、かつ、周縁を各リテーナ91により押さえられる流入用開口35,36が、円形に開口されて配設されている。流入用開口35,36の周縁には、各リテーナ91のそれぞれのボルト91aを挿通させる取付孔37が形成されている。
さらに、本体バッグ部32は、膨張完了時の前突用拘束面40の取付部34からの距離を安定させるように、取付部34と前突用拘束面40とを連結する縦テザー46を配設させている。縦テザー46は、前端46a側が二つのリテーナ91に押さえられて取付部34に結合され、後端46b側が、前後方向に沿う折目を付けるように二つ折りされて、前突用拘束面40の左右方向の中央から延びる舌片部81a,82aに結合されている(図4,7参照)。
なお、本体バッグ部32の後面32c側は、左右に二分割されるリヤパネル81,82(図8参照)を配設させており、これらのリヤパネル81,82は、舌片部81a,82aを前方に突出させるようにして、舌片部81a,82a近傍相互を上下方向に沿って縫合することにより、前突用拘束面40を構成している。但し、左側のリヤパネル81は、舌片部81a近傍の右側部81bが、前突用拘束面40を構成し(図7参照)、左側部81cの上部81dが、補助バッグ部50の前壁52aにおける右側の取付部位58を結合させる取付部位42、を構成している。取付部位42には、補助バッグ部50側へ膨張用ガスGを流すために、左右方向に延びた長円形の連通孔44が、上下二段として左右に並設させた状態で、合計4個として、開口されている。
また、本体バッグ部32の右側面32dや左側面32eには、ベントホール48が開口されている。
補助バッグ部50は、膨張完了形状として、前壁52a、後壁52b、左壁52c、右壁52d、上壁52e、及び、下壁52fを有した外周壁52を備えた略直方体形状としている。補助バッグ部50は、前壁52aの右側の略半分を取付部位58として、本体バッグ部32の後壁部33eに設けた取付部位42に、縫着により取り付けられており、本体バッグ部32の後面32cの上部側における運転席13側となる左角部32f付近で、部分的に、後方と運転席13側の左方とに突出するように、配設されている。取付部位58には、連通孔44と同じように左右方向に延びた長円形に開口する4つの連通孔60が配設され、膨張用ガスGが、連通孔44,60を経て、本体バッグ部32から補助バッグ部50側に供給される構成としている。
そして、補助バッグ部50は、車両Vの斜突時(車両Vの斜め衝突とオフセット衝突とを含む)において、運転席13側の斜め前方に移動する乗員PMの頭部Hを受け止めるように配設されている。すなわち、補助バッグ部50は、前突用拘束面40における運転席13側の縁の上部、すなわち、左縁40aの上部40b、から後方へ突出するように配設され、そして、補助バッグ部50における前突用拘束面40に連なって後方に延びる側面50c側を、乗員PMの頭部Hを受け止め可能な斜突用拘束面55として、この斜突用拘束面55により、車両Vの斜突時における運転席13側の斜め前方に移動する乗員PMの頭部Hを受け止めるように構成されている。
また、補助バッグ部50は、膨張完了後における斜め前方に移動する乗員PMの頭部Hの受け止め時における運転席13側への移動時、運転席13の前方に搭載されているステアリングホイール6に当接して支持される支持部65、を備えて構成されている。第1実施形態の場合、支持部65は、本体バッグ部32の左側面32eから突出した前端面(前面)50aの左縁近傍(前端面50aと運転席13側の側面50bとの交差部50eの近傍の前端面50a側)としている(図7,15参照)。
なお、運転席13の前方には、図2,3に示すように、ステアリングホイール6を備えたステアリング装置5が配設されている。ステアリングホイール6は、車両Vの操舵時に把持する円環状のリング部8、図示しないステアリングシャフトに接続される中央のボス部7、及び、ボス部7とリング部8とを連結するスポーク部9、を備えて構成されている。ボス部7には、作動時に、運転席用のエアバッグ21を膨張させる運転席用エアバッグ装置20が配設されている。運転席用のエアバッグ21は、ステアリングホイール6のボス部7に折り畳まれて収納され、運転席用エアバッグ装置20の作動時、前方移動する運転席13に着座した運転者DMを受け止めることができるように、図示しないインフレーターからの膨張用ガスを流入させて、収納部位のボス部7から後方に展開膨張する。このエアバッグ21は、膨張完了形状を、リング部8より外形寸法を大きくする略円板状として、膨張完了時、前面側がリング部8の後面側に支持される構成としている。
但し、補助バッグ部50が大きな運動エネルギーで斜め前方に移動する乗員PMの頭部Hを受け止めると、図14,15に示すように、本体バッグ部32の取付部34付近を中心として、エアバッグ31が時計回り方向に回転するような挙動となり、補助バッグ部50が、エアバッグ21をずらして、ステアリングホイール6と接触する事態を招く。そして、第1実施形態では、補助バッグ部50の支持部65としての前端面50aが、リング部8の右縁8a側(特に、右縁8aの後面側)に当接して支持され、補助バッグ部50の移動が規制されることとなる。
つぎに、助手席用のエアバッグ31を構成する構成部材を説明すると、構成部材は、図8に示すように、エアバッグ31の本体バッグ部32や補助バッグ部50の外周壁33,52を構成するものとして、フロントパネル71、リヤパネル81,82、帯状パネル83、アッパパネル84、及び、ロアパネル85が使用されている。さらに、エアバッグ31を構成する構成部材としては、エアバッグ31の内部に配設される縦テザー布72、補強布73,74,75,76、及び、ミストパッチ77が使用されている。これらの構成部材は、ポリアミドやポリエステル等の織布から構成されている。
フロントパネル71は、本体バッグ部32の上壁部33a、下壁部33b、及び、エアバッグ31の前部側の左壁部33cの一部と右壁部33dの一部とを構成している。リヤパネル81は、本体バッグ部32の後壁部33e(後面32c)における前突用拘束面40の左側、及び、左壁部33cの後部側の一部、を構成している。リヤパネル82は、エアバッグ31の後壁部33e(後面32c)における前突用拘束面40の右側、及び、右壁部33dの後部側の一部と、を構成している。帯状パネル83は、補助バッグ部50の前壁52a、左壁52c、後壁52b、及び、斜突用拘束面55を設けた右壁52dを構成している。アッパパネル84は、補助バッグ部50の上壁52eを構成し、ロアパネル85は、補助バッグ部50の下壁52fを構成している。
縦テザー布72は、縦テザー46を構成するものである。補強布73,75とミストパッチ77は、本体バッグ部32の取付部34の補強と耐熱性を高めるために、結合される。
これらの構成部材を使用して、エアバッグ31を製造する工程を簡単に説明すれば、極力、縫代を外表面側に露出させないように、最終的に、流入用開口35を利用して、反転させる縫製手順により、製造する。そのため、フロントパネル71側では、まず、図9のA,B、図10のAに示すように、上壁部33aと下壁部33bとの境界部位付近に、縫合糸S1,S1を使用して、補強布73の上下方向の両縁を縫合し、さらに、フロントパネル71の取付部34の部位に、縦テザー布72、補強布75、及び、ミストパッチ77を重ね、縫合糸S2を使用して縫合し、ついで、孔開け加工により、流入用開口35,36を形成する。なお、ベントホール48は、予め、フロントパネル71に設けておく。その後、図10のBに示すように、フロントパネル71の上壁部33aと下壁部33bとに対応する部位を、エアバッグ31の外表面側の面相互を合わせて、二つ折りし、本体バッグ部32の前部側における上壁部33aと下壁部33bとに対応する左右の縁71a,71a相互と縁71b,71b相互とを、縫合糸S3を使用して、縫合する。
また、リヤパネル81の部位では、図11のAに示すように、帯状パネル83における前壁52aの取付部位58に対応する部位を、リヤパネル81の取付部位42に対応する部位に対して、縫合糸S4を使用して縫合し、連通孔44,60を設けておく。さらに、図11のB、図12のAに示すように、帯状パネル83の上縁83aとアッパパネル84の外周縁84aとを縫合するとともに、帯状パネル83の下縁83bとロアパネル85の外周縁85aとを縫合し、そして、帯状パネル83の先端縁83cをリヤパネル81の左上部81dに対し、縫合糸S5を使用して、縫合する。
ついで、図12のB,Cに示すように、リヤパネル81,82の舌片部81a,82aを重ねて、縫合糸S6を使用して、その近傍相互を縫合し、さらに、上縁81e,82b相互と、下縁81f,82c相互とが、それぞれ、連なるように、リヤパネル81,82を平らに展開しておく。
ついで、図13のA,Bに示すように、本体バッグ部32の内周面を外表面側に露出させるようにして、フロントパネル71の上縁71c側と下縁71d側とを離隔させるように開いて平らに展開させ、リヤパネル81,82の内周面を外表面側に露出させるようにしつつ、それらの対応する上縁81e,82bと下縁81f,82cとを重ねて、重ねた外周縁相互を、縫合糸S7を使用して、縫合する。その後、流入用開口35を利用して、本体バッグ部32を反転させ、流入用開口35から引き出して、縦テザー46を形成するように、縦テザー布72の後部72aを二つ折りして、その後部72aとリヤパネル81,82の重ねた舌片部81a,82aとを、縫合糸S8を使用して縫合し、縫合後、引き出した部位を、流入用開口35を利用して、本体バッグ部32内に戻せば、図13のCに示すように、エアバッグ31の製造を完了させることができる。
助手席用エアバッグ装置30の車両Vへの搭載は、まず、各ボルト91aを取付孔37から突出させて、エアバッグ31内に二つのリテーナ91を収納する。そして、エアバッグ31を折り畳んで、ケース95内に収納するように、底壁部95a上に載せるとともに、各リテーナ91のボルト91aを底壁部95aの開口95b,95bの周縁における取付孔(図符号省略)から突出させる。そして、対応するインフレーター93の本体部93aを、開口95b,95bを経て、下方からケース95内に挿入し、各フランジ部93cにボルト91aを貫通させて、各ボルト91aにナット92を締結すれば、底壁部95aに、インフレーター93とともに折り畳まれたエアバッグ31を取付固定することができる。
その後、図示しない取付片部を利用して、ケース95を、車両Vの所定のインパネリンホースから延びるブラケットに連結させ、各インフレーター93にエアバッグ装置30の作動用の図示しない制御装置から延びる作動信号入力用のリード線を結線し、ケース95の係止爪部95dをエアバッグカバー97の側壁97cに係止させつつ、インパネ1を車両Vに組み付ければ、助手席用エアバッグ装置30を車両Vに搭載することができる。
そしてまた、別途、図示しない制御装置から延びる作動信号入力用のリード線は、運転席用エアバッグ装置20のインフレーターに結線する。運転席用エアバッグ装置20は、ステアリングホイール6に組み付けられた状態として、そのステアリングホイール6をステアリング装置5に装着すれば、運転席用エアバッグ装置20を車両Vに搭載することができる。そして、運転席用エアバッグ装置20と助手席用エアバッグ装置30とを車両Vに搭載すれば、運転席用エアバッグ装置20と助手席用エアバッグ装置30とを具備して構成される前席乗員保護装置FABを、車両Vに搭載することができる。
第1実施形態の助手席用エアバッグ装置30では、車両Vへの搭載後、作動信号が各インフレーター93に入力されれば、エアバッグ31が、エアバッグカバー97のドア97a,97bを押し開いて、ケース95から後方側へ突出しつつ、展開膨張することとなる(図1〜3の二点鎖線、図14参照)。なお、この作動時、運転席用エアバッグ装置20も作動され、エアバッグ21が、収納部位であるボス部7から後方側へ突出しつつ、展開膨張することとなる。
そして、作動時には、エアバッグ31が膨張し、本体バッグ部32と補助バッグ部50とが膨張を完了させて、車両Vの前面衝突に伴なって乗員PMが前方移動すれば、乗員PMの頭部Hや胸部Bを含めた上半身UBが本体バッグ部32の前突用拘束面40に受け止められて、乗員PMが保護される。また、車両Vが斜め衝突やオフセット衝突等した際の車両Vの斜突時において、図14の二点鎖線に示すように、乗員PMが運転席13側の斜め前方に移動すれば、乗員PMの頭部Hは、補助バッグ部50の斜突用拘束面55に受け止められて、乗員PMの頭部Hが保護される。その際、乗員PMの頭部Hが、乗員PMの上半身UBとともに、運転席13側の斜め前方に大きく移動して、補助バッグ部50が、乗員PMの頭部Hを受け止めつつ、本体バッグ部32とともに、運転席13側の前方へ倒れようとしても、図15に示すように、支持部65が、クッション性のあるエアバッグ21による支持と相違して、運転席13前方における剛性の高いステアリングホイール6のリング部8の右縁8aに、当接して支持されることととなる。そのため、補助バッグ部50が、それ以上、斜め前方へ移動せず、逆に、ステアリングホイール6のリング部8の反力を受けて、乗員PMの頭部Hを安定して受け止めて保護することができる。またその際、本体バッグ部32も、補助バッグ部50の移動規制により、運転席13側への倒れ込みが防止されて、乗員PMの上半身UBを安定して受け止めることができる。その結果、エアバッグ31は、斜突時に、運転席13側の斜め前方に倒れても、乗員PMを的確に受け止めて保護することができる。
したがって、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置30では、運転席13側の斜め前方に向かって移動する乗員PMを、膨張を完了させたエアバッグ31によって円滑に保護することができる。
また、第1実施形態では、エアバッグ31における補助バッグ部50の支持部65が、補助バッグ部50の前面50a側に配設されている。そのため、補助バッグ部50の前面50a側の支持部65がステアリングホイール6のリング部8の右縁8a(特に、右縁8aの後面側)に支持されれば、ステアリングホイール6のリング部8に係止された状態となって、補助バッグ部50が、前方移動を停止された状態として、乗員PMの頭部Hを受け止めることができる。
なお、補助バッグ部50の斜突用拘束面55は、上方から見て、前突用拘束面40から緩やかに曲面状に連なって後方に延びるように、構成されており(図7参照)、運転席13側の斜め前方に移動する頭部Hの受け止め時、前突用拘束面40と斜突用拘束面55との交差部位の曲面状の曲面部54を含めて、広い面積で受け止めることができて、頭部Hを、上方から見て時計回り方向に旋回させるような挙動を生じさせること無く、クッション性良く受け止めることができる。
つぎに、図16,17,24,25に示す第2実施形態の助手席用エアバッグ装置30Aについて説明すると、この第2実施形態では、エアバッグ31Aの補助バッグ部50Aが、ステアリングホイール6のリング部8の右縁8aに支持される支持部65Aを、運転席13側の側面50bに配設させて構成されている。
なお、エアバッグ31Aは、第1実施形態と同様な本体バッグ部32と、第1実施形態と相違した補助バッグ部50Aと、から構成されている。具体的には、図18〜20に示すように、構成部材の帯状パネル83Aが左右方向の長さ寸法を長くし、また、アッパパネル84Aとロアパネル85Aとが、左縁84b,85b側を前方に延ばした略長方形の延設部84c,85cを設けた構成としている。
そのため、第2実施形態の補助バッグ部50Aでは、膨張完了時、本体バッグ部32の後端部32b側の左角部32fを囲むように、本体バッグ部32から後方へ突出し、かつ,運転席13側の左方へ突出するように、配設されることとなる。
また、第2実施形態では、ステアリングホイール6のリング部8の右縁8aに支持される支持部65Aに、右縁8aを収納するように凹んだずれ規制用凹部67が、配設されている。このずれ規制用凹部67は、補助バッグ部50Aの内周面側において、補助バッグ部50Aの外周壁52の左壁52cと、本体バッグ部32の取付部位42と、を連結するテザー68により、形成されている。換言すれば、テザー68は、先端部68aを、ずれ規制用凹部67の底部67aとなる連結部52gに結合させ、元部68bを、帯状パネル83Aの取付部位58を介在させて、本体バッグ部32の取付部位42の連結部43に結合させている。そして、テザー68は、左壁52cの連結部52gの部位を、右方側の本体バッグ部32の左角部32f側に牽引するように、左右方向の長さ寸法が設定されて、配設されている。
なお、テザー68は、連結部52g側に連結されるテザー用布87と、連結部43側に連結されるテザー用布88とを相互に縫合して形成されている。
このエアバッグ31Aの構成部材は、図20に示すように、第1実施形態と略同様であるが、既述したように、帯状パネル83A、アッパパネル84A,及び、ロアパネル85Aの形状が相違し、さらに、テザー用布87,88を備えている点が相違する。第1実施形態と同様な部材、部位には、極力、同じ符号を付して、説明を省略する。
そして、エアバッグ31Aの製造に関しては、フロントパネル71側では、第1実施形態と同様に、図9のA,B、図10のA,Bに示す工程により、縫合作業を行っておく。すなわち、上壁部33aと下壁部33bとの境界部位付近に、縫合糸S1,S1を使用して、補強布73の上下方向の両縁を縫合し、さらに、フロントパネル71の取付部34の部位に、縦テザー布72、補強布75、及び、ミストパッチ77を重ね、縫合糸S2を使用して縫合し、ついで、孔開け加工により、流入用開口35,36を形成する。ベントホール48も、予め、フロントパネル71に設けておく。さらに、その後、図10のBに示すように、フロントパネル71の上壁部33aと下壁部33bとに対応する部位を、エアバッグ31の外表面側の面相互を合わせて、二つ折りし、本体バッグ部32の前部側における上壁部33aと下壁部33bとに対応する左右の縁71a,71a相互と縁71b,71b相互とを、縫合糸S3を使用して、縫合する。
そして、リヤパネル81の部位では、図21のAに示すように、帯状パネル83Aの前壁52aの取付部位58に対応する部位を、リヤパネル81の取付部位42に対応する部位に対して、縫合糸S4を使用して縫合し、連通孔44,60を設けるとともに、縫合糸S9を使用して、帯状パネル83Aの連結部52gの部位にテザー用布87を縫合し、かつ、テザー用布88を、帯状パネル83Aを介在させて、リヤパネル81の連結部43の部位に縫合する。ついで、図21のB、図22のAに示すように、テザー用布87,88を相互に縫合するとともに、帯状パネル83Aの上縁83aとアッパパネル84Aの外周縁84aとを縫合し、かつ、帯状パネル83Aの下縁83bとロアパネル85Aの外周縁85aとを縫合し、そして、帯状パネル83Aの先端縁83cをリヤパネル81の左上部81dに対し、縫合糸S5を使用して、縫合する。
ついで、図22のB,Cに示すように、リヤパネル81,82の舌片部81a,82aを重ねて、縫合糸S6を使用して、その近傍相互を縫合し、さらに、上縁81e,82b相互と、下縁81f,82c相互とが、それぞれ、連なるように、リヤパネル81,82を平らに展開しておく。
ついで、図23のA,Bに示すように、本体バッグ部32の内周面を外表面側に露出させるようにして、フロントパネル71の上縁71c側と下縁71d側とを離隔させるように開いて平らに展開させ、リヤパネル81,82の内周面を外表面側に露出させるようにしつつ、それらの対応する上縁81e,82bと下縁81f,82cとを重ねて、重ねた外周縁相互を、縫合糸S7を使用して、縫合する。その後、流入用開口35を利用して、本体バッグ部32を反転させ、流入用開口35から引き出して、縦テザー46を形成するように、縦テザー布72の後部72aを二つ折りして、その後部72aとリヤパネル81,82の重ねた舌片部81a,82aとを、縫合糸S8を使用して縫合し、縫合後、引き出した部位を、流入用開口35を利用して、本体バッグ部32内に戻せば、図23のCに示すように、エアバッグ31Aの製造を完了させることができる。
このように製造したエアバッグ31Aは、第1実施形態と同様に、リテーナ91等を収納して折り畳み、そして、インフレーター93等とともにケース95に組み付けて、助手席用エアバッグ装置30Aとして、車両Vに搭載することとなる。
車両Vへの搭載後、図16,17の二点鎖線や図24に示すように、助手席用エアバッグ装置30Aが作動して、エアバッグ31Aが膨張し、本体バッグ部32と補助バッグ部50Aとが膨張を完了させて、車両Vの前面衝突に伴なって乗員PMが前方移動すれば、乗員PMの頭部Hや胸部Bを含めた上半身UBが本体バッグ部32の前突用拘束面40に受け止められて、乗員PMが保護される。また、車両Vが斜め衝突やオフセット衝突等した際の車両Vの斜突時において、図24の二点鎖線に示すように、乗員PMが運転席13側の斜め前方に移動すれば、乗員PMの頭部Hは、補助バッグ部50Aの斜突用拘束面55に受け止められて、乗員PMの頭部Hが保護される。その際、乗員PMの頭部Hが、乗員PMの上半身UBとともに、運転席13側の斜め前方に大きく移動して、補助バッグ部50Aが、乗員PMの頭部Hを受け止めつつ、本体バッグ部32とともに、運転席13側の前方へ倒れようとしても、図25に示すように、支持部65Aが、クッション性のあるエアバッグ21による支持と相違して、運転席13前方における剛性の高いステアリングホイール6のリング部8の右縁8aに、当接して支持されることととなる。そのため、補助バッグ部50Aが、それ以上、斜め前方へ移動せず、逆に、ステアリングホイール6のリング部8の反力を受けて、乗員PMの頭部Hを安定して受け止めて保護することができる。またその際、本体バッグ部32も、補助バッグ部50Aの移動規制により、運転席13側への倒れ込みが防止されて、乗員PMの上半身UBを安定して受け止めることができる。その結果、エアバッグ31は、斜突時に、運転席13側の斜め前方に倒れても、乗員PMを的確に受け止めて保護することができる。
したがって、第2実施形態の助手席用エアバッグ装置30Aでも、運転席13側の斜め前方に向かって移動する乗員PMを、膨張を完了させたエアバッグ31Aによって円滑に保護することができる。
また、第2実施形態では、エアバッグ31Aにおける補助バッグ部50Aの支持部65Aが、補助バッグ部50Aの運転席13側となる側面50b側に配設されている。そのため、補助バッグ部50Aの側面50b側の支持部65Aがステアリングホイール6のリング部8の右縁8a(詳しくは、右縁8aの後面側から外周面側にわたる部位)に支持されれば、車幅方向に沿う運転席13側への移動を防止された状態で、補助バッグ部50Aが、乗員PMの頭部Hを受け止めることができる。
特に、第2実施形態では、支持部65Aが、補助バッグ部50Aの運転席13側となる側面50b側に配設されるとともに、ステアリングホイール6の操舵時に把持するリング部8における助手席16側の部位である右縁8aを収納可能なずれ規制用凹部67、を備えて構成されている。
そのため、第2実施形態では、ずれ規制用凹部67にステアリングホイール6のリング部8の右縁8aが収納されれば、補助バッグ部50Aは、リング部8と摺動することを抑制され、換言すれば、前方側への移動を規制されて、乗員PMの頭部Hを受け止めることができる。
さらに、第2実施形態のずれ規制用凹部67は、ずれ規制用凹部67の底部67a付近に先端68aを結合させて、元部68b側をエアバッグ31Aの内周側の部位(連結部)43に結合させて、ずれ規制用凹部67の底部67a付近をエアバッグ31Aの内側(右側)に引っ張るテザー68により、形成されている。
そのため、第2実施形態では、補助バッグ部50Aの運転席13側の側面50b側の壁部52cにタック等を設けて凹部を形成する場合に比べて、容易に、深く、かつ、広いエリアで、凹部67を形成することができる。
なお、膨張完了時の補助バッグ部の運転席側の側面が、ステアリングホイール6のリング部8の助手席16側となる右縁8aに対し、前方側へのすべりを抑制されて、支持されれば、図26〜29に示す第3実施形態の助手席用エアバッグ装置30Bのエアバッグ31Bのように、ずれ規制用凹部67を設けず、換言すれば、テザー68を配設せずに、構成してもよい。
この第3実施形態の助手席用エアバッグ装置30Bでは、エアバッグ31Bの補助バッグ部50Bが、テザー68を配設させていない点を第2実施形態のエアバッグ31Aと異ならせているだけで、本体バッグ部32等の他の構成部位や構成部品は、第2実施形態と同様に構成されている。そのため、第2実施形態と同様な部位、部品は、第2実施形態と同様な符号を付して、説明を省略する。
この第3実施形態の助手席用エアバッグ装置30Bでも、車両Vへの搭載後に作動すれば、図28に示すように、エアバッグ31Bが膨張し、本体バッグ部32と補助バッグ部50Bとが膨張を完了させて、車両Vの前面衝突に伴なって乗員PMが前方移動すれば、乗員PMの頭部Hや胸部Bを含めた上半身UBが本体バッグ部32の前突用拘束面40に受け止められて、乗員PMが保護される。また、車両Vが斜め衝突やオフセット衝突等した際の車両Vの斜突時において、図28の二点鎖線に示すように、乗員PMが運転席13側の斜め前方に移動すれば、乗員PMの頭部Hは、補助バッグ部50Bの斜突用拘束面55に受け止められて、乗員PMの頭部Hが保護される。その際、乗員PMの頭部Hが、乗員PMの上半身UBとともに、運転席13側の斜め前方に大きく移動して、補助バッグ部50Bが、乗員PMの頭部Hを受け止めつつ、本体バッグ部32とともに、運転席13側の前方へ倒れようとしても、図26に示すように、補助バッグ部50Bの支持部65Bとしての運転席13側の側面50bの部位が、クッション性のあるエアバッグ21による支持と相違して、運転席13前方における剛性の高いステアリングホイール6のリング部8の右縁8a(詳しくは、右縁8aの後面側から外周面側にわたる部位)に、当接して支持されることととなる。そのため、補助バッグ部50Bが、それ以上、斜め前方へ移動せず、逆に、ステアリングホイール6のリング部8の反力を受けて、乗員PMの頭部Hを安定して受け止めて保護することができる。またその際、本体バッグ部32も、補助バッグ部50Bの移動規制により、運転席13側への倒れ込みが防止されて、乗員PMの上半身UBを安定して受け止めることができる。その結果、エアバッグ31Bは、斜突時に、運転席13側の斜め前方に倒れても、乗員PMを的確に受け止めて保護することができる。
なお、各実施形態では、補助バッグ部50,50A,50Bを、乗員PMの頭部Hをカバーできる上下方向の幅寸法分、本体バッグ部32の運転席13側の左角部32f付近で、後方と運転席側とに突設させたが、前突用拘束面40の上下方向の幅寸法と同等分、すなわち、本体バッグ部32の後面側の上下方向の全域で、後方と運転席13側とに突出すように、補助バッグ部50,50A,50Bを配設させてもよい。
1…(インストルメントパネル)インパネ、6…ステアリングホイール、8…リング部、8a…右縁、13…運転席、16…助手席、30,30A,30B…助手席用エアバッグ装置、31,31A,31B…エアバッグ、32…本体バッグ部、32c…後面、40…前突用拘束面、50,50A,50B…補助バッグ部、50a…(前面)前端面、50b…(運転席側)側面、50c…(助手席側)側面、55…斜突用拘束面、65,65A,65B…支持部、67…ずれ規制用凹部、67a…底部、68…テザー、95…(収納部位)ケース、G…膨張用ガス、V…車両、PM…(助手席)乗員、H…頭部、UB…上半身。
Claims (5)
- 車両の助手席前方のインストルメントパネルに配置される収納部位に、折り畳まれて収納されたエアバッグが、作動時、助手席に着座した乗員を保護可能に、膨張用ガスを流入させて、前記収納部位から後方側へ展開膨張する構成とした助手席用エアバッグ装置であって、
前記エアバッグが、
膨張完了時の後面を、車両の前面衝突時の前方に移動する乗員を受け止める前突用拘束面として、膨張を完了させる本体バッグ部と、
前記前突用拘束面における車両の運転席側の縁から後方へ突出する膨張形状として、前記前突用拘束面に連なって後方に延びる側面側を、車両の斜突時における運転席側の斜め前方に移動する乗員の頭部を受け止め可能な斜突用拘束面、として、前記本体バッグ部の後端側における運転席側で膨張を完了させる補助バッグ部と、
を備えて構成され、
前記補助バッグ部が、斜め前方に移動する乗員の頭部の受け止め時における運転席側への移動時、運転席前方のステアリングホイールに当接して支持される支持部を備えて構成されていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。 - 前記支持部が、膨張完了時における前記補助バッグ部の前面側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の助手席用エアバッグ装置。
- 前記支持部が、膨張完了時における前記補助バッグ部の運転席側の側面側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の助手席用エアバッグ装置。
- 前記支持部が、前記ステアリングホイールの操舵時に把持するリング部における助手席側の部位を収納可能なずれ規制用凹部、を備えて構成されていることを特徴とする請求項3に記載の助手席用エアバッグ装置。
- 前記ずれ規制用凹部が、前記ずれ規制用凹部の底部付近に先端を結合させて、元部側を前記エアバッグの内周側の部位に結合させて、前記ずれ規制用凹部の底部付近を前記エアバッグの内側に引っ張るテザーにより、形成されていることを特徴とする請求項4に記載の助手席用エアバッグ装置。
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