ところで、上記特許文献1の「玉ねぎの根切断機」では、2本1組の移送ロール間で玉ねぎの根を下向きに垂下させるのに、左右の移送ロールの外周に設けた各側のブラシ部を根に接触させて該根を下方に延ばすように行われるが、そのとき(根の下方延ばし時に)多数本の根のうちの一部が引き千切られて玉ねぎ本体から分離することがある。そして、移送ロール部分において各玉ねぎ本体から順次引き千切られる分離根の大部分はそのまま下方に落下するものの、一部の分離根は各移送ロールのブラシ部に付着し、延いては該ブラシ部に大量の分離根が絡み付くようになる。
そして、このように、移送ロールのブラシ部に大量の分離根が絡み付いたままであると、該ブラシ部による根垂れ下げ機能が低下することになるので、ブラシ部に絡み付いた分離根は定期的に除去(掃除)する必要がある。尚、この分離根の除去作業は、運転を停止してブラシ部に絡み付いている分離根を順次手作業で取外していくことで実行される。
ところが、ブラシ部に大量に絡み付いた分離根は、該ブラシ部に対して強固に付着している(絡み合っている)ので、その除去作業が非常に面倒であるとともに、その除去作業に長時間を要する(長時間の運転休止が必要となる)という問題があった。
そこで、本願発明は、上記のように、両移送ロールで移送される玉ねぎ類から分離した分離根が該移送ロールのブラシ部に絡み付くのを阻止(又は低減)し得るようにした玉ねぎ類の根除去装置を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明において処理の対象となる玉ねぎ類とは、玉ねぎ自体のほかに、ラッキョウ、ニンニク、ユリ根、球根等を含むものである。
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明は、根付き玉ねぎ類の根を順次自動で除去するための玉ねぎ類の根除去装置を対象としている。又、本願発明の玉ねぎ類の根除去装置で扱う「根付き玉ねぎ類」とは、収穫した状態の葉・根付き玉ねぎ類から葉(茎部分)を切除したものであるが、葉・根付き玉ねぎ類からの葉の除去作業は、玉ねぎ類の葉除去専用機で行ったり、本願実施例のように葉と根を連続して除去する葉・根連続除去機の前工程(葉切除工程)で行うことができる。
尚、本願発明の名称は、「玉ねぎ類の根除去装置」であるが、以下の説明では簡略化して単に「根除去装置」ということがある。
そして、本願請求項1の発明の根除去装置は、根の付いた根付き玉ねぎ類をその根が下向きに垂下する姿勢で後送させ得る2本1組の移送ロールを有した根付き玉ねぎ類移送装置と、両移送ロールの終端部近傍位置において根付き玉ねぎ類の根の付け根部分を切断する根切断装置とを備え、各移送ロールには、その各移送ロールの外周に、両移送ロール間を後送される根付き玉ねぎ類の根に接触して該根を下方に延ばすためのブラシ部を設けているとともに、各移送ロールのそれぞれ外周近傍位置に、各ブラシ部に接触して該各ブラシ部に玉ねぎ類の分離根が絡み付くのを阻止するスクレーパーを設置していることを特徴とするものである。
本願発明の根除去装置における各種構成(根付き玉ねぎ類移送装置、移送ロール、根切断装置、スクレーパー等)の詳細については、後述する実施例の項で詳しく説明するが、この請求項1の根除去装置は、次のように機能する。
まず、根付き玉ねぎ類移送装置における両移送ロールの始端部上に根付き玉ねぎ類を投入すると、両移送ロールで根付き玉ねぎ類を後送させながら両移送ロールの各ブラシ部で根付き玉ねぎ類の根を下方に延ばすように作用する。そして、その根付き玉ねぎ類が両移送ロールの終端部から排出されるときに、根付き玉ねぎ類の根の付け根部分を根切断装置で切断するようになっている。
ところで、両移送ロール間において根付き玉ねぎ類の根が左右の各ブラシ部で下方に延ばされる(こすられる)ときに、該根の一部が玉ねぎ本体部分から分離する(引き千切られる)ことがある。他方、根垂れ下げ機能を実行する各ブラシ部は、多数本のブラシ繊維(例えばナイロン繊維製で弾性復帰力があるもの)を集合させたものであって、該ブラシ部には玉ねぎから分離した分離根が絡み付き易い性質を有している。
そして、各側のブラシ部で玉ねぎ本体部分から分離された分離根は、各ブラシ部に絡み付き易いが、本願発明の根除去装置では、各移送ロールのそれぞれ外周近傍位置に、各ブラシ部に上記分離根を絡み付くのを阻止するスクレーパーを設置しているので、各ブラシ部に絡み付きそうな分離根を順次スクレーパーで掻き落とすことができる。
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の根除去装置において、上記各移送ロールとして、ロールの径方向を2分割した半割ロールを円柱状に合体させたものを使用している一方、各側の移送ロールは、両半割ロールの接合部が相互に対面しない位相で配置していることを特徴としている。
この請求項2で使用される移送ロールは、回転軸(駆動軸)を2つの半割りロールで挟んだ状態で、該両半割りロールをボルトで回転軸に一体敵に固定したものである。そして、該ボルトを外せば、回転軸を機体に取付けたままで両半割りロールを該回転軸から分離させることができるようになっている。
この請求項2の発明の背景として、次のことがある。まず、移送ロールの外周に設けられるブラシ部は、筒体からなる取付体の外周面に多数のブラシ束(複数本のブラシ繊維を細棒状に束ねたもの)を所定小角度間隔(例えば角度20°〜25°間隔)をもって植設したものである。そして、取付体(筒体)の外周面にブラシ部を設けるには、各ブラシの根元側を強固に(安定姿勢で)固定する必要がある関係で、取付体に多数のブラシ挿通穴を順次螺旋位置に設けて、各ブラシ挿通穴にそれぞれブラシ束の根元側を挿通させて該各ブラシ束の根元部分を取付体の内面で固定することが望ましい。ところで、上記各ブラシ束の根元部分を取付体の内面で固定するには、移送ロールの径方向を2分割して2つの半割りロールとすることで上記取付体も2つの半割り取付体とし(各半割り取付体の内面を開放できる)、該半割り取付体の内面側から各ブラシ束の根元部分を固定すればよい。
他方、ブラシ部の取付体を半割り取付体としたものでは、該半割りロールの円弧方向両端縁近傍には上記ブラシ挿通穴を設けにくく(ブラシ束が取付けられない)、従って両半割り取付体を合体させたときにその両半割り取付体の接合部付近(2箇所ある)の所定角度範囲(例えば角度40°〜50°の範囲)には、それぞれブラシ束のない部分が形成される。そして、各側の移送ロールを、上記両半割りロールの接合部(ブラシ束のない部分)が相互に対面する位相状態で配置していると、両移送ロールが回転して各側の接合部が相互に対面したときに両移送ロールの近接部にブラシ束のない部分同士が対面することになり、そのときは(ブラシ束のない部分同士が対面している回転角度範囲では)ブラシ部による根付き玉ねぎ類の根延ばし作用が働かなくなる(根延ばし効率が低下する)。
そこで、本願請求項2の発明では、上記各移送ロールとして、ロールの径方向を2分割した半割ロールを円柱状に合体させたものを使用していることで、各ブラシ束の根元部分を半割りロール(半割り取付体)の内面で固定し得るようにしている一方、両移送ロールを各側の接合部が相互に対面しない位相で配置していることにより、両移送ロールの近接部分にブラシ束のない部分同士が対面するということがなくなる(両移送ロールの近接部分には常時少なくとも一方のブラシ束が位置するようになる)。
[本願請求項3の発明]
本願請求項3の発明は、上記請求項1又は2の根除去装置において、上記両移送ロールの始端部の上方位置に、該両移送ロール上に投入される根付き玉ねぎ類に接触して該根付き玉ねぎ類を両移送ロール間の中心位置に案内するための左右一対のガイド板からなるガイド部材を設置していることを特徴としている。
上記ガイド部材の両ガイド板は、下方が狭くなる逆ハ形に配置される。又、処理すべき玉ねぎ類の大きさは、用途(栽培目的)によってばらつきがある関係で、両ガイド板の下端部の間隔を調整し得るようにするとよい。さらに、この両ガイド板の下部側はゴム板等の弾性体を使用して、玉ねぎ類がその自重で両ガイド板の下端部を外側に撓ませながら落下するようにするとよい。
そして、この請求項3の発明では、両移送ロールの始端部上に根付き玉ねぎ類を投入した際に、根付き玉ねぎ類が上記ガイド部材でガイドされることにより、該根付き玉ねぎ類を確実に両移送ロール間の中心位置に収める得る(落下させ得る)ようになる。
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の発明の根除去装置の背景として、両移送ロールによる根付き玉ねぎ類の後送中に、該根付き玉ねぎ類の根が両移送ロールのブラシ部で下方に延ばされる(こすられる)ことで該根の一部が玉ねぎ本体から分離する(引き千切られる)ことがあり、その分離根がブラシ部に絡み付き易くなるという性質がある。
そこで、本願請求項1の発明の根除去装置では、各移送ロールのそれぞれ外周近傍位置に、各ブラシ部に接触して該各ブラシ部に玉ねぎ類の分離根が絡み付くのを阻止するスクレーパーを設置しているので、各ブラシ部に絡み付きそうな上記分離根を順次スクレーパーで掻き落とすことができる。
従って、本願請求項1の発明の根除去装置では、玉ねぎ類の分離根がブラシ部に絡み付かない(又は絡み付きにくくなる)ので、長期に亘ってブラシ部の分離根除去作業(掃除)が不要となる。尚、このように長期に亘ってブラシ部の分離根除去作業が不要になると、人手によるブラシ部からの分離根除去の作業回数を低減できるとともに、運転休止時間が少なくなって稼働効率が良好となるという効果がある。
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の根除去装置において、各移送ロールとしてロールの径方向を2分割した半割ロールを円柱状に合体させたものを使用し、各側の移送ロールを両半割ロールの接合部が相互に対面しない位相で配置したものである。
ところで、本願請求項2の発明の背景としては、上記した内容のものがある。
そして、本願請求項2の発明の根除去装置では、上記請求項1の効果に加えて、次の効果がある。
まず、移送ロールの外周に設けたブラシ部は、多数のブラシ束を所定小角度間隔をもって配置したものであるが、各ブラシ束の根元部分を半割り取付体(半割り筒体)の内面において固定できるので、該各ブラシ束の取付けを強固にできるという効果がある。
又、各移送ロールとして半割りロールを合体させたものを使用する場合は、各半割りロールの接合部付近(対向位置に2箇所ある)にはブラシ束のない部分が発生するが、各側の移送ロールを両半割ロールの接合部が相互に対面しない位相で配置していると、両移送ロールの近接部分にブラシ束のない部分同士が対面するということがなくなるので、半割りロールを合体させて一体化させた移送ロール(所定角度範囲にブラシ束がないもの)であっても、根延ばし効率が低下することがないという効果がある。
さらに、長時間運転していると、移送ロールの外周面(ブラシ部や螺旋部等)に玉ねぎ類の分離根が絡みついたり泥が付着することがあるが、移送ロールの両半割りロールを回転軸に対して取外し自在に取付けたものでは、移送ロールに付着した付着物(玉ねぎ類の分離根や泥等)を掃除する際に、両半割りロールを回転軸から取外すことで、上記付着物の掃除が容易に行えるという効果がある。
[本願請求項3の発明の効果]
本願請求項3の発明は、上記請求項1又は2の根除去装置において、上記両移送ロールの始端部の上方位置に、該両移送ロール上に投入される根付き玉ねぎ類に接触して該根付き玉ねぎ類を両移送ロール間の中心位置に案内するための左右一対のガイド板からなるガイド部材を設置したものである。
従って、この請求項3の発明では、上記請求項1又は2の効果に加えて、両移送ロールの始端部上に投入された根付き玉ねぎ類は、上記ガイド部材で案内されて確実に両移送ロール間の中心位置に収める(落下させる)ことができるという効果がある。尚、両移送ロールの始端部上に投入された根付き玉ねぎ類が確実に両移送ロール間の中心位置に収められると、該根付き玉ねぎ類の根を左右のブラシ部で素早く下方に延ばすことができる(根の延ばし効率がよくなる)。
[実施例]
以下、図1〜図10を参照して本願実施例の玉ねぎ類の根除去装置を説明すると、この実施例では、本願の玉ねぎ類の根除去装置を、収穫したままの葉・根付き玉ねぎ類Tから葉Tbと根Tcを連続して除去し得るようにした玉ねぎ類の葉・根連続除去機の一部として使用している。尚、本願実施例の説明でも、本願の名称である「玉ねぎ類の根除去装置」を簡略化して「根除去装置」ということがあり、この「根除去装置」を採用した「玉ねぎ類の葉・根連続除去機」を簡略化して「葉・根連続除去機」ということがある。又、本願実施例で処理の対象となる玉ねぎ類も、玉ねぎ自体のほかに、ラッキョウ、ニンニク、ユリ根、球根等を含むものである。
まず、本願実施例の根除去装置について説明する前に、この根除去装置を一部に使用している玉ねぎ類の葉・根連続除去機の全体構成について説明すると、この実施例の葉・根連続除去機で処理の対象となる玉ねぎ類は、収穫したままの形態であって、図1〜図3に示すように玉ねぎ本体(実の部分)Taの上部に葉Tbと下部に根Tcがそれぞれ連続している葉・根付き玉ねぎ類Tである。
この実施例の葉・根連続除去機は、図1及び図2に示すように、前後にかなりの長さ(例えば2m弱の長さ)を有した本体ケース1内に、それぞれ後述する葉除去ユニット2と上下反転装置4と根除去ユニット3(本願の根除去装置に相当する)とを一列状態で配置して構成されている。尚、この実施例では、単一の本体ケース1内に葉除去ユニット2と上下反転装置4と根除去ユニット3とを1セットだけ設けているが、他の実施例では、単一の本体ケース1内に該葉除去ユニット2と上下反転装置4と根除去ユニット3とを2セット並列させたものでもよい。
本体ケース1は、図1において2点鎖線で四角囲いしたものである。そして、図1及び図2に示すように、本体ケース1の前部には、葉・根付き玉ねぎ類Tを投入するための投入部(投入シュート)11を設けている一方、本体ケース1の後部には、葉Tbと根Tcを除去した葉・根除去玉ねぎ類T2を排出するための排出部(排出シュート)12を設けている。
本体ケース1内には、投入部11から投入された葉・根付き玉ねぎ類Tの葉Tbを玉ねぎ本体Ta部分から除去するための葉除去ユニット2と、該葉除去ユニット2で葉Tbを除去した葉除去・根付き玉ねぎ類T1を玉ねぎ本体Ta部分から根Tcを除去するための根除去ユニット3とを、葉除去ユニット2が前側で根除去ユニット3が後側に位置する状態で設けているとともに、該葉除去ユニット2と該根除去ユニット3との間に葉Tbを除去した葉除去・根付き玉ねぎ類T1を上下反転させるための上下反転装置4を設けている。
上記葉除去ユニット2は、2本の移送ロール22,22を1組として葉・根付き玉ねぎ類Tの葉Tbを下向きに垂下させた姿勢で後送させ得るようにした葉・根付き玉ねぎ類移送装置21と、該葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部近傍位置において葉・根付き玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を切断する葉切断装置25とを備えている。
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の両移送ロール22,22は、図2及び図3に示すように、モータ23及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)24からなる動力装置で、各ロール上面側が相互に内側に向けて回転されるように設定している。
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の各移送ロール22,22は、回転胴22aの外周に玉ねぎ類を後送させる機能を持つコイル状の螺旋部22bを設けたものである。尚、この実施例では、回転胴22aの外周面に対して螺旋部22bを1条だけしか巻付けていないが、他の実施例では該回転胴22aの外周面に複数条(2〜3条)の螺旋部22bを巻付けたものでもよい。
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の各移送ロール22,22は、図1に示すように、螺旋部22bを右回転方向に進行するように螺旋巻付けしたものと、逆に螺旋部22bを左回転方向に進行するように螺旋巻付けしたものとを有している。
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の各移送ロール22,22の太さは、玉ねぎを対象とするものでは10cm〜12cm程度のものが好適であるが、例えばラッキョウのような小形のものを対象とするものでは、該移送ロール22の直径を3cm〜4cm程度としたものが好適である。又、該各移送ロール22,22の長さは、玉ねぎ用のものであれば100〜120cm程度が適当である。尚、この移送ロール22の太さ及び長さは、それぞれ特に限定するものではない。
この葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の各移送ロール22,22は、図1及び図3に示すように、本体ケース1内における投入部11の直下位置から後方に向けて左右に近接した状態で(又は接触状態で)配置している。
該両移送ロール22,22の上部側左右位置には、各移送ロール22,22の外周寄り上面に向かって下降傾斜する左右のガイド板13,13が設けられている(図3参照)。尚、この各ガイド板13,13は、葉・根付き玉ねぎ類Tが左右外側に脱落するのを防止するものである。
そして、この葉・根付き玉ねぎ類移送装置21は、投入部11から葉・根付き玉ねぎ類Tを投入すると、該玉ねぎ類Tが両移送ロール22,22の始端部上に落下した後、両移送ロール22,22間の上面側谷部において前後に向く横倒し姿勢で転動し、そのとき両移送ロール22,22が相互に内向きに回転していることにより玉ねぎ類Tの葉Tbが両移送ロール22,22により下方に引き込まれ、且つ該葉・根付き玉ねぎ類Tが葉Tbを下向きに垂下させた姿勢で後送されるようになる。
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部近傍位置には、該葉・根付き玉ねぎ類移送装置21により葉Tbを下向きに垂下させた姿勢で後送されてくる葉・根付き玉ねぎ類Tにおける葉Tbの付け根部分を切断するための葉切断装置25が設けられている。
この葉切断装置25は、図1及び図2に示すように、左右一対の円盤刃物26,26を葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部近傍位置における玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を切断し得る高さにセットし、該両円盤刃物26,26を図4に示すようにモータ27及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)28からなる動力装置で回転せしめるようにしたものである。尚、この両円盤刃物26,26は、適宜の高速(限定するものではないが、例えば毎分800回転程度)で回転せしめられる。
そして、この葉切断装置25は、葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部から葉Tbを下向きにした葉・根付き玉ねぎ類Tが排出されると、該玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を両円盤刃物26,26で切断するようになっている。尚、円盤刃物26,26で切断された葉Tbは、図2に符号Tb′で示すように葉受シュート15に案内されて、その下方に配置している葉受容器16内に貯留される。
葉切断装置25で葉Tbを除去された玉ねぎ類は、葉除去・根付き玉ねぎ類T1となるが、この状態では、葉の付け根部分が切断されたあとに小突出状態の葉付け根残部Tdが残っている。この小突出状態の葉付け根残部Tdは、後述する上下反転装置4となる衝合材41に衝合して、葉除去・根付き玉ねぎ類T1を上下に反転させる機能を発生させるものである。
各円盤刃物26,26の上面には、上面が略球面状で小厚さの載せ台29,29が取付けられている。この両載せ台29,29間には、玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を後方に通過させ得る間隔を設けている。尚、この両載せ台29,29は、両円盤刃物26,26で葉Tbの付け根部分を切断した後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1を安定した逆立姿勢で円盤刃物上を通過させ得るようにするためのものである。
葉切断装置25の両円盤刃物26,26の上面側直近位置には、葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部から排出される葉・根付き玉ねぎ類Tの玉ねぎ本体Taを左右から弾性的に挟持して、両円盤刃物26,26で葉Tbを除去した葉除去・根付き玉ねぎ類T1を後方側に送り出すための送り出し装置5を設けている。
この送り出し装置5は、図4に拡大図示するように、左右一対の縦向き軸51,51の下端部にそれぞれ弾性ロール52,52を取付けているとともに、該各弾性ロール52,52をモータ53及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)54からなる動力装置で対向面が前側から後側に移動するように回転せしめるようにしたものである。尚、両弾性ロール52,52の回転スピードは、特に限定するものではないが、毎分40〜100回転の範囲で設定することができる。
両弾性ロール52,52には、半径方向に圧縮・復帰する柔軟なスポンジ製のものが採用されている。この両弾性ロール52,52の対向部分の間隔は、玉ねぎの直径よりかなり小さくなるように設定されている(例えば、両弾性ロールの対向面が、ほぼ接触する状態まで近接させたものでもよいし、2〜3cm程度の間隔を持たせたものでもよい)。尚、この弾性ロール52は、スポンジロールに代えてブラシロールを使用することもできる。
そして、この送り出し装置5は、図4に示すように、両弾性ロール52,52間に玉ねぎ本体Ta部分が侵入すると、該弾性ロール52,52の対向面が符号52a,52aで示すように玉ねぎ本体Taの外形に沿って凹むとともに、該両弾性ロール52,52の対向面(凹み52a,52a部分)によって玉ねぎ本体Taを左右両側から弾性的に挟持しながら葉除去・根付き玉ねぎ類T1を後方に送り出すように機能する。尚、この両弾性ロール52,52の前後設置位置及び間隔は、それぞれ調整可能にすることがてきる。
上記根除去ユニット3は、本願発明の根除去装置に相当するものである。そして、この根切除ユニット3は、上記葉切断装置25(両円盤刃物26,26)の後側近傍位置に連続して設置されていて、2本の移送ロール32,32を1組として葉除去・根付き玉ねぎ類T1を後送させるための葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31と、該葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部近傍位置において葉除去・根付き玉ねぎ類T1の根Tcの付け根部分を切断する根切断装置35とを備えている。尚、この実施例において、葉除去・根付き玉ねぎ類T1が特許請求の範囲中の根付き玉ねぎ類に相当するものであり、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31が同じく根付き玉ねぎ類移送装置に相当するものである。
葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の各移送ロール32,32には、上記葉・根付き玉ねぎ類移送装置21側の各移送ロール22,22より細く且つ短いものが採用されている。例えば、該葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の移送ロール32の太さ及び長さは、特に限定するものではないが、太さが7〜8cm、長さが30〜35cm程度のものを採用できる。
葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の各移送ロール32,32は、その回転軸32aの外周に玉ねぎ類を後送させる機能を持つコイル状の螺旋部32bと、葉除去・根付き玉ねぎ類T1の根Tcを下方に延ばすための螺旋状に配置したブラシ部32cを設けている。
ブラシ部32cは、1箇所に複数本のブラシ繊維(例えばナイロン繊維製で弾性復帰力があるもの)を集合させたブラシ束を、上記螺旋部32bの間において螺旋方向に所定小角度間隔(例えば角度20°〜25°間隔)をもって多数植設したものである。
このブラシ部32cの各ブラシ束は、図1、図2、図5及び図8には便宜上(作図上)細棒状に記載しているが、実際には図6、図9及び図10に示すように複数本のブラシ繊維(例えばナイロン繊維製)を細棒状に束ねたものである。尚、このブラシ部32cの各ブラシ束の取付方法については後述する。
葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の両移送ロール32,32は、図6に示すように、モータ33及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)34からなる動力装置で、各ロール上面側が相互に内側に向けて回転されるように設定している。そして、両移送ロール32,32間の上面側谷部に葉除去・根付き玉ねぎ類T1が載った状態で、該両移送ロール32,32をそれぞれ内向き方向に回転させると、コイル状の螺旋部32bで該玉ねぎ類T1を後送させる一方で、各ブラシ束からなるブラシ部32cで葉除去・根付き玉ねぎ類T1の根Tcを下向き直線状に延ばす機能が発生する。尚、玉ねぎ類T1の根Tcを下向き直線状に延ばすのは、後述する根切断装置35での根切断を確実に行うためのものである。
葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31(両移送ロール32,32)の始端部上面高さは、上記葉切断装置25の円盤刃物26の上面高さより所定高さ(例えば5〜10cm程度)だけ低位置に設定している。そして、葉切断装置25の両円盤刃物26,26で玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を切断した後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1が該円盤刃物26,26側から葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の始端部上に移動する際に、後述する上下反転動作がスムーズに行われるようにしている。
この葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の両移送ロール32,32の上部側左右位置には、本体ケース1の上面部から延出して各移送ロール32,32の外周寄り上面に向かって下降傾斜する左右のガイド板14,14が設けられている(図6参照)。尚、この各ガイド板14,14は、葉除去・根付き玉ねぎ類T1が左右外側に脱落するのを防止するものである。
葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部近傍位置には、根Tcを下向きに垂下させた姿勢で後送されてくる葉除去・根付き玉ねぎ類T1における根Tcの付け根部分を切断するための根切断装置35が設けられている。
この根切断装置35は、図2及び図7に示すように、左右一対の円盤刃物36,36を葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部近傍位置における玉ねぎ類T1の根Tcの付け根部分を切断し得る高さにセットし、該両円盤刃物36,36をモータ37及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)38からなる動力装置で回転せしめるようにしたものである。
根切断装置35の両円盤刃物36,36の上面側直近位置には、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部から排出される葉除去・根付き玉ねぎ類T1の玉ねぎ本体Taを左右から弾性的に挟持して、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1を根Tcが下向きに垂下する安定姿勢で両円盤刃物36,36の切断部上を通過させるための送り出し装置6を設けている。
この根切断装置35部分の送り出し装置6は、上記葉切断装置25上に設けた送り出し装置5と同じ構成及び同じ機能をするものであり、図7に拡大図示するように、左右一対の縦向き軸61,61の下端部にそれぞれ弾性ロール62,62を取付けているとともに、該各弾性ロール62,62をモータ63及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)64からなる動力装置で対向面が前側から後側に移動するように回転せしめるようにしたものである。尚、この両弾性ロール62,62も、前後位置及び間隔をそれぞれ調整可能にすることがてきる。
そして、この根切断装置35部分の送り出し装置6でも、図7に示すように、両弾性ロール62,62間に玉ねぎ本体Ta部分が侵入すると、該弾性ロール62,62の対向面が符号62a,62aで示すように玉ねぎ本体Taの外形に沿って凹むとともに、該両弾性ロール62,62の対向面(凹み62a,62a部分)によって玉ねぎ本体Taを左右両側から弾性的に挟持して、該玉ねぎ類を姿勢保持しながら両円盤刃物36,36の切断部上を後方に通過させるように機能する。このように、両弾性ロール62,62により葉除去・根付き玉ねぎ類T1(根Tcが下向き姿勢となっている)の玉ねぎ本体Ta部分を挟持した状態では、該玉ねぎ類T1の姿勢が安定しているので、該玉ねぎ類T1の根Tcの付け根部分を両円盤刃物36,36で切断するときの切断作業が確実に行われる。
尚、根切断装置35の両円盤刃物36,36で切断された根Tc′(図2、図7参照)は、根受シュート17(図2)を通ってその下方に配置している根受容器18内に収容される。
ところで、この実施例の葉・根連続除去機において、葉除去ユニット2部分は、玉ねぎ類Tの葉Tb部分を下向き(根Tcが上向き)にした状態で該葉Tbの付け根部分を切断するものである一方、根除去ユニット3部分は、玉ねぎ類T1の根Tcを下向きにした状態で該根Tcの付け根部分を切断するものである。そして、葉除去ユニット2の葉切断装置25で葉Tbを切断した状態では、葉除去・根付き玉ねぎ類T1は根Tcが上向き姿勢のままであるので、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1をそのままの姿勢で根除去ユニット3の葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31上に移乗させると、該葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31上において玉ねぎ類T1の根Tc部分を確実に下向きに垂下させることが難しい。即ち、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31上に移乗した葉除去・根付き玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32の上面側谷部で回転しても、根Tc部分が両移送ロール32,32間にうまく挟み込まれないまま(根部分が下向きに垂下しないまま)で後送されることがあり、その場合には根切断装置35による根切りに失敗することになる(根が残ったままとなる)。
そこで、本願の葉・根連続除去機では、葉除去ユニット2の葉切断装置25で葉Tbを切断した葉除去・根付き玉ねぎ類T1を根除去ユニット3の葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の始端部上に移乗させる際に、根Tcが上向き姿勢であったものを該根Tcが下向きに上下反転させるための上下反転装置4を備えている。
この実施例では、上下反転装置4として、葉切断装置25の両円盤刃物26,26で葉Tbの付け根部分を切断した直後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1における下向きに小突出している葉付け根残部Tdを衝合させるための衝合材41を使用している。この衝合材41としては、単なる細棒状のものを使用できる。
そして、この衝合材41は、図5に拡大図示するように、葉切断装置25の両円盤刃物26,26の出口側上面に近接する位置(葉が除去された玉ねぎ類の葉付け根残部Tdの高さとほぼ同高さ位置)において、玉ねぎ類T1の移動方向とは水平直交方向(左右方向)に向けて設置している。
又、この衝合材41の設置位置は、前後及び上下に微調整可能となっており、葉が除去された直後の玉ねぎ類T1の葉付け根残部Tdを適正位置及び適正タイミングで衝合させ得るようにしている。この衝合材41の位置調整は、具体的には図4及び図5に示すように、棒状の衝合材41の両端部にそれぞれ側板42,42を設け、該各側板42,42にそれぞれに前後に長穴43(図5参照)を設けるとともに、該両側板42,42を本体ケース1側に固定した支持板44,44に対して各長穴43部分に止着材(ボルト・ナット)45,45を通して固定している。そして、該各止着材(ボルト・ナット)45,45を緩めることで、両側板42,42を前後移動できるとともに上下揺動可能としていることで、該衝合材41を前後及び上下に微調整できるようにしている。
ところで、下反転装置4部分を通過した葉除去・根付き玉ねぎ類T1は、根切除ユニット3の両移送ロール32,32の始端部上に排出されるが、そのとき該葉除去・根付き玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32上の中心位置から左右にずれた位置に落下することがある。そして、そのように葉除去・根付き玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32間の中心位置から左右にずれた位置に落下した場合には、該玉ねぎ類T1が根Tcを下向きにした状態で排出されても、該玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32上で転動して姿勢(根Tcの下向き姿勢)が変わることがある。
そこで、この実施例の根除去装置では、図1、図2、図5、図6に示すように、上記両移送ロール32,32の始端部の上方位置に、上記上下反転装置4部分から両移送ロール32,32上に投入された葉除去・根付き玉ねぎ類T1を該両移送ロール32,32間の中心位置に案内するためのガイド部材8を設置している。
このガイド部材8は、左右一対のガイド板81,81を下方が狭くなる逆ハ形に配置したものである。又、処理すべき玉ねぎ類の大きさは、用途(栽培目的)によって圃場単位ごとにばらつきがある(超大玉は10〜13cm、普通サイズは6〜9cm程度)関係で、両ガイド板81,81は、その下端部の間隔を適宜の間隔調整手段(図示省略)によって調整し得るようにしている。そして、この両ガイド板81,81の下端部間の間隔は、図6に示すように圃場単位で収穫される玉ねぎ本体Ta部分の外径(平均値)よりやや小さい程度に設定して使用される。
又、この両ガイド板81,81の下部側には、ゴム板等の弾性体を使用しており、玉ねぎ類がその自重で両ガイド板81,81の下端部を外側に撓ませながら落下するようにしている。
この実施例の葉・根連続除去機は、次のように機能する。
即ち、各駆動部分の各モータ23,27,33,37,53,63をそれぞれ作動させた状態で、本体ケース1の投入部11から葉・根付き玉ねぎ類Tを投入すると、図1及び図2に示すように、該葉・根付き玉ねぎ類Tが葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の始端部寄り上面の谷間部分において前後に向く横倒し状態となる。続いて、両移送ロール22,22がそれぞれ内方側に回転していることにより、横倒し状態の葉・根付き玉ねぎ類Tの葉Tb部分が両移送ロール22,22間の隙間内に巻き込まれて、該葉・根付き玉ねぎ類Tが葉Tbを下向きにした姿勢で後送されるようになる。
そして、葉・根付き玉ねぎ類Tが葉Tbを下向きにしたままで葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部から排出されると、直ちに該玉ねぎ類Tの玉ねぎ本体Ta部分を送り出し装置5の両弾性ロール52,52で挟持して該玉ねぎ類Tの姿勢を維持させる。続いて、該玉ねぎ類Tを姿勢維持状態で葉切断装置25の両円盤刃物26,26の切断部に送り出し、そのとき両円盤刃物26,26で玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を切断するようになる(図4の符号Tb′)。尚、葉Tbの付け根部分を切断された直後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1は、葉付け根残部Tdが下向きのままで両円盤刃物26,26上に載っている。
続いて、葉Tbを除去した直後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1は、送り出し装置5(両弾性ロール52,52)によりそのままの姿勢(根Tcが上向き姿勢)で後方に送り出されるが、そのとき図5に示すように玉ねぎ本体Taの下面側に小突出している葉付け根残部Tdが上下反転装置4(衝合材41)に衝合し、該玉ねぎ類T1に蹴つまずき作用が発生して、該玉ねぎ類T1が符号T1′、T1″(図5)の各姿勢を経て葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31(両移送ロール32,32)の始端部上に上下反転姿勢(根Tcが下向き姿勢)で着座するようになる。
ところで、上下反転装置4部分を経て、両移送ロール32,32の始端部上に投入される葉除去・根付き玉ねぎ類T1は、両移送ロール32,32の始端部上に落下したときに、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32上で転動し易くなる(根Tcの下向き姿勢が変化し易くなる)。
そこで、この実施例の根除去装置では、両移送ロール32,32の始端部上に投入される葉除去・根付き玉ねぎ類T1に接触して該葉除去・根付き玉ねぎ類T1を両移送ロール32,32の中心位置に案内するためのガイド部材8(左右一対のガイド板81,81)を設置している。
そして、このガイド部材8は、次のように機能する。即ち、上記上下反転装置4部分から葉除去・根付き玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32上に投入されるときには、まず、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1が上記ガイド部材8(左右の両ガイド板81,81)に接触した後、玉ねぎ類の自重で両ガイド板81,81の下端部を押し広げながら落下することで、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1を確実に両移送ロール32,32間の中心位置に収めることができる。このように、葉除去・根付き玉ねぎ類T1を両ガイド板81,81で案内させながら両移送ロール32,32間に落下させると、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1の姿勢が変動しにくくなり(根Tcを下向きにした姿勢で安定する)、該根付き玉ねぎ類の根を左右のブラシ部で素早く下方に延ばすことができる(根の延ばし効率がよくなる)。
次に、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の始端部上に葉除去・根付き玉ねぎ類T1が根Tcを下向きにした姿勢で着座すると、その両移送ロール32,32がそれぞれ内向きに回転していることで、ブラシ部32cにより根Tc部分を両移送ロール32,32間の隙間内に引き込みながら(根Tcが下向き直線状に延ばされる)、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1を順次後送させる。
そして、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1が葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部から排出されると、該玉ねぎ類T1の玉ねぎ本体Ta部分を送り出し装置6の両弾性ロール62,62で挟持して該玉ねぎ類T1の姿勢を維持させた状態で、根切断装置35の両円盤刃物36,36の切断部に送り出し、そのとき両円盤刃物36,36で玉ねぎ類T1の根Tcの付け根部分を切断するようになる(図7の符号Tc′)。
その後、葉及び根をそれぞれ除去した葉・根除去玉ねぎ類T2は、根切断装置35部分から排出部12上に放出されて、図示しない玉ねぎ受容器に貯留される。
このように、この実施例の葉・根連続除去機を使用すると、本体ケース1の投入部11から葉・根付き玉ねぎ類Tを投入するだけで、葉・根付き玉ねぎ類移送装置21において該玉ねぎ類Tをその葉Tb部分が下向きとなる姿勢で後送でき、葉切断装置25部分において下向きに垂下している葉Tbを付け根部分で除去し、上下反転装置(衝合材41)により葉除去・根付き玉ねぎ類T1を上下反転させて(根が下向きになる)葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の始端部上に着座させ、該葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31部分を該玉ねぎ類T1の根Tcが下向き姿勢のままで後送し、根切断装置35部分において下向きに垂下している根Tcの付け根部分を除去する、という全工程を自動で連続して行うことができる。
ところで、葉・根連続除去機による作業時において、根切除ユニット3の両移送ロール32,32部分を根付き玉ねぎ類T1が根下向き姿勢で後送される際には、図6に示すように両移送ロール32,32間において根付き玉ねぎ類T1の根Tcが左右の各ブラシ部ブラシ部32c,32cで下方に延ばされる(こすられる)作用を受けるが、そのときに該根Tcの一部が玉ねぎ本体Ta部分から分離する(引き千切られる)ことがある。他方、根垂れ下げ機能を実行する各ブラシ部32c,32cは、複数本のブラシ繊維(ナイロン繊維製)を細棒状に束ねたブラシ束を所定小角度間隔(例えば角度20°〜25°間隔)をもって螺旋方向に配置させたものであって、該ブラシ部32cには玉ねぎから分離した分離根が絡み付き易い性質を有している。そして、各側のブラシ部32c,32cで玉ねぎ本体部分から分離された分離根は、各ブラシ部32c,32cに絡み付き易くなっている。
そこで、本願の根除去装置(請求項1)では、図1及び図6に示すように、各移送ロール32,32のそれぞれ外周近傍位置に、各ブラシ部32c,32cに接触して該各ブラシ部32c,32cに玉ねぎ類T1の分離根が絡み付くのを阻止するスクレーパー7,7を設置している。
このスクレーパー7,7は、図1及び図6に示すように、各移送ロール32,32の外側近傍位置において、移送ロール32のほぼ全長に亘る長さ範囲に弾性復帰力のあるブラシ(多数のブラシ束)71(図6参照)をそのブラシ先端側が移送ロール32のブラシ部32cに対して所定深さ(長さ)だけ重合し得る状態で設置したものである。尚、この各スクレーパー7,7の各ブラシ71,71は、移送ロール32が回転することによって該移送ロール32の螺旋部32bにも接触するが、そのときには該ブラシ71が撓んで該螺旋部32bを乗り越えるようになる。
このように、各移送ロール32,32のそれぞれ外周近傍位置に、各ブラシ部32c,32cに接触するスクレーパー7,7(ブラシ71)を設置していると、両移送ロール32,32間を後送される途中で玉ねぎ本体から分離した分離根が移送ロール32のブラシ部32cに絡み付きそうになっても、該分離根をスクレーパー7(ブラシ71)で自動的に掻き落とすことができる。
従って、根付き玉ねぎ類T1が根切除ユニット3の移送ロール32,32部分を後方移動中に玉ねぎ本体から根が分離しても、ブラシ部32cに絡み付かない(又は絡み付きにくくなる)ので、長期に亘ってブラシ部32cの分離根除去作業(掃除)が不要となる(又は掃除間隔を長くできる)。
ところで、移送ロール32の外周に設けられるブラシ部32cは、図8〜図10に示すように、ブラシ束の状態で回転軸32aの外側に設けられる取付体(筒体)32Bの外周面に植設されるが、該ブラシ束を取付体32Bの外周面に安定姿勢で取付けるには、各ブラシ束の根元側を強固に(安定姿勢で)固定する必要がある関係で、取付体32Bにおけるブラシ束取付位置にそれぞれブラシ挿通穴32Dを設けて、各ブラシ挿通穴32Dにそれぞれブラシ束の根元側を挿通させて該各ブラシ束の根元部分を取付体32Bの内面で固定することが望ましい。
そして、上記各ブラシ束の根元部分を取付体32Bの内面で固定するには、図9、図10に示すように、移送ロール32の径方向を2分割して2つの半割りロール32A,32Aとすることで、移送ロール32の取付体32Bも2分割されて半割り取付体32Ba,32Baとなり、該各半割り取付体32Baの内面が開放されることで、その半割り取付体32Baの内面側から各ブラシ束の根元部分を固定することがてきる。
このように、各移送ロール32,32として、ロールの径方向を2分割した半割ロール32A,32Aを円柱状に合体させたものを使用していると、各ブラシ束の根元部分を半割り取付体32Baの内面で固定できるので、該各ブラシ束の取付けを強固にできる。
他方、ブラシ部の取付体32Bを半割り取付体32Ba,32Baとしたものでは、図9及び図10に示すように半割り取付体32Baの円弧方向両端縁近傍には上記ブラシ挿通穴32Dを設けにくく(ブラシ束が取付けられない)、従って両半割り取付体32Ba,32Baを合体させたときにその両半割り取付体32Ba,32Baの接合部J付近(2箇所ある)の所定角度範囲(例えば角度40°〜50°の範囲で図9の幅Wの範囲)には、それぞれブラシ束のない部分が形成される。そして、各側の移送ロール32,32を、上記両半割り取付体32Ba,32Baの接合部J,J(ブラシ束のない部分)が相互に対面する位相状態で配置していると、両移送ロール32,32が回転して各側の接合部J,Jが相互に対面したときに両移送ロール32,32の近接部にブラシ束のない部分同士(図9の幅Wの範囲同士)が対面することになり、そのときは(ブラシ束のない部分同士が対面している回転角度範囲では)ブラシ部32cによる根付き玉ねぎ類T1の根延ばし作用が働かなくなる(根延ばし効率が低下する)。
そこで、本願実施例の根除去装置では、図6に示すように、両移送ロール32,32を各側の接合部J,Jが相互に対面しない位相で配置していることにより、両移送ロール32,32の近接部分にブラシ束のない部分が対面するということがなくなる(両移送ロール32,32の近接部分には常時少なくとも一方のブラシ束が位置するようになる)ので、半割りロール32A,32Aを合体させて一体化させた移送ロール32であっても、根延ばし効率が低下することがない。
又、この実施例で使用している移送ロール32は、図9及び図10に示すように、両半割りロール32A,32Aを回転軸32aの対向位置から挟むように合体させた状態で、図8及び図9に示すように移送ロール32の長さ方向両端寄り2箇所でそれぞれボルト32e,32eにより合体状態で固定している。そして、この各移送ロール32,32は、機体に装着した状態で上記2箇所の各ボルト32e,32eを抜き外すと、回転軸32aを機体に装着したままで両半割りロール32A,32Aを該回転軸32aから取外すことができる。従って、移送ロール32に付着した付着物(玉ねぎ類の分離根や泥等)を掃除する際には、両半割りロール32A,32Aを回転軸32aから取外すことで、上記付着物の掃除が容易に行える。
ところで、この実施例では、本願の根除去装置を、玉ねぎ類の葉と根を連続して切除するようにした葉・根連続除去機の一部(後段部)に組み込んで使用しているが、本願の他の実施例では、本願の根除去装置を根除去専用機(例えば特許文献1のもの)に適用することができる。その場合は、根除去専用機には、予め別工程で葉を除去した葉除去・根付き玉ねぎ類を投入することになる。